JP2011107002A - 放射線検出パネル、放射線画像検出器、放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法 - Google Patents

放射線検出パネル、放射線画像検出器、放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素子基板に備えられた配線やパッシベーション層に割れ等が生じることを的確に防止することが可能な放射線検出パネル、放射線画像検出器、放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法を提供する。
【解決手段】放射線検出パネル3は、表面に複数の光電変換素子15が二次元状に配列された素子基板4と、放射線を光に変換するシンチレータ6が表面に形成され、シンチレータ6と複数の光電変換素子15とが対向する状態で配置されたシンチレータ基板5と、複数の光電変換素子15およびシンチレータ6の周囲の部分に配置され、素子基板4とシンチレータ基板5とを接着する接着剤22と、接着剤22に含まれ、素子基板4とシンチレータ基板5との間隔を確保する複数のスペーサSと、を備え、さらに、素子基板4とスペーサSとの間に配置された接着剤硬化層22a(緩衝層)を備えている。
【選択図】図11

Description

本発明は、放射線検出パネル、放射線画像検出器、放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法に関する。
基板上にフォトダイオード等の複数の光電変換素子を二次元状に配列し、光電変換素子の放射線入射側にシンチレータを配置した放射線検出パネルを用いた放射線画像検出器(Flat Panel Detector(FPD)ともいう。)が開発されている。
このような放射線画像検出器は、通常、放射線検出パネルに照射された放射線をシンチレータで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光を光電変換素子に入射させて素子内で電荷を発生させ、発生した電荷を取り出すことで、放射線情報を変換して最終的に電気信号として検出するように構成される。
放射線検出パネルとしては、例えば特許文献1に示されるように、基板の一方の面上に形成された光電変換素子等を被覆するように透明な樹脂等が塗布されて平坦化層(シンチレータ下地層)が形成され、その上方、すなわちその放射線入射側にシンチレータが配置される。
その際、シンチレータとして、図30に示すように、例えばCsI:Tl等の母体材料内に発光中心物質が付活された蛍光体102を柱状に成長させて柱状結晶とし、そのような柱状結晶が多数形成されてなるシンチレータ101が用いられる場合があり、その場合、シンチレータ101は、通常、柱状構造の軸方向が、図示しない基板表面に直交するように配置される。
このように配置されると、放射線の照射を受けたシンチレータ101の各蛍光体102の内部で光が発生し、あたかも光ファイバのように光がそれぞれ蛍光体102の柱状結晶内を軸方向に伝播して鋭角状の先端Paから出力され、蛍光体102の柱状結晶の直下に位置する図示しない光電変換素子に的確に入射する。そのため、蛍光体102内で発生した光の軸方向に直交する方向への拡散が抑制され、得られた放射線画像の鮮鋭性が向上するという利点がある。
ところで、特許文献1では、図31に示すように、柱状結晶構造の蛍光体102を有するシンチレータ101を支持基板103(以下「シンチレータ基板103」という。)上に形成しておき、そのシンチレータ基板103と、光電変換素子104が形成された基板105(以下「素子基板105」という。)と、をシンチレータ101の蛍光体102の鋭角状の先端Paと光電変換素子104とが対向する状態で貼り合わせて放射線検出パネル100を形成する技術が記載されている。なお、図31の例では、107は走査線や信号線などの配線を表し、108は光電変換素子104や配線107などを被覆するパッシベーション層を表し、光電変換素子104等はパッシベーション層108を介して表面が平坦化された平坦化層106で被覆されている。
そして、シンチレータ101の蛍光体102の鋭角状の先端Pa側をホットメルト樹脂109で被覆してシンチレータ保護層を形成しておき、ホットメルト樹脂109の接着性を活用してシンチレータ101と平坦化層106とを接着することで素子基板105とシンチレータ基板103とを貼り合わせることが提案されている。
しかしながら、このように、ホットメルト樹脂109や新たに塗布される接着剤110を介してシンチレータ101と平坦化層106とを貼り合わせた場合、シンチレータ101の蛍光体102の各柱状結晶の長さが均一でなかったり、ホットメルト樹脂109の厚さが均一でなかったり、或いは、接着剤110が均一に塗布されない等して、蛍光体102の鋭角状の先端Paと光電変換素子104との距離Lが全体的に必ずしも一様でない状態に形成される場合がある。
このように、蛍光体102の鋭角状の先端Paと光電変換素子104との距離Lが一様でないと、距離Lが短い部分では、蛍光体102の鋭角状の先端Paから出力された光がさほど拡散されないうちに光電変換素子104に入射されるため、画像の鮮鋭性が高くなるが、距離Lが長い部分では、蛍光体102の先端Paから出力された光の一部が柱状結晶の軸方向に直交する方向に拡散されて直下の光電変換素子104に入射されない割合が増えるため、その部分では画像の鮮鋭性が低下する。そのため、得られた放射線画像の鮮鋭性が、放射線画像の各部分ごとにまちまちになり、一様でなくなってしまうという問題があった。
この問題は、シンチレータ101の蛍光体102を上記のような柱状結晶状に形成する場合だけでなく、図32に示すように、層状に形成した場合でも同様である。すなわち、例えば、層状に形成されたシンチレータ101の蛍光体102と光電変換素子104や平坦化層106との間に塗布される接着剤110が均等な厚さで塗布されていない等の理由で、蛍光体102の光電変換素子104側の先端(端面)Pbと光電変換素子104との距離Lに長短が生じると、蛍光体102から光電変換素子104に出力される光の拡散の度合いが距離Lによって変わるため、得られる放射線画像の鮮鋭性が、放射線画像の各部分ごとにまちまちになり、一様でなくなる場合があった。
この問題を解決するためには、シンチレータ101の蛍光体102の先端Pa,Pbと光電変換素子104との距離Lが放射線検出パネル100の全域で一様となるように放射線検出パネル100を形成することが必要である。
これを実現する方法としては、例えば、ホットメルト樹脂109や接着剤110などを用いずに、例えば図33に示すように、シンチレータ101の蛍光体102の先端Pa,Pbと平坦化層106とが直接当接する状態、或いは、蛍光体102の先端Pa,Pbと平坦化層106との間に厚さが均一のフィルム等が介在する状態に素子基板105とシンチレータ基板103とを対向させる方法が考えられる。
そして、例えば、素子基板105とシンチレータ基板103との間の内部空間Cを減圧し、大気圧で外側から内部空間C側に素子基板105とシンチレータ基板103とが押圧されるように構成することで、シンチレータ101の蛍光体102の先端Pa,Pbが平坦化層106に当接し、或いは、フィルム等を介して平坦化層106に当接する状態が維持される。そして、蛍光体102の先端Pa,Pbと光電変換素子104との距離Lを、放射線検出パネル100の全域において常時一様に保つことが可能となり、放射線画像の鮮鋭性が画像全域で一様となる状態を維持することができる。
また、素子基板105とシンチレータ基板103との間が減圧された状態を維持するためには、図33に示したように、素子基板105とシンチレータ基板103との間のシンチレータ101等の周囲の部分に接着剤111を配置して硬化させ、素子基板105とシンチレータ基板103と接着剤111とで、外界から区画され密閉され減圧された内部空間Cを形成することが必要となる。
その際、特許文献2では、例えば図34に示すように、素子基板105とシンチレータ基板103との間に機械的シムとしてスペーサ112を配置して、素子基板105とシンチレータ基板103との間で正確な距離を規定することが提案されている。
特開2006−78471号公報 特表2003−532072号公報
しかしながら、図34に示したように接着剤111中にスペーサ112を配置して素子基板105とシンチレータ基板103とを貼り合わせる場合、大気圧で外側から内部空間C側に素子基板105とシンチレータ基板103とが押圧されるが、その際、シンチレータ基板103に対する単位面積あたりの荷重は最大1kg/cmになる。大気圧によりシンチレータ基板103に加わった外力は、接着剤111中のスペーサ112を介して素子基板105に備えられた配線107やパッシベーション層108に加わるため、場合によって、配線107やパッシベーション層108におけるスペーサ112と接する部分に割れや亀裂が入ることがある。そして、このように配線107やパッシベーション層108に割れや亀裂が入ると、放射線検出パネルの短寿命化や信頼性の低下、配線107の断線等による初期不良などの不具合を誘発してしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、素子基板に備えられた配線やパッシベーション層に割れ等が生じることを的確に防止することが可能な放射線検出パネル、放射線画像検出器、放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線検出パネルは、
表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板と、
放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成され、前記シンチレータと前記複数の光電変換素子とが対向する状態で配置された第2の基板と、
前記複数の光電変換素子および前記シンチレータの周囲の部分に配置され、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着する接着剤と、
前記接着剤に含まれ、前記第1の基板と前記第2の基板との間隔を確保する複数のスペーサと、を備え、
さらに、前記第1の基板と前記スペーサとの間に配置された緩衝層を備えることを特徴とする。
また、本発明の放射線画像検出器は、上記の本発明の放射線検出パネルを備えることを特徴とする。
また、本発明の放射線検出パネルの製造方法は、
表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板の前記複数の光電変換素子の周囲の部分に、複数のスペーサを含む接着剤を配置する接着剤配置工程と、
前記接着剤における前記第1の基板と接する側を硬化させて接着剤硬化層を形成する硬化層形成工程と、
前記接着剤を介して、前記第1の基板と放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成された第2の基板とを、前記複数の光電変換素子と前記シンチレータとが対向する状態で仮貼り合わせする仮貼り合わせ工程と、
前記第1の基板、前記第2の基板および前記接着剤により形成される内部空間を減圧して、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる減圧貼り合わせ工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とが貼り合わされた状態で、前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の放射線検出パネルの製造方法は、
表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板の前記複数の光電変換素子の周囲の部分に、接着剤を配置する接着剤配置工程と、
前記接着剤における前記第1の基板と接する側を硬化させて接着剤硬化層を形成する硬化層形成工程と、
前記接着剤に対して複数のスペーサを配置するスペーサ配置工程と、
前記接着剤を介して、前記第1の基板と放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成された第2の基板とを、前記複数の光電変換素子と前記シンチレータとが対向する状態で仮貼り合わせする仮貼り合わせ工程と、
前記第1の基板、前記第2の基板および前記接着剤により形成される内部空間を減圧して、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる減圧貼り合わせ工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とが貼り合わされた状態で、前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の放射線検出パネルの製造方法は、
表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板に対して、前記複数の光電変換素子を被覆して、前記複数の光電変換素子の周囲の部分まで延設された平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、
前記平坦化層における前記複数の光電変換素子の周囲の部分に設けられた延設部分、または、放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成された第2の基板の前記シンチレータの周囲の部分に、複数のスペーサを含む接着剤を配置する接着剤配置工程と、
前記平坦化層および前記接着剤を介して、前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記複数の光電変換素子と前記シンチレータとが対向する状態で仮貼り合わせする仮貼り合わせ工程と、
前記平坦化層、前記第2の基板および前記接着剤により形成される内部空間を減圧して、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる減圧貼り合わせ工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とが貼り合わされた状態で、前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像検出器の製造方法は、上記の本発明の放射線検出パネルの製造方法により製造された放射線検出パネルを用いて放射線画像検出器を製造することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線検出パネル、放射線画像検出器、放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法によれば、第1の基板とスペーサとの間に緩衝層を配置するため、緩衝層が力を分散させるクッションの役割を果たす。したがって、第1の基板に対して局所的に力が加わることを防止できるため、第1の基板に備えられた配線やパッシベーション層に割れ等が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように第1の基板に備えられた配線やパッシベーション層に割れ等が生じることが的確に防止されるため、放射線検出パネルの短寿命化や信頼性の低下、配線の断線等による初期不良などの不具合の誘発を確実に防止することが可能となる。
第1の実施の形態に係る放射線画像検出器の外観斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 第1の実施の形態に係る放射線検出パネルが備える第1の基板表面の構成を示す平面図である。 図3の第1の基板上の小領域に形成された光電変換素子と薄膜トランジスタ等の構成を示す拡大図である。 COFやPCB基板などが取り付けられた第1の基板を説明する図である。 蛍光体が柱状構造を有するシンチレータの構成およびその第2の基板への貼付を説明する拡大模式図である。 第1の実施の形態に係る放射線検出パネルの拡大断面図である。 接着剤中に含まれるスペーサの例を示す図であり、(A)は断面円形状の棒状のスペーサ、(B)は球形状のスペーサを表す。 スペーサの直径が小さすぎて第1の基板と第2の基板とが接近した場合の放射線検出パネルの接着剤近傍の部分の拡大断面図である。 第1の実施の形態に係る放射線検出パネルの接着剤近傍の部分の拡大断面図である。 第1の実施の形態に係る放射線検出パネルの接着剤近傍の部分の断面斜視図である。 接着剤硬化層の厚みについて、開口率を種々変化させる実験を行った際の結果を示す図である。 ダミー配線が備えられていない放射線検出パネルの接着剤近傍の部分の拡大断面図である。 シンチレータの蛍光体が層状に形成された放射線検出パネルの拡大断面図である。 第1の実施の形態に係る放射線検出パネルの製造方法を示すフローチャートである。 減圧貼り合わせ工程等に用いられるチャンバの構成例を示す図である。 フィルムの下方空間が減圧されて第1の基板と第2の基板とが貼り合わされた状態を表す図である。 第1の基板上に間隙が形成されるように配置された接着剤を表す斜視図である。 第1の基板と第2の基板との仮貼り合わせにより接着剤の間隙の部分に開口部が形成されることを説明する図である。 減圧貼り合わせ工程で接着剤が延在方向に押し広げられて開口部が封止されることを説明する図である。 第2の基板とシンチレータとの間に設けられた遮光層を表す図である。 第1の実施の形態に係る放射線検出パネルの製造方法の変形例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る放射線画像検出器の製造方法を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る放射線画像検出器の断面図である。 第2の実施の形態に係る放射線検出パネルが備える第1の基板表面の構成を示す平面図である。 第2の実施の形態に係る放射線検出パネルの拡大断面図である。 第2の実施の形態に係る放射線検出パネルの接着剤近傍の部分の断面斜視図である。 COFやPCB基板などが取り付けられた第1の基板を説明する図である。 第2の実施の形態に係る放射線検出パネルの製造方法を示すフローチャートである。 蛍光体が柱状構造を有するシンチレータの構成を説明する拡大模式図である。 シンチレータの蛍光体の鋭角状の先端と光電変換素子とが対向する状態で貼り合わされて形成された放射線検出パネルの例を表す図である。 蛍光体と平坦化層との間の接着剤が均等な厚さで塗布されていない放射線検出パネルを表す図である。 シンチレータの蛍光体の先端と平坦化層とが直接当接する構成とされた放射線検出パネルの例を表す図である。 素子基板とシンチレータ基板との間に配置されたスペーサを示す図である。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態に係る放射線検出パネル3、放射線画像検出器1、放射線検出パネル3の製造方法および放射線画像検出器1の製造方法について説明する。
[放射線検出パネルおよび放射線画像検出器]
まず、本実施形態に係る放射線検出パネル3および放射線画像検出器1の構成について説明する。
なお、以下では、図1や図2に示すように、放射線画像検出器1や放射線検出パネル3における各部材の相対的な位置関係、特に上下関係について、放射線画像検出器1の筐体2における放射線が入射する面X側を上側に向け、筐体2における放射線が入射する面Xとは反対側の面Y側を下側に向けて配置した場合の位置関係に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る放射線画像検出器1の外観斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
放射線画像検出器1は、図1や図2に示すように、放射線検出パネル3が筐体2内に収納されて構成されている。
筐体2は、カーボン板やプラスチックなどの材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板51とバック板52とで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、筐体2の側面部分には、LED等で構成されたインジケータ53、蓋54、外部の装置と接続される端子55、電源スイッチ56等が配置されている。
筐体2の内部には、図2に示すように、第1の基板4(以下「素子基板4」という。)、第2の基板5(以下「シンチレータ基板5」という。)、シンチレータ6等を備えた放射線検出パネル3が配置されている。
また、放射線検出パネル3の下方には、図示しない鉛の薄板等を介して基台7が配置され、基台7には、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)などの各種の電子部品8等が配設されたPCB基板9、緩衝部材10等が取り付けられている。
本実施形態では、素子基板4は、放射線や紫外線などの光を透過するガラス基板で構成されている。
図3は、素子基板4表面の構成を示す平面図である。素子基板4の表面(すなわちシンチレータ6(図2参照)に対向する側の面)4a上には、AlやMoなどからなる複数の走査線11とAlやMoなどからなる複数の信号線12とが互いに交差するように配設されている。また、AlやMoなどからなる複数のバイアス線13が、複数の信号線12と平行に配置されており、本実施形態では、各バイアス線13は、素子基板4上の一方側の端部で1本のAlやMoなどからなる結線14により結束されている。
また、素子基板4の表面4a上で複数の走査線11と複数の信号線12により区画された各小領域Rには、光電変換素子15がそれぞれ設けられている。このように、本実施形態では、素子基板(第1の基板)4は、その表面4aに複数の光電変換素子15が二次元状に配列されて形成されている。また、光電変換素子15はそれぞれバイアス線13に接続されており、本実施形態では、図示しないバイアス電源からバイアス線13を介して光電変換素子15にバイアス電圧が印加されるようになっている。
本実施形態では、光電変換素子15として、放射線の照射を受けたシンチレータ6から出力された光の照射を受けると光エネルギを吸収して内部に電子正孔対を発生させることで光エネルギを電荷に変換するフォトダイオードが用いられている。
また、図4の拡大図に示すように、各小領域Rには、各光電変換素子15につき1つの薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下「TFT」という。)16が設けられており、TFT16のソース電極16sが光電変換素子15の1つの電極と、ドレイン電極16dが信号線12と、ゲート電極16gが走査線11とそれぞれ接続されている。すなわち、配線である走査線11や信号線12は、光電変換素子15(具体的にはTFT16)と接続している。
また、走査線11、信号線12および結線14の端部は、それぞれ入出力端子(パッドともいう)18に接続されている。
具体的には、本実施形態の放射線検出パネル3では、図3に示すように、上記のように構成された素子基板4の表面4aにおける複数の光電変換素子15の周囲の部分、すなわち図3に一点鎖線で示される検出領域Tよりも外側の部分に、走査線11および信号線12が延設されて、それぞれ入出力端子18に接続されている。
また、図5に示すように、走査線11、信号線12、結線14、光電変換素子15等は、これらを腐食や損傷から保護する絶縁層、すなわち窒化シリコン(SiN)等からなるパッシベーション層17で被覆されている。
ここで、本実施形態では、配線である走査線11や信号線12は、所定の本数毎(本実施形態では8本毎)に組になっており、図3に示すように、同じ組の各配線に接続された入出力端子18同士は近接して配置されている。したがって、複数の光電変換素子15の周囲の部分、すなわち検出領域Tよりも外側の部分において、配線は、同じ組の配線同士の間隔が入出力端子18に近づくに従って狭まるように配置されている。そのため、検出領域Tよりも外側の部分では、同じ組の各配線が配置された第1領域T1と、配線が配置されていない第2領域T2と、が後述する接着剤22の延在方向に交互に隣接する状態になっている。
そして、本実施形態では、図3に示すように、第2領域T2に、素子基板4の駆動に全く寄与しない、AlやMoなどからなるダミー配線20が複数配置されている。
なお、実際には、走査線11や信号線12は、例えば64本や128本毎にそれぞれ1つの組とされている。
また、図5に示すように、各入出力端子18には、COF(Chip On Film)19が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)などの異方性導電性接着材料19aを介して圧着されている。また、COF19は、素子基板4の裏面4b側に引き回されており、裏面4b側でPCB基板9とCOF19とが圧着されて接続されるようになっている。
また、図5に示すように、素子基板4の表面4aにおける複数の光電変換素子15等が形成された部分、すなわち検出領域Tには、複数の光電変換素子15等による表面の凹凸を平坦化し、図5では図示を省略するシンチレータ6が光電変換素子15に対向するように配置された際にその下地とするために、パッシベーション層17を介して複数の光電変換素子15等を被覆するように透明な樹脂等が塗布されて平坦化層21が形成されている。
本実施形態では、平坦化層21は、シンチレータ6の蛍光体6aから出力される光を透過する透明のアクリル系感光性樹脂で形成されている。なお、図5では、シンチレータ6のほか、電子部品8等の図示が省略されている。
シンチレータ6(図2参照)は、入射した放射線を別の波長の光に変換するものであり、蛍光体を主たる成分とする。具体的には、本実施形態では、シンチレータ6として、X線等の放射線が入射すると、波長が300nm〜800nmの電磁波、すなわち可視光を中心として紫外光から赤外光にわたる光を出力するものが用いられている。蛍光体としては、例えばCsI:Tl等の母体材料内に発光中心物質が付活されたものが好ましく用いられる。
シンチレータ6は、本実施形態では、図30に示したシンチレータ101と同様に、図6の拡大図に示すように、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の各種高分子材料により形成された支持膜6bの上に、例えば気相成長法により蛍光体6aを成長させて形成されたものであり、蛍光体6aの柱状結晶からなっている。気相成長法としては、蒸着法やスパッタ法などが好ましく用いられる。
いずれの手法においても、蛍光体6aを支持膜6b上に独立した細長い柱状結晶として気相成長させることができる。蛍光体6aの各柱状結晶は、支持膜6b付近では太く、先端(図6中では下側の端部)Paに向かうに従って細くなっていき、先端Paは鋭角状の略円錐形状となるように成長して形成される。
本実施形態では、このようにして蛍光体6aが柱状結晶として形成されたシンチレータ6は、蛍光体6aの柱状結晶の鋭角状の先端Paが下側、すなわち前述した素子基板4の複数の光電変換素子15側を向くように、その支持膜6bがシンチレータ基板(第2の基板)5の下方側の表面5aに貼付されている。このようにして、シンチレータ6は、シンチレータ基板5で支持されている。
なお、蛍光体6aの柱状結晶の全体がフィルム等で覆われた状態でシンチレータ6が形成される場合もあり、その場合には、フィルムの厚さは均一とされ、後述するように蛍光体6aの先端Paが平坦化層21の表面に当接する際には、蛍光体6aの先端Paがフィルムを介して平坦化層21の表面に当接する状態となる。
本実施形態では、シンチレータ基板5はガラス基板で構成されているが、この他にも、例えばPET(polyethylene terephthalate)等の樹脂板や樹脂フィルムなどで構成することも可能である。
図7は、図2における放射線検出パネル3の端部部分の拡大図である。なお、図7において、放射線検出パネル3の各部材の相対的な大きさや厚さ、部材間の間隔等は、必ずしも実際の放射線検出パネル3の構造を反映していない。
図7に示すように、放射線検出パネル3は、シンチレータ基板5が、シンチレータ6の蛍光体6aの鋭角状の先端Paが複数の光電変換素子15や平坦化層21に対向するように配置されて形成されている。
また、素子基板4とシンチレータ基板5との間隙部分であってシンチレータ6や複数の光電変換素子15の周囲の部分には、その全周にわたって接着剤22が配置されており、素子基板4とシンチレータ基板5とは接着剤22によって接着されている。また、素子基板4とシンチレータ基板5との間の部分には、それらと接着剤22とにより、外部から区画された内部空間Cが形成されている。
素子基板4とシンチレータ基板5とが接着剤22によりシンチレータ6や複数の光電変換素子15の周囲の部分の全周にわたって接着しているため、シンチレータ6や光電変換素子15などを含む内部空間Cは密閉されている。また、内部空間Cは、その内部圧力が大気圧より低くなるように、その内部が減圧されて形成されている。また、シンチレータ6は湿気があると劣化する場合があるため、減圧されている内部空間Cの内部の空気がドライエアや、Ar等の不活性ガスで置換されていればより好ましい。
接着剤22は、例えば、加熱することにより硬化する熱硬化型の接着剤や、光を照射すると硬化する光硬化型の接着剤が好ましく用いられる。熱硬化型の接着剤としては、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂を用いた接着剤やさらに硬化促進剤等が添加された接着剤などを用いることが可能である。
また、光硬化型の接着剤としては、光開始剤や光重合性化合物などを含むエポキシ系やアクリル系などの紫外線硬化型樹脂等を用いることが可能であり、カチオン重合系の紫外線硬化型の接着剤が好ましく用いられる。
なお、以下では、接着剤22として光硬化型の接着剤の一種である紫外線硬化型の接着剤を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態では、接着剤22中には、図8(A)に示すような断面円形状の棒状のスペーサS(Sa)や、図8(B)に示すような球形状のスペーサS(Sb)が複数含まれている。そして、そのスペーサSと素子基板4(具体的には、素子基板4が備える走査線11や信号線12、パッシベーション層17など)との間には、図5に示すように、接着剤22における素子基板4と接する側を硬化させることによって形成された接着剤硬化層22aが緩衝層として配置されている。
その際、内部空間Cが減圧されているため、大気圧により素子基板4やシンチレータ基板5を介して接着剤22を押し潰す方向に外力が加わるが、図9に示すように、スペーサSの直径が小さすぎると、接着剤22(接着剤硬化層22aを含む)やスペーサSによって素子基板4とシンチレータ基板5との間隔を維持できなくなる可能性がある。
そのため、外力で素子基板4とシンチレータ基板5とが接近して、シンチレータ6の蛍光体6aの鋭角状の先端Paが平坦化層21等に強く押し付けられて損傷してしまう場合がある。蛍光体6aの鋭角状の先端Paが損傷すると、得られた放射線画像の鮮鋭性が低下する。
また、逆に、スペーサSの直径が大きすぎると、接着剤22に近い部分ではシンチレータ6の蛍光体6aの鋭角状の先端Paが平坦化層21から離れてしまい、シンチレータ6と光電変換素子15との距離が遠くなる。
しかし、接着剤22から遠いシンチレータ部分では、大気圧により蛍光体6aの先端Paが平坦化層21の表面に当接するため、シンチレータ6と光電変換素子15との距離が近くなる。そのため、シンチレータ6の蛍光体6aの鋭角状の先端Paと光電変換素子15との距離が放射線検出パネル3の全域で一様でなくなり、得られる放射線画像の鮮鋭性が損なわれてしまう。
そこで、スペーサSとしては、図10に示すように、スペーサSの直径と接着剤硬化層22a(緩衝層)の厚みとの合計が、シンチレータ6の蛍光体6aの鋭角状の先端Paが平坦化層21の表面に当接するように配置された状態における素子基板4とシンチレータ基板5との間隔と略同一になるようなスペーサを用いることが好ましい。
このようなスペーサSを用いることで、上記のような事態が生じることを防止して、大気圧を利用してシンチレータ6の蛍光体6aの鋭角状の先端Paを適切に平坦化層21に当接させることが可能となる。また、そのため、シンチレータ6を損傷することなく、蛍光体6aの鋭角状の先端Paと光電変換素子15との距離を、放射線検出パネル3の全域において一様とすることが可能となる。また、そのため、画像全体において鮮鋭性が一様な放射線画像を得ることが可能となる。
スペーサSは、例えば、Zrなどの金属、樹脂、シリカ(SiO)、セラミック等の適宜の材料で形成される。
また、本実施形態においては、複数のスペーサSは、図11に示すように、素子基板4とシンチレータ基板5との間に配置された接着剤22の延在方向に略同一の間隔をおいて配置されていることとする。スペーサS同士の間隔は、後述するように素子基板4とシンチレータ基板5とが減圧貼り合わせされる際等に、素子基板4やシンチレータ基板5に外力が加わっても割れや亀裂などが入らないように、素子基板4やシンチレータ基板5の材質やスペーサS自体の材質などに応じて適宜の間隔に設定される。
このように、複数のスペーサSを、接着剤22の延在方向に略同一の間隔をおいて配置することによって、素子基板4やシンチレータ基板5に加わった外力を複数のスペーサSが的確に分散して対抗するため、素子基板4やシンチレータ基板5に割れや亀裂などが生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように素子基板4やシンチレータ基板5に割れや亀裂などが生じることが的確に防止されるため、割れ等が生じてその近傍の光電変換素子15やシンチレータ6の蛍光体6aが損傷される等の不具合が生じることが確実に防止される。
また、割れ等が生じないため、内部空間Cに外気が流入せず、内部空間Cの減圧状態が維持される。そのため、シンチレータ6の蛍光体6aの先端Paと平坦化層21とが離間してシンチレータ6の蛍光体6aの先端Paと光電変換素子15とが離れて画像の鮮鋭性が失われたり、内部空間Cに湿気を帯びた外気が流入して内部空間Cが湿気を有する状態になってシンチレータ6が劣化したりするといった不具合の発生を確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、ダミー配線20は、所定の開口率で素子基板4の第2領域T2に配置されている。
開口率とは、第2領域T2全体の面積に対する、当該第2領域T2のうちのダミー配線20が形成されていない部分の面積の割合である。すなわち、開口率100%は、第2領域T2にダミー配線20を形成しない場合に相当し、開口率90%は、第2領域T2に形成されたダミー配線20の面積が当該第2領域T2全体の面積の10%である場合に相当する。
接着剤硬化層22aは、後述するように、素子基板4に配置された接着剤22に対して、素子基板4における光電変換素子15等が配置されていない面側から紫外線を照射することによって形成される。その際、接着剤22は、検出領域Tよりも外側の部分、すなわち第1領域T1や第2領域T2などに配置されているため、接着剤22に紫外線を照射して接着剤硬化層22aを形成する場合、第1領域T1に配置された接着剤22に入射する紫外線は、配線である走査線11や信号線12によって一部遮光され、第2領域T2に配置された接着剤22に入射する紫外線は、ダミー配線20によって一部遮光される。
ところで、接着剤硬化層22aの厚みにばらつきがあると、接着剤22(接着剤硬化層22aを含む)とスペーサSとからなるシール部Qにおけるシンチレータ基板5と接する側の面に段差が生じる。後述するように素子基板4とシンチレータ基板5とが減圧貼り合わせされる際等に、シンチレータ基板5はシール部Qに強く押し付けられるが、段差のあるシール部Qに押し付けられて、シンチレータ5がその許容曲率よりも大きな曲率で曲がると、シンチレータ基板5に割れや亀裂などが入って、シンチレータ基板5が破損してしまう。
本実施形態では、接着剤硬化層22aの厚みのばらつきが接着剤硬化層22aの設計厚みの±10μmの範囲を超え、それに伴いシール部Qにおけるシンチレータ基板5と接する側の面に20μmよりも大きな段差が生じると、その段差にシンチレータ基板5が耐え切れずに破損してしまう場合があることが分かっている。
接着剤硬化層22aの厚みは、接着剤22に入射する紫外線の光量に応じて変化する。そして、接着剤22に入射する紫外線の光量は、第1領域T1や第2領域T2の開口率に応じて変化する。
そこで、発明者らは、接着剤硬化層22aの厚みについて、開口率を種々変化させる実験を行った。
その結果を図12に示す。図12の横軸は、接着剤硬化層22aの厚みを示し、縦軸はその厚みに形成された確率を示す。例えば、接着剤硬化層22aの設計厚みが50μmである場合、横軸の「+10」は60μmを表し、「−10」は40μmを表す。
図12に示すように、開口率が17%〜90%の場合、接着剤硬化層22aの厚みのばらつきは、許容範囲である設計厚み±10μm以内となり、開口率100%の場合、接着剤硬化層22aの厚みのばらつきは、許容範囲を超えることが分かる。
これにより、第2領域T2にダミー配線20を配置しないと、シンチレータ基板5が破損してしまう可能性が高くなることが分かった。
また、第2領域T2の開口率を約15%〜90%となるように設定すれば、接着剤硬化層22aの厚みのばらつきが許容範囲以内となることが分かった。
そして、第1領域T1の開口率は約40%〜60%であるため、本実施形態では、第2領域T2の開口率は、約15%〜90%、より好ましくは第1領域T1の開口率と略同一の約40%〜60%となるように設定されている。
このように構成すれば、検出領域Tよりも外側の部分の開口率は、接着剤22の延在方向に略均一となる。
なお、ダミー配線20の配置の仕方や本数、幅などは、図3に示すものに限ることはなく、第2領域T2が所定の開口率となるのであれば適宜任意に変更可能である。
また、ダミー配線20は、走査線11や信号線12と同一の材料で形成したものに限ることはなく、走査線11や信号線12と同様に光(本実施形態では紫外線)を遮光できるものであれば任意である。
また、本実施形態では、接着剤22として紫外線硬化型の接着剤を用いたため、接着剤硬化層22aを形成する際に紫外線を照射するようにしたが、例えば、接着剤としてその他の光硬化型の接着剤を用いる場合、接着剤硬化層22aを形成する際等に照射する光の種類は適宜変更可能である。また、接着剤として熱硬化型の接着剤を用いる場合は、接着剤硬化層22aを形成する際、接着剤22全体が硬化してしまわないように、例えば遠赤外線等を照射すると良い。
また、本実施形態では、シンチレータ6の蛍光体6aが、上記のように柱状結晶構造を有する場合について説明したが、シンチレータ6の蛍光体6aは必ずしも柱状結晶構造を有するものである必要はなく、本発明は、例えば図14に示したように、蛍光体6aが層状に形成されたシンチレータ6を用いる場合にも同様に適用することが可能である。
この場合、シンチレータ6は、例えばGOS(Gd22S:Tb)等で構成された蛍光体6aをシンチレータ基板5に塗布して層状に形成される。そして、シンチレータ6が光電変換素子15に対向するようにシンチレータ基板5が素子基板4上に載置され、素子基板4とシンチレータ基板5とが接着剤22で接着される。そして、内部空間Cが減圧されて密閉される。
このように構成すれば、上記の実施形態の場合と同様に、大気圧により、内部空間Cの内部でシンチレータ6の蛍光体6aの光電変換素子15側の先端(端面)Pbが平坦化層21に対して全面的に当接させるようになる。
そのため、蛍光体6aの先端Pbと光電変換素子15との距離を放射線検出パネル3の全域において一様とすることが可能となり、放射線検出パネル3の素子基板4上の全ての光電変換素子15において鮮鋭性が一様となり、画像全体において鮮鋭性が一様な放射線画像を検出することが可能となる。
次に、本実施形態に係る放射線検出パネル3や放射線画像検出器1の作用について説明する。
放射線検出パネル3の製造工程において、素子基板4とシンチレータ基板5とを減圧貼り合わせする際、大気圧で外側から内部空間C側に素子基板4とシンチレータ基板5とが押圧される。その際、例えば図34に示すように、スペーサSが、素子基板4(具体的には、素子基板4が備える走査線11や信号線12、パッシベーション層17など)に接触している場合には、大気圧によりシンチレータ基板5に加わった外力は、スペーサSを介して直接素子基板4に加わる。この場合、スペーサSと素子基板4とは、スペーサSが棒状のスペーサSaである場合には線で、スペーサSが球形状のスペーサSbである場合には点で接触しているため、素子基板4にはスペーサSを介して局所的に大きな力が加わることになる。これにより、素子基板4が備える走査線11や信号線12、パッシベーション層17などに割れ等が生じることがある。
これに対し、本実施形態では、図10等に示すように、放射線検出パネル3が、素子基板4とスペーサSとの間に、緩衝層として接着剤硬化層22aを備えている。
このように接着剤硬化層22aを備えることで、シンチレータ基板5に加わった外力は、スペーサSを介して接着剤硬化層22aに加わり、さらに、接着剤硬化層22aを介して素子基板4に加わるが、接着剤硬化層22aは加わった力を分散させるクッションの役割を果たすため、素子基板4に対して局所的に力が加わることを防止することが可能となる。
また、放射線検出パネル3の製造工程において、接着剤硬化層22aを形成する際、素子基板4に配置された接着剤22に対して紫外線を照射する。その際、接着剤22に入射する紫外線は、第1領域T1では走査線11や信号線12によって一部遮光されるが、例えば図13に示すように、第2領域T2にダミー配線20が配置されていないと、第2領域T2では接着剤22に入射する紫外線は遮光されないため、第2領域T2に配置される接着剤硬化層22aは、第1領域T1に配置される接着剤硬化層22aよりも厚くなる。これにより、接着剤22(接着剤硬化層22aを含む)とスペーサSとからなるシール部Qにおけるシンチレータ基板5と接する側の面に段差が生じるため、素子基板4とシンチレータ基板5とを減圧貼り合わせする際等に、シンチレータ基板5に割れ等が生じることがある。
これに対し、本実施形態では、図3や図11に示すように、素子基板4が、第2領域T2に配置され、接着剤22に入射する紫外線を一部遮光する複数のダミー配線20を備えている。
このように第2領域T2にダミー配線20を配置することで、第1領域T1に配置される接着剤硬化層22aの厚みと、第2領域T2に配置される接着剤硬化層22aの厚みと、の差が小さくなったり、なくなったりする。すなわち、第2領域T2にダミー配線20を配置しない場合と比較して、接着剤硬化層22aの厚みが大きくばらつくことがないため、シンチレータ基板5に割れ等が生じる程度の大きな段差がシール部Qに発生しないようになる。
以上説明した第1の実施の形態に係る放射線検出パネル3および放射線画像検出器1によれば、素子基板4(第1の基板)とスペーサSとの間に、緩衝層として接着剤硬化層22aが配置されている。
したがって、接着剤硬化層22aが力を分散させるクッションの役割を果たし、素子基板4に対して局所的に力が加わることを防止できるため、素子基板4に備えられた配線(走査線11や信号線12)やパッシベーション層17に割れ等が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように素子基板4に備えられた走査線11や信号線12、パッシベーション層17に割れ等が生じることが的確に防止されるため、放射線検出パネル3の短寿命化や信頼性の低下、配線の断線等による初期不良などの不具合の誘発を確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態のように、素子基板4の表面4aにおける走査線11や信号線12が配置されていない第2領域T2に、複数のダミー配線20を配置するよう構成すれば、走査線11や信号線12が配置された第1領域T1だけでなく、第2領域T2でも、接着剤22に入射する光が一部遮光されるため、第2領域T2にダミー配線20を配置しない場合と比較して、第1領域T1上に配置される接着剤硬化層22aの厚みと、第2領域T2上に配置される接着剤硬化層22aの厚みと、の差が小さくなる。
したがって、接着剤22の延在方向に略均一の厚さの接着剤硬化層22aが形成され、シンチレータ基板5に割れ等が生じる程度の大きな段差がシール部Qに発生することがないため、シンチレータ基板5に割れ等が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように、シンチレータ基板5に割れ等が生じることが的確に防止されるため、歩留まりが向上し、スクラップコストの低減等によって製造コストの低減が期待できる。
[放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法]
次に、本実施形態に係る放射線検出パネル3の製造方法および放射線検出器1の製造方法について説明する。
なお、以下では、蛍光体6aが柱状結晶構造を有するシンチレータ6を用いた放射線検出パネル3や放射線画像検出器1の製造方法について説明するが、蛍光体6aが層状に形成されたシンチレータ6を用いた放射線検出パネル3や放射線画像検出器1の製造方法についても同様に説明され、本発明が適用される。
まず、本実施形態に係る放射線検出パネル3の製造方法について、図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、予め平坦化層21が形成された素子基板4の複数の光電変換素子15の周囲の部分、すなわち検出領域Tよりも外側の部分の第1領域T1や第2領域T2などに、複数のスペーサSを含む接着剤22を配置する(接着剤配置工程:ステップS1)。
ここで、素子基板4の複数の光電変換素子15の周囲の部分に、複数のスペーサSが接着剤22の延在方向に略同一の間隔をおいて配置される状態に接着剤22を配置する方法としては、種々の方法を採用することができる。
例えば、接着剤22に予め複数のスペーサSを投入して攪拌し、シリンジ等を用いて複数のスペーサSを含む接着剤22を素子基板4の複数の光電変換素子15の周囲の部分に塗布することで、複数のスペーサSが接着剤22の延在方向に略同一の間隔をおいて配置される状態を実現することができるのであれば、その方法を採用することができる。
また、先に、素子基板4の複数の光電変換素子15の周囲の部分にスペーサSを含まない接着剤22を塗布して配置しておき、素子基板4上に配置した接着剤22に対して複数のスペーサSを接着剤22の延在方向に略同一の間隔をおいて配置する方法を採用することもできる。
次いで、図示しない紫外線照射装置を用いて、素子基板4上に配置した接着剤22に対して、素子基板4における接着剤22が配置された面とは反対側の面側から紫外線を照射し、接着剤22における素子基板4と接する側を硬化させて接着剤硬化層22aを形成する(硬化層形成工程:ステップS2)。
この際、本実施形態では、素子基板4が第2領域T2に配置されたダミー配線20を備えているため、接着剤22の延在方向に略均一の厚さの接着剤硬化層22aが形成される。
なお、本実施形態では、接着剤22として紫外線硬化型の接着剤を用いたため、接着剤硬化層22aを形成する際に紫外線を照射するようにしたが、例えば、接着剤としてその他の光硬化型の接着剤を用いる場合、接着剤硬化層22aを形成する際等に照射する光の種類は適宜変更可能である。また、接着剤として熱硬化型の接着剤を用いる場合は、接着剤硬化層22aを形成する際、接着剤22全体が硬化してしまわないように、例えば遠赤外線等を照射すると良い。
次いで、接着剤22を介して、素子基板4とシンチレータ基板5とを、シンチレータ6と複数の光電変換素子15とが対向する状態で仮貼り合わせする(仮貼り合わせ工程:ステップS3)。
なお、仮貼り合わせとは、後述する減圧貼り合わせ工程(ステップS5)において素子基板4とシンチレータ基板5とを本格的に貼り合わせる前に、素子基板4上にシンチレータ基板5を載置して、接着剤22により素子基板4とシンチレータ基板5とが仮に貼り合わされた状態をいう。
次に、このようにして仮貼り合わせされた放射線検出パネル3に対して減圧貼り合わせ工程(ステップS5)等の処理を行うが、本実施形態では、これらの処理を、図16に示すようなチャンバ30内で行っている。
なお、このチャンバ30と同様の機能を奏するものであれば、減圧貼り合わせ工程(ステップS5)等の処理を行う装置は図16に示すチャンバ30に限定されない。
本実施形態では、チャンバ30は、基台31と、フィルム32と、基台31に対して着脱可能な蓋部材33と、を備えている。そして、基台31と蓋部材33との各側面には、Oリング状のシール部材34a,34bがそれぞれ配設されており、蓋部材33が基台31に取り付けられた際には、基台31のシール部材34aと蓋部材33のシール部材34bで上下からフィルム32を挟持するようにしてフィルム32を密封状に固定している。
また、基台31の底部は平面状に形成されており、図示しない開口部を介して減圧用ポンプ35が取り付けられている。フィルム32は、紫外線を透過し、伸縮性を有する素材で形成されている。また、本実施形態では、蓋部材33には、その内部に紫外線照射装置36が取り付けられており、さらに、図示しない開口部を介してポンプ37が取り付けられている。なお、ポンプ37を設ける代わりに、蓋部材33に単に開口部を設けるように構成することも可能である。
仮貼り合わせ工程(ステップS3)が終了すると、図16に示したように、仮貼り合わせされた放射線検出パネル3をチャンバ30の基台31上に載置する。
そして、放射線検出パネル3のシンチレータ基板5の上方側からシンチレータ基板5を被覆するようにフィルム32を載置し(フィルム載置工程:ステップS4)、基台31のシール部材34aと蓋部材33のシール部材34bで上下からフィルム32を挟持するようにしてフィルム32の上方から基台31に蓋部材33を取り付ける。
ここで、前述したように、素子基板4とシンチレータ基板5と接着剤22とで外部から区画された内部空間C内の湿気(水蒸気)を排除するために、チャンバ30内の空気、或いは少なくとも放射線検出パネル3を含むフィルム32の下方の空間(以下「下方空間R1」という。)内の空気をドライエアや不活性ガスで置換するように構成してもよい。
次いで、減圧用ポンプ35を駆動して、放射線検出パネル3を含むフィルム32の下方空間R1を減圧することで、放射線検出パネル3の内部空間Cを大気圧より低い圧力(例えば0.2気圧〜0.5気圧)に徐々に減圧していく。
チャンバ30の蓋部材33とフィルム32との間の空間(以下「上方空間R2」という。図16参照)は下方空間R1よりも高圧になるため、チャンバ30の下方空間R1を減圧していくと、図17に示すように、放射線検出パネル3のシンチレータ基板5の上方からフィルム32が張り付くようになり、放射線検出パネル3は、フィルム32を介して上方の上方空間R2からの圧力で押圧されて、素子基板4とシンチレータ基板5とが貼り合わされる(減圧貼り合わせ工程:ステップS5)。
ところで、仮貼り合わせ工程(ステップS3)の終了時点で、素子基板4やシンチレータ基板5が接着剤22に密着してしまうと、内部空間Cが、内部圧力が大気圧の状態で密閉される。そして、この状態で上記のような減圧貼り合わせを行うと、外部は減圧されるが、内部空間Cの内部は大気圧のままであるため、内部空間Cの気体が接着剤22によるシールを破って外部に噴出して、接着剤22によるシールが破壊されてしまい、接着不良を生じてしまう。
また、接着剤22によるシールが破壊された部分で内部空間Cと外部とつなぐ気体の流路が形成されてしまうため、外部を大気圧に戻すと内部空間Cに外気が流入する。そのため、湿気(水蒸気)を含む外気が流入して、シンチレータ6が劣化する等の不具合が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、上記の接着剤配置工程(ステップS1)の段階で、図18に示すように、接着剤22を、素子基板4の複数の光電変換素子15の周囲の部分に、接着剤22の延在方向に間隙Gが形成されるように塗布して配置することとする。
なお、図18および後述する図19、図20では、スペーサSの図示が省略されている。また、間隙Gは1カ所だけでなく、複数の箇所に形成することも可能である。
このように間隙Gを形成すると、仮貼り合わせ工程(ステップS3)で素子基板4とシンチレータ基板5とが仮貼り合わせされた際、図19に示すように、接着剤22の間隙Gの部分に、内部空間Cとその外側の空間とを連通する開口部24が形成される。そして、チャンバ30等を用いた減圧貼り合わせ工程(ステップS5)で、下方空間R1を徐々に減圧すると、内部空間Cの内部の気体が接着剤22の開口部24を通って排出され、内部空間Cの内部の圧力が減圧される。
また、開口部24の開口の大きさ、すなわち接着剤22の間隙Gの間隔を適切な大きさに形成しておけば、図20に示すように、上方空間R2からの大気圧による押圧等で放射線検出パネル3の素子基板4とシンチレータ基板5とが互いに接近する際に、接着剤22が延在方向に押し広げられて接着剤22同士が結合して開口部24を封止し、内部空間Cを密閉することが可能となる。
このようにして、減圧貼り合わせ工程(ステップS5)では、下方空間R1が減圧される際に、内部空間Cの内部の気体が開口部24を通って排出されて内部空間Cが減圧されるとともに、フィルム32を介する上方空間R2からの圧力による押圧のため、シンチレータ基板5が素子基板4側に徐々に移動し、シンチレータ6,6の蛍光体6aの先端Pa,Pbと素子基板4の平坦化層21とが図7や図14などに示した状態に当接する。
そして、その状態で、開口部24が封止されて、接着剤22と素子基板4やシンチレータ基板5とが密着した状態で素子基板4とシンチレータ基板5とが接着剤22を介して貼り合わされる。また、内部空間Cが所定の圧力(例えば0.2気圧〜0.5気圧)に減圧された状態で密閉される。
なお、その際、チャンバ30の蓋部材33側のポンプ37を駆動させてチャンバ30の上方空間R2を適度に加圧したり減圧したりして、放射線検出パネル3の素子基板4とシンチレータ基板5とを確実に貼り合わせるように構成することも可能であり、チャンバ30の上方空間R2の圧調整は適宜行われる。
また、前述したように、チャンバ30の蓋部材33にポンプ37を設ける代わりに単なる開口部を設けた場合でも、チャンバ30の上方空間R2の内部圧力が大気圧に維持され、下方空間R2よりも高圧となるため、放射線検出パネル3を適度に加圧して素子基板4とシンチレータ基板5とを確実に貼り合わせることが可能となる。
減圧貼り合わせ工程(ステップS5)が終了すると、続いて、貼り合わされた放射線検出パネル3に対して、チャンバ30の蓋部材33に設けられた紫外線照射装置36(図17参照)から紫外線を照射し、接着剤22を硬化させて、素子基板4とシンチレータ基板5とを確実に貼り合わせることによって(接着剤硬化工程:ステップS6)、放射線検出パネル3を製造する。
なお、本実施形態では、シンチレータ基板5やフィルム32が紫外線を透過する材料で形成されているため、紫外線照射装置36から照射された紫外線が接着剤22に到達して、接着剤22が確実に硬化する。しかしながら、フィルム32やシンチレータ基板5を透過した紫外線が、シンチレータ6や光電変換素子15などに到達すると、それらに悪影響を及ぼす場合がある。
そのため、それを防止するために、図21に示すように、シンチレータ基板5とシンチレータ6との間に、光(紫外線)を遮光する遮光層23を形成することが好ましい。
なお、遮光層23は、シンチレータ基板5とシンチレータ6との間ではなく、シンチレータ基板5とシンチレータ6との間に設けるとともに、シンチレータ基板5のシンチレータ6が設けられた面とは反対側の面側に形成することも可能である。また、遮光層23は紫外線を遮光するが、放射線は透過するものであることが必要である。
上記のようにして、素子基板4とシンチレータ基板5とが接着剤22を介して減圧環境下で貼り合わされて内部空間Cが密閉され、接着剤22全体が硬化されると、製造された放射線検出パネル3を大気圧中に移しても内部空間Cには外気が流入せず、内部空間Cの減圧状態が維持される。
また、このように内部空間Cの減圧状態が維持されるため、素子基板4やシンチレータ基板5が大気圧でその厚さ方向に常時押圧される状態となる。そのため、図7や図14などに示したように、放射線検出パネル3を、シンチレータ6の蛍光体6aの鋭角状の先端Paや、シンチレータ6の層状の蛍光体6aの先端Pbが素子基板4上に形成された複数の光電変換素子15やそれをパッシベーション層17を介して被覆する平坦化層21の表面に当接する状態に維持することが可能となる。
そのため、放射線検出パネル3を、図2等に示したように筐体2内に収納して保持すれば、シンチレータ6,6が損傷されることない状態で、蛍光体6aの先端Pa,Pbと光電変換素子15との距離を放射線検出パネル3の全域において均一にすることが可能となり、前述したような有効な機能を有する放射線検出パネル3を製造することが可能となる。
次に、本実施形態に係る放射線画像検出器1の製造方法について、図22に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、上記のようにして放射線検出パネル3の製造工程(ステップS10)が終了すると、続いて、シンチレータ基板5と貼り合わされた素子基板4上に形成された入出力端子18に、異方性導電接着フィルムを貼付したり異方性導電ペーストを塗布したりする等してCOF19を圧着し(COF圧着工程:ステップS11)、さらに、入出力端子18とCOF19との通電を検査する(COF通電検査工程:ステップS12)。
次いで、COF19が素子基板4の裏面4b側に引き回されてPCB基板9とCOF19とが圧着されて接続され(PCB基板圧着工程:ステップS13)、素子基板4等における金属製の部材の露出部分等の腐食する可能性がある部分に対して腐食防止のためにシリコンゴムや樹脂を塗布する(腐食防止工程:ステップS14)。
次いで、上記のようにしてCOF19やPCB基板9などが取り付けられた放射線検出パネル3に、図示しない支持台や基台などを固定してモジュール化した後(モジュール形成工程:ステップS15)、そのモジュール化された放射線検出パネル3を筐体2内に収納して(モジュール収納工程:ステップS16)、放射線画像検出器1を製造する。
以上説明した第1の実施の形態に係る放射線検出パネル3の製造方法や放射線画像検出器1の製造方法によれば、硬化層形成工程(ステップS2)で、素子基板4(第1の基板)とスペーサSとの間に配置される緩衝層としての接着剤硬化層22aが形成される。
したがって、接着剤硬化工程(ステップS6)で接着剤22全体が硬化された後は勿論、接着剤硬化工程(ステップS6)の前の仮貼り合わせ工程(ステップS3)や減圧貼り合わせ工程(ステップS5)などで、接着剤22の一部のみが硬化されて接着剤硬化層22aが形成された状態で、シンチレータ基板5に外力が加わっても、シンチレータ基板5に加わった外力を接着剤硬化層22aが的確に分散するため、素子基板4に備えられた配線(走査線11や信号線12)やパッシベーション層17に割れ等が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように素子基板4に備えられた走査線11や信号線12、パッシベーション層17に割れ等が生じることが的確に防止されるため、放射線検出パネル3の短寿命化や信頼性の低下、配線の断線等による初期不良などの不具合の誘発を確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態のように、素子基板4の表面4aにおける走査線11や信号線12が配置されていない第2領域T2に、複数のダミー配線20を配置するようにすれば、硬化層形成工程(ステップS2)で、走査線11や信号線12が配置された第1領域T1だけでなく、第2領域T2でも、接着剤22に入射する光が一部遮光されるため、第2領域T2にダミー配線20を配置しない場合と比較して、第1領域T1上に配置される接着剤硬化層22aの厚みと、第2領域T2上に配置される接着剤硬化層22aの厚みと、の差が小さくなる。
したがって、接着剤22の延在方向に略均一の厚さの接着剤硬化層22aが形成され、シンチレータ基板5に割れ等が生じる程度の大きな段差がシール部Qに発生することがないため、シンチレータ基板5に割れ等が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように、シンチレータ基板5に割れ等が生じることが的確に防止されるため、歩留まりが向上し、スクラップコストの低減等によって製造コストの低減が期待できる。
なお、以上説明した本実施形態に係る放射線検出パネル3の製造方法は、変形可能である。
その変形例の一例を、図23のフローチャートに基づいて説明する。
まず、素子基板4の複数の光電変換素子15の周囲の部分、すなわち検出領域Tよりも外側の部分の第1領域T1や第2領域T2などに、スペーサSを含んでいない接着剤22を配置する(接着剤配置工程:ステップS21)。
次いで、図示しない紫外線照射装置を用いて、素子基板4上に配置した接着剤22に対して、素子基板4における接着剤22が配置された面とは反対側の面側から紫外線を照射し、接着剤22における素子基板4と接する側を硬化させて接着剤硬化層22aを形成する(硬化層形成工程:ステップS22)。
次いで、一部が硬化されて接着剤硬化層22aが形成された接着剤22に対して、例えば接着剤22の延在方向に略同一の間隔をおいて、複数のスペーサSを配置する(スペーサ配置工程:ステップS23)。
次いで、仮貼り合わせ工程(ステップS3)を行うが、仮貼り合わせ工程以降の工程(ステップS3〜ステップS6)は、図15のフローチャートで示した製造方法における仮貼り合わせ工程以降の工程(ステップS3〜ステップS6)と同一であるため、説明は省略する。
以上説明した第1の実施の形態に係る放射線検出パネル3の製造方法の変形例のように、接着剤配置工程(ステップS21)で、スペーサSを含んでいない接着剤22を素子基板4上に配置し、硬化層形成工程(ステップS22)で、接着剤22を硬化させて接着剤硬化層22aを形成した後に、スペーサ配置工程(ステップS23)で、接着剤硬化層22aが形成された接着剤22に対して複数のスペーサSを配置するよう構成すれば、接着剤硬化層22aを素子基板4とスペーサSとの間により確実に形成することができるため、素子基板4に備えられた配線(走査線11や信号線12)やパッシベーション層17に割れ等が生じることをより的確に防止することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る放射線検出パネル3A、放射線画像検出器1A、放射線検出パネル3Aの製造方法および放射線画像検出器1Aの製造方法について説明する。
なお、第2の実施の形態においては、緩衝層が接着剤硬化層22aでなく、複数の光電変換素子15の周囲の部分にまで延設された平坦化層21Aである点が第1の実施の形態と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符号を付して説明は省略する。
[放射線検出パネルおよび放射線画像検出器]
まず、本実施形態に係る放射線検出パネル3Aおよび放射線画像検出器1Aの構成について説明する。
なお、以下では、蛍光体6aが柱状結晶構造を有するシンチレータ6を用いた放射線検出パネル3Aや放射線画像検出器1Aについて説明するが、蛍光体6aが層状に形成されたシンチレータ6を用いた放射線検出パネル3Aや放射線画像検出器1Aについても同様に説明され、本発明が適用される。
放射線画像検出器1Aは、図24に示すように、放射線検出パネル3Aが筐体2内に収納されて構成されている。
具体的には、筐体2の内部には、第1の基板である素子基板4A、第2の基板であるシンチレータ基板5、シンチレータ6等を備えた放射線検出パネル3Aが配置されている。
第2の実施の形態の素子基板4Aは、図25等に示すように、ダミー配線20を備えておらず、その他の構成については第1の実施の形態の素子基板4と同一である。
また、本実施形態においては、図26や図27に示すように、検出領域Tに形成された平坦化層21Aが、素子基板4Aの表面4aにおける複数の光電変換素子15の周囲の部分、すなわち検出領域Tよりも外側の部分にまで延設されていることとする。そして、平坦化層21Aにおける検出領域Tよりも外側の部分に設けられた延設部分21Aa(図26〜図28においてドットパターンで塗りつぶした部分)が、スペーサSと素子基板4Aとの間に配置されている。これにより、平坦化層21Aが緩衝層となっている。
また、本実施形態では、平坦化層21Aは、有機材料、具体的にはアクリル系感光性樹脂で形成されているが、そのままでは接着剤22への接着力が低い。
そこで、本実施形態では、平坦化層21Aと接着剤22との接着性を向上させるために、平坦化層21Aの延設部分21Aaにおける接着剤22との接着面に、UV改質、プラズマ処理、コロナ放電等の所定の表面改質処理が施されていることとする。
また、本実施形態では、平坦化層21Aは、アクリル系感光性樹脂で形成されているが、アクリル系感光性樹脂は、分子密度が低いと、湿気(水蒸気)を透過してしまう。平坦化層21Aが湿気を透過してしまうと、内部空間Cの内部の空気がドライエアや不活性ガスで置換されていても、やがて内部空間Cに湿気が入り込んでしまい、シンチレータ6が劣化してしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、それを防止するために、図28に示すように、平坦化層21Aを外気と遮断するように配置された封止材25を備えていることとする。
なお、封止材25は、湿気を透過しない防湿樹脂等によって形成されていれば任意であり、防湿樹脂としては、例えば、エポキシ系やウレタン系の樹脂、平坦化層21Aよりも分子密度が高いアクリル系の樹脂等が挙げられる。
次に、本実施形態に係る放射線検出パネル3Aや放射線画像検出器1Aの作用について説明する。
放射線検出パネル3Aの製造工程において、素子基板4Aとシンチレータ基板5とを減圧貼り合わせする際、大気圧で外側から内部空間C側に素子基板4Aとシンチレータ基板5とが押圧される。その際、例えば図34に示すように、スペーサSが、素子基板4Aに接触している場合には、大気圧によりシンチレータ基板5に加わった外力は、スペーサSを介して直接素子基板4Aに加わる。この場合、スペーサSと素子基板4Aとは、スペーサSが棒状のスペーサSaである場合には線で、スペーサSが球形状のスペーサSbである場合には点で接触しているため、素子基板4AにはスペーサSを介して局所的に大きな力が加わることになる。これにより、素子基板4Aが備える走査線11や信号線12、パッシベーション層17などに割れ等が生じることがある。
これに対し、本実施形態では、図26等に示すように、放射線検出パネル3Aが、緩衝層として、素子基板4AとスペーサSとの間に配置された延設部分21Aaを有する平坦化層21Aを備えている。
このように平坦化層21Aが延在部分21Aaを有することで、シンチレータ基板5に加わった外力は、スペーサSを介して平坦化層21Aに加わり、さらに、平坦化層21Aを介して素子基板4Aに加わるが、平坦化層21Aは加わった力を分散させるクッションの役割を果たすため、素子基板4Aに対して局所的に力が加わることを防止することが可能となる。
以上説明した第2の実施の形態に係る放射線検出パネル3Aおよび放射線画像検出器1Aによれば、緩衝層としても機能する、素子基板4A(第1の基板)とスペーサSとの間に配置された延設部分21Aaを有する平坦化層21Aを備えている。
したがって、平坦化層21Aが力を分散させるクッションの役割を果たし、素子基板4Aに対して局所的に力が加わることを防止できるため、素子基板4Aに備えられた配線(走査線11や信号線12)やパッシベーション層17に割れ等が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように素子基板4Aに備えられた走査線11や信号線12、パッシベーション層17に割れ等が生じることが的確に防止されるため、放射線検出パネル3Aの短寿命化や信頼性の低下、配線の断線等による初期不良などの不具合の誘発を確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態のように、平坦化層21Aが有機材料で形成されていても、平坦化層21Aの延設部分21Aaに、接着剤22との接着性を向上させるための表面改質処理を施すよう構成すれば、延設部分21Aaと接着剤22とが確実に接着するとともに、その接着が維持されるため、内部空間Cに外気が流入せず、内部空間Cの減圧状態が維持される。そのため、シンチレータ6の蛍光体6aの先端Paと平坦化層21Aとが離間してシンチレータ6の蛍光体6aの先端Paと光電変換素子15とが離れて画像の鮮鋭性が失われたり、内部空間Cに湿気を帯びた外気が流入して内部空間Cが湿気を有する状態になってシンチレータ6が劣化したりするといった不具合の発生を確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態のように、平坦化層21Aを外気と遮断する封止材25を備えるよう構成すれば、平坦化層21Aが延出部分21Aaを有しており、かつ、湿気を透過可能な材料で形成されていても、内部空間Cに湿気が流入しない。そのため、内部空間Cに湿気が流入して内部空間Cが湿気を有する状態になってシンチレータ6が劣化するといった不具合の発生を確実に防止することが可能となる。
[放射線検出パネルの製造方法および放射線画像検出器の製造方法]
次に、本実施形態に係る放射線検出パネル3Aの製造方法および放射線検出器1Aの製造方法について説明する。
なお、以下では、蛍光体6aが柱状結晶構造を有するシンチレータ6を用いた放射線検出パネル3Aや放射線画像検出器1Aの製造方法について説明するが、蛍光体6aが層状に形成されたシンチレータ6を用いた放射線検出パネル3Aや放射線画像検出器1Aの製造方法についても同様に説明され、本発明が適用される。
まず、本実施形態に係る放射線検出パネル3Aの製造方法について、図29に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、素子基板4Aに対して、パッシベーション層17を介して複数の光電変換素子15等を被覆して、複数の光電変換素子15の周囲の部分まで延設された平坦化層21Aを形成する(平坦化層形成工程:ステップS31)。
次いで、平坦化層21Aの延設部分21Aa、または、シンチレータ基板5のシンチレータ3の周囲の部分に、複数のスペーサSを含む接着剤22を配置する(接着剤配置工程:ステップS32)。
次いで、仮貼り合わせ工程(ステップS3)を行うが、仮貼り合わせ工程以降の工程(ステップS3〜ステップS6)は、図15のフローチャートで示した第1の実施の形態に係る放射線検出パネル3の製造方法における仮貼り合わせ工程以降の工程(ステップS3〜ステップS6)と同一であるため、説明は省略する。
また、第2の実施の形態の放射線画像検出器1Aの製造方法は、図22のフローチャートで示した第1の実施の形態に係る放射線画像検出器1の製造方法と同一であるため、説明は省略する。
以上説明した第2の実施の形態に係る放射線検出パネル3Aの製造方法や放射線画像検出器1の製造方法によれば、平坦化層形成工程(ステップS31)で、緩衝層としても機能する、素子基板4A(第1の基板)とスペーサSとの間に配置された延設部分21Aaを有する平坦化層21Aが形成される。
したがって、接着剤硬化工程(ステップS6)で接着剤22全体が硬化された後は勿論、接着剤硬化工程(ステップS6)の前の仮貼り合わせ工程(ステップS3)や減圧貼り合わせ工程(ステップS5)などで、接着剤22が未硬化の状態で、シンチレータ基板5に外力が加わっても、シンチレータ基板5に加わった外力を平坦化層21Aが的確に分散するため、素子基板4Aに備えられた配線(走査線11や信号線12)やパッシベーション層17に割れ等が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように素子基板4Aに備えられた走査線11や信号線12、パッシベーション層17に割れ等が生じることが的確に防止されるため、放射線検出パネル3Aの短寿命化や信頼性の低下、配線の断線等による初期不良などの不具合の誘発を確実に防止することが可能となる。
なお、本発明が、上記の実施形態や変形例に限定されず、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1,1A 放射線画像検出器
3,3A 放射線検出パネル
4,4A 素子基板(第1の基板)
4a 表面
5 シンチレータ基板(第2の基板)
5a 表面
6,6 シンチレータ
11 走査線(配線)
12 信号線(配線)
15 光電変換素子
20 ダミー配線
21 平坦化層
21A 平坦化層(緩衝層)
21Aa 延設部分
22 接着剤
22a 接着剤硬化層(緩衝層)
25 封止材
C 内部空間
S スペーサ
T1 第1領域
T2 第2領域

Claims (12)

  1. 表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板と、
    放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成され、前記シンチレータと前記複数の光電変換素子とが対向する状態で配置された第2の基板と、
    前記複数の光電変換素子および前記シンチレータの周囲の部分に配置され、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着する接着剤と、
    前記接着剤に含まれ、前記第1の基板と前記第2の基板との間隔を確保する複数のスペーサと、を備え、
    さらに、前記第1の基板と前記スペーサとの間に配置された緩衝層を備えることを特徴とする放射線検出パネル。
  2. 前記緩衝層は、前記接着剤における前記第1の基板と接する側を硬化させることによって形成された接着剤硬化層であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出パネル。
  3. 前記接着剤は、光硬化型の接着剤であり、
    前記第1の基板は、
    光透過性の材料で形成された基板であり、
    前記複数の光電変換素子と接続して、前記複数の光電変換素子の周囲の部分に延設された複数の配線と、
    前記複数の光電変換素子の周囲の部分に配置され、前記接着剤硬化層を形成する際に前記接着剤に入射する光を一部遮光するダミー配線と、を備え、
    前記複数の光電変換素子の周囲の部分では、前記配線が配置された第1領域と、前記配線が配置されていない第2領域と、が前記接着剤の延在方向に交互に隣接しており、
    前記複数の配線は、所定の本数毎に組になって、同じ組の各配線が一の前記第1領域に配置されており、
    前記ダミー配線は、前記第2領域に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線検出パネル。
  4. 前記緩衝層は、前記複数の光電変換素子を被覆して、前記複数の光電変換素子の周囲の部分まで延設された平坦化層であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出パネル。
  5. 前記平坦化層は、有機材料で形成され、前記接着剤との接着性を向上させるために所定の表面改質処理が施されていることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出パネル。
  6. 前記平坦化層を外気と遮断するように配置された封止材を備えることを特徴とする請求項5に記載の放射線検出パネル。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の放射線検出パネルを備えることを特徴とする放射線画像検出器。
  8. 表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板の前記複数の光電変換素子の周囲の部分に、複数のスペーサを含む接着剤を配置する接着剤配置工程と、
    前記接着剤における前記第1の基板と接する側を硬化させて接着剤硬化層を形成する硬化層形成工程と、
    前記接着剤を介して、前記第1の基板と放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成された第2の基板とを、前記複数の光電変換素子と前記シンチレータとが対向する状態で仮貼り合わせする仮貼り合わせ工程と、
    前記第1の基板、前記第2の基板および前記接着剤により形成される内部空間を減圧して、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる減圧貼り合わせ工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とが貼り合わされた状態で、前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程と、
    を有することを特徴とする放射線検出パネルの製造方法。
  9. 表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板の前記複数の光電変換素子の周囲の部分に、接着剤を配置する接着剤配置工程と、
    前記接着剤における前記第1の基板と接する側を硬化させて接着剤硬化層を形成する硬化層形成工程と、
    前記接着剤に対して複数のスペーサを配置するスペーサ配置工程と、
    前記接着剤を介して、前記第1の基板と放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成された第2の基板とを、前記複数の光電変換素子と前記シンチレータとが対向する状態で仮貼り合わせする仮貼り合わせ工程と、
    前記第1の基板、前記第2の基板および前記接着剤により形成される内部空間を減圧して、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる減圧貼り合わせ工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とが貼り合わされた状態で、前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程と、
    を有することを特徴とする放射線検出パネルの製造方法。
  10. 前記接着剤は、光硬化型の接着剤であり、
    前記第1の基板は、
    光透過性の材料で形成された基板であり、
    前記複数の光電変換素子と接続して、前記複数の光電変換素子の周囲の部分に延設された複数の配線と、
    前記複数の光電変換素子の周囲の部分に配置され、前記接着剤硬化層を形成する際に前記接着剤に入射する光を一部遮光するダミー配線と、を備え、
    前記複数の光電変換素子の周囲の部分では、前記配線が配置された第1領域と、前記配線が配置されていない第2領域と、が前記接着剤の延在方向に交互に隣接しており、
    前記複数の配線は、所定の本数毎に組になって、同じ組の各配線が一の前記第1領域に配置されており、
    前記ダミー配線は、前記第2領域に配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の放射線検出パネルの製造方法。
  11. 表面に複数の光電変換素子が二次元状に配列された第1の基板に対して、前記複数の光電変換素子を被覆して、前記複数の光電変換素子の周囲の部分まで延設された平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、
    前記平坦化層における前記複数の光電変換素子の周囲の部分に設けられた延設部分、または、放射線を光に変換するシンチレータが表面に形成された第2の基板の前記シンチレータの周囲の部分に、複数のスペーサを含む接着剤を配置する接着剤配置工程と、
    前記平坦化層および前記接着剤を介して、前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記複数の光電変換素子と前記シンチレータとが対向する状態で仮貼り合わせする仮貼り合わせ工程と、
    前記平坦化層、前記第2の基板および前記接着剤により形成される内部空間を減圧して、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる減圧貼り合わせ工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とが貼り合わされた状態で、前記接着剤を硬化させる接着剤硬化工程と、
    を有することを特徴とする放射線検出パネルの製造方法。
  12. 請求項8〜11の何れか一項に記載の放射線検出パネルの製造方法により製造された放射線検出パネルを用いて放射線画像検出器を製造することを特徴とする放射線画像検出器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013011490A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Toshiba Corp 放射線検出器及びその製造方法
JP2014077735A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Canon Inc 放射線検出装置及び放射線検出システム
JP2014224714A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 コニカミノルタ株式会社 放射線画像撮影装置

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