JP2011106926A - 生物学的検体の採取用スワブ、該スワブの製造方法及び該スワブを用いたキット - Google Patents

生物学的検体の採取用スワブ、該スワブの製造方法及び該スワブを用いたキット Download PDF

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【課題】生物学的検体の採取用スワブ、該スワブを用いたキット、及び該スワブの製造方法の提供。
【解決手段】ロッド4と立毛体3からなる生物学的検体採取用スワブであって、前記立毛体3は基材部分2と生物学的検体の吸収性を有する短繊維部分1を含み、該短繊維部分1は基材部分2の表面にブラシ状に存在し、前記立毛体3がロッド4に短繊維部分1がロッド表面に略直立するように固定されている生物学的検体採取用スワブ。
【選択図】図1

Description

本発明は、生物学的検体の採取用スワブに関する。
生物学的検査、特に簡易測定検査では、検査に必要な毛髪、組織、体液等を効率よく採取するとともに、微小な固形の夾雑物を除去することが重要とされている。従来から、検体採取にスワブ(綿棒)が用いられていた。
特許文献1には滅菌綿棒等の検体採取器具を使用して生物学的検体を採取し、検体をフィルター付きのチューブに入れて加圧しながら濾過し、免疫学的な検査方法を行う方法が記載されている。
特許文献2には生物学的検体を吸収する親水性の繊維で覆われたチップを端部に有するロッドより成るタイプの、生物学的検体の採取用スワブであって、前記繊維が、フロッキングにより被着した層の形状で、前記チップを覆うことを特徴とする、スワブが記載されている。ここで、特許文献2に記載のフロック法とはフロックと呼ばれる繊維を短く切って製造したフロックを静電場を利用した電気植毛によりロッドのチップに直接固着することをいう。フロック法では、ロッドと繊維の接着が不十分だと繊維が脱毛し、スワブ製造時の歩留まりが低下する場合があった。
特許文献3にはブラシ状のスワブを用いて生物学的検体を採取し、焼結フィルターで濾過し、免疫学的検査を行う方法が記載されている。特許文献3の方法では、ブラシ状スワブは生物学的検体の採取効率が高いが、製造工程が複雑になったり、スワブ製造時の歩留まりが低下することがあった。
特開2004-028875号公報 特表2007-523663号公報 特開2008-122372号公報
本発明は生物学的検体の採取用スワブ、該スワブを用いたキット、及び該スワブの製造方法を提供する。
上記のように、生物学的検査において、検体の採取にスワブが用いられていたが、従来のスワブは必ずしも採取効率が高くなく、スワブ製造時の歩留まりも高くなかった。そこで、粘液状の生物学的検体の採取効率が高く、スワブ製造時の歩留まりが高いスワブが求められていた。本発明者は基材に対し立毛した短繊維部分が形成された立毛体をロッド先端又はロッド先端のチップに固定することにより、ロッド先端又はチップ部の短繊維が取れにくくスワブ製造時の歩留まりが上昇することを見出した。さらに、このようにして製造したスワブを用いて検体を効率的に採取できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] ロッドと立毛体からなる生物学的検体採取用スワブであって、前記立毛体は基材部分と生物学的検体の吸収性を有する短繊維部分を含み、該短繊維部分は基材部分の表面にブラシ状に存在し、前記立毛体がロッドに短繊維部分がロッド表面に略直立するように固定されている生物学的検体採取用スワブ。
[2] 立毛体の基材が面状、リボン状又は糸状である、[1]の生物学的検体採取用スワブ。
[3] 立毛体がロッド先端から0.1〜30mmの長さの範囲で固定されている、[1]又は[2]の生物学的検体採取用スワブ。
[4] 立毛体の短繊維の繊度が1.0〜4.0dtexである、[1]〜[3]のいずれかの生物学的検体採取用スワブ。
[5] 立毛体の短繊維の長さが0.5〜3mmである、[1]〜[4]のいずれかの生物学的検体採取用スワブ。
[6] 立毛体の短繊維が、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、炭素繊維、アルギネート、天然繊維、及びそれらの混紡からなる群から選択される、[1]〜[5]のいずれかの生物学的検体採取用スワブ。
[7] ロッドが棒状体の先端に擬球形のチップが形成された構造を有し、立毛体が前記チップの表面に固定される、[1]〜[6]のいずれかの生物学的検体採取用スワブ。
[8] 棒状のロッド又はロッド先端のチップの表面に接着剤を付ける工程、該ロッド又はロッド先端のチップの表面に、基材本体部分と生物学的検体の吸収性を有する短繊維部分を含み、該短繊維部分は基材部分の表面にブラシ状に存在する立毛体を固定する工程を含む、[1]〜[7]のいずれかの生物学的検体採取用スワブの製造方法。
[9] 基材表面に短繊維をブラシ状に付けて立毛体を製造する工程、該立毛体を棒状のロッド又はロッド先端のチップの表面に接着剤を用いて固定する工程を含む[1]〜[7]のいずれかの生物学的検体採取用スワブの製造方法。
[10] 立毛体がロッド又はロッド先端のチップに巻き付けられる、[8]又は[9]の生物学的検体採取用スワブの製造方法。
[11] [1]〜[7]のいずれかの生物学的検体採取用スワブを含む生物学的検体中の被検出物検出キット。
本発明の生物学的検体採取用スワブは、ロッド又はロッドの先端のチップに、基材に対し立毛した短繊維部分が形成された立毛体を固定して製造される。このため、短繊維をロッドに直接植毛するフロック法による製造に比べ、スワブ製造時の歩留まりが向上する。さらに、短繊維が抜けにくく、短繊維部分の繊維密度を高い状態で固定できるので、検体中の被検出物質を高い効率で採取することができる。
面状の立毛体を用いたスワブの製造方法(間接フロック法によるスワブの製造方法)を示す図である。 糸状の立毛体を用いたスワブの製造方法(間接フロック法によるスワブの製造方法)を示す図である。 従来のスワブの製造方法(直接フロック法によるスワブの製造方法)を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は生物学的検体の採取用スワブであって、生物学的検体を吸収する短繊維を含む立毛体とロッドからなり、立毛体はロッドの一端に固定される。立毛体は直接ロッドに固定してもよく、ロッドの先端にチップを形成し、該チップ上に立毛体を固定してもよい。ここで、チップはロッドの一部であり、本発明においてロッドという場合、チップが形成されたロッドもチップが形成されていないロッドも含む。
ロッドの形状は棒状又はテーパー状であればよく、それ以外に限定されないが、太さ0.5〜3mm程度、長さ30〜200mm程度のものが好適に用いられる。ロッドの材質はポリエチレン、塩化ビニル、ナイロン、ポリプロピレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂( アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)等のプラスチック、竹、木材、硬質紙、金属等が使用可能である。スワブの製造で熱処理を行う場合には、耐熱性の高いポリカーボネート、PET、ABS等のプラスチックが好適に用いられる。
ロッドの先端には擬球形のチップを取り付けたり、ロッドを変形させてチップ部分を形成してもよい。チップはロッドの一端に存在するロッドよりも径の大きい部分を含むロッドの一部分をいう。チップは表面がなめらかな凸曲面となっており、その形状は、球形や回転楕円体等の擬球形(略球形)、面取りした柱状などが好ましい。チップをロッド先端に取り付ける場合、チップの材質としては糸、プラスチック、竹、木材、硬質紙、金属等を挙げることができる。ロッド先端へのチップの取り付けは熱硬化樹脂の擬球体を先端に付着させて加熱硬化する方法、糸状や帯状の可撓性の材料を巻きつけて所定の形状に成型する方法等が挙げられる。また、ロッドの先端を加熱溶融して変形させてチップを成型してもよい。チップの表面には、立毛体を固定するための、凹凸や溝や切込みを設けてもよい。
本発明において、立毛体は、基材部分と短繊維部分を含み、基材(下地)に対し立毛を構成する短繊維部分がブラシ状に存在する物体であり、基材は短繊維部分の支持体としての機能を有する。基材は面状(シート状)、紐状、リボン状、糸状などの形状を有する。短繊維はその一端が基材に付いている。短繊維は基材の表面に対して略直立に付いていることが望ましく、少なくとも立毛体がロッド又はロッド先端のチップに固定された場合に、短繊維はロッド表面に対して略直立状態を維持して存在する。略直立とは、短繊維が基材表面又はロッド表面に対して垂直状態で存在することまでは要求されないが、ほぼ直立した状態で存在することをいう。短繊維がロッド表面に対して略直立状態で存在することにより、検体採取の際に生物学的検体が効率的に短繊維と接触し、その結果生物学的検体を効率的に採取することができる。立毛体の一例として、短繊維と基材が一体となったものが挙げられる。短繊維と基材が一体となっているとは、例えば、立毛体を製造する際に、基材と短繊維が同一の材質で一体成形されている場合をいう。また、後述のようにベッチン等の毛羽(パイル)を有する布地等は基材となる布地から短繊維が表面に飛び出しているが、このような布地も短繊維と基材が一体となっている立毛体という。また、基材に対して短繊維を後から固定して立毛体を製造してもよい。なお、本発明において立毛体の基材部分を本体部分ということがあり、この場合、立毛体は本体部分である基材部分に短繊維が付いた構造を有しているということができる。
基材の材質は限定されず、短繊維が付いた状態で、ロッドに巻き付け等により固定できる材質ならば、いずれの材質のものも用いることができる。例えば、布、繊維、糸、不織布、天然樹脂、合成樹脂、紙、動物の皮や毛皮等を用いることができる。好ましくは布、糸、不織布が用いられ、ベロア、ベッチン、ベルベット等が用いられる。基材の形状も限定されず、紐状、リボン状、糸状、面状、シート状のものを用いることができる。また、面状やシート状のものを用い、短繊維が付いた状態で、切断等により適切な形状に加工してもよい。
また、基材にゴム等の伸縮性の基材を使用してもよい。この場合、伸縮性の基材を伸ばしながらロッド又はチップ表面に巻き付けることにより固定すると、張力により立毛体とロッド又はチップとの密着性が向上するため好ましい。
立毛体表面の短繊維部分は中空部分をもつマイクロファイバー、綿や絹やセルロースなどの天然素材、プラスチック、炭素繊維、アルギネート等が使用可能である。この中でも液状検体の吸収効率が高いマイクロファイバーが好ましく、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂からなるマイクロファイバーが好適に用いられる。
立毛体表面の短繊維の密度と長さは限定されないが、単位面積あたりの密度が1平方センチメートルあたり100本以上、好ましくは500本以上、さらに好ましくは1000本以上、さらに好ましくは5000本以上であり、特に好ましくは、10000本以上である。繊維密度が高いほど、例えば10000本以上において、液状検体の吸収効率が高いのでより好ましい。短繊維の繊維長は、好ましくは基材との付け根から短繊維先端までの長さが0.5〜3mm(短繊維長)である。
立毛体の短繊維の繊度は吸湿性であれば特に限定されず、スワブの用途に応じて適宜選択することができる。例えば、検体が鼻汁等の粘性液体の場合、短繊維は粘性液体中でも立毛状態を維持していることが好ましいので、短繊維はある程度の強度が要求され、ある程度の強度を付与できる繊度と表面積が必要になる。短繊維の繊度とは、単一の繊維、線状の単位長さ当たりのグラム重量である。短繊維の繊度は、その強度、加工性、曲げやすさ等から、1.0〜4.0dtexのものが好ましく、1.5〜3.0dtexのものが好適に用いられる。
上記のように、立毛体は基材と短繊維が一体となったものを用いることもできるが、基材に短繊維を固定して製造することもできる。この場合、基材に短繊維の一端を固定する。短繊維は基材表面に対して略直立状態で付いているのが望ましい。例えば、布状の基材の片面に短繊維を固定すればよい。基材への短繊維の固定方法は限定されないが、例えば短繊維を静電場を利用した電気植毛により基材にフロック法により固定することができる。従来技術には、ロッドに直接短繊維をフロック法により固定してスワブを製造する方法が存在するが、該方法においては、ロッド表面に直接短繊維を固定する。一方、本発明においては、フロック法により短繊維を基材に固定し、立毛体を製造し、該立毛体をロッドに固定する。前者の従来の方法が直接フロック法というべき方法であるのに対し、本発明の方法は間接フロック法ということができる。このようにして、基材に短繊維をブラシ状に固定することができる。
従来の短繊維をロッド又はロッドに固定した基材に植毛するフロック法(直接フロック法)では、ロッド又はチップ上の短繊維の密度を高くすることはできなかった。一方、本発明においては、短繊維の立毛を有する立毛体をロッドに巻き付ける等により固定化して製造するため、製造時の短繊維の離脱が少なく、しかもロッド又はチップ上の短繊維の密度を大きくすることができる。この高密度の短繊維により検体を効率的に採取することが可能となる。
基材表面の短繊維部分は、1方向に配向していてもよく、基材形状に略垂直方向に、放射線状に配置されていてもよい。また、基材の片面または一部に短繊維を配置していない部分を設け、短繊維を配置していない部分に接着剤を塗布し、ロッドと接着してもよい。
上記立毛体のロッドへの固定は、例えば面状の立毛体をロッドの先端部又はチップに接着剤等を用いて接着してもよいし、紐状、リボン状、糸状の立毛体をロッドの先端部又はチップに巻き付けた状態で接着剤等を用いて接着してもよい。この際、ロッドの先端部又はチップに接着剤を塗布しそこに立毛体を固定すればよい。また、立毛体の表面には短繊維のない部分があってもよい。例えば、布状の基材の片面に短繊維を固定した場合は基材の裏面に接着剤を塗布し、ロッドに固定してもよい。さらに、上記のように立毛体を固定するために設けたロッド又はチップ上の凹凸や溝や切込みに接着剤あり又はなしで固定してもよい。このように固定することにより、立毛体の短繊維部分がロッド又はチップの軸の中心に向かって略直立方向に配置される。
立毛体はロッド先端から0.1〜30mm(綿球長)、好ましくは0.5〜20mmの長さの範囲で固定すればよい。この範囲であれば、検体中にある固形分をからめ取りやすく、固形の不溶物を効率よく採取することができる。固形の不溶物自体の存在は、その後の検査にとっては、非特異的反応を起こさせることがあり、好ましくないが、固形の不溶物には、測定すべき被検出物が混入していることが多く、検体採取のときには多く採取できた方が好ましい。また、検体が鼻汁等の粘性液体であれば、短繊維間で表面張力により薄い膜を形成して保持されるため、採取効率が高い。検体を採取した後、短繊維部分を水で洗浄して粘性液体を回収すると、固形の不溶物自体は短繊維に捕捉され流出せず、被検出物を多く含む粘性液体が溶出する。従って、立毛体の短繊維は不溶物を捕捉し、フィルターとしての役割も果たす。
立毛体としては、例えば紐状体が用いられる。紐状体とは繊維をより合わせ、繊維の端部を立毛させた物体である。さらに、短繊維の立毛を有する、ベッチン、ベルベット、ベロア及び動物の毛皮等が挙げられる。ベッチンは綿糸を用いて織り、タタミ目のように表面から糸がはみ出した部分を形成し、タタミ目部分を切断して立毛させた布地である。ベルベットは重ね合わせた2枚の布を織り上げ、2枚の布の間にパイルになる糸を組み合わせ、布の間にナイフを入れた布地、ベロアはパイルを切断して長い毛羽を表面に出した布地である。ベロア生地は、液状の生物学的検体をよく吸収するので好適に用いられる。立毛体は短繊維を立てた状態で基材上に配置し、繊維の片端を樹脂や接着剤で接着して製造することができる。また、化繊の短繊維を立てた状態で基材上に配置し、繊維の片端を熱溶着させてもよい。
本発明は、上記スワブの製造方法を包含する。
すなわち、最初に立毛体を製造する。立毛体は基材と短繊維を一体として製造することもできるし、基材に短繊維を固定することにより製造することもできる。基材への短繊維の固定方法は限定されないが、例えば、フロック法により固定すればよい。この方法を間接フロック製造法という場合がある。次いで、このようにして製造した立毛体を棒状のロッドの表面に接着剤等を用いて固定する。このように固定することにより、立毛体の短繊維がロッド表面に対してブラシ状に略直立した状態で存在する。
図1には、基材2として面状の不織布(ベロア生地)を用いた製造方法を示す。図1においては、最初にフロック法により基材(ベロア生地)2に短繊維1を固定して立毛体3を製造する。この際、短繊維の長さは約0.3mmであり、生地厚は約50μmである。ベロア生地の生地としては例えば、熱溶着が可能な化繊を用いる。次いで、このようにした製造した立毛体3をロッド4の先端部のチップ5に巻きつけて接着し本発明のスワブを製造する。
図2には、基材2として糸状の基材を用いた場合の製造方法を示す。糸状の基材にマイクロファイバー繊維を短繊維1としてフロック法により固定して立毛体3を製造する。得られた立毛体3の短繊維1の長さは約0.3mmである。図1の方法と同様に、得られた立毛体3をロッド4の先端部のチップ5に巻きつけて接着し本発明のスワブを製造する。
図3には、従来法(直接フロック法)によるスワブの製造方法を示す。従来法においては、ロッドの表面に直接短繊維を付着させる。
本発明のスワブは以下のように使用する。本発明において生物学的検体とは、咽頭若しくは鼻腔ぬぐい液、咽頭若しくは鼻腔洗浄液、鼻腔吸引液、唾液、血清、便、便懸濁液、尿、培養液等をいう。本発明のスワブにおいて、立毛体を構成する短繊維は吸収性があり、検体を吸収することができる。また、立毛体の短繊維はブラシ状に配置されており、短繊維と短繊維の間に検体を保持することもできる。これらの生物学的検定は、その中に含まれる被検体の検出に用いられる。スワブを用いて患者から鼻汁や咽頭ぬぐい液を採取した後、例えば、蒸留水、生理食塩水、緩衝液等を用いて洗浄する。洗浄液を検体試料(検体浮遊液)としてアッセイを行えばよい。検体試料はアッセイ装置に備え付けられた濾過フィルターを用いてアッセイ装置中で濾過するか、又はアッセイ装置とは別の濾過装置中の濾過フィルターを用いてアッセイ装置外で濾過する。例えば、検体試料の濾過は、先端に濾過フィルターを有するチューブを用い、加圧しながら濾過することが好ましい。このとき、検体試料内に夾雑物が多いとフィルターが目詰まりするため、高い圧力で加圧する必要がある。フィルターに高い圧力がかかるとフィルターの厚さ方向の潰れや湾曲等の変形を受けるが、これらの現象はフィルター内のろ液の流路を塞ぎ、フィルター自身が目詰まりする原因となる。
本発明のスワブにより採取した生物学的検体中の被検出物質については特に限定はない。例えば、原生動物、真菌、細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、ウイルス等いずれの物質も被分析物質となりうる。毒素、酵素、ポリペプチド、タンパク質、糖鎖、糖タンパク、脂質、DNA、RNA等の核酸いずれの物質も被分析物質となりうる。それら物質の全体でも、その物質の一部の断片でも被分析物質となりうる。また、それらを抗原とする抗体も被分析物質となりうる。
また、本発明のスワブは検体中に含まれる種々の成分の分析方法に用いられる。ここで、分析方法は特に限定されない。例えば、顕微鏡による観察、分別培地による観察、凝集反応観察のためのスライドラテックス試薬、蛍光抗体法試薬、酵素免疫測定法試薬、代謝物検出試薬、イムノクロマト試薬、遺伝子や核酸を検出するための各種方法等があるが、いずれの方法でもかまわない。すなわち、本発明のスワブは、生化学検査のための生物学的検体を採取するための、生化学検査用スワブである。上記の分析方法は手技によって行われても上記分析方法を応用した装置、キットによって行われても、免疫学的自動分析装置、生化学自動分析装置やPCR装置等の機械によって行われてもかまわない。
本発明のスワブは、立毛体の短繊維部分で多くの液状検体を捕捉することができるので、上記のアッセイにおける加圧濾過時の圧力を低減することが可能であり、被検出物の検出感度を高くすることができる。また、短繊維の立毛を有する立毛体を用いて製造するので、直接フロック法による製造に比べて、スワブ製造時の歩留まりを向上することもできる。
さらに、本発明は上記のスワブを含む生物学的検体中の被検出物を検出するキットを包含する。該キットは、少なくとも上記のスワブと被検出物検出試薬を含み、該スワブで採取した生物学的検体中の被検出物を検出装置で検出する。被検出物検出装置としては、スライドラテックス試薬を含む検出装置、蛍光抗体法試薬を含む検出装置、酵素免疫測定法試薬を含む検出装置、イムノクロマト試薬を含む検出装置等が挙げられる。
本発明の生物学的検体採取用スワブは、生物学的検体中のウイルス、細菌などやそれらに対する抗体の被検出物を検出するための、検体採取に用いられる。
1 立毛体の短繊維
2 立毛体の基材(下地)
3 立毛体
4 ロッド
5 チップ

Claims (11)

  1. ロッドと立毛体からなる生物学的検体採取用スワブであって、前記立毛体は基材部分と生物学的検体の吸収性を有する短繊維部分を含み、該短繊維部分は基材部分の表面にブラシ状に存在し、前記立毛体がロッドに短繊維部分がロッド表面に略直立するように固定されている生物学的検体採取用スワブ。
  2. 立毛体の基材が面状、リボン状又は糸状である、請求項1に記載の生物学的検体採取用スワブ。
  3. 立毛体がロッド先端から0.1〜30mmの長さの範囲で固定されている、請求項1又は2に記載の生物学的検体採取用スワブ。
  4. 立毛体の短繊維の繊度が1.0〜4.0dtexである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生物学的検体採取用スワブ。
  5. 立毛体の短繊維の長さが0.5〜3mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生物学的検体採取用スワブ。
  6. 立毛体の短繊維が、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、炭素繊維、アルギネート、天然繊維、及びそれらの混紡からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の生物学的検体採取用スワブ。
  7. ロッドが棒状体の先端に擬球形のチップが形成された構造を有し、立毛体が前記チップの表面に固定される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物学的検体採取用スワブ。
  8. 棒状のロッド又はロッド先端のチップの表面に接着剤を付ける工程、該ロッド又はロッド先端のチップの表面に、基材本体部分と生物学的検体の吸収性を有する短繊維部分を含み、該短繊維部分は基材部分の表面にブラシ状に存在する立毛体を固定する工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の生物学的検体採取用スワブの製造方法。
  9. 基材表面に短繊維をブラシ状に付けて立毛体を製造する工程、該立毛体を棒状のロッド又はロッド先端のチップの表面に接着剤を用いて固定する工程を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の生物学的検体採取用スワブの製造方法。
  10. 立毛体がロッド又はロッド先端のチップに巻き付けられる、請求項8又は9に記載の生物学的検体採取用スワブの製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の生物学的検体採取用スワブを含む生物学的検体中の被検出物検出キット。
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