JP2011106628A - テンション調節装置 - Google Patents

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栄二 篠原
Kenta Kito
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Abstract

【課題】テンション調節装置として、ボルト式のものは、ネジの劣化により調節が困難になる、奥まった狭い個所にある場合に作業が困難になる等の欠点がある。また空気圧シリンダや油圧シリンダは、圧力源としてのコンプレッサや油圧ユニットが必要となり、全体として大型化し設備コストが増大するという欠点がある。
【解決手段】無端の動力伝達索条のテンション調節を行う装置の駆動源として、シリンダを使用するに際し、該シリンダへの圧力付与手段としてグリスガンを使用する。
【選択図】図1

Description

この発明は、テンション調節装置に関し、更に詳細には、駆動輪と従動輪に巻き掛けた無端の動力伝達索条に係合させた回転輪を進退移動させ、該回転輪の位置を変化させることで、該動力伝達索条のテンションを調節するようにした装置に関するものである。
モータ等の回転源の動力を他の回転装置に伝達する手段として、一対のプーリとベルトや、一対のスプロケットとチェンの組合わせ等が実用化されている。例えば、図3および図4に示すローラ搬送装置では、水平に配置した平行なフレーム10に設けた軸受14に、所定間隔で多数の搬送ローラ12が回転自在に支持されている。夫々の搬送ローラ12の回転軸の一端部には、スプロケット16が固定されている。そして、図3に示す駆動スプロケット18および方向転換スプロケット20,22に噛み合せた無端チェン24は、前記夫々の搬送ローラ12のスプロケット16の下側に噛み合っている。このため前記駆動スプロケット18を何れかの方向へ回転させると、前記無端チェン24が所要方向へ走行し、該無端チェン24に噛み合っている各スプロケット16の搬送ローラ12も所定方向へ回転し、該搬送ローラ12上に載置された各種物品の搬送が行われる。
前記駆動スプロケット18への回転は、一例として、図3および図5に示す電動装置によって与えられる。すなわち、電動モータ26の回転軸28は、カップリング30を介して減速機32の入力軸34に接続されている。前記減速機32をウォームギアタイプとすれば、その出力軸36は、前記モータ26の回転軸28と交差して延出する(図5参照)。この出力軸36には、小径の駆動スプロケット38が固定されている。また前記駆動スプロケット18の回転軸40には、これと同軸に大径の従動スプロケット42が固定され、この大径従動スプロケット42と減速機32の前記小径のスプロケット38とには、無端チェン44が巻き掛けられている。従って、前記モータ26を回転させれば、その回転は減速機32で所要の回転速度にまで減速され、小径の駆動スプロケット38にチェン接続された大径の従動スプロケット42が回転する。このため従動スプロケット42と同軸配置された駆動スプロケット18も回転し、その回転を前記無端チェン24を介して前記各搬送ローラ12のスプロケット16に伝達することで、該搬送ローラ12が回転して、被搬送物の搬送が行われるものである。
前述したスプロケットと無端チェンとの組合せからなる動力伝達装置では、無端チェンのテンション(張り)を調節するために、図2に示す如きテンション調節装置が設けられる。このテンション調節装置は、例えば無端チェン44の外側において、該チェン44に噛み合せた回転自在なスプロケット46と、このスプロケット46を軸支するブラケット48と、このブラケット48を前記チェン44に対し進退可能にナット50で固定するボルト51とから構成される。すなわち機械本体に突設した前記ボルト51に前記ブラケット48を介挿した後に、前記ナット50をボルト51に螺挿することで、該ブラケット48の固定がなされる。そして無端チェン44のテンションの調節を必要とする場合は、前記ナット50を緩めて前記ブラケット48をチェン側へ適宜進退移動させ、最適な位置決めを行ってから、前記ボルト51に被着したナット50を締付けることでテンション調節をなし得る。 なお、前記テンション調節機構としては、空圧シリンダや油圧シリンダ等のリニアアクチュエータを、前記ブラケット48に取付ける型式のものも実施されている。
図3には、一対のスプロケットと無端チェンとの組合せからなる動力伝達装置を示したが、これらスプロケットと無端チェンとに代えて、プーリと無端ベルトとの組合せとしてもよく、この場合はベルトのテンションを調節するのはプーリとなる。そこで本発明では、プーリやスプロケットの上位概念として一対の「駆動輪と従動輪」の用語を、これらに巻き掛けられる無端チェンやベルトの上位概念として無端の「動力伝達索条」の用語を、更に回転自在なスプロケットやプーリの上位概念として「回転輪」の用語を夫々使用する。
特開平11−257444号公報
図2に示したような、ナット50を緩めることでブラケット48の進退調節を行って、スプロケット46が無端チェン44を押圧する力を調節する形式の装置は、簡単な構成ではあるが、人力で行うため操作が煩わしい難点がある。またテンション調節装置の多くは、大型機械装置の奥まった狭い個所に位置するため、人力での作業が困難であったり、塵埃、錆等が固着してボルト51のネジ部が劣化し調節困難になり易い。
これに対し空気圧シリンダや油圧シリンダは、空気や油等の作動媒体を遠隔作業で供給して操作でき、また得られる力も大きいので極めて便利である。しかし空気圧シリンダでは、無端の動力伝達索条のテンションを調節する回転体に大きな押圧力(または引張力)を必要とする場合、シリンダ径の大きな容量のものを採用する必要があり、装置が大型化する難点がある。また工場に空気圧配管が常設してある場合を除き、付帯装置としてエアコンプレッサを導入しなければならず、設備コストが嵩む欠点もある。また油圧シリンダでは、シリンダ径が比較的小さくても大出力を望める利点があるが、油圧源として油圧ユニットが必要となり、全体として大型化し設備コストが増大する難点がある。
前記課題を好適に解決するため本発明は、対をなす駆動輪と従動輪とに無端の動力伝達索条を巻き掛けて、前記駆動輪から従動輪への動力伝達が行われ、前記動力伝達索条に係合させた回転輪の位置を変化させることで該動力伝達索条のテンションを調節するテンション調節装置において、前記回転輪を回転自在に軸支する軸支部と、前記軸支部を所要ストロークだけ前進および後退させるシリンダと、前記シリンダの入力ポートに一端が接続され、中間に逆止弁を備えると共に、他端に圧力供給手段に接続するニップルを設けた圧力管体と、前記圧力供給手段として、グリス圧送管が前記ニップルに着脱自在に接続されるグリスガンとからなるテンション調節装置を提供する。
無端の動力伝達索条のテンション調節を行う装置の駆動源としてシリンダを使用するに際し、該シリンダへの圧力付与手段としてグリスガンを使用するものであるため、油圧ユニットや空気圧力コンプレッサが不要となり、設備コストや設置場所が嵩む難点が解消される。また空気圧シリンダに比べてシリンダ出力が大きく張られるメリットもある。
本発明に係るテンション調節装置の概略構成図である。 従来のテンション調節装置の概略構成図である。 ローラ搬送装置の正面図である。 ローラ搬送装置の平面図である。 モータと減速機構との平面図である。
次に、本発明に係るテンション調節装置の好適な実施例を、図1を参照して説明する。なお、テンション調節装置の基本構造は、図3及び図5に関して説明した通りであるので、同じ部材や機械要素については、前出の同一符号を使用して説明は省略する。
図1は、実施例に係るテンション調節装置の概略構成図であって、一対のスプロケット38,42に巻き掛けた無端チェン44にテンションを付与するスプロケット46が、該無端チェン44の外方から噛み合っている。前記スプロケット46は、例えばトラニオン状のブラケット48に回転自在に軸支されている。このブラケット(支持部)48は、シリンダ52に進退自在に設けたピストンロッド54の先端に固定されている。
前記シリンダ52は、後述するグリスを作動媒体とする単動型のものであって、該シリンダ52に内装した戻りバネ(図示せず)により前記ピストンロッド54は後退方向へ常に戻り付勢されている。シリンダ52の入力ポート56には、圧力管体58の一端が接続されると共に、該圧力管体58の他端にニップル60が設けられている。このニップル60は、後述するグリスガン62のグリス圧送管64の開口部が着脱自在に接続されるものである。
グリスガン62は、一般に公知のものが好適に使用される。図1のグリスガン62は、人力により反復押圧操作されるレバー66を備え、前記レバー66の押圧操作により、ガン本体に充填されているグリスを所要の圧力下にグリス圧送管64から圧送する。グリス吐出圧力は、例えば49MPaである。
前記圧力管体58には逆止弁68が介装されて、グリスガン62から圧送されたグリスが該グリスガン62の側へ逆流するのを阻止している。また圧力管体58は途中で分岐した分岐管70を備え、この分岐管70は圧力解放弁72を介してグリス回収用のリザーバ74に接続されている。なお、圧力管体58の一部に圧力監視用に圧力指示計76を設けてもよい。
無端チェン44のテンションを調節する際には、前記シリンダ52に接続されている前記圧力管体58のニップル60に、前記グリスガン62のグリス圧送管64を挿入接続する。シリンダ52および圧力管体58には、予め必要量のグリスが充填されているから、該シリンダ52のレバー66を作業者が反復的に押圧操作することで、グリスガン62に充填されているグリスが圧力管体58および入力ポート56を介して前記シリンダ52へ供給される。
これによりシリンダ52のピストンロッド54は該シリンダ52から前進し、該ピストンロッド54の先端に設けたスプロケット46を無端チェン44に押し付けてテンションを付与する。無端チェン44にスプロケット46により適切なテンションが付与された時点でグリスガン62の操作を停止し、該グリスガン62を前記ニップル60から取り外せばよい。なおグリスガン62によるグリス充填中は、圧力管体58に介装した逆止弁68により逆流が阻止される。また無端チェン44のテンションを解除するときは、分岐管70に介装した圧力解放弁72を解放側に切換えることで、余剰のグリスはリザーバ74に回収される。
グリスガンはレバーを用いた手動操作型のものを図示したが、グリス供給の駆動源として電動モータや空気圧を使用することもできる。
10 フレーム
12 搬送ローラ
14 軸受
16 スプロケット
18 駆動スプロケット
20,22 方向転換スプロケット
24 無端チェン
26 電動モータ
28 モータ回転軸
30 カップリング
32 減速機
34 減速機入力軸
36 減速機出力軸
38 駆動スプロケット
40 回転軸
42 従動スプロケット
44 無端チェン
46 スプロケット
48 ブラケット
50 ナット
51 ボルト
52 シリンダ
54 ピストンロッド
56 入力ポート
58 圧力管体
60 ニップル
62 グリスガン
64 グリス圧送管
66 レバー
68 逆止弁
70 分岐管
72 圧解放弁
74 リザーバ
76 圧力指示計

Claims (9)

  1. 対をなす駆動輪(38)と従動輪(42)とに無端の動力伝達索条(44)を巻き掛けて、前記駆動輪(38)から従動輪(42)への動力伝達が行われ、前記動力伝達索条(44)に係合させた回転輪(46)の位置を変化させることで該動力伝達索条(44)のテンションを調節するテンション調節装置において、
    前記回転輪(46)を回転自在に軸支する軸支部(48)と、
    前記軸支部(48)を所要ストロークだけ前進および後退させるシリンダ(52)と、
    前記シリンダ(52)の入力ポート(56)に一端が接続され、中間に逆止弁(68)を備えると共に、他端に圧力供給手段に接続するニップル(60)を設けた圧力管体(58)と、
    前記圧力供給手段(62)として、グリス圧送管(64)が前記ニップル(60)に着脱自在に接続されるグリスガン(62)とからなることを特徴とするテンション調節装置。
  2. 前記シリンダ(52)に使用される圧力媒体はグリスである請求項1記載のテンション調節装置。
  3. 前記グリスガン(62)の駆動源は、該グリスガン(62)が備えるレバー(66)を押圧操作することで得られる請求項1または2記載のテンション調節装置。
  4. 前記グリスガン(62)の駆動源は、モータの回転力により得られる請求項1または2記載のテンション調節装置。
  5. 前記駆動輪(38)、従動輪(42)および回転輪(46)はプーリであり、前記無端の動力伝達索条はベルトである請求項1〜4の何れか一項に記載のテンション調節装置。
  6. 前記駆動輪(38)、従動輪(42)および回転輪(46)はスプロケットであり、前記無端の動力伝達索条(44)はチェンである請求項1〜4の何れか一項に記載のテンション調節装置。
  7. 前記圧力管体(58)の中間には逆止弁(68)および圧力解放弁(72)が設けられる請求項1〜6の何れか一項に記載のテンション調節装置。
  8. 前記圧力管体(58)の途中で分岐した分岐管(70)には圧力指示計(76)が設けられる請求項1〜7の何れか一項に記載のテンション調節装置。
  9. 前記シリンダ(52)は単動式である請求項1〜8の何れか一項に記載のテンション調節装置。
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