JP2011106403A - 内燃機関燃焼状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドル時に気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束するように吸入空気量を調節する内燃機関において、過渡的な燃焼状態を排除して内燃機関の異常有無を適切に反映した燃焼状態を検出できる燃焼状態検出装置。
【解決手段】バンク間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間経過前は(S184でYES)、機関負荷率が基準率以上である場合を除き(S186でNO)、イオン電流による失火状態検出を禁止している(S190)。したがって内燃機関自体が故障などの異常が生じていないのにバンク間吸入空気量差調節の過渡状態において失火状態が検出されることが防止できる。基準収束期間経過後(期間累積カウンタCt≧基準値)となれば(S184でNO)、失火状態検出は禁止されず(S188)、各バンクでの燃焼状態を高精度に検出できるようになる。このことにより課題が達成される。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数設けた気筒グループ毎の燃焼状態を混合気成分状態により調節すると共に、これらの気筒グループ間での燃焼状態が同一状態に収束するように調節する燃焼状態制御手段を備えた内燃機関における燃焼状態検出装置に関する。
内燃機関の燃焼状態、例えば失火状態を検出するためにイオン電流を利用した検出システムが知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1は、複数バンクに対してイオン電流検出モジュールをバンク毎に配置することにより、イオン電流検出値のSN比劣化と出力低下を防止して検出の信頼性を向上させたものである。
更に特許文献1のごとく複数バンクを備えた内燃機関において、これらのバンク毎に吸気系を設けて各バンクの吸入空気量を個々に制御する内燃機関吸気制御装置が知られている(例えば特許文献2参照)。この特許文献2は、バンクにより区分された気筒グループ毎にそれぞれ設けられた吸気制御系において、そのアイドル補正タイミングの違いによるアイドル回転速度補正量や吸気制御系間に生じる学習値の差を、アイドル補正タイミングを一致させることにより防止したものである。
特開平6−207574号公報(第4頁、図1,2) 特開2008−223717号公報(第6頁、図1,4)
ところが特許文献2のごとく複数の気筒グループに対して個々に吸気系を設けて吸入空気量を調節する内燃機関の形態においては、吸気系を構成する機構の機差により、そのままでは気筒グループ間で吸入空気量に差が存在する。したがって吸入空気量制御により、気筒グループ間の吸入空気量を同一状態に収束させるまでは、気筒グループ間にて吸入空気量に差が存在する過渡状態が生じる。
更に何らかの原因で、吸入空気量が気筒グループ間にて同一状態にある状態から一時的に崩れた状態となる場合がある。この場合も気筒グループ間の吸入空気量を同一状態に収束させるまで、気筒グループ間にて吸入空気量に差が存在する過渡状態が生じることになる。
例えば制御系の電源であるバッテリ交換時の電源接続直後や、制御系自体の修理、外乱などによる制御系内のメモリ内容が変化した直後などでは、一時的に気筒グループ間の吸入空気量に差がある状態が出現することがある。
このような過渡状態にて、失火状態検出、例えば特許文献1などのような検出を実行した場合には、特に吸入空気量が少ない側の気筒グループにおいては燃焼状態が悪化しているため、燃焼状態が悪化しており失火状態であると検出されるおそれがある。
したがって内燃機関自体は過渡状態であり異常ではないのにもかかわらず、何らかの故障が生じたとの誤検出につながるおそれがある。
本発明は目標燃焼状態となるように気筒グループ毎に気筒内に導入される混合気成分状態を調節すると共にこれらの気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束するように混合気成分状態を調節する内燃機関において過渡的な燃焼状態を排除して内燃機関の異常有無を適切に反映した燃焼状態を検出できる燃焼状態検出装置を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関燃焼状態検出装置は、複数備えられた気筒を複数の気筒グループに区分し、目標燃焼状態となるようにこれらの気筒グループ毎に気筒内に導入される混合気成分状態を調節すると共に、これらの気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束するように前記混合気成分状態を調節する燃焼状態制御手段を備えた内燃機関にて、燃焼状態検出手段により各気筒グループの燃焼状態を検出する燃焼状態検出装置であって、前記混合気成分状態の調節により気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間の経過前は、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止する燃焼状態検出禁止手段を備えたことを特徴とする。
このように燃焼状態検出禁止手段が、気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間の経過前は、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止している。したがって内燃機関自体に異常が生じていないのに、気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束するまでの過渡状態において、燃焼状態が異常であるとの検出は防止される。
そして基準収束期間が経過すれば、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出は禁止されなくなるので、この基準収束期間経過後において燃焼状態検出手段が各気筒グループの燃焼状態を高精度に検出できる。すなわち基準収束期間経過後において燃焼状態が異常でなければ、内燃機関の異常はないと判断できる検出データが得られ、基準収束期間経過後において燃焼状態が異常であれば、内燃機関は実際に何らかの異常を生じていると判断できる検出データが得られる。
したがって本発明の内燃機関燃焼状態検出装置によれば、燃焼状態制御手段による過渡的な燃焼状態を排除して内燃機関の異常有無を適切に反映した燃焼状態を検出できる。
請求項2に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項1に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出禁止手段は、前記基準収束期間の経過前にて、内燃機関が基準負荷以上の高負荷状態である場合には、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止しないことを特徴とする。
基準収束期間の経過前、すなわち気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束していない過渡状態であっても、或る程度以上の高負荷状態となれば、いずれの気筒グループにおいても、内燃機関自体が異常になっていなければ、燃焼状態は良好となり異常とは検出されなくなる。したがって、このような高負荷状態でも燃焼状態が異常であれば、実際に内燃機関自体が異常であると正確に判断できるようになる。
このため燃焼状態検出禁止手段は、基準負荷を設定して、内燃機関がこの基準負荷以上の高負荷状態である場合には、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を可能としている。
このことにより、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出の頻度を高めて、異常燃焼時における迅速な状態把握あるいは対策を可能としている。
請求項3に記載の内燃機関燃焼状態検出装置は、複数備えられた気筒を複数の気筒グループに区分し、目標燃焼状態となるようにこれらの気筒グループ毎に気筒内に導入される吸入空気量を調節すると共に、これらの気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束するように前記吸入空気量を調節する燃焼状態制御手段を備えた内燃機関にて、燃焼状態検出手段により各気筒グループの燃焼状態を検出する燃焼状態検出装置であって、前記吸入空気量の調節により気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間の経過前は、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止する燃焼状態検出禁止手段を備えたことを特徴とする。
気筒グループ毎に吸入空気量を制御する内燃機関において気筒グループ間で吸入空気量の差が大きく燃焼状態に影響する。したがって燃焼状態検出禁止手段が、吸入空気量の調節により気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間の経過前は、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止している。このため内燃機関自体が故障などの異常が生じていないのに、吸入空気量の調節により気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束するまでの過渡状態においては燃焼状態が異常であるとの検出は防止される。
そして基準収束期間が経過すれば、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出は禁止されなくなるので、この基準収束期間経過後において燃焼状態検出手段が各気筒グループの燃焼状態を高精度に検出できる。すなわち基準収束期間経過後において燃焼状態が異常でなければ内燃機関の異常はないと判断できる検出データが得られ、基準収束期間経過後において燃焼状態が異常であれば内燃機関は実際に何らかの異常であると判断できる検出データが得られる。
したがって本発明の内燃機関燃焼状態検出装置によれば、燃焼状態制御手段による吸入空気量の調節に伴う過渡的な燃焼状態を排除して内燃機関の異常有無を適切に反映した燃焼状態を検出できる。
請求項4に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項3に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出禁止手段は、前記基準収束期間の経過前にて、内燃機関が基準負荷以上の高負荷状態である場合には、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止しないことを特徴とする。
基準収束期間の経過前、すなわち吸入空気量の調節により気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束するまでの過渡状態であっても、或る程度以上の高負荷状態となれば十分な吸入空気量となっている。このことから、前記高負荷状態では、いずれの気筒グループにおいても、内燃機関自体が異常になっていなければ、燃焼状態は良好となり異常とは検出されなくなる。したがって、このような高負荷状態、すなわち吸入空気量が大量でも燃焼状態が異常であれば、実際に内燃機関自体が異常であると正確に判断できる。
このため燃焼状態検出禁止手段は、基準負荷を設定して、内燃機関がこの基準負荷以上の高負荷状態である場合には、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を可能としている。
このことにより、燃焼状態検出手段による燃焼状態検出の頻度を高めて、異常燃焼時における迅速な状態把握あるいは対策を可能としている。
請求項5に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項3又は4に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、前記気筒グループ間における吸入空気量が同一状態に収束すると予想される期間として設定されていることを特徴とする。
気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間としては、このように気筒グループ間における吸入空気量が同一状態に収束すると予想される期間とすることができる。
すなわち内燃機関が異常でなければ実際に気筒グループ間で同一の吸入空気量となり、このことで気筒グループ間で同一の燃焼状態となる。内燃機関の異常であれば実際には気筒グループ間で同一の吸入空気量とならず、このことにより同一の燃焼状態が達成されないからである。
請求項6に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項3又は4に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態制御手段は、内燃機関のアイドル時に内燃機関回転速度が目標アイドル回転速度となるように前記気筒グループ毎にフィードバック制御を実行すると共に前記気筒グループ間における吸入空気量を同一状態に調節するアイドル回転速度制御処理を実行し、前記基準収束期間は、前記アイドル回転速度制御処理にて前記気筒グループ間における吸入空気量を同一状態に収束できる学習値が得られると予想される期間として設定されていることを特徴とする。
このようなアイドル回転速度制御処理が実行されている場合に、気筒グループ間の吸気系における機差に対応して吸入空気量を一致させることができる補正値が前記学習値として記憶される。
特に低負荷時にはこの学習値が気筒グループ間で吸入空気量の差をなくして燃焼状態を同一化することに大きく寄与することになる。
したがってこの基準収束期間は、前記学習値が得られると予想される期間とすることにより、適切な期間が設定可能となる。
請求項7に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項6に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、前記学習値の演算条件が成立する期間を累積した期間を判断する値が設定されていることを特徴とする。
このように基準収束期間がアイドル回転速度制御処理により気筒グループ間における吸入空気量を同一状態に収束できる学習値が得られると予想される期間である場合には、学習値の演算条件成立期間を累積した期間を、前記基準収束期間が判断するものとしても良い。このことにより、内燃機関に異常がなければ気筒グループ間で吸入空気量が同一化されているタイミングを、正確に判定することができる。したがって適切なタイミングで燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を開始できる。
請求項8に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項7に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記学習値の演算条件が成立する期間を累積した期間のカウントは、前記学習値を記憶している記憶部の内容が消去又は破壊されたタイミングで開始されることを特徴とする。
学習値を記憶している記憶部の内容が消去又は破壊されると、再度適切な学習値が得られるまでの過渡状態時においては、気筒グループ間に吸入空気量の差が再度生じ、このことにより燃焼状態の差が生じることになる。したがって記憶部の内容が消去又は破壊された場合に学習値の演算条件成立期間を累積する期間のカウントを開始させることにより、基準収束期間経過前は燃焼状態検出禁止手段が燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を再度禁止できる。このため内燃機関自体は異常ではないのにもかかわらず、何らかの異常が生じたと誤検出するおそれがない。
請求項9に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項8に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記記憶部の記憶内容が電源により電気的にバックアップされており、前記記憶部の内容の消去又は破壊は、前記電源が一時的に除去されたことにより引き起こされた場合を含むことを特徴とする。
バッテリなどの電源により、記憶部が電気的にバックアップされている場合には、この記憶部の内容の消去又は破壊は、電源の一時的な除去によりなされた場合を含ませることができる。このことにより内燃機関自体は異常ではないのにもかかわらず、電源交換等の作業がなされたことに起因して何らかの異常が生じたとの誤検出をするおそれがない。
請求項10に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項3〜9のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、内燃機関は複数バンクを設けており、前記気筒グループは、それぞれバンク毎に設定されていることを特徴とする。
内燃機関は1つのバンクにて複数の気筒グループに区分して、気筒グループ毎に吸入空気量を調節すると共に気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束するように吸入空気量を調節しても良いが、複数のバンクを設けた場合には複数の気筒グループはそれぞれバンク毎に設定して上述のごとく吸入空気量を調節しても良い。
請求項11に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項3〜10のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出手段は、イオン電流により各気筒内での燃焼状態を検出することを特徴とする。
燃焼状態の検出は、気筒内の燃焼圧力、燃焼温度、内燃機関出力トルク、内燃機関回転速度などにて捉えても良いが、このようにイオン電流により各気筒の燃焼状態を検出しても良い。
請求項12に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項1〜11のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出は、失火状態の検出であることを特徴とする。
燃焼状態としては、弱燃焼状態などの各種燃焼状態が存在するが、特に燃焼状態としては失火を検出しても良い。
請求項13に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、時間にて設定されていることを特徴とする。
このように時間にて基準収束期間を設定することで、時間の長さにより燃焼状態検出を禁止する期間を判定しても良い。
請求項14に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、内燃機関の累積回転回数にて設定されていることを特徴とする。
このように内燃機関の累積回転回数にて基準収束期間を設定することで、内燃機関運転においてその累積回転回数の増加程度により燃焼状態検出を禁止する期間を判定しても良い。
請求項15に記載の内燃機関燃焼状態検出装置では、請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、内燃機関の累積吸入空気量にて設定されていることを特徴とする。
このように内燃機関の累積吸入空気量にて基準収束期間を設定することで、内燃機関運転においてその累積吸入空気量の増加程度により燃焼状態検出を禁止する期間を判定しても良い。
2つのECUによる実施の形態1の内燃機関燃焼状態検出装置を備えた内燃機関とその制御系との概略構成を表すブロック図。 (a),(b)実施の形態1の2つのECUが実行する各ISC処理のフローチャート。 (a),(b)同じく各学習処理のフローチャート。 (a),(b)同じく各バンク間学習値協調制御処理のフローチャート。 同じくISC学習実行条件成立期間累積処理のフローチャート。 同じく失火検出条件判定処理のフローチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2のバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理のフローチャート。 実施の形態3のISC学習実行条件成立期間累積処理のフローチャート。 実施の形態3のバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理のフローチャート。 実施の形態4のISC学習実行条件成立期間累積処理のフローチャート。 実施の形態4のバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理のフローチャート。 1つのECUによる実施の形態の内燃機関燃焼状態検出装置を備えた内燃機関とその制御系との概略構成を表すブロック図。 同ECUが実行するISC処理のフローチャート。 同ECUが実行する学習処理のフローチャート。 同ECUが実行するバンク間学習値協調制御処理のフローチャート。
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された内燃機関燃焼状態検出装置を備えた内燃機関2とその制御系との概略構成を表すブロック図である。ここで内燃機関2は、V型12気筒の車両用ガソリンエンジンであり、各々6個の気筒を有する2つのバンク4,6を備えており、これらのバンク4,6はクランクシャフト8を中心にして所定角度(例えば、60°)でV字状に配置されている。バンク4,6の各気筒には点火プラグ10,12が配設されている。
更に吸気系として、各気筒にはインテークマニホールド14,16が接続され、これらのインテークマニホールド14,16には気筒毎に燃料噴射弁18,20が設けられている。インテークマニホールド14,16の上流側には、サージタンク22,24が接続されている。このサージタンク22,24の上流側のインテークパイプ26,28にはアクセルベダル30の操作量に対応して開閉駆動されるスロットルバルブ32,34が配置されている。
このスロットルバルブ32,34の上流側には吸入空気量GA1,GA2(g/s)を検出するエアフロメータ36,38が配置されている。そしてインテークパイプ26,28の最上流部にはエアクリーナ40,42が設けられている。
エアクリーナ40,42を介して吸入された空気は、インテークパイプ26,28、サージタンク22,24を介してインテークマニホールド14,16に導入される。そしてインテークマニホールド14,16にて燃料噴射弁18,20から噴射される燃料と混合されて混合気となって吸気行程時に各気筒に導入される。そして点火タイミングにて点火プラグ10,12により点火される。このことにより各気筒のピストンが押し下げられてクランクシャフト8が回転駆動される。
エアクリーナ40,インテークパイプ26,スロットルバルブ32,サージタンク22,インテークマニホールド14にて右バンク4側の吸気系が構成され、エアクリーナ42,インテークパイプ28,スロットルバルブ34,サージタンク24,インテークマニホールド16にて左バンク6側の吸気系が構成されている。すなわち右バンク4の気筒グループと、左バンク6の気筒グループとで、個々に吸気系が存在し、スロットルバルブ32,34にて個々に気筒内に導入される混合気成分状態、ここでは吸入空気量を調節している。
アクセルベダル30にはその操作量であるアクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ44が設けられている。このアクセル開度センサ44には内部にアイドルスイッチが設けられており、このアイドルスイッチは、アクセルベダル30を踏み込んでいない場合にはその信号SWiはオンとなり、踏み込んでいる場合にはオフとなるものである。
更にクランクシャフト8には、内燃機関回転速度としての機関回転数NE(rpm)及びクランク角を検出するための機関回転数センサ46が設けられている。
スロットルバルブ32,34は、スロットルモータ48,50にて回転位相が制御されてそのスロットル開度TA1,TA2が調節される。このスロットル開度TA1,TA2はスロットル開度センサ52,54にて検出される。
点火プラグ10,12に対して配置された各点火コイル装置にはイオン電流検出モジュール56,58が接続しており、点火プラグ10,12による各気筒での点火・燃焼により気筒内に発生するイオンをイオン電流として検出すると共に、これを電圧信号A1,A2に変換して出力している。
上述した信号GA1,GA2,TA1,TA2,ACCP,SWi,A1,A2、及び内燃機関2の冷却水温THW、車速SPD、その他の各種信号を、電子制御ユニット(以下、ECUと称する)60,62がそれぞれ分担して読み込む。そして、この読み込んだ信号データ、この信号データに基づく演算結果、及び記憶しているデータなどに基づいて、ECU60,62がそれぞれ分担してスロットルバルブ32,34、点火プラグ10,12、燃料噴射弁18,20を駆動制御している。
ECU60,62は、演算部としてのCPU、記憶部としてのROM及びRAM、インターフェース及び駆動回路としての入出力ポート等からなる論理演算回路であって、各種センサの検出信号やその他の各種信号に基づいて吸入空気量制御、点火時期制御、燃料噴射制御等を実施している。尚、機関回転数センサ46の機関回転数NE信号は、右バンク4制御用のECU60に入力しているが、この機関回転数NEのデータはECU60,62間のデータ通信により左バンク6制御用のECU62にも読み込まれている。冷却水温THW、車速SPD、その他の必要なデータについてもECU60,62間にてデータ通信により相互に交換している。
更にECU60,62はそれぞれ内燃機関2のアイドル時においては内燃機関2の機関回転数NEを、目標アイドル回転数(目標アイドル回転速度と同じ)NEtに制御するために、スロットル開度TAを制御するアイドルスピードコントロール(以下、ISCと称する)処理を実行している。このISC処理時には、2つのバンク4,6の各吸気系にてそれぞれのスロットルバルブ32,34における吸入空気量調節機能の機差を吸収するための学習値を演算する学習処理を実行している。
更にこの学習処理においては、2つの吸気系間で吸入空気量GA1,GA2を同一化するために、各ECU60,62では、これら2つのスロットルバルブ32,34間での吸入空気量の差も前記学習値に反映させている。尚、この学習値はECU60,62内に設けられたそれぞれのバックアップRAMに記憶される。
このようなISC処理は各種の手法があるが、その一例を図2〜4のフローチャートに示す。
図2はISC処理を表し、(a)は右バンク4制御用のECU60が実行している右バンクISC処理、(b)は左バンク6制御用のECU62が実行している左バンクISC処理のフローチャートであり、それぞれ同一の時間周期(数ms〜数十ms)で割込実行されている処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
図2の(a)に示す右バンクISC処理では、まずアイドル条件が成立しているか否かが判定される(S100)。アイドル条件とは、ここではアクセル開度センサ44に設けられたアイドルスイッチの信号SWiがオンとなっている状態である。
車両ドライバーがアクセルベダル30を踏み込んでいて信号SWiがオフならば(S100でNO)、アイドル状態ではないので、このまま本処理を出る。以後も信号SWiがオフならば右バンクISC処理では実質的な処理はなされない。
車両ドライバーがアクセルベダル30を完全に戻して信号SWiがオンとなると(S100でYES)、アイドル状態となるので、次に機関回転数センサ46にて検出されている内燃機関2の機関回転数NEが、目標アイドル回転数NEtを越えているか否かが判定される(S102)。この目標アイドル回転数NEtは右バンク4制御用のECU60において予めアイドル時の目標回転数として設定してある値を用いる。尚、エアコンなどの補機が内燃機関2により駆動されている場合には、補機による負荷に対応して目標アイドル回転数NEtは増加補正される。冷却水温THWが低い場合も、この低温状態に対応させて目標アイドル回転数NEtは増加補正される。
ここでNE>NEtであれば(S102でYES)、次にスロットルバルブ32のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfaが、式1に示すごとく所定値α分減少される(S104)。
[式1] Cfa ← Cfa − α
NE≦NEtであれば(S102でNO)、アイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfaが、式2に示すごとく所定値α分増加される(S106)。
[式2] Cfa ← Cfa + α
前記ステップS104又は前記ステップS106の処理後には、式3に示すごとく、右バンク4のスロットルバルブ32におけるアイドル制御量IDaを設定する(S108)。
[式3] IDa ← Cfa + CGa + Cxa
ここで右バンク用学習値CGaは後述するごとく算出される。各種補正量Cxaは補機駆動状態や冷却水温THW状態などに基づいて設定される補正量である。
このようにしてアイドル時には、右バンク4制御用のECU60ではアイドル制御量IDaが繰り返し算出され、このアイドル制御量IDaに基づいてスロットルモータ48が制御されることにより、アイドル時における右バンク4のスロットルバルブ32におけるスロットル開度TA1が調節される。このようにして内燃機関2の機関回転数NEが目標アイドル回転数NEtとなるように右バンク4でのフィードバック制御が実行される。
左バンク6制御用のECU62でのISC制御については図2の(b)に示すごとくであり、図2の(a)と同じ周期で割込実行される。この図2の(b)に示す左バンクISC処理(S110〜S118)は、算出対象が左バンク6用の数値である点以外は図2の(a)の処理(S100〜S108)と同じである。
すなわちステップS114,S116では、左バンク6用のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfbの加減算が行われ、ステップS118では式4のごとく左バンク6用のスロットルバルブ34におけるスロットル開度TA2を調節するためのアイドル制御量IDbの演算処理が行われている。
[式4] IDb ← Cfb + CGb + Cxb
ここで左バンク用学習値CGbは後述するごとく算出される。各種補正量Cxbは補機駆動状態や冷却水温THW状態などに基づいて設定される補正量である。
図3の(a)に右バンク学習処理のフローチャートを、図3の(b)に左バンク学習処理のフローチャートを示す。これらの処理は前記図2の(a),(b)と同周期にて割込実行される。
図3の(a)の右バンク学習処理が開始されると、まず、ISC学習実行条件が成立しているか否かが判定される(S122)。ISC学習実行条件としては、例えば、冷却水温THWが所定温度以上である条件、車速SPDが所定車速以下である条件、目標アイドル回転数NEtが所定範囲内である条件などがあり、これらの全条件が成立しているときにISC学習実行条件が成立しているものとする。尚、アイドル状態であれば直ちにISC学習を実行する場合には、アイドル条件成立自体をISC学習実行条件成立としても良い。
ここでISC学習実行条件が成立していなければ(S122でNO)、このまま本処理を出るのでISC学習は実行されない。
ISC学習実行条件が成立すると(S122でYES)、前記図2の(a)にて算出した右バンク4用のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfaの絶対値が基準補正値Jを越えているか否かが判定される(S124)。
ここで|Cfa|≦Jである場合には(S124でNO)、このまま本処理を出る。
|Cfa|>Jである場合には(S124でYES)、次にアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfaが正の値か否かが判定される(S126)。
Cfa>0であれば(S126でYES)、式5に示すごとく右バンク用学習値CGaに所定値βを加算して新たに右バンク用学習値CGaを設定する(S128)。
[式5] CGa ← CGa + β
Cfa<0であれば(S126でNO)、式6に示すごとく右バンク用学習値CGaから所定値βを減算して新たに右バンク用学習値CGaを設定する(S130)。
[式6] CGa ← CGa − β
このようにステップS128又はステップS130にて右バンク用学習値CGaが新たに設定されると、本処理を一旦出る。
上述したごとく右バンク4用のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfaの状態により、右バンク用学習値CGaが加減算されて、右バンク4におけるISC学習がなされる。
左バンク6制御用のECU62でのISC学習処理については図3の(b)に示すごとくである。この図3の(b)に示す左バンク学習処理(S132〜S140)は、算出対象が左バンク6用の数値である点以外は図3の(a)の処理(S122〜S130)と同じである。
すなわちステップS134では左バンク6用のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfbの絶対値が基準補正値Jと比較され、ステップS136では左バンク6用のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfbの符号が判定される。そして、ステップS138,S140では所定値βによる左バンク用学習値CGbの加減算が行われる。
こうして左バンク6用のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfbの状態により、左バンク用学習値CGbが加減算されて、左バンク6におけるISC学習がなされる。
図4の(a)に右バンク・バンク間学習値協調制御処理のフローチャートを、図4の(b)に左バンク・バンク間学習値協調制御処理のフローチャートを示す。これらの処理は前記図3の(a),(b)と同周期かあるいは長い周期にて割込実行される。
図4の(a)の右バンク・バンク間学習値協調制御処理が開始されると、まず、ISC学習実行条件が成立しているか否かが判定される(S142)。このISC学習実行条件は前記図3の(a)のステップS122において説明したごとくである。
ここでISC学習実行条件が成立していなければ(S142でNO)、このまま本処理を出るので右バンク・バンク間学習値協調制御処理は実行されない。
ISC学習実行条件が成立すると(S142でYES)、右バンク4用のエアフロメータ36にて検出されている吸入空気量GA1の値が、左バンク6用のエアフロメータ38にて検出されている吸入空気量GA2の値よりも大きいか否かが判定される(S144)。ここでは2つの吸入空気量GA1,GA2の単純な大小比較の例を示したが、吸入空気量GA1が吸入空気量GA2よりも所定値以上大きいか否かを判定しても良い。
ここでGA1>GA2であれば(S144でYES)、式7に示すごとく、右バンク用学習値CGaから所定値γを減算する(S146)。尚、この所定値γは前記所定値βよりも小さい値が設定されている。
[式7] CGa ← CGa − γ
GA1>GA2でなけば(S144でNO)、次に吸入空気量GA1の値が吸入空気量GA2の値よりも小さいか否かが判定される(S148)。ここでは2つの吸入空気量GA1,GA2の単純な大小比較の例を示したが、吸入空気量GA1が吸入空気量GA2よりも所定値以上小さいか否かを判定しても良い。
ここでGA1<GA2であれば(S148でYES)、式8に示すごとく、右バンク用学習値CGaに所定値γを加算する(S150)。
[式8] CGa ← CGa + γ
GA1<GA2でなければ(S148でNO)、GA1=GA2であるので、このまま本処理を一旦出る。
このようにしてGA1>GA2の場合は、右バンク用学習値CGaを減少させ、GA1<GA2の場合は、右バンク用学習値CGaを増加させている。このことにより右バンク4側の吸入空気量GA1を左バンク6側の吸入空気量GA2に近づけることができる。
左バンク6制御用のECU62での左バンク・バンク間学習値協調制御処理については図4の(b)に示すごとくであり、図4の(a)と同じ周期で割込実行される。この図4の(b)に示す左バンク・バンク間学習値協調制御処理(S152〜S160)は、算出対象が左バンク6用の数値である点以外は図4の(a)の処理(S142〜S150)と同じである。
ただしここでは左バンク用学習値CGbの増減が逆となっている。すなわちGA1>GA2の場合(S154でYES)、次のステップS156では式9に示すごとく左バンク用学習値CGbに所定値γを加算する。
[式9] CGb ← CGb + γ
GA1<GA2の場合(S158でYES)、次のステップS160では式10に示すごとく左バンク用学習値CGbから所定値γを減算している。
[式10] CGb ← CGb − γ
以上のごとく図2〜4の処理にてISC制御が実行されている内燃機関2において、更に図5に示すISC学習実行条件成立期間累積処理、及び図6に示す失火検出条件判定処理がECU60,62にてそれぞれ実行されている。
ISC学習実行条件成立期間累積処理(図5)及び失火検出条件判定処理(図6)について説明する。これら図5,6の処理は時間周期(例えば、ここでは1秒周期とする)で繰り返し割込実行されている処理であり、2つのECU60,62の両方でそれぞれ実行されている。尚、2つのECU60,62の一方で実行して、他方にデータ通信にて結果を伝達しても良い。
ISC学習実行条件成立期間累積処理(図5)が開始されると、ISC学習実行条件が成立している状態か否かが判定される(S172)。ISC学習実行条件については、図3の(a)でステップS122にて説明したごとくである。
すなわちISC学習実行条件が成立していれば、学習値CGa,CGbの演算、特にバンク間学習値協調制御処理(図4)にて学習値CGa,CGbに対する協調制御処理がなされている状態を示し、成立していなければ学習値CGa,CGbの演算、特に前記協調制御処理がなされていない状態を示していることになる。
ここでISC学習実行条件が成立していれば(S172でYES)、式11に示すごとく期間累積カウンタCtの値がインクリメントされる(S174)。このことにより期間累積カウンタCtは1つカウントアップされる。
[式11] Ct ← Ct + 1
尚、期間累積カウンタCtは、ECU60,62のそれぞれにてバックアップRAMに記憶されている。したがってイグニッションスイッチがオフとされても記憶部にその値が維持されている。ただしECU60,62の電源であるバッテリが交換等により取り付けられた直後は、記憶部の内容が消去されてクリア状態、すなわち期間累積カウンタCt=0となっている。又、交換ではないがバッテリを一旦取り外して再度取り付けた場合や、ECU60,62に対して積極的にバックアップRAMを含めた記憶内容をクリアする処理を実行した場合にも期間累積カウンタCt=0となっている。
更にECU60,62は、別途バックアップしておいた学習値CGa,CGbに対応する値、あるいはECU60,62間で相互にバックアップしておいた学習値CGa,CGbに対応する値と、記憶部の内容とを比較することにより、その内容の破壊を判定できる。このように何らかの原因にて記憶部の内容が破壊された場合には、ECU60,62が学習値CGa,CGbのクリア処理と期間累積カウンタCtのクリア処理とを実行する。このような場合にも記憶部の内容が消去されてクリア状態、すなわち期間累積カウンタCt=0となっている。
ISC学習実行条件が成立していなければ(S172でNO)、前記式11に示すインクリメントは行われない。
このように期間累積カウンタCtは、学習値CGa,CGbの演算がなされている期間(ここでは時間)、この内でも特にバンク間学習値協調制御処理(図4)が実行されている期間を累積するためのカウンタである。
尚、期間累積カウンタCtは値を格納しているメモリ領域における値の上限あるい上限の近傍に到達すると、インクリメントは停止し、前述した記憶内容のクリアが生じるまでは、その値が維持される。
失火検出条件判定処理(図6)が開始されると、イオン電流検出モジュール56,58による失火検出前提条件が成立しているか否かが判定される(S182)。
この失火検出前提条件としては、例えば、車速SPD及び機関回転数NEがそれぞれ基準値よりも大きく、かつアイドル時ではない運転状態を条件としている。又は、このような条件の代わりに冷却水温THWが所定温度以上の運転状態を条件としても良い。
したがって失火検出前提条件が成立していなければ(S182でNO)、イオン電流検出モジュール56,58による失火検出条件は不成立となる(S190)。すなわち内燃機関2が、安定した検出にとっては適切ではない運転状態であるので、イオン電流検出モジュール56,58による失火検出は禁止されることになる。
失火検出前提条件が成立していれば(S182でYES)、次に期間累積カウンタCtが基準値未満であるか否かが判定される(S184)。すなわちバンク間学習値協調制御処理(図4)が基準値に相当する期間(例えば、ここでは600秒間)、実行されることで十分に2つのバンク4,6の吸入空気量GA1,GA2が同一化されているか否かが判定される。
十分な期間経過状態、すなわち、Ct≧基準値となっている状態では、特にバンク間学習値協調制御処理(図4)が十分な回数繰り返され、学習値CGa,CGbによる、吸気系、特に2つのスロットルバルブ32,34間における機差に対応した吸入空気量の差の補正が十分進展していると推定できる。
したがってCt≧基準値であれば(S184でNO)、バンク間学習値協調制御処理(図4)が十分に2つのバンク4,6における吸入空気量GA1,GA2を同一化していると推定できることから、失火検出条件成立とされる(S188)。
このことにより吸入空気量の差に基づく学習値CGa,CGb演算が十分に進展していない過渡状態であることに起因してイオン電流検出モジュール56,58の信号A1,A2に失火状態を示すような燃焼悪化状態が現れるのを防止できる。
こうしてECU60,62は、吸入空気量GA1,GA2の差に基づく学習値CGa,CGbの演算が十分に進展していない過渡状態とは区別して、イオン電流検出モジュール56,58の信号A1,A2にて高精度に燃焼状態の検出、ここでは失火状態の有無を検出することができる。
したがって失火状態が検出されなければ、実際に何らの異常もバンク4,6の吸気系には生じていないと判断できる検出データが得られ、いずれかあるいは両方のバンク4,6にて失火状態が検出されれば、実際に何らかの異常がいずれかあるいは両方のバンク4,6の吸気系に生じていると判断できる検出データが得られることになる。
Ct<基準値であれば(S184でYES)、次に機関負荷率が基準率以上か否かが判定される(S186)。ここで機関負荷率とは機関負荷に対応する物理量であり、内燃機関2の1回転当たりの基準最大吸入空気量に対する実際の吸入空気量の割合(%)であり、吸入空気量GA1,GA2と機関回転数NEとから算出されるものである。前記基準率としては、例えば10〜15%程度の値が設定される。
ここで機関負荷率≧基準率であれば(S186でYES)、失火検出条件成立とされる(S188)。
吸気系が異常でなければ、機関負荷率≧基準率となると、いずれのバンク4,6の吸気系も、機関負荷率に相当する多くの吸入空気量を気筒に供給していることになる。
したがってCt<基準値となっている状態(S184でYES)、すなわち吸入空気量GA1,GA2の差に基づく学習値CGa,CGbの演算が十分に進展していない過渡状態であっても、機関負荷率≧基準率であれば、いずれのバンク4,6の吸気系も燃焼に支障が生じない吸入空気量GA1,GA2になっている。
すなわち吸入空気量GA1,GA2の差が十分に解消されていなくても、イオン電流検出モジュール56,58による燃焼状態の検出には影響しない程度の吸入空気量GA1,GA2になっていることになる。
したがってCt<基準値であっても(S184でYES)、機関負荷率≧基準率であれば(S186でYES)、ECU60,62はイオン電流検出モジュール56,58により、それぞれのバンク4,6における燃焼状態を検出することで、高精度に燃焼状態の検出、ここでは失火状態の有無を検出することができる。
尚、機関負荷率<基準率であれば(S186でNO)、失火検出条件は不成立とされる(S190)。このように基準率よりも低い負荷状態にては、吸入空気量GA1,GA2の差に基づく学習値CGa,CGbの演算が進展していない過渡状態では、その影響が現れて高精度な検出が不可能であるので、イオン電流検出モジュール56,58による失火検出は禁止されることになる。
図7に本実施の形態の制御の一例としてのタイミングチャートを示す。この制御例では、バッテリ交換直後での内燃機関2の運転状態を示しており、タイミングt0〜t1、t4〜t7ではISC学習実行条件が成立している。したがってこの間に図4に示したバンク間学習値協調制御処理により、2つのバンク4,6間の吸入空気量差(GA1−GA2)は次第に小さくなり、タイミングt5で吸入空気量差(GA1−GA2)は、0となって解消している。
そして吸入空気量差(GA1−GA2)が0となった直後のタイミングt6にて、期間累積カウンタCtが基準値に達するように、基準値の値が設定されている。
したがって、その後に失火検出の前提条件が成立すると(図6:S182でYES)、Ct≧基準値であるので(S184でNO)、失火検出条件が成立する(S188:t8〜t9)。
尚、Ct<基準値であっても(S184でYES:t6前)、機関負荷率≧基準率である場合は(S186でYES)、失火検出条件が成立する(S188:t2〜t3)。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU60,62が燃焼状態制御手段及び燃焼状態検出禁止手段に相当し、イオン電流検出モジュール56,58が燃焼状態検出手段に相当する。ECU60,62が燃焼状態制御手段として実行する図2,3,4の処理がアイドル回転速度制御処理に相当する。図5,6の処理が燃焼状態検出禁止手段としての処理に相当し、図5が内燃機関2の累積運転時間を期間累積カウンタCtとして求める処理に相当し、図6のステップS184にて期間累積カウンタCtを判定する基準値が基準収束期間に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)2つの気筒グループに対応している2つのバンク4,6間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間の経過前は失火状態検出を禁止している。すなわち期間累積カウンタCtが基準値より小さい状態では(図6:S184でYES)、機関負荷率が基準率以上である場合を除いて(S186でNO)、イオン電流検出モジュール56,58の信号A1,A2に基づく失火状態検出を禁止している(S190)。
したがって内燃機関2自体が故障などの異常が生じていないのに、バンク4,6間の燃焼状態が同一状態に収束するまでの過渡状態において失火状態が検出されることが防止できる。
そして期間累積カウンタCtが基準値以上となれば(S184でNO)、失火状態検出は禁止されないので(S188)、このような基準収束期間経過後においてはイオン電流検出モジュール56,58の信号A1,A2に基づいてバンク4,6での燃焼状態を高精度に検出できるようになる。
すなわち失火状態でなければ内燃機関2に異常はないと判断でき、失火状態であれば内燃機関2は何らかの異常であると判断できる検出データが得られることになる。このことにより複数の気筒グループで個々に吸気系を有する内燃機関2にて、吸気系における吸入空気量を同一化する際の過渡的な燃焼状態を排除して、内燃機関2の異常有無を適切に反映した燃焼状態を検出できる。
(2)期間累積カウンタCtが基準値より小さい状態でも(S184でYES)、機関負荷率が基準率以上である場合は(S186でYES)、イオン電流検出モジュール56,58の信号A1,A2に基づく失火状態検出は禁止していない(S188)。
これは基準収束期間の経過前(Ct<基準値)であっても、或る程度以上の高負荷状態となれば、いずれのバンク4,6においても、内燃機関2自体が異常になっていなければ、十分な吸入空気量となっていることから、燃焼状態は良好となり失火を生じなくなる。したがって、このような負荷状態でも失火状態が検出されれば、実際に内燃機関2自体が異常であると正確に判断できるようになる。
このため図6の処理では、基準負荷(ここでは基準負荷に対応する基準負荷率)を設定して、内燃機関2がこの基準負荷率以上の高負荷状態である場合には、イオン電流検出モジュール56,58の信号A1,A2に基づく失火状態検出を可能としている。
このことにより、更に失火状態検出の頻度を高めて、より迅速に各バンク4,6での失火時における状態把握あるいは対策を可能としている。
(3)基準収束期間としては、学習値CGa,CGbの演算によりバンク4,6間において吸入空気量GA1,GA2が同一状態に収束すると予想される期間が、期間累積カウンタCtを判定する基準値して設定されている。
内燃機関2が異常でなければ、吸入空気量GA1,GA2が同一状態に収束すると、2つのバンク4,6では同一の燃焼状態となる。吸気系が異常となって、バンク4,6間で吸入空気量GA1,GA2が異なれば、同一の燃焼状態とならず、特に低負荷側においては吸入空気量GA1,GA2が少ないいずれかのバンク4,6にて失火を生じる。
特にアイドル回転速度制御処理が実行され、このアイドル回転速度制御処理にてバンク4,6間での吸入空気量GA1,GA2を同一状態に調節する学習処理が行われている場合には、この学習値CGa,CGbがバンク4,6間での吸入空気量GA1,GA2の差を解消して燃焼状態を同一化することに大きく寄与することになる。
したがって基準収束期間は、学習値CGa,CGbが得られると予想される期間、ここでは吸入空気量GA1,GA2の同一化のためになされる学習値CGa,CGbの演算期間とすることで、適切な期間が設定可能となる。この基準収束期間経過後に失火状態を検出すれば、吸入空気量GA1,GA2の同一化への過渡状態に影響されずに、正確に燃焼状態から失火有無を判定できる。
(4)ECU60,62の記憶部に格納されている学習値CGa,CGbは、バッテリ交換などで消去されたり、何らかの原因にて記憶部の内容が破壊される場合がある。
このような場合には、期間累積カウンタCtもクリアされて、図3,4の処理により再度、学習値CGa,CGbが最初から演算される。すなわち、再度、基準収束期間経過前の状態が生じて、イオン電流検出モジュール56,58の信号A1,A2に基づく失火状態検出を禁止できる。したがってこのような記憶部内容のクリア時にも、内燃機関2自体は異常ではないのにもかかわらず何らかの故障が生じたとの誤検出を生じることはない。
[実施の形態2]
前記実施の形態1において、ISC学習実行条件成立期間累積処理(図5)では期間累積カウンタCtがカウントアップ(S174)されるのは、ISC学習実行条件が成立している場合(S172でYES)である。ISC学習実行条件成立時には、図4の(a),(b)に示したバンク間学習値協調制御処理が実行されて、左右バンク4,6の吸入空気量GA1,GA2が同一状態に向けて調節されるからである。
したがって特に図4の(a),(b)に示した2つのバンク間学習値協調制御処理が実行されている状態であれば左右バンク4,6の吸入空気量GA1,GA2が同一状態に向けて調節される。このことからISC学習実行条件成立を判定するのではなく、図8のバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理に示すごとく、2つのバンク間学習値協調制御処理(図4)の実行中か否かを判定(S272)しても良い。
したがってバンク間学習値協調制御処理実行中であれば(S272でYES)、期間累積カウンタCtをカウントアップし(S274)、バンク間学習値協調制御処理の実行中でなければ(S272でNO)、期間累積カウンタCtのカウントアップはしないで処理を一旦出ることになる。
このようにしても前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[実施の形態3]
前記実施の形態1において、ISC学習実行条件成立期間累積処理(図5)は時間周期(例えば1秒周期)で実行されていた。すなわち期間累積カウンタCtは時間をカウントし、失火検出条件判定処理(図6)にて期間累積カウンタCtの大きさ判定(S184)に用いられる基準値は時間にて設定されていた。
ISC学習の進行によって左右バンク4,6の吸入空気量GA1,GA2が同一化するのは、内燃機関2の運転継続によることから、内燃機関2の累積回転回数により左右バンク4,6の吸入空気量GA1,GA2の同一化を判定しても良い。
すなわち図9に示すISC学習実行条件成立期間累積処理は、クランクシャフト8の所定回転回数、ここでは1回転毎に割込実行される処理である。したがってISC学習実行条件成立時(S372でYES)にカウントアップ(S374)が実行される期間累積カウンタCtは内燃機関2の累積回転回数のカウンタとして機能する。
このため前記失火検出条件判定処理(図6)のステップS184では期間累積カウンタCtを、内燃機関2の累積回転回数にて設定した基準値と比較する。
このことにより、期間累積カウンタCtが基準値未満(S184でYES)ではステップS186にてYESと判定されるような高負荷状態を除いて(S186でNO)、失火検出条件は不成立となり(S190)、期間累積カウンタCtが基準値以上となれば(S184でNO)、失火検出条件は成立する(S188)。
このことにより前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
尚、図10に示すバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理は、図8のバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理を、前記図9の場合と同様にクランクシャフト回転回数割込としたものである。この場合も図9について説明したごとくであり、バンク間学習値協調制御処理実行中(S472でYES)にカウントアップ(S474)される期間累積カウンタCtは内燃機関2の累積回転回数のカウンタとして機能し、前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[実施の形態4]
内燃機関2の運転継続状態は内燃機関2の累積吸入空気量に対応することから、前記実施の形態1の図5の処理の代わりに、図11又は図12に示すごとくに、期間累積カウンタCtを、期間に対応する物理量として累積吸入空気量を累積するものとしても良い。
すなわち図11に示すISC学習実行条件成立期間累積処理は、所定時間(Δt)の周期で割込実行される処理である。ISC学習実行条件が成立すると(S572でYES)、式12に示すごとく期間累積カウンタCtに累積吸入空気量が加算される。
[式12] Ct ← Ct + GA×Δt
ここで吸入空気量GAは、ECU60,62が存在する各バンク4,6のエアフロメータ36,38の検出値(GA1,GA2)をそれぞれ用いる。あるいは検出値(GA1,GA2)の平均値を用いても良い。
前記式12にて、「GA×Δt」は、ISC学習実行条件成立期間累積処理(図11)の1周期(Δt)当たりの吸入空気量(g)を表している。
このため前記実施の形態1にて説明した失火検出条件判定処理(図6)のステップS184では、期間累積カウンタCtを、内燃機関2の累積吸入空気量で設定されている基準値と比較する。このことにより、期間累積カウンタCtが基準値未満(S184でYES)ではステップS186にてYESと判定されるような高負荷状態を除いて(S186でNO)、失火検出条件は不成立となり(S190)、期間累積カウンタCtが基準値以上となれば(S184でNO)、失火検出条件は成立する(S188)。
このことにより前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
尚、図12に示すバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理は、図8のバンク間学習値協調制御処理実行期間累積処理を、前記図11の場合と同様に基準累積吸入空気量を累積して判定するとしたものである。この場合も図11について説明したごとくであり、バンク間学習値協調制御処理実行中(S672でYES)に増加(S674)される期間累積カウンタCtは内燃機関2の累積吸入空気量のカウンタとして機能し、前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[その他の実施の形態]
・前記各実施の形態では図1に示したごとく2つのECU60,62にて個々のバンク4,6における各処理(図2〜図6、図8〜図12)を実行していた。このように2つのECUを設けるのではなく、図13に示す内燃機関102のごとく、1つのECU160にて前記実施の形態1にて2つのECU60,62が実行していた各処理(図2〜図6、図8〜図12)を行っても良い。他の構成については前記実施の形態1と同じであるので、同一の構成については同一の符号にて示している。
・図13に示した1つのECU160にて、図14〜図16に示したごとく2つのバンク4,6に対して統一的な制御処理を実行しても良い。ここで図14はISC処理、図15は学習処理、及び図16はバンク間学習値協調制御処理である。
ISC処理(図14)において、ステップS700,S702は前記図2の(a)のステップS100,S102と同じである。ステップS704,S706についても両バンク4,6に共通のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfcを算出しているが、実質的に前記図2の(a)のステップS104,S106と同じ処理である。
更にステップS708は、両バンク4,6に共通のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfc及び各種補正量Cxcを用いて右バンク4のスロットルバルブ32に対するアイドル制御量IDaを設定しているが、実質的に前記図2の(a)のステップS108と同じ処理である。
更にステップS709は、両バンク4,6に共通のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfc及び各種補正量Cxcを用いて左バンク6のスロットルバルブ34に対するアイドル制御量IDbを設定しているが、実質的に前記図2の(b)のステップS118と同じ処理である。
学習処理(図15)においてステップS722は前記図3の(a)のステップS122と同じである。ステップS724,S726については両バンク4,6に共通のアイドル時フィードバック制御用開度補正値Cfcを用いて判定しているが、実質的に前記図3の(a)のステップS124,S126と同じ処理である。
そしてステップS726にてYESと判定されると、ステップS728,S729が実行されるが、ステップS728は図3の(a)のステップS128と同じ処理であり、ステップS729は図3の(b)のステップS138と同じ処理である。
ステップS726にてNOと判定されると、ステップS730,S731が実行されるが、ステップS730は図3の(a)のステップS130と同じ処理であり、ステップS731は図3の(b)のステップS140と同じ処理である。
バンク間学習値協調制御処理(図16)において、ステップS742,S744,S748は、図4の(a)のステップS142,S144,S148と同じ処理である。ステップS744にてYESと判定されると、ステップS746,S747が実行されるが、ステップS746は図4の(a)のステップS146と同じ処理であり、ステップS747は図4の(b)のステップS156と同じ処理である。ステップS748にてYESと判定されると、ステップS750,S751が実行されるが、ステップS750は図4の(a)のステップS150と同じ処理であり、ステップS751は図4の(b)のステップS160と同じ処理である。尚、前記実施の形態1にて図5,6に示したISC学習実行条件成立期間累積処理及び失火検出条件判定処理については、それぞれ1つの処理がECU160にて実行される。
このような構成によっても前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
尚、実施の形態2〜4についても、図13の構成として実行しても良く、更に処理を1つにまとめても良く、同様な効果を生じさせることができる。
・前記各実施の形態では、内燃機関は2つのバンクを設けており、バンク毎に気筒グループが形成されていた。これ以外に、3つ以上のバンクを設けて、それぞれバンク毎に気筒グループを設けても良い。この場合に、気筒グループ毎にECUを設けた場合には、その数だけ、図2〜図6,図8〜図12に説明した処理が実行されることになる。更に、この場合も、図13に示したごとく3つ以上のバンクの各吸気系に対して1つのECUにて制御しても良く、図14〜図16に示したごとく、処理を1つにまとめても良く、同様な効果を生じさせることができる。
・前記各実施の形態のごとく吸気系毎に分けられた気筒グループは、バンク毎に設けなくても、1つのバンクにても複数の気筒グループに区分して、この気筒グループ毎に吸気系を設けるようにしても良い。更にこの場合も図13に示したごとく複数の気筒グループに対して1つのECUにて制御しても良く、図14〜図16に示したごとく、処理を1つにまとめても良く、同様な効果を生じさせることができる。
・前記各実施の形態では、失火状態を含む燃焼状態は、イオン電流に基づいて検出したが、気筒内の燃焼圧力、燃焼温度、内燃機関出力トルク、内燃機関回転速度などを捉えて失火状態を含む燃焼状態を検出しても良い。
・前記各実施の形態では、図4及び図16に示したバンク間学習値協調制御処理は、いずれも2つのバンクの学習値CGa,CGbについて協調制御を実行していたが、学習値CGa,CGbのいずれか一方のみについて協調制御を実行しても良い。
学習値CGa,CGbのいずれか一方のみでも協調制御がなされれば、例えば前記実施の形態1では図4の(a)のみ実行して、図4の(b)は実行しないものとしても、図2,3の処理により、直接協調制御されない学習値CGa,CGbの他方についても、間接的に協調制御がなされるからである。
・前記各実施の形態では、ISC実行時において吸入空気量の調節はスロットルバルブの開度にて実行していたが、吸気バルブのリフト量にて調節するものでも良い。あるいは、スロットルバルブを迂回する吸気迂回路を設けて、この吸気迂回路にISCバルブを設けて、このISCバルブの開度を調節するものでも良い。
・前記アクセル開度センサ44はアイドルスイッチを設けていたが、アイドルスイッチを設けずに、ECUにて、アクセル開度ACCPが全閉又は全閉に近い開度の場合に、アイドルスイッチがオン状態にある場合と同様の制御を実行するようにしても良い。
2…内燃機関、4,6…バンク、8…クランクシャフト、10,12…点火プラグ、14,16…インテークマニホールド、18,20…燃料噴射弁、22,24…サージタンク、26,28…インテークパイプ、30…アクセルベダル、32,34…スロットルバルブ、36,38…エアフロメータ、40,42…エアクリーナ、44…アクセル開度センサ、46…機関回転数センサ、48,50…スロットルモータ、52,54…スロットル開度センサ、56,58…イオン電流検出モジュール、60,62…ECU、102…内燃機関、160…ECU。

Claims (15)

  1. 複数備えられた気筒を複数の気筒グループに区分し、目標燃焼状態となるようにこれらの気筒グループ毎に気筒内に導入される混合気成分状態を調節すると共に、これらの気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束するように前記混合気成分状態を調節する燃焼状態制御手段を備えた内燃機関にて、燃焼状態検出手段により各気筒グループの燃焼状態を検出する燃焼状態検出装置であって、
    前記混合気成分状態の調節により気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間の経過前は、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止する燃焼状態検出禁止手段を備えたことを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出禁止手段は、前記基準収束期間の経過前にて、内燃機関が基準負荷以上の高負荷状態である場合には、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止しないことを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  3. 複数備えられた気筒を複数の気筒グループに区分し、目標燃焼状態となるようにこれらの気筒グループ毎に気筒内に導入される吸入空気量を調節すると共に、これらの気筒グループ間で燃焼状態が同一状態に収束するように前記吸入空気量を調節する燃焼状態制御手段を備えた内燃機関にて、燃焼状態検出手段により各気筒グループの燃焼状態を検出する燃焼状態検出装置であって、
    前記吸入空気量の調節により気筒グループ間の燃焼状態が同一状態に収束すると予想される基準収束期間の経過前は、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止する燃焼状態検出禁止手段を備えたことを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出禁止手段は、前記基準収束期間の経過前にて、内燃機関が基準負荷以上の高負荷状態である場合には、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出を禁止しないことを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  5. 請求項3又は4に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、前記気筒グループ間における吸入空気量が同一状態に収束すると予想される期間として設定されていることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  6. 請求項3又は4に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態制御手段は、内燃機関のアイドル時に内燃機関回転速度が目標アイドル回転速度となるように前記気筒グループ毎にフィードバック制御を実行すると共に前記気筒グループ間における吸入空気量を同一状態に調節するアイドル回転速度制御処理を実行し、
    前記基準収束期間は、前記アイドル回転速度制御処理にて前記気筒グループ間における吸入空気量を同一状態に収束できる学習値が得られると予想される期間として設定されていることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  7. 請求項6に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、前記学習値の演算条件が成立する期間を累積した期間を判断する値が設定されていることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記学習値の演算条件が成立する期間を累積した期間のカウントは、前記学習値を記憶している記憶部の内容が消去又は破壊されたタイミングで開始されることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記記憶部の記憶内容が電源により電気的にバックアップされており、前記記憶部の内容の消去又は破壊は、前記電源が一時的に除去されたことにより引き起こされた場合を含むことを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  10. 請求項3〜9のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、内燃機関は複数バンクを設けており、前記気筒グループは、それぞれバンク毎に設定されていることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  11. 請求項3〜10のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出手段は、イオン電流により各気筒内での燃焼状態を検出することを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記燃焼状態検出手段による燃焼状態検出は、失火状態の検出であることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、時間にて設定されていることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、内燃機関の累積回転回数にて設定されていることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関燃焼状態検出装置において、前記基準収束期間は、内燃機関の累積吸入空気量にて設定されていることを特徴とする内燃機関燃焼状態検出装置。
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