JP2011104619A - パネル複合体の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アウターパネルの意匠品質を確保しつつも、両パネル間の相対的な位置ずれを防いでその固定強度を高めることのできるパネル複合体の形成方法を提供する。
【解決手段】パネル複合体1は、アウターパネル10とインナーパネル20とを互いに重ね合わせてなるもので、その周縁に、アウターパネル10の周縁部11をインナーパネル20側に折り返すことで、インナーパネル20の周縁部21をアウターパネル10の周縁部11とその隣接領域12とで挟み込んだ挟み込み部30が形成されている。このパネル複合体1は、アウターパネル10の周縁部11とインナーパネル20の周縁部21を互いに行き違う向きに重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わせた両周縁部11,21に溶接を施すことで両周縁部11,21を接合する溶接工程と、接合された両周縁部11,21を一体にインナーパネル20側に折り曲げることで、上記挟み込み部30を形成する折り曲げ工程とを少なくとも経て形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、パネル複合体の形成方法に関し、特に、アウターパネルとインナーパネルを重ね合わせた状態で、アウターパネルの周縁部をインナーパネル側に折り曲げることで、インナーパネルの周縁部をアウターパネルで挟み込んだ形態を呈するパネル複合体の形成技術に関する。
複数のパネル部材を重ね合わせたパネル複合体の形成方法の一つに、いわゆるへミング加工を利用したものが知られている。この加工法は、主としてパネル複合体の補強や意匠的な品質の向上を目的としてなされるもので、例えば自動車のドアパネルやボンネット(フード)、ルーフパネルなど、強度面と共に意匠面においても高レベルの品質が要求される製品(部品)に使用されている。
ここで、へミング加工により上記パネル複合体を形成する方法を、例えば下記特許文献1に開示されている方法を例にとって説明すると、図6に示すように、へミング加工の対象となるワーク、すなわちアウターパネル110とインナーパネル120とを重ね合わせた状態で、アウターパネル110の周縁に予め立設したフランジ部111に対して予備曲げ加工、次いで本曲げ加工を施す。詳細には、予備曲げ加工にて、図6(a)に示すように、アウターパネル110の周縁に予め折曲げ形成されているフランジ部111を所定の傾斜角となるまで(図6(a)中の1点鎖線で示す位置まで)インナーパネル120側に折り返すと共に、本曲げ加工にて、図6(b)に示すように、上記所定の傾斜角まで折り返したフランジ部111をさらにインナーパネル120の周縁部121と当接するまで折り返すことで、この周縁部121を、上記折り返したアウターパネル110のフランジ部111とその隣接領域112とで挟み込む。これにより、相互に重ね合わせた状態のアウターパネル110とインナーパネル120の周縁に挟み込み部(へミング結合部130)が形成されるようになっている。
また、下記特許文献1には、図7に示すように、アウターパネル110とインナーパネル120とのへミング結合部130となる領域に、予めガラスビーズ等の硬質粒子141を混入した接着剤140を介在させた上で上述のへミング加工を施すことにより、硬質粒子141をアウターパネル110の表面に噛み込ませて、この噛み込みによる摩擦力でヘミング結合部130の補強を図ったものが開示されている。
特開2001−286952号公報
上記特許文献1に開示のように、挟み込み部には、通常、両パネルを結合すると共に防錆やシーリングを図る目的で接着剤が塗布される。しかしながら、この種の接着剤による結合力(接着力)は、パネル複合体を形成した後の加工(例えばパネル表面の電着塗装における焼付き乾燥工程など)において発現することになる。そのため、両パネルが完全に結合するまでの間に、搬送や移載等により多大な荷重や振動がパネル複合体に加わると、両パネル間に相対的な位置ずれが生じ、強度低下ないし意匠品質の低下を招くおそれがある。
この点、例えば上記特許文献1に開示のへミング加工方法では、上記位置ずれを防ぐ目的で、ガラスビーズなどの硬質粒子141を混入した接着剤140をヘミング結合部130となる領域に供給し、かつ、予備曲げ加工の前又は本曲げ加工時に上記へミング結合部130となる領域をインナーパネル120側から加圧することで、接着剤140に混入した硬質粒子141をアウターパネル110の表面に噛み込ませるようしている(図7を参照)。しかし、上記硬質粒子による噛み込み作用だけでは接着剤の固化前に両パネル間に生じる相対的な位置ずれを抑止することは難しい。
他の位置ずれ防止手段として、例えばへミング加工後の挟み込み部(上記特許文献1でいえば図6(b)に示すへミング結合部130)にスポット溶接を施す方法も考えられるが、この種のパネル状ワークに対しては、ダイレクト溶接に代表されるように、1対の電極で被溶接部を挟持加圧して通電することで溶接を行うのが普通である。そのため、当該溶接を行うと必然的に意匠面となるアウターパネルの外面に電極による圧痕が残ることになり、意匠品質の低下を招くおそれがある。
電極の押圧による圧痕の生成を避けるために、シリーズ溶接などのインダイレクト溶接を使用する方法も考えられるが、インナーパネル側からのみの電極の押し当てにより加圧通電を行うために溶接条件の設定が難しく、またに相当な手間を要する問題がある。また、図6(b)のように、挟み込み部(へミング結合部130)が、インナーパネル120側に折り返したアウターパネル110のフランジ部111とその隣接領域112とでインナーパネル120の周縁部121を挟み込んだ形態を呈する場合、すなわち溶接箇所が3枚重ねの状態になっている場合、インダイレクト溶接では所要の通電状態を発現することは難しく、適正な溶接部(接合部)を形成できないおそれがある。あるいは、図7に示すように、インナーパネル120の周縁部121とアウターパネル110との間に接着剤140が介在する場合には、電極による押圧力が吸収されるために、アウターパネル110のフランジ部111を十分に加圧し難いといった問題があり、これによっても適正な接合部を形成できないおそれがある。
以上の事情に鑑み、本明細書では、アウターパネルの意匠品質を確保しつつも、両パネル間の相対的な位置ずれを防いでその固定強度を高めることのできるパネル複合体の形成方法を提供することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
本発明は、前記課題の解決を図るためになされたものである。すなわち、本発明に係るパネル複合体の形成方法は、アウターパネルとインナーパネルを重ね合わせた状態でアウターパネルの周縁部をインナーパネル側に折り曲げることで、インナーパネルの周縁部をアウターパネルの周縁部とその隣接領域とで挟み込んだ挟み込み部を形成するパネル複合体の形成方法において、アウターパネルの周縁部とインナーパネルの周縁部を互いに行き違う向きに重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わせた両周縁部に溶接を施すことで両周縁部を接合する溶接工程と、接合された両周縁部をインナーパネル側に折り曲げることで挟み込み部を形成する折り曲げ工程とを含む点をもって特徴付けられる。
このように、本発明は、従来のへミング加工を廃止して、従来とは異なる態様で両パネルの周縁部同士を重ね合わせると共に、これら両周縁部をインナーパネル側に折り曲げることで、両パネルの周縁部を溶接で固定可能とした点に特徴を有する。すなわち、上述の方法によれば、挟み込み部を形成するための折り曲げ加工を実施する前に、予めインナーパネルとアウターパネル双方の周縁部を重ね合わせると共にこの重ね合わせ部に溶接を施すことで、両パネルの周縁部が一体化される。また、これら周縁部を互いに行き違う向きに重ね合わせた状態で一体化したので、一体化した両周縁部をインナーパネル側に折り曲げるだけで、周縁部同士は接合されつつもインナーパネルの周縁部をアウターパネルの周縁部とその隣接領域とで挟み込んだ部分(挟み込み部)を形成することができる。これにより、接着剤による固定力の発現を待たずとも、両パネル間を強固に固定することができ、パネル複合体を形成した後の工程において、パネル間の相対的な位置ずれが生じる事態を防止することができる。また、アウターパネルの周縁部とインナーパネルの周縁部のみを溶接で固定するようにしたので、上述した溶接不良が生じるおそれもない。そのため、接着剤の介在の有無に関らず両パネル間で十分な接合強度を得ることができる。また、上記パネル間の溶接固定を、インナーパネル周縁部をアウターパネル周縁部とその隣接領域とで挟み込む前に実施しているので、アウターパネルの外面(正確には隣接領域の外面)に溶接痕が残ることもない。これにより、パネル複合体の意匠面の品質を確保することができる。
この場合、インナーパネルの周縁部に隣接する領域に、アウターパネル側に向けて凹んだ部分を設けておき、これにより折り曲げ工程にて両周縁部の折り曲げを案内するようにしてもよい。
このように構成することで、折り曲げ工程時には、インナーパネルに設けた凹部により、溶接により一体化された両周縁部を容易にインナーパネル側に折り曲げることができる。また、当該折り曲げ変形に伴い、インナーパネルの周縁部と隣接する領域が変形すると、凹部の隣接領域に近い側も上記変形に追随して凹部を開く向きに変形を生じる。これにより、折り曲げ加工後におけるインナーパネルの面形状を、その周縁部からパネル基端側にかけて滑らかにつながった形状とすることができる。
また、両周縁部の溶接工程には、スポット溶接や、マッシュルーム溶接と称される類の周縁部の長手方向に沿って連続的に溶接部(接合部)を形成する手段など種々の溶接手段が採用可能である。ここで、汎用性の高いスポット溶接の適用を考えた場合、両パネルの周縁部2枚のみを溶接で固定するので、ダイレクト溶接とインダイレクト溶接いずれの溶接手段を適用することも可能であるが、両パネルの周縁部をその全周にわたって溶接するなど、重ね合わせた両周縁部の内方、すなわちインナーパネルの周縁部の側に電極を配置することが難しい場合には、インダイレクト溶接を適用することも可能である。この場合、当該溶接に使用する一対の電極の一方をアウターパネルの周縁部の外側に配し、他方をインナーパネルの位置決め穴を利用してインナーパネルの所定の位置に配した状態で加圧通電を行うようにしてもよい。
例えばドアパネルなどのパネル複合体の場合、インナーパネルには、各種加工工程やアセンブリ工程の際の位置決め用の穴が設けられていることが多い。よって、この種の穴を利用して他方の電極(例えばアース電極)をインナーパネルの所定の位置に配置することで、毎回の溶接作業において両電極の配置間隔を一定に保つことができ、溶接条件の設定作業を容易かつ短時間に行うことができる。
以上のように、本発明に係る製造方法によれば、アウターパネルの意匠品質を確保しつつも、両パネル間の相対的な位置ずれを防いでその固定強度を高めることができる。また、所要の固定強度を有しつつも、高い位置精度および形状精度を有し、かつ意匠性に優れた外観形状を有するパネル複合体を製造することができる。
本発明の一実施形態に係るパネル複合体の要部断面図である。 図1に示すパネル複合体の製造工程を説明するための図であって、両パネル周縁部の重ね合わせ工程を概念的に説明するための要部断面図である。 図1に示すパネル複合体の製造工程を説明するための図であって、相互に重ね合わせた両パネル周縁部の溶接工程を概念的に説明するための要部断面図である。 図1に示すパネル複合体の製造工程を説明するための図であって、溶接により一体化された両周縁部をインナーパネル側に折り曲げて挟み込み部を形成する工程を概念的に説明するための要部断面図である。 挟み込み部の形成工程の変形例を示す要部拡大断面図である。 従来のへミング加工による挟み込み部の形成手順を説明するための図であって、(a)はアウターパネルのフランジ部に対する予備曲げ加工を概念的に説明するための要部断面図、(b)はアウターパネルのフランジ部に対する本曲げ加工を概念的に説明するための要部断面図である。 従来のへミング加工により挟み込み部を形成したパネル複合体の断面図であって、インナーパネルの周縁部とアウターパネルとの間に接着剤を介在させた場合のパネル複合体の断面図である。
以下、本発明に係るパネル複合体の形成方法、およびこの方法で形成されたパネル複合体の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパネル複合体1の要部断面図を示している。この図に示すパネル複合体1は、主にアウターパネル10とインナーパネル20とを互いに重ね合わせてなるもので、その周縁には、同図に示すように、アウターパネル10の周縁部11をインナーパネル20側に折り返すことで、インナーパネル20の周縁部21をアウターパネル10の周縁部11とその隣接領域12とで挟み込んだ部分(挟み込み部30)が形成されている。ここで、互いに重なり合うアウターパネル10の周縁部11とインナーパネル20の周縁部21とは、後述するように溶接により接合されている。また、アウターパネル10の周縁部11に隣接する隣接領域12は、アウターパネル10の周縁部11とでインナーパネル20の周縁部21を挟み込んだ形態を呈している一方で、この周縁部21とは溶接により接合されることなく向かい合っている。この実施形態では、インナーパネル20の周縁部21と主にこの周縁部21と向かい合うアウターパネル10の隣接領域12との間、およびその奥部に接着剤40が介在しており、この接着剤40によりインナーパネル20の周縁部21とアウターパネル10の隣接領域12とが接着固定されている。なお、この実施形態では、パネル複合体1の一断面における構成のみを開示しているが、上記挟み込み部30は、インナーパネル20の周縁部21の全域にわたって形成されていてもよく、周縁部21の一部領域にわたって形成されていてもよいことはもちろんである。
上記構成のパネル複合体1は、アウターパネル10の周縁部11とインナーパネル20の周縁部21を互いに行き違う向きに重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わせた両周縁部11,21に溶接を施すことで両周縁部11,21を接合する溶接工程と、接合された両周縁部11,21を一体にインナーパネル20側に折り曲げることで、上記挟み込み部30を形成する折り曲げ工程とを少なくとも経て形成される。以下、パネル複合体1を形成するための工程の一例を図2〜図4に基づき説明する。
まず、図2に示すように、アウターパネル10として、その周縁部11を隣接領域12(あるいはこの隣接領域12を含むアウターパネル10本体)に対してインナーパネル20側(図2でいえば図中上側)に立設させたものを用意する。また、インナーパネル20として、その周縁部21を隣接領域22(あるいはこの隣接領域22を含むインナーパネル20本体)に対してアウターパネル10側に折り曲げたものを用意する。そして、上記形態のアウターパネル10とインナーパネル20を組合せると共に、当該組合せた状態では、アウターパネル10の周縁部11がインナーパネル20の周縁部21の外側に位置し、かつ互いに向かい合うと共に行き違う向きに重ね合わせる(重ね合わせ工程)。この場合、図2に示すように、周縁部11,21間に所定の隙間が空いている状態であっても構わない。後続の溶接工程で互いに当接させるためである。なお、この実施形態では、両パネル10,20の組合せ作業に伴い、両周縁部11,21がスムーズに重ね合わさるように、アウターパネル10の周縁部11の隣接領域12(ないしアウターパネル10本体)に対する立設角度を90度よりも大きく設定している。なお、この重ね合わせ工程までの時点で、アウターパネル10の隣接領域12の内面に、図1に示す接着剤40を塗布しておいてもよいが、図2および後述の図3および図4では接着以外の加工を中心に説明するため、接着剤の描画を省略している。
また、この実施形態では、図2に示すように、インナーパネル20の周縁部21基端側と連続し、周縁部21から離れるにつれてアウターパネル10から離れる向きに伸びる隣接領域22に、折曲げ案内用の凹部23が設けられている。この凹部23は、その機能的な側面から、アウターパネル10とインナーパネル20との挟み込み部30が形成される周方向領域に対応して周方向に連続的に設けられる。
このようにして、両パネル10,20の周縁部11,21を重ね合わせた後、この重ね合わせた状態の両周縁部11,21に対して溶接を施す(溶接工程)。この実施形態では、両周縁部11,21に対して、その長手方向の複数箇所にわたってスポット溶接としてのインダイレクト溶接を実施する。図3は、当該溶接工程の概要を説明するための図であって、溶接対象となる両周縁部11,21のうちアウターパネル10の周縁部11の外面に、両周縁部11,21を加圧通電してその間に接合部50を形成するための溶接用電極51が当接配置される。また、インナーパネル20の外面(アウターパネル10側とは反対側の面)上には、溶接用電極51に対してアースとして作用するアース電極52が当接配置される。また、各電極51、52は溶接トランス54を介して図示しない電流制御装置に電気的に接続されており、同じく図示しない電源から供給される電流を、溶接トランス54を介して、溶接用電極51(両周縁部11,21)に対して所望の通電パターンで流すことができるように構成されている。なお、この実施形態では、図3に示すように、アース電極52のワーク当接面(図3では下面)には、位置決め用のピン部53が突出形成されており、このピン部53をインナーパネル20本体に設けられた位置決め用穴24に嵌合することで、アース電極52をインナーパネル20の所定位置に当接配置するようになっている。
上記のように双方の電極51,52を所定の間隔を保ってワーク(周縁部11、インナーパネル20本体)にそれぞれ当接配置した状態から、溶接用電極51で両周縁部11,21をインナーパネル20に向けて加圧していき、この加圧力が所定の加圧力に達した時点で溶接用電極51とアース電極52との間で通電を開始する。これにより、周縁部11,21ないし周縁部11,21間が加熱され、当該周縁部11,21間に所定の接合部50が形成される。なお、この際、溶接用電極51の加圧力の大きさ如何によっては、両周縁部11,21が図4の破線で示すように、溶接前の状態と比べて全体的にインナーパネル20側に押し曲げられた状態で接合される場合も起こり得るが、後続の折り曲げ工程では、同じ方向に両周縁部11,21を折り曲げることになるため、特にこの段階で押し曲げられることに支障はない。
そして、上記のようにして接合された両周縁部11,21に対して、所定の折り曲げ加工を施すことで、図1に示す挟み込み部30を形成する(折り曲げ工程)。詳細には、図4に示すように、相互に接合された状態の両周縁部11,21を一体にインナーパネル20側に折り曲げることで、インナーパネル20の周縁部21をこの周縁部21に接合固定されるアウターパネル10の周縁部11とその隣接領域12とで挟み込んだ挟み込み部30が形成され、これにより、図1に示すパネル複合体1が形成される。
以上のように、本発明に係るパネル複合体の形成方法によれば、周縁部11,21同士は接合されると共に、インナーパネル20の周縁部21をアウターパネル10の周縁部11とその隣接領域12とで挟み込んだ形態を呈する挟み込み部30を形成することができる。そのため、接着剤の介在の有無に関らず両パネル10,20間を接合部50の結合力により強固に固定することができ、パネル複合体1を形成した後の工程において、パネル間の相対的な位置ずれが生じる事態を防止することができる。また、アウターパネル10の周縁部11とインナーパネル20の周縁部21との溶接接合を、折り曲げ加工により挟み込み部30を形成する前に実施している(図3および図4を参照)ので、アウターパネル10の隣接領域12の外面に溶接痕を残さずに済む。これにより、パネル複合体1の意匠面の品質を確保することができる。
また、この実施形態では、インナーパネル20の周縁部21と隣接する隣接領域22に予め折り曲げ案内用の凹部23を設けておいたので、両周縁部11,21の上記折曲げ変形に伴いインナーパネル20の隣接領域22が、凹部23を起点としてアウターパネル10側に凸となるように反り返るように(図4中の破線位置から実線位置へと)比較的容易に変形する。そのため、比較的小さい力で上記折り曲げ加工を行うことができ、また、折り曲げ加工後のインナーパネル20の形状をその周縁部21からパネル基端側に向けて滑らかにつながる形状とすることができる。これにより、パネル複合体1の内側の意匠面品質についても確保することが可能となる。
以上、本発明に係るパネル複合体の形成方法の一実施形態を説明したが、この製造方法は、上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得る。
上記実施形態では、溶接工程の後に折り曲げ工程を続けて実施しているが、この折り曲げ工程の前に、例えば図5に示すように、予め両周縁部11,21の折り曲げの起点となる部位23にレーザー装置60等の熱源からレーザー等の加熱用媒体(プラズマ、ガス、高周波なども可)を照射することにより、当該折り曲げの起点となる部位23を所定の温度に加熱するようにしてもよい。この加熱作業により、上記折り曲げの起点となる部位23が加熱軟化するので、後続の折り曲げ工程においてこの部位23を起点として確実に両周縁部11,21をインナーパネル20側に折り曲げることが可能となる。なお、上記の加熱作業を伴って両周縁部11,21の折り曲げ加工を行う場合、例えば具体的には、図示は省略するが、平坦な支持台の上に両周縁部11,21にて相互に接合固定されたアウターパネル10とインナーパネル20の組み合わせ体(図5を参照)を載置し、これを保持した状態で図5に示すレーザー装置60を周縁部11,21の長手方向に沿って移動させながら、隣接領域12のやや上方で周縁部11の下端に位置する、折り曲げの起点となる部位23にレーザーを照射する。そして上記折り曲げの起点となる部位23のうち上記レーザー装置60からのレーザー照射により加熱軟化した領域を追いかけるようにして(レーザー装置60を追随するように)ローラーへムなどをその長手方向に沿って押圧転動させていくことで、図1に示す挟み込み部30の形成を両周縁部11,21の長手方向に沿って連続的に行う実施が可能である。
また、両周縁部11,21の重ね合わせ工程に関し、図2では、アウターパネル10の周縁部11をその隣接領域12に対して90度よりも大きく開いた状態に立設した場合を例示したが、もちろん、90度ないしそれ以下の角度で立設させてもよい。要は、同図に示すように、アウターパネル10とインナーパネル20との組合せ作業に伴い、アウターパネル10の周縁部11の内側にインナーパネル20の周縁部21が位置し、かつ互いに行き違う向きに重なり合う限りにおいて、上記角度は任意である。例えば周縁部11をその隣接領域12と平行、すなわち180度開いた状態で配置してあってもよい。その後の折り曲げ工程にて、約180度分インナーパネル20側に折り曲げれば足りる。
また、両パネル10,20間の固定力は、両周縁部11,21の溶接接合により確保されているため、接着剤は図1のように使用しなくてもよい。また、その場合、アウターパネル10の隣接領域12とインナーパネル20の周縁部21は当接していてもよく、所定の間隔を空けて向かい合っていてもよい(図4を参照)。また、溶接により周縁部11,21間が周方向全域にわたって固定されている場合、シーリング剤としての接着剤の使用は不要であるが、スポット溶接で接合した場合には、図1のように接着剤40を介在させるようにしてもよい。
以上の説明に係るパネル複合体の形成方法であれば、意匠面と共に強度面、さらには形状精度(組付け精度)の面でも非常に優れたパネル複合体が得られるので、例えば上記性能を要求されることの多い、自動車のドアパネルやボンネット(フード)、ルーフパネルなどの各種パネル状部品の製造に本発明を適用することができる。
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
1 パネル複合体
10 アウターパネル
11 周縁部(アウターパネル)
12 隣接領域(アウターパネル)
20 インナーパネル
21 周縁部(インナーパネル)
22 隣接領域(インナーパネル)
23 凹部
23 折り曲げの起点となる部位
24 位置決め用穴
30 挟み込み部
40 接着剤
50 接合部
51 溶接用電極
52 アース電極
60 レーザー装置
110 アウターパネル
111 フランジ部
112 隣接領域
120 インナーパネル
121 周縁部
130 ヘミング結合部
140 接着剤
141 硬質粒子

Claims (3)

  1. アウターパネルとインナーパネルを重ね合わせた状態で前記アウターパネルの周縁部を前記インナーパネル側に折り曲げることで、該インナーパネルの周縁部を前記アウターパネルの周縁部とその隣接領域とで挟み込んだ挟み込み部を形成するパネル複合体の形成方法において、
    前記アウターパネルの周縁部と前記インナーパネルの周縁部を互いに行き違う向きに重ね合わせる重ね合わせ工程と、
    前記重ね合わせた両周縁部に溶接を施すことで前記両周縁部を接合する溶接工程と、
    前記接合された両周縁部を前記インナーパネル側に折り曲げることで前記挟み込み部を形成する折り曲げ工程とを含むことを特徴とするパネル複合体の形成方法。
  2. 前記インナーパネルの周縁部に隣接する領域に、前記アウターパネル側に向けて凹んだ部分を設けておき、これにより前記折り曲げ工程にて前記両周縁部の折り曲げを案内するようにした請求項1に記載のパネル複合体の形成方法。
  3. 前記溶接工程にて、一対の電極の一方を前記アウターパネルの周縁部の外側に配し、他方を前記インナーパネルの位置決め穴を利用して前記インナーパネルの所定の位置に配した状態で加圧通電を行う請求項1に記載のパネル複合体の形成方法。
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