JP2011103310A - 放電灯の駆動方法および駆動装置、光源装置並びに画像表示装置 - Google Patents

放電灯の駆動方法および駆動装置、光源装置並びに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放電灯をより長期間にわたって使用可能にする。
【解決手段】放電灯の駆動装置は、放電灯の2つの電極間に交流電流を供給する交流電流の周波数fdを周期的に切り替える。この周波数fdの切り替えは、周波数fdの切替周期Tm3内の複数の期間における周波数fdを互いに異なる値にすることにより行われる。そして、所定の条件が満たされた場合には、切替周期Tm3内で周波数fdが最も高い最高周波数期間Th3と、切替周期Tm3内で周波数fdが最も低い最低周波数期間Tl3との間で周波数fdは非単調に変更される。
【選択図】図9

Description

この発明は、電極間の放電により点灯する放電灯の駆動技術に関する。
プロジェクタ等の画像表示装置に使用される光源として、超高圧放電ランプ等の高輝度放電ランプが使用される。このような超高圧放電ランプでは、アークが形成される電極間の距離が使用に伴って長くなり光学系の光利用効率が低下し、プロジェクタなどの画像表示装置の表示画像の照度が低下する。このような表示画像の照度の低下を抑制するため、ランプ電圧の上昇で電極間距離が長くなったことを検出できることを利用して、ランプ電圧の上昇に伴い点灯周波数を所定時間毎に上昇させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように、点灯周波数を上昇させることにより、電極の先端には突起が再形成され、電極間距離の増大が抑制されることにより、表示画像の照度の低下が抑制される。
特開2005−276623号公報
しかしながら、超高圧放電灯の状態によっては、点灯周波数が高い状態に維持される。この場合、電極の先端に形成される突起の変形や微小化に伴う突起の複数化が進行し、アークの形成位置が移動するいわゆるアークジャンプが発生するおそれがある。また、高周波に維持される点灯周波数と、材質や形状等の電極の状態によっては、電極材が超高圧放電灯内部に蒸着する黒化等の劣化が進行するおそれがある。また、電極の劣化がさらに進行した場合は、一定の高い点等周波数を用いるだけでは電極間距離増大の抑制できず、プロジェクタなどの画像表示装置の表示画像の照度が低下するおそれがある。同様の問題は、超高圧放電灯に限らず、電極間のアーク放電により光を放射する種々の放電ランプ(放電灯)にも共通して存在する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、放電灯をより長期間にわたって使用可能にすることを目的とする。
本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
放電灯の駆動装置であって、前記放電灯の2つの電極間に交流電流を供給する交流電流供給部と、前記交流電流供給部が供給する交流電流の周波数を周期的に切り替える周波数切替部と、を備え、前記周波数切替部は、切替周期内の複数の期間における前記周波数を互いに異なる値にすることにより前記周波数を切り替え、所定の条件が満たされた場合に、前記切替周期内で前記周波数が最も高い最高周波数期間と、前記切替周期内で前記周波数が最も低い最低周波数期間との間で前記周波数を非単調に変更する放電灯の駆動装置。
一般に、周波数が低い状態では、突起の溶融が十分に行われ太い突起が形成されることにより、微小突起の形成が抑制される。また、周波数が高い状態では低周波で形成された太い突起が伸長する。そのため、電極間の増大が抑制されランプ電圧の上昇を抑制するとともに、突起の形状を安定したアークの生成に適した形状とすることができる。さらに、本適用例によれば、所定の条件が満たされた場合に、周波数を非単調に変化させることにより、低周波で突起が十分に溶融された後、高周波により突起が伸長する。このように、突起の伸長が促進されることにより、ランプ電圧の上昇がより抑制されることにより、放電灯をより長期間にわたって使用することが可能となる。
[適用例2]
適用例1記載の放電灯の駆動装置であって、前記所定の条件は、前記2つの電極間に所定の電力を供給する際の両電極間の電圧であるランプ電圧に基づいて判断され、前記周波数切替部は、前記ランプ電圧が所定の基準値を超えた場合に前記周波数を非単調に変更する放電灯の駆動装置。
この適用例によれば、所定の条件をランプ電圧に基づいて判断することにより、より確実にランプ電圧の上昇を抑制することができる。
[適用例3]
適用例2記載の放電灯の駆動装置であって、前記周波数切替部は、前記ランプ電圧が前記基準値よりも高い所定の上側閾値を越えた場合における前記周波数の変更量を、前記ランプ電圧が前記上側閾値を下回った場合における前記周波数の変更量よりも大きくする放電灯の駆動装置。
この適用例によれば、ランプ電圧が上限閾値を超えた場合に周波数の変更量を大きくすることにより、突起の成長をより促進することができ、より確実にランプ電圧の上昇を抑制することが可能となる。
[適用例4]
適用例2または3記載の放電灯の駆動装置であって、前記周波数切替部は、前記ランプ電圧が前記基準値よりも低い所定の下側閾値を下回った場合における前記周波数の変更範囲を、前記ランプ電圧が前記下側閾値を越えた場合における前記周波数の変更範囲よりも狭くする放電灯の駆動装置。
この適用例によれば、ランプ電圧が下側閾値を下回った場合に周波数の変更範囲を狭くすることにより、突起の成長が抑制される。そのため、ランプ電圧の更なる低下を抑制し、所定の電力を供給するために電流が増大することによる黒化を抑制することができる。
[適用例5]
適用例4記載の放電灯の駆動装置であって、前記ランプ電圧が前記基準値よりも低い所定の下側閾値を下回った場合における前記最高周波数期間の周波数を、前記ランプ電圧が前記下側閾値を越えた場合における前記最高周波数期間の周波数よりも低くする放電灯の駆動装置。
この適用例によれば、最高周波数期間の周波数を低くすることにより、突起の伸長が抑制されることにより、突起の成長が抑制される。
[適用例6]
適用例4または5記載の放電灯の駆動装置であって、前記ランプ電圧が前記下側閾値を下回った場合における前記最低周波数期間の周波数を、前記ランプ電圧が前記した下側閾値を超えた場合における前記最低周波数期間の周波数よりも高くする放電灯の駆動装置。
この適用例によれば、最低周波数期間の周波数を高くすることにより、突起の溶融が抑制されることにより、突起の成長が抑制される。
[適用例7]
適用例1記載の放電灯の駆動装置であって、前記所定の条件は、前記放電灯の劣化状態に基づいて判断され、前記周波数切替部は、前記放電灯の劣化が進行していると判断された場合に、前記周波数を非単調に変更する放電灯の駆動装置。
一般に、放電灯が劣化すると電極間の距離が増大してランプ電圧が高くなるため、放電灯の劣化状態に基づいて所定の条件を判断する方法として、ランプ電圧が上昇したら、放電灯の劣化状態が進行したと判断することができる。なお、放電灯の劣化状態に基づいた所定の条件として、放電灯駆動電流、光学系での所定場所での光量または照度などの他のパラメータの変移で放電灯の劣化状態の進行度を判断することもできる。
[請求項8]
放電灯の駆動装置であって、前記放電灯の2つの電極間に交流電流を供給する交流電流供給部と、前記交流電流供給部が供給する交流電流の周波数を周期的に切り替える周波数切替部と、を備え、前記周波数切替部は、切替周期内の複数の期間における前記周波数を互いに異なる値にすることにより前記周波数を切り替え、所定の条件が満たされた場合に、前記複数の期間のうち時間的に連続する2つの期間の間の周波数の変化量を、前記所定の条件が満たされていない場合における前記2つの期間の間の周波数の変化量よりも大きくする放電灯の駆動装置。
本適用例によれば、所定の条件が満たされた場合に、連続する2つの期間の間の周波数の変化量を大きくすることにより、低周波時における溶融性の向上と、高周波時における突起の伸長がより促進される。このように本適用例によっても、突起の伸長が促進されるので、ランプ電圧の上昇がより抑制され、放電灯をより長期間にわたって使用することが可能となる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、放電灯の駆動装置と駆動方法、放電灯を使用した光源装置とその制御方法、その光源装置を利用した画像表示装置、等の態様で実現することができる。
本発明の一実施例としてのプロジェクタの概略構成図。 光源装置の構成を示す説明図。 放電灯駆動装置の構成を示すブロック図。 駆動周波数の変調パターンの一例を示す説明図。 異なる駆動周波数で放電灯を駆動することにより主鏡側電極の形状が変化する様子を示す説明図。 変調パターン設定部が駆動周波数の変調パターンを設定する処理の流れを示すフローチャート。 ランプ電圧に基づいて設定される変調パターンの一例を示す説明図。 ランプ電圧に基づいて設定される変調パターンの一例を示す説明図。 ランプ電圧に基づいて設定される変調パターンの一例を示す説明図。 ランプ電圧に基づいて設定される変調パターンの一例を示す説明図。 ランプ電圧に基づいて設定される変調パターンの一例を示す説明図。 駆動波形の第1の変形例を示す説明図。 駆動波形の第2の変形例を示す説明図。 駆動波形の第3の変形例を示す説明図。
A1.プロジェクタの構成:
図1は、一実施例としてのプロジェクタ1000の概略構成図である。プロジェクタ1000は、光源装置100と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ330R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投写光学系350とを備えている。
光源装置100は、放電灯500が取り付けられた光源ユニット110と、放電灯500を駆動する放電灯駆動装置200とを有している。放電灯500は、放電灯駆動装置200から電力の供給を受けて光を放射する。光源ユニット110は、放電灯500の放射光を照明光学系310に向けて射出する。なお、光源ユニット110および放電灯駆動装置200の具体的な構成や機能については、後述する。
光源ユニット110から射出された光は、照明光学系310により、照度が均一化されるとともに、偏光方向が一方向に揃えられる。照明光学系310を経て照度が均一化され偏光方向が揃えられた光は、色分離光学系320により、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3色の色光に分離される。色分離光学系320により分離された3色の色光は、それぞれ対応する液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより変調される。液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより変調された3色の色光は、クロスダイクロイックプリズム340により合成され、投写光学系350に入射する。投写光学系350が、入射した光を図示しないスクリーン上に投影することにより、スクリーン上には液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより変調された画像が合成されたフルカラーの映像として画像が表示される。なお、本実施例では、3つの液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより3色の色光を別個に変調しているが、カラーフィルタを備える1つ液晶ライトバルブで光の変調を行うものとしてもよい。この場合、色分離光学系320とクロスダイクロイックプリズム340を省略することができる。
A2.光源装置の構成:
図2は、光源装置100の構成を示す説明図である。光源装置100は、上述のように、光源ユニット110と放電灯駆動装置200とを有している。光源ユニット110は、放電灯500と、回転楕円形の反射面を有する主反射鏡112と、出射光をほぼ並行光にする平行化レンズ114とを備えている。ただし、主反射鏡112の反射面は、必ずしも回転楕円形である必要はない。例えば、主反射鏡の112の反射面は、回転放物形であってもよい。この場合、放電灯500の発光部を放物面鏡のいわゆる焦点に置けば、平行化レンズ114を省略することができる。主反射鏡112と放電灯500とは、無機接着剤116により接着されている。
放電灯500は、放電灯本体510と、球面状の反射面を有する副反射鏡520とを無機接着剤522で接着することにより形成されている。放電灯本体510は、例えば、石英ガラスなどのガラス材料で形成されている。放電灯本体510には、タングステン等の高融点金属の電極材で形成された2つの電極532,542と、2つの接続部材534,544と、2つの電極端子536,546とが設けられている。電極532,542は、その先端部が放電灯本体510の中央部に形成された放電空間512において対向するように配置されている。放電空間512には、放電媒体として、希ガス、水銀や金属ハロゲン化合物等を含むガスが封入されている。接続部材534,544は、電極532,542と、電極端子536,546とをそれぞれ電気的に接続する部材である。
放電灯500の電極端子536,546は、それぞれ放電灯駆動装置200に接続されている。放電灯駆動装置200は、電極端子536,546にパルス状の交流電流(交流パルス電流)を供給する。電極端子536,546に交流パルス電流が供給されると、放電空間512内の2つの電極532,542の先端部の間で、アークARが生じる。アークARは、アークARの発生位置から全方位に向かって光を放射する。副反射鏡520は、一方の電極542の方向に放射される光を、主反射鏡112に向かって反射する。このように、電極542方向に放射される光を主反射鏡112に向かって反射することにより、光源ユニット110から射出される光の平行度をより高くすることができる。なお、以下では、副反射鏡520が設けられている側の電極542を「副鏡側電極542」とも呼び、他方の電極532を「主鏡側電極532」とも呼ぶ。
図3は、放電灯駆動装置200の構成を示すブロック図である。放電灯駆動装置200は、駆動制御部210と、点灯回路220とを有している。駆動制御部210は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、タイマ640と、点灯回路220に制御信号を出力する出力ポート650と、点灯回路220からの信号を取得する入力ポート660とを備えるコンピュータとして構成されている。駆動制御部210のCPU610は、タイマ640と入力ポート660からの出力信号に基づいて、ROM620に格納されたプログラムを実行する。これにより、CPU610は、駆動周波数変調部612および変調パターン設定部614としての機能を実現する。なお、CPU610により実現される駆動周波数変調部612および変調パターン設定部614のそれぞれの機能については、後述する。
点灯回路220は、交流パルス電流を発生するインバータ222を有している。点灯回路220は、駆動制御部210から出力ポート650を介して供給される制御信号に基づいて、インバータ222を制御する。具体的には、点灯回路220は、制御信号により指定された給電条件(例えば、交流パルス電流の周波数やパルス波形)に応じた交流パルス電流をインバータ222に発生させる。インバータ222は、点灯回路220により指定された給電条件に従って、放電灯500に供給する定電力(例えば、200W)の交流パルス電流を発生し、発生した交流パルス電流を放電灯500に供給する。
点灯回路220は、また、放電灯500に定電力の交流パルス電流を供給する際の電極532,542間の電圧(ランプ電圧)を検出するように構成されている。一般に、放電灯500が点灯されると、電極532,542が消耗し、その先端が平坦化する。電極532,542の先端が平坦化すると、電極間532,542の距離が増大する。そのため、放電灯500が劣化して電極532の消耗が進むと、放電灯500の定電力駆動に要する電極532,542間の電圧(ランプ電圧)が上昇する。従って、ランプ電圧を検出することにより、放電灯500の劣化状態を検出することができる。電極532,542が消耗してその先端が平坦化すると、アークは、平坦化した部分のランダムな位置を基点として発生する。そのため、電極532,542の先端が平坦化すると、アークの発生位置が移動するいわゆるアークジャンプが発生する。
駆動制御部210の駆動周波数変調部612は、変調パターン設定部614により設定される変調パターンに従って、点灯回路220が出力する交流パルス電流の周波数(駆動周波数)fdを設定する。このように、放電灯500の駆動周波数は、駆動周波数変調部612と変調パターン設定部614とにより切り替えられる。そのため、駆動周波数変調部612と変調パターン設定部614とは、併せて「駆動周波数切替部」とも呼ぶことができる。なお、変調パターン設定部614は、後述するように、ランプ電圧に応じて設定する変調パターンを変更する。
A3.放電灯の駆動周波数変調:
図4は、変調パターン設定部614により設定される駆動周波数fdの変調パターンの一例を示す説明図である。図4(a)は、駆動周波数fdの時間変化を示すグラフである。図4(a)に示す変調パターンでは、変調周期Tm1(12秒)が、長さが1秒の12の期間に分割されている。この変調パターンでは、駆動周波数fdが最も低い期間(最低周波数期間)Tl1と、駆動周波数fdが最も高い期間(最高周波数期間)Th1との間の複数の期間(中間周波数期間)において、駆動周波数fdが単調に変化している。
図4(b)は、図4(a)に示す変調パターンの最低周波数期間Tl1と最高周波数期間Th1とにおいて、放電灯500に供給される電流(ランプ電流)Ipの時間変化を示している。図4(b)において、ランプ電流Ipの正方向は、主鏡側電極532から副鏡側電極542に向かって電流が流れる方向を表している。すなわち、ランプ電流Ipが正の値である期間Tal,Tahでは、主鏡側電極532が陽極として動作し、ランプ電流Ipが負の値である期間Tcl,Tchでは、主鏡側電極532が陰極として動作する。なお、以下では、一方の電極が陽極として動作する期間を当該電極の「陽極期間」とも呼び、一方の電極が陰極として動作する期間を当該電極の「陰極期間」とも呼ぶ。
図4(a)に示すように、最高周波数期間Th1における駆動周波数fd(290Hz)は、最低周波数期間Tl1における駆動周波数fd(55Hz)の約5.3倍となっている。そのため、図4(b)に示すように、最低周波数期間Tl1においてランプ電流Ipの極性が切り替えられる切替周期Tplは、最高周波数期間Th1における切替周期Tphの約5.3倍の長さとなっている。また、最低周波数期間Tl1における主鏡側電極532の陽極期間Talと陰極期間Tclとは、それぞれ、最高周波数期間Th1における陽極期間Tahと陰極期間Tchの約5.3倍の長さとなっている。
本実施例では、図4(b)に示すように、主鏡側電極532および副鏡側電極542の陽極デューティ比がいずれも50%としている。ここで、主鏡側電極532の陽極デューティ比とは、切り替え周期Tpl(Tph)に対する、主鏡側電極532の陽極期間Tal(Tah)の長さの比率である。また、副鏡側電極542の陽極デューティ比とは、切り替え周期Tpl(Tph)に対する、副鏡側電極542の陽極期間、すなわち主鏡側電極532の陰極期間Tcl(Tch)の長さの比率である。これらの2つの電極532,542の陽極デューティ比を必ずしも同じものとする必要はない。例えば、図2に示すように副反射鏡520を有する放電灯500を用いる場合に、副鏡側電極542から熱が放出されにくくなることを考慮して、副鏡側電極542の陽極デューティ比を50%よりも低くする、すなわち、主鏡側電極532の陽極デューティ比を50%よりも高くすることも可能である。後述するように、電極における熱の発生は当該電極の陽極期間において起きるので、一方の電極の陽極デューティ比が高くなるに従って、当該電極での発熱量が多くなる。そのため、副鏡側電極542の過度な温度上昇を抑制できる点で、熱が放出されにくい副鏡側電極542の陽極デューティ比を50%よりも低くするのがより好ましい。
図5は、図4(a)に示すように異なる駆動周波数fdで放電灯500を駆動することにより、主鏡側電極532の形状が変化する様子を示す説明図である。図5(a)に示すように、電極532,542には、それぞれ、対向する電極に向かって突起538,548が形成されている。図5(b)は、駆動周波数fdが低い場合における主鏡側電極532の状態を示している。図5(c)は、駆動周波数fdが高い場合にける主鏡側電極532の状態を示している。
図5(a)は、主鏡側電極532の陽極期間における2つの電極532,542の状態を示している。図5(a)に示すように、主鏡側電極532の陽極期間では、電子が副鏡側電極542から放出され、主鏡側電極532に衝突する。陽極となっている主鏡側電極532では、衝突した電子の運動エネルギが熱エネルギに変換されるため温度が上昇する。一方、陰極となっている副鏡側電極542では、電子の衝突が起こらないため、熱伝導や放射等により温度が低下する。同様に、副鏡側電極542の陽極期間(すなわち、主鏡側電極532の陰極期間)においては、副鏡側電極542の温度が上昇し、主鏡側電極532の温度が低下する。
主鏡側電極532の陽極期間において、主鏡側電極532の温度が上昇することにより、主鏡側電極532の突起538には、電極材が溶融した溶融部が発生する。そして、主鏡側電極532の陰極期間になると、主鏡側電極532の温度が低下し、突起538の先端部に生じた溶融部の固化が始まる。このように、突起538,548に溶融部が発生し、発生した溶融部が固化することにより、突起538,548は、対向電極に向かって凸の形状に維持される。
図5(b)および図5(c)は、突起の形状に対して駆動周波数fdが及ぼす影響を示している。駆動周波数fdが低い場合、陽極状態の主鏡側電極532の突起538aは、広い範囲にわたって温度が上昇する。また、駆動周波数fdが低い場合には、対向する副鏡側電極542との電位差により溶融部MRaに加わる力も、溶融部MRaの広い範囲に対して加わる。そのため、図5(b)に示すように、陽極状態の主鏡側電極532の突起538には、扁平な溶融部MRaが形成される。そして、主鏡側電極532が陰極状態になると、溶融部MRaが固化して、扁平な形状の突起538aが形成される。このように、駆動周波数fdが低い場合には、突起538aの形状が扁平化していく。そのため、駆動周波数fdが低い状態が連続すると、突起538aの扁平化が進行し、突起538aが消失する可能性がある。
一方、駆動周波数fdが高い場合、陽極状態の主鏡側電極532の突起538bにおいて温度が上昇する範囲は小さくなり、突起538bには駆動周波数fdが低い場合よりも小さい溶融部MRbが形成される。また、突起538bの溶融部MRbに加わる力は、溶融部MRbの中心部に集中する。そのため、図5(c)に示すように、突起538に形成された溶融部MRbは、対向する副鏡側電極542に向かって細長くなり、陰極期間において溶融部MRbが固化した突起538bの形状は細長くなる。このように、駆動周波数fdが高い場合、突起538bの形状が細長くなっていくため、駆動周波数fdが高い状態が連続すると、突起538bの微細化が進行し、変形しやすい微小突起が形成される。
そこで、本実施例では、変調周期Tm1(図4)中において駆動周波数fdを変調することにより、連続的に高周波駆動することにより生じる微小突起の生成と、連続的に低周波駆動することによる突起の消失とを抑制し、突起538をより好ましい状態に維持している。上述のように、駆動周波数fdが低い場合、突起538aが十分に溶融されることにより、突起538aは大きくなる。一方、駆動周波数fdが高い場合、対向する電極に向かうように突起538bの伸長が促進される。そのため、駆動周波数fdを変調することにより、低周波駆動時に突起538aが大きくなり、高周波駆動時に突起538bが伸長することにより、円錐状等、アークの発生位置を安定化させるのに好ましい形状の突起が形成される。なお、図4に示すような変調パターンにより逐次周波数を変動させた場合、上述したような駆動周波数fdが高い場合の現象と低い場合の現象が連続的に繰り返されるため、見た目には電極532,542の先端の突起538,548が、円錐状等、アークの発生位置を安定化させるのに好ましい形状が維持されているようにみえ、低周波駆動時に突起538aが大きくなり、高周波駆動時に突起538bが伸長する現状を観察するのは難しい。
さらに、図4(a)に示す駆動パターンでは、最低周波数期間Tl1と最高周波数期間Th1との間に、駆動周波数fdが単調に変化する中間的な駆動周波数fdの期間を設けている。そのため、突起538aが大きくなった後、大きくなった突起は細長い形状へ順次変化する。このように、大きな突起が順次細長い形状に変形されることにより、好ましい形状の突起がより確実に形成される。
A4.変調パターンの設定:
図6は、変調パターン設定部614が駆動周波数の変調パターンを設定する処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、放電灯駆動装置200において、例えば、プロジェクタ1000の起動中あるいは放電灯500の点灯中に常時実行される。但し、駆動周波数の変調パターンの設定処理は、必ずしも常時実行される必要はない。例えば、タイマ640(図3)を、放電灯500の点灯時間が所定の時間(例えば、10時間)経過するごとにインターバル信号を発生するように構成し、CPU610がインターバル信号を受け取った場合に変調パターンの設定処理を実行するものとしてもよい。
ステップS110において、変調パターン設定部614は、CPU610が入力ポート660を介して取得したランプ電圧を取得する。次いで、ステップS120において、変調パターン設定部614は、取得したランプ電圧に基づいて、変調パターンを選択する。具体的には、変調パターン設定部614は、ROM620あるいはRAM630に格納され、ランプ電圧の範囲と変調パターンとを対応づけるデータを参照して、変調パターンを選択する。ステップS130では、変調パターン設定部614が、選択した変調パターンを駆動周波数変調部612に設定する。これにより、駆動周波数fdは、ランプ電圧Vpに応じて設定されたパターンで変調される。ステップS130の後、制御はステップS110に戻され、ステップS110〜S130は繰り返し実行される。
図7ないし図11は、ランプ電圧Vpに基づいて設定される変調パターンの一例を示す説明図である。本実施例では、変調パターンとしては、ランプ電圧Vpに応じて、5種類のパターンが使用される。
図7は、ランプ電圧Vpが70〜80Vの際に設定される変調パターンを示している。本実施例では、初期のランプ電圧が75Vの放電灯500を使用している。そのため、放電灯500の使用開始時点においては、駆動周波数fdは図7に示す変調パターンに従って変調される。なお、図7に示す変調パターンは、図4(a)に示す変調パターンと同じであるので、ここではその説明を省略する。
上述のように、ランプ電圧Vpは、放電灯500の使用に伴って電極532,542が消耗することにより上昇する。しかしながら、駆動条件によっては、電極532,542の先端の突起538,548が成長し、放電灯500の使用開始時点よりもランプ電圧Vpが低下する場合もある。図8は、このようにランプ電圧Vpが低下し、70Vを下回った際に設定される変調パターンを示している。
図8に示す変調パターンにおいても、図7に示す変調パターンと同様に、変調周期Tm2(12秒)は、長さが1秒の12の期間に分割されている。また、最低周波数期間Tl2と、最高周波数期間Th2との間の中間周波数期間において、駆動周波数fdは単調に変化している。
一方、最高周波数期間Th2の駆動周波数fdは、図7の変調パターンにおける最高周波数期間Th1の駆動周波数fd(290Hz)よりも低い値(230Hz)となっている。また、最低周波数期間Tl2の駆動周波数fdは、図7の変調パターンにおける最低周波数期間Tl1の駆動周波数fd(55Hz)よりも高い値(80Hz)となっている。
このように、駆動周波数fdの変調範囲を狭くすることにより、低周波駆動時における大きな突起の形成と、高周波駆動時における突起の伸長とが抑制される。そのため、さらなる突起538,548の成長が抑制される。なお、図8の例では、最高周波数期間Th2の駆動周波数fd(=230Hz)を、図7に示す変調パターンの最高周波数期間Tl1の駆動周波数fd(=290hz)よりも低くしているが、必ずしも最高周波数期間Th2の駆動周波数fdを低くする必要はない。このようにしても、最低周波数期間Tl2の駆動周波数fdが高くなることにより、低周波駆動時における突起の溶融が抑制されるため、突起538,548の成長を抑制することが可能となる。但し、より確実に突起538,548の成長を抑制できる点で、最高周波数期間Th2の駆動周波数fdを低くするのがより好ましい。
ランプ電圧Vpが低下した際に、駆動周波数fdの変調範囲を狭くして突起538,548の成長を抑制することにより、更なるランプ電圧Vpの低下によるランプ電流Ipの増大が抑制される。そのため、ランプ電流Ipの増大による放電灯500内部の黒化を抑制することができる。また、ランプ電流Ipの増大を抑制することにより、インバータ220を構成するバラスト回路の熱負荷を軽減することが可能となる。なお、図8に示す変調パターンにおいても、最低周波数期間Tl2と最高周波数期間Th2との間の中間周波数期間において駆動周波数fdを単調に変化させることにより、連続して低周波駆動することによる突起の消失や、連続して高周波駆動することによる微小突起の生成を抑制し、形成される突起を好ましい形状に維持することができる。
図8に示す変調パターンを使用して突起538,548の成長を抑制することにより、ランプ電圧Vpは、放電灯500の使用に伴って上昇する。そして、ランプ電圧Vpが70V以上となった場合には、図7に示す変調パターンが設定される。これにより、突起538,548の成長が促進され、電極532,542の消耗によるランプ電圧Vpの上昇が抑制される。
図9は、放電灯の点灯累積時間の増加に伴いランプ電圧Vpが上昇して、80V以上となった際に設定される変調パターンを示している。図9の変調パターンでは、変調周期Tm3(11秒)が、長さが1秒の11の期間に分割されている。図9の変調パターンでは、図7および図8の変調パターンと異なり、最低周波数期間Tl3と最高周波数期間Th3との間の中間周波数期間において、駆動周波数fdが高い期間と低い期間とが交互に設定されている。駆動周波数fdが高い期間と低い期間を交互に設けることにより、中間周波数期間において駆動周波数fdは非単調に変化する。このように、駆動周波数fdを非単調に変化させることにより、図5(b)に示すように低周波駆動により突起538aの溶融性が高くなった状態で、図5(c)に示すように高周波駆動による突起538bの伸長が促進される。そのため、突起538bの副鏡側電極542への伸長がより促進され、ランプ電圧Vpの上昇が抑制される。また、アークは、高周波駆動することにより形成された細長い突起538bの位置に発生するため、その突起の位置の温度が上昇する。そのため、低周波駆動時においても高周波駆動時に形成された突起538bにおいてアークが発生しやすくなり、低周波駆動時における突起538aの中心位置が定められ、突起の移動を抑制することが可能となる。
なお、非単調に変化させるとは、最大周波数期間の周波数(最高周波数)から最低周波数期間の周波数(最低周波数)まで、あるいは、最低周波数から最高周波数まで周波数を変化させる際に、その変化方向とは反対の方向に変化させることを言う。例えば、駆動周波数fdを一方向に段階的に変化させていく際の2以上の中間周波数期間の順番を入れ換えることにより、駆動周波数fdを非単調に変化させることもできる。また、非単調とは、最高周波数から最低周波数まで、あるいは、最低周波数から最高周波数まで変化させる際の、特定の方向の変化量の和が最高周波数と最低周波数との差よりも大きい状態であるとも表現することができる。駆動周波数fdを非単調に変化させるための変調パターンは、変調パターンを規定する各期間の時間的な中心点を結ぶ基本波形(図7の例では、三角波)に、当該基本波形よりも高周波の波形を重畳した波形により規定するものとしてもよい。この場合、重畳される高周波の波形としては、ホワイトノイズやブルーノイズなどの雑音波形としても良い。また、1/f揺らぎ特性を有する波形で、変調パターンを規定しても良い。
図10は、ランプ電圧Vpが更に上昇して、90V以上となった際に設定される変調パターンを示している。図10の変調パターンでは、変調周期Tm4(11秒)が、長さが1秒の11の期間に分割されている。図10の変調パターンでは、変調周期Tm4の前半および後半のそれぞれにおいて、所定の周波数(図10の例では150Hz)よりも高い周波数と低い周波数とがそれぞれ交互に設定されている。これにより、図9の変調パターンと同様に、最低周波数期間Tl4と最高周波数期間Th4との間の中間周波数期間において、駆動周波数fdが非単調に変化する。
図10に示す変調パターンでは、図9に示す変調パターンよりも駆動周波数fdの変化量が大きくなっている。そのため、突起538aの溶融性がより高くなった状態で、高周波駆動による突起538bの伸長がより促進される。そのため、図9の変調パターンを設定した場合よりも、さらに突起の成長が促進される。また、中間周波数期間を設けることにより、駆動周波数fdの変化量が大きい状態が継続することを抑制し、駆動周波数fdの変化が大きい場合に発生するおそれがある黒化等の劣化の進行を抑制することができる。さらに、中間周波数期間を設けることによって、変調周期Tm4中における最高周波数期間Th4および最低周波数期間Tl4を短縮することにより、高周波駆動の際に形成される微小突起の発生を抑制するとともに、低周波駆動の際に発生しやすいちらつきを抑制することが可能となる。
図11は、ランプ電圧Vpが更に上昇して、110V以上となった際に設定される変調パターンを示している。図11の変調パターンでは、変調周期Tm5(15秒)が、長さが1秒の15の期間に分割されている。図11の変調パターンは、図10の変調パターンに、より低周波の最低周波数期間Tl5と、より高周波の最高周波数期間Th5と、これらの2つの期間の前後に2つの中間周波数期間を付加することにより、駆動周波数fdの変調範囲を拡大している。図11の変調パターンにおいても、変調周期Tm5の前半および後半のそれぞれにおいて、所定の周波数(図11の例では150Hz)よりも高い周波数と低い周波数とがそれぞれ交互に設定されている。これにより、図10の変調パターンと同様に、最低周波数期間Tl5と最高周波数期間Th5との間の中間周波数期間において、駆動周波数fdが非単調に変化する。
なお、図11の変調パターンでは、図10の変調パターンに高周波と低周波の4つの期間を付加することにより駆動周波数fdの変調範囲を拡大しているが、他の方法により駆動周波数fdの変調範囲を拡大することも可能である。例えば、図10の変調パターンにおいて、最高周波数期間Th4の駆動周波数fdをより高くし、最低周波数期間Tl4における駆動周波数fdをより低くするものとしてもよい。また、図10の変調パターン全体を周波数軸方向に伸長することにより、駆動周波数fdの変調範囲を拡大するものとしてもよい。
このように、図11に示す変調パターンでは、図10に示す変調パターンよりも駆動周波数fdの変化量が更に大きくなっている。そのため、図10の変調パターンを設定した場合よりも、さらに突起の成長が促進される。また、図10の変調パターンと同様に、中間周波数期間を設けることにより、黒化等の劣化の進行を抑制するとともに、高周波駆動の際に形成される微小突起の発生と、低周波駆動の際に発生しやすいちらつきとを抑制することが可能となる。
このように、本実施例によれば、ランプ電圧Vpに応じて変調パターンが切り替えられる。そして、ランプ電圧Vpが所定の値(本実施例では、80V)以上となった場合に、最高周波数期間と最低周波数期間との間の中間周波数期間において、駆動周波数fdを非単調に変更することにより、突起538,548の成長が促進される。そのため、電極532,542の消耗に伴うランプ電圧Vpの上昇を抑制することができ、より長期間にわたって放電灯を使用することが可能となる。
上記実施例では、ランプ電圧Vpに応じて設定される5つの変調パターンを示しているが、ランプ電圧Vpが所定の値以上となった場合に、最高周波数期間と最低周波数期間との間で駆動周波数fdが非単調に変更されればよく、各変調パターンにおける駆動周波数fdの設定値、変調パターンの形態、変調パターンの数、および変調パターンを切り替えるランプ電圧Vpの閾値は、適宜変更することが可能である。また、上記の5つの変調パターンでは、駆動周波数fdが一定に設定される時間(ステップ時間)を1秒とし、変調周期Tm1〜Tm5をそれぞれ11〜15の期間に分割しているが、ステップ時間、変調周期の長さ、変調周期内における駆動周波数fdの切り替え回数も、適宜変更することも可能である。この場合、駆動周波数fdの設定値毎にステップ時間を変えるものとしてもよい。
なお、図7ないし図11から明らかなように、本実施例の変調パターンでは、最高周波数期間Th1〜Th5および最高周波数期間Th1〜Th5に続く期間等、時間的に連続する2つの期間の間の駆動周波数fdの変化量は、ランプ電圧Vpが上昇するに従って、より大きくなっている。このように、連続する2つの期間の間の駆動周波数fdの変化量を大きくすることにより、低周波駆動による突起538,548の溶融性の向上と、高周波駆動による突起538,548の伸長とがより促進される。そのため、ランプ電圧Vpの上昇に従って、ランプ電圧Vpの上昇を抑制する効果がより高くなる。
なお、本実施例では、ランプ電圧Vpに基づいて駆動周波数fdの変調パターンを設定しているが、変調パターンは、電極532,542の消耗状態、すなわち、放電灯500の劣化状態に基づいて設定するものとしても良い。放電灯500の劣化状態は、種々の方法により検出することが可能である。例えば、突起538,548の平坦化に伴うアークジャンプの発生に基づいて放電灯500の劣化状態を検出することも可能である。また、突起538,548間の距離が増加しプロジェクタなどの画像表示装置の光学系での光利用効率が低下することによる画像表示に利用できる光量の低下などに基づいて放電灯500の劣化状態を検出することも可能である。アークジャンプの発生や光量の低下は、放電灯500に近接して配置されたフォトダイオード等の光センサを用いて検出することができる。
B.駆動波形の変形例:
上記実施例では、図4(b)に示すように、ランプ電流Ipの時間変化を表す駆動波形として、矩形波を用いているが、矩形波以外の種々の波形を駆動波形として使用することができる。図12ないし図14は、図4(b)に示す駆動波形に替えて使用することが可能な駆動波形の例を示している。なお、図12ないし図14では、主鏡側電極532の陽極期間を符号Taで、陰極期間をTcで示している。
図12に示す駆動波形の第1の変形例は、矩形波に対して、矩形波と同一周波数のランプ波を重畳した波形である。図13に示す駆動波形の第2の変形例は、矩形波に対して、期間Ta,Tcの後端の1/4の期間に矩形波を重畳した波形である。図14に示す駆動波形の第3の変形例は、矩形波に対して、期間Ta,Tcの後半にランプ波を重畳した波形である。
このように、駆動波形としては、種々の波形を用いることができる。但し、矩形波以外の駆動波形を用いる場合、駆動波形および駆動周波数fdは、照度の変動やスクロールノイズの発生度合などを考慮して適宜選択される。
図12ないし図14に示すように、極性が同一の期間Ta,Tcの後端のランプ電流Ipの絶対値を、期間Ta,Tcの平均ランプ電流の絶対値よりも大きくすることにより、電極532,542の極性が陽極から陰極に切り替わる際の電極532,542の温度をより高くすることができる。そのため、突起538,548の周辺を十分に溶融することが可能となり、突起の成長をより促進することが可能となる。
C.変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施例では、プロジェクタ1000(図1)における光変調手段として、液晶ライトバルブ330R,330G,330Bを用いているが、光変調手段としては、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス:Texas Instruments社の商標)など、他の任意の変調手段を用いることも可能である。また、本発明は、放電灯を光源とする装置であれば、液晶表示装置をはじめとする種々の画像表示装置や、露光装置や照明装置等に適用することもできる。
100…光源装置
110…光源ユニット
112…主反射鏡
114…平行化レンズ
116…無機接着剤
200…放電灯駆動装置
210…駆動制御部
220…点灯回路
310…照明光学系
320…色分離光学系
330R,330G,330B…液晶ライトバルブ
340…クロスダイクロイックプリズム
350…投写光学系
500…放電灯
510…放電灯本体
512…放電空間
520…副反射鏡
522…無機接着剤
532,542…電極
534,544…接続部材
536,546…電極端子
538,548,548a,548b…突起
610…CPU
612…駆動周波数変調部
614…変調パターン設定部
620…ROM
630…RAM
640…タイマ
650…出力ポート
660…入力ポート
1000…プロジェクタ

Claims (11)

  1. 放電灯の駆動装置であって、
    前記放電灯の2つの電極間に交流電流を供給する交流電流供給部と、
    前記交流電流供給部が供給する交流電流の周波数を周期的に切り替える周波数切替部と、
    を備え、
    前記周波数切替部は、
    切替周期内の複数の期間における前記周波数を互いに異なる値にすることにより前記周波数を切り替え、
    所定の条件が満たされた場合に、前記切替周期内で前記周波数が最も高い最高周波数期間と、前記切替周期内で前記周波数が最も低い最低周波数期間との間で前記周波数を非単調に変更する
    放電灯の駆動装置。
  2. 請求項1記載の放電灯の駆動装置であって、
    前記所定の条件は、前記2つの電極間に所定の電力を供給する際の両電極間の電圧であるランプ電圧に基づいて判断され、
    前記周波数切替部は、前記ランプ電圧が所定の基準値を超えた場合に前記周波数を非単調に変更する
    放電灯の駆動装置。
  3. 請求項2記載の放電灯の駆動装置であって、
    前記周波数切替部は、前記ランプ電圧が前記基準値よりも高い所定の上側閾値を越えた場合における前記周波数の変更量を、前記ランプ電圧が前記上側閾値を下回った場合における前記周波数の変更量よりも大きくする
    放電灯の駆動装置。
  4. 請求項2または3記載の放電灯の駆動装置であって、
    前記周波数切替部は、前記ランプ電圧が前記基準値よりも低い所定の下側閾値を下回った場合における前記周波数の変更範囲を、前記ランプ電圧が前記下側閾値を越えた場合における前記周波数の変更範囲よりも狭くする
    放電灯の駆動装置。
  5. 請求項4記載の放電灯の駆動装置であって、
    前記ランプ電圧が前記基準値よりも低い所定の下側閾値を下回った場合における前記最高周波数期間の周波数を、前記ランプ電圧が前記下側閾値を越えた場合における前記最高周波数期間の周波数よりも低くする
    放電灯の駆動装置。
  6. 請求項4または5記載の放電灯の駆動装置であって、
    前記ランプ電圧が前記下側閾値を下回った場合における前記最低周波数期間の周波数を、前記ランプ電圧が前記した下側閾値を超えた場合における前記最低周波数期間の周波数よりも高くする
    放電灯の駆動装置。
  7. 請求項1記載の放電灯の駆動装置であって、
    前記所定の条件は、前記放電灯の劣化状態に基づいて判断され、
    前記周波数切替部は、前記放電灯の劣化が進行していると判断された場合に、前記周波数を非単調に変更する
    放電灯の駆動装置。
  8. 放電灯の駆動装置であって、
    前記放電灯の2つの電極間に交流電流を供給する交流電流供給部と、
    前記交流電流供給部が供給する交流電流の周波数を周期的に切り替える周波数切替部と、
    を備え、
    前記周波数切替部は、
    切替周期内の複数の期間における前記周波数を互いに異なる値にすることにより前記周波数を切り替え、
    所定の条件が満たされた場合に、前記複数の期間のうち時間的に連続する2つの期間の間の周波数の変化量を、前記所定の条件が満たされていない場合における前記2つの期間の間の周波数の変化量よりも大きくする
    放電灯の駆動装置。
  9. 光源装置であって、
    放電灯と、
    前記放電灯を点灯するために、前記放電灯の2つの電極間に交流電流を供給する交流電流供給部と、
    前記交流電流供給部が供給する交流電流の周波数を周期的に切り替える周波数切替部と、
    を備え、
    前記周波数切替部は、
    切替周期内の複数の期間における前記周波数を互いに異なる値にすることにより前記周波数を切り替え、
    所定の条件が満たされた場合に、前記切替周期内で前記周波数が最も高い最高周波数期間と、前記切替周期内で前記周波数が最も低い最低周波数期間との間で前記周波数を非単調に変更する
    光源装置。
  10. 画像表示装置であって、
    画像表示用の光源である放電灯と、
    前記放電灯を点灯するために、前記放電灯の2つの電極間に交流電流を供給する交流電流供給部と、
    前記交流電流供給部が供給する交流電流の周波数を周期的に切り替える周波数切替部と、
    を備え、
    前記周波数切替部は、
    切替周期内の複数の期間における前記周波数を互いに異なる値にすることにより前記周波数を切り替え、
    所定の条件が満たされた場合に、前記切替周期内で前記周波数が最も高い最高周波数期間と、前記切替周期内で前記周波数が最も低い最低周波数期間との間で前記周波数を非単調に変更する
    画像表示装置。
  11. 放電灯の2つの電極間に供給する交流電流の周波数を周期的に切り替える放電灯の駆動方法であって、
    切替周期内の複数の期間における前記周波数を互いに異なる値にすることにより前記周波数を切り替え、
    所定の条件が満たされた場合に、前記切替周期内で前記周波数が最も高い最高周波数期間と、前記切替周期内で前記周波数が最も低い最低周波数期間との間で前記周波数を非単調に変更する
    放電灯の駆動方法。
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