JP2011102839A - 画像形成装置、プロセスユニットの制御方法およびその方法を用いた画像形成装置、プロセスユニット - Google Patents
画像形成装置、プロセスユニットの制御方法およびその方法を用いた画像形成装置、プロセスユニット Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 高濃度のトナーパッチであっても十分なセンサ感度をもって濃度を検出することにより、高濃度部の制御条件を、予測ではなく実測に基づいたものにすることで、出力物の濃度を安定させること。
【解決手段】 最大濃度部に相当する基準トナー像を形成し、画像形成装置内で厚さ方向に分割し、それぞれのトナー付着量を測定した結果から、元の基準トナー像のトナー付着量を算出する。
【選択図】 図5
【解決手段】 最大濃度部に相当する基準トナー像を形成し、画像形成装置内で厚さ方向に分割し、それぞれのトナー付着量を測定した結果から、元の基準トナー像のトナー付着量を算出する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置およびその制御方法に関する。
従来提案されてきた画像形成装置の制御方法の一例として、特許文献1のようなものがある。特許文献1によれば、以下のようである。
「この画像形成装置は、像担持体である感光体1に現像されるトナーパッチの階調面積率(以下、単に「Cin」と言う。)を決定するパッチ生成手段2と、感光体1の地肌からの反射光およびトナーパッチからの反射光を検出する光電センサから成る検出手段3と、パッチ生成手段2によって決定したCinに応じて検出手段3での反射光の検出方法を制御する検出制御手段4と、パッチ生成手段2からの命令により感光体1上にトナー像を作成するための静電潜像を作成するROS(Raster Output Scanner )5と、階調補正制御やトナー濃度制御などの制御を行う画像形成制御手段6とを備えている。
本実施形態における画像形成装置は、感光体1上に予め作成されるトナーパッチのCinにより、例えば20%以下のCinのときを低いCinとし、それ以外のCinのときを高いCinとしており、各々のCinに応じて検出手段3による感光体1の地肌の読み取り方法とトナーパッチの読み取り方法とを変えている点に特徴がある。
なお、画像形成装置で使用される検出手段3としては、正反射型の光電センサでも拡散反射型の光電センサでもよく、図2(本明細書では図18として示す)に示すような正反射型と拡散反射型とを組み合わせたものから成る光電センサ31であってもよい。正反射型の光電センサは図32(本明細書では図19として示す)に示すようにセンサ出力が飽和してしまう。特にカラートナーでは、飽和開始が早いので高濃度の検出ができない。一方、拡散反射型の光電センサでは図3(本明細書では図20として示す)に示すように、カラートナーでは飽和することなく高濃度まで検出できる。黒トナーでは拡散光がほとんどないので出力の変化はカラートナーに比べて少ない。
さらに図2(本明細書の図18)に示すような正反射型と拡散反射型とを組み合わせたものから成る光電センサ31では、図4(本明細書では図21として示す)に示すように、拡散反射成分から正反射成分の差を演算することで高濃度の検出ができる。すなわち、正反射を検出する時に拡散反射成分が入り込んでしまうので、これを演算によって取ることで高感度とすることができる。なお、図4(本明細書の図21)(a)はカラートナーの場合、(b)は黒トナーの場合を示し、各々右側の図が演算後のセンサ出力を示している。」
以上のような特許文献1に示されたような「光電センサ31」は、例えば図22に示したような画像形成装置において、同図で示したような位置に配置されて使用されていた。(図22の詳しい説明は、本発明の実施例1の構成を説明する箇所で後述する。)
以上のような特許文献1に示されたような「光電センサ31」は、例えば図22に示したような画像形成装置において、同図で示したような位置に配置されて使用されていた。(図22の詳しい説明は、本発明の実施例1の構成を説明する箇所で後述する。)
特許文献1によれば、特に図21(a)において、カラートナーの場合は高濃度のトナーパッチまでセンサ出力の感度(グラフの曲線の傾き)があるように示されている。しかし本発明者らの検討に寄れば、このグラフの右方向、つまり、よりトナーパッチ濃度の高い方向においては、このようなセンサでも十分な感度が得られないことがわかっている。このため従来は、たとえば十分なセンサ出力感度のとれる中間調のトナーパッチを検出し、この結果から予測される値をもとに高濃度部の画像形成条件を決定する手法がとられていたりしていた。しかし、図23に示したさまざまな画像濃度特性を見てもわかるように、中間調の1点と最大濃度の濃度が必ずしも1対1で対応するわけではなく、予測としては不十分であって、出力物の濃度が安定しないという問題が発生していた。特許文献2も同様で、その文献中の図2より、パッチが中間調であって最大濃度潜像ではないため、同様の課題を残している。
そこで本発明者らは、「高濃度のトナーパッチであっても十分なセンサ感度をもって濃度を検出することにより、高濃度部の制御条件を、予測ではなく実測に基づいたものにすることで、出力物の濃度を安定させること」が課題であると考えた。
上記課題は、以下に述べるような、本発明による画像形成装置、プロセスユニットの制御方法およびその方法を用いた画像形成装置、プロセスユニットによって解決される。
請求項1は
静電潜像を担持する感光体と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像手段と、
基準潜像を形成して前記現像手段によって現像することで基準トナー像を前記感光体上に形成する基準トナー像生成手段と、を備えた画像形成装置またはプロセスユニットであって、
前記基準トナー像を、前記基準トナー像の厚み方向に、2つ以上の部分に分割する手段と、
前記層方向に分割された分割基準トナー像をそれぞれ担持するための、複数の分割基準トナー像担持体と、
前記分割基準トナー像の、それぞれの部分のトナー付着量を検出するための単数あるいは複数の光学センサを備え、
前記光学センサによって検出された前記分割基準トナー像のそれぞれの部分のトナー付着量を検出し、それぞれの検出値に基づいて、分割される前の基準トナー像のトナー付着量を算出することを特徴とする、画像形成装置またはプロセスユニットの制御方法。
静電潜像を担持する感光体と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像手段と、
基準潜像を形成して前記現像手段によって現像することで基準トナー像を前記感光体上に形成する基準トナー像生成手段と、を備えた画像形成装置またはプロセスユニットであって、
前記基準トナー像を、前記基準トナー像の厚み方向に、2つ以上の部分に分割する手段と、
前記層方向に分割された分割基準トナー像をそれぞれ担持するための、複数の分割基準トナー像担持体と、
前記分割基準トナー像の、それぞれの部分のトナー付着量を検出するための単数あるいは複数の光学センサを備え、
前記光学センサによって検出された前記分割基準トナー像のそれぞれの部分のトナー付着量を検出し、それぞれの検出値に基づいて、分割される前の基準トナー像のトナー付着量を算出することを特徴とする、画像形成装置またはプロセスユニットの制御方法。
請求項2は
前記基準トナー像を分割する際、あるいは前記分割基準トナー像をさらに分割する際に、前記基準トナー像あるいは前記分割基準トナー像は、2つの分割基準トナー像担持体間にそれぞれ接触して挟まれることを特徴とする、請求項1の制御方法。
前記基準トナー像を分割する際、あるいは前記分割基準トナー像をさらに分割する際に、前記基準トナー像あるいは前記分割基準トナー像は、2つの分割基準トナー像担持体間にそれぞれ接触して挟まれることを特徴とする、請求項1の制御方法。
請求項3は
トナー付着量変化0.1mg/cm2あたりの検出値が前記光学センサのダイナミックレンジの5%以上となるような領域において、前記分割基準トナー像のトナー付着量が検出されるように、前記基準トナー像を分割することを特徴とする、請求項1または2の制御方法。
トナー付着量変化0.1mg/cm2あたりの検出値が前記光学センサのダイナミックレンジの5%以上となるような領域において、前記分割基準トナー像のトナー付着量が検出されるように、前記基準トナー像を分割することを特徴とする、請求項1または2の制御方法。
請求項4は
前記基準トナー像を分割する際、あるいは前記分割基準トナー像をさらに分割する際に、前記2つの分割基準トナー像担持体間には、所定の電位差が設定されている、および/または所定の電流が流れるように設定されていることを特徴とする、請求項1ないし3の制御方法。
前記基準トナー像を分割する際、あるいは前記分割基準トナー像をさらに分割する際に、前記2つの分割基準トナー像担持体間には、所定の電位差が設定されている、および/または所定の電流が流れるように設定されていることを特徴とする、請求項1ないし3の制御方法。
請求項5は
前記通常トナー像とともに加圧および/または加熱されることで前記通常トナー像を定着させるためのマテリアルが、前記感光体上から直接通常トナー像を転写される構成で、前記マテリアルに上に前記通常トナー像が転写される位置で、前記マテリアルを前記通常トナー像側とは逆の側から支持するためのマテリアル支持ローラを備えた請求項1ないし4の画像形成装置、プロセスユニットにおいて、
前記分割基準トナー像担持体として、前記感光体と前記マテリアル支持ローラとを用いることを特徴とする、請求項1ないし4の制御方法。
前記通常トナー像とともに加圧および/または加熱されることで前記通常トナー像を定着させるためのマテリアルが、前記感光体上から直接通常トナー像を転写される構成で、前記マテリアルに上に前記通常トナー像が転写される位置で、前記マテリアルを前記通常トナー像側とは逆の側から支持するためのマテリアル支持ローラを備えた請求項1ないし4の画像形成装置、プロセスユニットにおいて、
前記分割基準トナー像担持体として、前記感光体と前記マテリアル支持ローラとを用いることを特徴とする、請求項1ないし4の制御方法。
請求項6は
前記感光体から前記マテリアルへと前記通常トナー像が転写される間に、一時的に前記通常トナー像を担持するための中間転写体を少なくとも1つ備えた請求項1ないし4の画像形成装置、プロセスユニットにおいて、
前記分割基準トナー像担持体として、前記感光体、前記中間転写体、前記マテリアル支持ローラのうち少なくともいずれか2つを用いることを特徴とする、請求項1ないし4の制御方法。
前記感光体から前記マテリアルへと前記通常トナー像が転写される間に、一時的に前記通常トナー像を担持するための中間転写体を少なくとも1つ備えた請求項1ないし4の画像形成装置、プロセスユニットにおいて、
前記分割基準トナー像担持体として、前記感光体、前記中間転写体、前記マテリアル支持ローラのうち少なくともいずれか2つを用いることを特徴とする、請求項1ないし4の制御方法。
請求項7は
前記感光体、前記中間転写体、前記マテリアル支持ローラのいずれかに接触することで前記分割基準トナー像を一時的に担持するための一時的分割基準トナー像担持体を、少なくとも1つ備えたことを特徴とする、請求項1ないし6の制御方法。
前記感光体、前記中間転写体、前記マテリアル支持ローラのいずれかに接触することで前記分割基準トナー像を一時的に担持するための一時的分割基準トナー像担持体を、少なくとも1つ備えたことを特徴とする、請求項1ないし6の制御方法。
請求項8は
ある分割動作において分割された、分割基準トナー像Aと、分割基準トナー像Bについて、分割基準トナー像Aを担持している分割基準トナー像担持体aに対向して備えられた光学センサaが、分割基準トナー像Aのトナー付着量を検出した後に、一度分割基準トナー像担持体bに担持されてから、分割基準トナー像担持体aへと逆転写され分割基準トナー像担持体aに再担持された分割基準トナー像Bのトナー付着量を検出することを特徴とする、請求項1ないし7の制御方法。
ある分割動作において分割された、分割基準トナー像Aと、分割基準トナー像Bについて、分割基準トナー像Aを担持している分割基準トナー像担持体aに対向して備えられた光学センサaが、分割基準トナー像Aのトナー付着量を検出した後に、一度分割基準トナー像担持体bに担持されてから、分割基準トナー像担持体aへと逆転写され分割基準トナー像担持体aに再担持された分割基準トナー像Bのトナー付着量を検出することを特徴とする、請求項1ないし7の制御方法。
請求項9、10は
請求項1ないし8の制御方法を用いた画像形成装置、プロセスユニット。
請求項1ないし8の制御方法を用いた画像形成装置、プロセスユニット。
請求項1記載の発明によれば、基準トナー像をその高さ方向に複数に分割し、複数に分割された基準トナー像のそれぞれの部分のトナー付着量を、光学センサによってそれぞれ検出することで、光学センサが十分な感度をもつ領域でトナー付着量を検出することが可能となる。そして、それぞれの検出値に基づいて、分割される前の基準トナー像のトナー付着量を算出することにより、本発明の課題である「高濃度のトナーパッチであっても十分なセンサ感度をもって濃度を検出することにより、高濃度部の制御条件を、予測ではなく実測に基づいたものにすることで、出力物の濃度を安定させること」を解決するという、本発明の効果を達成することができる。
請求項2記載の発明によれば、トナー像を分割する際には、トナー像が2つの分割基準トナー像担持体間にそれぞれ接触して挟まれることが好ましい。
請求項3記載の発明によれば、トナー付着量変化0.1mg/cm2あたりの検出値が前記光学センサのダイナミックレンジの5%以上となるような領域で、分割基準トナー像のトナー付着量が検出されるように、前記基準トナー像を分割することによって、本発明の効果をより確実に得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、トナー像を分割する際に、分割基準トナー像担持体間には、所定の電位差が設定されている、および/または所定の電流が流れるように設定されていることが好ましい。
請求項5記載の発明によれば、トナー像を定着させるためのマテリアルが感光体上から直接トナー像を転写される構成においては、分割基準トナー像担持体として、感光体とマテリアル支持ローラとを用いることで本発明の効果を得ることができる。
請求項6記載の発明によれば、中間転写体を備えた構成においては、分割基準トナー像担持体として、感光体、中間転写体、マテリアル支持ローラのうち少なくともいずれか2つを用いることで本発明の効果を得ることができる。
請求項7記載の発明によれば、感光体、中間転写体、マテリアル支持ローラのいずれかに接触することでトナー像を一時的に担持するための一時的分割基準トナー像担持体を備えることによっても、本発明の効果を得ることができる。
請求項8記載の発明によれば、ある分割動作において分割された、分割基準トナー像Aと、分割基準トナー像Bについて、分割基準トナー像Aを担持している分割基準トナー像担持体aに対向して備えられた光学センサaが、分割基準トナー像Aのトナー付着量を検出した後に、一度分割基準トナー像担持体bに担持されてから、分割基準トナー像担持体aへと逆転写され分割基準トナー像担持体aに再担持された分割基準トナー像Bのトナー付着量を検出することで、2つの分割基準トナー像A、Bに対する光学センサを共用することができるので好ましい。
請求項9,10記載の発明によれば、請求項1ないし8の制御方法を用いた画像形成装置、プロセスユニットによって、本発明の効果を得ることができる。
以下に本発明による画像形成装置およびその制御方法について、具体的な実施例を用いて詳しく説明する。なおこれらの画像形成装置の、本発明に関わる主要部分をプロセスユニットとして統合し、画像形成装置に着脱自在にして使用することもできる。
図1は本発明の第1の実施例である画像形成装置を説明する図である。
まず全体の動作について簡単に説明する。図1において、1次帯電器21によって帯電された感光ドラム28表面をレーザー22によって露光することで、感光ドラム28上に静電潜像が形成される。この潜像を、現像装置1によって現像しトナー像を得る。このトナー像は、転写帯電器23によって、感光ドラム28に直接接触するマテリアル27の表面に静電的に転写される。トナー像を転写したマテリアル27は定着器25による加熱をうけ、トナー像はマテリアル27に定着し、画像を得る。また転写後に感光ドラム28上に残った残トナーはクリーナー26により除去される。
感光ドラム28について説明すると、本実施例の感光ドラム28は負帯電極性のOPC感光体であり、接地されたアルミニウム製のドラム基体上に主として樹脂からなる機能層を順次に設けたものである。この表面を、1次帯電器21に不図示の帯電バイアス電源から直流成分Vchg(V)に交流成分を重畳した帯電バイアスを印加することによって一様に帯電し、この部分の電位を白地部電位またはVd(V)と呼ぶ。このような「AC帯電方式」では、Vchg(V)の値がほぼVd(V)になるように交流成分が調整される。このVd(V)部に画像情報に基づいてレーザー22による最大露光を行うと、その部分が除電されて電位が接地側に近づく。この部分の電位を最大濃度部電位またはVl(V)と呼ぶ。
ここで静電潜像形成、即ちレーザー22による感光ドラム28の露光について詳しく説明する。図2は図1の画像形成装置の、画像処理ユニットのシステム構成を示すブロック図である。図2において、213は外部入力インタフェース(外部入力I/F)であり、外部入力インタフェース213を介して必要に応じて原稿スキャナ、コンピュータ(情報処理装置)等の不図示の外部装置からRGB画像データとしてカラー画像データを入力する。204はLOG変換部であり、ROM210に格納されているデータ等により構成されるルックアップテーブル(LUT)に基づいて入力されたRGB画像データの輝度データをCMYの濃度データ(CMY画像データ)に変換する。205はマスキング・UCR部であり、CMY画像データから黒(Bk)成分データを抽出し、記録色材の色濁りを補正すべく、CMKY画像データにマトリクス演算を施す。206はルックアップテーブル部(LUT部)であり、画像データをプリンタ部の理想的な階調特性に合わせるためにガンマルックアップテーブル(γルックアップテーブル)を用いて入力されたCMYK画像データの各色毎に濃度補正を施す。なお、γルックアップテーブルはRAM211上に展開されたデータに基づいて作成され、そのテーブル内容はCPU209によって設定される。207はパルス幅変調部であり、LUT部206から入力された画像データ(画像信号)のレベルに対応するパルス幅のパルス信号を出力する。このパルス信号に基づいてレーザドライバ102がレーザ22を駆動し、感光ドラム28上を照射することで静電潜像が形成される
プリンタ制御部300は図2のCPUの動作を制御する他、先述した画像形成装置の各部分や、後述する不図示の各バイアス電源の動作を制御する。
プリンタ制御部300は図2のCPUの動作を制御する他、先述した画像形成装置の各部分や、後述する不図示の各バイアス電源の動作を制御する。
現像装置1について説明すると、本実施例の画像形成装置は、現像剤として磁性トナーを用いた磁性1成分現像方式を用いている。磁性トナーはポリエステルを主体とした樹脂に磁性体かつ着色料であるマグネタイトなどを混錬重合したものを粉砕分級したのち、機械的ストレスまたは熱的ストレスにより形状を球形に近づけ、体積平均粒径6〜7μm程度の粉体としたものである。ただし本発明においてこのようなトナーの球形化処理は必ずしも必要ではない。
本実施例の現像装置1は、現像剤担持体として、固定配置されたマグネット5を非磁性金属素感に内包した現像スリーブ3を用いる。磁性トナーはブレード4において層厚規制される際に現像スリーブ3表面と摩擦することで主としてマイナスの電荷を帯びる。その帯電量は重量平均にして8mC/kg程度である。現像スリーブ3は感光ドラム28に対し非接触に設けられ、現像スリーブ3に担持された磁性トナーは磁気ブラシの状態で感光ドラム28に近接する。
現像スリーブ3には不図示の現像バイアス電源から所定の直流成分Vdev(V)に交流成分を重畳した現像バイアスを印加する。現像バイアスの交流成分は矩形波であり、周波数は3kHz、ピークトゥピーク電圧は1.5kVである。
感光ドラム28上のトナー像を普通紙などのマテリアル27に転写するために、転写帯電器23には転写バイアスが印加される。転写バイアスは不図示の転写バイアス電源によって定電流制御され、マテリアル27が普通紙であった場合は10μAである。電流の向きは転写帯電器23から感光ドラム28へと向かう方向であって、これによってネガ帯電したトナー像がマテリアル27へと転写される。
次に画像濃度の制御について説明する。
Vl−Vdevの差分の絶対値をVcontと呼び、現像スリーブ3から見た静電潜像の最大濃度部の電位のことを指す。またVd−Vdevの絶対値をVbackと呼び、白地部のトナーかぶりを保証するために設けた電位差である。
VchgおよびVdevは、まず画像形成装置周辺の雰囲気の温湿度をプリンタ制御部300に接続された温湿度センサ(不図示)から取得し、この結果に基づきプリンタ制御部300に記憶されている環境バイアス設定テーブルからそれぞれ読み出すことで決定する。環境バイアス設定テーブルとは、画像形成装置が標準的な状態にあるときに、様々な温湿度環境において、レーザー22の最大出力光量の80%の露光量でかつ最大画像濃度相当のパルス信号において露光したとき、出力濃度が標準最大画像濃度1.4(反射濃度、米X−rite社製500シリーズにて測定)となり、また白地かぶりが発生しないようなVchgおよびVdevの条件をあらかじめ調べておき、記録したものである。このときVdおよびVlの値も自ずから決まることになり、従ってその環境の標準のVcontであるVcont(env)、およびVbackも決定する。以下説明中では簡単のため、温度23℃、相対湿度50%としておく。この環境下で、Vcont(env)=300V、Vback=200Vである。
このVcont(env)はあくまでも画像形成装置が標準状態にあるときの値であり、装置の状態に応じてそれを補正するために、次に述べるような「基準トナー像読み込み動作」を行う。それによってVcont(env)+Vcont(pch)=Vcontとなるような補正値Vcont(pch)が求められる。
(従来技術の場合)
ここで、従来の基準トナー像読み込み動作について説明する。
ここで、従来の基準トナー像読み込み動作について説明する。
まず、図3のフローチャートを用いて基準トナー像読み込み動作について説明すると、たとえば温度23℃、相対湿度50%の際、これらの環境データを読み込み(ステップS101)、環境バイアス設定テーブルからVcont(env)=300V、Vback=200Vであるから、これに応じたVchgおよびVdevを設定する(ステップS102)。そして帯電された感光ドラム28を、所定光量の「所定パルス信号に設定して」(ステップS103)露光を施し、現像して基準トナー像を形成する(ステップS104)。そのトナー像のトナー付着量を光学センサで検出し(ステップS105)、プリンタ制御部300に記憶した標準トナー付着量と比較して補正値Vcont(pch)を求める(ステップS106)。そしてそれに応じてレーザー22の適正出力光量を算出し(ステップS107)出力光量を設定する(ステップS108)ことで、最大画像濃度相当のパルス信号を露光したときの濃度が標準最大画像濃度1.4となるようにする。画像濃度1.4を出力するための感光ドラム28上のトナー付着量は、約0.68mg/cm2である。
このような従来の方式において課題であった点について述べる。
例えば図22に示したような特許文献1に基づいた構成の画像形成装置によると、図19の「黒」として示された線や、図21(b)の右側のグラフのように、最大濃度部における光学センサの感度は、低濃度部に比較して十分とはいえない。すなわち最大濃度部相当の基準トナー像を打ち、このトナー付着量が振れていたとしても、光学センサはこれを検知することができず、画像形成条件を制御することは困難であった。
このため従来は、たとえば十分な感度のとれる中間調、例えば濃度0.8程度になるように「所定のパルス信号に設定して」基準トナー像を検出し、この結果から「予測される値をもとに」高濃度部の画像形成条件を決定する手法がとられていた。しかし、図23に示したようなさまざまな現像濃度特性曲線を見てもわかるように、この特性曲線は変曲点を有していたり、相似的な形状を示さない場合が多い。すなわち、中間調の1点を取り出して検知しても、基準トナー像の読み込み精度はあるものの、その濃度に最大濃度の濃度が必ずしも1対1で対応するわけではなく、予測としては不十分であって、出力物の濃度が安定しないという問題が発生していた。
(本発明の場合)
ここで本発明の特徴部分たる基準トナー像読み込み動作について詳しく説明する。
ここで本発明の特徴部分たる基準トナー像読み込み動作について詳しく説明する。
本実施例で特徴的なのは、感光ドラム28上に形成した基準トナー像を転写帯電器23によってトナーの厚み方向(感光ドラム28表面に対し略垂直な方向)に分離して、感光ドラム28上と転写帯電器23とにそれぞれ分割して担持させ、2つの光学センサ41、42によってそのトナー付着量を検知するような構成にしたことである。
図4のフローチャートを用いて本実施例の場合の基準トナー像読み込み動作について説明する。上記説明と同様温度23℃、相対湿度50%の場合に固定して説明すると、これらの環境データを読み込み(ステップS201)、Vcont(env)=300V、Vback=200Vであるから、これに応じたVchgおよびVdevを設定する(ステップS202)。次に、検出回数カウンタ変数n=1とすると同時に、レーザー22の光量を、最大光量の60%の光量に設定する(ステップS203)。後述するように、検出回数カウンタ変数nは検出が終わるたびに1ずつ増え、それに応じてレーザー22の光量を10%ずつ上げていく(ステップS211)のだが、ここではいったん説明のためn=3の場合、すなわちレーザー22の光量が最大光量の80%に設定されたものとする。
さて、このように光量設定されたレーザー22を、最大画像濃度部相当のパルス信号に設定して露光を施し(ステップS204)、先述の帯電バイアスDC成分をVchgにして帯電された感光ドラム28上に基準潜像を形成して、現像バイアスDC成分をVdevとして現像することで基準トナー像P1を形成する(ステップS205)。基準トナー像P1のトナー付着量は、今の説明中ではレーザー22の光量が最大光量の80%としてあるから、約0.68mg/cm2となる。
次に図5に示すように、基準トナー像P1を、感光ドラム28と転写帯電器23との間にて分離する(ステップS206)。このとき、転写バイアスは定電流制御であり通常画像転写時設定10μAの40%にあたる4μAである。これにより基準トナー像P1はその厚み方向にほぼ等分に分離され、感光ドラム28に担持される基準トナー像P2と、転写帯電器23に担持される基準トナー像P3とに分離される。基準トナー像P2、P3のトナー付着量は、どちらも約0.34mg/cm2である。
感光ドラム28に担持される基準トナー像P2と、転写帯電器23に担持される基準トナー像P3とは、それぞれ図5のように感光ドラム28と、転写帯電器23とに対向する光学センサ42、43と対向する位置でトナー付着量を検出される(ステップS207、S208)。
ここでステップS207、S208のトナー付着量の検出について詳しく説明する。
光学センサ42は図6に示したような構造であり、発光素子42dから880nmの単波長光を照射する。照射する光のスポット径は約2mmである。この照射光を基準トナー像P2に反射させ、偏光フィルタを介して受光素子42a、42bで受光する。受光素子42aには主として正反射光、受光素子42bには主として乱反射光が受光され、それぞれ電気信号として検出される。ただし、本実施例ではマグネタイトが880nmの光を吸収するので、乱反射光はほとんど検出されない。光学センサ43も同様の構成である。なお、以下の説明で光学センサという名称のものに関しては、光学センサ42と同様のものでもよいし、また図18に示したような光学センサと同様の構成のものを用いてもよい。
このような構成の光学センサ42において、まず発光素子42dを消灯し、受光素子42a、42b、42cからの暗電流を検知しておく。その後発光素子42dを点灯し、受光素子42a、42b、42cからの出力を検出する。各出力の案電流分を補正した後、発光素子42d自体の光量変動分を補正するために、受光素子42cからの反射光検出値をもって42a、42bの暗電流補正後の出力値を補正演算する(この時点まで補正演算された受光素子42a、42bの出力値を、それぞれSig(a)、Sig(b)と呼ぶことにする。最後に、このSig(a)、Sig(b)を、基準トナー像部分、および感光ドラム28のトナーを載せていない部分(下地部)に対して読み込むことで、基準トナー像が反射光をどの程度反射/吸収したか、すなわち基準トナー像のトナーのり量が検出できる。
このような構成の光学センサ42において、まず発光素子42dを消灯し、受光素子42a、42b、42cからの暗電流を検知しておく。その後発光素子42dを点灯し、受光素子42a、42b、42cからの出力を検出する。各出力の案電流分を補正した後、発光素子42d自体の光量変動分を補正するために、受光素子42cからの反射光検出値をもって42a、42bの暗電流補正後の出力値を補正演算する(この時点まで補正演算された受光素子42a、42bの出力値を、それぞれSig(a)、Sig(b)と呼ぶことにする。最後に、このSig(a)、Sig(b)を、基準トナー像部分、および感光ドラム28のトナーを載せていない部分(下地部)に対して読み込むことで、基準トナー像が反射光をどの程度反射/吸収したか、すなわち基準トナー像のトナーのり量が検出できる。
なお、本実施例の場合は感光ドラム28と転写帯電器23の表面性ということになるが、いずれの基準トナー像担持体においても、この基準トナー像と比較される「下地部」の光学的な特性については、鏡面に近いほうがより好ましいが、トナー層の下地として十分な反射性を備えていればよい。表面粗さとして表現すれば中心線平均粗さRaが0.4μm以下となることが好ましい。本実施例の感光ドラム28はRa=0.03μm、転写帯電器23表面はRa=0.05μm前後である。
上記のような方法を用いて、本実施例の画像形成装置において、基準トナー像P2、P3のトナーのり量と、Sig(a)、Sig(b)の正反射成分の和をプロット(ただしダイナミックレンジ5.0V=1023レベルとして10bitデータに変換したもの)したものが図7である(先述のように、トナー中のマグネタイトが880nmの光を吸収するので、乱反射光はほとんど検出されない)。ちなみに、図22の「光電センサ31」の位置に光学センサ42と同じセンサをおいて、基準トナー像P1に関して正反射光のデータをとっても、ほぼ同様の曲線が得られた。
図7を参照すると、たとえば標準最大濃度1.4の箇所、すなわちトナー付着量0.68mg/cm2を中心にセンサ出力を見ると、トナー付着量変化0.1mg/cm2あたり約28レベルしか感度がないことがわかる。これは正反射光検知によるトナー付着量測定が、その下地を隠蔽する率によって行われているためであって、トナー付着量が多くなり下地の露出量が少なくなると感度が落ちていくことになる。この点が従来例の方式で基準トナー像を検知したときの課題であった。
そこで、本発明を適用した本実施例の画像形成装置のように、基準トナー像P1を厚み方向に分離して0.34mg/cm2付近において検知すると、図7からトナー付着量変化0.1mg/cm2あたり120レベル、つまり4倍以上の感度が得られることがわかる。この後Sig(a)、Sig(b)から得られた検出値をプリンタ制御部300にて演算する(ステップS209)。
以上説明したように、図4のフローに従うことで、「分割前の」かつ「最大濃度相当の」基準トナー像P1のトナー付着量を精度よく算出することができる。そしてステップS209の後、検出カウンタn=5かを判断し(ステップS210)、Noの場合は検出回数カウンタ変数nを1増加させてそれに伴ってレーザー22の光量を10%増加させて(先述のステップS211)ステップS204に戻り、その光量での最大濃度部のトナー付着量の検出および算出をする。ステップS210でYesの場合、即ち検出カウンタn=5となったら、得られた5つの基準トナー像P1のトナー付着量算出値に基づいて、通常画像形成時のレーザー22の光量(最大光量のx%で表示)を算出し(ステップS212)、これを通常画像形成時のレーザー22の光量として設定する(ステップS213)。目標濃度とするためのレーザー22の光量x(%)の値の算出の方法は、本実施例では5点のデータから最小2乗法にて近似直線を求め、その濃度が1.4となる点のx(%)とするが、もちろんこの方式に限ることなく、算出の方法は様々に工夫することができる。最後に、後述するような基準トナー像P3の回収清掃動作を行う(ステップS214)。
(従来技術である特許文献2との差異)
ところでこのように基準トナー像をその厚み方向に分割して読み込むものとしては、従来特許文献2のようなものがあった。しかし前述したように、特許文献2においてもその文献中の図2、図6より、基準トナー像が中間調であってトナー付着量0.2mg/cm2程度であり、最大濃度の基準トナー像に対する何らかの対策ではないことがわかる。また基準トナー像の分割条件は、通常の転写バイアス、および逆転写バイアスに限定されており、本発明のように、基準トナー像を光学センサの最適の感度域で読み込むための量に「調整して」分割するものではない。
ところでこのように基準トナー像をその厚み方向に分割して読み込むものとしては、従来特許文献2のようなものがあった。しかし前述したように、特許文献2においてもその文献中の図2、図6より、基準トナー像が中間調であってトナー付着量0.2mg/cm2程度であり、最大濃度の基準トナー像に対する何らかの対策ではないことがわかる。また基準トナー像の分割条件は、通常の転写バイアス、および逆転写バイアスに限定されており、本発明のように、基準トナー像を光学センサの最適の感度域で読み込むための量に「調整して」分割するものではない。
以上説明したように、本発明を適用することで、従来技術では不可能であった「高濃度のトナーパッチであっても十分なセンサ感度をもって濃度を検出することにより、高濃度部の制御条件を、予測ではなく実測に基づいたものにすることで、出力物の濃度を安定させること」を達成することができるのである。
なお、基準トナー像を分割する際、あるいは後述するようにその基準トナー像をさらに分割する際に、基準トナー像は、2つの分割基準トナー像担持体間にそれぞれ接触して挟まれることがこのましい。これが非接触であると気中放電が起きやすくなり、基準トナー像を分離した際に面方向にムラ状の模様が生じ、検知精度の点から不利になる可能性があるからである。
またそれぞれの基準トナー像のトナー付着量は、受光素子による検知の感度が十分な感度をもつ領域内に収めることが好ましい。具体的には、トナー付着量変化0.1mg/cm2あたりの検出値が、受光素子のダイナミックレンジの5%以上となるような領域にて使用することで、本発明の効果をより確実に得ることができる。たとえば本実施例ではダイナミックレンジ5.0Vを10bit変換し1024レベルに分割しているので、その5%、すなわちトナー付着量変化0.1mg/cm2あたり52レベル以上となる領域、すなわちトナー付着量にしておよそ0.6mg/cm2以下の領域に入るようにするのがよい。
またこのように、基準トナー像を2つに分割し、その分割比を所定の範囲に保とうとする場合には、分割基準トナー像担持体間に所定の電位差がつくよう、あるいはは所定の電流が流れるように設定されていることが好ましい。本実施例では転写バイアスが定電流制御される構成のため、この値を通常画像転写時の40%にあたる4μAとすることで分割比を約1:1とした。
図8は転写電流あるいは定電圧転写バイアス制御をしたときの転写条件を変えた時に、感光ドラム28上の基準トナー像P1がどれだけ転写帯電器23に転写されるかを示した図である。横軸は、通常画像時に設定される転写電流、または転写電圧値に対し、何%のバイアスを印加したかを示す比率であって、縦軸は(基準トナー像P3のトナー付着量)/(基準トナー像P1のトナー付着量)の比率である。厳密にいうとこのデータは定電流制御におけるものであるが、定電圧制御の場合も概ね同様の曲線となることがわかっている。これを見ると、縦軸が50%(分割比が1:1)になるのは転写条件が通常画像の約40%となる付近である。また基準トナー像P2、P3がともに0.6mg/cm2以下となるためには、トナー付着量の変動を±20%程度と見込んで図8の縦軸で30%〜70%程度となる領域、すなわち転写電流を2.5〜5.5μA程度に設定しておけば良い。もちろんこの条件は本実施例の画像形成装置の場合であり、実際にはそれぞれ本発明を適用した画像形成装置で適宜最適条件を設定すればよい。
また転写帯電器23に関して図9を用いて詳しく説明すると、ステンレスの丸棒からなる芯金23aの周囲には、ゴム材料、またこれらを弾性スポンジ体などの弾性部材からなる弾性層23bが被覆されている。また、適度な導電性を付与するために、カーボン粒子、金属酸化物などの導電粒子を分散させる。更に、弾性層23bの周囲にはウレタンゴム、NBR系ゴムなどからなる接着層23cが被覆される。更に、接着層23cの周囲には離型性を有する表面層23dが被覆される。この表面層23dは表面離型性や物質移行性を改良するために形成され、フッ素樹脂やポリアミド樹脂などのコーティング被膜が用いられる。また、適宜抵抗調整のために酸化スズ、カーボンなどを分散してもよい。表面性に関しては先述したとおり本実施例の転写帯電器23表面はRa=0.05μm前後であり、先に好ましい範囲とした中心線平均粗さRaが0.5μm以下となっている。すなわち表面にはスポンジのような多孔質の材料が露出しているものは好ましくないということである。また全体的な電気抵抗に関していえば、軸方向の単位長さあたりの値をRrとして1×106(Ω/m)〜1×109(Ω/m)程度であればよく、本実施例の場合は、3×107(Ω/m)である。
なお、トナーのり量を検知された後の基準トナー像の処理について述べる。基準トナー像P2はそのままクリーナー26で回収される。また基準トナー像P3に関しては、再度転写部において転写帯電器23に逆転写バイアスを印加して感光ドラム28に戻しクリーナー26で回収すればよい。この際の清掃状態を確認する目的で、この後さらに光学センサ43による検知を続けてみたが、その後検知されるトナー付着量は0.02mg/cm2以下から転写帯電器23の回転に伴って少なくなっていき、転写帯電器23の2〜3周分でほぼゼロとみなしてよいレベルとなった。この後実際に転写帯電器23表面を観察したところ、清掃状態は良好であった。ただし、例えばトナーを粉砕後に球形化処理を行わない場合などはさらに転写帯電器23を数周回転させる分の時間をかけて清掃するのが好ましいと思われる。また、必要であれば別途転写帯電器23に着脱可能なフェルトパッド等の清掃機構を設けて付着トナーを除去する構成とすることも可能である。
図10は本発明の第2の実施例である画像形成装置を説明する図である。
図10に示すように、本実施例は第1の実施例の画像形成装置に、中間転写ベルト24を追加したものである。感光ドラム28上に形成されたトナー像は、1次転写帯電器24aによって中間転写ベルト24上に一度転写され、その後2次転写帯電器23によってマテリアル27の表面に静電的に転写される。第1の実施例と比較するとマテリアル27に対して中間転写ベルト24の曲率を小さくしているので、像担持体(感光ドラム28、または中間転写ベルト24)からのマテリアル27の分離という点で有利な構成である。
本実施例の特徴は、感光ドラム28上に形成した基準トナー像P1を、一度中間転写ベルト24上に転写してから、続いて第2転写部で中間転写ベルト24上に基準トナー像P3、2次転写帯電器23上に基準トナー像P4を分離する点である。「出力物の濃度安定化」という観点から考えると、その制御箇所はできるだけ出力画像に近い位置、すなわち下流側のほうが好ましい。このため本実施例では感光ドラム28上での基準トナー像の検知をせず、中間転写ベルト24上と2次転写帯電器23上での検知を行うものとした。
このように考えると、第1の実施例と同様に画像濃度1.4を保証するのであれば、トナー付着量0.68mg/cm2を保証したいのは中間転写ベルト24上であって、感光ドラム28上では1次転写効率分を考慮すると約0.70mg/cm2の付着量となる。
基準トナー像P3、P4の分離について説明する。通常画像形成時には、2次転写帯電器23に印加される2次転写バイアスは、定電流制御で15μAとしてある。基準トナー像P3、P4のトナー付着量も光学センサ43、44で良好な感度を得るために、略等分して0.34mg/cm2としたい。この時は図8において縦軸が50%となる点を選べばよいから、通常の転写条件に対し40%の条件、即ち6μAで定電流制御すればよい。
その他の部分は概略第1の実施例と同様であるので説明は省略する。
図11は本発明の第3の実施例である画像形成装置を説明する図である。
図11に示すように、本実施例の特徴は第2の実施例における現像装置1のかわりに、ロータリー6に収納された5つの現像装置1N、1K、1C、1M、1Yを備えている点である。ロータリー6の回転により、この5つの現像装置1(N、K、C、M、Yの色符号がないときは各現像装置に共通の項目を表わすこととする)を順次切り替えながら感光ドラム28に対向させることで、クリア、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー5種類のトナー像を感光ドラム28上に形成し、それらを中間転写ベルト24上で重ね合わせ、一括してマテリアル27に転写し定着することで、高い光沢性をもったフルカラー画像を作像することが可能である。それ以外の構成は第2の実施例の画像形成装置と略同様である。
現像装置1について詳しく説明すると、本実施例では非磁性トナーと磁性キャリアを混合し現像剤として用いる、2成分現像方式を採用している。非磁性トナーはポリエステルを主体とし、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの色に応じた着色剤、および定着助剤であるワックスを混合した樹脂を粉砕分級したのち、機械的ストレスまたは熱的ストレスにより形状を球形に近づけたものである。体積平均粒径は5.5μmであって、高精細性を実現している。本実施例の標準最大画像濃度1.6を達成するための感光ドラム28上のトナー付着量は、0.55mg/cm2である。
クリアトナーに関しては、着色剤を入れていない他は、その他の色のトナーと同様である。クリアトナーは定着前のトナーの状態では屈折率の関係で光を散乱するので白色に見える。すなわち乱反射成分があるということである。またクリアトナーは定着されるとその名のとおり透明になり、出力物に光沢感を与える。また、重ね方を工夫してマテリアル27上の単位面積あたりのトナー付着量が一様になるようにすると、たとえばパッチ部のエッジなどに発生する光沢段差を目立たなくすることができる。
ところで、通常クリアトナーを用いない画像において、複数色重ねられたトナーの面積あたりの付着総量は、本実施例の画像形成装置においては最大1.10mg/cm2で、すなわち2.0色分のトナー量となる。ここに付着量の制限を設けるのは、色再現範囲(総付着量が多ければ有利)転写定着の能力(総付着量が多ければ不利)とを考慮した結果である。
ということは、たとえばシアン、マゼンタ各1色分、計2色分のトナーを載せたブルーのパッチ部のエッジの光沢段差を目立たなくするためには、クリアトナーをその周囲の白地に2.0色分、すなわち1.10mg/cm2乗せる必要がある。このため現像装置1N内のトナー濃度を他色に比べ高く設定するなどして現像性を高めている。
クリアトナーの最大トナー付着量が1.10mg/cm2ということは、本発明の目的に鑑みれば当然基準トナー像P1もトナー付着量が1.10mg/cm2となる。以下に詳しく説明するように本実施例ではこの基準トナー像P1のトナー付着量を光学センサで検知するために、基準トナー像P2、P3、P4の3つに分離する。この、基準トナー像を3分割してそのトナー付着量を検出し、その検出値から元の基準トナー像のトナー付着量を算出するまでの動作を、以下図12に示すフローチャートに従い説明していく
まず、通常画像形成が終了すると(ステップS301)Vchg=−700V、Vdev=−550Vとして、所定のレーザー光量の最大画像データに基づくパルス幅で基準潜像を形成し、それを現像することで基準トナー像P1を感光ドラム28上に形成する(ステップS302)。このとき、Vd=−700V、Vl=−100Vとなる。
まず、通常画像形成が終了すると(ステップS301)Vchg=−700V、Vdev=−550Vとして、所定のレーザー光量の最大画像データに基づくパルス幅で基準潜像を形成し、それを現像することで基準トナー像P1を感光ドラム28上に形成する(ステップS302)。このとき、Vd=−700V、Vl=−100Vとなる。
次に1次転写部において、基準トナー像P1から基準トナー像P2を分離する動作について説明する。通常画像における最大濃度部Vlの電位が−100Vで、転写コントラスト(Vlと1次転写帯電器24aとの電位差)を800Vとするため、1次転写帯電器24aに印加する一次転写バイアスは定電圧制御により+700Vとなっている。基準トナー像P2のトナー付着量は、光学センサ42で良好な感度が得られるように0.37mg/cm2としたい。つまり、基準トナー像P2の分離時には、いわゆる「1次転写効率」を67%として、1.10mg/cm2の33%相当の0.37mg/cm2にあたる「1次転写残トナー」を基準トナー像P2として光学センサ42で検知すればよい。そこで図8を参照すると、縦軸を「1次転写効率」として67%とするには転写コントラストが通常時800Vの52%、すなわち416Vになるように、一次転写バイアスを+700Vから+316Vへと変更する(ステップS303)。この設定によって基準トナー像P1から基準トナー像P2が分離される(ステップS304)。感光ドラム28上に担持されている基準トナー像P2は、光学センサ42によってトナー付着量を検出され(ステップS305)、クリーナー26aに回収される。
続いて基準トナー像P3、P4の分離について説明する。通常画像形成時には、2次転写帯電器23に印加される2次転写バイアスは、定電流制御で25μAとしてある。基準トナー像P3、P4のトナー付着量も光学センサ43、44で良好な感度を得るために、略等分して0.37mg/cm2としたいので、この時は図8において縦軸が50%となる点を選べばよいから、通常の転写条件に対し40%の条件にすればよい。即ち2次転写バイアスの定電流制御値を25μAから10μAに変更する(ステップS306)。このように分離された基準トナー像P3、P4のトナー付着量は、光学センサ43、44にて検出される(ステップS307、S308)。
以上のようにして1次転写バイアスおよび2次転写バイアスを調整することで、基準トナー像P2、P3、P4それぞれのトナー付着量がおおよそ0.37mg/cm2中心となるため、後述するように光学センサ42、43、44の良好な感度域においてトナー付着量を検知することができる。トナー付着量の検知結果はプリンタ制御部300において演算され、基準トナー像P1のトナー付着量が算出される(ステップS309)。基準トナー像P3はクリーナー26bに回収される。また基準トナー像P4は第1の実施例と同様に2次転写帯電器23に逆バイアスを印加することで中間転写ベルト24に戻し、クリーナー26bに回収させる(ステップS310)。
ここで、各色トナーの光学センサ(42、43、44)に対する検知特性を述べる。ブラックトナーは第1、第2の実施例で用いたマグネタイトのかわりにカーボンブラックを用いたものであり、880nmの光に対し吸光する特性は変わらない。このため検出特性は図13に示すようになり、トナー粒径などの違いによって若干の違いはあるものの、曲線としては図7と概ね近い特性となる。
シアン、マゼンタ、イエローに使用される着色剤は880nmの光を反射するため、乱反射光と正反射光が検知される。クリアトナーも同じく、880nmの光を吸収しないため、乱反射光と正反射光が検知される。このため880nmの光に対する検知特性はシアン、マゼンタ、イエローとほぼ同様である。このクリアトナーの光学センサによる検出特性を示したのが図14である。正反射光、乱反射光の演算は、受光素子42aのデータをSig(a)、受光素子42bのデータをSig(b)(いずれも受光素子42cによる補正後の値)として、
正反射光=1.529×Sig(a)―1.105×Sig(b)…(1)
乱反射光=−1.262×Sig(a)+2.635×Sig(b)…(2)
の2式に基づいた。なおデータに乗じた係数は、以下の条件から求めた。
・トナーを付着させない場合(図14の左端)では正反射光が1023(10bitの最大値)、乱反射光が0となるとした。
・またSig(a)が下側に飽和したと思われる箇所より右側に余裕を見た、トナー付着量0.6〜0.7mg/cm2の領域では、トナーが十分付着して正反射光が0になり、検出された乱反射光の合計がSig(a)+Sig(b)の値と一致するものとした。
正反射光=1.529×Sig(a)―1.105×Sig(b)…(1)
乱反射光=−1.262×Sig(a)+2.635×Sig(b)…(2)
の2式に基づいた。なおデータに乗じた係数は、以下の条件から求めた。
・トナーを付着させない場合(図14の左端)では正反射光が1023(10bitの最大値)、乱反射光が0となるとした。
・またSig(a)が下側に飽和したと思われる箇所より右側に余裕を見た、トナー付着量0.6〜0.7mg/cm2の領域では、トナーが十分付着して正反射光が0になり、検出された乱反射光の合計がSig(a)+Sig(b)の値と一致するものとした。
図14を見ると、基準トナー像P2、P3、P4のトナー付着量は0.37mg/cm2中心で、この付近での正反射光の感度はトナー付着量変化0.1mg/cm2あたり100レベルと算出される。この結果を用いてトナー付着量を算出するのであるが、この際に注意しなければならないのは、演算前のデータであるSig(a)、Sig(b)の感度が十分とれているかどうかである。ここではSig(a)の感度が60レベル以上あり、実際に十分な感度が得られている。
一方、破線の楕円で囲った領域付近においては、乱反射側の感度があるように見えるが、この領域付近の値をもって制御を行うことは好ましくない。例えば、トナー付着量0.50mg/cm2中心付近で演算後の正反射光の感度が50レベル強あるように見えるが、この領域では演算前のデータであるSig(a)、Sig(b)の感度が20〜30レベルと少なく、実際には受光素子42a、42bはトナー付着量の変化を十分に検出できていないのである。さらに、トナー付着量0.60mg/cm2中心付近ではSig(b)の感度が70レベル程度あるので検知可能なようにも見えるのだが、この領域からさらに右側方向、つまりより多くのトナー付着量を検知する場合、特にSig(b)の感度が再び鈍ってくることがわかっている。これは乱反射光検知によるトナー付着量測定が、その表面形状の変化を元に行われているためであって、トナー付着量がある程度以上多くなると、表面より下層のトナーに関しては検出することができなくなるからである。すなわち、楕円領域右側でのトナー付着量検知は、その原理からしても困難であることが予想される。
よって本実施例のクリアトナーのような場合には、やはり基準トナー像を3分割し、3つの光学センサの信頼できる感度領域を用いて制御することが好ましい。
なお、他のブラック、シアン、マゼンタ、イエローに関しては、2分割で十分な感度を得ることができるため、第2の実施例と同じく2次転写部で2分割して光学センサ43、44で検知すればよい。
図15は本発明の第4の実施例である画像形成装置を説明する図である。
図15に示すように、本実施例の画像形成装置は第3の実施例のクリアトナーを現像するための現像装置1Nを省いたものである。非磁性トナーにはスチレンアクリルを主体とし、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの色に応じた着色剤を混合したモノマーを懸濁重合法によって造粒したものである。その中心付近には、定着助剤であるワックスが内包されている。
また本実施例の画像形成装置におけるプロセススピード(像担持体表面の線速度)は、200mm/secである。
図15において示されている本実施例の特徴的な部分としては、まず本出願人による特許文献3にて提案された、かぶりとりローラー31を設けたことである。特許文献3で示されているように、感光ドラム28上のロータリー6に内蔵された現像装置1と、転写帯電器23の間には、芯金の周囲に弾性層を設け、さらに表層に離型性を有する表面層が被覆されたかぶりとりローラー31が設けられている。かぶりとりローラ31の外径は、直径で12mmである。かぶりとりローラ31には不図示のかぶりとりバイアス電源から、直流バイアス電圧が印加され、弱帯電トナーや反転トナーを転写工程の前にあらかじめ取り除き、マテリアル27としてコート紙を用いた場合などに目立つ白地かぶりを抑制する。またかぶりとりローラ31に対して着脱自在となるように、導電性のブラシを植毛した回転ブラシ32が配置されていて、かぶりとりローラ31上に当接した際に、かぶりとりローラ31表面に付着したトナーを掻き落とすように構成されている。またさらに、かぶりとりローラ31の下方には、感光ドラム28に対向するように光学センサ41が配置されている。この光学センサ41も光学センサ42などと同様の構成のものである。
以下、説明を簡単にするために、いくつかの制限のもとに詳細をのべていく。
・単色画像形成時の動作についての説明である。
・レーザー22の光量は、最大光量の80%の光量とする。
・感光ドラム28の表面電位に関しては、特許文献3の[実施例1]での記述に従い、Vd=−600V、Vl=−200Vとして説明する。
・単色画像形成時の動作についての説明である。
・レーザー22の光量は、最大光量の80%の光量とする。
・感光ドラム28の表面電位に関しては、特許文献3の[実施例1]での記述に従い、Vd=−600V、Vl=−200Vとして説明する。
さて、本発明上における本実施例の構成の特徴は、このかぶりとりローラ31を用いて、これに適切なバイアスVrを印加することで、感光ドラム28上に形成した基準トナー像P1を基準トナー像P2、P3に分割する点、そして基準トナー像P3を、逆方向へのバイアス印加でふたたび感光ドラム28上に戻し、基準トナー像P2、P3のトナー付着量を、タイミングをずらして共通の光学センサ41で検出する点であり、請求項8の発明を具体化したものである。
この基準トナー像分離動作を説明するのが図16に示したフローチャートであり、この動作を、特にかぶりとりローラ31へのバイアス印加に着目して示したのが図17である。図17の横軸は時間(msec)で、直前の画像形成終了時を0msecとしている。縦軸は、かぶりとりローラ31の位置での感光ドラム28の表面電位(V)、およびVr(V)の値である。
まず図17の左側から見ていくと、通常画造形成時には、Vr=−750Vとなっている。これは本実施例で用いた感光ドラム28はが特許文献3の感光ドラムCであるので、Vrの設定可能条件−650V〜−850Vの中央の値を設定したものである。
図16において通常画像形成が終了すると(ステップS401)、基準トナー像分割動作に先立って、あらかじめ回転ブラシ32はかぶりとりローラ31から離間される(ステップS402)。その後感光ドラム28上に、軸方向および周方向の長さが12mmであるような基準トナー像P1を形成する(ステップS403)。露光開始のタイミングは、図17の220msec時にかぶりとりローラ31の位置に基準トナー像P1の先端がくるようにする。第1の実施例と同様に、レーザー22の最大光量の80%の光量と、最大画像濃度部相当のパルス信号において基準潜像を形成し、Vlは前述の通り−200Vとなる。現像バイアスの直流成分Vdev=−450Vであるから、Vcont=250Vであって、またトナー付着量は0.55mg/cm2となる。
続いてかぶりとりローラ31に印加するVrの値を+120Vに切り替える(ステップS404)。切り替えのタイミングは、図17の横軸200msecの位置である。Vrの値について説明すると、次のようである。VlとVrの差が、第2の実施例でいうところの「転写コントラスト」となるから、これを800V、すなわちVr=+600Vとするのが図8における転写条件100%の位置である。ただしここでは基準トナー像P2、P3のトナー付着量を略等分して0.23mg/cm2としたいので、縦軸が50%の位置、すなわち転写条件の比率が40%となるように「転写コントラスト」相当の電位差を320Vにする。Vl=−200Vであるから、Vrの設定電位は+120Vということになる。このようにして、基準トナー像P1が基準トナー像P2、P3に分割される(ステップS405)。
基準トナー像P1の周方向長さは12mmで、プロセススピードは200mm/secであるから、基準トナー像P1がかぶりとりローラ31の位置を通過するのに要する時間は60msecである。本実施例では前後に20msecの余裕をみて、図17の200〜300msecの間、Vrを+120Vにする。その後はいったん通常画像形成時と同じくー750Vに戻す(ステップS406)。
基準トナー像P2、P3のトナー付着量はそれぞれ共に0.23mg/cm2となる。感光ドラム28上の基準トナー像P2は光学センサ41によってトナー付着量を検出される(ステップS407)。本実施例では12mmの区間のうち中央付近8mmの区間で5msec毎に9点信号をサンプリングして、平均化処理する。
ここで、一時的にかぶりとりローラ31上に担持されていた基準トナー像P3を感光ドラム28側に戻す、つまり100%近くの効率で逆転写させる。このため基準トナー像の分離時とは逆方向に電位差800Vを印加することになるので、Vrは感光ドラム28表面よりもマイナス側にしなければならない。この時、感光ドラム28表面電位がVd=−600Vのままであるとすると、Vr=−1400Vが必要となってしまう。しかし本実施例では、感光ドラム28の基準トナー像P3を受け取る位置をあらかじめレーザー22にて露光して表面電位をVl=−200Vまで下げることにより、Vr=−1000Vの設定で収めることができる。
図16のフローチャート上でこの動作を説明すると、基準トナー像P1の潜像を形成した後に、かぶりとりローラ31の1周分、即ち50mm分ずらした位置を、基準トナー像P3の再転写位置としてあらかじめレーザー22で露光して表面電位をVl=−200Vまで下げておく(ステップS408)。その部分がかぶりとりローラ31の位置に来たときに、Vrを−750Vから −1000Vに切り替える(ステップS409)ことにより、基準トナー像P3をかぶりとりローラ31から感光ドラム28へと再転写する(ステップ410)。その後はVrを通常画像形成時と同じくー750Vに戻し(ステップ411)、基準トナー像P3は基準トナー像P2と同様にして光学センサ41によってトナー付着量を検出される(ステップ412)。
図17によってこれらの動作のタイミングに関して述べる。基準トナー像P3の先端は基準トナー像P2の先端に対し、かぶりとりローラ31の1周分の時間、すなわち約190msec遅れて感光ドラム28上に戻ってくる。このタイミングにあわせ、390〜490secの間、Vrを−1000Vにする。
なおこの基準トナー像P3の移動の過程で、かぶりとりローラ31上に若干のトナーが残るが、その付着量は0.01mg/cm2に満たないため本実施例では誤差範囲として計算上取り扱わない。この程度の誤差であれば計算過程で補正してしまってもよいし、もちろんこの分を検知して計算上で取り扱ってもよい。
またかぶりとりローラ31の表面に残留した分のトナーは回転ブラシ32を当接させて除去すればよい。ただしこれはトナーを球形化処理しているために高い転写効率を保てるからであって、球形化処理が行われないトナーに関してはその「残トナー」をさらにバイアス印加によって転写するなどの処置が必要と思われる。またこれら一連の動作を順序だてて行うために、基準トナー像P1の周方向長さはかぶりとりローラ31の周長よりも小さくしておくことが好ましい。
以上のようにして検知した基準トナー像P2、P3のトナー付着量の検知結果はプリンタ制御部300において演算され、基準トナー像P1のトナー付着量が算出される(ステップS413)。基準トナー像P2、P3は1次転写部逆バイアスを印加されることで感光ドラム28上に担持され、クリーナー26aに回収される(ステップS414)。
以上説明したように、本実施例の構成のによれば、かぶりとりローラ31を用いて、基準トナー像P1を基準トナー像P2、P3に分割する点、そして基準トナー像P3を、逆方向へのバイアス印加でふたたび感光ドラム28上に戻し、基準トナー像P2、P3のトナー付着量を、タイミングをずらして共通の光学センサ41で検出することができ、本発明の課題をより好ましい形で解決することができる。
1 現像装置
22 レーザー
23 転写帯電器、または2次転写帯電器
24 中間転写ベルト
28 感光ドラム
31 かぶりとりローラ
41〜44 光学センサ
P1〜P4 基準トナー像、または分割基準トナー像
300 プリンタ制御部
22 レーザー
23 転写帯電器、または2次転写帯電器
24 中間転写ベルト
28 感光ドラム
31 かぶりとりローラ
41〜44 光学センサ
P1〜P4 基準トナー像、または分割基準トナー像
300 プリンタ制御部
Claims (10)
- 静電潜像を担持する感光体と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像手段と、
基準潜像を形成して前記現像手段によって現像することで基準トナー像を前記感光体上に形成する基準トナー像生成手段と、を備えた画像形成装置またはプロセスユニットであって、
前記基準トナー像を、前記基準トナー像の厚み方向に、2つ以上の部分に分割する手段と、
前記層方向に分割された分割基準トナー像をそれぞれ担持するための、複数の分割基準トナー像担持体と、
前記分割基準トナー像の、それぞれの部分のトナー付着量を検出するための単数あるいは複数の光学センサを備え、
前記光学センサによって検出された前記分割基準トナー像のそれぞれの部分のトナー付着量を検出し、それぞれの検出値に基づいて、分割される前の基準トナー像のトナー付着量を算出することを特徴とする、画像形成装置またはプロセスユニットの制御方法。 - 前記基準トナー像を分割する際、あるいは前記分割基準トナー像をさらに分割する際に、前記基準トナー像あるいは前記分割基準トナー像は、2つの分割基準トナー像担持体間にそれぞれ接触して挟まれることを特徴とする、請求項1の制御方法。
- トナー付着量変化0.1mg/cm2あたりの検出値が前記光学センサのダイナミックレンジの5%以上となるような領域において、前記分割基準トナー像のトナー付着量が検出されるように、前記基準トナー像を分割することを特徴とする、請求項1または2の制御方法。
- 前記基準トナー像を分割する際、あるいは前記分割基準トナー像をさらに分割する際に、前記2つの分割基準トナー像担持体間には、所定の電位差が設定されている、および/または所定の電流が流れるように設定されていることを特徴とする、請求項1ないし3の制御方法。
- 前記通常トナー像とともに加圧および/または加熱されることで前記通常トナー像を定着させるためのマテリアルが、前記感光体上から直接通常トナー像を転写される構成で、前記マテリアルに上に前記通常トナー像が転写される位置で、前記マテリアルを前記通常トナー像側とは逆の側から支持するためのマテリアル支持ローラを備えた請求項1ないし4の画像形成装置、プロセスユニットにおいて、
前記分割基準トナー像担持体として、前記感光体と前記マテリアル支持ローラとを用いることを特徴とする、請求項1ないし4の制御方法。 - 前記感光体から前記マテリアルへと前記通常トナー像が転写される間に、一時的に前記通常トナー像を担持するための中間転写体を少なくとも1つ備えた請求項1ないし4の画像形成装置、プロセスユニットにおいて、
前記分割基準トナー像担持体として、前記感光体、前記中間転写体、前記マテリアル支持ローラのうち少なくともいずれか2つを用いることを特徴とする、請求項1ないし4の制御方法。 - 前記感光体、前記中間転写体、前記マテリアル支持ローラのいずれかに接触することで前記分割基準トナー像を一時的に担持するための一時的分割基準トナー像担持体を、少なくとも1つ備えたことを特徴とする、請求項1ないし6の制御方法。
- ある分割動作において分割された、分割基準トナー像Aと、分割基準トナー像Bについて、分割基準トナー像Aを担持している分割基準トナー像担持体aに対向して備えられた光学センサaが、分割基準トナー像Aのトナー付着量を検出した後に、一度分割基準トナー像担持体bに担持されてから、分割基準トナー像担持体aへと逆転写され分割基準トナー像担持体aに再担持された分割基準トナー像Bのトナー付着量を検出することを特徴とする、請求項1ないし7の制御方法。
- 請求項1ないし8の制御方法を用いた画像形成装置。
- 請求項1ないし8の制御方法を用いたプロセスユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009256920A JP2011102839A (ja) | 2009-11-10 | 2009-11-10 | 画像形成装置、プロセスユニットの制御方法およびその方法を用いた画像形成装置、プロセスユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
ID=44193207
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JP2009256920A Pending JP2011102839A (ja) | 2009-11-10 | 2009-11-10 | 画像形成装置、プロセスユニットの制御方法およびその方法を用いた画像形成装置、プロセスユニット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011102839A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019117372A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び印刷物 |
-
2009
- 2009-11-10 JP JP2009256920A patent/JP2011102839A/ja active Pending
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JP2019117372A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び印刷物 |
JP7116918B2 (ja) | 2017-12-27 | 2022-08-12 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び印刷物 |
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