JP2011102465A - ピボットヒンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】ピボットヒンジにカバーを取り付けられていない場合であっても、ピボット軸の環状溝から止めネジが抜け出ることを阻止することができるピボットヒンジの提供。
【解決手段】ピボットヒンジは、上枠5aに固定される枠側部材71と、扉6の上側に固定される扉側部材72とを具備している。枠側部材71と扉側部材72を連結するピボット軸10の環状溝10cに扉側部材72に螺合された止めネジ20の先端部20bを当接させてピボット軸10の上下動が阻止されている。止めネジ20の先端部20bは、止めネジ20の軸線方向と平行な平面S2を有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、扉を支持するためのピボットヒンジに関するものである。
従来から、回転式で開閉する扉やドアの支持具としてピボットヒンジが使用されている。ピボットヒンジは扉と枠体の上下における上部ピボットと、下部ピボットとからなり、上下のピボットはそれぞれ枠側部材、扉側部材の対で構成され、扉と枠体の上下からは枠側部材、扉側部材のそれぞれの突出部が略水平に突出し、扉と枠体の上下において枠側部材と扉側部材がそれぞれ垂直なピボット軸により連結される。扉はその開閉に際し上下のピボット軸を支点にして回動する。図8は下記特許文献1に開示のピボットヒンジであるが、縦軸(以下ピボット軸という)120を支える軸座部(本発明では上部ピボットの扉側部材に相当し、以下上部ピボットの扉側部材という)110にはネジ孔130にピボット軸120が螺合されており、上部ピボットの扉側部材110のネジ孔140に螺合された止めネジ150をピボット軸120の環状溝160に係合させることにより、ピボット軸120の上下動を阻止するようになっている。
この構成では、止めネジ150の締め付けが十分でない場合、扉の開閉にともなう戸当たり等の振動で止めネジ150が緩む可能性がある。止めネジ150が緩むと、扉の開閉にともなってピボット軸120が扉側部材110に対して回転するようになる。そうすると、ピボット軸120は上方または下方へ移動し、ピボット軸120の環状溝160の壁面に止めネジ150が当接するようになるので、止めネジ150が回転して環状溝160から抜け出てしまう。従って、上部ピボットの扉側部材110には金属製のカバー170が装着されており、このカバー170によって環状溝160からの止めネジ150の抜けが阻止され、ピボット軸120は上部ピボットの扉側部材110から抜け出ることがないようになっている。
特開平2−279885号公報
ところが近年、デザイン上の理由から、ピボットヒンジにカバーを取り付けないことが求められる場合があり、カバーが取り付けられない場合にはピボット軸の環状溝からの止めネジの抜けを阻止することができず、上部ピボットの扉側部材からピボット軸が抜け出る可能性があるという問題が生じている。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、ピボットヒンジにカバーが取り付けられていない場合であっても、ピボット軸の環状溝から止めネジが抜け出ることを阻止することができるピボットヒンジを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のピボットヒンジは、上枠5aに固定される枠側部材71と、扉6の上側に固定される扉側部材72とを具備し、該枠側部材71と該扉側部材72を連結するピボット軸10の環状溝10cに該扉側部材72に螺合された止めネジ20の先端部20bを当接させて該ピボット軸10の上下動を阻止するピボットヒンジにおいて、該止めネジ20の先端部20bは、該止めネジ20の軸線方向と平行な平面S2を有していることを特徴とする。
ここで、該先端部20bの先端面S1は多角形状又は半円形状であることが好ましい。
本発明によれば、ピボットヒンジにカバーが取り付けられていない場合であっても、ピボット軸の環状溝から止めネジが抜け出ることを阻止し、上部ピボットの扉側部材からピボット軸が抜け出ることを防止することができる等の効果を奏する。
本発明の実施形態に係るピボットヒンジを使用した扉を閉状態で示す正面図である。 図1のB−B矢視断面図である。 本発明の実施形態に係る扉側部材72の平面図であり、扉側部材72にピボット軸10が螺合され、止めネジ20によりピボット軸10の回り止めがなされている状態を示す図である。 本発明の実施形態に係るピボット軸10の正面図である。 図3のA−A矢視断面図である。 本発明の実施形態に係る止めネジ20を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。 本発明の実施形態に係る止めネジ20の作用を説明するための図である。 従来のピボットヒンジを使用した扉を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、壁等に設けられた枠体5の内側に扉6が嵌め込まれている。枠体5は、上下に上枠5aと沓摺である下枠5bとを有し、左右に上下枠5a、5bを連結する竪枠5c、5dを有する。扉6は水平方向に回転するようにその上下が枠体5の上下枠5a、5bにそれぞれピボットヒンジを介して連結される。矢印Yは下方向を表している。
ピボットヒンジは上部ピボット70、下部ピボット80で構成され、一般に金属製であるそれぞれ対になった枠側部材71、扉側部材72、扉側部材81、枠側部材82を有する。上部ピボット70の枠側部材71と扉側部材72は重なり合うように配置されており、上枠5aと扉6から略水平方向にそれぞれの突出部71a、72aが突出する。同様に下部ピボット80の扉側部材81と枠側部材82も重なり合うように配置されており、下枠5bと扉6から略水平方向にそれぞれの突出部81a、82aが突出する。
図3に示すにように、上部ピボット70における扉側部材72は略板状に形成され、その固定部72bの一端から片持ち状に突出部72aが突出する。枠側部材71も略同様な形状に形成され、同じく固定部71bの一端から片持ち状に突出部71aが突出する。
図2に示すように、上部ピボット70の枠側部材71は、その固定部71bが枠体5の上枠5aに複数のネジ12により固定されることにより枠体5に取り付けられ、その結果、枠側部材71の突出部71aが枠体5の壁面から略水平方向に片持ち状に突出している。また、上部ピボット70の扉側部材72はその固定部72bが扉6の上端のフレーム8に複数のネジ11で固定されることにより扉6の上側に取り付けられ、その結果、扉側部材72の突出部72aが扉6の壁面から略水平方向に片持ち状に突出している。尚、7及び9は補強材となる鋼板である。
上部ピボット70と同様に、下部ピボット80においても扉側部材81はその固定部81bを介して扉6の下端に固定され、枠側部材82はその固定部82bを介して枠体5の下枠5bに固定されている。
図2に示すように、上部ピボット70の枠側部材71、扉側部材72の対は略垂直なピボット軸10により連結されている。ピボット軸10の軸線方向の中ほどにネジ部10bが設けられており、このネジ部10bが扉側部材72のネジ孔72cに螺合されてピボット軸10が扉側部材72に組み込まれている。扉側部材72の上面72eから突出したピボット軸10の軸部10aは、枠側部材71に設けられた軸受け13の軸孔13aに嵌入されている。図1に示すように、下部ピボット80においても扉側部材81、枠側部材82の対は略垂直なピボット軸83により連結されており、扉6は上部ピボット70のピボット軸10と下部ピボット80のピボット軸83を支点にして回動自在となっている。
図4及び図5に示すように、ピボット軸10の下端にはピボット軸10が上方に移動することを規制するためのフランジ部10dが形成されており、扉側部材72の上面72eからピボット軸10の軸部10a以外が突出しないように規制している。ピボット軸10のネジ部10bとフランジ部10dとの間には環状溝10cが形成されており、扉側部材72の側面とネジ孔72cを貫通するネジ孔72dに螺合された止めネジ20の先端部20bが環状溝10c内に位置して環状溝10cと当接することにより、ピボット軸10が扉6の回転に伴って扉側部材72に対して回転しないようにピボット軸10を固定している。尚、環状溝10cは、止めネジ20の先端部20bが当接する底面10eと、底面10eの上側に位置する上側壁面10fと、底面10eの下側に位置する下側壁面10g(フランジ部10dの上面)とによって画成されている。
図6に示すように、止めネジ20は、略円柱形状であるネジ部20aと、このネジ部20aの一端から突出する略四角柱形状の先端部20bとを備えている。ネジ部20aの他端には止めネジ20を工具で扉側部材72のネジ孔72dに螺合させる場合に用いるマイナス溝20cが形成されている。先端部20bは、その先端(図6(a)における右端)に止めネジ20の軸線方向(図6(a)における左右方向)と直交する略正方形状の平面である先端面S1を有している。この先端面S1は、止めネジ20によりピボット軸10を固定した図5に示す状態において、ピボット軸10の環状溝10cの底面10eに当接する。また、先端部20bは、ネジ部20aの一端と先端面S1を結ぶと共に、止めネジ20の軸線方向に平行である略長方形状の平面S2を4つ有している。4つの平面S2は、図5の状態において、ピボット軸10の環状溝10c内に位置する。
以上のように構成された本実施形態のピボットヒンジの作用について以下説明する。尚、図7は止めネジ20の作用を説明するための図であり、(a)は止めネジ20によってピボット軸10が正常に固定されている状態における止めネジ20の先端部20bとピボット軸10の位置関係を示し、(b)は上側壁面10fと先端部20bが当接し始めた状態における止めネジ20の先端部20bとピボット軸10の位置関係を示し、(c)は上側壁面10fと先端部20bの平面S2が当接するようになった状態における止めネジ20の先端部20bとピボット軸10の位置関係を示している。
扉6の取り付け等の施工時に止めネジ20の締め付けが十分でない場合、長年の使用や扉の開閉にともなう戸当たり等の振動で固定ネジ20が少し緩む可能性がある。止めネジ20が緩むと扉6の開閉にともなってピボット軸10が扉側部材72に対して回転するようになり、ピボット軸10の側面にはネジ部10bが設けられているので、図2に示されるピボット軸10はY方向(下方向)に移動するようになる。ここで、ピボット軸10にはフランジ部10dが形成されているので、ピボット軸10は図2の上方向にはほとんど移動することはない。
ピボット軸10が図2のY方向に移動することにより、当初は図7(a)に示す状態であった止めネジ20の先端部20bとピボット軸10の位置関係は、環状溝10cの上側壁面10fと止めネジ20の先端部20bが当接し始める図7(b)に示す状態へと変化する。そして、さらなるピボット軸10の回転とY方向への移動により止めネジ20は回転し、図7(c)の状態に至るようになる。図7(c)の状態になると、環状溝10cの上側壁面10fと、止めネジ20の先端部20bにおける4つの平面S2の1つが当接しているので、止めネジ20はそれ以上は回転せず、止めネジ20の先端部20bは環状溝10cから抜け出ることがない。
本実施形態のピボットヒンジは、止めネジ20の先端部20bが止めネジ20の軸線方向と平行である平面S2を有しているので、平面S2が止めネジ20の回転により水平となり、環状溝10cの上側壁面10fと当接する状態となると止めネジ20は回転不能となる。従って、ピボットヒンジにカバーを設けない場合であっても、止めネジ20が環状溝10cから抜け出てしまうことを阻止し、ピボット軸10が上部ピボット70の扉側部材72からY方向に抜け出てしまうことを確実に防止することができる。
本発明によるピボットヒンジは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、上述した実施形態においては、止めネジ20の先端面S1は略正方形状とされていたが、これに限定されない。止めネジ20の先端部20bが止めネジ20の軸線方向と平行である平面S2を少なくとも1つ備えていればよいので、先端面S1の形状は三角形状等の多角形状や半円形状にしてもよい。
5 枠体、5a 上枠、6 扉、10 ピボット軸、10c 環状溝、20 止めネジ、20b 先端部、70 上部ピボット、71 枠側部材、72 扉側部材、S1 先端面、S2 平面

Claims (2)

  1. 上枠に固定される枠側部材と、扉の上側に固定される扉側部材とを具備し、該枠側部材と該扉側部材を連結するピボット軸の環状溝に該扉側部材に螺合された止めネジの先端部を当接させて該ピボット軸の上下動を阻止するピボットヒンジにおいて、該止めネジの先端部は、該止めネジの軸線方向と平行な平面を有していることを特徴とするピボットヒンジ。
  2. 該先端部の先端面は多角形状又は半円形状であることを特徴とする請求項1に記載のピボットヒンジ。
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