JP2011100672A - ヒートシンク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発熱体の取付部11cが形成されたベース部11と、ベース部11上に立設された複数の放熱フィン12,13と、を有する本体部10を備え、ダイカストによって形成されたヒートシンク1であって、放熱フィン13の先端縁部には、本体部10をダイカスト用の金型から取り出すときに、金型に設けられた押出ピンによって押圧される押出部14が形成されており、押出部14は、矩形断面に形成され、放熱フィン13のいずれか一方の側面に突設されていることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
また、押出部を形成するための切り欠き部は、第一の金型の側面を加工して形成されるため、金型の加工を簡略化させることができる。
なお、第一の領域に発熱体の取付部が形成されている場合には、取付部の形状が変更されたときに、金型全体を新たに作成することなく、第一の金型のみを新たに作成すればよいため、金型の製造コストを低減することができる。
そこで、前記アルミニウム合金の材料は、ケイ素を4〜13%、マグネシウムを0.22〜2.0%、鉄を0.2〜1.0%含み、成形後の前記本体部に熱処理を施すことで、熱伝導率を低下させることなく、合金基質を強化することが望ましい。
また、前記アルミニウム合金の材料は、ケイ素を0.1〜1.0%、マグネシウムを0.22〜2.0%、鉄を0.2〜1.0%含むとともに、0.5〜5.0%の銅または0.5〜5.0%のニッケルの少なくとも一種が含まれており、成形後の前記本体部に熱処理が施すことで、熱伝導率を低下させることなく、合金基質を強化させてもよい。
すなわち、ヒートシンクの本体部に熱処理を施すことで、アルミニウム合金組織中にケイ化マグネシウム化合物、またはアルミニウム−銅系もしくはアルミニウム−ニッケル系の化合物を析出させて、合金基質を強化させることができる。したがって、押出部を矩形断面に形成したうえで、放熱フィンを薄肉化することができ、ヒートシンクの放熱効率を高めることができる。
また、ヒートシンクの本体部に熱処理を施して、アルミニウム合金組織中にケイ化マグネシウム化合物、またはアルミニウム−銅系もしくはアルミニウム−ニッケル系の化合物を析出させることで、放熱特性を改善することができる。
本実施形態では、自動車のライトのハウジングに取り付けられるヒートシンクを例として説明する。本実施形態のヒートシンクは、ライトの光源であるLED素子(特許請求の範囲における「発熱体」)の取付部が形成されており、LED素子の熱を放熱させるための部品である。
なお、本実施形態では、図1の上側をヒートシンク1の表側とし、図1の下側をヒートシンク1の裏側としているが、この表裏は便宜上設定したものであり、ヒートシンク1の構成を限定するものではない。
また、図3に示すように、放熱フィン12の側面は、先端縁部の幅が基端部の幅よりも小さくなるように台形状に形成されている。
裏側の面11bの放熱フィン13の側面は、表側の面11aの放熱フィン12の側面の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で台形状に形成されている。
また、ベース部11の裏側では、取付部11cの底部が各放熱フィン13・・・の先端縁部よりも突出している。
押出部14は、図6(b)に示すように、本体部10を後記する可動型20(図6(b)参照)から取り外すときに、可動型20に設けられた押出ピン40によって押圧される部位である。
さらに、本実施形態では、成形後の本体部10に対して、処理温度が150〜350℃で、処理時間が1〜10時間の熱処理が施されている。
そこで、前記したように、本体部10に熱処理を施すことで、アルミニウム合金組織中にケイ化マグネシウム化合物、またはアルミニウム−銅系もしくはアルミニウム−ニッケル系の化合物を析出させ、合金基質を強化させている。したがって、押出部14を矩形断面に形成したうえで、放熱フィン13を薄肉化することができ、ヒートシンク1の放熱効率が高くなっている。
また、本体部10に熱処理を施して、アルミニウム合金組織中にケイ化マグネシウム化合物、またはアルミニウム−銅系もしくはアルミニウム−ニッケル系の化合物を析出させることで、放熱特性を改善させている。
金型2は、図4および図5に示すように、固定型30と可動型20とを備え、固定型30と可動型20とを組み合わせることで、金型2の内部に形成されたキャビティ2a(図6(a)参照)内に、溶解させたアルミニウム合金を射出させて、キャビティ2a内で本体部10(図1(a)参照)を形成するものである。
第一の可動型21は、図2(b)に示す本体部10において、取付部11cおよび各押出部14・・・を含む第一の領域A(ハッチングを付した領域)を形成するための金型である。また、第二の可動型22は、第一の領域A以外の第二の領域Bを形成するための金型である。
なお、第一の領域Aは、取付部11cを中心として、ベース部11の裏側の面11bの中央部に設定された矩形の領域であり、各押出部14・・・が四隅に配置されている。
第一の可動型21を第二の可動型22の開口部22dに挿入したときには、各切り欠き部21e・・・によって、第一の可動型21の四隅に表側の面21aから裏側の面21bに貫通した孔部が形成される。この四つの孔部には、ダイカスト装置の駆動機構に連結された四体の押出ピン40がそれぞれ挿入される(図6(a)参照)。
まず、図6(a)に示すように、固定型30の裏側の面30bに可動型20の表側の面22aを重ね合わせて、固定型30と可動型20とを組み合わせる。これにより、金型2の内部にキャビティ2aが形成される。また、第一の可動型21の各切り欠き部21e・・・には押出ピン40・・・がそれぞれ挿入されている。
このように、本実施形態のヒートシンク1では、本体部10に熱処理を施すことで、アルミニウム合金組織中にケイ化マグネシウム化合物、またはアルミニウム−銅系もしくはアルミニウム−ニッケル系の化合物を析出させ、合金基質を強化させているため、押出部14を矩形断面に形成したうえで、放熱フィン13を薄肉化することができ、ヒートシンク1の放熱効率を高めることができる。
また、ヒートシンク1の本体部10に熱処理を施して、アルミニウム合金組織中にケイ化マグネシウム化合物、またはアルミニウム−銅系もしくはアルミニウム−ニッケル系の化合物を析出させることで、ヒートシンク1の放熱特性が改善されている。
したがって、本実施形態のヒートシンク1では、押出部14の断面積を十分に確保しつつ放熱効率を高めることができる。
また、押出部14を形成するための切り欠き部21eは、第一の可動型21の側面を加工して形成されているため、金型2の加工を簡略化させることができる。
また、取付部11cの形状が変更されたときには、金型2全体を新たに作成することなく、第一の可動型21のみを新たに作成すればよいため、金型2の製造コストを低減することができる。
例えば、本実施形態では、図2(b)に示すように、二つの放熱フィン13,13に押出部14を形成しているが、押出部14の個数やその配置は限定されるものではなく、本体部10の離型性を考慮して設定することができる。
なお、表1に合金名Eとして示すものは特許文献2に開示されるアルミニウム合金の例であり、合金名Fとして示すものは、熱処理型のダイカスト合金として従来から汎用されてきたJIS H 5302に規定されたADC12合金である。
本発明の実施例および合金名Fについては、処理温度が200℃、処理時間が4時間の熱処理を施している。そして、熱処理の前後両方の合金を供試材として用意し、これらの供試材について、引張強度と熱伝導率を測定した結果を表2に示している。
なお、合金名A、B、CまたはDであっても熱処理なしでは、熱伝導率が160W/mK未満または引張強度が230MPa未満となっている。
また、特許文献2に開示されたアルミニウム合金の例である合金名Eは、熱処理型の合金ではないが、熱伝導率が160W/mK未満かつ引張強度が230MPa未満であり、高い熱伝導率と強化された合金基質とが両立していない。
また、熱処理型のダイカスト合金として従来から汎用されてきたADC12合金は、熱処理なしでも、熱処理を施しても熱伝導率が160W/mK未満であり、高い熱伝導率が得られない。
このような実施例および比較例によって、本発明のヒートシンクに用いられるアルミニウム合金は、熱伝導率が高く、合金基質が強化されていることがわかった。
2 金型
2a キャビティ
10 本体部
11 ベース部
11c 取付部
12 表側の放熱フィン
13 裏側の放熱フィン
14 押出部
20 可動型
21 第一の可動型
21e 切り欠き部
22 第二の可動型
30 固定型
40 押出ピン
A 第一の領域
B 第二の領域
Claims (6)
- 発熱体の取付部が形成されたベース部と、前記ベース部上に立設された複数の放熱フィンと、を有する本体部を備え、ダイカストによって形成されたヒートシンクであって、
少なくとも一つの前記放熱フィンの先端縁部には、前記本体部をダイカスト用の金型から取り出すときに、前記金型に設けられた押出ピンによって押圧される押出部が形成されており、
前記押出部は、矩形断面に形成され、前記放熱フィンのいずれか一方の側面に突設されていることを特徴とするヒートシンク。 - 前記本体部は、
前記押出部を含む第一の領域が第一の金型によって形成され、
前記第一の領域以外の第二の領域が第二の金型によって形成されており、
前記押出部は、前記第一の金型の側面に設けられた切り欠き部によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。 - 前記第一の領域には、複数の前記押出部が形成されており、前記各押出部は前記取付部の周囲に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のヒートシンク。
- 前記本体部は、アルミニウム合金の材料を用いたダイカストによって形成されており、
前記アルミニウム合金の材料は、ケイ素を4〜13%、マグネシウムを0.22〜2.0%、鉄を0.2〜1.0%含み、成形後の前記本体部に熱処理が施されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のヒートシンク。 - 前記本体部は、アルミニウム合金の材料を用いたダイカストによって形成されており、
前記アルミニウム合金の材料は、ケイ素を0.1〜1.0%、マグネシウムを0.22〜2.0%、鉄を0.2〜1.0%含むとともに、0.5〜5.0%の銅または0.5〜5.0%のニッケルの少なくとも一種が含まれており、成形後の前記本体部に熱処理が施されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のヒートシンク。 - 前記本体部の熱処理は、処理温度が150〜350℃で、処理時間が1〜10時間であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のヒートシンク。
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