JP2011100547A - 燃料電池発電システム - Google Patents

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靖 菅原
Kiichi Shibata
礎一 柴田
Osamu Sakai
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Abstract

【課題】触媒活性の低下を抑制し、フラッディングなどの性能低下を引き起こさない、発電効率及び耐久性を向上できる燃料電池発電システムを提供すること。
【解決手段】アノード側およびカソード側ガスケット5aおよび5bと、ガスケット5aおよび5bを冷却するガスケット冷却流体を供給、排出するガスケット冷却流体流路8と、ガスケット冷却流体の供給量を制御するガスケット冷却流体制御部を備え、ガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給することにより、ガスケット5aおよび5bの内の少なくとも一方の内周面で燃料ガスあるいは酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させ、発電性能に影響を与えるガスケット5aおよび5bの内周面の近傍の不純物を除去するので、アノード2a及びカソード2bの不純物による触媒活性の低下を抑制することができ、また、発電効率及び耐久性の向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アノード及びカソードの不純物による触媒活性の低下を抑制し、発電効率及び耐久性の向上を図った燃料電池発電システムに関するものである。
従来の一般的な燃料電池発電システムは、図10に示すように、電解質21を挟んで互いに対向して設けられた燃料ガスが供給されるアノード22aと、酸化剤ガスが供給されるカソード22bからなる燃料電池23を複数積層して構成されるスタックを備える。
燃料ガス及び酸化剤ガスは、それぞれのガス流路が設けられたセパレータ24a及び24bを通じて、それぞれアノード22a及びカソード22bに供給される。
そして、燃料電池23とセパレータ24a及び24bの間には、燃料ガス及び酸化剤ガスが外部へ漏れないようにガスケット25a及び25bが配置されている。
上記構成のスタックに、アノード22aに燃料ガスを供給する燃料ガス供給部26と、カソード22bに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部27が接続されていて、制御部28により、所望の発電状態となるように制御されていた。
一方、従来の燃料電池発電システムは、様々な不純物に影響を受け、発電性能の低下が起こる場合があった。
不純物には、燃料電池発電システムを構成する樹脂材料や金属材料などの部材から発生する内的不純物と、大気などの外部から混入する外的不純物とがあり、これらの不純物がアノード22aやカソード22bを被毒あるいは被覆して、発電反応を阻害し、発電性能を低下させていた。
従来の燃料電池発電システムは、こうした不純物による影響を取り除くため、発電中に、制御部28が、燃料ガスあるいは酸化剤ガスの流量を減少させたり、アノード22aあるいはカソード22bを加圧したり、スタックの温度を下げたりして、アノード22aあるいはカソード22bの触媒層中に凝縮水を生成し、内部に蓄積した不純物をこの凝縮水で洗い流すことにより除去していた(例えば、特許文献1)。
特開2008−218050号公報
しかしながら、前記従来のアノードあるいはカソードの電極面内の触媒層中に凝縮水を生成して、内部に蓄積した不純物を凝縮水で除去する方法では、発電中に電極面内に余剰水分が残っていると反応ガスが閉塞して、電圧が降下するフラッディング現象を起こしてしまうため、不純物を除去する処理をした後に、電極面内の余剰水分を除去する必要があった。余剰水分を除去するためには、所定時間、燃料ガスあるいは酸化剤ガスの流量を増加したり、低加湿ガスを供給したりする必要があり、制御が複雑になり、多くの処理時間を費やすだけでなく、発電に寄与しない反応ガスの消費量が無駄に増えることになり、効率の面で未だ改善の余地があった。
また、本発明者らが鋭意検討した結果、燃料電池発電システムを構成する部材の中でも、燃料ガス及び酸化剤ガスをシールするために設けられるガスケットは、種類によっては、ガスケットから発生する不純物の発電性能に与える影響が比較的大きいことを見出した。
ガスケットなどのシール材には、弾力性などの機能を持たせるために可塑剤などの添加剤が配合されている場合が多く、これらの添加剤が、ガスケットが圧縮されたり、高温や水蒸気に曝されたりすることにより、滲み出たり、溶出したりする場合があり、アノード及びカソードに対して不純物となることがある。
また、ガスケットは設計上、電解質、アノード、カソード、あるいは燃料ガス、酸化剤ガスなどと、直接接触して配置される場合が多く、ガスケットに不純物が含まれた場合、発電性能が低下するという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、主に発電反応に寄与する電極面内の中央寄りの触媒層において、フラッディングなどの性能低下を引き起こさないように、内部に蓄積した不純物を除去して、触媒活性の低下を抑制し、発電効率及び耐久性を向上することのできる燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池発電システムは、アノード側ガスケットとカソード側ガスケットの内、少なくとも一方を冷却するためのガスケット冷却流体を供給、排出するためのガスケット冷却流体流路と、ガスケット冷却流体の供給量を制御するガスケット冷却流体制御部とを備え、アノード側ガスケットとカソード側ガスケットの内、少なくとも一方の内周面で燃料ガスあるいは酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させるようにガスケット冷却流体流路にガスケット冷却流体を供給するものである。
これにより、電解質、アノード、カソード、あるいは燃料ガス、酸化剤ガスなどと、直接接触して配置される場合が多いガスケットから発生した不純物が、ガスケット冷却流体により冷却されて凝縮した凝縮水に溶け込み、燃料ガスや酸化剤ガス、あるいは生成水とともに燃料電池の外部へと排出され、アノード及びカソードのガスケット由来の不純物による触媒活性の低下を抑制するので、発電効率及び耐久性の向上を図ることができる。
本発明によれば、触媒活性を低下させる不純物を除去することができ、発電効率及び耐久性に優れた燃料電池発電システムを実現できる。
また、不純物を多く含むガスケットの内周面の近傍のみに凝縮水を生成し、触媒層全体に凝縮水を生成する場合に比べて、凝縮水量を大幅に削減することができ、発電中に、凝縮水によるフラッディングを抑制するので、余剰水分を除去する工程や制御を省くことができる。
また、多少の不純物が出る可能性のある部材を用いても、これを除去することができるので、システムの低コスト化を図ることができる。
本発明の実施の形態1における燃料電池発電システムの概略構成図 (a)同システムのアノード側セパレータの燃料ガス流路面の平面図(b)同システムのカソード側セパレータの酸化剤ガス流路面の平面図(c)同システムのカソード側セパレータの燃料電池冷却流体流路及びガスケット冷却流体流路面の平面図 同システムの発電特性を示す特性図 (a)本発明の実施の形態2における燃料電池発電システムのアノード側セパレータの燃料ガス流路及びアノード側バイパス排水流路面の平面図(b)同システムのカソード側セパレータの酸化剤ガス流路及びカソード側バイパス排水流路面の平面図 本発明の実施の形態3における燃料電池発電システムの概略構成図 本発明の実施の形態4における燃料電池発電システムの運転シーケンスを示すフローチャート 本発明の実施の形態5における燃料電池発電システムの運転シーケンスを示すフローチャート 本発明の実施の形態6における燃料電池発電システムの起動時の運転シーケンスを示すフローチャート 本発明の実施の形態6における燃料電池発電システムの発電中の運転シーケンスを示すフローチャート 従来の燃料電池発電システムの概略構成図
第1の発明は、少なくとも水素を含む前記燃料ガスが供給されるアノードと、少なくとも酸素を含む前記酸化剤ガスが供給されるカソードと、前記アノード及び前記カソードが形成された電解質とを含む燃料電池と、前記燃料電池を挟んで互いに対向するように配置したアノード側セパレータ及びカソード側セパレータと、前記アノード側セパレータの前記燃料電池側の面内の前記アノードの外側の部分に配置されて前記燃料電池に当接し前記燃料ガスをシールするためのアノード側ガスケットと、前記カソード側セパレータの前記燃料電池側の面内の前記カソードの外側の部分に前記アノード側ガスケットに対向するように配置されて前記燃料電池に当接し前記酸化剤ガスをシールするためのカソード側ガスケットと、前記アノード側ガスケットと前記カソード側ガスケットの内の少なくとも一方を冷却するためのガスケット冷却流体を供給、排出するためのガスケット冷却流体流路と、前記ガスケット冷却流体の供給量を制御するガスケット冷却流体制御部とを備え、前記ガスケット冷却流体制御部は、前記アノード側ガスケットと前記カソード側ガスケットの内の少なくとも一方の内周面で前記燃料ガスあるいは前記酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させるように前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給することを特徴とする。
この構成により、アノード側ガスケットとカソード側ガスケットの内、少なくとも一方の内周面のみで反応ガス中の水蒸気成分を凝縮させて、電解質や、アノード及びカソード、あるいは反応ガスに対して、直接接触して配置される場合が多く、発電性能に与える影響の大きいガスケットの内周面の近傍の不純物を除去するので、アノード及びカソードの不純物による触媒活性の低下を抑制することができ、発電効率及び耐久性の向上を図ることができる。
また、不純物を多く含むガスケットの内周面の近傍のみに凝縮水を生成し、触媒層全体に凝縮水を生成する場合に比べて、凝縮水量を大幅に削減することができ、発電中に、凝縮水によるフラッディングを抑制するので、余剰水分を除去する工程や制御を省くことができる。
また、多少の不純物が出る可能性のある部材を用いても、これを除去することができるので、システムの低コスト化を図ることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記アノード側セパレータに形成され、前記アノード側ガスケットの内周面で凝縮した凝縮水を排出するアノード側バイパス排水流路を備
えたことを特徴とする。
この構成により、アノード側ガスケットの内周面で凝縮した凝縮水が、アノード側バイパス排水流路を通って、燃料ガスとともに燃料電池の系外へ排出され、主に発電に寄与する中央寄りの触媒層に凝縮水が移動することを抑制するので、発電中に凝縮水によるフラッディングを抑制することができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記カソード側セパレータに形成され、前記カソード側ガスケットの内周面で凝縮した凝縮水を排出するカソード側バイパス排水流路を備えたことを特徴とする。
この構成により、カソード側ガスケットの内周面で凝縮した凝縮水が、カソード側バイパス排水流路を通って、酸化剤ガスとともに燃料電池の系外へ排出され、主に発電に寄与する中央寄りの触媒層に凝縮水が移動することを抑制するので、発電中に凝縮水によるフラッディングを抑制することができる。
第4の発明は、第1の発明において、前記ガスケット冷却流体の温度は、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの露点温度のうち少なくとも一方の露点温度よりも低いことを特徴とする。
この構成により、アノード側ガスケットとカソード側ガスケットの内周面で燃料ガス及び酸化剤ガスに含まれる水蒸気が凝縮するので、凝縮してできた凝縮水がガスケットの内周面の近傍の不純物を洗い流し、除去することができる。
第5の発明は、第1の発明において、前記燃料電池を冷却する冷却流体を有する燃料電池冷却手段を備え、前記燃料電池冷却手段が有する冷却流体が前記ガスケット冷却流体として働くことを特徴とする。
この構成により、ガスケット冷却流体を保持する専用のガスケット冷却流体タンクなどがなくても、燃料電池冷却手段が保持する燃料電池を冷却する冷却流体をガスケット冷却流体としてガスケット冷却流体流路に供給することができ、部品を共用化するので、経済的だけでなく、システムの構成が簡素化され、システムの小型化を図ることができる。
第6の発明は、第1乃至5の発明において、前記ガスケット冷却流体制御部は、前記燃料電池の起動時に、前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給して、前記アノード側ガスケットと前記カソード側ガスケットの内の少なくとも一方の内周面で前記燃料ガスあるいは前記酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させることを特徴とする。
この構成により、燃料電池の起動時にガスケットの内周面の近傍の不純物を除去して、発電中は温度の低いガスケット冷却流体の供給量を減少あるいは供給を停止することができるので、発電時の発電効率や熱交換効率をより高く保持することができる。
第7の発明は、第1乃至5の発明において、前記ガスケット冷却流体制御部は、所定発電時間毎に、前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給することを特徴とする。
この構成により、アノード側ガスケットあるいはカソード側ガスケットから発生する不純物を、定期的に凝縮水を生成し、溶解させて除去するので長期に亘り、高い発電効率及び耐久性を持続することができる。
第8の発明は、第1乃至7の発明において、前記カソードに所定電圧以上の電圧を付与する出力制御部を備え、前記出力制御部は、前記ガスケット冷却流体制御部が前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給して、前記アノード側ガスケットと前記カソード側ガスケットの内の少なくとも一方の内周面で前記燃料ガスあるいは前記酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させる時に、前記カソードに所定電圧以上の電圧を所定時間付与することを特徴とする。
この構成により、カソードの電極電位が高電位となり、カソード側ガスケットの内周面の近傍の不純物が酸化され、より凝縮水に溶けやすくなり、不純物による影響をさらに軽減させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の燃料電池発電システムは、電解質1の両面にアノード2a及びカソード2bを対向して形成した燃料電池3を備える。ここで、電解質1は、例えば水素イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルフォン酸ポリマーからなる固体高分子電解質から構成される。
また、アノード2aとカソード2bは、耐酸化性の高い多孔質カーボンに白金などの貴金属を担持した触媒及び水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなる触媒層と、触媒層の上に積層した通気性及び電子伝導性を有するガス拡散層から構成される。このとき、アノード2aの触媒として、一般に、燃料ガス中に含まれる不純物、特に一酸化炭素による被毒を抑制する白金−ルテニウムの合金触媒が用いられる。
また、ガス拡散層として、撥水処理を施したカーボンペーパーやカーボンクロス、あるいはカーボン不織布などが用いられる。
そして、燃料電池3を挟むようにして、アノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bが互いに対向するように配置されている。アノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bは、主にカーボンなどの導電性を有する材料で形成される。
図2(a)及び(b)にそれぞれアノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bの燃料電池3側の燃料ガス流路41a及び酸化剤ガス流路41bを形成した面の平面図を示す。
アノード側セパレータ4aには、サーペンタイン状の燃料ガス流路41aが形成され、アノード2aに供給される少なくとも水素を含む燃料ガスは、燃料ガス入口マニホールド42aから供給され、燃料ガス流路41aを流通して、燃料ガス出口マニホールド43aへ排出される。
そして、燃料ガスを外部及び別流体の流通路にリークさせないために、燃料電池3のアノード2aの外側の部分に当接してシールするようにゴム状の弾性体などからなるアノード側ガスケット5aが配置されている。
一方、カソード側セパレータ4bには、アノード2aの燃料ガス流路41aに対向するように同様のサーペンタイン状の酸化剤ガス流路41bが形成され、カソード2bに供給される少なくとも酸素を含む酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口マニホールド42bから供給され、酸化剤ガス流路41bを流通して、酸化剤ガス出口マニホールド43bへ排出される。
そして、酸化剤ガスを外部及び別流体の流通路にリークさせないために、燃料電池3のカソード2bの外側の部分に当接してシールするようにゴム状の弾性体などからなるカソード側ガスケット5bがアノード側ガスケット5aに対向するように配置されている。
なお、燃料ガス流路41a及び酸化剤ガス流路41bの流路パターンは図示した並行する対向流に限定されるものではなく、他の流路パターンでもよい。
そして、カソード側セパレータ4bの燃料電池3側面の反対の面には、燃料電池3を冷却する冷却流体を供給、排出する燃料電池冷却流体流路6と、アノード側ガスケット5aとカソード側ガスケット5bの内の少なくとも一方を冷却するためのガスケット冷却流体を供給、排出するためのガスケット冷却流体流路8を形成した。
図2(c)にカソード側セパレータ4bの燃料電池冷却流体流路6及びガスケット冷却流体流路8を形成した面の平面図を示す。
燃料電池3を冷却する冷却流体は、燃料電池冷却流体流路入口マニホールド61から供給され、サーペンタイン状の燃料電池冷却流体流路6を流通して、燃料電池3で発生した熱と熱交換しながら高温になって燃料電池冷却流体流路出口マニホールド62から排出される。
一方、ガスケット冷却流体は、ガスケット冷却流体流路入口マニホールド81から供給され、ガスケット冷却流体流路8を流通して、間接的にアノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bを冷却して、ガスケット冷却流体流路出口マニホールド82から排出される構成とした。
そして、燃料電池を冷却する冷却流体及びガスケット冷却流体をそれぞれ外部及び別流体の流通路にリークさせないために、燃料電池冷却流体流路6及びガスケット冷却流体流路8の外周をシールするために、ゴム状の弾性体からなる冷却流体ガスケット7を配置した。
この構成により、ガスケット冷却流体流路8をアノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bに近接してコンパクトに配置することができ、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bを効率的に冷却することができる。
なお、燃料電池冷却流体流路6及びガスケット冷却流体流路8は、アノード側セパレータ4aの燃料電池3側の反対の面に形成してもよく、また、単独で燃料電池冷却流体流路6及びガスケット冷却流体流路8を形成したセパレータを別途設けてもよい。
そして、上記構成の燃料電池3と各セパレータ4a及び4bからなるセルを複数積層し、両端に電流を取り出すために集電体9を配置して、絶縁体を介して端板10を配置し、締結してスタックを構成した。スタックの周囲には外部への放熱を防止して排熱回収効率を高めるため、断熱材11を配置した。
そして、燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段として、燃料電池を冷却する冷却流体を溜める燃料電池冷却流体タンク12と、燃料電池を冷却する冷却流体を任意の流量で供給する燃料電池冷却流体ポンプ13を配置し、さらに燃料電池3で発生する熱と熱交換して高温になった燃料電池を冷却する冷却流体とさらに熱交換してお湯を作る熱交換器14を配置した。燃料電池冷却流体タンク12に溜まった冷却流体は燃料電池冷却流体ポンプ13により、燃料電池冷却流体流路6に供給され、燃料電池3で発生した熱と熱交換してスタックから排出され、熱交換器14に供給され、水と熱交換され、再び温度を低下させた後、燃料電池冷却流体タンク12に戻り、循環する構成になっている。
そして、アノード2a側に水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給部15と、カソード2b側に大気中の酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部16を接続した。
ここで、酸化剤ガス供給部16は、酸化剤ガスを取り込んで流量を制御する酸化剤ガス流量制御部であるブロワ161と、酸化剤ガス中の不純物を除去する不純物除去部162と、酸化剤ガスを加湿する加湿器163で構成される。
なお、酸化剤ガスとは、少なくとも酸素を含む(あるいは酸素を供給することのできる)ガスの総称であり、例えば大気(空気)が利用される。
また、燃料ガス供給部15は、都市ガスなどの原料ガスから触媒毒である硫黄化合物を除去する脱硫器151と、燃料ガスの流量を制御する燃料ガス供給部152と、都市ガスを改質して水素を生成する燃料処理器153を備え、さらに、燃料処理器153は、少なくとも改質部と、一酸化炭素変成部と、一酸化炭素除去部とで構成される。
ここで、例えば原料ガスにメタンを用いた場合の燃料処理器153の動作について簡単に説明する。
最初に、燃料処理器153の改質部で、水蒸気を伴って(化1)及び(化2)に示した反応が起こり、水素が発生する。
なお、改質部で起こる全反応をまとめると(化3)に示す反応が行われる。
しかし、改質部で生成した改質ガス中には水素以外に10%程度の一酸化炭素が含まれる。一酸化炭素は、燃料電池3の運転温度域においてアノード2aに含まれる白金触媒を被毒して、その触媒活性を低下させるので、改質部で発生した一酸化炭素を、一酸化炭素変成部で(化2)の反応式に示すように、一酸化炭素を二酸化炭素に変成する。これにより、一酸化炭素の濃度が約5000ppmまで減少する。
さらに、濃度が低減した一酸化炭素を、一酸化炭素除去部で(化4)で示す反応により、大気中などから取り込んだ酸素で選択的に酸化する。これにより、アノード2aの白金触媒の触媒活性の低下を抑制できる約10ppm以下までに一酸化炭素の濃度が減少する。
また、発電中にアノード2aに空気を供給するエアブリード手段を設けて、燃料処理器153で生成した燃料ガスに1〜2%程度の空気を混合することにより、わずかに残る一酸化炭素の影響をさらに軽減させた。
なお、燃料ガス供給部15は、上記水蒸気改質法に限られず、オートサーマル法などの水素生成方法でもよい。また、燃料ガスに含まれる一酸化炭素濃度が低い場合はエアブリード手段を省略してもよい。
次に、ガスケット冷却流体を溜めるガスケット冷却流体タンク17と、ガスケット冷却流体を任意の流量で供給するガスケット冷却流体ポンプ18を配置し、ガスケット冷却流体タンク17に溜めたガスケット冷却流体をガスケット冷却流体ポンプ18により、ガスケット冷却流体流路8に供給し、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bを間接的に冷却して、スタックから排出し、再びガスケット冷却流体タンク17に戻り、循環するようにした。
ガスケット冷却流体の温度は、燃料ガス及び酸化剤ガスの露点温度よりも低い温度になるように設定した。
そして、ガスケット冷却流体流路8に流れるガスケット冷却流体を制御して、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面の近傍に生成される凝縮水の量を調整するガスケット冷却流体制御部を設けた。
そして、燃料電池3に接続する負荷を制御する出力制御部を設け、発電量を制御できるようにした。
次に、上記構成の燃料電池発電システムの動作について、具体的に説明する。
まず、アノード2aに燃料ガス、カソード2bに酸化剤ガスを供給して、出力制御部を制御して燃料電池3に負荷を接続すると、燃料ガス中の水素は反応式(化5)で示すようにアノード2aの触媒層と電解質1の界面で電子を放出して水素イオンとなる。
そして、放出された水素イオンは、電解質1を通ってカソード2bへと移動し、カソード2bの触媒層と電解質1の界面で電子を受け取る。このとき、カソード2bに供給された酸化剤ガス中の酸素と反応して、反応式(化6)で示すように水を生成する。
上記反応をまとめると(化7)に示す反応が行われる。
そして、負荷を流れる電子の流れを直流の電気エネルギーとして利用できる。また、上記一連の反応は発熱反応であるため、燃料電池3で発生した熱を、燃料電池冷却流体流路6から供給される冷却流体により熱交換して回収することにより、お湯などの熱エネルギーとして利用することができる。
ところで、上記構成の燃料電池発電システムに使用されている部材には、金属材料や樹脂材料といった様々な材料が用いられているが、これらの部材から発生する不純物が燃料電池3の発電反応を阻害し、発電性能を低下させる場合がある。
アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bには、弾力性などの機能を持たせるために可塑剤などの添加剤が配合されている場合が多く、圧縮されたり、高温や水蒸気に曝されたりすることにより、これらの添加剤が滲み出たり、溶出したりする場合があり、アノード2a及びカソード2bに対して不純物となることがある。
アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bは、燃料ガス及び酸化剤ガスをシールするために設けられるので、燃料ガス及び酸化剤ガスあるいは電解質1や、アノード2a及びカソード2bに対して、直接接触して配置される場合が多く、発電性能に与える影響が大きい。
予め不純物をあまり含まない材料を採用したり、洗浄、エージングなどの工程で不純物を除去したり、不純物の影響を小さくすることは可能であるが、量産性が低下したり、コストが増加してしまう。
本発明の実施の形態1の燃料電池発電システムによれば、アノード2a及びカソード2bには、それぞれ水蒸気を含む燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されており、燃料ガス及び酸化剤ガスの露点温度よりも低い温度のガスケット冷却流体流路8に流れるガスケット冷却流体が、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bを間接的に冷却することにより、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面の近傍で、燃料ガス及び酸化剤ガス中に含まれる水蒸気を冷却して凝縮水を生成し、その凝縮水がアノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bから発生する不純物を洗い流して除去するので、発電に対する不純物の影響を緩和することができる。
さらに、凝縮水を生成する箇所がアノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面の近傍のみに限られるため、触媒層全体に凝縮水を生成する場合に比べて、凝縮水量を大幅に削減することができ、発電中に、凝縮水によるフラッディングを抑制することができ、余剰水分を除去する工程や制御を省くことができる。
なお、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面で凝縮した凝
縮水に溶解したアノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bから発生した不純物は、供給される燃料ガス及び酸化剤ガスあるいは生成水により、凝縮水とともにスタックの外部へ排出することができる。
そして、不純物を含む燃料ガス及び酸化剤ガスのオフガスはそれぞれ熱交換された後、冷却されて、不純物を含む水分が凝縮して分離される。
不純物を含む水分は、一旦凝縮水タンクなどに溜められ、その後、活性炭やイオン交換樹脂などから成るフィルターを通過して、再び改質水や加湿水として利用することができる。そして、不純物はフィルターで吸着除去することができる。
上記構成の本発明の実施の形態1の燃料電池発電システムを用いて効果の確認を行った。
アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bから発生する不純物が燃料電池3に与える影響を確認するため、比較例として、ガスケット冷却流体流路8のないカソード側セパレータ4bを用いたスタックの評価も行った。
ここで、アノード2aに供給した燃料ガスの利用率は70%、露点は約65℃、カソード2bに供給した酸化剤ガスの利用率は50%、露点は約65℃とした。そして、電流密度が0.2A/cm2となるように出力制御部を制御した。
また、燃料電池3を冷却する燃料電池冷却流体流路6に流す冷却流体は、燃料電池冷却手段の約55℃に保温した燃料電池冷却流体タンク12から供給し、燃料電池冷却流体流路入口マニホールド61の近傍で約55℃、燃料電池冷却流体流路出口マニホールド62の近傍で約70℃となるように燃料電池冷却流体ポンプ13を用いて流量制御した。
一方、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面の近傍を冷却するガスケット冷却流体は、常温に保持したガスケット冷却流体タンク17からガスケット冷却流体ポンプ18で供給し、ガスケット冷却流体の供給量をガスケット冷却流体制御部で制御できるようにした。
上記運転条件で発電をしている状態において、ガスケット冷却流体流路8には、燃料電池を冷却する冷却流体よりも低い温度の冷却流体が流通し、アノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bを介して、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bを冷却している。
一方、アノード2aには65℃の露点の燃料ガスが供給されているので、冷却されているアノード側ガスケット5aの内周面の近傍で、燃料ガス中に含まれる水蒸気成分が冷やされ凝縮して凝縮水が生成される。
また、同様にカソード2bには65℃の露点の酸化剤ガスが供給されているので、冷却されているカソード側ガスケット5bの内周面の近傍で、酸化剤ガス中に含まれる水蒸気成分が冷やされて凝縮して凝縮水が生成される。
そして、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面の近傍で凝縮した凝縮水にアノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bから発生した不純物が溶出して溶け込む。
溶解した不純物は、燃料ガスあるいは酸化剤ガスとともに、それぞれ燃料ガス流路41
aあるいは酸化剤ガス流路41bを通って、燃料電池3の外部へと排出される。
このときの実施例及び比較例の電池電圧変化を図3に示す。図3に示すように、ガスケット冷却流体流路8の形成されていない比較例が経過時間とともに徐々に電池電圧が低下しているのに対し、本発明の実施例の方は、低下電圧が小さかった。
これは、ガスケット冷却流体流路8の形成されていない比較例が、アノード側ガスケット5aあるいはカソード側ガスケット5bから溶出した不純物により触媒が被毒され、発電反応が阻害されたため電池電圧が低下したものと考えることができる。
したがって、本発明の実施の形態1の燃料電池発電システムによれば、アノード側ガスケット5aあるいはカソード側ガスケット5bから溶出する不純物による影響を軽減することができ、高い電池電圧を保持するので、発電効率を高く保持することができ、さらに、耐久性を向上させることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の燃料電池発電システムは、アノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bに形成され、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面で凝縮した凝縮水を排出するアノード側バイパス排水流路及びカソード側バイパス排水流路を備えた点で、実施の形態1とは異なる。なお、それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図4の(a)および(b)にそれぞれアノード側バイパス排水流路19aおよびカソード側バイパス排水流路19bが形成されたアノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bの平面図を示す。
図4(a)はアノード側セパレータ4aであり、サーペンタイン状の燃料ガス流路41aが形成されており、燃料ガスが燃料ガス入口マニホールド42aから燃料ガス流路41aを通って、燃料ガス出口マニホールド43aへ流通する構造になっている。
さらに、燃料ガス流路41aの周囲にはアノード側ガスケット5aに沿うように、燃料ガス流路41aより流路抵抗の高いアノード側バイパス排水流路19aが燃料ガス流路41aをバイパスして形成されており、燃料ガスの一部が、燃料ガス入口マニホールド42aからアノード側バイパス排水流路19aを通って、燃料ガス出口マニホールド43aへ流通する構造になっている。
ガスケット冷却流体により冷却され、アノード側ガスケット5aの内周面で凝縮した凝縮水は、アノード側ガスケット5aから発生した不純物を溶解させ、アノード側ガスケット5aの近傍に配置されたアノード側バイパス排水流路19aを通って、燃料電池の系外へと排出される構成となっている。
一方、図4(b)はカソード側セパレータ4bであり、サーペンタイン状の酸化剤ガス流路41bが形成されており、酸化剤ガスが酸化剤ガス入口マニホールド42bから酸化剤ガス流路41bを通って、酸化剤ガス出口マニホールド43bへ流通する構造になっている。
さらに、酸化剤ガス流路41bの周囲にはカソード側ガスケット5bに沿うように、酸化剤ガス流路41bより流路抵抗の高いカソード側バイパス排水流路19bが酸化剤ガス流路41bをバイパスして形成されており、酸化剤ガスの一部が、酸化剤ガス入口マニホールド42bからカソード側バイパス排水流路19bを通って、酸化剤ガス出口マニホー
ルド43bへ流通する構造になっている。
ガスケット冷却流体により冷却され、カソード側ガスケット5bの内周面で凝縮した凝縮水は、カソード側ガスケット5bから発生した不純物を溶解させ、カソード側ガスケット5bの近傍に配置されたカソード側バイパス排水流路19bを通って、燃料電池の系外へと排出される構成となっている。
上記構成のアノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bを用いて、実施の形態1と同様にして作成したスタックを搭載した燃料電池発電システムを用いて、評価を行った。
ここで、アノード2a及びカソード2bに供給した燃料ガス及び酸化剤ガスの利用率は耐久後の拡散抵抗が劣化したことを想定してそれぞれ80%及び60%とした。
また、実施の形態1で用いた燃料電池発電システムも同様の運転条件で発電させ、アノード側バイパス排水流路19a及びカソード側バイパス排水流路19bの有無による発電挙動の違いを比較した。その結果、実施の形態1の燃料電池発電システムと比べて、本発明の実施の形態2の燃料電池発電システムは、フラッディングによるものと思われる電圧振動がほぼなくなっており、発電性能が優れていることが判った。
したがって、本発明の実施の形態2の燃料電池発電システムによれば、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面で凝縮した凝縮水が、アノード側バイパス排水流路19aあるいはカソード側バイパス排水流路19bを通って、燃料ガスあるいは酸化剤ガスとともに燃料電池の系外へ排出され、主に発電に寄与する中央寄りの触媒層に凝縮水が移動することを抑制するので、発電中に凝縮水によるフラッディングを抑制することができ、耐久性を向上させることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の燃料電池発電システムは、燃料電池冷却手段が有する冷却流体が、アノード側ガスケット5a及びカソード側ガスケット5bの内周面の近傍を冷却するガスケット冷却流体として働く点で、実施の形態1とは異なる。なお、それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図5に本発明の実施の形態3の燃料電池発電システムの概略構成図を示す。図5に示したように、本発明のガスケット冷却流体は燃料電池で発生した熱と熱交換する冷却流体を供給する燃料電池冷却流体タンク12から供給する構成とした。
この構成の燃料電池発電システムを用いて、実施の形態1と同様の試験を実施したところ、実施の形態1とほぼ同等の電池電圧挙動を示すことが判った。
したがって、本発明の実施の形態3の燃料電池発電システムによれば、常温の流体でなく、燃料電池冷却流体タンク内の約55℃の温度の流体をガスケット冷却流体として用いても、アノード側ガスケット5aあるいはカソード側ガスケット5bから発生する不純物を溶解させるのに十分な凝縮水を生成することができ、ガスケット冷却流体タンク17がなくても、燃料電池冷却手段が有する燃料電池を冷却する冷却流体を利用することができるので、経済的だけでなく、システムの構成が簡素化され、システムの小型化を図ることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の燃料電池発電システムは、ガスケット冷却流体制御部が、燃料
電池3を起動する時のみ、ガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給して、アノード側ガスケット5aとカソード側ガスケット5bの内の少なくとも一方の内周面で燃料ガスあるいは酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させる点で、実施の形態1と異なる。なお、それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図6に本発明の実施の形態4の燃料電池発電システムの起動時の動作を説明するフローチャートを示す。
まず、ステップ101で起動信号の入力があれば、ガスケット冷却流体制御部が、ガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給し始める(ステップ102)。
その後、アノード2aに燃料ガス、カソード2bに酸化剤ガスの供給し、発電を開始する(ステップ103)。この時、燃料ガスおよび酸化剤ガスに含まれる水蒸気はそれぞれの露点より温度の低いガスケット冷却流体の流れるガスケット冷却流体流路8近傍のアノード側ガスケット5aおよびカソード側ガスケット5bの内周面で冷やされ、凝縮し、凝縮水を生成する。そして、生成した凝縮水がアノード側ガスケット5aあるいはカソード側ガスケット5bから出る不純物を洗い流し、それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスとともにスタックの系外へと排出する。
ここで、ステップ103の起動時において、アノード2a及びカソード2bに供給する燃料ガスおよび酸化剤ガスのそれぞれの流量を一時的に所定の時間増加させ、凝縮水が排水されやすくしてもよい。
そして、発電を開始してから所定時間が経過したところ(ステップ104)で、ガスケット冷却流体の供給量を減少、あるいは供給を停止する(ステップ105)。
この構成の燃料電池発電システムを用いて、実施の形態1と同様の試験を実施したところ、実施の形態1とほぼ同等の電池電圧挙動を示すことが判った。
したがって、本発明の実施の形態4の構成によれば、燃料電池3の起動時にガスケット5aおよび5bの内周面の近傍の不純物を除去して、発電中は温度の低いガスケット冷却流体の供給量を減少あるいは供給を停止することができるので、発電時の発電効率や熱交換効率をより高く保持することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5の燃料電池発電システムは、ガスケット冷却流体制御部が、所定発電時間毎に、ガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給して、アノード側ガスケット5aとカソード側ガスケット5bの内の少なくとも一方の内周面で燃料ガスあるいは酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を繰り返し凝縮させる点で、実施の形態1と異なる。なお、それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図7に本発明の実施の形態5の燃料電池発電システムの動作を説明するフローチャートを示す。
まず、ステップ201で発電しているかを確認した後、ガスケット冷却流体制御部が、前回、ガスケット冷却流体を供給した時点より、所定の発電時間が経過したら(ステップ202)、ガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給し始める(ステップ203)。この時、燃料ガスおよび酸化剤ガスに含まれる水蒸気はそれぞれの露点より温度の低いガスケット冷却流体の流れるガスケット冷却流体流路8近傍のアノード側ガスケット5aおよびカソード側ガスケット5bの内周面で冷やされ、凝縮し、凝縮水を生成する
。そして、生成した凝縮水がアノード側ガスケット5aあるいはカソード側ガスケット5bから出る不純物を洗い流し、それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスとともにスタックの系外へと排出する。
そして、ガスケット冷却流体の供給を開始してから所定時間が経過したところ(ステップ204)で、ガスケット冷却流体の供給量を減少、あるいは供給を停止する(ステップ205)。
そして、停止信号の入力があるまでステップ201からステップ205の動作が所定発電時間毎に繰り返される(ステップ206)。
ここで、アノード側ガスケット5aあるいはカソード側ガスケット5bから発生する不純物が経時的に減っていき、触媒層に与える影響が経時的に少なくなることが、予め判っているなどの場合には、経時的にガスケット冷却流体を流す時間の間隔を徐々に広げていってもよい。ガスケット冷却流体を流す時間の間隔を広げることにより、ガスケット冷却流体ポンプ18などの総運転時間を削減することができ、消費電力を削減したり、耐久性を向上したりすることができる。
また、耐久とともにシステムの電圧が経時的に低下していった場合、その電圧に応じてガスケット冷却流体を流す時間の間隔を徐々に短くしていってもよい。ガスケット冷却流体を流す時間の間隔を短くすることにより、システムの電圧をより長期に亘り、高く保持することができ、耐久性を向上することができる。
この構成の燃料電池発電システムを用いて、実施の形態1と同様の試験を実施したところ、実施の形態1とほぼ同等の電池電圧挙動を示すことが判った。
したがって、本発明の実施の形態5の構成によれば、アノード側ガスケット5aあるいはカソード側ガスケット5bから発生する不純物を、定期的に凝縮水を生成し、溶解させて除去するので長期に亘り、高い発電効率及び耐久性を維持することができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6の燃料電池発電システムは、カソード2bに所定電圧以上の電圧を付与する出力制御部を備え、出力制御部は、ガスケット冷却流体制御部がガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給して、アノード側ガスケット5aとカソード側ガスケット5bの内の少なくとも一方の内周面で燃料ガスあるいは酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させる時に、カソード2bに所定電圧以上の電圧を所定時間付与する点で、実施の形態1と異なる。なお、それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図8および9に本発明の実施の形態6の燃料電池発電システムのそれぞれ起動時および発電中の動作を説明するフローチャートを示す。
図8において、まず、ステップ301で起動信号の入力があれば、ガスケット冷却流体制御部が、ガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給し始める(ステップ302)。
その後、アノード2aに燃料ガス、カソード2bに酸化剤ガスの供給し、出力制御部が、燃料電池発電システムの電力の外部供給を停止した状態で、カソード2bに所定電圧以上の電圧を付与する(ステップ303)。
ここで、カソード2bに所定電圧以上の電圧を付与するとは、カソード2bの電位を燃料電池3の通常運転時より高くするものであり、カソード2bを高電位にしてカソード2bに付着した不純物を酸化除去して燃料電池3を活性化するということである。
この時、カソード側ガスケット5bから発生した不純物は、酸化して水に溶解しやすい状態となり、酸化剤ガスに含まれる水蒸気はその露点より温度の低いガスケット冷却流体の流れるガスケット冷却流体流路8近傍のカソード側ガスケット5bの内周面で冷やされ、凝縮してできた凝縮水に溶解しやすくなる。
ここで、所定電圧以上の電圧はカソード2bに付着した不純物を酸化させるのに必要な電圧であり、出力制御部が、燃料電池発電システムの出力を下げて燃料電池3の負荷を低負荷に下げたり、燃料電池3の負荷を切断して開回路状態にすることにより得ることができる。
そして、カソード2bに所定電圧以上の電圧が、所定時間付与されたら(ステップ304)、外部への電力供給を開始して通常の発電を開始する(ステップ305)。そして、不純物の溶解した凝縮水がア酸化剤ガスとともにスタックの系外へと排出される。そして、ガスケット冷却流体の供給を開始してから所定時間が経過したところ(ステップ306)で、ガスケット冷却流体の供給量を減少、あるいは供給を停止する(ステップ307)。
一方、発電中の動作については、図9において、まず、ステップ401で発電しているかを確認した後、ガスケット冷却流体制御部が、前回、ガスケット冷却流体を供給した時点より、所定の発電時間が経過したら(ステップ402)、ガスケット冷却流体流路8にガスケット冷却流体を供給し始める(ステップ403)。
さらに、出力制御部が、燃料電池発電システムの電力の外部供給を停止した状態で、カソード2bに所定電圧以上の電圧を付与する(ステップ404)。そして、カソード2bに所定電圧以上の電圧が、所定時間付与されたら(ステップ405)、外部への電力供給を開始して通常の発電を再開する(ステップ406)。そして、不純物の溶解した凝縮水が酸化剤ガスとともにスタックの系外へと排出される。そして、ガスケット冷却流体の供給を開始してから所定時間が経過したところ(ステップ407)で、ガスケット冷却流体の供給量を減少、あるいは供給を停止する(ステップ408)。そして、停止信号の入力があるまでステップ401からステップ408の動作が所定発電時間毎に繰り返される(ステップ409)。
この構成の燃料電池発電システムを用いて、実施の形態1と同様の試験を実施したところ、実施の形態1よりさらに電圧低下が抑制されることが判った。
したがって、本発明の実施の形態6の構成によれば、カソード2bの電極電位が高電位となり、カソード側ガスケット5bの内周面の近傍の不純物が酸化され、より凝縮水に溶けやすくなり、不純物による影響をさらに軽減させることができる。
本発明の燃料電池発電システムは、不純物に影響を受けにくく、発電効率の向上が要望される、高分子型固体電解質を用いた燃料電池、燃料電池デバイス、定置用燃料電池コジェネレーションシステムに有用である。
1 電解質
2a アノード
2b カソード
3 燃料電池
4a アノード側セパレータ
4b カソード側セパレータ
5a アノード側ガスケット
5b カソード側ガスケット
8 ガスケット冷却流体流路
19a アノード側バイパス排水流路
19b カソード側バイパス排水流路

Claims (8)

  1. 少なくとも水素を含む前記燃料ガスが供給されるアノードと、
    少なくとも酸素を含む前記酸化剤ガスが供給されるカソードと、
    前記アノード及び前記カソードが形成された電解質とを含む燃料電池と、
    前記燃料電池を挟んで互いに対向するように配置したアノード側セパレータ及びカソード側セパレータと、
    前記アノード側セパレータの前記燃料電池側の面内の前記アノードの外側の部分に配置されて前記燃料電池に当接し前記燃料ガスをシールするためのアノード側ガスケットと、
    前記カソード側セパレータの前記燃料電池側の面内の前記カソードの外側の部分に前記アノード側ガスケットに対向するように配置されて前記燃料電池に当接し前記酸化剤ガスをシールするためのカソード側ガスケットと、
    前記アノード側ガスケットと前記カソード側ガスケットの内の少なくとも一方を冷却するためのガスケット冷却流体を供給、排出するためのガスケット冷却流体流路と、
    前記ガスケット冷却流体の供給量を制御するガスケット冷却流体制御部とを備え、
    前記ガスケット冷却流体制御部は、前記アノード側ガスケットと前記カソード側ガスケットの内の少なくとも一方の内周面で前記燃料ガスあるいは前記酸化剤ガスに含まれる水蒸気成分を凝縮させるように前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記アノード側セパレータに形成され、前記アノード側ガスケットの内周面で凝縮した凝縮水を排出するアノード側バイパス排水流路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記カソード側セパレータに形成され、前記カソード側ガスケットの内周面で凝縮した凝縮水を排出するカソード側バイパス排水流路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記ガスケット冷却流体の温度は、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの露点温度のうち少なくとも一方の露点温度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記燃料電池を冷却する冷却流体を有する燃料電池冷却手段を備え、前記燃料電池冷却手段が有する冷却流体が前記ガスケット冷却流体として働くことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記ガスケット冷却流体制御部は、前記燃料電池の起動時に、前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記ガスケット冷却流体制御部は、所定発電時間毎に、前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  8. 前記カソードに所定電圧以上の電圧を付与する出力制御部を備え、
    前記出力制御部は、前記ガスケット冷却流体制御部が前記ガスケット冷却流体流路に前記ガスケット冷却流体を供給する時に、前記カソードに所定電圧以上の電圧を所定時間付与することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
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