JP2011100412A - 計算機装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長距離及び高周波数伝送が必要な場合に、振幅が減衰した信号とノイズを区別し、ノイズによる誤動作を防ぐ。
【解決手段】計算機モジュール110及びI/Oモジュール120の中継バッファ600,601,602,603は、それぞれPCIeインターフェース161,162の信号振幅を判断して信号とノイズを区別し、出力信号のON/OFFを制御するノイズフィルタ回路を有する。I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、通信モードに応じて、中継バッファのノイズフィルタ回路の有効/無効を切り替え、通信速度が高速の時にはノイズフィルタ回路を無効にする。ケーブル抜去検出回路115,125は、PCIeケーブル151の抜去をI/O HUB300及びPCIeスイッチ400に通知し、PCIのグリッチによるノイズによる誤作動を抑止する。
【選択図】図2
【解決手段】計算機モジュール110及びI/Oモジュール120の中継バッファ600,601,602,603は、それぞれPCIeインターフェース161,162の信号振幅を判断して信号とノイズを区別し、出力信号のON/OFFを制御するノイズフィルタ回路を有する。I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、通信モードに応じて、中継バッファのノイズフィルタ回路の有効/無効を切り替え、通信速度が高速の時にはノイズフィルタ回路を無効にする。ケーブル抜去検出回路115,125は、PCIeケーブル151の抜去をI/O HUB300及びPCIeスイッチ400に通知し、PCIのグリッチによるノイズによる誤作動を抑止する。
【選択図】図2
Description
本発明は、PCI Express(PCIe)インターフェースを有する計算機装置に関し、特にPCI Expressインターフェースのノイズによる誤作動を抑止する方法、及び装置に関する。
従来、計算機装置において、I/Oデバイスの接続インターフェースにPeripheral Component Interconnect Express(PCIe)が広く使われている(非特許文献1参照)。PCIeでは、構成内部にスイッチを配置することで、計算機モジュールに接続可能なI/Oデバイスの数を増やすことが可能である。また、PCIeの拡張仕様であるMulti-Root I/O Virtualization(MR-IOV)では、MR-IOV対応のPCIeスイッチを介すことで、複数の計算機モジュールが、同じI/Oデバイスを共用して使用することも可能である(非特許文献2参照)。特にブレード型サーバモジュールの様な、構造上I/Oポートの実装数が制限される計算機モジュールにおいて、I/Oデバイスを拡張するためには、計算機モジュールとは別にI/Oデバイスを複数搭載可能な装置(I/Oモジュール)を設置し、計算機モジュールとI/Oモジュール間をケーブルで接続する形態が一般的である。
従来のPCI Express Base Specification 1.0aではインターフェースの通信速度が2.5Gbpsであるのに対し、PCI Express Base Specification 2.0では、2.5Gbpsに加え、さらに通信速度を高めた5Gbpsの通信を定義している。しかし、一般にプリント基板上の配線やケーブルを用いた電気信号の伝送では、信号周波数が高まるほど表皮効果によって信号減衰率は大きくなるため、伝送距離が制限されるという問題点がある。よって2.5Gbpsでの通信に対し5Gbpsでの通信は信号減衰率の悪化がより顕著になる。
そこで、例えば、特開2001−285312号公報に記載されたような、伝送距離を延長するために、インターフェース上にリドライバやイコライザなどの波形補償のための中継バッファを搭載し、中継バッファにより、減衰した信号波形を回復させる方法が一般的に用いられている。
PCI Express Base Specification 2.0
Multi-Root I/O Virtualization and Sharing Specification Revision 1.0
波形補償デバイスをPCIeインターフェースで使用する場合の注意点として、省電力時動作を規定しているPCIeインターフェース仕様では、信号伝送時の通常動作の他に、通信を行わない省電力動作状態時にElectrical Idle(EI)という差動信号のP極/N極の電位差が0Vとなる状態が存在する。
しかし、論理的無信号状態を電位差0Vとしていても、実際には装置内の部品等のノイズにより、EI状態でも差動信号が厳密に0Vにならないので、PCIeインターフェース仕様では、ノイズの閾値(最大175mV、非特許文献1、4.3.4.4節)を定めている。
なお、PCIeインターフェース仕様が規定する装置の条件は、一般的に使用されているFR4材を用いたプリント基板では、信号の配線長を28インチ以内としている(非特許文献1、4.3.4.3節)。
ケーブルはプリント基板と異なり、使用する線材、伝送方式(電気信号による伝送、ファイバーを用いた光伝送等)の組み合わせの幅が広く、ケーブルの種類によって単位長あたり減衰率が異なるので、単にケーブル長ではなく、ケーブルのトータルでの減衰について、12dBまでと規定している(非特許文献2、6.2.2.1節)。
PCIeインターフェースに挿入された中継バッファは入力信号の振幅によってEI状態を判断し、設定された閾値以下の信号をノイズとしてフィルタリングする。
しかしながら、装置の実装上の制約などにより配線長が、上記のPCIeインターフェース仕様を超える場合、中継バッファへのPCIeインターフェースの入力信号が著しく減衰し、中継バッファで設定された閾値を下回る場合が存在する。
中継バッファが振幅によるフィルタリングをせずに、アップストリーム側からの入力を全て増幅した場合、PCIeインターフェースの通常動作時の信号とノイズの区別ができず、中継バッファがノイズまで増幅するので、不規則なパターンの信号が出力される恐れがある。
PCIeインターフェース仕様が定める閾値より小さい閾値を中継バッファに設定することで、ノイズ増幅によるランダムパターン信号の発生を抑止できるが、市販の中継バッファは一般的にPCIeインターフェース仕様の閾値が設定されているので、流通している市販品を使用できなくなる。これは部品開発費、部品購入価格上昇などコスト面でのデメリットが大きい。また、中継バッファの閾値レベルを下げた場合でも、LSIの製造のバラツキによってはEI状態時のノイズと通常信号の区別がつかなくなり、通常伝送時に出力が遮断される懸念がある。
また、ランダムパターン信号発生の別の要因として、PCIeインターフェースの切断処理を行わず、中継バッファが動作中のまま、ケーブルが抜かれてしまったときに発生する、グリッチによるノイズがある。ケーブルを接続する装置の運用において、操作員のオペレーションミスによるケーブルの誤抜去は、装置部品やケーブル自体の故障よりも発生頻度が高く、発生のタイミングは通常動作時、又はEI状態時といった、PCIeインターフェースの通信状態に関係なく発生する恐れがある。入力信号の振幅によるフィルタリングを行う場合は、グリッチによるノイズ起因のランダムパターン信号の発生を抑止できるが、上記EI状態時のノイズ同様、減衰した通常信号と区別がつかなくなる。
ランダムパターン信号を受信したLSIは、PCIeインターフェース仕様にない信号の入力によって、内部論理が想定外の動作を引き起こす可能性がある。従来のシングルルート接続の場合では、I/Oデバイスで誤作動が発生した場合、障害の影響範囲は、計算機モジュールと接続しているPCIデバイスで構成するPCIツリーの中だけに留まるが、スイッチを介し、複数の計算機モジュールがI/Oデバイスを共有するマルチルート接続の場合、PCIeスイッチは誤作動により、接続するそれぞれのPCIeツリーに影響が波及し、システム全体を停止させてしまう恐れがある。
そこで、本発明の目的は、PCIeインターフェース用の中継バッファを、PCIeインターフェース仕様よりも信号が減衰する配線に適用させ、動作モードにより入力信号の信号減衰が大きく、PCIeインターフェースの通信による信号とノイズの区別ができない場合であっても、適切にノイズを判別し、誤作動を防ぐことができる計算機装置、及びPCI Expressインターフェース制御方法を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本発明の計算機装置は、計算機モジュール及びI/OモジュールをPCIeインターフェースで接続し、信号の波形補償するための中継バッファを備える。計算機モジュール側及びI/Oモジュール側の中継バッファはそれぞれ、PCIeインターフェース信号の動作モードに応じて、ノイズフィルタ回路の有効/無効の切り替えを行うことで減衰した信号とノイズを区別し、ノイズ起因によるランダムパターン信号の発生を抑止するものである。
またケーブルの接続状態を検出することで、ケーブル誤抜去時のグリッチによるノイズ起因によるランダムパターン信号の発生を抑止するものである。
本発明によれば、複数の計算機モジュール及びI/Oモジュールを、PCIeスイッチを介し、PCIeインターフェースにて接続し、複数のルートがPCIeツリーを構成する計算機装置において、PCI Expressスイッチが、ランダムパターン信号を起因とした誤動作による影響を、PCIeツリーへ伝播させず、動作を継続することが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による計算機装置の構成例を示すブロック図である。
計算機装置100は、1つ以上の計算機モジュール110,111,112と、1つ以上のI/Oモジュール120,121を有する。計算機モジュール110は、システムバスで接続するCPU(プロセッサ)200と、I/O HUB300を有する。I/OモジュールはPCIスイッチ400と、1つ以上のPCIeデバイス500,501,502を有する。計算機モジュール110内のI/O HUB300は、PCIeケーブル151,152を介して、I/Oモジュール120,121内のPCIeスイッチ400,401と通信することができる。
計算機装置100は、1つ以上の計算機モジュール110,111,112と、1つ以上のI/Oモジュール120,121を有する。計算機モジュール110は、システムバスで接続するCPU(プロセッサ)200と、I/O HUB300を有する。I/OモジュールはPCIスイッチ400と、1つ以上のPCIeデバイス500,501,502を有する。計算機モジュール110内のI/O HUB300は、PCIeケーブル151,152を介して、I/Oモジュール120,121内のPCIeスイッチ400,401と通信することができる。
なお、計算機モジュール110〜112は、CPU200で実行されるオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムを格納するメモリ210を有する。
次に、図2から図5を用いて、本発明の実施の形態にかかる計算機装置のPCIeインターフェースの構成例について説明する。図2は本発明の実施の形態に係る計算機装置の計算機モジュール、I/Oモジュール間のPCIeインターフェースの構成を示す図である。
図2において、計算機モジュール110内の中継バッファ600は、I/O HUB300の出力信号を増幅し、PCIeインターフェース161に出力する。I/Oモジュール120内の中継バッファ602は、PCIeインターフェース161からの信号を増幅して、PCIeスイッチ400に出力する。同様に、中継バッファ603は、PCIeスイッチ400の出力信号を増幅し、PCIeインターフェース162に出力する。中継バッファ601はPCIeインターフェース162からの信号を増幅して、I/O HUB300に出力する。
ケーブル抜去検出回路115,125は、PCIeケーブル151内のGND信号165,166と接続し、接続先の装置内で、接地されている。PCIeケーブル151が抜かれると、ケーブル抜去検出回路115,125は電位の変化を検出し、I/O HUB300及びPCIeスイッチ400に通知する。I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、ケーブル抜去検出信号660,661が入力されると、入力バッファ330,730(図4、図5参照)が受信した信号のシリアル−パラレル変換を停止し、プロトコル変換部へのグリッチ伝播を抑止する。
図3は、計算機モジュール及びI/Oモジュールに搭載される中継バッファの構成例を示す。ここでは、計算機モジュール110に搭載される中継バッファ600を例にとって、その構成例を説明する。中継バッファ600は内部に、入力バッファ610、出力バッファ620、及びノイズフィルタ回路605を備える。ノイズフィルタ回路605は、入力バッファ611、基準電圧生成回路630、比較回路640を備える。PCIe入力信号はイコライザ機能を有する入力バッファ610、及びプリエンファシス機能を有する出力バッファ620を経由して出力される。また、入力バッファ611の出力振幅と、基準電圧生成回路630の出力を比較回路640にて比較し、出力振幅がPCIeインターフェース仕様以下であると、ノイズとしてみなし、出力バッファ620の出力を停止する。
また、中継バッファ600,601は、I/O HUB300よりノイズフィルタ回路制御信号650を受ける。同様に、中継バッファ602,603は、PCIeスイッチ400よりノイズフィルタ回路制御信号651を受ける。I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、PCIeインターフェースの通信モードに応じて、ノイズフィルタ回路制御信号650を切り替え、比較回路640を有効、又は無効にする。
PCIeインターフェースの通信モードが2.5Gbps動作時及びEIステート時では、比較回路640の結果を元に、出力バッファ620の出力を有効、又は無効にする。5Gbps動作時では、比較回路640の結果によらず出力バッファ620出力を有効にする。すなわち、5Gbps動作時には、ノイズフィルタ回路605の機能を無効にする。
図4は、計算機モジュール110に搭載されるI/O HUB300の構成例を示す。I/O HUB300は、プロトコル変換部310、パラレル−シリアル変換部340、シリアル−パラレル変換部350、出力バッファ320、入力バッファ330、EI生成部360、レシーブデータスイッチ370、通信モードステータスレジスタ380、通信モードケイパビリティレジスタ390を備える。プロトコル変換部310は、CPU200からのトランザクションをPCIe仕様に則り、パラレル信号に変換し、またPCIeデバイスからの応答をCPU200へのトランザクションに変換する。パラレル−シリアル変換部340は、プロトコル変換部310によって変換されたパラレル信号を、PCIe仕様に則り、シリアル信号に変換し、出力バッファ320より出力する。シリアル−パラレル変換部350は、入力バッファ330が受信したシリアル信号をパラレル信号に変換し、プロトコル変換部310へ伝える。通信モードケイパビリティレジスタ390は、PCIe仕様に定められた機能の有無を記録し、I/O HUB300が5Gbpsで通信可能であることを記録している。通信モードステータスレジスタ380はI/O HUB300の通信状態を格納し、PCIeインターフェースのリンクの有無、通信状態(2.5Gbps、5Gbps、もしくはEI状態)を記録する。
図5は、I/Oモジュール120に搭載されるPCIeスイッチの構成例を示す。PCIeスイッチ400は、PCIeポート410,411,412,413、及びPCIeブリッジ420を備える。PCIeポート410は、パラレル−シリアル変換部440、シリアル−パラレル変換部450、出力バッファ720、入力バッファ730、EI生成部760、レシーブデータスイッチ770、プロトコル変換部710、通信モードステータスレジスタ780、通信モードケイパビリティレジスタ790を備える。シリアル−パラレル変換部450は、入力バッファ730がI/O HUB300から受信したシリアル信号をパラレル信号に変換し、プロトコル変換部710へ伝える。パラレル−シリアル変換部440はプロトコル変換部710からのパラレル信号をシリアル信号に変換し、出力バッファ720より出力する。通信モードケイパビリティレジスタ790は、PCIe仕様に定められた機能の有無を格納し、PCIeスイッチ400が5Gbpsで通信可能であることを記録している。通信モードステータスレジスタ780はPCIeスイッチ400の通信状態を格納し、PCIeインターフェースのリンクの有無、通信状態(2.5Gbps、5Gbps、もしくはEI状態)を記録する。PCIeブリッジ420は、PCIeポート410,411,412,413の接続を切り替える。
次に図9を用いて、PCIeインターフェースの状態遷移について、説明する。
PCIeでは、まず接続するデバイス間でリンクトレーニングを行う(ステップ1501)。接続先のデバイスを検出すると、2.5Gbpsモードでリンクを接続する。このときはデバイス間では2.5Gbpsで通信を行う(ステップ1502)。接続する両方のデバイスが5Gbpsで通信可能な場合、5Gbpsモードに遷移する。このときデバイス間では5Gbpsで通信を行う(ステップ1503)。
2.5Gbpsモード、及び5Gbpsモードにおいて、接続するデバイス間で一定時間データが転送されなかった場合、EIモードに遷移する(ステップ1504)。EIモードにおいて、接続するデバイス間でデータの転送を行う必要が生じた場合、再度リンクトレーニングを行う。
次に、図2から図5と図6A、図6Bを用いて、本発明の実施の形態に係る計算機装置の通常時の動作について説明する。
まず、計算機モジュール110とI/Oモジュール120をPCIeケーブル151で接続する(ステップ1001)。I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は接続トレーニングを開始する(ステップ1002)。I/O HUB300はダウンストリーム側のPCIeスイッチ400を検出する(ステップ1003)。
I/O HUB300は2.5GbpsでPCIeスイッチ400とリンクを確立する。I/O HUB300は2.5Gbpsモードであることを通信モードステータスレジスタ380に記録する。また、PCIeスイッチ400は2.5Gbpsモードであることを通信ステータスレジスタ780に記録する(ステップ1004)。
2.5Gbpsモードである場合、I/O HUB300は中継バッファ600,601に対し、ノイズフィルタ回路制御信号650を介して、それぞれのノイズフィルタ回路605を有効にする(ステップ1005)。同様にPCIeスイッチ400は、中継バッファ602,603のノイズフィルタ回路605を有効にする(ステップ1006)。
I/O HUB300は自身の通信モードケイパビリティレジスタ390と、PCIeインターフェースを介し、PCIeスイッチ400の通信モードケイパビリティレジスタ790の内容を読む(ステップ1007)。次に、I/O HUB300は、通信モードケイパビリティレジスタ390,790の内容から、I/O HUB300自身とPCIeスイッチ400の両方が5Gbpsで動作可能か判断する(ステップ1008)。
I/O HUB300、PCIeスイッチ400の両方、又はいずれか一方が5Gbpsで動作できない場合、I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、2.5Gbpsモードのまま通信する(1009)。
I/O HUB300とPCIeスイッチ400の両方が5Gbpsで動作可能である場合、I/O HUB300とPCIeスイッチ400は2.5Gbpsモードから5Gbpsに遷移する(ステップ1010,1011)。
5Gbps通信時は信号振幅の減衰が著しく、PCIe仕様のノイズ閾値を下回るため、I/O HUB300は中継バッファ600,601に対し、ノイズフィルタ回路制御信号650を介して、それぞれのノイズフィルタ回路605内の比較回路640を無効にする。同様にPCIeスイッチ400は中継バッファ602,603に対し、ノイズフィルタ回路制御信号651を介して、それぞれのノイズフィルタ回路605内の比較回路640を無効にする(ステップ1012,1013)。そして、I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、5Gbpsモードのまま通信する(1014)。
次に、図2から図5及び図7を用いて、本発明の実施の形態に係る計算機装置のEIモードへの遷移時の動作について説明する。
I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、一定時間CPU200、又はPCIeデバイス500,501,502からの通信が無い場合、省電力のため、2.5Gbpsモードあるいは5GbpsモードからEIモードへ遷移する。EIモードへの遷移を行う際、I/O HUB300はPCIeスイッチ400に対し、PCIeインターフェース161を介してEI遷移のオーダを送信する(ステップ1101,1102)。
EI遷移オーダ発行後、I/O HUB300はEIモードに遷移する。あわせて、I/O HUB300は、通信モードステータスレジスタ380にEIモードであることを記録する(ステップ1103)。PCIeスイッチ400は、EI遷移オーダを受信すると、2.5Gbpsモードあるいは5GbpsモードからEIモードへ遷移する。あわせて、PCIeスイッチ400は、通信モードステータスレジスタ780にEIモードであることを記録する(1104)。
トランザクションが無いEIモードでは、PCIe仕様が定める閾値以下の信号はすべてノイズなので、I/O HUB300は、ノイズフィルタ回路制御信号650を介し、中継バッファ600,601のノイズフィルタ回路605を有効にする(ステップ1105)。同様にPCIeスイッチ400は、ノイズフィルタ回路制御信号651を介し、中継バッファ602,603のノイズフィルタ回路605を有効にする(ステップ1106)。
I/O HUB300及びPCIeスイッチ400は、次にCPU200又はPCIeデバイス500,501,502から通信が行われるまで、EIモードを継続する(ステップ1107)。
以上により、PCIeインターフェースの動作状態に応じて、中継バッファの入力信号のノイズフィルタ回路の有効/無効を制御し、5Gbpsモード時の減衰した信号と、2.5Gbpsモード、及びEIモード時のノイズを区別し、中継バッファがPCIeインターフェース仕様の閾値以下の信号をとノイズを区別し、ノイズを受信しても、出力を止めることで、ノイズ起因のランダムパターン信号による誤作動を抑止することができる。
次に、図2、図4、図5及び図8を用いて、本発明の実施の形態に係る計算機装置のPCIeケーブル誤抜去時の動作について説明する。
I/O HUB300とPCIeスイッチ400間のPCIeのリンクにおいて、PCIeケーブル151が抜かれたとする。この時、ケーブル抜去のグリッチによるノイズ起因のランダムパターン信号が発生する(ステップ1201)。
計算機モジュール110のケーブル抜去検出回路115は、PCIeケーブル151が抜去されると、GND信号166の電位が変化するので、PCIeケーブル151が抜去されたことを検出する(ステップ1202)。同様に、I/Oモジュール120のケーブル抜去検出回路125も、PCIeケーブル151が抜去されると、GND信号165の電位が変化するので、PCIeケーブル151が抜去されたことを検出する(ステップ1203)。
計算機モジュール110のケーブル抜去検出回路115はI/O HUB300に対し、ケーブル抜去検出信号660を介して、ケーブルの抜去を通知する(ステップ1204)。同様に、I/Oモジュール120のケーブル抜去検出回路125はPCIeスイッチ400に対し、ケーブル抜去検出信号661を介して、ケーブルの抜去を通知する(ステップ1205)。
I/O HUB300のレシーブデータスイッチ370はケーブル抜去の通知を受けると、プロトコル変換部310の接続を、シリアル−パラレル変換部350からEI生成部360に切り替える(ステップ1206)。同様に、PCIeスイッチ400のレシーブデータスイッチ770はケーブル抜去の通知を受けると、プロトコル変換部710の接続を、シリアル−パラレル変換部450からEI生成部760に切り替える(ステップ1207)。
I/O HUB300のEI生成部360は、EI状態に相当するパラレル信号のデータを生成し、プロトコル変換部310に送る(ステップ1208)。同様に、PCIeスイッチ400のEI生成部760はEI状態に相当するパラレル信号を生成し、プロトコル変換部710に送る(ステップ1209)。
I/O HUB300のプロトコル変換部310は、EI生成部360からEI状態に相当するパラレル信号を受けると、EIモードへの遷移を行う(ステップ1210)。同様に、PCIeスイッチ400のプロトコル変換部710はEI生成部760からEI状態に相当するパラレル信号を受けると、EIモードへの遷移を行う(ステップ1211)。
以上により、ケーブル接続状態を監視し、ケーブル誤抜去検出時、EI相当のパラレル信号を生成し、プロトコル変換部をEIモードへ遷移させることで、グリッチによるノイズ起因のランダムパターン信号による誤動作を抑止することができる。
なお、計算機モジュール110のケーブル抜去検出回路115は、GND信号166の電位の変化のみを監視しているので、ケーブル抜去の検出から通知までのオーバーヘッドは、中継バッファ601のノイズフィルタリングにかかるオーバーヘッド、及び、I/O HUB300のシリアル−パラレル変換部350のシリアル−パラレル変換にかかるオーバーヘッドより十分短いとみなせるが、順序保証のため、シリアル‐パラレル変換時にウェイトを入れてもよい。
同様に、I/Oモジュール120のケーブル抜去検出回路125は、GND信号165の電位の変化のみを監視しているので、ケーブル抜去の検出から通知までのオーバーヘッドは、中継バッファ602のノイズフィルタリングにかかるオーバーヘッド、及び、PCIeスイッチ400のシリアル−パラレル変換部450のシリアル−パラレル変換にかかるオーバーヘッドより十分短いとみなせるが、順序保証のため、シリアル‐パラレル変換時にウェイトを入れてもよい。
また、本実施の形態では、ケーブル誤抜去時に、EI生成部がEI状態に相当するデータを生成し、EI状態を作り出すことで、動作を継続させているが、実装の別形態として、EI相当のデータの代わりにPCIeデバイスのホットリムーブ処理を行うデータを生成することで、OSがホットリムーブ処理を行い、PCIeデバイスをリムーブさせたように見せかけて、以降動作を継続することも可能である。
以上のように、本実施の形態では、計算機モジュール及びI/OモジュールはPCIeインターフェースで接続し、信号の波形補償するための中継バッファを備え、計算機モジュール側及びI/Oモジュール側中継バッファはそれぞれ、PCIeインターフェース信号の動作モードに応じて、ノイズフィルタ回路の有効/無効の切り替えを行うことで、減衰した信号とノイズを区別し、ノイズ起因によるランダムパターン信号の発生を抑止することができる。
また、ケーブルの接続状態を検出することで、ケーブル誤抜去時のグリッチによるノイズ起因によるランダムパターン信号の発生を抑止することができる。
よって、複数の計算機モジュール及びI/Oモジュールを、PCIeスイッチを介し、PCIeインターフェースにて接続し、複数のルートがPCIeツリーを構成する計算機装置において、PCI Expressスイッチがランダムパターン信号を起因とした誤動作による影響を、PCIeツリーへ伝播させず、動作を継続することが可能である。
本発明は、PCIeインターフェースを有する計算機装置に関し、PCIe信号の長距離伝送を行う機器において、広く適用可能である。
100 計算機装置
110〜112 計算機モジュール
120,121 I/Oモジュール
115,125 ケーブル抜去検出回路
151〜152 PCIeケーブル
161,162 PCIeインターフェース
165,166 GND信号
200 CPU
300 I/O HUB
400,401 PCIeスイッチ
310,710 プロトコル変換部
410〜413 PCIeポート
320,620,720 出力バッファ
330,610,611,730 入力バッファ
340,440 パラレル−シリアル変換部
350,450 シリアル−パラレル変換部
360,760 EI生成部
370,770 レシーブデータスイッチ
380,780 通信モードステータスレジスタ
390,790 通信モードケイパビリティレジスタ
500〜502 PCIeデバイス
600〜603 中継バッファ
605 ノイズフィルタ回路
630 基準電圧生成回路
640 比較回路
650,651 ノイズフィルタ回路制御信号
660,661 ケーブル抜去検出信号
110〜112 計算機モジュール
120,121 I/Oモジュール
115,125 ケーブル抜去検出回路
151〜152 PCIeケーブル
161,162 PCIeインターフェース
165,166 GND信号
200 CPU
300 I/O HUB
400,401 PCIeスイッチ
310,710 プロトコル変換部
410〜413 PCIeポート
320,620,720 出力バッファ
330,610,611,730 入力バッファ
340,440 パラレル−シリアル変換部
350,450 シリアル−パラレル変換部
360,760 EI生成部
370,770 レシーブデータスイッチ
380,780 通信モードステータスレジスタ
390,790 通信モードケイパビリティレジスタ
500〜502 PCIeデバイス
600〜603 中継バッファ
605 ノイズフィルタ回路
630 基準電圧生成回路
640 比較回路
650,651 ノイズフィルタ回路制御信号
660,661 ケーブル抜去検出信号
Claims (8)
- プロセッサとI/O HUBを搭載した計算機モジュールと、
PCIeスイッチとI/Oデバイスを搭載したI/Oモジュールと、
前記計算機モジュールと前記I/Oモジュールを接続したケーブルとを備え、
前記I/O HUBと前記PCIeスイッチとを前記ケーブルのPCIeインターフェースで接続した計算機装置であって、
前記計算機モジュールと前記I/Oモジュールはそれぞれ、前記PCIeインターフェースの信号を波形補償するための中継バッファを備え、
前記中継バッファは、前記PCIeインターフェースの信号振幅が閾値以下の信号をノイズとしてフィルタするフィルタリング機能を有し、
前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチは、前記PCIeインターフェースの通信モードを判定し、前記通信モードに応じてそれぞれの中継バッファの前記フィルタリング機能を有効あるいは無効にすることを特徴とする計算機装置。 - 請求項1記載の計算機装置において、
前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチは、前記PCIeインターフェースの通信モードが第1の通信速度の通信モードであるか、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度の通信モードであるか、EI状態であるかを判定し、前記第1の通信モード又はEI状態の時にはそれぞれの中継バッファの前記フィルタリング機能を有効にし、前記第2の通信モードの時にはそれぞれの中継バッファの前記フィルタリング機能を無効にすることを特徴とする計算機装置。 - 請求項1記載の計算機装置において、
前記計算機モジュール及び前記I/Oモジュールは、前記PCIeケーブルの接続状態を監視するケーブル抜去検出回路を備え、
前記ケーブル抜去検出回路は前記PCIeケーブルの抜去検出時に前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチに通知し、
前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチは前記ケーブル抜去検出回路から通知を受けたとき、前記PCIeインターフェースからの受信を停止することを特徴とする計算機装置。 - 請求項3記載の計算機装置において、
前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチは前記ケーブル抜去検出回路から通知を受けたとき、前記PCIeインターフェースの信号をEI状態に相当する信号に置き換えることを特徴とする計算機装置。 - プロセッサとI/O HUBを搭載した計算機モジュールと、PCIeスイッチとI/Oデバイスを搭載したI/Oモジュールと、前記計算機モジュールと前記I/Oモジュールを接続したケーブルとを備え、前記I/O HUBと前記PCIeスイッチとは前記ケーブルのPCIeインターフェースで接続され、前記計算機モジュールと記I/Oモジュールはそれぞれ、前記PCIeインターフェースの信号を波形補償するための中継バッファを備えている計算機装置の制御方法において、
前記中継バッファは、前記PCIeインターフェースの信号振幅を閾値と比較して、振幅が前記閾値以下の信号をノイズとしてフィルタするフィルタリング機能を有し、
前記計算機モジュール及び前記I/Oモジュールが、前記PCIeインターフェースの通信モードを判定する工程と、
前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチが、前記通信モードに応じてそれぞれの中継バッファの前記フィルタリング機能を有効あるいは無効にする工程と
を有することを特徴とする計算機装置の制御方法。 - 請求項5記載の計算機装置の制御方法において、
前記PCIeインターフェースの通信モードを判定する工程では、通信モードが第1の通信速度の通信モードであるか、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度の通信モードであるか、EI状態であるかを判定し、
前記通信モードに応じてそれぞれの中継バッファの前記フィルタリング機能を有効あるいは無効にする工程では、前記第1の通信モード又はEI状態の時にはそれぞれの中継バッファの前記フィルタリング機能を有効にし、前記第2の通信モードの時にはそれぞれの中継バッファの前記フィルタリング機能を無効にすることを特徴とする計算機装置の制御方法。 - 請求項5記載の計算機装置の制御方法において、
前記計算機モジュール及び前記I/Oモジュールが、前記PCIeケーブルの接続状態を監視する工程と、
前記PCIeケーブルの抜去を検出した時に前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチに通知する工程と、
前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチが、前記ケーブル抜去検出回路から通知を受けたとき、前記PCIeインターフェースからの受信を停止する工程と
を有することを特徴とする計算機装置の制御方法。 - 請求項7記載の計算機装置の制御方法において、
前記I/O HUB及び前記PCIeスイッチは、前記ケーブル抜去検出回路から通知を受けたとき、前記PCIeインターフェースの信号をEI状態に相当する信号に置き換えることを特徴とする計算機装置の制御方法。
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