JP2011097767A - パック電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】パック電池における二次電池保護用の放電禁止用FETの不本意な破壊を防ぐ。
【解決手段】二次電池の充放電路に該二次電池側から外部接続端子に向けて順に直列に介挿された二次電池保護用の充電禁止用FETおよび放電禁止用FETを備えたパック電池において、前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETを導通させた際に用いた所定の駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加する。
【選択図】図1
【解決手段】二次電池の充放電路に該二次電池側から外部接続端子に向けて順に直列に介挿された二次電池保護用の充電禁止用FETおよび放電禁止用FETを備えたパック電池において、前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETを導通させた際に用いた所定の駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加する。
【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池とその充放電制御部とを備えたパック電池に関する。
パーソナルコンピュータ等の電子機器の電源として用いられるパック電池は、基本的には、例えば図6に示すように複数の電池セルを直並列に接続した二次電池1と、この二次電池の充放電路に直列に介挿されて該二次電池を過充電および過放電から保護するスイッチ素子としての充電禁止用FET2および放電禁止用FET3を備えて構成される。これらの充電禁止用FET2および放電禁止用FET3は、前記二次電池1の端子電圧または充放電電流に応じて、例えばマイクロプロセッサにより構成された充放電制御部4による制御の下で遮断(オフ)される(例えば特許文献1を参照)。
尚、図6において符号5は、前記充放電制御部4からの充電許可信号CHGを受けて前記充電禁止用FET2を導通させるに必要な駆動電圧を生成する充電側昇圧回路を示している。また図6において符号6は、前記充放電制御部4からの放電許可信号DSGを受けて前記放電禁止用FET2を導通させるに必要な駆動電圧を生成する放電側昇圧回路を示している。これらの各昇圧回路5,6は、例えば前記二次電池1の端子電圧Vbatまたは外部接続端子に加わる電圧Vpackをスイッチングしてコンデンサ5a,6aに順次印加することで、該コンデンサ5a,6aに前記電圧Vbat,Vpackを昇圧した所定の駆動電圧を得るように構成される。
また前記充放電制御部4は、例えば前記二次電池1の端子電圧(セル電圧)を検出する電圧検出部4a、前記二次電池1の充放電電流を検出する電流検出部4b、検出された充放電電流を積算して前記二次電池1の残容量を求める残容量演算部4c、そして検出された前記二次電池1の端子電圧(セル電圧)および充放電電流に応じて前述した充電禁止用FET2および放電禁止用FET3を遮断(オフ)する制御部4dを備える。更にこの充放電制御部4は、例えば通信データ処理部4eの下で電子機器(図示せず)との間で充電制御信号等を通信する通信部4fや、制御情報等を記憶するメモリ4gを備える。
ところで前述した充電禁止用FET2および放電禁止用FET3は、該パック電池と電子機器との間の通信(SCL,SDA)が、二次電池1のマイナス側充放電路を基準電位(電子機器の接地電位)として行われることから、専ら、前記二次電池1のプラス側充放電路に直列に介挿される。また前記充放電制御部4の駆動電源を簡易に、且つ安定に確保するべく前記充電禁止用FET2を二次電池側に、また前記放電禁止用FET3を外部接続端子側に設け、各FET2,3の間の1箇所から前記充放電制御部4の駆動電源を得るようにしている。
しかしながら上述した如く二次電池1のプラス側充放電路に、二次電池1側から外部接続端子に向けて前記充電禁止用FET2と放電禁止用FET3を順に直列に介挿した構成であると次のような不具合がある。即ち、例えば二次電池1の充電電圧(端子電圧)が、その過放電禁止電圧程度の低い状態で該二次電池1の放電路を形成するべく前記放電禁止用FET3を導通(オン)させようとした場合、仮に外部接続端子が短絡していると前述した放電側昇圧回路6から前記放電禁止用FET3のゲートに十分な駆動電圧が加えられる前に該放電禁止用FET3を介して短絡電流が流れ、この短絡電流によって前記放電禁止用FET3が破壊される虞がある。すると異常電流(短絡電流)を検出して放電禁止用FET3を遮断(オフ)して二次電池1を保護することができなくなると言う不具合が生じる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、上述した放電禁止用FETの破壊を確実に防止し、二次電池に対する保護機能を正常に機能させることのできるパック電池を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係るパック電池は、二次電池と、この二次電池の充放電路に該二次電池側から外部接続端子に向けて順に直列に介挿された充電禁止用FETおよび放電禁止用FETと、前記二次電池の端子電圧および充放電電流をそれぞれ検出する検出手段と、この検出手段により検出された前記二次電池の端子電圧および/または充放電電流に応じて前記充電禁止用FETまたは放電禁止用FETを遮断して該二次電池を保護する制御部とを具備したものであって、
特に前記制御部は、前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETを導通させた際に用いた所定の駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加することを特徴としている。
特に前記制御部は、前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETを導通させた際に用いた所定の駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加することを特徴としている。
ちなみに前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで該放電禁止用FETのゲートに印加される電圧は、例えば前記充電禁止用FETの導通時に該充電禁止用FETのゲートに印加されている駆動電圧により充電されるコンデンサを用いて保持した電圧として与えられる。
また本発明に係るパック電池は、
前記制御部において前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記充電禁止用FETのゲートに所定の駆動電圧を印加して該充電禁止用FETを導通させた後、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETのゲートに印加されている駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加することを特徴としている。
前記制御部において前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記充電禁止用FETのゲートに所定の駆動電圧を印加して該充電禁止用FETを導通させた後、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETのゲートに印加されている駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加することを特徴としている。
好ましくは前記充電禁止用FETおよび放電禁止用FETは、前記二次電池のプラス側充放電路に直列に介挿されたnチャネル型FETからなる。そして前記充電禁止用FETのゲートに印加する駆動電圧は、前記制御部からの充電許可信号を受けて前記二次電池のプラス側端子電圧を昇圧する充電側昇圧回路により生成され、また前記放電禁止用FETのゲートに印加する駆動電圧は、前記制御部からの放電許可信号を受けてプラス側充放電路の外部接続端子に加わる電圧を昇圧する放電側昇圧回路により生成される。
尚、前記閾値電圧は、例えば前記二次電池の過放電禁止電圧程度の電圧として設定される。具体的には前記二次電池1が公称3.7V/cellのリチウムイオン電池である場合には、前記閾値電圧は2.1〜3.3V/cell、望ましくは2.3〜3.0V/cellとして設定される。
上述した構成のパック電池によれば、二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で放電禁止用FETを導通させる際、放電側昇圧回路により生成される放電禁止用FETの駆動電圧が十分に高くなるまでの間、充電禁止用FETを導通させているゲート電圧(駆動電圧)を前記放電禁止用FETのゲートに印加するので該放電禁止用FETをいち早く導通(オン)させることができる。この結果、外部接続端子が短絡している場合には、異常な短絡電流を検出して前記放電禁止用FETを速やかに遮断(オフ)することができる。
換言すれば放電禁止用FETを速やかに導通(オン)させることができるので、従来のように放電禁止用FETのゲートに十分な駆動電圧が印加されていない状態、つまり放電禁止用FETが完全に導通(オン)または遮断(オフ)していない中途半端な状態が続くことを避けることができる。従って従来のように放電禁止用FETを介して異常な短絡電流が流れることがないので、この短絡電流によって前記放電禁止用FETが破壊されるような不具合を確実に防止することができる。
しかも放電禁止用FETを導通(オン)させる為の前記放電側昇圧回路により生成される駆動電圧が十分に高くなるまでの間、充電禁止用FETを導通させたゲート電圧(駆動電圧)を前記放電禁止用FETのゲートに印加すると言う簡単な制御だけで、放電禁止用FETの破壊を確実に防止することができる。従って放電禁止用FETによる二次電池に対する保護機能を確実に発揮させることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るパック電池について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るパック電池の概略構成図を示している。このパック電池における基本的な部分は、図6に示した従来のパック電池と略同様に構成されるが、後述するように二次電池1の充放電路に直列に介挿された放電禁止用FET3を導通(オン)する為に工夫された補助回路7を備え、前記充放電制御部4においては前記二次電池1の端子電圧が低いとき、上記補助回路7を介して前記放電禁止用FET3をいち早く導通(オン)することを特徴としている。
図1は本発明の一実施形態に係るパック電池の概略構成図を示している。このパック電池における基本的な部分は、図6に示した従来のパック電池と略同様に構成されるが、後述するように二次電池1の充放電路に直列に介挿された放電禁止用FET3を導通(オン)する為に工夫された補助回路7を備え、前記充放電制御部4においては前記二次電池1の端子電圧が低いとき、上記補助回路7を介して前記放電禁止用FET3をいち早く導通(オン)することを特徴としている。
図1においては、図6に示した従来のパック電池と同じ構成要素には同じ符号を付して示している。二次電池1は、例えば複数個のリチウムイオン電池セル1aを直並列に接続したものであり、この例では2個ずつ並列に接続したリチウムイオン電池セル1aを、更に3段直列に接続して二次電池1が構成されている。尚、リチウムイオン電池セル1aを直並列に接続する個数は、パック電池に、ひいては二次電池1に要求される電圧仕様および電流容量に応じて決定される。
パック電池における上記二次電池1の充放電路、特にプラス側の充放電路には該二次電池1から外部接続端子に向けて充電禁止用のスイッチ素子である充電禁止用FET2および放電禁止用のスイッチ素子である放電禁止用FET3が順に直列に介挿されている。また前記二次電池1のマイナス側の充放電路には、該二次電池1の充放電電流検出用のシャント抵抗Rsが直列に介挿されている。
前記各FET2,3は、nチャネル型のものからなり、そのゲートに所定の駆動電圧が印加されたときに導通(オン)する。より詳しくは、前記各FET2,3は、そのゲート・ソース間に所定の駆動電圧が印加されたときにソース・ドレイン間を導通(オン)させ、ゲート・ソース間に電圧が加えられていない状態ではソース・ドレイン間を遮断(オフ)してスイッチ動作する。
また上述した如く二次電池1のプラス側の充放電路における二次電池1側に充電禁止用FET2を直列に介挿し、また外部接続端子側に放電禁止用FET3を直列に介挿することで、特に図示しないが充放電制御部(マイクロプロセッサ)4に対する電源電圧を上記各FET2,3間の一点から簡易に、しかも安定に得るように設定されている。
ちなみに前記充電禁止用FET2と放電禁止用FET3とを逆に配列した場合には、前記充放電制御部(マイクロプロセッサ)4に対する電源電圧を二次電池1側および外部接続端子側の2点からそれぞれ得ることが必要となる。またこのとき、これらの2系統の電源ラインによって前記二次電池1に対する不本意な充放電路(電流パス)が形成されないように、適宜、上記各電源ラインにダイオードを介装することが必要となる。するとダイオードによる順方向降下電圧Vfが災いして前記充放電制御部4に対する電源電圧を安定に確保することが困難になる等の不具合が生じる。
ところで前記各FET2,3をそれぞれ導通させる為の駆動電圧は、例えばマイクロプロセッサ(MPU)からなる充放電制御部4からの充電許可信号CHGおよび放電許可信号DSGをそれぞれ受けて動作する充電側昇圧回路(チャージポンプ)5および放電側昇圧回路(チャージポンプ)6により生成される。特に前記充電側昇圧回路5は、前記二次電池1の端子電圧Vbatを昇圧して前記充電禁止用FET2のゲートに印加する駆動電圧を生成し、また前記放電側昇圧回路6は、プラス側の外部接続端子に加わる電圧Vpackを昇圧して放電禁止用FET2のゲートに印加する駆動電圧を生成する。
これらの昇圧回路5,6について説明すると、前記充電側昇圧回路5は、例えば充電許可信号CHGが与えられたときに数十kHzで発振動作する発振器5bと、この発振器5bの出力を受けてその出力電圧を前記二次電池1の端子電圧Vbatと回路接地電位との間で交互に反転させるバッファアンプ5cと、前記二次電池1(プラス側)と前記バッファアンプ5cの出力端との間にダイオード5dを順方向に介して接続されたコンデンサ5aと、このコンデンサ5aに蓄積された電荷である電圧を前記充電禁止用FET2のゲートに印加するダイオード5eを備えて構成される。
同様に前記放電側昇圧回路6は、例えば放電許可信号DSGが与えられたときに数十kHzで発振動作する発振器6bと、この発振器6bの出力を受けてその出力電圧を前記外部接続端子に加わる電圧Vpackと回路接地電位との間で交互に反転させるバッファアンプ6cと、前記外部接続端子(プラス側)と前記バッファアンプ6cの出力端との間にダイオード6dを順方向に介して接続されたコンデンサ6aと、このコンデンサ6aに蓄積された電荷である電圧を前記放電禁止用FET3のゲートに印加するダイオード6eを備えて構成される。
これらの昇圧回路5,6は、前記バッファアンプ5c,6cの出力電圧の変化に伴って前記ダイオード5d,6dを介して前記コンデンサ5a,6aに繰り返し蓄積される電荷を、前記ダイオード5e,6eを介してFET2,3のゲートに繰り返し出力することで、該FET2,3のゲート・ソース間に存在する寄生容量に蓄えられる電荷を逐次増大させ、これによって該FET2,3のゲート・ソース間に印加される電圧を高める役割を担う。
具体的には前記各昇圧回路5,6は、前記バッファアンプ5c,6cの反転動作に伴って該バッファアンプ5c,6cの出力電圧、詳しくは端子電圧Vbatと回路接地電位との差、または端子電圧Vpackと回路接地電位との差をコンデンサ5a,6aに蓄えると共に、コンデンサ5a,6aに蓄えた電圧をダイオード5e,6eを介してFET2,3のゲートに繰り返し出力することで、前記FET2,3のソース・ゲート間の寄生容量(コンデンサ)と協働して該FET2,3のゲートに印加する電圧を逐次高める役割を担う。尚、前記FET2,3のソース・ゲート間における寄生容量を利用することに代えて、ダイオード5e,6eの出力端(カソード側)にポンプ用のコンデンサを設けておくことも可能である。
このような昇圧回路5,6の電圧ポンピング作用により、前記端子電圧Vbat,Vpackが低い場合でも、これを昇圧して前記FET2,3を導通(オン)させるに必要な駆動電圧が生成される。従って端子電圧Vbat,Vpackが低い場合、一般的には前記FET2,3を導通させるに必要な駆動電圧を得るまでに、或る程度の長い時間を要することになる。
尚、前記ダイオード5d,5e間、およびダイオード6d,6e間にそれぞれ並列接続されたスイッチ5f,6fは、前記FET2,3のゲート・ソース間を強制的に短絡して該FET2,3を遮断(オフ)させる為のものである。これらのスイッチ5f,6fは、後述するように、例えば二次電池1の異常な充放電電流が検出されたとき等に導通(オン)される。
尚、前記ダイオード5d,5e間、およびダイオード6d,6e間にそれぞれ並列接続されたスイッチ5f,6fは、前記FET2,3のゲート・ソース間を強制的に短絡して該FET2,3を遮断(オフ)させる為のものである。これらのスイッチ5f,6fは、後述するように、例えば二次電池1の異常な充放電電流が検出されたとき等に導通(オン)される。
ここで本発明に係るパック電池が備える前述した補助回路7について説明する。この補助回路7は、充放電制御部4の制御を受けて駆動されて前記充電禁止用FET2の導通(オン)時に該FET2のゲートに加えられている駆動電圧を保持し、前記放電禁止用FET3を導通(オン)させる際、前記昇圧回路6から所定の駆動電圧が印加されるまでの間、上述した如く保持した電圧を放電禁止用FET3のゲートに印加する役割を担う。特にこの補助回路7は、前記二次電池1の充電電圧(端子電圧)Vbatが、予め設定した閾値電圧よりも低いときに、前記充放電制御部4からの制御信号CNTを受けて駆動される。
尚、上記閾値電圧は、二次電池1の放電禁止電圧程度の電圧、具体的には2.3〜3.0V/cell程度の電圧として設定される。従ってこの例では電池セルを3段直列に接続して二次電池1が構成されているので、該二次電池1の端子電圧Vbatが、例えば7Vよりも低いときに前記充放電制御部4からの制御信号CNTが発せられ、これによって前記補助回路7が駆動される。
詳しくは、前記補助回路7は、前記充電禁止用FET2のゲート側にダイオードD1を介して接続された第1のスイッチ素子(FET)Q1と、前記制御信号CNTを受けて前記第1のスイッチ素子Q1を導通(オン)させる第2のスイッチ素子(FET)Q2と、前記第1のスイッチ素子Q1を介して取り込まれる前記充電禁止用FET2の駆動電圧を保持するコンデンサCとを備える。更にこの補助回路4は、上記コンデンサCに蓄えられた電圧を前記放電禁止用FET3のゲートに印加する為の第3のスイッチ素子(FET)Q3と、前記昇圧回路6から前記放電禁止用FET3のゲートに加えられる電圧に応じてスイッチ動作して前記第3のスイッチ素子(FET)Q3を導通(オン)させる第4のスイッチ素子(FET)Q4とを備えて構成される。
ちなみに前記充電禁止用FET2のゲートに加えられていた駆動電圧を、コンデンサCを介して前記放電禁止用FET3のゲートに加える為の第1および第3のスイッチ素子(FET)Q1,Q3は、pチャネル型のものからなる。またこれらの第1および第3のスイッチ素子Q1,Q3をそれぞれオン・オフ制御する前記第2および第4のスイッチ素子(FET)Q2,Q4は、nチャネル型のものからなる。
そして前記第2および第4のスイッチ素子(FET)Q2,Q4は、そのゲートにHレベルの信号または所定値以上の電圧が与えられたときに導通(オン)して前記第1および第3のスイッチ素子Q1,Q3をそれぞれ導通(オン)させ、逆にそのゲートにLレベルの信号または前記所定値未満の電圧が与えられたときには遮断(オフ)して前記第1および第3のスイッチ素子Q1,Q3をそれぞれ遮断(オフ)させる。
尚、第4のスイッチ素子(FET)Q4の動作閾値は前記放電禁止用FET3の動作閾値よりも低く設定されている。具体的には前記第4のスイッチ素子(FET)Q4は、前記昇圧回路6から出力される電圧が前記放電禁止用FET3を導通させる駆動電圧に達する前に、例えば上記駆動電圧の1/4〜1/3程度の電圧にて導通(オン)するように設定されている。
前述した充電制御部4は、前記放電禁止用FET3を導通(オン)させるに際し、前記二次電池1の充電電圧(端子電圧)Vbatが前述したように低い場合、前述した補助回路4を用いて前記放電禁止用FET3を導通(オン)させるべく、該補助回路4に対して制御信号CNTを出力する。
即ち、前記充電制御部4における制御部4dは、放電禁止用FET3を導通(オン)させる際、先ず前記二次電池1の充電電圧(端子電圧)Vbatが前述した閾値電圧以上であるか否かを判定する。そして二次電池1の充電電圧(端子電圧)Vbatが前記閾値電圧に満たない場合には、例えば図2に示すように先ず充電許可信号CHGを出力して充電禁止用FET2を導通させた後、放電許可信号DSGおよび制御信号CNTを出力する。尚、放電許可信号DSGよりも先に制御信号CNTを出力してコンデンサCを充電した後、前記放電許可信号DSGを出力することが望ましい。
即ち、前記充電制御部4が充電許可信号CHGを出力すると、これを受けて充電側昇圧回路5が駆動される。そして該充電側周圧回路5にて前記電池電圧Vbatを昇圧した電圧が充電禁止用FET2の駆動電圧に与えられると、これによって充電禁止用FET2が導通(オン)する。このようにして充電禁止用FET2が導通(オン)するに要する時間が経過した後、前記充電制御部4は前述した放電許可信号DSGおよび制御信号CNTを出力して前記放電側昇圧回路6および補助回路7をそれぞれ駆動する。
すると前記補助回路7においては、制御信号CNTが与えられることで第2のスイッチ素子Q2が導通駆動され、これによって第1のスイッチ素子Q1が導通する。この結果、この第1のスイッチ素子Q1を介して前記充電禁止用FET2のゲートに印加されていた駆動電圧がコンデンサCに蓄積される。
一方、前記放電側昇圧回路6は、前記放電許可信号DSGを受けて動作を開始する。しかしこの放電側昇圧回路6には外部接続端子に加わる端子電圧Vpackが印加されるだけなので、この端子電圧Vpackと回路接地電圧との僅かな電位差が前記放電側昇圧回路6により昇圧されることになる。従って放電側昇圧回路6から出力される電圧が前記放電禁止用FET3を導通(オン)させるに十分な駆動電圧に達するまでには時間が掛かる。
これに対して前記補助回路7における第4のスイッチ素子Q4は、前記放電側昇圧回路6から出力される電圧が前記放電禁止用FET3を導通(オン)させるに十分な駆動電圧に達するに先立って導通(オン)する。するとこの第4のスイッチ素子Q4によって前記第3のスイッチ素子Q3が導通(オン)駆動され、これによって前記コンデンサCに蓄積された電圧、つまり前記充電禁止用FET2のゲートに印加されていた駆動電圧が前記放電禁止用FET3のゲートにいち早く印加される。つまり前記放電側昇圧回路6の出力電圧が十分高くなるに先立って前記補助回路7から前記放電禁止用FET3のゲートに、該放電禁止用FET3を導通(オン)させるに十分な電圧が印加される。
そして放電禁止用FET3の導通に伴って前記外部出力端子に加わる電圧が前記二次電池1の端子電圧(充電電圧)Vbatとなり、前記放電側昇圧回路6に加えられる電圧が高くなる。すると放電側昇圧回路6がポンピングする電圧が高くなるので該放電側昇圧回路6が生成出力する電圧の上昇が早まり、その出力電圧は補助回路7が存在しないときに比較して短時間に所定の駆動電圧に達する。そして前記充電禁止用FET2は、前記放電側昇圧回路6からの駆動電圧をゲートに受けて、その導通(オン)状態を継続する。
このようにして放電禁止用FET3が完全に導通した後、前記制御信号CNTの出力が停止され、これによって前記第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2は遮断(オフ)状態に復帰する。しかし前記第3および第4のスイッチ素子Q3,Q4は、放電側昇圧回路6の出力を受けて導通(オン)状態に保たれる。この際、前述した充電禁止用FET2を遮断(オフ)しても、放電禁止用FET3の導通(オン)状態は変化することがない。
以上のように二次電池1の充電電圧(端子電圧)が低い状態において放電禁止用FET3を導通(オン)するに際して、本発明に係るパック電池においては上述した如く充電禁止用FET2の導通時に該充電禁止用FET2のゲートに印加されている駆動電圧を利用して前記放電禁止用FET3をいち早く導通(オン)させるので、仮に外部出力端子間が短絡していても、その異常な短絡電流によって放電禁止用FET3が破壊されることがない。即ち、放電禁止用FET3を素早くオン・オフさせることができるので、その内部抵抗に起因する放電禁止用FET3の破壊を確実に防止することができる。換言すれば充放電検出用のシャント抵抗Rsに生じた過大な電圧(過大電流)をいち早く検出して、放電禁止用FET3を素早く遮断(オフ)する。
尚、上述した如くは放電禁止用FET3を導通(オン)させたとき、外部出力端子間が短絡していると、二次電池1から再び放電禁止用FET3を介して過大な異常電流が流れる。すると前記充電制御部4においては、この異常電流を検出して前記各昇圧回路5,6における前述したスイッチ5f,6fを図3に示すようにそれぞれ導通(オン)させるので、これによって前記充電禁止用FET2および放電禁止用FET3のソース・ドレイン間がそれぞれ短絡され、これらのFET2,3は速やかに遮断(オフ)する。この結果、外部出力端子間の短絡に起因する異常な放電電流から二次電池1が確実に保護される。
図4は、二次電池1の端子電圧Vbatが5Vと低い場合において、放電許可信号DSGを出力して放電禁止用FET3を導通させる際の該放電禁止用FET3のソース・ゲート間電圧VSGの変化の様子を示している。尚、図4において特性Aは本発明の実施形態に係る補助回路7を備えた場合のソース・ゲート間電圧VSGの変化を示しており、また特性Bは図6に示した従来の補助回路7を備えていない場合のソース・ゲート間電圧VSGの変化を示している。
この図4に対比して示すように従来においては、放電禁止用FET3を導通させるに必要なゲート電圧が得られるまでに約3m秒も要したところ、この実施形態に示されるように補助回路4を用いた場合は、約0.2m秒で前記放電禁止用FET3を導通させるに必要なゲート電圧が得られることが確認できた。つまり充電禁止用FET2の導通時に該FET2のゲートに加えられている駆動電圧を補助回路4を用いて放電禁止用FET3のゲートに印加することで、該放電禁止用FET3をいち早く導通(オン)させ得ることが確認できた。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えばマイクロプロセッサ(MPU)からなる充電制御部4の外付け回路として前述した昇圧回路5,6を設けることに代えて、図5に示すように充電制御部4の内部に昇圧回路5,6を内蔵した専用ICを構築するようにしても良い。この場合には充電側昇圧回路5の出力電圧を、第1のスイッチ素子Q1を介してコンデンサCにチャージし、このコンデンサCにチャージされた電圧を、第3のスイッチ素子Q3を介して放電禁止用FET3のゲートに加えるようにすれば良い。
また放電禁止用FET3を導通させる時点で、既に充電禁止用FET2が導通していることが明らかな場合には、該充電禁止用FET2のゲートに印加されている駆動電圧を直接的に放電禁止用FET3のゲートに印加することも可能である。更には充電禁止用FET2の導通時における該充電禁止用FET2の駆動電圧を前記補助回路7のコンデンサCに保持した時点で制御信号CNTをオフとして該コンデンサCを充電禁止用FET2側から切り離し、その後、放電禁止用FET3を導通させる時点で、前記コンデンサCに保持された電圧を放電禁止用FET3のゲートに印加することも勿論可能である。
また二次電池1の充電電圧(端子電圧)Vbatが十分に高い場合には、放電側昇圧回路6がポンピングする電圧も高くなり、放電禁止用FET3を導通させるに十分な駆動電圧を比較的短時間に生成することができるので、必ずしも充電禁止用FETの駆動電圧を放電禁止用FET3のゲートに加える必要はない。換言すれば二次電池1の充電電圧(端子電圧)Vbatが低い場合にだけ、補助回路7を用いて充電禁止用FETの駆動電圧を放電禁止用FET3のゲートに加えれば十分である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 二次電池
2 充電禁止用FET
3 放電禁止用FET
4 充放電制御部(マイクロプロセッサ)
5 充電側昇圧回路(チャージポンプ)
6 放電側昇圧回路(チャージポンプ)
7 補助回路
Q1,Q2,Q3,Q4 スイッチ素子(FET)
C コンデンサ
2 充電禁止用FET
3 放電禁止用FET
4 充放電制御部(マイクロプロセッサ)
5 充電側昇圧回路(チャージポンプ)
6 放電側昇圧回路(チャージポンプ)
7 補助回路
Q1,Q2,Q3,Q4 スイッチ素子(FET)
C コンデンサ
Claims (5)
- 二次電池と、この二次電池の充放電路に該二次電池側から外部接続端子に向けて順に直列に介挿された充電禁止用FETおよび放電禁止用FETと、前記二次電池の端子電圧および充放電電流をそれぞれ検出する検出手段と、この検出手段により検出された前記二次電池の端子電圧および/または充放電電流に応じて前記充電禁止用FETまたは放電禁止用FETを遮断して該二次電池を保護する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETを導通させた際に用いた所定の駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加することを特徴とするパック電池。 - 前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで該放電禁止用FETのゲートに印加される電圧は、前記充電禁止用FETの導通時に該充電禁止用FETのゲートに印加されている駆動電圧により充電されるコンデンサを用いて保持した電圧である請求項1に記載のパック電池。
- 二次電池と、この二次電池の充放電路に該二次電池側からから外部接続端子に向けて順に直列に介挿された充電禁止用FETおよび放電禁止用FETと、前記二次電池の端子電圧および充放電電流をそれぞれ検出する検出手段と、この検出手段により検出された前記二次電池の端子電圧および/または充放電電流に応じて前記充電禁止用FETまたは放電禁止用FETを遮断して該二次電池を保護する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記二次電池の端子電圧が予め設定した閾値電圧よりも低い状態で前記放電禁止用FETを導通させるに際し、前記充電禁止用FETのゲートに所定の駆動電圧を印加して該充電禁止用FETを導通させた後、前記放電禁止用FETを導通させるに必要な所定の駆動電圧が得られるまで、前記充電禁止用FETのゲートに印加されている駆動電圧を前記放電禁止用FETのゲートに印加することを特徴とするパック電池。 - 前記充電禁止用FETおよび放電禁止用FETは、前記二次電池のプラス側充放電路に直列に介挿されたnチャネル型FETであって、
前記充電禁止用FETのゲートに印加する駆動電圧は、前記制御部からの充電許可信号を受けて前記二次電池のプラス側端子電圧を昇圧する充電側昇圧回路により生成され、
前記放電禁止用FETのゲートに印加する駆動電圧は、前記制御部からの放電許可信号を受けてプラス側充放電路の外部接続端子に加わる電圧を昇圧する放電側昇圧回路により生成されるものである請求項1または3に記載のパック電池。 - 前記閾値電圧は、前記二次電池の過放電禁止電圧程度の電圧として設定されるものである請求項1または3に記載のパック電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014110731A (ja) * | 2012-12-04 | 2014-06-12 | Sanyo Electric Co Ltd | 電池パック |
JPWO2014024337A1 (ja) * | 2012-08-10 | 2016-07-25 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | バッテリー装置およびバッテリー制御装置 |
CN108233489A (zh) * | 2018-03-11 | 2018-06-29 | 深圳大力神科技有限公司 | 一种充电锁定电路及其锂电池电源保护板 |
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2009
- 2009-10-30 JP JP2009250388A patent/JP2011097767A/ja active Pending
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