JP2011097018A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子が接着されたリードと、樹脂からなる成型体と、の密着強度が高められた発光装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る発光装置は、相互に離隔した第1及び第2のリードと、前記第1及び第2のリードの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードに接続され、他方の端子が前記第2のリードに接続された発光素子と、樹脂からなり、前記発光素子を覆い、前記第1及び第2のリードのそれぞれの上面、下面の一部及び端面の一部を覆い、前記下面の残部及び前記端面の残部を露出させた成型体と、を備える。前記第1のリード及び前記第2のリードのうちの少なくとも一方は、端面が前記成型体によって覆われた本体部と、前記本体部から延出し、その下面が前記成型体によって覆われ、その先端面が前記成型体の側面に露出した延出部と、を有する。そして、前記成型体の外形が発光装置の外形をなす。
【選択図】図9

Description

本発明は、発光装置に関する。
車載用インテリア及びエクステリア、信号機、などを含む照明装置用途の発光装置では、その高輝度、高光束化がますます要求されている。リードに凹部を設け、凹部の底面に発光素子を接着する構造を有する発光装置は、発光素子から側方へ放出された光を凹部の傾いた内側壁により上方へ反射することができるので光出力を高めることが容易となる。
また、発光素子が接着されたリードは、例えばシリコーンのような樹脂を用いて成型体とされる。シリコーンなど樹脂の線膨張係数は、金属リード、ボンディングワイヤ、及び発光素子のそれぞれの線膨張係数よりも通常大きい。
このために、発光装置の製造工程や半田材を用いて発光装置を回路基板に接合する昇温及び降温工程において、金属リード、ボンディングワイヤ、及び発光素子と、樹脂と、の間にそれぞれ熱応力を生じる。また、動作状態において発光素子の温度は上昇するので、金属リード、ボンディングワイヤ、及び発光素子と、樹脂と、の間にはそれぞれ熱応力が繰り返し加わる。
このような熱応力により、樹脂にはクラックを生じやすくなり、樹脂がリードから剥離することもある。また、発光素子にクラックを生じ、金属リードから剥離することもある。このために、発光装置の光学的または電気的特性が劣化することがある。
熱膨張による故障が生じにくくなるとともに、より光放射性を向上させる発光装置の技術開示例がある(特許文献1)。この例では、基板上のLEDチップとケースとの間に、略真円の断面を有する中空の円筒形状の透光部材を設け、この中に透光性の封止樹脂を充填している。
しかしながら、この例では、基板、ケース、及び透光部材、など部品の点数が多く発光装置の構成が複雑となる。
特開2006−147851号公報
発光素子が接着されたリードと、樹脂からなる成型体と、の密着強度が高められた発光装置を提供する。
実施形態に係る発光装置は、相互に離隔した第1及び第2のリードと、前記第1及び第2のリードの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードに接続され、他方の端子が前記第2のリードに接続された発光素子と、樹脂からなり、前記発光素子を覆い、前記第1及び第2のリードのそれぞれの上面、下面の一部及び端面の一部を覆い、前記下面の残部及び前記端面の残部を露出させた成型体と、を備える。前記第1のリード及び前記第2のリードのうちの少なくとも一方は、端面が前記成型体によって覆われた本体部と、前記本体部から延出し、その下面が前記成型体によって覆われ、その先端面が前記成型体の側面に露出した延出部と、を有する。そして、前記成型体の外形が発光装置の外形をなす。
発光素子が接着されたリードと、樹脂からなる成型体と、の密着強度が高められた発光装置が提供される。
第1の実施形態にかかる発光装置の模式図 屈曲部の作用を説明する模式図 比較例にかかる発光装置の模式図 第1の実施形態の変形例の模式図 第2の実施形態にかかる発光装置の模式図 第3の実施形態にかかる発光装置の模式図 第4の実施形態にかかる発光装置の模式図 配光特性を説明するグラフ図 第5の実施形態にかかる発光装置の模式図
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)は、第1の実施形態にかかる発光装置の模式平面図、図1(b)はA−A線に沿った模式断面図、図1(c)はリードフレームの部分模式斜視図、である。
発光装置は、第1のリード10、第2のリード40、第1のリード10上に接着された発光素子30、発光素子30の第1の電極(図示せず)と第2のリード40とを接続するボンディングワイヤ32、及び発光素子30を覆い、第1のリード10及び第2のリード40、及びボンディングワイヤ32、を内部に埋め込むように形成された成型体34、を備えている。
発光素子30は、組成式In(GaAl1−y1−xP(0≦x≦1、0≦y≦1)で表されるInGaAlP系材料からなり緑色〜赤色波長範囲の光を放出可能なもの、組成式GaAl1−xAs(0≦x≦1)で表されるGaAlAs系材料からなり赤色〜赤外光波長範囲の光を放出可能なもの、組成式InGaAl1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表されるInGaAlN系材料からなり紫外〜緑色波長範囲の光を放出可能なもの、などとすることができる。
図1(c)は、多数個取りのリードフレーム24の一対の第1のリード10と第2のリード40とを表している。第1のリード10の一方の端部20eと、第2のリード40の一方の端部40aと、は互いに成型体34の内部で対向している。第1のリード10は、第1の所定領域20のリード部分が折り曲げられて形成された第1の屈曲部20a及びこのリード部分が折り曲げられて第1の所定領域20に生じた空間である第1の貫通孔20b、第2の所定領域21のリード部分が折り曲げられて形成された第2の屈曲部21a、及びこのリード部分が折り曲げられて第2の所定領域21に生じた空間である第2の貫通孔21b、を有している。本図においては、第1のリード10は、発光素子30の4つの側面から等しい距離だけ離間して対向するようにそれぞれ設けられた4つの第1の屈曲部20aを有する。また、第1のリード10は、4つの第1の屈曲部20aの間にそれぞれ設けられた4つの第2の屈曲部21aを有する。
本図では、第1及び第2の屈曲部20a、20bの高さはともにHとされるが、これに限定されることなく異なる高さであってもよい。また、高さHを発光素子30の高さよりも大きくすると、光取り出し効率を高めることができるので好ましい。なお、リードフレーム24の厚さTは、例えば0.1〜0.3mmとすることができる。
発光素子30は、第1のリード10のチップ接着領域10dの略中心に位置するように、半田材または導電性接着剤などにより接着されている。さらに、発光素子30と第2のリード40とはボンディングワイヤ32により接続されている。
樹脂からなる成型体34は、第1のリード10に形成された第1の貫通孔20b及び第2の貫通孔21bを充填している。さらに、成型体34は、第1のリード10の表面から突出している第1の屈曲部20a及び第2の屈曲部21aと、を内部にそれぞれ埋め込んでいる。このような構造により、リードフレーム24と成型体34との間で、「ぶれ」が抑制され、「食いつき」が改善される。この結果、成型体34とリードフレーム24との密着強度を高めることができ、界面近傍におけるクラックや剥離を抑制できる。すなわち、第1及び第2の貫通孔20b、21bは、アンカーホールとして作用する。
図1(b)において、発光素子30からの放出光は、上方へ向かって放出される光G1、斜め上方に向かい成型体34と外部との界面で屈折して放出される光G2、第1及び第2の屈曲部20a、21aに当たり反射され上方に向かう光G3、界面への入射角が臨界角θc以上となり上方には放出されない光G4、を含む。成型体34の屈折率を1.5とし、外部を空気とすると、臨界角θcは略42度となる。図1(b)のように成型体34の光取り出し側が平面状であると、入射角が臨界角θc以上の光を取り出すことができない。もし第1及び第2の屈曲部20a、21aが設けられないと、入射角が臨界角θc以上の光が増加するので光取り出し効率が低下する。
また、成型体34に、珪酸塩系材料からなる黄色蛍光体粒子やYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系材料からなる黄緑色〜赤色蛍光体粒子を混合すると、発光素子30からの放出光と、蛍光体粒子による波長変換光と、の混合光を得ることができる。
図2(a)は第1の屈曲部が4つの場合、図2(b)はさらに第2の屈曲部が4つ設けられた場合、における作用を説明する図である。
図2(a)において、発光素子30からの放出光のうち第1の屈曲部20aに当たった光は、反射され折り曲げられ上方に進む。すなわち図1(b)の光G3のように進むので、光軸近傍で輝度を高めることができる。
成型体34の材料である樹脂は、例えばシリコーンやエポキシなどの熱硬化性樹脂などとすることができる。また、リードフレーム24は、銅系または鉄系合金とすることができる。樹脂の線膨張係数は、リードフレーム24の線膨張係数よりも大きい。このため、発光装置の製造工程、回路基板への半田接合工程、などにおける昇温または降温工程において、その線膨張係数の差に応じた熱応力が生じる。熱応力σthは、下記数式1で表すことができる。
Figure 2011097018
まず昇温工程においては、線膨張係数が大きい樹脂がリードよりも膨張するので、リードには引っ張り応力が加わり、樹脂には圧縮応力が加わる。他方、降温(冷却)工程においては、リードに圧縮応力が加わり、樹脂には引っ張り応力が加わる。このような熱応力に対して機械的強度が高い金属からなるリードはクラックを生じにくいが、機械的強度が低い樹脂からなる成型体にはクラックを生じやすい。また、熱応力が、リードと成型体との間の密着強度よりも大きくなると、互いの間に剥離を生じることがある。
また、樹脂は半導体チップよりも線膨張係数が大きいので、昇温及び降温工程において、樹脂とチップとの間には、熱応力が生じる。チップはリードよりも機械的強度が低いので熱応力によりクラックを生じることがある。また、成型体がリードから剥離する場合、チップが成型体と共にリードから剥離することがある。
図2(a)において、4つからなる第1の屈曲部20aの間は互いに離間している。この場合、熱応力は離間領域を通る破線S1、S2の方向に沿って伝搬され、第1の屈曲部20aで囲まれ発光素子30の近傍に集中することが緩和される。このために、成型体34や発光素子30のクラック、成型体34のリードからの剥離、発光素子30のリードからの剥離などが抑制される。
発光素子30の一辺の長さW1は250〜1000μm、その厚さは150〜500μm、などとすることができる。第1の屈曲部20aの離間領域からの光の漏れを低減するには、第1の屈曲部20aの幅W2はW1よりも広いことが好ましい。第1の屈曲部20aの高さH及び傾斜角度αから、第1の所定領域20の長さL2が決定される。第1の所定領域20のリード部分が折り曲げられると、大きさがW2×L2である第1の貫通孔20bが形成される。第1の貫通孔20bはアンカーとして作用し、成型体とリードとの密着強度を高めることができる。なお、発光素子30は、上方からみて、正方形または矩形などとできる。
また、図2(b)において、第2の屈曲部21a及び第2の貫通孔21bが、それぞれ4つ形成されている。第2の屈曲部21aの高さ及び折り曲げ角度から第2の所定領域21の大きさが決定される。隣接する第1の屈曲部20aの間から漏れた光は、第2の屈曲部21aにより上方に向かって反射されるので光取り出し効率をより高めることができる。この場合、熱応力はS3、S4、S5、及びS6の方向に沿って伝搬されるので、第1及び第2の屈曲部20a、21aで囲まれた空間内の熱応力が緩和される。
さらに、発光素子30の一辺と対向するように設けられた第1の屈曲部20aの折り目20cと発光素子30の中心Qとの距離L3を、傾斜して設けられた第2の屈曲部21aの折り目21cと発光素子30の中心Qとの距離L4よりも短くすると、光の漏れをより低減できる。
図3(a)は比較例にかかる発光装置の模式平面図、図3(b)はB−B線に沿った模式断面図である。
比較例において、第1のリード120は凹部120aを有している。凹部120aの側壁は、凹部120aの底面に接着された発光素子130からの光の横方向成分を上方に向けて反射するので光取り出し効率を高めることができる。また、発光素子130を覆い、第1のリード120の一方の端部及び第2のリード142の一方の端部を埋め込むように、樹脂からなる成型体134が形成されている。この場合、成型体134は、発光素子130を覆うように凹部120a内に充填されている。線膨張係数の差に基づく熱応力が凹部120a内に生じると凹部120aの外部への伝搬が困難となるので、熱応力が凹部120a内に集中する。この結果、成型体134や発光素子130にクラックを生じやすくなる。また、成型体134や発光素子130が第1のリード120から剥離しやすくなる。
上記数式1を用いた熱応力シミュレーションを行った所、発光素子の高さと略同一の深さを有する凹部の内部に生じる熱応力は、凹部が設けられない平坦なリードのチップ接着領域近傍における熱応力よりも略23%大きいことが判明した。凹部がさらに深くなると、熱応力は凹部の内部に一層集中しやすくなる。このために、成型体のクラックやリードからの剥離がさらに生じやすくなる。このようにして、成型体と発光素子との間に隙間を生じると、光の屈折方向が変化し指向特性が変化する。また、発光素子の剥離やクラックはその電気的特性及び光学的特性を変化させる。これに対して、第1の実施形態では、熱応力の低減が可能であり、成型体34や発光素子30のクラックやリードからの剥離を抑制できる。なお、リードなどを介して外部から加わる機械的な応力も、凹部が深くなると凹部の内部に集中しやすい。
比較例において、凹部120aは、金型を用いてプレス加工で形成される。この場合、金型の精度や工程誤差により発光素子130の接着面となる凹部120aの底面の平坦性や深さ精度を所定の範囲内とすることが困難となることがある。これに対して、リードフレーム上の所定領域を折り曲げ加工する本実施形態では、リードフレーム24の構造が簡素であり、かつ加工が容易である。また、チップ接着領域10dの精度及び表面平坦性を保つことが容易である。
図4(a)は第1の実施形態の変形例の模式平面図、図4(b)はC−C線に沿った模式断面図、図4(c)はリードフレームの部分模式斜視図である。
第1の所定領域20は、少なくとも2つあればよい。この場合、第1の屈曲部20a及び第1の貫通孔20bが、少なくとも2つそれぞれ形成される。また、本図のように、屈曲部は矩形ではなく扇形などであってもよく、さらに構成面が曲面状であってもよい。例えば、屈曲部20aの上端に接する平面とチップ接着領域10dの表面との角度βを適正に設定しかつ上方に向かって凹となる曲面とすると放出光を上方にむけて集光し、光取り出し効率を高めることが容易となる。このような曲面は、リードフレーム24をプレス加工することにより形成可能である。2つの第1の屈曲部20aは、互いに対向するように離間しており成型体34とリードフレーム24との間に生じる応力を緩和することができる。また、第1の貫通孔20bは、樹脂が上下に貫通可能であるのでリードフレーム24と成型体34との密着強度を高めることができる。
図5(a)は第2の実施形態にかかる発光装置の模式平面図、図5(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。
樹脂モールド工程において、図5(b)のように、成型体34の上方にレンズ曲面34aを形成することが容易である。本変形例では、凸レンズ曲面34aを設けることにより成型体34の表面における全反射を低減し、放出光を上方に向けて集光し光取り出し効率及び輝度をさらに高めるとことが容易となる。
図6(a)は第3の実施形態にかかる発光装置の部分模式斜視図、図6(b)はA−A線に沿ったその模式断面図、である。
本実施形態では、発光素子30からみて、第1の所定領域20の外側に第3の所定領域22が設けられる。すなわち、発光素子30の中心からみて、第1の屈曲部20aよりも遠い位置に第3の屈曲部22aが設けられる。第3の所定領域22のリード部分が発光素子30に向かって折り曲げられて形成された第3の屈曲部22aは、第1の屈曲部20aで反射されずに漏れて到達した放出光の一部を上方に向かって反射可能である。
本実施形態において、図6(b)のように、第1のリード10のチップ接着領域10dの表面からの第3の屈曲部22aの高さH3は、第1のリード10のチップ接着領域10dの表面からの第1の屈曲部20aの高さH2より大きい。例えば、第1の屈曲部20aの高さH2を0.4mm、第3の屈曲部22aの高さH3を0.6mmなどとできる。この場合、第2の屈曲部21aの高さは、0.5mmなどとすることができる。すなわち、第1の屈曲部20aの高さH2を小さく保ち発光素子30の近傍における応力を低減しつつ、第2の屈曲部22aにより光取り出し効率を高めることができる。
第3の貫通孔22bは、第1のリード10の外縁に設けられた切り欠きであってもよい。成型体34は、第3の貫通孔22bを充填し、第3の屈曲部22aを埋め込み、成型体34とリードフレーム24との密着強度を高めている。
また、チップ接着領域10dと第1及び第3の屈曲部20a、22aとの間の角度αは、所望の配光特性となるように制御可能である。例えば、αをともに135度とすると、第1の屈曲部20aの上方に漏れようとする放出光を第3の屈曲部22aにより上方に反射することができるので光取り出し効率を高めることが容易となる。さらに、第3の屈曲部22aの幅を第1の屈曲部20aの幅よりも広くすると、横方向への光の漏れを低減し、光取り出し効率をさらに高めることが容易となる。なお、成型体34の上部は、凸レンズ曲面を有していなくともよい。
図7(a)は第4の実施形態にかかる発光装置の部分模式斜視図、図7(b)はA−A線に沿ったその模式断面図、である。
本実施形態では、さらに第3の屈曲部23aとチップ接着領域10dとの間の角度α2は、第1の屈曲部20aとチップ接着領域10dとの間の角度α1よりも小さい。例えばα2は115度、α1は135度、などとされる。また、第2の屈曲部21aの傾斜角度は、125度などとされる。なお、第1の屈曲部20aの高さH2は0.4mm、第3の屈曲部23aの高さH3は0.6mm、第2の屈曲部21aの高さは0.5mmなどとできる。第3の屈曲部23aの傾斜角度α2を90度に近づけると、光の広がりを抑制することが容易となる。なお、成型体34の上部は、凸レンズ曲面を有していなくともよい。
図8は、配光特性を説明するグラフ図である。
縦軸は相対光度、横軸は発光素子30の光軸からの角度θを表す。すなわち、図6(b)に表すように、発光素子30の発光中心を通りチップ表面に垂直な光軸32から角度θをなす方向の光度をK(θ)とする。通常、光度は光軸上で最大となり、Kmax=K(0)である。
まず、実線で表す第3の実施形態では、第1の屈曲部20aの外側にある第3の屈曲部23aの高さが大きいために光取り出し効率を高めることができる。このために、成型体34に凸レンズ曲面を形成しなくとも光取り出し効率を高めることができる。また、破線で表す第4の実施形態では、第3の屈曲部23aの傾斜角度α2を90度に近づけ、第1の屈曲部20aから漏れてきた光を光軸32方向に向けて反射し相対光度K(θ)の分布をより急峻にした配光特性とすることができる。
すなわち、第3及び第4の実施形態では、屈曲部の形状、配置、及び傾斜角度を変化させることにより配光特性を制御することが容易となる。このように、成型体34に凸レンズ曲面を設けないので、発光装置の薄型化が容易となる。このために、樹脂量が低減され発光装置の内部における応力が低減され、リードフレームからの成型体の剥離や、成型体のクラックを低減できる。
図9(a)は第5の実施形態にかかる発光装置の模式平面図、図9(b)はA−A線に沿った模式断面図、図9(c)は模式下面図、図9(d)は模式斜視図、である。
本実施形態において、少なくとも第1のリード11の下面の一部11eを、破線で表す成型体35の下面35aから露出させる。露出する領域が発光素子30のチップ接着領域11dの略反対側となるようにすると、発光素子30からの発生熱を効率よく外部の放熱板へ伝導させることができる。さらに、第2のリード41の下面の一部41bを成型体35の下面35aから露出させ、第1のリード11の下面の一部11e及び第2のリード41の下面の一部41bを成型体35の下面35aと略同一平面とすると、リフロー工程などを用いて回路基板へ取り付けることが容易となる。このために、組立工程の合理化が容易となる。
本実施形態では、例えば第1のリード11の第4の所定領域25のリード部分が折り曲げられて4つの第4の屈曲部25aが設けられる。折り曲げられたあとには4つの第4の貫通孔25bをそれぞれ生じる。第4の貫通孔25b内には、成型体35が上下に充填されるので、アンカー効果により第1のリード11と成型体35との間の密着強度を高めることができる。第4の貫通孔25b内へ充填された成型体35が第1のリード11の裏面から突出しないようにすると、回路基板へより確実に接着できる。
また、第1のリード11に設けられた切り欠き11f及び第2のリード41に設けられた切り欠き41eを成型体35内にそれぞれ埋め込み、その両側の部分を成型体35からそれぞれ突出させると、アンカー効果によりさらに密着強度を高めることができる。このようにして、第1及び第2のリード11、41の下面側に成型体35を設けなくとも、密着強度を保つことが容易な本実施形態では、第4の屈曲部25aにより所望の配光特性を保ちつつ、発光装置を薄型化することができる。
また、第1のリード11の吊りピン11a、第2のリード41の吊りピン41d、が成型体35からそれぞれA−A線に対して略垂直となる方向に突出している。
一般的に、発光装置は、多数個取りのリードフレームを用いた量産組立工程により製造される。すなわち、発光素子マウント、ワイヤボンディング、樹脂モールド、などの工程を行ったのち、第1のリード11をリードフレームから切断しアウターリード部11bとする。また、第2のリード41をリードフレームから切断しアウターリード部41cとする。この段階において、個々の発光装置とリードフレームとは吊りピン11a、41dにより連結されて、パッキングなどの工程へと送られる。
なお、必要により、第1のリード11のアウターリード部11b及び第2のリード41のアウターリード部41cが、それぞれ折り曲げ加工されても良い。また、第1及び第2のリード11、41の下面側から回路基板へ電気的な接続を行うとアウターリード11b、41cを電気的接続のために使用しなくともよい。さらに吊りピン11a、41dの厚さを連結可能な範囲で薄くすると、最終的な切断工程を容易にできる。
第1のリード11のアウターリード部11b、第2のリード41のアウターリード部41c、及び吊りピン11a、41dは、成型体35からの突出部近傍において薄くなっている。このために、下面側に樹脂が入り込み、リードフレームと成型体35との間で密着強度がより高められている。
第1〜第5の実施形態及びそれらに付随した変形例にかかる発光装置は、車載用インテリア及びエクステリア、信号機、などを含む照明装置用途に広く用いることができる。
以上、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明を構成するリードフレーム、発光素子、成型体、のサイズ、形状、材質、配置などに関して、当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明の範囲に包含される。
10、11 第1のリード、10d、11d チップ接着領域、20 第1の所定領域、20a 第1の屈曲部、20b 第1の貫通孔、21 第2の所定領域、21a 第2の屈曲部、21b 第2の貫通孔、22、23 第3の所定領域、22a、23a 第3の屈曲部、22b、23b 第3の貫通孔、25 第4の所定領域、25a 第4の屈曲部、25b 第4の貫通孔、30 発光素子、34、35 成型体、40、41 第2のリード

Claims (8)

  1. 相互に離隔した第1及び第2のリードと、
    前記第1及び第2のリードの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードに接続され、他方の端子が前記第2のリードに接続された発光素子と、
    樹脂からなり、前記発光素子を覆い、前記第1及び第2のリードのそれぞれの上面、下面の一部及び端面の一部を覆い、前記下面の残部及び前記端面の残部を露出させた成型体と、
    を備え、
    前記第1のリード及び前記第2のリードのうちの少なくとも一方は、
    端面が前記成型体によって覆われた本体部と、
    前記本体部から延出し、その下面が前記成型体によって覆われ、その先端面が前記成型体の側面に露出した延出部と、
    を有し、
    前記成型体の外形がその外形をなすことを特徴とする発光装置。
  2. 上方から見て、前記本体部の形状は矩形であり、
    前記延出部は3本以上設けられており、
    前記3本以上の延出部は、同一平面上に配置されており、前記本体部の相互に異なる3辺から延出していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 相互に離隔した第1及び第2のリードと、
    前記第1及び第2のリードの上方に設けられ、一方の端子が前記第1のリードに接続され、他方の端子が前記第2のリードに接続された発光素子と、
    樹脂からなり、前記発光素子を覆い、前記第1及び第2のリードのそれぞれの上面、下面の一部及び端面の一部を覆い、前記下面の残部及び前記端面の残部を露出させた成型体と、
    を備え、
    前記第1のリード及び前記第2のリードのうちの少なくとも一方は、
    端面が前記成型体によって覆われた本体部と、
    前記本体部から延出し、その下面が前記成型体によって覆われ、その先端面が前記成型体の相互に異なる3つの側面に露出した複数本の延出部と、
    を有し、
    前記成型体の外形がその外形をなすことを特徴とする発光装置。
  4. 前記本体部の少なくとも1辺から、2本の前記延出部が延出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
  5. 前記成型体の形状は直方体であり、
    前記2本の延出部の先端面は、前記成型体の短側面において露出していることを特徴とする請求項4記載の発光装置。
  6. 前記第1のリードは前記本体部及び前記延出部を有し、
    前記発光素子は、前記第1のリードに搭載されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置。
  7. 前記第1のリードの面積は前記第2のリードの面積よりも大きく、
    前記発光素子は、前記第1のリードに搭載されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
  8. 前記第1のリードは前記本体部及び前記延出部を有し、
    前記第1のリードにおいて、前記延出部は、前記本体部における前記第2のリード側の端部から、前記第2のリードに対向する端縁に対して平行に延出していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光装置。
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