JP2011096944A - 面発光レーザ素子およびその製造方法並びにスライダ - Google Patents

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孝博 荒木田
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Abstract

【課題】グレーティングカプラへのレーザ光の結合効率が向上すると共に実装精度も向上させることが可能な面発光レーザ素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体層20上に光透過性の厚い絶縁膜28を形成し、この絶縁膜28から半導体層20中のn型DBR層21に達する円環形状の溝28Aを形成する。マスク(レジスト層34を絶縁膜28上に形成すると共に溝28Aにも充填させ、このレジスト層34の溝28Aの近傍位置に開口34Aを設ける。この開口34Aからエッチング液を導入し絶縁膜28を加工することによって、傾斜した光出射面3Aを有するプリズム3を形成する。これにより素子本体2の光出射面20Aに対して垂直な方向よりも傾いたレーザ光を出射する面発光レーザ素子1が得られる。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱アシスト磁気ヘッドのスライダなどに搭載して好適な面発光レーザ素子およびその製造方法、並びにこの面発光レーザ素子を備えたスライダに関する。
近年、超高密度記録のために熱アシスト磁気ヘッドの開発が進められている。この熱アシスト磁気ヘッドでは、レーザ光照射により記録媒体を局所的に加熱してこの領域の保持力を下げ、この保持力の低下した領域に磁気記録を行うものである。この熱アシスト磁気ヘッドのスライダには、磁気記録部の他に、レーザ光源およびこのレーザ光源からの光を記録媒体へ導くためのグレーティングカプラが設けられている。このグレーティングカプラに対するレーザ光の結合効率を高めるためには、レーザ光をグレーティングカプラの導波方向に対して斜めに入射させることが望ましい。
従来、グレーティングカプラに対して斜め入射を実現する方法として段違いのスペーサ上に面発光レーザ素子を実装する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
US2008/0002298A1号公報
しかしながら、この方法では、面発光レーザ素子を斜めに実装するため、実装精度が悪く、量産上、現実的ではないという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、グレーティングカプラへのレーザ光の結合効率が向上すると共に実装精度も向上させることが可能な面発光レーザ素子およびその製造方法、並びにスライダを提供することにある。
本発明の面発光レーザ素子は、平坦な第1光出射面を有する素子本体と、素子本体の第1光出射面上に設けられると共に、第1光出射面に対して傾斜した第2光出射面を有するプリズムと、を備えたものである。
この面発光レーザ素子では、素子本体の第1光出射面からその垂直方向に出射されたレーザ光が直接プリズムに入射し、このプリズムの第2光出射面から第1光出射面の垂直方向に対して所定の角度を持って(すなわち斜め方向)に出射される。
素子本体は、具体的には、基板上に第1多層膜反射鏡、活性層、電流狭窄層、第2多層膜反射鏡およびコンタクト層をこの順に有すると共に、コンタクト層上の第1光出射面を除く領域に第1電極を有するものであり、プリズムは光出射領域および第1電極上に設けられている。
本発明の面発光レーザ素子の製造方法は以下の(A)〜(D)の工程を備えている。
(A)平坦面を有する基板上に、第1多層膜反射鏡、活性層、電流狭窄層、第2多層膜反射鏡およびコンタクト層をこの順に有する半導体層を形成し、半導体層上に光出射領域となる第1開口を有する電極を形成する工程
(B)半導体層上に所定の厚みを有する光透過性の絶縁膜を形成すると共に、素子パターンに応じた形状を有し絶縁膜から第1多層膜反射鏡に達する溝を形成する工程
(C)絶縁膜上および溝内にマスク材料を堆積させてマスクを形成すると共に、マスクの光出射領域の中心からずれた位置に第2開口を形成する工程
(D)第2開口を介して絶縁膜のウエットエッチングを行い、光出射領域の面(第1光出射面)に対して所定の角度で傾斜した第2光出射面を有するプリズムを形成する工程
本発明のスライダは、光を導波するグレーティングカプラと、グレーティングカプラの光導波方向に対して斜めにレーザ光を出射する面発光レーザ素子とを備えたものであり、面発光レーザ素子として上記本発明の面発光レーザ素子を備えたものである。スライダは、具体的には、例えば熱アシスト磁気ヘッドのスライダである。
このスライダでは、面発光レーザ素子の第1光出射面より出射されたレーザ光がグレーティングカプラの導波方向に対して斜めに入射し、グレーティングカプラに対して効率の良い光結合がなされる。
本発明の面発光レーザ素子によれば、素子本体の第1光出射面上にプリズムを一体的に設け、このプリズムに第1光出射面に対して傾斜した第2光出射面を設けるようにしたので、プリズムを通して斜め出射が可能になる。よって、この面発光レーザ素子を用いたスライダでは、グレーティングカプラへのレーザ光の結合効率が向上すると共にその実装精度も向上する。
また、本発明の面発光レーザ素子の製造方法によれば、素子本体となる半導体層上に厚い光透過性の絶縁膜を形成し、この絶縁膜をウエットエッチングにより加工するようにしたので、上記本発明の面発光レーザ素子を容易に製造することができる。
本発明の一実施の形態に係る面発光レーザ素子を表す断面図である。 図1に示した面発光レーザ素子の上面図である。 プリズムによるレーザ光の斜め出射を説明するための模式図である。 図1に示した面発光レーザ素子の製造方法を工程順に表す断面図である。 図4に続く工程を表す断面図である。 図5に続く工程を表す断面図である。 図6に続く工程を表す断面図である。 本発明の面発光レーザ素子の適用例を表す構成図である。 変形例に係る面発光レーザ素子を表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(基板の両面に電極を有する例)
(1)面発光レーザ素子の構成
(2)面発光レーザ素子の製造方法
2.適用例
3.変形例(基板の片面に両電極を有する例)
[実施の形態]
図1は本発明の一実施の形態に係る面発光レーザ素子1の断面構成を、図2は同じく上面から見た構成をそれぞれ表している。なお、図1および図2は模式的に表したものであり、実際の寸法および形状とは異なっている。
この面発光レーザ素子1は、素子本体2上にプリズム3を一体的に有するものである。素子本体2は、表面が平坦な基板、例えばn型GaAsよりなる基板10上に、n型DBR層21(第1多層膜反射鏡)、下部スペーサ層22、活性層23、上部スペーサ層24、電流狭窄層25、p型DBR層26(第2多層膜反射鏡)およびコンタクト層27を基板10側からこの順に積層した半導体層20を備えている。この半導体層20の上部、具体的には、n型DBR層21の一部、下部スペーサ層22、活性層23、上部スペーサ層24、電流狭窄層25、p型DBR層26およびコンタクト層27は例えば円柱状の柱状部29となっている。
この円柱部29のコンタクト層27の表面が光出射面20A(第1光出射面)であり、この光出射面20Aには発光領域13Aに対応して開口30A(第1開口)を有するドーナツ形状のp側電極30(第1電極)が設けられている。これに対してn側電極33(第2電極)は基板10の裏面に設けられている。
プリズム3はコンタクト層27の光出射面20A上に設けられており、その光出射面3A(第2光出射面)は平坦な光出射面20Aに対して所定の角度で傾斜している。
基板10は、例えばn型GaAsなどの導電性基板により構成されている。
n型DBR層21は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を交互に積層して形成されたものである。低屈折率層は例えば厚さがλ0/4n1(λ0は発振波長、n1は屈折率)のn型Alx1Ga1-x1As(0<x1≦1)、高屈折率層は例えば厚さがλ0/4n2(n2は屈折率)のn型Alx2Ga1-x2As(0≦x2<x1)によりそれぞれ構成されている。下部スペーサ層22は、例えばn型Alx3Ga1-x3As(0<x3<1)により構成されている。n型不純物としては、例えば、燐(P)などが挙げられる。
活性層23は、例えばアンドープのAlx4Ga1-x4As(0≦x4≦1)により構成されている。この活性層13では、後述の電流注入領域18Aとの対向領域が発光領域23Aとなる。上部スペーサ層24は、例えばp型Alx5Ga1-x5As(0≦x5<1)により構成されている。なお、p型不純物としては、例えば、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などが挙げられる。
電流狭窄層25は、中央に電流注入領域25Aを有し、電流注入領域25Aの外縁に電流狭窄領域25Bを有している。電流注入領域25Aは、例えばp型Alx6Ga1-x6As(0<x6≦1)により構成されている。電流狭窄領域25Bは例えば、Al23(酸化アルミニウム)により構成されている。この電流狭窄領域25Bは、後述するように柱状部29の側面から電流狭窄層25に含まれる高濃度のアルミニウム(Al)を酸化することにより得られるものである。すなわち電流狭窄層25は電流を狭窄する機能を有し、活性層23のうち電流注入領域25Aと対向する領域が発光領域23Aとなっている。
p型DBR層26は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を交互に積層して形成されたものである。この低屈折率層は、例えば厚さがλ0/4n3(n3は屈折率)のp型Alx7Ga1-x7As(0<x7≦1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ0/4n4(n4は屈折率)のp型Alx8Ga1-x8As(0≦x8<x7)によりそれぞれ構成されている。コンタクト層27は、例えばp型Alx9Ga1-x9As(0<x9<1)により構成されている。
プリズム3は、空気の屈折率1よりも大きな屈折率を有する光透過性の絶縁材料、例えばシリコン酸化物(SiOx)により構成されている。このプリズム3は、詳細は後述するが、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエッチングによって、縦方向エッチングに加えて、エッチング液がプリズム形成用の絶縁膜28とマスク35(図6参照)との境界面に侵入することによる(すなわち密着性の低下を利用した)横方向エッチングが行われることによって形成されたものである。
図3はこのプリズム3を取り出して表したものであり、このプリズム3の傾斜角度θ1は5〜45°の範囲であればよく、好ましくは30〜40°である。光出射面20Aから垂直に出射されプリズム3に入射したレーザ光は、プリズム3と空気との屈折率差に応じて光出射面3Aから光出射面20Aの垂直方向に対して所定の角度θ2をもって斜めに出射されるようになっている。
素子本体2の周囲には、n型DBR層21に達する溝28Aを間にしてプリズム3と同一材料からなる絶縁膜28が設けられている。この絶縁膜28の膜厚はプリズム3の高さよりも厚くなっている。但し、このプリズム3と絶縁膜28との高低差は、プリズム3を後述の絶縁膜28の選択エッチングにより形成した結果によるものであり、構造上は、両者の工程差はなくてもよい。また、プリズム3の加工方法が異なれば、プリズム3と絶縁膜28の材料は異なっていてもよい。
プリズム3の表面、溝28Aの内壁並びに絶縁膜28の表面および側壁には保護膜31が設けられている。この保護膜31は、例えばシリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)などの絶縁材料により構成されている。保護膜31のp側電極30に対向する位置には開口31Aが設けられている。絶縁膜28の表面には電極パッド32が設けられており、この電極パッド32は開口31Aを介してp側電極30と電気的に接続されている。
p側電極30および電極パッド32はそれぞれ、例えばチタン(Ti),白金(Pt)および金(Au)をこの順に積層して構成されたものである。一方、n側電極33は、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金,ニッケル(Ni)および金(Au)とを基板10側からこの順に積層した構造を有する。
この面発光レーザ素子1では、電極パッド32とn側電極33との間に所定の電圧が印加されると、電流狭窄層25により狭窄された電流が活性層23の利得領域である発光領域23Aに注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この光には誘導放出によって生じた光だけでなく、自然放出によって生じた光も含まれているが、素子内で誘導放出が繰り返される結果、所定の波長λ0でレーザ発振が生じ、波長λ0 を含むレーザ光が光出射面20Aから垂直方向に出射される。この光出射面20Aから出射されたレーザ光はプリズム3に直接に入射され、このプリズム3の光出射面3Aからプリズム3と空気との屈折率差に応じて斜め方向、すなわち光出射面20Aに垂直な方向からずれた方向に出射される。
このように本実施の形態では、素子本体1の光出射面20Aにプリズム3を一体的に設けるようにしたので、このプリズム3によって斜め方向にレーザ光を出射させることができる。よって,この面発光レーザ素子1を図8に示したように、例えば熱アシスト磁気ヘッドのスライダ100のグレーティングカプラ101に対向するよう実装することにより、グレーティングカプラ101の光導波方向(記録媒体Mへの方向)に対してレーザ光を斜め入射させることができる。面発光レーザ素子1のスライダ100への実装は例えば段差を有するサブマウント102を利用して行うことができる。よって,従来のような段違いのスペーサなどの斜め入射手段を別途設ける必要がなく、これにより面発光レーザ素子1のスライダ100への実装精度が向上すると共に、面発光レーザ素子1からのレーザ光のグレーティングカプラ101への結合効率が向上する。
[製造方法]
次に、この面発光レーザ素子1の製造方法の一例について説明する。
図4〜図7は、この面発光レーザ素子1の製造方法を工程順に表したものである。なお、図4〜図7は、製造過程の面発光レーザ素子を図2のI−I矢視線に対応する箇所で切断した断面の構成をそれぞれ表したものである。
まず、図4(A)に示したようにn型GaAsからなる基板10上に、GaAs系化合物半導体を、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition :有機金属気相成長)法などのエピタキシャル結晶成長法により一括に形成する。この際、GaAs系化合物半導体の原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3 )を用い、ドナー不純物の原料としては、例えばセレン化水素(H2Se)を用い、アクセプタ不純物の原料としては、例えばジメチル亜鉛(DMZn)を用いる。
具体的には、基板10上に、n型DBR層21,下部スペーサ層22,活性層23,上部スペーサ層24,被酸化層25C,p型DBR層26およびコンタクト層27を基板10側からこの順に積層する。被酸化層25Cは、後述の酸化工程で酸化されることにより、電流狭窄層25になる層であり、例えばAlGaAsを含んで構成されている。
次いで、図4(B)に示したように、例えば蒸着法などにより、出射面20Aすなわちコンタクト層27の表面に、開口30A(第1開口)を有するp側電極30を形成する。p側電極30の外形は例えば10μm未満とする。
続いて、図4(C)に示したように、p側電極30およびコンタクト層27の表面全体に、例えばSiO2などの光透過性の絶縁性無機材料からなる絶縁膜28を形成する。この絶縁膜28は後工程でプリズム3を形成するために通常の膜厚(200nm程度)よりも厚い、例えば4〜5μm程度の厚みを有するものとする。
次いで、図5(A)に示したように、絶縁膜28の表面に素子パターンを有する感光性樹脂(レジスト)マスク(図示せず)を形成したのち、例えば反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)法などのドライエッチングによって絶縁膜28に環状の溝28Aを形成する。この溝28Aの内径はp側電極30の外径よりも大きく、例えば10μmとする。
続いて、図5(B)に示したように、絶縁膜28をマスクとして例えばRIEなどのドライエッチングを行うことにより溝28Aを掘り下げる。すなわちコンタクト層27,p型DBR層26,被酸化層25C,上部スペーサ層24,活性層23および下部スペーサ層22を貫通し、n型DBR層21に達する手前までエッチングし、柱状部29を形成する。
次いで、図5(C)に示したように、水蒸気雰囲気中において高温(例えば400℃)で酸化処理を行い、溝28Aを通じて柱状部29(メサ)の側面から被酸化層25Aを選択的に酸化する。これにより被酸化層25Cの外縁領域が絶縁膜(酸化アルミニウム)となった電流狭窄領域25Bと、中央の未酸化領域が電流注入領域25Aとなった電流狭窄層25が形成される。
続いて、図6(A)に示したように、絶縁膜28の表面にレジスト層34(マスク層)を塗布形成すると共に、溝28A内にもこのレジスト層34を充填させる。そののち図6(B)に示したように、例えば図示しないマスクを用いた露光法によって、レジスト層34の柱状部29の中心軸(発光領域23Aの中心)からずれた位置、例えば溝28Aの近傍に開口34A(第2開口)を形成する。開口34Aの大きさは例えば直径1μm程度とする。
次いで、図6(C)に示したように、開口34Aを有するレジスト層34をマスクとした、例えばバッファードフッ酸などのフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエッチングにより絶縁膜28を、例えばp側電極30の一部が露出するまで選択的に除去する。このとき、絶縁膜28とマスク(レジスト層34)との密着性の程度に応じて、開口34Aから縦方向にエッチングが進行すると共に、絶縁膜28とレジスト層34との境界面にもエッチング液が侵入することにより横方向のエッチングも進行する。その結果、例えばp側電極30の一部が露出した時点でエッチングを終了すると、溝28A内の絶縁膜28は傾斜した光出射面3Aを有するプリズム3となる。
続いて、図7(A)に示したようにレジスト層34を除去したのち、図7(B)に示したように、絶縁膜28、溝28A、プリズム3およびp側電極30の表面に、例えば膜厚200nmのSiO2からなる保護膜31を形成する。
次いで、図7(C)に示したように、レジストマスク(図示せず)を用いて例えばRIEなどのドライエッチングを行い、p側電極30上の保護膜31に開口31Aを形成する。続いて、レジストマスクを除去したのち、例えば真空蒸着法により表面全体に前述の金属材料を積層する。そののち選択エッチングにより、絶縁膜28上の保護膜31上に電極パッド32を形成すると共に開口31Aを介して電極パッド32とp側電極30とを電気的に接続させる。
最後に、基板10の裏面を適宜研磨してその厚さを調整した後、この基板10の裏面に上述の金属材料を積層しn側電極33を形成する。これにより図1に示した面発光レーザ素子1が完成する。
このように本実施の形態では、通常は200nm程度である絶縁膜28の厚さを、例えば4〜5μmの厚みを有するものとし、これをウエットエッチングによって加工することにより傾斜した光出射面3Aを有するプリズム3を素子本体2に一体的に形成するようにした。これにより複雑なプリズムの実装工程を経ることなく、発光領域23Aの直上にプリズム3を容易に形成することができ、自らレーザ光を斜めに出射することのできる面発光レーザ素子1を得ることができる。
プリズム3の光出射面3Aの傾きθ1は、絶縁膜28と絶縁膜28上に塗布されるマスク(レジスト層34)との密着性を調整することにより制御することができる。この密着性は、密着性向上塗布剤であるHMDS(ヘキサメチルジシラザン)などの界面活性剤の塗布量、あるいはレジスト層34の絶縁膜28への塗布形成時の温度によって変化する。例えば、密着性を低下させるためには、HMDSの塗布量を減らす、あるいは塗布時の温度を上げればよい。密着性を低下させることにより、横方向のエッチング速度は上がり、プリズムの傾きは小さくなる。一例として、60℃にて数秒間HMDSを吹き付けたのち、レジスト層34が形成された絶縁膜28を、バッファードフッ酸を用いてエッチングを行った場合には、図3では光出射面3Aの光出射面20Aに対する傾きθ1が40度となり、レーザ光は垂直方向からθ2(=29.7度)だけ傾く。
(変形例)
上記実施の形態では、n側電極33を基板10の裏面に設けた場合について説明したが、図9に示したように、素子本体2の一部を基板10に達するまでエッチングし、基板10の上面にn側電極33を形成してもよい。このとき、p側電極30と同様に絶縁膜28の上に電極パッド35を設け,この電極パッド35とn側電極33とを配線により電気的に接続させる。これによりワイヤボンディングが不要となる。本変形例の作用および効果は上記実施の形態と同様である。
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、プリズム3の空気との屈折率差を利用しているが、空気以外の材料との屈折率差を利用するようにしてもよい。また、例えばプリズム3の加工(光出射面3Aの形成)については上記実施の形態においてはウエットエッチングによるものとしたが、これに限らずその他の方法、例えば回折露光によってもよい。
更に、上記実施の形態では、面発光レーザ素子1の構成を具体的に挙げて説明したが、必ずしも全ての層を備える必要はなく、他の層を更に備えていてもよい。また、上記実施の形態において説明した各層の材料、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料としてもよく、または他の成膜方法としてもよい。
更に、例えば、上記実施の形態では、面発光レーザ素子1をGaAs系化合物半導体により構成した場合について説明したが、他の材料系、例えば、GaInP系(赤系)材料またはAlGaAs系(赤外系)や、GaN系(青緑色系)などにより構成することも可能である。
1…面発光レーザ素子、2…素子本体、3…プリズム、10…基板、21…n型DBR層、21…下部スペーサ層、23…活性層、24…上部スペーサ層、25…電流狭窄層、25A…電流注入領域、25B…電流狭窄領域、26…p型DBR層、27…コンタクト層、28…絶縁膜、28A…溝、29…柱状部、30…p側電極、30A…開口(第1開口)、31…保護膜、32…電極パッド、33…n側電極、34…マスク(レジスト層)、34A…開口(第2開口)、35…電極パッド。

Claims (10)

  1. 平坦な第1光出射面を有する素子本体と、
    前記素子本体の第1光出射面上に設けられると共に、前記第1光出射面に対して傾斜した第2光出射面を有するプリズムと
    を備えた面発光レーザ素子。
  2. 前記素子本体は、基板上に第1多層膜反射鏡、活性層、電流狭窄層、第2多層膜反射鏡およびコンタクト層をこの順に有すると共に前記コンタクト層上の前記第1光出射面を除く領域に第1電極を有し、
    前記プリズムは前記第1光出射領域および第1電極上に設けられている
    請求項1記載の面発光レーザ素子。
  3. 前記素子本体の周囲に、前記第1多層膜反射鏡に達する溝を間にして前記プリズムと同一材料からなる絶縁膜を有する
    請求項2記載の面発光レーザ素子。
  4. 前記絶縁膜の膜厚は、前記プリズムの高さよりも厚い
    請求項2記載の面発光レーザ素子。
  5. 前記絶縁膜の上に電極パッドを有し、前記電極パッドと前記第1電極とが電気的に接続されている
    請求項4記載の面発光レーザ素子。
  6. 前記プリズムの傾斜角は、前記第1光出射面に対して5〜45°の範囲である
    請求項1に記載の面発光レーザ素子。
  7. 記録媒体に向けて光を導波するグレーティングカプラと、
    前記グレーティングカプラの光導波方向に対して斜めにレーザ光を出射する面発光レーザ素子とを備え、
    前記面発光レーザ素子は、
    平坦な第1光出射面を有する素子本体と、
    前記素子本体の第1光出射面上に設けられると共に、前記第1光出射面に対して傾斜した第2光出射面を有し、前記第2光出射面から前記グレーティングカプラに向けてレーザ光を出射するプリズムと
    を備えたスライダ。
  8. 平坦面を有する基板上に、第1多層膜反射鏡、活性層、電流狭窄層、第2多層膜反射鏡およびコンタクト層をこの順に有する半導体層を形成し、前記半導体層上に光出射領域となる第1開口を有する電極を形成する工程と、
    前記半導体層上に所定の厚みを有する光透過性の絶縁膜を形成すると共に、素子パターンに応じた形状を有し前記絶縁膜から前記第1多層膜反射鏡に達する溝を形成する工程と、
    前記絶縁膜上および溝内にマスク材料を堆積させてマスクを形成すると共に、前記マスクの前記光出射領域の中心からずれた位置に第2開口を形成する工程と、
    前記第2開口を介して前記絶縁膜のウエットエッチングを行い、前記光出射領域の面(第1光出射面)に対して所定の角度で傾斜した第2光出射面を有するプリズムを形成する工程と
    を含む面発光レーザ素子の製造方法。
  9. 前記溝を形成したのち、前記溝を通して前記電流狭窄層の周縁領域を酸化することにより電流狭窄領域を形成し、そののち前記マスクを形成する
    請求項8記載の面発光レーザ素子の製造方法。
  10. 前記第2開口を前記溝の近傍位置に形成する
    請求項8に記載の面発光レーザ素子の製造方法。
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