JP2011096420A - 電極−電解質膜接合体および燃料電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 焼成工程時の電解質材料からのガリウムの脱離を抑制することができる電極−電解質膜接合体および燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】電極−電解質膜接合体の製造方法は、燃料極(10)および空気極(30)のいずれか一方の電極上に、ランタンガレート系酸化物を含む電解質材料(20)を成膜する成膜工程(ステップS10)と、ガリウムまたはガリウム化合物が配置された空間内において電解質材料を焼成する焼成工程(ステップS20)と、を含むことを特徴とする製造方法である。この製造方法によれば、焼成工程時に電解質材料中のガリウムが還元されて脱離することを抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】電極−電解質膜接合体の製造方法は、燃料極(10)および空気極(30)のいずれか一方の電極上に、ランタンガレート系酸化物を含む電解質材料(20)を成膜する成膜工程(ステップS10)と、ガリウムまたはガリウム化合物が配置された空間内において電解質材料を焼成する焼成工程(ステップS20)と、を含むことを特徴とする製造方法である。この製造方法によれば、焼成工程時に電解質材料中のガリウムが還元されて脱離することを抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電極−電解質膜接合体および燃料電池の製造方法に関する。
燃料電池は、一般的には水素および酸素を燃料として電気エネルギを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。
燃料電池のうち固体の電解質膜を用いたものとして、固体酸化物型燃料電池がある。この固体酸化物型燃料電池の電解質膜は、例えば、電極上に成膜されたランタンガレート系酸化物からなる電解質材料を還元雰囲気下で焼結させる工程(以下、この工程を焼成工程と称する)によって、製造される(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、還元雰囲気下でランタンガレート系酸化物からなる電解質材料を焼結させると、ランタンガレート系酸化物からガリウムが還元されて脱離するおそれがある。この場合、電解質膜は、その機能を十分に発揮できなくなるおそれがある。
本発明は、焼成工程時の電解質材料からのガリウムの脱離を抑制することができる電極−電解質膜接合体および燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電極−電解質膜接合体の製造方法は、燃料極および空気極のいずれか一方の電極上に、ランタンガレート系酸化物を含む電解質材料を成膜する成膜工程と、ガリウムまたはガリウム化合物が配置された空間内において電解質材料を焼成する焼成工程と、を含むことを特徴とする製造方法である。
本発明に係る電極−電解質膜接合体の製造方法によれば、ガリウムまたはガリウム化合物中のガリウムが焼成工程中に還元されて還元化合物(以下、ガリウム還元化合物と称する)となって脱離することによって、焼成工程時の雰囲気におけるガリウム還元化合物の分圧を高くすることができる。それにより、焼成工程時に電解質材料のランタンガレート系酸化物のガリウムが還元されて脱離することを抑制することができる。
上記焼成工程において、電解質材料上に、ガリウムまたはガリウム化合物の粉末を配置してもよい。上記焼成工程において、電極および電解質材料を、ガリウムまたはガリウム化合物の粉末で覆ってもよい。上記焼成工程において、ガリウムまたはガリウム化合物の容器内で電解質材料を焼成してもよい。
上記製造方法において、ガリウム化合物中におけるガリウムの価数は、+3であってもよい。上記製造方法において、ガリウム化合物は、ランタンガレード系酸化物またはGa2O3であってもよい。上記製造方法において、ランタンガレード系酸化物は、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3またはLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3であってもよい。
上記焼成工程は、還元雰囲気下で、800℃〜1400℃の温度で行われてもよい。上記還元雰囲気は、アルゴンおよび水素を含む雰囲気であってもよい。
本発明に係る燃料電池の製造方法は、上記電極−電解質膜接合体の製造方法によって製造された電極−電解質膜接合体の電解質膜の電極と反対側の面に他の電極を形成する工程を含むことを特徴とする製造方法である。この製造方法によれば、焼成工程時に電解質材料のランタンガレート系酸化物のガリウムが還元されて脱離することを抑制することができる。それにより、発電効率低下を抑制することができる。
本発明によれば、焼成工程時の電解質材料からのガリウムの脱離を抑制することができる電極−電解質膜接合体および燃料電池の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の実施例1に係る燃料電池の製造方法について説明する。図1は、実施例1に係る燃料電池の製造工程の一例を示すフロー図である。本実施例に係る燃料電池の製造工程は、成膜工程(ステップS10)と、焼成工程(ステップS20)と、除去工程(ステップS30)と、電極形成工程(ステップS40)と、を含んでいる。
図2(a)および図2(b)は、成膜工程(ステップS10)を説明するための模式的断面図である。成膜工程(ステップS10)は、燃料極または空気極のいずれか一方の電極の一面に、ランタンガレート系酸化物を含む電解質材料を成膜する工程である。本実施例では、一例として、成膜工程(ステップS10)において、燃料極の上面に電解質材料を成膜する。
まず、図2(a)に示すように、支持基板5の一面に燃料極10が形成されたものを準備する。支持基板5は、燃料極10を支持するための多孔状の基板であり、本実施例においては、複数の孔6を有するSUS製の基板である。
燃料極10としては、例えば、電子導電性、酸化物イオン導電性、および電解質膜との未反応性を有するセラミックスを用いることができる。このようなセラミックスとして、例えば、NiOと、Ce0.9Gd0.1O1.95(以下、GDC10と称する)、Ce0.8Sm0.2O1.9(以下、SDC20と称する)およびZr0.92Y0.08O1.96(以下、8YSZと称する)のいずれか一つとを、3:7、4:6、5:5または6:4の重量パーセント(wt%)で混合したセラミックスを用いることができる。なお、GDC10、SDC20および8YSZのうち、GDC10の酸化物イオン導電性が最も高い。よって、燃料極10として、NiOとGDC10とを3:7、4:6、5:5または6:4の重量パーセントで混合したセラミックスを用いることが好ましい。
次に、図2(b)に示すように、燃料極10の上面に電解質材料20を成膜する。電解質材料20は、ランタンガレート(LaGaO3)系酸化物を含む酸化物イオン導電性セラミックスであれば特に限定されない。ランタンガレート系酸化物としては、例えば(La,Sr)(Ga,Mg)O3(以下、LSGMと称する)を用いることができる。LSGMとしては、例えば、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3等を用いることができる。
本実施例においては、一例として、LSGMの粉末にバインダー樹脂、有機溶媒等を加えて混錬したペーストを、燃料極10の上面に塗布した後に、乾燥させることによって、燃料極10の上面に電解質材料20を成膜する。ペーストの塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スプレーコート法等の方法を用いることができる。
続いて、焼成工程(ステップS20)について説明する。図3(a)および図3(b)は、焼成工程(ステップS20)を説明するための模式的断面図である。焼成工程(ステップS20)は、ガリウムまたはガリウム化合物が配置された空間内において、成膜工程(ステップS10)後の電解質材料20を焼成する工程である。本実施例においては、一例として、ガリウム化合物が配置された空間内において、電解質材料20を焼成する。ガリウム化合物としては、例えば、ガリウム化合物中におけるガリウムの価数が+3のものを用いることができる。このようなガリウム化合物として、例えばランタンガレート系酸化物、Ga2O3等が用いられる。本実施例においては、一例として、ランタンガレート系酸化物であるLSGMをガリウム化合物として用いる。
まず、図3(a)に示すように、チャンバ等の区画された空間内において、成膜工程(ステップS10)後の支持基板5、燃料極10および電解質材料20の全体を、LSGMの粉末300で覆う。この場合、電解質材料20は、ガリウム化合物が配置された空間内で焼成されることになる。
次に、図3(b)に示すように、還元雰囲気下で電解質材料20を粉末300とともに加熱する。この場合、電解質材料20のLSGM粒子は焼結する。それにより、電解質材料20は電解質膜25として燃料極10に接合される。その結果、電極−電解質膜接合体100が得られる。還元雰囲気は、特に限定されないが、減圧アルゴン雰囲気に水素を混合した雰囲気とすることができる。加熱温度は、電解質材料20のLSGM粒子が焼結する温度であれば特に限定されず、例えば800℃〜1400℃である。なお、加熱時の雰囲気を還元雰囲気にすることによって、支持基板5等を構成する金属の酸化を抑制することができる。
ここで、粉末300に含まれるランタンガレート系酸化物のガリウムの少なくとも一部は、還元雰囲気下で還元されて還元化合物(以下、この還元化合物をガリウム還元化合物と称する)になる。この還元反応の反応式として、以下の反応式(1)および反応式(2)が考えられる。なお、粉末300としてGa2O3を用いた場合にもGa2O3のガリウムが還元されてガリウム還元化合物が生じるが、このときの反応式として、以下の反応式(3)〜反応式(7)が考えられる(Michael Stanislowski et al., Solid State Ionics, Volume 176, pp.2523-2533 (2005))。
2LaGaO3(s)+2H2(g)→2GaOH(g)+La2O3(s)+H2O(g)・・・(1)
2LaGaO3(s)+2H2(g)→Ga2O(g)+La2O3(s)+2H2O(g)・・・(2)
Ga2O3(s)+2H2(g)→2GaOH(g)+H2O(g)・・・(3)
Ga2O3(s)+H2(g)→2GaOH(g)+H2O(g)・・・(4)
Ga2O3(s)+2H2(g)→Ga2O(g)+2H2O(g)・・・(5)
Ga2O3(s)+3H2(g)→2Ga(g)+3H2O(g)・・・(6)
Ga2O3(s)+4H2(g)→2GaH(g)+3H2O(g)・・・(7)
2LaGaO3(s)+2H2(g)→Ga2O(g)+La2O3(s)+2H2O(g)・・・(2)
Ga2O3(s)+2H2(g)→2GaOH(g)+H2O(g)・・・(3)
Ga2O3(s)+H2(g)→2GaOH(g)+H2O(g)・・・(4)
Ga2O3(s)+2H2(g)→Ga2O(g)+2H2O(g)・・・(5)
Ga2O3(s)+3H2(g)→2Ga(g)+3H2O(g)・・・(6)
Ga2O3(s)+4H2(g)→2GaH(g)+3H2O(g)・・・(7)
ここで、粉末300中のガリウムが還元されてガリウム還元化合物となって脱離することによって、焼成工程(ステップS20)時の還元雰囲気におけるガリウム還元化合物の分圧を高くすることができる。この場合、焼成工程(ステップS20)時に上記式(1)〜式(7)の還元反応を抑制することができる。それにより、電解質材料20のガリウムがガリウム還元化合物になって脱離することを抑制することができる。
続いて、除去工程(ステップS30)について説明する。図3(c)は、除去工程(ステップS30)を説明するための模式的断面図である。除去工程(ステップS30)は、電極−電解質膜接合体100から粉末300を除去する工程である。粉末300の除去方法は、特に限定されない。例えば、焼成工程(ステップS20)において粉末300と電解質材料20との間でも焼結が生じて焼成工程(ステップS20)後の電解質膜25に粉末300が固着している場合には、除去工程(ステップS30)は、例えば研削、研磨等の機械加工によって電解質膜25に固着した粉末300を除去する。焼成工程(ステップS20)後において粉末300が電解質膜25に固着していない場合には、機械加工を行わずに、例えばエアブロー、洗浄等を行うことによって粉末300を除去する。
続いて、電極形成工程(ステップS40)について説明する。図4(a)および図4(b)は、電極形成工程(ステップS40)を説明するための模式的断面図である。電極形成工程(ステップS40)は、空気極30を電解質膜25の燃料極10とは反対側の面に形成する工程である。まず、図4(a)に示すように、除去工程(ステップS30)後の燃料極10および電解質膜25を準備する。次に、図4(b)に示すように、電解質膜25の上面に空気極30を形成する。
空気極30としては、例えば、電子導電性、酸化物イオン導電性、電解質膜との未反応性を有するセラミックスを用いることができる。このようなセラミックスとして、例えば、Sm0.5Sr0.5CoO3(以下、SSCと称する)、La0.6Sr0.4CoO3(以下、LSCと称する)、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.2O3(以下、LSCFと称する)、Ba0.5Sr0.5Co0.8Fe0.2O3(以下、BSCFと称する)、Pr0.5Sr0.5CoO3(以下、PSCと称する)等を用いることができる。SSC、LSC、LSCF、BSCFおよびPSCのうち、SSCが、電子導電性、酸化物イオン導電性および電解質膜との未反応性に最も優れている。よって、空気極30として、SSCを用いることが好ましい。
空気極30は、一例として、SSC等の粉末にバインダー樹脂、有機溶媒等を適量加えて混錬したペーストを、電解質膜25の上面に塗布した後に、乾燥および焼結させることによって、電解質膜25上に形成される。ペーストの塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スプレーコート法等の方法を用いることができる。焼結温度は、例えば900℃〜1100℃である。以上の工程によって、電解質膜25の一面に燃料極10を有し、他面に空気極30を有する燃料電池200が完成する。
燃料電池200は、発電時に以下のように作動する。まず、空気極30には酸素(O2)が供給され、燃料極10には支持基板5の複数の孔6を介して水素(H2)が供給される。空気極30に供給された酸素は、空気極30において電子と反応して酸化物イオンになる。この酸化物イオンは、電解質膜25を伝導して燃料極10側に移動する。燃料極10に供給された水素は、燃料極10において電子を放出するとともに、空気極30側から電解質膜25中を移動してくる酸化物イオンと反応して水(H2O)になる。放出された電子は、燃料電池200の外部に取り出されて電気的な仕事に供された後に、空気極30に到達する。以上のように、燃料電池200は発電時に作動する。焼成工程(ステップS20)において電解質膜25の組成変化が抑制されていることから、電解質膜25の酸化物イオン導電性が高く維持される。それにより、燃料電池200は、高い発電効率を実現する。
なお、焼成工程(ステップS20)において配置される粉末300の平均粒径は、電解質材料20中のLSGM粒子の平均粒径に比較して大きくてもよい。この場合、粉末300が焼成工程(ステップS20)時に電解質材料20のLSGM粒子とともに焼結されて電解質膜25に固着することを抑制できる。粒子の平均粒径が大きくなると焼結の駆動力となる表面エネルギが小さくなることから、焼結が生じ難くなるからである。この場合、除去工程(ステップS30)で研磨等の機械加工を行わずに、電極形成工程(ステップS40)を行うことができる。
(変形例1)
図5(a)および図5(b)は、実施例1の変形例1に係る焼成工程(ステップS20)を説明するための模式的断面図である。図5(a)に示すように、本変形例において、粉末300は電解質材料20の燃料極10とは反対側の面にのみ配置されている。図5(b)は、還元雰囲気下で加熱されることによって、電解質材料20が電解質膜25になった状態を示す模式的断面図である。本変形例においても、焼成工程(ステップS20)において、ガリウム化合物(粉末300)が配置された空間内において電解質材料20を焼成していることから、焼成工程(ステップS20)時の電解質材料20からのガリウムの脱離を抑制することができる。
図5(a)および図5(b)は、実施例1の変形例1に係る焼成工程(ステップS20)を説明するための模式的断面図である。図5(a)に示すように、本変形例において、粉末300は電解質材料20の燃料極10とは反対側の面にのみ配置されている。図5(b)は、還元雰囲気下で加熱されることによって、電解質材料20が電解質膜25になった状態を示す模式的断面図である。本変形例においても、焼成工程(ステップS20)において、ガリウム化合物(粉末300)が配置された空間内において電解質材料20を焼成していることから、焼成工程(ステップS20)時の電解質材料20からのガリウムの脱離を抑制することができる。
なお、実施例1の焼成工程(ステップS20)において、ガリウム化合物の粉末300に代えてガリウムの粉末を用いてもよい。この場合においても、焼成工程(ステップS20)において粉末のガリウムが還元されてガリウム還元化合物となり、脱離することによって、焼成工程(ステップS20)時の還元雰囲気におけるガリウム還元化合物の分圧を高くすることができる。その結果、焼成工程(ステップS20)時に電解質材料20のガリウムがガリウム還元化合物になって脱離することを抑制することができる。
また、実施例1の成膜工程(ステップS10)は、空気極30の一面に電解質材料20を成膜する工程であってもよい。この場合、電極形成工程(ステップS40)において、燃料極10が電解質膜25の空気極30とは反対側の面に形成される。
本発明の実施例2に係る燃料電池の製造方法について説明する。図6は、実施例2に係る燃料電池の製造工程の一例を示すフロー図である。本実施例に係る燃料電池の製造工程は、図1に示す実施例1に係る燃料電池の製造工程とは、焼成工程(ステップS20)に代えて焼成工程(ステップS20a)を含む点と、除去工程(ステップS30)を含まない点と、において、異なる。
図7(a)および図7(b)は、焼成工程(ステップS20a)を説明するための模式的断面図である。本実施例の焼成工程(ステップS20a)は、粉末300に代えてガリウムまたはガリウム化合物を主成分とする容器310を用い、この容器310内で電解質材料20を焼成する点において、実施例1の焼成工程(ステップS20)と異なる。
具体的には、図7(a)に示すように、器形状の本体311と蓋312とを有する容器310の本体311内に、支持基板5、燃料極10および電解質材料20を配置し、蓋312によって蓋をする。なお、容器310の主成分であるガリウムまたはガリウム化合物としては、粉末300の場合と同様のものを用いる。例えば、容器310は、ガリウム、またはLSGM、Ga2O3等のガリウム価数が+3であるガリウム化合物を主成分とすることができる。また、容器310には、還元ガスが容器310内に流入するためのガス流入口が形成されている。本実施例において、蓋312と本体311との間の隙間313がガス流入口である。さらに、本実施例において、蓋312と電解質材料20の上面との間には、空間が設けられている。それにより、焼成工程(ステップS20a)は、電解質材料20の電極非配置面全体が露出した状態で行われる。
次に、図7(b)に示すように、還元雰囲気下で、支持基板5、燃料極10および電解質材料20を容器310とともに加熱する。この場合、電解質材料20のLSGM粒子は焼結する。それにより、電解質材料20は電解質膜25として燃料極10に接合される。その結果、電極−電解質膜接合体100が得られる。また、容器310中のガリウムは、還元されてガリウム還元化合物となって容器310から揮発することによって、容器310から脱離する。なお、還元雰囲気および加熱温度は、実施例1の場合と同様のため、説明を省略する。
焼成工程(ステップS20a)の後は、燃料極10および電解質膜25を容器310内から取り出して、電極形成工程(ステップS40)を行う。その結果、燃料電池200が完成する。
本実施例に係る燃料電池の製造方法によれば、焼成工程(ステップS20a)において、容器310中のガリウムが還元されてガリウム還元化合物となって脱離することにより、焼成工程(ステップS20a)時の還元雰囲気におけるガリウム還元化合物の分圧を高くすることができる。その結果、焼成工程(ステップS20a)時の電解質材料20からのガリウムの脱離を抑制することができる。
また、本実施例に係る燃料電池の製造方法によれば、電解質材料20の電極非配置面が露出した状態で焼成工程(ステップS20a)が行われることから、ガリウムまたはガリウム化合物を電極非配置面から除去する工程を行うことなく、電極形成工程(ステップS40)を行うことができる。その結果、燃料電池の製造工程を削減することができる。
なお、実施例2の成膜工程(ステップS10)は、空気極30の一面に電解質材料20を成膜する工程であってもよい。この場合、電極形成工程(ステップS40)において、燃料極10が電解質膜25の空気極30とは反対側の面に形成される。
5 支持基板
10 燃料極
20 電解質材料
25 電解質膜
30 空気極
100 電極−電解質膜接合体
200 燃料電池
300 粉末
310 容器
311 本体
312 蓋
313 隙間
10 燃料極
20 電解質材料
25 電解質膜
30 空気極
100 電極−電解質膜接合体
200 燃料電池
300 粉末
310 容器
311 本体
312 蓋
313 隙間
Claims (10)
- 燃料極および空気極のいずれか一方の電極上に、ランタンガレート系酸化物を含む電解質材料を成膜する成膜工程と、
ガリウムまたはガリウム化合物が配置された空間内において前記電解質材料を焼成する焼成工程と、を含むことを特徴とする電極−電解質膜接合体の製造方法。 - 前記焼成工程において、前記電解質材料上に、前記ガリウムまたは前記ガリウム化合物の粉末を配置することを特徴とする請求項1記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 前記焼成工程において、前記電極および前記電解質材料を、前記ガリウムまたは前記ガリウム化合物の粉末で覆うことを特徴とする請求項1記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 前記焼成工程において、前記ガリウムまたは前記ガリウム化合物の容器内で前記電解質材料を焼成することを特徴とする請求項1記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 前記ガリウム化合物中におけるガリウムの価数は、+3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 前記ガリウム化合物は、前記ランタンガレード系酸化物またはGa2O3であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 前記ランタンガレード系酸化物は、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3またはLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 前記焼成工程は、還元雰囲気下で、800℃〜1400℃の温度で行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 前記還元雰囲気は、アルゴンおよび水素を含む雰囲気であることを特徴とする請求項8記載の電極−電解質膜接合体の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された電極−電解質膜接合体の電解質膜の電極と反対側の面に他の電極を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
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Cited By (1)
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JP2015149154A (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-20 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 燃料電池用セルの製造方法、及び、燃料電池 |
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2009
- 2009-10-28 JP JP2009247293A patent/JP2011096420A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015149154A (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-20 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 燃料電池用セルの製造方法、及び、燃料電池 |
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