JP2011094281A - 多層繊維集合体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続した工程で2種類以上の配向性の異なる繊維集合体を積層した多層繊維集合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】スピナレット4と、回転駆動される回転体コレクタ5と、スピナレット4と回転体コレクタ5との間に高電圧を印加する高圧電源6とを備え、スピナレット4から放出された紡糸ジェット8を回転体コレクタ5の表面上に集成するエレクトロスピニング装置を用いた多層繊維集合体の製造方法であって、回転体コレクタ5の周速度を紡糸ジェット8の放出速度に比べて充分遅くした状態で紡糸することにより配向性を有しない繊維からなる非配向性繊維層を形成し、次いで回転体コレクタ5の周速度を紡糸ジェット8の放出速度と同程度にした状態で紡糸することにより、非配向性繊維層上に配向性を有する配向性繊維層を集成する多層繊維集合体の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、配向性の異なる2以上の複数の繊維集合体を積層した多層繊維集合体およびその製造方法に関する。
再生医療工学、創傷材料、ドラッグデリバリー等のヘルスケアの分野、生体分子の精製や汚染水質の浄化を目的としたアフィニティ膜、センサー等のバイオテクノロジー・環境工学の分野、ポリマーバッテリー、色素増感太陽電池、高分子膜燃料電池等のエネルギー分野、複合材料の強化材、対バイオテロ攻撃、あるいは、ガス攻撃を想定した防護服等の防護・セキュリティーの分野等の広い分野において、ミクロン(μm)未満のナノオーダーの径(例えば数nm〜数百nm)を有する繊維(ナノ・ファイバ)が注目されている。
かかるナノ・ファイバの製造方法としては、例えば、文献1を含め既に種種の方法が提案されている。
ところで、本発明者は先に、縦糸と横糸を織る織成という工程が不要であり、材料としては天然のものに限らず、人工のものも使用でき、工程が簡単でコストも安価にできる金属光沢繊維集合体の製造方法を提案した(特許文献2)。それは、繊維径5μm以下の極細繊維が一方向に配向性をもって幅方向および厚み方向に集成されている金属光沢繊維集合体に係るものである。
この集合体は、繊維長手方向に規則性を有し、不織布に比べて単位厚み当りの空隙がすくなく、繊維長手方向における様々な特性が向上することが期待される。
しかしながら、特許文献2において提案した金属光沢繊維集合体は、極細繊維が一方向に配向性を持って集成されているので、配向方向には引っ張り強度が強いが、配向方向と直交する方向には、繊維同士の結着力が小さいので引っ張り強度が不足し、簡単に変形してしまい、繊維が配向方向と直交する方向に変形すると、配向性繊維層の特性が損なわれるという問題があった。
一方、特許文献3には、シート状基材の少なくとも一方の最外面に、オレフィン系樹脂を含む溶融樹脂を、繊維状にスプレー塗布して、該樹脂からなる繊維状樹脂層を設けるシート状積層体の製造方法において、該繊維状樹脂層が目付量0.5〜10g/m2となるように設けることが開示されている。
また、特許文献4には、孔からの高分子液の吐出と帯電とによって高分子ファイバを生成して収集体上に電荷誘導して収集し堆積させる収集・堆積工程と、ウエブ担持基材に接着剤を塗布する塗布工程と、収集体上の高分子ファイバ堆積層をウエブ担持基材上にそれに塗布している接着剤を介し転写する転写工程と、により、ウエブ担持基材上に高分子ウエブ層を形成する高分子ウエブの製造方法が開示されている。
特開2004−183131号公報 特開2009−102778号公報 特開2008−212761号公報 特開2008−280651号公報
前掲の特許文献3に開示されたシート状積層体においては、シート状基材の表面に溶融樹脂を繊維状にスプレー塗布して繊維状樹脂層を設けるものであるため、繊維状樹脂層に配向性を持たせることは困難である。
また、特許文献4に開示された高分子ウエブの製造方法では、収集・堆積工程と、塗布工程と、転写工程という3つの別々の工程を実行する必要があるため、工程が複雑化するとともに、高分子液の他に接着剤を使用する必要があった。
そこで本発明は、連続した工程で2種類以上の配向性の異なる繊維集合体を積層し、配向繊維膜の課題である繊維長手方向に対する垂直方向の補強を施した多層繊維集合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の多層繊維集合体は、配向性を有しない繊維を所定厚みで集成した非配向性繊維層上に、前記非配向性繊維層と同じ繊維を、配向性を有するようにして集成した配向性繊維層が積層されていることを特徴とする。
即ち、先ず本発明は、次の多層繊維集合体に係るものである。
(1)配向性を有しない繊維を集成した非配向性繊維層の少なくとも片面上に、前記非配向性繊維層と同じ繊維を、配向性を有するようにして集成した配向性繊維層が積層されてなる多層繊維集合体であって、前記繊維が繊維径5μm以下の極細繊維からなり、前記配向性繊維層を構成する繊維集合体の繊維配向標準偏差値が14°以下であることを特徴とする多層繊維集合体。
(2)前記配向性繊維層を構成する繊維集合体の繊維配向標準偏差値が8°以下である前記(1)に記載の多層繊維集合体。
(3)前記非配向性繊維層の片面上に、前記配向性繊維層が積層されてなる前記(1)又は(2)に記載の多層繊維集合体。
(4)前記非配向性繊維層の両面上に、前記配向性繊維層が積層されてなる前記(1)又は(2)に記載の多層繊維集合体。
(5)前記非配向性繊維層上に、異なる標準偏差値を有する配向性繊維層が少なくとも2層以上積層されている前記(1)から(4)のいずれかに記載の多層繊維集合体。
(6)配向性繊維層における繊維長手方向に対して垂直方向の引張り強度が、0.5MPa以上である前記(1)から(5)のいずれかに記載の多層繊維集合体。
(7)前記多層繊維集合体が、金属光沢を有する前記(1)から(6)のいずれかに記載の多層繊維集合体。
本発明の多層繊維集合体においては、非配向性繊維層上に、連続的に配向性繊維層が積層されており、両繊維層は同じ繊維からなるため、配向性繊維層のみからなる繊維では配向方向と直交する方向には変形しやすいという問題を解消して配向方向と直交する方向の引っ張り強度を補強することができ、各種の分野への応用に対して実用性が各段と向上する。
なお、本発明の多層繊維集合体において、「非配向性繊維層」と「配向性繊維層」、あるいは「配向性繊維層」どうしの配向性を標準偏差角度の大小で区別しているが、隣接する繊維層の境界部の配向性は、ある標準偏差角度から別の標準偏差角度に跳躍的に変化する場合と、連続的に変化する場合の、いずれの場合も含むものとする。配向性を連続的に変化させた方が、「非配向性繊維層」と「配向性繊維層」の2層間が徐々に変化するので、界面が存在しなくなり界面への応力集中を抑制できる。その結果、引っ張り強度としては標準偏差角度を跳躍的に変化させたときより強くなる。
また、本発明は、次の多層繊維集合体の製造方法に係るものである。
(8)繊維の素材となる溶液の充填空間を有し一本または複数本の紡糸ジェットを生成するスピナレットと、回転駆動される回転体コレクタと、前記スピナレットと前記回転体コレクタとの間に高電圧を印加する高圧電源とを備え、前記スピナレットから放出され前記コレクタに対して異極性に荷電された紡糸ジェットを前記回転体コレクタの表面上に集成するエレクトロスピニング装置を用いた多層繊維集合体の製造方法であって、
前記回転体コレクタの周速度を前記紡糸ジェットの放出速度に比べて充分遅くした状態で紡糸することにより配向性を有しない繊維からなる非配向性繊維層を形成し、次いで前記回転体コレクタの周速度を前記紡糸ジェットの放出速度と同程度にした状態で紡糸することにより、前記非配向性繊維層上に繊維径5μm以下の極細繊維からなり、前記極細繊維集合体の繊維配向標準偏差値が14°以下である配向性繊維層を集成することを特徴とする多層繊維集合体の製造方法。
(9)前記エレクトロスピニング装置が、前記回転体コレクタ上に直線的に巻き付けられる極細繊維に対して除電イオンを照射して極細繊維の電荷を中和する静電除去手段、前記溶液離脱部位から前記回転体コレクタに至る紡糸空間の電界を制御する電界制御手段、前記回転体コレクタの回転により生じる回転体コレクタ表面の空気流によって、前記紡糸ジェットの軌道が乱されることを抑制する空気流制御手段の少なくともいずれかの手段を有する前記(8)記載の多層繊維集合体の製造方法。
(10)前記非配向性繊維層上に前記配向性繊維層を集成する際、前記回転体コレクタと前記スピナレットの相対位置を前記回転体コレクタの回転軸方向に沿った方向に所定速度で移動させることを特徴とする前記(8)又は(9)に記載の多層繊維集合体の製造方法。
本発明多層繊維集合体の製造方法においては、荷電させた紡糸ジェットを回転体コレクタの表面に吸着させながら連続的に集積する際、回転体の周速度、すなわち回転速度を急激に、または徐々に切り換えることにより、配向性を制御する。スピナレットから放出された紡糸ジェットは、回転体コレクタに到達する間に、螺旋軌道を描くことが知られている。そして、回転体コレクタの表面は円筒面であるので紡糸ジェットが回転体コレクタのどの位置に到達するかは不定である。
したがって、回転体コレクタの回転速度(周速度)が紡糸ジェットの放出速度に対して遅いときは、回転体コレクタの表面に到達する紡糸ジェットは螺旋状(非配向性)で集積されるので、不織布状となる。ある時点で回転体コレクタの回転速度を上げて紡糸ジェットの放出速度に近づけると、紡糸ジェットは強制的に回転体コレクタに巻き取られる状況になるので、螺旋軌道は描かれず、直線状に引っ張られることになる。これにより、配向性を有する繊維が回転体コレクタ上に巻き付けられる。
このとき、回転体コレクタとスピナレットとの相対位置を回転体コレクタの回転軸の長手方向に沿った方向に所定速度で往復動させれば、糸巻きのように紡糸ジェットは層状に巻き取られることになる。これにより、最初の不織布状の繊維、すなわち非配向性繊維層上に、配向性繊維層が形成されることになる。所定厚さの配向性繊維層が形成されたところで回転体コレクタを停止し、表面に積層された円筒状の繊維を回転体コレクタの軸に沿った方向に切断すれば、直方形状の多層繊維集合体が得られる。
なお、本明細書において「非配向性繊維層」における「非配向性」というのは、繊維集合体の繊維配向標準偏差値が14°を超えたものであり、外観的には金属光沢を有しないほどに繊維の配向が揃っていないことを意味する。
本発明によれば、回転体コレクタの周速度を前記紡糸ジェットの放出速度に比べて充分遅くした状態、例えば周速63m/min以下で紡糸することにより非配向性繊維層を形成し、次いで回転体コレクタの周速度を前記紡糸ジェットの放出速度と同程度にした状態で紡糸することにより、連続した工程で配向性繊維層を積層した多層繊維集合体を製造することができ、配向方向と直交する方向でも引っ張り強度を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る多層繊維集合体の斜視図である。 (a),(b)はそれぞれ本発明の他の実施の形態に係る多層繊維集合体の断面図である。 本発明の実施の形態に係る多層繊維集合体の製造装置の基本的構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る多層繊維集合体の製造装置の基本的構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る多層繊維集合体の別の製造装置の概要を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る多層繊維集合体の製造装置に設置可能なフードカバーを示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側断面図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る実施例1の2層繊維集合体の配向性繊維層側の写真であり、(b)はその表面の顕微鏡写真、(c)はその表面における反射光量特性を示すグラフである。 (a)は本発明の実施の形態に係る実施例1の2層繊維集合体の非配向性繊維層側の写真であり、(b)はその表面の顕微鏡写真、(c)はその表面における反射光量特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る実施例3の多層繊維集合体の写真である。 (a)は実施例4に係る2層繊維集合体の表面の写真であり、(b)はその表面の顕微鏡写真である。 配向性繊維表面の金属光沢の測定条件を示す説明図である。 回転体コレクタの周速の変化と光度計による取込角−光度変化特性を示すグラフである。 回転体コレクタの周速の変化と光度計による取込角−光度変化特性を示すグラフである。 回転体コレクタの周速−光度特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
本発明の第一の態様は、配向性を有しない繊維を集成した非配向性繊維層の少なくとも片面上に、前記非配向性繊維層と同じ繊維を、配向性を有するようにして集成した配向性繊維層が積層されてなる多層繊維集合体であって、前記繊維が繊維径5μm以下の極細繊維からなり、前記配向性繊維層を構成する繊維集合体の繊維配向標準偏差値が14°以下、好ましくは10°以下、より好ましくは8°以下である多層繊維集合体に係るものである。
本実施の形態に係る多層繊維集合体Sは、図1のA部拡大図に示すように配向性を有しない繊維からなる非配向性繊維層S1と、極細繊維の単繊維Fを幅方向および厚み方向に集成した配向性繊維層S2を積層したものである。
ここで、非配向性繊維層S1を構成する繊維は、通常配向性繊維層S2を構成する極細繊維の単繊維Fと同じ繊維であり、繊維径は、5μm以下、好適には数十nm〜数百nmのナノ・ファイバである。非配向性繊維層S1は、配向性繊維層S2と異なり配向性を有せず、後述する繊維集合体の繊維配向標準偏差値が14°を超すものであり、好ましくは不織布状の繊維集合体の層である。非配向性繊維層S1の層の厚みは、用途により適宜決定されるが、多層繊維集合体Sの引張り強度を確保する観点から、通常数百nm〜数百μm程度のシート状とすることが好ましい。一般的には、多層繊維集合体Sの厚みは1μm〜数mmで、用途に合わせて適宜決定する。
一方、配向性繊維層S2を構成する極細繊維の単繊維Fの繊維径は5μm以下、好適には数十nm〜数百nmのナノ・ファイバである。これを、例えば、20層程度積層して、厚み数μm〜10μm程度のシート状とする。なお、この積層数や厚みはこれに限定されない。配向性繊維層S2を構成する繊維集合体の繊維配向標準偏差が14°以下、好ましくは8°以下である。
繊維配向標準偏差が14°を超えると、本発明の目的とする配向性を有する繊維層が得られない。繊維配向標準偏差が14°以下であると、多層繊維集合体Sの配向性繊維層S2は、金属光沢を有している。なお、配向性繊維層S2は、多層繊維集合体Sの中間層に形成しても、配向性繊維の機能は有するが、配向性の評価を金属光沢の程度で行うときには、表面層が配向性繊維層S2であることが好ましい。
配向性繊維層が均一に配向することにより繊維に異方性が出てくる。この異方性により繊維には、強度向上、イオンや電荷の透過性向上等の種種の物性上の特性付与が期待される。本発明の多層繊維集合体は、その目的とする製品の用途に応じ、積層数や厚み、積層の順番を適宜決定することができる。
なお、極細繊維の繊維径は、次の方法により求めた。
レーザー顕微鏡によりサンプルの拡大写真を撮り、レーザー顕微鏡付属の解析ソフトを用いて繊維径の測定を行った。繊維径は、モニター上でマウスにより繊維の幅を指示する事で解析ソフトにより自動的に算出される。測定点は各サンプルにおいて20点とし、その平均値を算出した。
また、配向性繊維層S2の標準偏差値は、顕微鏡写真より繊維配向角度(写真で垂直方向と繊維の角度を100点)を測定し、次の計算方法により求めた。
標準偏差値=((nΣA2−(ΣA)2)/n(n−1))1/2
(式中、Aは測定値(角度)、nは標本数を表す。)
本実施の形態に係る多層繊維集合体Sは、配向性を有しない繊維からなる非配向性繊維層S1上に、接着剤層を介することなく直接配向性繊維層S2を積層したものであり、非配向性繊維層S1と配向性繊維層S2が一体的に形成されている。そのため、配向性繊維層S2の配向方向と直交する方向に対しても強度を有する。
多層繊維集合体Sは、配向性繊維膜層における繊維長手方向に対して垂直方向の引張り強度が、0.5MPa以上、好ましくは1MPa以上、さらに好ましくは5MPa以上である。引張り強度が、0.5MPa未満では、形状を保持することが難しく、その結果取り扱いが困難となる。また容易に変形するため、配向繊維膜の特性が損なわれる可能性がある。
本多層繊維集合体Sの形態としては、図2(a)に示すように、非配向性繊維層S1の片面上に、配向性繊維層S2を積層したもの、あるいは図示しないが、非配向性繊維層S1の両面上に、配向性繊維層S2を積層したものが挙げられる。また、図2(b)に示すように非配向性繊維層S1と配向性繊維層S2を交互に複数層積層したものが挙げられる。
次に、配向性繊維層S2を構成する極細繊維の単繊維Fの素材、および不織布からなる非配向性繊維層S1は、多層繊維集合体Sの用途、および要求される強度、耐摩耗性等にもよるが、例えば、配向性繊維層S2の表面の絹の光沢を主に利用する装飾用であれば、天然材料、人工材料を問わない。
特開2006−152479号公報には、エレクトロスピニング法において使用できる可能性のある材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレ−ト(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン6,ナイロン66、ナイロン610,ナイロン12、ナイロン46、ナイロン9Tなどのナイロン系列、ポリウレタン、アラミド、ポリイミド(PI)、ポリベンゾイミダゾ−ル(PBI)、ポリベンズオキサゾール(PBO)、ポリビニルアルコ−ル(PVA)、セルロ−ス、酢酸セルロ−ス、酢酸酪酸セルロ−ス、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(コハク酸エチレン)、ポリ(硫化エチレン)、ポリ(酸化プロピレン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアニリン、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(酸化エチレン)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマー、コールタールピッチ、石油ピッチなどのピッチ系などの様々な高分子が例示されている。
本発明の実施の形態に係る多層繊維集合体製造装置の基本構成としては、図3に示すように、極細繊維の素材となるポリマーと揮発性の溶媒との溶液を入れたシリンジ1と、シリンジ1内の原料と溶媒との溶液を押し出すシリンジポンプ2と、溶液供給チューブ3と、紡糸口4aを有するスピナレット4と、回転軸5aの回りに回転駆動される回転体コレクタ5と、スピナレット4と回転体コレクタ5との間に高電圧を印加する高圧電源6と、回転体コレクタ5上に巻き付けられる極細繊維に対して除電イオンを照射して極細繊維の電荷を中和する静電除去装置7とを備えた構成である。なお、溶液供給チューブ3は、シリンジポンプ2とスピナレット4とを直接つなぐこともあり、必須ではない。
静電除去装置7としては、紡糸口4aが+の高電圧に帯電しているときは、極細繊維の電荷は+であるので、マイナスイオンを照射するマイナスイオン発生器を用いることができる。逆に、紡糸口4aが−の高電圧に帯電しているときは、極細繊維の電荷は−であるので、プラスイオンを照射するプラスイオン発生器を用いる。また、静電除去装置7の設置位置は、図3,図4に示すように、紡糸口4aとは反対側の回転体コレクタ5の近傍が望ましい。しかし、回転体コレクタ5の側部でもよいし、紡糸口4aと回転体コレクタ5の中間の位置でもよい。
次に、この多層繊維集合体製造装置の動作について説明する。
スピナレット4と回転体コレクタ5間に高電圧が印加されていない状態では、ポリマー溶液は、スピナレット4の先端の紡糸口4aの先端部において、表面張力で留まっている。紡糸口4aと回転体コレクタ5との間に、例えば数kV〜30kVの高電圧を印加すると、紡糸口4a先端のポリマー溶液の液滴は+に帯電し、異極(またはアース電位)に帯電している回転体コレクタ5に向かう静電力により吸引される。静電力が表面張力よりも越えると、ポリマー溶液の紡糸ジェット8が回転体コレクタ5に向かって連続的に噴射される。
図1の非配向性繊維層S1を回転体コレクタ5上に集成する場合は、回転体コレクタ5の速度を後述する配向性繊維層S2を集成する場合よりも充分遅くする。そうすると、紡糸空間において螺旋軌道を描いている紡糸ジェット8は、回転体コレクタ5の表面に不規則に巻き取られ、所定の時間経過後には所定の厚みのナノ・ファイバからなる不織布で構成された非配向性繊維層S1が形成される。
所定時間経過後、回転体コレクタ5を高速回転させると、紡糸空間において螺旋軌道を描いている紡糸ジェット8は、回転体コレクタ5の表面に既に集成されている非配向性繊維層S1の上に、直線的に巻き取られる。このとき、スピナレット4を回転体コレクタ5の回転軸5aの長手方向に往復動させることにより、所定の長さの範囲で、極細繊維を巻き取ることができる。または、回転体コレクタ5を回転軸5aの長手方向に往復動させても良い。これにより、不織布状の非配向性繊維層S1の上に、配向性繊維層S2が積層された多層繊維集合体Sが得られる。
上述したように、回転体コレクタ5を用いた紡糸方法においては、極細繊維の1層目を巻き取るときには極細繊維の電荷はアース電位である回転体コレクタ5に接触したときに放電して+の電荷は失われるが、2層目、3層目と積層していくと、極細繊維自体は絶縁体であるので、+電荷は完全には消失せずに残留する。そのため、先に回転体コレクタ5上に紡糸した極細繊維と新たに紡糸された極細繊維が反発しあって、配向が乱れ、一方向に揃った繊維が得られない。本実施の形態においては、回転体コレクタ5に対して、静電除去装置7から、マイナスイオンを照射しているため、2層目、3層目と積層されていく絶縁体である極細繊維の+電荷が中和され、電荷が消失するため、同極性の電荷の反発は発生せず、揃った配向の一方向極細繊維の集積体である多層繊維集合体が得られる。
なお、円筒状の回転体コレクタ5に代えて、ベルトコンベア状のコレクタとすることにより、面積の大きな多層繊維集合体を製作することができる。
また、配向性を揃えるための手段としては、静電除去装置の他、あるいは静電除去装置と共に、次の手段を用いることができる。
(1)紡糸口4aから回転体コレクタ5に至る紡糸空間の電界を制御する電極板等の電界制御手段。
(2)回転体コレクタ5の回転により生じる回転体コレクタ表面の空気流によって、スピナレットから吐出される紡糸ジェットの軌道が乱されることを抑制する空気流制限手段。
前掲の空気流制限手段を用いる装置の概要を、図5、図6に示す。
図5において、本実施の形態のナノ・ファイバ製造装置は、扉(図示せず)によって密閉・開放される筐体31の内部に、繊維の素材となるポリマーと揮発性の溶媒との溶液を入れたシリンジ1と、シリンジ1内の原料と溶媒との溶液を押し出すシリンジモータ32と、可撓性の溶液供給チューブ3と、紡糸口4aを有するスピナレット4と、回転軸5aの回りに回転駆動される回転体コレクタ5と、スピナレット4の導電部と高圧電源(図示せず)の出力端子とを接続する高圧ケーブル33とを設置している。
シリンジ1はシリンジ固定台34に取り外し可能に固定され、シリンジ1内の溶液を押し出すプランジャーを押圧する押板10は、シリンジモータ32によって回転駆動されるネジ軸9により駆動される。
スピナレット4は、導電体からなる取付ベース11に導通状態に装着され、高圧ケーブル33を取付ベース11にコネクタ接続することにより、スピナレット4に高電圧を印加できるようにする。取付ベース11はベースホルダ12に取り付けられ、ベースホルダ12は、電気的に絶縁された状態で水平方向スライドレール13に移動自在に設置される。ベースホルダ12は、水平駆動装置(図示せず)により、水平方向スライドレール13に沿って水平動自在に駆動される。
回転体コレクタ5は、回転軸5aを回転自在に受ける軸受を有する基台14により支持され、カップリング15を介して駆動モータ(図示せず)の出力軸16と連結される。回転体コレクタ5は、軸受等を介してアースに接続され、スピナレット4との間に高電圧が掛かるようになっている。
なお、図中17は、紡糸開始時にスピナレット4の紡糸口4aの目詰まりを清掃するノズルクリーナ、18は水平方向スライドレール13を昇降自在に支持するためのサポートシャフト、19は水平方向スライドレールを昇降駆動するための30度台形ネジ、20は電源入切スイッチ、21は電源ケーブルが接続されていることを表示するためのプライマリーランプ、22は電源入切スイッチ19が投入されたときに点灯するパワーオンランプ、23は各種設定や動作プログラムを入力するためのテンキー及び演算キー、24は設定内容や動作状況を表示するディスプレイ、25はパワーボタン、26はリセットキー、27は非常時に全ての動作を停止させる緊急停止ボタン、28は筐体31内の空気を浄化して外部に排気するための排気筒である。
なお、本実施の形態において、溶液供給チューブ3は、水平方向に移動する取付ベース11に取り付けられているスピナレット4と、シリンジ固定台34に固定されているシリンジ1とを屈曲自在に接続するために設けられるが、スピナレット4に直接シリンジ1を結合することで、溶液供給チューブ3を省略することができる。この場合、シリンジ1のプランジャーを押圧するエアーポンプ等の動力源を筐体31側に固定し、その動力源であるエアーポンプ等とシリンジ1のプランジャーとの間をエアーチューブ等で接続する構成とすることができる。そうすることで、溶液供給チューブ3内に滞留する溶液が無駄になったり内部の清掃が必要になったりすることを防止できる。
次に、このナノ・ファイバ製造装置の動作について説明する。
まず、スピナレット4を回転体コレクタ5上の所定の位置に移動させ、回転体コレクタ5を所定の回転数で回転させ、シリンジモータ32を駆動してシリンジ1内のポリマー溶液をスピナレット4に供給する。スピナレット4と回転体コレクタ5間に高電圧が印加されていない状態では、ポリマー溶液は、スピナレット4の先端の紡糸口4aの先端部において、表面張力で留まっている。紡糸口4aと回転体コレクタ5との間に、例えば数kV〜30kVの高電圧を印加すると、紡糸口4a先端のポリマー溶液の液滴は+に帯電し、異極(またはアース電位)に帯電している回転体コレクタ5に向かう静電力により吸引される。静電力が表面張力よりも越えると、ポリマー溶液の紡糸ジェットが回転体コレクタ5に向かって連続的に噴射される。
紡糸ジェットの先端は、回転体コレクタ5により連続的に巻き取られる。このとき、スピナレット4を回転体コレクタ5の回転軸5aの長手方向に往復動させることにより、所定の長さの範囲で、ナノ・ファイバを回転体コレクタ5上に巻き取ることができる。
次に、本発明の空気流制限手段の実施の形態について説明する。
空気流制限手段の実施の形態1に係るフードカバー30は、図6に示すように、回転体コレクタ5の基台14に取り付けられるものであり、回転体コレクタ5のスピナレット4に面した側が露出するような開口30aを有し、開口30aから露出する部分とその他の部分を空間的に区画する。これにより、回転体コレクタ5が回転するとき、回転体コレクタ5の周囲の空気がスピナレット4下部の紡糸側領域に巻き込まれる量を減らし、ナノ・ファイバの配向性の乱れが低減するようにする。
なお、以上の実施の形態においては、ナノ・ファイバ製造装置を筐体31で囲んだ例について説明したが、筐体31で囲まないオープンな構造のナノ・ファイバ製造装置についても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、多層繊維集合体を製造する方法として、エレクトロスピニング法を用いた例を示したが、それ以外の方法でも、本発明の多層繊維集合体を製造できる方法であれば、採用することができることは言うまでもない。
以下、実施例により本発明の態様をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
1)実験装置
実験には、エレクトロスピニング装置「NANON−01A」((株)メック社製)(図4)を用いた。紡糸部には、27Gのノズルを取り付けたクリップスピナレットを、繊維の巻取り、または集積には直径100mmおよび200mmの回転体コレクタを使用した。
2)配向角度測定
顕微鏡写真より繊維配向角度を測定し、標準偏差にて配向性を比較した。
(計算方法)
サンプル写真で垂直方向と繊維の角度を100点測定した。
標準偏差値=((nΣA2−(ΣA)2)/n(n−1))1/2
(式中、Aは測定値(角度)、nは標本数を表す。)
実施例1
ポリ乳酸(Mw;300,000g/mol、ポリサイエンス社)を10wt%の濃度でヘキサフルオロイソプロパノール(関東化学)に溶解し、紡糸溶液とした。
この紡糸液を上記実験装置にて、0.5ml/hrの吐出量で供給し、印加電圧27kVにて紡糸を行なった。紡糸は、先ず、回転体コレクタの回転速度を1000rpm(直径200mmドラムの周速度63m/min)で回転体コレクタ上に繊維を巻き取り、配向性を有しない基材を得た。引き続き繊維を巻き取りながら回転体コレクタの回転速度を3000rpm(周速度1890m/min)まで、次第に上げていき、周速度を1890m/minに保持しながら繊維を巻取り、配向性を有するナノ繊維集合体を基材上に積層し、2層繊維集合体を作製した。ノズル、回転体コレクタ間は150mmとした。紡糸中の温度および湿度は、それぞれ26℃、17%であった。
回転体コレクタから繊維集合体を剥離し、物性等を測定した。繊維集合体は配向性のない膜上に配向性のある膜が積層したものである。繊維集合体の総合の厚みに対して、配向性のない膜が占める割合を7割とした。配向性繊維層における繊維長手方向に対して垂直方向の引張り強度は、6MPa相当であった。配向性を有する繊維集合体が露出している面は、金属光沢を有していた。
基材を構成する配向性を有しない繊維の径および配向性を有するようにして集成した配向性繊維層を構成する繊維の径(平均繊維径)は、それぞれ1.76±0.10μm、592±38nmであった。また、配向性繊維層を構成する繊維集合体の標準偏差は1.74°であった。繊維集合体の配向性繊維層側の写真と顕微鏡写真を図7(a)、(b)にそれぞれ示した。また、配向性繊維層側の表面における反射光量特性を示すグラフを図7(c)に示した。一方、繊維集合体の非配向性繊維層側の写真と顕微鏡写真を図8(a)、(b)にそれぞれ示した。また、配向性繊維層側の表面における反射光量特性を示すグラフを図8(c)に示した。
実施例2、3
実施例1において繊維集合体全体の厚さに対する非配向性繊維層の厚さの割合を表1のように変更して、各繊維集合体を製作した。得られた繊維集合体の物性を表1に併せて示した。
実施例4
配向繊維膜、非配向繊維膜、配向繊維膜をそれぞれ4μm、45μm、4μmの順に積層したサンプルを作製した。図9に示すように配向繊維膜が露出している表面、裏面ともに金属光沢が確認できる。
比較例1
実施例1において、非配向性繊維層からなる基材を得ることなく、直接配向性のある単層繊維集合体を得た。
繊維集合体の標準偏差は1.74°であり、金属光沢を有していた。しかし、配向性繊維膜層における繊維長手方向に対して垂直方向の引張り強度は、0.13MPaとなり、引張りによって裂けやすい目安とする0.5MPa未満であり非常に低い値を示した。
実施例5
実施例1において、回転体コレクタの回転速度を1500rpm(周速度945m/min)まで、次第に上げていき、周速度を945m/minに保持しながら繊維を巻取り、配向性を有するナノ繊維集合体を基材上に積層し、2層繊維集合体を作製した。
図10(a)は実施例5に係る2層繊維集合体の表面の写真であり、(b)はその表面の顕微鏡写真である。この実施例5においては、配向性繊維層に相当する層を構成する繊維集合体の標準偏差は14.05°であり、ぎりぎり金属光沢を有していた。
比較例2
実施例1において、先ず、回転体コレクタの回転速度63m/min(直径200mmドラム)で回転体コレクタ上に繊維を巻き取り、配向性を有しない基材を得た後、引き続き繊維を巻き取りながら回転体コレクタの回転速度を1000rpm(周速度630m/min)まで、次第に上げていき、周速度を630m/minに保持しながら繊維を巻取り、配向性を有するナノ繊維集合体を基材上に積層し、2層繊維集合体を作製した以外は実施例1と同様に行い2層繊維集合体を得た。
配向性繊維層に相当する層を構成する繊維集合体の標準偏差は27.19°であり、金属光沢を有していなかった。
ここで、配向性繊維表面の金属光沢の測定方法の一例を図11に示す。この測定方法では、試料(繊維集合体)の表面に斜め45°から光源からの光を照射し、光度計の取込角θを変えて、反射光の光度を測定する。なお、測定は繊維の配向方向と同方向で行った。
図12の(a)〜(e)は回転体コレクタの回転数を変えて測定した取込角−光度特性のグラフを示すものであり、(a)は100rpm、(b)は500rpm、(c)は1000rpm、(d)は1500rpm、(e)は1750rpmの場合を示している。
また図13の(a)〜(d)は回転体コレクタの回転数を変えて測定した取込角−光度特性のグラフを示すものであり、(a)は2000rpm、(b)は2250rpm、(c)は2500rpm、(d)は3000rpmの場合を示している。
図14は、図12および図13のグラフから、回転体コレクタの回転速度(rpm)と光度のピーク値をプロットした特性図である。
これらのグラフから、回転速度が1000rpmまでは、取込角θを変えても反射光の光度は直線的にしか変化しないが、1500rpmを超えたところから、取込角θを変えたときに45°近辺に反射光の光度のピークが現れ、非直線性が生じることがわかった。そして、3000rpmでは、光度特性に顕著なピークが現れている。この、光度特性の非直線性と、金属光沢を生じることとの間に、強い因果関係があることが推測できる。
また、図14の特性図より、光度のピーク値が少なくとも200を超えると配向繊維層が金属光沢を発現することが分かる。また、このときの回転体コレクタの回転数は1750rpm以上であれば良いことが分かる。
本発明の多層繊維集合体は、配向方向と直交する方向に対して引っ張り強度が小さい配向性繊維層を、いずれの方向にも引っ張り強度が高い非配向性繊維層上に接着剤層なしに連続して集積しているので、配向性繊維層側が金属光沢を有することを利用した装飾の分野、服飾の分野、人工皮膚等の再生医療工学の分野、分子レベルのメッシュを形成したフィルタの分野等の広い分野において利用することができる。
1 シリンジ
2 シリンジポンプ
3 溶液供給チューブ
4 スピナレット
4a 紡糸口
5 回転体コレクタ
5a 回転軸
6 高圧電源
7 静電除去装置
8 紡糸ジェット 9 ネジ軸
10 押板
11 取付ベース
12 ベースホルダ
13 水平方向スライドレール
14 基台
15 カップリング
16 出力軸
17 ノズルクリーナ
18 サポートシャフト
19 30度台形ネジ
20 電源入切スイッチ
21 プライマリーランプ
22 パワーオンランプ
23 テンキー及び演算キー
24 ディスプレイ
25 パワーボタン
26 リセットキー
27 緊急停止ボタン
28 排気筒
30 フードカバー
30a 開口
31 筐体
32 シリンジモータ
33 高圧ケーブル
34 シリンジ固定台

Claims (10)

  1. 配向性を有しない繊維を集成した非配向性繊維層の少なくとも片面上に、前記非配向性繊維層と同じ繊維を、配向性を有するようにして集成した配向性繊維層が積層されてなる多層繊維集合体であって、前記繊維が繊維径5μm以下の極細繊維からなり、前記配向性繊維層を構成する繊維集合体の繊維配向標準偏差値が14°以下であることを特徴とする多層繊維集合体。
  2. 前記配向性繊維層を構成する繊維集合体の繊維配向標準偏差値が10°以下である請求項1に記載の多層繊維集合体。
  3. 前記非配向性繊維層の片面上に、前記配向性繊維層が積層されてなる請求項1又は2に記載の多層繊維集合体。
  4. 前記非配向性繊維層の両面上に、前記配向性繊維層が積層されてなる請求項1又は2に記載の多層繊維集合体。
  5. 前記非配向性繊維層上に、異なる標準偏差値を有する配向性繊維層が少なくとも2層以上積層されている請求項1から4のいずれかに記載の多層繊維集合体。
  6. 配向性繊維層における繊維長手方向に対して垂直方向の引張り強度が、0.5MPa以上である請求項1から5のいずれかに記載の多層繊維集合体。
  7. 前記多層繊維集合体が、金属光沢を有する請求項1から6のいずれかに記載の多層繊維集合体。
  8. 繊維の素材となる溶液の充填空間を有し一本または複数本の紡糸ジェットを生成するスピナレットと、回転駆動される回転体コレクタと、前記スピナレットと前記回転体コレクタとの間に高電圧を印加する高圧電源とを備え、前記スピナレットから放出され前記コレクタに対して異極性に荷電された紡糸ジェットを前記回転体コレクタの表面上に集成するエレクトロスピニング装置を用いた多層繊維集合体の製造方法であって、
    前記回転体コレクタの周速度を前記紡糸ジェットの放出速度に比べて充分遅くした状態で紡糸することにより配向性を有しない繊維からなる非配向性繊維層を形成し、次いで前記回転体コレクタの周速度を前記紡糸ジェットの放出速度と同程度にした状態で紡糸することにより、前記非配向性繊維層上に繊維径5μm以下の極細繊維からなり、前記極細繊維集合体の繊維配向標準偏差値が14°以下である配向性繊維層を集成することを特徴とする多層繊維集合体の製造方法。
  9. 前記エレクトロスピニング装置が、前記回転体コレクタ上に直線的に巻き付けられる極細繊維に対して除電イオンを照射して極細繊維の電荷を中和する静電除去手段、前記溶液離脱部位から前記回転体コレクタに至る紡糸空間の電界を制御する電界制御手段、前記回転体コレクタの回転により生じる回転体コレクタ表面の空気流によって、前記紡糸ジェットの軌道が乱されることを抑制する空気流制御手段の少なくともいずれかの手段を有する請求項8記載の多層繊維集合体の製造方法。
  10. 前記非配向性繊維層上に前記配向性繊維層を集成する際、前記回転体コレクタと前記スピナレットの相対位置を前記回転体コレクタの回転軸方向に沿った方向に所定速度で移動させることを特徴とする請求項8又は9に記載の多層繊維集合体の製造方法。
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