JP2011094071A - 筆記具用水性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】筆記具のインキ吐出部分の長時間の耐乾燥性に優れた筆記具用水性インキを提供する。
【解決手段】水と、着色剤と、下記一般式(化1)で示されるジエステルとを少なくとも含有する筆記具用インキ組成物。
Figure 2011094071

【選択図】なし

Description

本発明は、筆記具のインキ吐出部分の長時間の耐乾燥性に優れた筆記具用水性インキに関するものである。
筆記具に用いる水性インキは、着色材と水とを少なくとも含むものであり、さらに必要に応じて、増粘剤や潤滑剤、防錆剤、定着剤、有機溶剤など、様々な添加物が配合されてなるものである。筆記具のペン先は、インキ貯蔵部から紙等の筆記面にインキを供給する最先端部分であり、ペン先は部分のインキは大気に開放された状態である。すなわち、繊維を束ねて成形したいわゆるフェルトペンやサインペンのペン先や、ボールホルダーにボールを回転自在に包持させたいわゆるボールペンのペン先等において、インキはペン先の全面を覆うか或いは一部から露出する形で大気と接している。フェルトペンやサインペンのペン先を装着したペンにおいては、通常キャップをすることにより、ペン先のインキと大気が接することを防いでいるが、キャップの不十分な装着による大気に対する密封不足により、ペン先が乾燥してしまう問題があった。さらに近年、ノックによるペン先の出没を行う水性インキボールペンのように、キャップがないため常にペン先が外気に開放されているボールペンがある。このようなノック式の水性ボールペンにおいては、ボールをバネにより押圧することにより、筆記しないときはボールがボールホルダー内接面に押し当てられて栓をした状態にすることによりインキを大気に触れないようにしているが、筆記荷重でボールが移動する程度のバネ押圧力ではボールによる完全な密栓を行うことは出来ないものである。
大気に接したインキは、インキ中の主溶剤である水が蒸発することにより乾燥し、インキ中に溶解または分散している着色剤、増粘剤や潤滑剤、防錆剤、定着剤などの様々な固形分が析出固化するものである。水の蒸発によりペン先に析出したインキ成分である様々な固形分はインキの流通を阻害し、ボールペンにおいては特にボールをボールホルダーに固着させることによりボールの回転を阻害し、筆跡のカスレや筆記不能といった問題を発生する。
この問題点を解決する為に従来より、インキに保湿剤として、ケラチン加水分解物及び/またはその誘導体を添加すること(特許文献1)や、平均分子量1000〜4000であるポリエチレングリコールを添加すること(特許文献2)や、2価アルコール、3価アルコール、これらのアルコール誘導体、尿素を添加すること(特許文献3)や、還元澱粉糖化物を添加すること(特許文献4)が知られている。
また、インキ表面に皮膜を形成して水分の蒸発を防ぐものとして、デキストリンを添加すること(特許文献5)や、アクリル樹脂エマルジョンを添加すること(特許文献6)や、酸化ポリエチレンあるいは酸化ポリプロピレンのワックスエマルジョンを添加すること(特許文献7)が知られている。
特開平06−107997号公報 特開平08−041410号公報 特開平10−025444号公報 特開2003−201433号公報 特開2008−031421号公報 特開2007−177023号公報 特開2004−352909号公報
特許文献1に記載のインキは、水素結合力の強いケラチン加水分解物及び/またはその誘導体が水と強く結びつくことにより、ペン先において水の蒸発を抑制するものであるが、ケラチンと結びついていない水の蒸発を抑制することはできず、長期間のペン先の大気開放に耐え得るものではなかった。
また、特許文献2〜4に記載のインキは、水に比べ蒸発しにくく空気中の水を吸湿する材料をインキに添加することでインキ中の水の蒸発と空気中の水の吸湿のバランスをとりインキの乾燥を防ごうとする物であるが、常に吸湿量と蒸発量が同じにはならないため、長期的には水の蒸発を抑えることは出来なかった。また尿素の添加においては、水の蒸発によりペン先で析出することがあり、インキの吐出の障害となることがあった。
更に、特許文献5〜7のインキは、インキ表面の水が蒸発することにより、皮膜成分が析出してインキ表面に皮膜を形成することで水の蒸発を抑えるというものである。しかし、薄い皮膜では十分な水の蒸発防止が出来ず、やがて乾燥により薄い皮膜は厚い皮膜に変化するが、厚い皮膜は丈夫なため、皮膜がインキの吐出やボールの回転を阻害するものであり、長期間のペン先の大気開放に耐え得るものではなかった。
本発明は、水と、着色剤と、下記一般式(化1)で示されるジエステルとを少なくとも含有する筆記具用インキ組成物である。
Figure 2011094071
上記一般式(化1)で示されるジエステルは、R1およびR2の疎水部分と、―(OCHCH)n−で表されるポリオキシエチレンの親水部分とのバランスによって、水性インキに溶解・分散しているが、インキと大気の界面においては、疎水部分はインキより大気と接する方が安定なため、疎水部分と親水部分を持つ界面活性剤と同じように、疎水部分を大気側に向けて配向する。このとき、上記一般式(化1)で示されるジエステルは、疎水−親水−疎水−親水−疎水の5層の直線的分子構造をしているため、隣り合ったジエステル分子の疎水部分同士、親水部分同士の親和性の良さと密充填可能な直線的分子構造により、インキ表面に垂直に且つ緻密に配向したジエステル膜を形成していると考えられる。また、インキ表面のジエステル膜中の疎水層が水分子の透過を阻害するが、上記一般式(化1)のジエステルは疎水層が3層存在するために、疎水層が1層しかない界面活性剤では出来ない、水の蒸発防止が出来ると考えられる。
また、筆記時には、ボールの回転によってジエステル膜は容易に流動するので、ボールの回転は阻害されることがなく、インキは書き出しからスムーズにペン先から吐出して筆跡を形成することが出来る。
以下に詳細に説明する。
上記一般式(化1)で示されるジエステルは、水性インキに溶解・分散し、水性インキ表面でジエステル膜を形成して、水性インキ中の水の蒸発を抑えるものである。その含有量は、インキ全量に対し、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%未満では、インキ表面に水性インキ中の水の蒸発を抑制するジエステル膜を十分に形成できないことがある。10重量%以上添加しても水性インキ中の水の蒸発を抑える効果は変わらない。
ジエステルを構成する上記一般式(化1)のR1は炭素数2〜10の直鎖、若しくは環状パラ型の炭化水素基を表すものである。R1の炭素数が10を越えると、水への溶解・分散性が低下してくる。好ましくはR1が環状パラ型の1,4−シクロヘキサンであると水性インキ中の水の蒸発を抑制する効果がより期待できる。
また、R1が1,4−シクロヘキサンの場合、トランス体、シス体、が存在するが、本発明のジエステルを構成するR1はどちらでも良い。また、R1がトランス体のジエステルとシス体のジエステルを併用しても良い。
一方、ジエステルを構成する上記一般式(化1)のR2は炭素数1〜12の直鎖のアルキルであり、nは2〜11の整数である。好ましくは、R2の炭素数は1又は2であると、インキ表面により緻密に配向できるため、水性インキ中の水の蒸発を抑制する効果がより期待できる。
R2の炭素数が13以上では得られるジエステルの水性インキへの溶解・分散性が低下するため好ましくない。
ジエステルを構成する上記一般式(化1)のnが1の場合は、得られるジエステルの水性インキへの溶解・分散性が低下するため好ましくない。一方、nが12以上の場合は、インキ表面のジエステル膜中の親水層が優勢となり、水の透過を阻止する作用が弱められるため、水の蒸発を抑制する効果が低下する。好ましくは、nが2〜6であると、水性インキ中の水の蒸発を抑制する効果がより期待できる。
本発明に用いるジエステルの製造方法は、特に限定されないが、以下の製造方法、すなわち、原料のジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物とポリオキシエチレンモノアルキルエーテルを無溶媒で150〜260℃でエステル化反応させると、経済的に有利に製造できる。エステル化反応時のジカルボン酸とポリオキシエチレンモノアルキルエーテルの仕込み比は、エステル生成率と経済的観点から、好ましくはモル比で1.6〜6、より好ましくはモル比2〜4の範囲である。エステル化は触媒、溶媒を用いて行うこともできる。酸触媒等の触媒を使用する場合は、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、チタンアルコラート、固体酸触媒等の一般的な酸触媒を用いることができる。溶媒を用いる場合には、トルエン、ヘプタン等の一般的に使用される溶剤を使用することができる。エステル化反応終了後、未精製、若しくは、減圧蒸留、水洗、水蒸気脱臭、活性炭処理等の通常の精製方法で精製することにより、目的とする本発明のジエステルを得ることができる。なお、製造の際、ジエステルの他に、モノエステルや未反応のポリオキシエチレンモノアルキルエーテルがジエステルに残存することがある。モノエステルや未反応のポリオキシエチレンモノアルキルエーテルが残存しても、用途としてなんら問題はないが、ジエステルの純度は80重量%以上、好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であることが望ましい。
本発明に用いる着色材は、従来インキに用いられている各種公知の染料、顔料が使用可能である。
染料の例を挙げると、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199)などの直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56などの酸性染料、C.I.フードエロー3、C.I.フードレッド14、C.I.アシッドブルー74、C.I.アシッドグリーン5などの食用染料、C.I.42000、C.I.44045、C.I.42535、C.I.45160、C.I.45160などの塩基性染料がある。
顔料の例を挙げると、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等の無機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉、錫粉等の金属粉顔料、雲母系顔料、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36等がある。これらは、1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。また、顔料を水性媒体に分散した分散顔料の例を挙げると、チバスペシャリティケミカルズ(株)製のunisperseシリーズ、クラリアントジャパン(株)製のHostfineシリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のDisperseシリーズ、Ryudyeシリーズ、富士色素(株)製のFuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製のEmacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製のMicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製のRio Fastシリーズ、EM Colorシリーズ、住化カラー(株)製のPoluxシリーズ、(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学(株)製のNKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製のコスモカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製のシンロイヒ・カラーベースシリーズ(以上、蛍光顔料の分散体)等がある。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
尚、上記染料、顔料、分散顔料は混合して使用することもできる。
水はインキの主溶剤である。
更に、低温時でのインキの凍結防止、染料の可溶化剤、顔料の分散媒等、インキの種々の品質を担うインキ溶媒として、従来公知の水溶性有機溶媒が使用併用できる。具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。
着色剤を紙面に定着させるためなどで各種樹脂を併用することもできる。例えば、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられる。
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体などの防腐防黴剤を適宜加えることもできる。
インキのpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオールなどの塩基性物質や、硫酸などの酸性物質を添加してもよい。
染料等の溶解促進や顔料等の分散安定性向上のために脂肪酸類、高級アルコール硫酸エステル類、液体脂肪酸硫酸エステル類、アルキルアリルスルホン酸類などのアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン系界面活性剤や、カチオン系界面活性剤や両性界面活性剤や尿素を、表面張力調整や消泡のためにシリコン系界面活性剤等を、ペン先の乾燥抑制のためにソルビット、キシリット等の糖アルコール等を、ペン先の防錆のためにベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などを、さらに各種の香料などを必要に応じて1種又は2種以上混合して用いることもできる。
インキの製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却や加圧や減圧や不活性ガス置換をしても良い。動力は電気でも加圧空気でも良い。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。
インキを収容するインキタンクは、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等のインキの残量を確認できる透明又は半透明な高分子化合物を使用しても良いが、不透明高分子化合物や金属を使用しても差し支えない。また、インキがインキタンクの内壁に付着することを抑制するためなど、必要に応じてインキタンク内面にシリコン樹脂やフッ素樹脂などを塗布して撥インキ処理をすることもできる。後端開口するインキタンクの場合には、インキの洩れや乾燥を抑制するためにインキ後端の界面に接触させて逆流防止体を配置してもよい。逆流防止体としては不揮発性液体をゲル化したものやスポンジ状のものなど各種公知のものが使用でき、不揮発性液体をゲル化した逆流防止体にさらにプラスチック製のフロートを浸漬するなどしてもよい。
ボールペンの場合は、ボールを回転自在に抱持するボールホルダーの材質には金属や合成樹脂が使用できる。金属としては洋白、真鍮、ステンレス等が、また合成樹脂としてはポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ナイロン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアクリレート樹脂等が用いられる。
ボールペンのボールは、基材としてタングステンカーバイド等からなるいわゆる超硬合金、ステンレス、セラミックス、ルビーなど、ボールホルダーより硬い材料が好適に選択され、更に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素から選ばれる1種もしくは2種以上を少なくとも表面に有するものである。
ボールの直径は0.1mmから2.0mm程度までがよく使用されているがこれに限定するものではない。またペン先の密閉性を高めるために、ボールホルダー内にコイルスプリング等の弾性体を配置しても良い。
(実施例1)
FISCO BLACK 883(黒色染料、オリヱント化学工業(株)製)
50.0重量部
R1=炭素数6の環状パラ型の炭化水素基、R2=炭素数2の炭化水素基、n=2で示される化1のジエステル 1.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
ジエチレングリコール 5.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.5重量部
1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防腐剤、ICI社製、英国)
0.1重量部
フォスファノールRB410(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
トリエタノールアミン 1.0重量部
水 30.9重量部
上記成分を、マグネチックスターラーで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色インキを得た。
(実施例2)
実施例1のジエステルの添加量を、10重量部とし、その分水を減らした以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。
(実施例3)
実施例1のジエステルの添加量を、15重量部とし、その分水を減らした以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。
(実施例4)
実施例1のジエステルの添加量を、0.1重量部とし、その分水を増やした以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。
(実施例5)
FISCO BLACK 886(黒色染料、オリヱント化学工業(株)製)
50.0重量部
R1=炭素数6の環状パラ型の炭化水素基、R2=炭素数2の炭化水素基、n=2で示される化1のジエステル 0.05重量部
エチレングリコール 10.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.5重量部
1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防腐剤、ICI社製、英国)
0.1重量部
フォスファノールRS710(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
HYTEC S−3121(定着剤、エチレン系樹脂エマルジョン、東邦化学工業(株)製) 10.0重量部
ジエタノールアミン 0.5重量部
水 27.35重量部
上記成分を、マグネチックスターラーで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色インキを得た。
(実施例6)
FISCO BLACK 888(黒色染料、オリヱント化学工業(株)製)
50.0重量部
R1=炭素数10の直鎖の炭化水素基、R2=炭素数12の直鎖の炭化水素基、n=6で示される化1のジエステル 5.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.5重量部
1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防腐剤、ICI社製、英国)
0.1重量部
フォスファノールRS710(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
HYTEC S−3121(定着剤、エチレン系樹脂エマルジョン、東邦化学工業(株)製) 10.0重量部
ジエタノールアミン 0.5重量部
水 22.4重量部
上記成分を、マグネチックスターラーで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色インキを得た。
(実施例7)
NKW−6200E(黒色着色樹脂球エマルション、日本蛍光化学(株)製)
50.0重量部
R1=炭素数2の直鎖の炭化水素基、R2=炭素数1の直鎖の炭化水素基、n=3で示される化1のジエステル 0.5重量部
ジエチレングリコール 15.0重量部
2−ピロリドン 5.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 1.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.2重量部
1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防腐剤、ICI社製、英国)
0.1重量部
サルコシネートOH(潤滑剤、N−オレオイルサルコシン、日光ケミカルズ(株)製)
3.0重量部
水酸化ナトリウム 0.5重量部
水 24.2重量部
上記成分を、プロペラで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色インキを得た。
(実施例8)
UNISPERSE RED 2030−S2(界面活性剤分散赤色顔料、チバスペシャリティケミカルズ(株)製) 30.0重量部
R1=炭素数6の直鎖の炭化水素基、R2=炭素数6の直鎖の炭化水素基、n=6で示される化1のジエステル 10.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
プロピレングリコール 5.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.3重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.2重量部
1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防腐剤、ICI社製、英国)
0.2重量部
サルコシネートOH(潤滑剤、N−オレオイルサルコシン、日光ケミカルズ(株)製)
3.0重量部
トリエタノールアミン 0.5重量部
水 45.8重量部
上記成分を、プロペラで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して赤色インキを得た。
(実施例9)
WATER RED 27 (赤色染料、オリヱント化学工業(株)製)
5.0重量部
R1=炭素数6の環状パラ型の炭化水素基、R2=炭素数3の直鎖の炭化水素基、n=10で示される化1のジエステル 8.0重量部
エチレングリコール 15.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.2重量部
1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防腐剤、ICI社製、英国)
0.1重量部
フォスファノールRB410(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
フォスファノールRS710(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
0.5重量部
ジエタノールアミン 1.0重量部
ペプタイドPA100(ポリペプタイド、平均分子量10000、(株)ニッピ製)
1.0重量部
水 67.7重量部
上記成分を、プロペラで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して赤色インキを得た。
(比較例1)
実施例1において、R1=炭素数6の環状パラ型の炭化水素基、R2=炭素数2の直鎖の炭化水素基、n=2で示される化1のジエステルを除き、その分水を添加した以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。
(比較例2)
実施例1のジエステルを、R1=炭素数6の環状パラ型の炭化水素基、R2=炭素数2の炭化水素基、n=1で示される化1のジエステルに置き換えた以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。このインキの表面には、インキから分離してきたジエステルが確認された。
(比較例3)
実施例1のジエステルを、R1=炭素数6の環状パラ型の炭化水素基、R2=炭素数2の炭化水素基、n=12で示される化1のジエステルに置き換えた以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。
(比較例4)
実施例1のジエステルを、R1=炭素数12の直鎖の炭化水素基、R2=炭素数3の直鎖の炭化水素基、n=8で示される化1のジエステルに置き換えた以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。このインキの表面には、インキから分離してきたジエステルが確認された。
(比較例5)
実施例1のジエステルを、R1=炭素数3の直鎖の炭化水素基、R2=炭素数16の直鎖の炭化水素基、n=6で示される化1のジエステルに置き換えた以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。このインキの表面には、インキから分離してきたジエステルが確認された。
(比較例6)
実施例1のジエステルを、R1=炭素数1の炭化水素基、R2=炭素数5の直鎖の炭化水素基、n=2で示される化1のジエステルに置き換えた以外は実施例1と同様になして、黒色インキを得た。
(比較例7)
FiscoBlack#886(黒色染料、オリヱント化学工業(株)製)
50.0重量部
グリセリン 20.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.5重量部
プロクセルGXL(1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ICI社製、英国)
0.1重量部
フォスファノールRS710(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
ジエタノールアミン 0.5重量部
水 27.4重量部
上記成分を、マグネチックスターラーで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色インキを得た。
(比較例8)
FiscoBlack#888(オリヱント化学工業(株)製) 50.0重量部
尿素 7.5重量部
エチレングリコール 15.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.5重量部
プロクセルGXL(1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ICI社製、英国)
0.1重量部
フォスファノールRS710(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
ジエタノールアミン 0.5重量部
水 24.9重量部
上記成分を、マグネチックスターラーで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色インキを得た。
(比較例9)
FiscoBlack#886(オリヱント化学工業(株)製) 50.0重量部
JONCRYL WAX 26J(酸化ポリエチレンワックスエマルション、BASF Japan(株)製) 1.0重量部
エチレングリコール 15.0重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸 0.5重量部
プロクセルGXL(1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ICI社製、英国)
0.1重量部
フォスファノールRS710(潤滑剤、リン酸誘導体、東邦化学工業(株)製)
1.0重量部
ジエタノールアミン 0.5重量部
水 31.4重量部
上記成分を、マグネチックスターラーで30分撹拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して黒色インキを得た。
実施例1〜9及び比較例1〜9で得たインキ組成物を、ステンレス製のボールペンチップを備えたボールペン(ボール素材:超硬合金、ボール径:0.5mm、ぺんてる(株)製ハイブリッド、製品符号K105)のリフィルに0.8g程度充填し、インキ界面に上記K105に使用されている逆流防止体組成物を層状に配置した後、インキを遠心脱泡して、試験用ボールペンを作成した。
(ペン先乾燥性試験)
各実施例、比較例の評価用ボールペンを、キャップを外してペン先を露出した状態で温度25±5℃、湿度65±20%の条件下にて放置した。1週間後及び1ヶ月後、上質紙に筆記角度70°、筆記速度7cm/s、筆記荷重100gの筆記条件で直線筆記し、同条件で筆記した放置前の筆記線と比較して、同等の濃度の筆記線が得られるまでの筆記長さをカスレ距離として測定した。試験結果を表1に示す。
Figure 2011094071

Claims (1)

  1. 水と、着色剤と、下記一般式(化1)で示されるジエステルとを少なくとも含有する筆記具用インキ組成物。
    Figure 2011094071
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