JP2011091416A - レーザシステム及びレーザ露光システム - Google Patents

レーザシステム及びレーザ露光システム Download PDF

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Abstract

【課題】毎パルスエネルギ安定性を悪化させることなく、レーザ出力のダイナミックレンジを大きくできるレーザシステムまたはレーザ露光システムを提供すること。
【解決手段】レーザ装置1のメインコントローラ70は、出力減衰機構50に入力される前のパルスエネルギPinをパルスばらつきが小さくなる値(目標パルスエネルギPL)にすべく、充電電圧制御及びガス制御を行う。また、レーザ装置1の出力エネルギを、露光装置200で要求される目標パルスエネルギPt(<目標パルスエネルギPL)に一致させるべく、露光装置200から送信された目標パルスエネルギPtを示す信号に基づき、出力減衰機構50の透過率Tを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置の光源としてガスレーザ装置を備えたレーザシステム及びレーザ露光システムに関し、特に、露光装置で露光に要するエネルギ値に応じて、ガスレーザ装置から出力されるレーザ光のエネルギを増減するものである。
(露光用光源)
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、半導体露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される光の短波長化が進められており、露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられている。現在の露光用ガスレーザ装置としては、波長248nmの紫外線を放出するKrFエキシマレーザ装置ならびに、波長193nmの紫外線を放出するArFエキシマレーザ装置が用いられている。次世代の露光技術として、露光用レンズとウェハ間を液体で満たして、屈折率を変えることによって、露光光源の見かけの波長を短波長化する液浸技術をArF露光に適用しようとしている。ArF液浸では134nmの波長になる。また、次々世代の露光用光源として、波長157nmの紫外線を放出するF2レーザ装置が有力であり、F2レーザ液浸露光が採用される可能性もある。F2液浸では115nmの波長になると言われている。
(露光用光学素子と色収差)
多くの半導体露光装置の光学系には、投影光学系が採用されている。投影光学系では異なる屈折率を有するレンズ等の光学素子が組み合わされ色収差補正が行なわれる。現在、露光用ガスレーザ装置の波長域は248nm〜115nmである。この波長域において、投影光学系のレンズ材料として使用に適する光学材料は合成石英とCaF2以外にない。KrFエキシマレーザの投影レンズとしては合成石英のみで構成された全屈折タイプの単色レンズが採用され、ArFエキシマレーザの投影レンズとしては、合成石英とCaF2で構成された全屈折タイプの部分色消しレンズが採用されている。ところが、KrF、ArFエキシマレーザの自然発振幅は約350pm〜400pmと広いために、これらの投影レンズを使用すると色収差が発生して、解像力が低下する。そこで色収差が無視できるまでに、上記ガスレーザ装置から放出されるレーザ光のスペクトル線幅を狭帯域化する必要がある。このため、レーザ装置には狭帯域化素子(エタロンやグレーティング等)を有する狭帯域化モジュールがレーザ共振器内に設けられ、スペクトル線幅の狭帯域化が実現されている。
(レーザの高出力化と2ステージレーザシステム)
前述した液浸露光では、高NA化によりレンズの透過率が低下するため、一定露光量を得るために光源であるレーザの高出力化が必要とされている。また、露光装置の高スループット化のためにも、レーザの高出力化が必要とされている。スペクトル線幅を狭帯域化した上で高出力を得るための方法としては、2ステージレーザシステムがある。
2ステージレーザシステムは、狭帯域化したレーザ光を出力するための発振段レーザ(OSCレーザ)と、その狭帯域化されたレーザビーム(これをシード光と呼ぶ)を増幅するための増幅段レーザ(AMP)から構成される。2ステージレーザシステムは増幅の手段の違いによりMOPO方式とMOPA方式の2種類に分けられる。MOPOは、Master Oscillator, Power Oscillatorの略で、インジェクションロック方式とも呼ばれており、増幅用チャンバの前後に共振器が設けられているレーザである。一方、MOPAは、Master Oscillator, Power Ampliferの略であり、増幅用チャンバの前後に共振器が設けられていないレーザである。
図27にMOPO方式の2ステージレーザ装置の基本構成を示す。
増幅段レーザ100aは、入力側ミラー(リア側ミラー)20aと出力側ミラー(フロント側ミラー)30aとからなるファブリーペロー型の光共振器と、この光共振器の間に位置しレーザガスを封入するレーザチャンバ10aを備えている。レーザチャンバ10a内には、レーザガスを励起して利得(ゲイン)領域を形成する一対の放電電極11a、12a等が設けられている。図27においては、一対の放電電極11a、12aは紙面に垂直な方向に配置されているものとする。レーザチャンバ10aにおけるレーザ光の光軸上にあって、レーザ光出力部分には、ウインドウ13a、14aが設けられている。
また、発振段レーザ100oは、例えば拡大プリズムとグレーティング(回折格子)等によって構成される狭帯域化モジュール20o内の光学素子が兼ねるリア側ミラーとフロントミラー30oとで構成される光共振器と、この光共振器の間に位置しレーザガスを封入するレーザチャンバ10oとを備えている。レーザチャンバ10o内には、レーザガスを励起して利得(ゲイン)領域を形成する一対の放電電極11o、12o等が設けられている。図27においては、一対の放電電極11o、12oは紙面に垂直な方向に配置されているものとする。レーザチャンバ10oにおけるレーザ光の光軸上にあって、レーザ光出力部分には、ウインドウ13o、14oが設けられている。
放電電極11a、12a及び放電電極11o、12oには、対向する電極間に高電圧を印加するためのパルス電源回路(図示せず)がそれぞれ接続されている。これらパルス電源回路の充電電圧を変化させると、対向する電極間の電界強度を変化させることができるため、レーザ出力を変化させることができる。
また、ガスレーザ装置がエキシマレーザの場合に、レーザガスはエキシマーを構成する組成ガス(KrFの場合は、KrガスとF2ガス、ArFの場合は、ArガスとF2ガス)と希釈ガス(NeまたはHeガス)とから成り、このレーザガスの組成比や全圧を変化させても、レーザ出力を変化させることができる。
(露光装置:ステッパー方式とスキャナー方式)
エキシマレーザは、パルス放電励起ガスレーザであるために、レーザ発振は図28(a)に示すようなパルス発振となる。同図28(a)は、エキシマレーザを半導体露光装置の光源として用いる場合の発振パターンである。この運転状態は、レーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続パルス発振運転と、所定時間だけパルス発振を休止させる発振休止とを繰り返すバーストモード発振になっている。
先ず、ステッパー方式に関して説明する。
図28(b)は、複数のICチップTPが配列された半導体ウェハWを示す。半導体ウェハWはステージ上に載置され、照射位置に設置される。半導体ウェハW上の1つのICチップTPを露光するにあたっては、レチクル(マスク)を固定するとともにステージの移動を停止し、半導体ウェハWに塗布されたレジストが感光するのに必要な多数(数百個以上)の連続パルス光を略正方形のICチップTP全面に照射する。1つのICチップTPに対する露光処理が終了すると、ステージを移動させて次の未照射ICチップTPをレチクルの下方に配置し、同様に連続パルス光を照射する。このような露光及びステージ移動を交互に行い、半導体ウェハW上の全ICチップTPの露光が終了すると、露光済みの半導体ウェハWを照射位置から搬出し、次の半導体ウェハWを照射位置に設置して、前述した光照射を繰り返す。
このように露光とステージ移動とを交互に繰り返す方式をステップ アンド リピート(略してステッパー)方式という。このステッパー方式の場合、光源となるエキシマレーザの運転状態は必然的にバーストモード運転となる。なお、ステッパー方式の場合の特徴として以下の点が上げられる。
連続パルス発振によって1つのICチップTWに照射するパルス光のエネルギ積算値が一定となるように制御すればよいので、比較的容易に露光量制御することができるというメリットがある。例えば、図28(c)のように、連続パルス発振の途中でレーザパルス強度が変化したとしても、ICチップTWに照射したレーザ光のエネルギ積算値が必要な露光量になっていれば問題はない。しかし、露光するICチップTPが大きい場合は、投影レンズのフィールド形状(レーザ照射エリア)がそのままICチップTPの大きさとなり、大きな投影レンズが必要になるので、コスト高となる。
従来の露光装置のシステムはこのステッパー方式が主流であったが、現在の露光装置のシステムは後述するステップ アンド スキャン(略してスキャナー)方式が主流となっている。一方、スキャナー方式においては、ステッパー方式で簡易な制御とされていた露光量制御を高精度に行う必要がある。
以下にスキャナー方式に関して説明する。
スキャナー方式は、露光時に投影レンズのフィールド形状(レーザ照射エリア)を長方形の形状とし、レチクル(マスク)と半導体ウエハWとをこの長方形の短軸方向に沿って逆向きに同時に移動させて露光する方式である。このようにレチクル(マスク)と半導体ウエハWとを動作させるため、投影レンズが小さくても大きな面積の露光が可能となる。すなわち、大きなICチップTPを小さな投影レンズで露光することが可能となり、投影レンズのコストを抑えることができる。
この方式の場合の露光量制御は、以下のようになる。
図29(a)は、図28(a)に示した1バースト周期内のパルス列を拡大して示したものである。各パルス光のエネルギをPi(i=1、2、…)とし、ある範囲のパルス数(n個)にわたる露光量をSi(i=1、2、…)とする。露光量Siは、iパルス目から(i+n)パルス目までのn個のパルスのエネルギ積算値Pi+…+Pi+nである。スキャナー方式の露光装置の場合、図29(b)に示すように、連続的に半導体ウェハWを移動させながら露光するため、各露光量S1、S2、…Siを一定にする必要がある。そのためは、毎パルスのレーザエネルギを一定にするか、露光量S1、S2、…Siを一定にするよう毎パルスのレーザのエネルギを制御する必要がある。
ある範囲のパルス数にわたる露光量を一定にするという技術は多数開示されている。
例えば、特許文献1には、毎パルスのレーザエネルギを均一にして露光量を一定にするために、充電電圧を制御する方法が開示されている。また、特許文献2には、特許文献1と同じく毎パルスのレーザエネルギを均一にして露光量を一定にするために、ハロゲンガスの組成比を制御する方法が開示されている。
特許文献3については、図30を用いて説明する。
図30は従来技術の制御システムを示す。このシステムでは、パルス化光源91すなわちレーザ装置から出力された光は、可変減衰器92を通過し、露光量モニタ93でエネルギが測定され、露光される装置94すなわち露光装置に到達する。露光量モニタは測定結果を制御器95に送信する。制御器95は受信した測定結果を元にして露光量を計算し、最小減衰量を求めて可変減衰器92を設定する。また、露光量に必要なショット数を計算し、パルス化光源91を設定する。
図31は従来技術の可変減衰器を示す。この可変減衰器92は、盤面の縁部がビーム光路に対して直交する回転自在の円盤92aと、円盤92aの縁部に嵌合された透過率の異なる複数のNDフィルタ92bと、を備える。制御器95は円盤92aを回転制御し、所望の透過率のNDフィルタ92bをビーム光路上に配置する。
特開平9−248682号公報 特開平10−154842号公報 特開平2−5063号公報
前述したとおり、液浸露光では、高NA化によりレンズの透過率が低下するため、一定露光量を得るために光源であるレーザの高出力化が必要とされている。また、露光装置の高スループット化のためにも、レーザの高出力化が必要とされている。
レーザの高出力化が必要とされる一方、これまでの低出力で動作する露光装置も数多く稼動しているため、レーザ装置全般に必要とされるレーザ出力の範囲が拡大されてきた。ところが、それぞれの露光装置が要するレーザ出力に合わせてレーザを製造するとなると、レーザの汎用性が無くなり、またコストも膨大になるという問題が浮上してきた。こうした問題を解消するためには、1台のレーザで多くの露光装置に対応できるよう、1台のレーザの出力可能範囲、すなわちダイナミックレンジを大きくする必要がある。
1台のレーザで出力を変動させる方法としては、レーザガスの励起強度、すなわち充電電圧を変化させたり、ガス組成やガス圧力を変化させることが考えられる。しかし、ガスレーザにおいて「充電電圧HV−レーザ出力E」と「充電電圧HV−エネルギばらつきσ」には図32に示すような特性があり、充電電圧HVでレーザ出力Eを変化させると、発振パルスエネルギのばらつきσが大きくなり、許容範囲を超える場合もある。
スキャナー方式の露光装置では、毎パルスエネルギのばらつきを小さくする必要がある。そのため、露光装置から要求されるエネルギばらつきσの許容範囲内で充電電圧HVを変化させた場合は、レーザ出力Eの可変範囲が小さくなる。一般にスキャナー方式の露光装置ではエネルギばらつきσを略一定にするために、中心出力の±10W程度しかレーザ出力Eを変化させることができない。逆にダイナミックレンジを大きくしようとすると、エネルギばらつきσが大きくなり使用できない。
また、エネルギばらつきσを無視したとしても、充電電圧HVを減少させていくと、ある値以下ではレーザ発振しなくなるため、要求されるダイナミックレンジを得ることはできない。充電電圧HVを減少させると、エネルギばらつきσが大きくなるのは、放電が不安定になり均一なゲイン領域が確保できなくなるからである。
また、ガス組成やガス圧を変化させる場合も充電電圧を変化させる場合と同様に、ダイナミックレンジを大きくしようとすると、発振パルスエネルギのばらつきσが大きくなる。
図33に、求められるレーザ出力のダイナミックレンジの一例を示す。現存する種々の露光装置では大体90Wから40Wの範囲内のレーザ出力が要求されている。しかし、充電電圧で出力を変化させる場合のダイナミックレンジは、例えば、90W動作のレーザでは90±10W程度の範囲aとなり、60W動作のレーザでは60±10W程度の範囲bとなり、40W動作のレーザでは40±10W程度の範囲cとなり、いずれも必要なダイナミックレンジには到達しない。このため、充電電圧やガス組成、ガス圧の変化以外の方法で、ダイナミックレンジをかせぐ必要がある。
上記特許文献1〜3では、ダイナミックレンジを大きくするということが想定されていない。特に、特許文献1、2のレーザ装置は、充電電圧やレーザガスのガス組成を変化させるものであるため、ダイナミックレンジを大きくしようとすると、前述したように発振パルスエネルギのばらつきσが大きくなる。また、特許文献3のレーザ装置は、個々の露光装置に対応して製造され僅かなエネルギ変化を調整するのみであり、汎用性がない。
そもそもレーザのダイナミックレンジを大きくするという課題は、最近になって新しく発生したものである。このため、この課題を解決するための明確な技術はこれまでのところ無く、従来の技術を単に用いても前述した諸問題が発生する。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、毎パルスエネルギ安定性を悪化させることなく、レーザ出力のダイナミックレンジを大きくできるレーザシステムまたはレーザ露光システムを提供することを目的とするものである。
第1発明に係るレーザシステムは、
レーザガスを封入するチャンバと、
前記チャンバ内のレーザガスを励起する励起源と、
レーザガスの励起に伴い前記チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、
前記励起源の励起強度と前記チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光共振器から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
前記光共振器から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
前記光透過部における透過率を制御する透過率制御部と、
を有し、
レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であることを特徴とする
第1発明を、図1を参照して説明する。
電源回路15及び放電電極11、12(以上、励起減)によってレーザチャンバ10内のレーザガスが励起されると、レーザチャンバ10からレーザ光が出力される。レーザ光の一部は光共振器20、30で共振し、一部は光共振器20、30外へ出力される。光共振器(フロントミラー30)から出力されたレーザ光は出力減衰機構50(光透過部)を透過し、露光装置200に到達する。
レーザ装置1のメインコントローラ70(レーザ制御部、透過率制御部)は、充電電圧制御またはガス制御を行い、出力減衰機構50に入力される前のパルスエネルギPinを予め設定した許容範囲内の値、すなわちパルスばらつきが小さくなる値(目標パルスエネルギPL)にする。
第2発明に係るレーザシステムは、
レーザガスを封入する発振用チャンバと、前記発振用チャンバ内のレーザガスを励起する発振用励起源と、レーザガスの励起に伴い前記発振用チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、を有する発振段と、
レーザガスを封入する増幅用チャンバと、前記発振段から出力された光が前記増幅用チャンバ内に存在するときに前記増幅用チャンバ内のレーザガスを励起する増幅用励起源と、を有する増幅段と、
前記発振用励起源と前記増幅用励起源と前記発振用チャンバ内及び前記増幅用チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光増幅段から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
前記増幅段から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
前記光透過部における透過率を制御する透過率制御部と、
を有し、
レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であることを特徴とする。
第2発明を、図2、図27を参照して説明する。
図27に図示しない電源回路及び放電電極11o、12o(以上、発振用励起減)によってレーザチャンバ10o内のレーザガスが励起されると、レーザチャンバ10oからレーザ光が出力される。レーザ光の一部は光共振器20o、30oで共振し、一部は光共振器20o、30o外へ出力される。発振段レーザ100oから出力されたレーザ光は増幅段レーザ100aに入力される。図27に図示しない電源回路及び放電電極11a、12a(以上、増幅用励起減)によってレーザチャンバ10a内のレーザガスが励起されると、レーザ光が増幅され出力される。フロントミラー30aから出力されたレーザ光は出力減衰機構50(光透過部)を透過し、露光装置200に到達する。
図2に示すレーザ装置1′のメインコントローラ70′(レーザ制御部、透過率制御部)は、充電電圧制御及びガス制御を行い、出力減衰機構50に入力される前のパルスエネルギPinを予め設定した許容範囲内の値、すなわちパルスばらつきが小さくなる値(目標パルスエネルギPL)にする。
第3発明に係るレーザ露光システムは、
レーザガスを封入するチャンバと、
前記チャンバ内のレーザガスを励起する励起源と、
レーザガスの励起に伴い前記チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、
前記励起源の励起強度と前記チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光共振器から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
前記光共振器から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
露光に要する光のエネルギ値が前記光透過部に入力前の光のエネルギ値以下であって、さらに該露光に要する光のエネルギ値を信号化して外部に送信する露光装置と、
前記露光装置から送信された信号に応じて前記光透過部における透過率を制御して、前記光透過部から出力される光のエネルギ値を前記露光装置から送信された信号で示されるエネルギ値に一致させる透過率制御部と、
を有し、
レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であることを特徴とする
第3発明を、図1を参照して説明する。
電源回路15及び放電電極11、12(以上、励起減)によってレーザチャンバ10内のレーザガスが励起されると、レーザチャンバ10からレーザ光が出力される。レーザ光の一部は光共振器20、30で共振し、一部は光共振器20、30外へ出力される。光共振器(フロントミラー30)から出力されたレーザ光は出力減衰機構50(光透過部)を透過し、露光装置200に到達する。
レーザ装置1のメインコントローラ70(レーザ制御部、透過率制御部)は、充電電圧制御またはガス制御を行い、出力減衰機構50に入力される前のパルスエネルギPinを予め設定した許容範囲内の値、すなわちパルスばらつきが小さくなる値(目標パルスエネルギPL)にする。また、露光装置200から送信された目標パルスエネルギPtを示す信号に基づき、出力減衰機構50の透過率Tを制御して、レーザ装置1の出力エネルギを、露光装置200で要求される目標パルスエネルギPt(<目標パルスエネルギPL)に一致させる。
第4発明に係るレーザ露光システムは、
レーザガスを封入する発振用チャンバと、前記発振用チャンバ内のレーザガスを励起する発振用励起源と、レーザガスの励起に伴い前記発振用チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、を有する発振段と、
レーザガスを封入する増幅用チャンバと、前記発振段から出力された光が前記増幅用チャンバ内に存在するときに前記増幅用チャンバ内のレーザガスを励起する増幅用励起源と、を有する増幅段と、
前記発振用励起源と前記増幅用励起源と前記発振用チャンバ内及び前記増幅用チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光増幅段から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
前記増幅段から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
露光に要する光のエネルギ値が前記光透過部に入力前の光のエネルギ値以下であって、
さらに該露光に要する光のエネルギ値を信号化して外部に送信する露光装置と、
前記露光装置から送信された信号に応じて前記光透過部における透過率を制御して、前記光透過部から出力される光のエネルギ値を前記露光装置から送信された信号で示されるエネルギ値に一致させる透過率制御部と、
を有し、
レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であることを特徴とする
第4発明を、図2、図27を参照して説明する。
図27に図示しない電源回路及び放電電極11o、12o(以上、発振用励起減)によってレーザチャンバ10o内のレーザガスが励起されると、レーザチャンバ10oからレーザ光が出力される。レーザ光の一部は光共振器20o、30oで共振し、一部は光共振器20o、30o外へ出力される。発振段レーザ100oから出力されたレーザ光は増幅段レーザ100aに入力される。図27に図示しない電源回路及び放電電極11a、12a(以上、増幅用励起減)によってレーザチャンバ10a内のレーザガスが励起されると、レーザ光が増幅され出力される。フロントミラー30aから出力されたレーザ光は出力減衰機構50(光透過部)を透過し、露光装置200に到達する。
図2に示すレーザ装置1′のメインコントローラ70′(レーザ制御部、透過率制御部)は、充電電圧制御及びガス制御を行い、出力減衰機構50に入力される前のパルスエネルギPinを予め設定した許容範囲内の値、すなわちパルスばらつきが小さくなる値(目標パルスエネルギPL)にする。また、露光装置200から送信された目標パルスエネルギPtを示す信号に基づき、出力減衰機構50の透過率Tを制御して、レーザ装置1′の出力エネルギを、露光装置200で要求される目標パルスエネルギPt(<目標パルスエネルギPL)に一致させる。
第5発明に係るレーザシステムは、第3発明乃至第4発明において、
前記透過率制御部は、前記光透過部における透過率を、(露光に要する光のエネルギ値)/(前記光透過部に入力前の光のエネルギ値)に制御する。
出力減衰機構50の透過率Tは、露光装置200で露光に要する光のエネルギ、すなわち目標パルスエネルギPtと、出力減衰機構50に入力前の光のエネルギ、すなわち目標パルスエネルギPL値を用いて、T=Pt/PLにて求められる。
第6発明に係るレーザシステムは、第1から第5発明において、
レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値であることを特徴とする。
本発明によると、レーザ装置は露光装置で要求されるエネルギよりも大きなエネルギを安定して出力可能に設定され、出力減衰機構によってエネルギを減衰させて出力する。つまり、エネルギを制御するために充電電圧等の放電パラメータを大きく制御する必要がなく、言い換えれば、エネルギばらつきを悪化させることなくエネルギを制御することができる。したがって、従来、エネルギばらつき抑制のために実現することができなかったダイナミックレンジの拡大を実現できる。
図1はシングルレーザを使用する場合の制御システム図である。 図2は2ステージレーザを使用する場合の制御システム図である。 図3はレーザ出力と出力減衰機構の透過率との関係を示す図である。 図4はメインルーチンのフローチャートである。 図5は目標パルスエネルギPL及び透過率Tの決定サブルーチンのフローチャートである。 図6(a)、(b)は目標パルスエネルギPLの決定サブルーチンのフローチャートである。 図7(a)、(b)は出力減衰機構の具体例1の構成図である。 図8は光の入射、反射、透過を示す図である。 図9はp偏光及びs偏光の入射角と反射率の関係を示す。 図10は2つの基板を用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートである。 図11は出力確認サブルーチン1のフローチャートである。 図12(a)、(b)、(c)、(d)は出力減衰機構の具体例2の構成図である。 図13はps分離膜の透過率とλ/2板の進相軸の角度θとの関係を示す図である。 図14はλ/2板を用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートである。 図15は出力確認サブルーチン2のフローチャートである。 図16(a)、(b)は出力減衰機構の具体例3の構成図である。 図17はスリットの移動量xと透過率との関係を示す図である。 図18はスリットを用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートである。 図19は出力確認サブルーチン3のフローチャートを示す。 図20(a)、(b)は出力減衰機構の具体例4の構成図である。 図21は絞りスリットの絞り量zと透過率との関係を示す図である。 図22は絞りスリットを用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートである。 図23は出力確認サブルーチン4のフローチャートを示す。 図24は出力減衰機構の具体例5の構成図である。 図25は部分反射膜の透過率を示す図である。 図26は部分反射膜を用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートである。 図27はMOPO方式の2ステージレーザ装置の基本構成を示す図である。 図28(a)、(b)、(c)はステッパー方式の露光装置の発振動作を説明するための図である。 図29(a)、(b)はスキャナー方式の露光装置の発振動作を説明するための図である。 図30は従来技術の制御システム図である。 図31は従来技術の可変減衰器を示す図である。 図32は「充電電圧HV−レーザ出力E」及び「充電電圧HV−エネルギばらつきσ」の関係を示す図である。 図33はダイナミックレンジの一例を示す図である。
以下、本発明のレーザ露光システムについて図面を参照して説明する。
(1.レーザ露光システムの構成と基本的な動作)
〔1−1.シングルレーザの場合〕
図1はシングルレーザを使用する場合の制御システム図を示す。
本実施形態に係るレーザ露光システムは、レーザ装置1と露光装置200とを有する。露光装置200はICチップの露光に要求される光のエネルギをレーザ装置1に要求し、レーザ装置1は露光装置200の要求に応じた光を出力する。レーザ装置1のダイナミックレンジの上限は、露光装置200で要求される光のエネルギ値以上に設定される。
露光装置200にはICチップの露光に必要なエネルギ値が設定されている。露光装置200は、エネルギ値をはじめとして、露光に要求される光の情報を信号化してレーザ装置1に送信する。なお本実施形態の露光装置200はスキャナー方式であるが、ステッパー方式でもよい。
次に、レーザ装置1の構成を説明する。
レーザチャンバ10の内部には、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向が平行であって、かつ放電面が対向する一対の放電電極11、12が設けられている。図1においては、放電電極11、12は紙面に垂直な方向に配置されている。また、レーザチャンバ10におけるレーザ光の光軸上にあって、レーザ光出力部分には、ウインドウ13、14が設けられている。ウインドウ13、14は、レーザ光に対する透過性を有する材料、例えばCaF2等によって構成されている。両ウインドウ13、14は、外側の面が互いに平行に配置され、また、レーザ光に対して反射損失を低減すべくブリュースタ角で設置される。
レーザチャンバ10にはレーザ媒質としてレーザガスが封入される。F2レーザの場合にレーザガスは、F2ガスと、HeやNe等からなるバッファガスとの混合ガスである。
KrFエキシマレーザの場合にレーザガスは、KrガスおよびF2ガスと、HeやNe等からなるバッファガスの混合ガスである。ArFエキシマレーザの場合にレーザガスは、ArガスおよびF2ガスと、HeやNe等からなるバッファガスの混合ガスである。各ガスは、ガス供給・排出機構16によって供給と排出が制御される。
レーザチャンバ10に設けられた放電電極11、12は電源回路15によって高電圧が印加される。放電電極11、12間の電圧が所定電圧を越えると放電が発生する。すると、レーザガスは励起されて高エネルギー準位に移行した後に、低エネルギー準位に移行する。このとき光が放出される。
レーザチャンバ10のリア側には狭帯域化モジュール20が配置される。狭帯域化モジュール20には、例えばプリズムビームエキスパンダとグレーティング等の光学素子が設けられている。また、狭帯域化モジュール20には、エタロンと全反射ミラー等の光学素子が設けられる場合もある。
レーザチャンバ10のフロント側にはフロントミラー30が配置される。フロントミラー30と狭帯域化モジュール20内のグレーティングとで光共振器が構成される。レーザチャンバ10から出力された光の一部は、フロントミラー30を透過して外部に出力され、レーザチャンバ10から出力された光の残りは、レーザチャンバ10を介してこの光共振器20、30間を往復し増幅される。
フロントミラー30の出力側には第1パルスエネルギモニタ40が配置される。第1パルスエネルギモニタ40は受光センサなどを備え、フロントミラー30から出力されたパルス光の一部をサンプリングして、パルス光のエネルギ等を測定する。
第1パルスエネルギモニタ40の出力側には出力減衰機構50が配置される。出力減衰機構50は、基本的には自身の透過率T(T≦1)の変更によって光共振器(フロントミラー30)から出力された光のエネルギを減衰する。出力減衰機構50は、光共振器(フロントミラー30)から出力された光のエネルギを最大値として、エネルギを増加減衰自在である。出力減衰機構50の具体的な構成については後述する。
出力減衰機構50の出力側には第2パルスエネルギモニタ60が配置される。第2パルスエネルギモニタ60は、第1パルスエネルギモニタ40と同様に受光センサなどを備え、出力減衰機構50から出力されたパルス光の一部をサンプリングして、パルス光のエネルギ等を測定する。
メインコントローラ70は、レーザ露光システム内の他の構成要素との間で信号を送受信し、レーザ装置1の様々な動作を制御する。ここで、メインコントローラ70を中心とする信号の送受信について、以下で説明する。
露光装置200で露光に要求される光の目標パルスエネルギをPtとし、光共振器(フロントミラー30)から出力され出力減衰機構50に入力される光の目標パルスエネルギをPLとする。
露光処理前に、露光装置200はレーザ装置1のメインコントローラ70に目標パルスエネルギPtを示す信号を送信する。
この信号を受信したメインコントローラ70は図32に示す特性に基づき、出力減衰機構50に入力される光のエネルギばらつきを最小近傍にすべく目標パルスエネルギPLを決定する。最小近傍とは、図32に示す許容範囲σ内という意味である。この許容範囲σは予め設定しておく。次に、メインコントローラ70は出力減衰機構50の透過率T(=Pt/PL)を求め、この透過率Tを得るべく出力減衰機構50に透過率を制御する信号を送信する。
第1パルスエネルギモニタ40は出力減衰機構50に入力される光のパルスエネルギ、すなわち減衰前のパルスエネルギPinを毎パルス検出し、その結果をレーザコントローラ70に送信する。
この信号を受信したメインコントローラ70は減衰前のパルスエネルギPinが目標パルスエネルギPLとなるように、パルス毎に充電器コントローラ71を介して電源回路15に充電電圧を制御する信号を送信する。また、レーザガスの劣化によってパルスエネルギPinが低下した場合は、ガスコントローラ72を介してガス供給・排出機構16に各種ガスの供給量、排出量を制御する信号を送信する。
第2パルスエネルギモニタ60は出力減衰機構50から出力された光のパルスエネルギ、すなわち減衰後のパルスエネルギPoutを毎パルス検出し、その結果をレーザコントローラ70に送信する。
この信号を受信したメインコントローラ70は以下(a)、(b)を確認する。
(a)露光装置200から送信された目標パルスエネルギPtと検出したパルスエネルギPoutが所定の範囲内に制御され、パルスエネルギのばらつきが許容範囲内にあるか。 (b)減衰前後のパルスエネルギPinとPoutの比が所定の透過率T(=Pout/Pin)となっているか。
ここで、ダイナミックレンジの制御方法について説明する。
レーザ装置1は、必要なダイナミックレンジの最大値の出力で動作するように設計されている。つまり、光共振器(フロントミラー30)から出力されたレーザ光は、ダイナミックレンジの最大値に近い値で安定に出力される。
光共振器(フロントミラー30)から出力されたレーザ光は出力減衰機構50を通過する。出力減衰機構50を通過したレーザ光は、第2パルスエネルギモニタ60でパルスエネルギPoutを測定される。スキャナー方式の露光装置200からの露光装置タイプの情報(露光装置200で必要とされる光エネルギ情報)を、レーザ装置1のメインコントローラ70が受信すると、目標パルスエネルギPtが設定され、この値に基づき出力減衰機構50の透過率が設定される。
このように、レーザの共振器外に出力減衰機構50を置くことによって、レーザ発振条件になんら影響を与えずに、露光装置200に入力するレーザ光出力を任意に制御することが可能となる。つまり、充電電圧等の放電パラメータを大きくは制御しないため、エネルギばらつきσを悪化させずに、ダイナミックレンジを拡大することができる。
次に、充電電圧制御及びガス制御について説明する。
毎パルスエネルギ(露光量)の制御は、例えば、上記特許文献1で開示された充電電圧制御を利用することができる。特許文献1では、メインコントローラは、パルスエネルギモニタで測定されたエネルギに基づき、目標パルスエネルギにすべく次のパルスの充電電圧を演算し、その演算値を充電器コントローラに送信する。充電器コントローラは充電電圧をその値になるよう制御する。
具体的に説明すると、最初の所定個数の各パルスに関しては、過去のパルス発振のデータのうち、発振停止時間、および1バーストサイクル内でのパルスの順番が同じで、かつ今回のパルス発振の目標パルスエネルギPLに近い出力パルスエネルギのモニタ値とそのときのパルスの励起強度を少なくとも1組読み出し、この読み出した値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度を演算し、該演算した励起強度値に基づいて充電電圧制御を行うとともに、前記最初の所定個数のパルス以降に発生される各パルスに関しては、今回のバースト周期内で既に出力された前パルスのパルスエネルギモニタ値およびそのときの充電電圧値を読み出し、これらの値に基づいて今回のパルス発振の際の充電電圧値を演算し、この充電電圧に基づいて制御を行う。
レーザ動作を繰返し、チャンバ内部に不純物ガス等が発生して、充電電圧を最大にしても目標パルスエネルギPL以下になってしまう場合は、ガス組成またはガス圧力を制御すれば良い。一般的に、ハロゲンガス分圧を増加したり、全ガス圧力を増加することによって、レーザ出力を増加させることができる。ガスを制御することで、ゲインを増加させた状態で、充電電圧を制御して毎パルスエネルギが一定となるようにすれば良い。
〔1−2.2ステージレーザの場合〕
2ステージレーザの出力はシングルレーザの出力よりも大きいため、本発明によってダイナミックレンジをさらに大きくとることが可能となる。
図2に2ステージレーザを使用する場合の制御システム図を示す。図2は2ステージレーザのMOPOタイプを示しているが、本発明はMOPAタイプに対しても適用できる。なお、図2に示す構成は図1に示す構成と類似しており、ここでは同一符号を付した構成要素を除く構成を説明する。
本実施形態に係るレーザ露光システムは、レーザ装置1′と露光装置200とを有する。露光装置200はICチップの露光に要求される光のエネルギをレーザ装置1′に要求し、レーザ装置1′は露光装置200の要求に応じた光を出力する。レーザ装置1′のダイナミックレンジの上限は、露光装置200で要求される光のエネルギ値以上に設定される。
発振段レーザ100oと増幅段レーザ100aは、図27に示したものと同一である。
発振段レーザ100oの出力側には第1パルスエネルギモニタ40′が配置され、第1パルスエネルギモニタ40′の出力側には増幅段レーザ100aが配置され、増幅段レーザ100oの出力側には出力減衰機構50が配置され、出力減衰機構50の出力側には第2パルスエネルギモニタ60′が配置される。
第1パルスエネルギモニタ40′は図1に示す第1パルスエネルギモニタ40と同一であり、第2パルスエネルギモニタ60′は図1に示す第2パルスエネルギモニタ60と同一である。
メインコントローラ70′は、レーザ露光システム内の他の構成要素との間で信号を送受信し、レーザ装置1′の様々な動作を制御する。充電器コントローラ71′はメインコントローラ70′からの制御信号に応じて、発振段レーザ100oと増幅段レーザ100aの充電電圧制御を行う。ガスコントローラ72′はメインコントローラ70′からの制御信号に応じて、発振段レーザ100oと増幅段レーザ100aのガス制御を行う。
ここで、ダイナミックレンジの制御方法について説明する。
増幅段レーザ100aは、必要なダイナミックレンジの最大値の出力で動作するように設計されている。例えば、必要なパルスエネルギのダイナミックレンジが5mJから15mJであれば、レーザ装置1′は、エネルギ安定性を維持した状態で5mJから15mJのエネルギを出力できることを前提とする。つまり、増幅段レーザ100aから出力されたレーザ光は、ダイナミックレンジの最大値に近い値で安定に出力される。
増幅段レーザ100aから出力されたレーザ光は出力減衰機構50を通過する。出力減衰機構50を通過したレーザ光は、第2パルスエネルギモニタ60′でパルスエネルギPoutを測定される。スキャナー方式の露光装置200からの露光装置タイプの情報(露光装置200で必要とされる光エネルギ情報)を、レーザ装置1′のメインコントローラ70′が受信すると、目標パルスエネルギPtが設定され、この値に基づき出力減衰機構50の透過率が設定される。
例えば、図3に示すように、レーザ装置1′の最大出力が15mJである場合に、露光装置200で要求されるエネルギが15mJであれば、出力減衰機構50の透過率Tを、15mJ/15mJ = 1に設定する。また、露光装置で要求されるエネルギが10mJであれば、出力減衰機構50の透過率Tを、10mJ/15mJ = 0.67に設定する。また、露光装置で要求されるエネルギが6.7mJであれば、出力減衰機構50の透過率Tを、6.7mJ/15mJ = 0.44に設定する。
このように、レーザの共振器外に出力減衰機構50を置くことによって、レーザ発振条件になんら影響を与えずに、露光装置200に入力するレーザ光出力を任意に制御することが可能となる。つまり、充電電圧等の放電パラメータを大きくは制御しないため、エネルギばらつきσを悪化させずに、ダイナミックレンジを拡大することができる。
次に、充電電圧制御及びガス制御について説明する。
毎パルスエネルギ(露光量)の制御は、例えば、上記特許文献1で開示された充電電圧制御を利用することができる。特許文献1では、メインコントローラは、パルスエネルギモニタで測定されたエネルギに基づき、目標パルスエネルギにすべく次のパルスの充電電圧を演算し、その演算値を充電器コントローラに送信する。充電器コントローラは増幅段レーザの充電電圧をその値になるよう制御する。
具体的に説明すると、最初の所定個数の各パルスに関しては、過去のパルス発振のデータのうち、発振停止時間、および1バーストサイクル内でのパルスの順番が同じで、かつ今回のパルス発振の目標パルスエネルギPLに近い出力パルスエネルギのモニタ値とそのときのパルスの励起強度を少なくとも1組読み出し、この読み出した値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度を演算し、該演算した励起強度値に基づいて充電電圧制御を行うとともに、前記最初の所定個数のパルス以降に発生される各パルスに関しては、今回のバースト周期内で既に出力された前パルスのパルスエネルギモニタ値およびそのときの充電電圧値を読み出し、これらの値に基づいて今回のパルス発振の際の充電電圧値を演算し、この充電電圧に基づいて制御を行う。
ところで、図2に示す構成には、出力減衰機構50の出力側に第2エネルギモニタ60′が配置されているが、増幅段レーザ100aの出力側にはエネルギモニタが配置されていない。このような場合は、減衰前のレーザの出力値Pinは、第2エネルギモニタ60′で測定されたエネルギ値Poutを出力減衰機構50の透過率Tで割った値(Pin=Pout/T)を使用する。または、出力減衰機構50の影響を除外してレーザ出力をモニタしたい場合は、図1に示すように、出力減衰機構50の入力側、すなわち増幅段レーザ100aの出力側にもパルスエネルギモニタを配置し、そのモニタ値に基づいて、充電電圧制御を実施すれば良い。
レーザ動作を繰返し、チャンバ内部に不純物ガス等が発生して、充電電圧を最大にしても目標パルスエネルギPL以下になってしまう場合は、ガス組成またはガス圧力を制御すれば良い。一般的に、ハロゲンガス分圧を増加したり、全ガス圧力を増加することによって、レーザ出力を増加させることができる。ガスを制御することで、ゲインを増加させた状態で、充電電圧を制御して毎パルスエネルギが一定となるようにすれば良い。
(2.レーザ露光システムの処理フロー)
以下では、図1に示すシングルレーザを備えたレーザ露光システムの処理フローを代表して説明するが、図2に示す2ステージレーザを備えたレーザ露光システムの処理フローも基本的には同じである。
図4はメインルーチンのフローチャートを示す。
メインルーチンの処理フローは、大きく分けると、調整発振の処理フロー(ステップS11〜S14)と露光中の処理フロー(ステップS15〜S17)とに分けられる。
先ず、調整発振の処理フローを説明する。
露光装置200はレーザ装置1のメインコントローラ70に目標パルスエネルギPtを示す信号を送信する。メインコントローラ70はこの信号を受信し、調整発振のためにレーザ装置1の出射口に設けられたシャッタを閉じる(ステップS11)。
次いで、目標パルスエネルギPL及び透過率Tの決定サブルーチンの処理が行われ、目標パルスエネルギPL及び透過率Tが決定される(ステップS12)。さらに、透過率制御サブルーチンの処理が行われ、決定した透過率Tを得るべく出力減衰機構50が制御される(ステップS13)。各サブルーチンの詳細については後述する。
そして、減衰後のパルスエネルギPoutと目標パルスエネルギPtとの差が許容範囲内にあれば、メインコントローラ70は露光装置200に準備OKを示す信号を送信するとともに、レーザ装置1の出射口に設けられたシャッタを開く(ステップS14)。以上で調整発振は終了し、露光処理に移行する。
次に、露光中の処理フローを説明する。
露光装置200はレーザ装置1のメインコントローラ70に発振指令信号を送信し、メインコントローラ70はこの指令信号の受信に応じてレーザ発振を開始する。メインコントローラ70は、調整発振で決定された出力減衰機構50の透過率Tにてレーザ光のエネルギばらつきが小さくなるように、すなわち減衰前のパルスエネルギPinが目標パルスエネルギPLになるように、電源回路15の充電電圧を制御し、またガス供給・排出機構16のガス供給量、排出量を制御する(ステップS15)。
各パルスにおいて、減衰後のパルスエネルギPoutと目標パルスエネルギPtとの差が許容範囲内にあり、且つ減衰前のパルスエネルギPinまたは減衰後のパルスエネルギPoutのエネルギばらつきが許容範囲内にある場合は、露光が継続される(ステップS16の判断Yes、ステップS17の判断Yes)。
減衰後のパルスエネルギPoutと目標パルスエネルギPtとの差が許容範囲外にあるか、減衰前のパルスエネルギPinまたは減衰後のパルスエネルギPoutのエネルギばらつきが許容範囲外にある場合は、露光が中断され、再度調整発振が行われる(ステップS16の判断No、ステップS17の判断No)。
レーザ発振時にメインコントローラ70は、露光量が一定となるように毎パルスエネルギのばらつきを許容値に抑えるため、出力エネルギの毎パルス制御を行っている。この制御は、充電電圧制御やガス組成、ガス圧力制御などにより実施される。この制御方法は、従来技術、例えば上記特許文献1などで開示された方法を使用する。但し、ここで行われる充電電圧制御やガス組成、ガス圧力制御は、エネルギばらつきが許容範囲を超えるほどの制御ではない。
次に、図4に示したサブルーチンのうち、目標パルスエネルギPL及び透過率Tの決定サブルーチンについて説明する。
図5は目標パルスエネルギPL及び透過率Tの決定サブルーチンのフローチャートを示す。
先ず、目標パルスエネルギPLの決定サブルーチンの処理が行われる(ステップS21)。次いで、メインコントローラ70は出力減衰機構50における透過率T=Pt/PLを演算する(ステップS22)。以上の処理終了後、図4に示すメインルーチンに戻る。
図6(a)、(b)は目標パルスエネルギPLの決定サブルーチンのフローチャートを示す。
図6(a)のサブルーチンでは、出力減衰機構50に入力される光の最大定格出力Pmaxが目標パルスエネルギPLとして決定され、図5に示すメインルーチンに戻る。
図6(b)のサブルーチンでは、予めエネルギばらつきが最小となる減衰前のパルスエネルギPinが調整発振によって検出され、この値が目標パルスエネルギPLとして決定され、図5に示すメインルーチンに戻る。
図6(b)の処理の一例を具体的に説明する。目標パルスエネルギPLとエネルギばらつきの関係を測定するために、メインコントローラ70は、目標パルスエネルギPLをいくつかの水準(1〜n)で変更し、各目標パルスエネルギPLx(x=1〜n)時のエネルギばらつきを測定する。そのなかでエネルギばらつきが最小となった目標パルスエネルギPLxを最適な目標パルスエネルギPLとする。
次に、図4に示したサブルーチンのうち、透過率制御サブルーチンについて説明する。以下では、出力減衰機構50の構成の具体例を〔具体例1〜5〕として示し、出力減衰機構50毎に透過率制御の処理を説明する。
〔エネルギ減衰器の具体例1.透過反射素子による透過率制御〕
透過反射素子に対するレーザ光の入射角を制御することで透過率を制御することができる。
図7(a)、(b)に示すように、出力減衰機構50は、レーザ光軸上に配置されたCaF2の2つの基板51aと、メインコントローラ70から送信される透過率Tを制御する信号に応じて2つの基板51aを回転駆動する回転ステージ51bとを有する。回転ステージ51bの回転中心軸は図7の紙面に垂直な方向と平行であり、回転ステージ51bは図7(b)に示す矢印方向及びその逆方向に回転自在である。レーザ光が基板51aに入射すると、一部の光は基板51aを透過するが、残りの光は基板51aの表面で反射する。この反射分だけレーザ光は減衰する。光の減衰の割合は、基板51aに対するレーザ光の入射角(基板51aの法線とレーザ光軸の成す角度)に応じて定まる。その原理を図8、図9を用いて説明する。
レーザ光が、屈折率n1を持つ媒質から屈折率n2を持つ基板51aに入射角θiで入射したとき、基板51aを透過する光の透過角θtは、スネルの法則(下記(1)式)によって求められる。
sinθt/sinθi=n1/n2 … (1)
また、基板51aがノーコートの場合、その反射率はフレネル反射の式(下記(2)式、(3)式)によって決まる。
rs=〔sin(θi−θt)/sin(θi+θt)〕 … (2)
rp=〔tan(θi−θt)/tan(θi+θt)〕 … (3)
添え字、s、pはそれぞれs偏光、p偏光を意味する。p偏光は入射面に電場ベクトルが平行な偏光成分(図8で紙面に平行な向き)であり、s偏光は入射面に電場ベクトルが垂直な偏光成分(図8で紙面に垂直な向き)である。
このように、基板表面での光の反射率は偏光成分によって異なる。通常、レーザ光線は線偏光なので、その線偏光をp偏光かs偏光に合わせて入射することによって、フレネルの反射式に従った反射率を得ることができる。
また、p偏光は、反射率が0になる入射角があり、その角度をブリュースター角θbと呼ぶ。ブリュースター角θbは、
θb=arctan(n2/n1) … (4)
で示される。
図9はp偏光及びs偏光の入射角と反射率の関係を示す。図9の縦軸は反射率を示し、横軸はブリュースター角θbを基準(角度0)とした場合の入射角θiを示す。レーザ光が基板に入射する際に、偏光がp偏光の向きであり且つ入射角がブリュースター角θbであれば、反射率は0になるので、基板内部での吸収や基板表面での散乱を無視すると、レーザ光は基板を100%透過することになる。図9で分かるように、入射角θiをブリュースター角θbから大きくしていくと反射率が急激に増加する。このため、減衰率(=1−透過率)を増加させるためには、図7(b)に示すように、基板51aに対するレーザ光の入射角θiをブリュースター角θbから増加させれば良い。
仮に、基板51aが1つの場合は、基板透過後の光軸が基板透過前の光軸からずれる。また、基板51aを回転させて入射角θiを変化させた場合も、その入射角θiに応じて光軸のずれ量が変化する。こうした光軸ずれを補正するために、鏡面対象の2つの基板51aがレーザ光軸上の前後にレーザ光の入射角θiを同一にして配置される。2つの基板51aは同時に回転駆動され、各入射角θiが同時に制御される。
また、2つの基板51aを備える場合は反射面が4面になる。1面での透過率をtとすると、4面透過後の全透過率Tは T=t となる。1面でのフレネル反射率をrとすると、 t=(1−r) なので、 T=(1−r) となる。
図10は2つの基板を用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートを示す。
先ず、メインコントローラ70は出力減衰機構50の透過率をTにすべく、基板51aに対するレーザ光の入射角θiを演算する。ここでは、レーザ光が基板51aに対してp偏光で入射した場合を想定する。前述したように、基板51aが2つの場合に反射面は4面になるため T=(1−rp) となる。透過率Tは前の処理(目標パルスエネルギPL及び透過率Tの決定サブルーチン)で決定されているため、p偏光成分の反射率rpが求められる。また、入射角θiは、前記したスネルの法則(上記(1)式)とフレネル反射の式(上記(3)式)と反射率rpとで求められる(ステップS31)。
メインコントローラ70は減衰に必要な入射角θiを演算したら、制御信号を出力減衰機構50に送信する。出力減衰機構50がこの信号を受信すると、回転ステージ50bは基板51aを回転駆動し、基板51aに対するレーザ光の入射角を演算したθiにする(ステップS32)。
次いで、基板51aの制御を確認するために、出力確認サブルーチン1の処理が行われた後、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ33)。
図11は出力確認サブルーチン1のフローチャートを示す。
先ず、レーザを定格発振(目標パルスエネルギPLで発振)させる(ステップS41)。この際、第2パルスエネルギモニタ60は減衰後のパルスエネルギPoutを測定する(ステップS42)。メインコントローラ70は、第2パルスエネルギモニタ60で測定されたパルスエネルギPoutが露光装置200で要求される目標パルスエネルギPtになっているか否かを判断する。具体的には、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算する。誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以内であれば、ダイナミックレンジでの制御を終了して、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ43の判断Yes)。
一方、誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dPより大きければ、入射角θiの微調整が行われる(ステップS43の判断No)。メインコントローラ70はパルスエネルギPoutが目標パルスエネルギPtより大きいか小さいかを判断する(ステップS44)。Pout>Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を増加させなければならないので、メインコントローラ70は入射角θiを微増させる制御をする。微増量をdθとした場合、入射角をθiからθi+dθにする(ステップS45)。Pout<Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を減少させなければならないので、メインコントローラ70は入射角θiを微減させる制御をする。微減量をdθとした場合、入射角をθiからθi−dθにする(ステップS46)。目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以下になるまで以上の処理が繰り返される。
なお、他の微調整の制御方法として、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算し、その差に見合った入射角の変化量を演算して、その変化量分だけ入射角を変化させても良い。
〔エネルギ減衰器の具体例2.偏光子による透過率制御〕
前述したように、レーザ光は線偏光である。この偏光を制御することで透過率を制御することができる。
図12(b)、(d)に示すように、出力減衰機構50は、レーザ光軸上に対して垂直に配置されたλ/2板52aと、λ/2板52aの出力側のレーザ光軸上に配置され表面にps分離膜52bが製膜されたCaF2の基板52cと、メインコントローラ70から送信される透過率Tを制御する信号に応じてλ/2板52aを光軸を中心にして回転駆動する回転機構52dとを有する。
λ/2板52aは、その進相軸に対して遅相軸の成分の位相差を180°ずらすことができる。例えば、図12(a)、(b)に示すように、偏光方向が水平面と平行する線偏光が進相軸と45°の角度でλ/2板52aに入射した場合、λ/2板52aを透過したレーザ光の偏光方向は水平面に対する直交方向に変化する。
基板52cはレーザ光が斜入射するように配置され、レーザ光のp偏光成分を100%透過させs偏光成分を高反射するように、入射面上にps分離膜52bが製膜される。
図12(b)に示すように、p偏光方向のレーザ光がps分離膜52bに入射した場合、レーザ光の100%の成分が透過する。
図12(a)、(b)で示される状態では、ps分離膜52bに対してs偏光方向であるレーザ光が、λ/2板52aによって、ps分離膜52bに対してp偏光方向であるレーザ光にされる。したがって、このレーザ光のほぼ100%の成分がps分離膜52bを透過することになる。
ここで、λ/2板52aの進相軸の角度をθとし、λ/2板52aに入射するレーザ光の偏光方向と進相軸との成す角が45°である状態、すなわち図12(a)、(b)に示す状態をθ=0と定義する。図12(c)、(d)は、λ/2板52aを光軸中心に回転させて進相軸の角度をθ≠0とした状態を示す。図12(c)、(d)に示すようにθ≠0の場合は、λ/2板52aを透過した光は楕円偏光になる。つまり、p偏光とs偏光が共に存在する。s偏光成分はps分離膜52bで反射するため透過しない。このため、s偏光成分の強度分だけ、全体の透過率が落ちることになる。
λ/2板52aにおいて、角度θが45°の場合、すなわちレーザ光の偏光方向と相軸が同じ向きである場合、λ/2板52aでレーザ光の位相は変化しないので、そのままs偏光成分のみがλ/2板52aから出射される。すると、レーザ光はps分離膜52bで反射されるため、全体の透過率はほぼ0になる。実際は100%反射する膜は製作が難しいので数%は透過する。
図13はps分離膜52bの透過率とλ/2板52aの進相軸の角度θとの関係を示す。透過率を制御するためには、θ=0となるようにλ/2板52aを配置し、λ/2板52aの回転角度をθ=0〜45°の範囲で制御すれば良い。すなわち、透過率を上げる場合はθを小さくし、透過率を下げる場合はθを大きくすれば良い。
図14はλ/2板を用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートを示す。
先ず、メインコントローラ70は出力減衰機構50の透過率をTにすべく、図13に示す関係から透過率Tに対応するλ/2板52aの角度θを求める。(ステップS51)。
メインコントローラ70は減衰に必要な角度θを求めたら、制御信号を出力減衰機構50に送信する。出力減衰機構50がこの信号を受信すると、回転機構52dはλ/2板52aを回転駆動し、λ/2板52aの進相軸の角度を求めたθにする(ステップS52)。
次いで、λ/2板52aの制御を確認するために、出力確認サブルーチン2の処理が行われた後、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ53)。
図15は出力確認サブルーチン2のフローチャートを示す。図15に示すサブルーチンは図11に示すサブルーチンと多くの処理が共通するが、ここでは改めて全ての処理を説明する。
先ず、レーザを定格発振(目標パルスエネルギPLで発振)させる(ステップS61)。この際、第2パルスエネルギモニタ60は減衰後のパルスエネルギPoutを測定する(ステップS62)。メインコントローラ70は、第2パルスエネルギモニタ60で測定されたパルスエネルギPoutが露光装置200で要求される目標パルスエネルギPtになっているか否かを判断する。具体的には、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算する。誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以内であれば、ダイナミックレンジでの制御を終了して、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ63の判断Yes)。
一方、誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dPより大きければ、角度θの微調整が行われる(ステップS63の判断No)。メインコントローラ70はパルスエネルギPoutが目標パルスエネルギPtより大きいか小さいかを判断する(ステップS64)。Pout>Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を増加させなければならないので、メインコントローラ70は角度θを微増させる制御をする。微増量をdθとした場合、角度をθからθ+dθにする(ステップS65)。Pout<Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を減少させなければならないので、メインコントローラ70は角度θを微減させる制御をする。微減量をdθとした場合、角度をθからθ−dθにする(ステップS66)。目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以下になるまで以上の処理が繰り返される。
なお、他の微調整の制御方法として、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算し、その差に見合った角度の変化量を演算して、その変化量分だけ角度を変化させても良い。
〔エネルギ減衰器の具体例3.スリットによる透過率制御1〕
スリット等によって、単にレーザ光の光路面積を制御することで透過率を制御することができる。
図16(a)、(b)に示すように、出力減衰機構50は、レーザ光の光路を介して互いに近づきまた離れる方向に移動自在であるスリット53aと、メインコントローラ70から送信される透過率Tを制御する信号に応じてスリット53aを駆動する駆動機構53bとを有する。図16(a)に示すように、スリット53aがレーザ光を遮らない場合は、透過率Tは1となる。図16(b)に示すように、スリット53aがレーザ光を遮る場合は、透過率Tが1未満に減少する。
なお、図16ではレーザビームの縦方向に2つのスリット53aが配置されているが、レーザビームの横方向に2つのスリットが配置されても良いし、1つのスリットが1方向から挿入される形態でも良い。
図17はスリットの移動量xと透過率との関係を示す。この関係をy=f(x)の関係で示せば、透過率TはT=f(x)で調整することが可能である。
図18はスリットを用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートを示す。
先ず、メインコントローラ70は出力減衰機構50の透過率をTにすべく、透過率Tに対するスリット移動量xを求める。スリット移動量xは予め測定しておいた図17に示す関係f(x)を用いて計算される(x=f−1(T))。スリット移動量xと透過率Tとの関係式T=f(x)が表せない場合は、スリット移動量xと透過率Tとのデータベース(x、T)を作成しておき、メインコントローラ70はそのデータベースから透過率Tに対するスリット移動量xの値を読み出せば良い(ステップS71)。
メインコントローラ70は減衰に必要なスリット移動量xを求めたら、制御信号を出力減衰機構50に送信する。出力減衰機構50がこの信号を受信すると、駆動機構53bはスリット53aを移動量xだけ駆動する(ステップS72)。
次いで、スリット53aの制御を確認するために、出力確認サブルーチン3の処理が行われた後、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ73)。
図18は出力確認サブルーチン3のフローチャートを示す。図18に示すサブルーチンは図11、図15に示すサブルーチンと多くの処理が共通するが、ここでは改めて全ての処理を説明する。
先ず、レーザを定格発振(目標パルスエネルギPLで発振)させる(ステップS81)。この際、第2パルスエネルギモニタ60は減衰後のパルスエネルギPoutを測定する(ステップS82)。メインコントローラ70は、第2パルスエネルギモニタ60で測定されたパルスエネルギPoutが露光装置200で要求される目標パルスエネルギPtになっているか否かを判断する。具体的には、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算する。誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以内であれば、ダイナミックレンジでの制御を終了して、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ83の判断Yes)。
一方、誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dPより大きければ、移動量xの微調整が行われる(ステップS83の判断No)。メインコントローラ70はパルスエネルギPoutが目標パルスエネルギPtより大きいか小さいかを判断する(ステップS84)。Pout>Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を増加させなければならないので、メインコントローラ70は移動量xを微増させる制御をする。微増量をdxとした場合、移動量をxからx+dxにする(ステップS85)。Pout<Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を減少させなければならないので、メインコントローラ70は移動量xを微減させる制御をする。微減量をdxとした場合、移動量をxからx−dxにする(ステップS86)。目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以下になるまで以上の処理が繰り返される。
なお、他の微調整の制御方法として、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算し、その差に見合った移動量の変化量を演算して、その変化量分だけ移動量を変化させても良い。
〔エネルギ減衰器の具体例4.スリットによる透過率制御2〕
図20(a)、(b)に示すように、出力減衰機構50は、レーザ光を通過させる孔の絞り量が可変である絞りスリット54aと、メインコントローラ70から送信される透過率Tを制御する信号に応じて絞りスリット54aの絞り量を制御する駆動機構54bとを有する。図20(a)に示すように、絞りスリット54aがレーザ光を遮らない場合は、透過率Tは1となる。図20(b)に示すように、絞りスリット54aがレーザ光を遮る場合は、透過率Tが1未満に減少する。
図21は絞りスリットの絞り量zと透過率との関係を示す。この関係をy=g(z)の関係で示せば、透過率TはT=g(z)で調整することが可能である。
図22は絞りスリットを用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートを示す。
先ず、メインコントローラ70は出力減衰機構50の透過率をTにすべく、透過率Tに対するスリット絞り量zを求める。スリット絞り量zは予め測定しておいた図21に示す関係g(z)を用いて計算される(z=g−1(T))。スリット絞り量zと透過率Tとの関係式T=g(z)が表せない場合は、スリット絞り量zと透過率Tとのデータベース(z、T)を作成しておき、メインコントローラ70はそのデータベースから透過率Tに対するスリット絞り量zの値を読み出せば良い(ステップS91)。
メインコントローラ70は減衰に必要なスリット絞り量zを求めたら、制御信号を出力減衰機構50に送信する。出力減衰機構50がこの信号を受信すると、駆動機構54bは絞りスリット54aの絞り量zを制御する(ステップS92)。
次いで、絞りスリット54aの制御を確認するために、出力確認サブルーチン4の処理が行われた後、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ93)。
図23は出力確認サブルーチン4のフローチャートを示す。図23に示すサブルーチンは図18に示すサブルーチンと多くの処理が共通するが、ここでは改めて全ての処理を説明する。
先ず、レーザを定格発振(目標パルスエネルギPLで発振)させる(ステップS101)。この際、第2パルスエネルギモニタ60は減衰後のパルスエネルギPoutを測定する(ステップS102)。メインコントローラ70は、第2パルスエネルギモニタ60で測定されたパルスエネルギPoutが露光装置200で要求される目標パルスエネルギPtになっているか否かを判断する。具体的には、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算する。誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以内であれば、ダイナミックレンジでの制御を終了して、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップ103の判断Yes)。
一方、誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dPより大きければ、絞り量zの微調整が行われる(ステップS93の判断No)。メインコントローラ70はパルスエネルギPoutが目標パルスエネルギPtより大きいか小さいかを判断する(ステップS104)。Pout>Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を増加させなければならないので、メインコントローラ70は絞り量zを微増させる制御をする。微増量をdzとした場合、絞り量をzからz+dzにする(ステップS105)。Pout<Ptの場合は、出力減衰機構50での減衰量を減少させなければならないので、メインコントローラ70は絞り量zを微減させる制御をする。微減量をdzとした場合、絞り量をzからz−dzにする(ステップS106)。目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)が許容誤差dP以下になるまで以上の処理が繰り返される。
なお、他の微調整の制御方法として、目標パルスエネルギPtに対するパルスエネルギPoutの誤差(|Pout−Pt|)を演算し、その差に見合った絞り量の変化量を演算して、その変化量分だけ絞り量を変化させても良い。
〔エネルギ減衰器の具体例5.部分反射膜による透過率制御〕
レーザ光が透過する部分反射膜の反射率を制御することで透過率を制御することができる。
図24に示すように、出力減衰機構50は、複数の異なる部分反射膜55aが製膜されたCaF2の基板55bと、メインコントローラ70から送信される透過率Tを制御する信号に応じて基板55bを駆動する駆動機構55cとを有する。図24では基板55bに3種類の部分反射膜55a1〜55a3が直線状に製膜されており、駆動機構55cが基板55bを紙面上下方向に駆動することによって、部分反射膜55a1〜55a3のいずれかがレーザ光路に配置される。実際には、露光に必要な分の部分反射膜を製膜すれば良い。
なお、部分反射膜は、図24には示すように直線状に配置される必要はない。例えば、同心円上に配置されていても良い。
図25は部分反射膜55a1〜55a3の透過率を示す。図25に示すように、部分反射膜55aを用いた出力減衰機構50は、反射率を複数段階に切り換えているのみであるため、透過率がステップ状に変化する。
図26は部分反射膜を用いた場合の透過率制御サブルーチンのフローチャートを示す。
先ず、メインコントローラ70は出力減衰機構50の透過率をTに近い値にすべく、図25に示す関係から部分反射膜55aを選択する。(ステップS111)。
メインコントローラ70は部分反射膜55aを選択したら、制御信号を出力減衰機構50に送信する。出力減衰機構50がこの信号を受信すると、駆動機構55cは基板55aを駆動し、選択した部分反射膜55aをレーザ光路に配置し、図4に示すメインルーチンに戻る(ステップS112)。
以上説明した本発明によると、レーザ装置は露光装置で要求されるエネルギよりも大きなエネルギを安定して出力可能に設定され、出力減衰機構によってエネルギを減衰させて出力する。つまり、エネルギを制御するために充電電圧等の放電パラメータを大きく制御する必要がなく、言い換えれば、エネルギばらつきを悪化させることなくエネルギを制御することができる。したがって、従来、エネルギばらつき抑制のために実現することができなかったダイナミックレンジの拡大を実現できる。
1…レーザ装置
10…レーザチャンバ
11、12…放電電極
15…電源電圧
16…ガス供給・排出機構
50…出力減衰機構
70…メインコントローラ
200…露光装置

Claims (6)

  1. レーザガスを封入するチャンバと、
    前記チャンバ内のレーザガスを励起する励起源と、
    レーザガスの励起に伴い前記チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、
    前記励起源の励起強度と前記チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光共振器から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
    前記光共振器から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
    前記光透過部における透過率を制御する透過率制御部と、
    を有し、
    レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であるレーザシステム。
  2. レーザガスを封入する発振用チャンバと、前記発振用チャンバ内のレーザガスを励起する発振用励起源と、レーザガスの励起に伴い前記発振用チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、を有する発振段と、
    レーザガスを封入する増幅用チャンバと、前記発振段から出力された光が前記増幅用チャンバ内に存在するときに前記増幅用チャンバ内のレーザガスを励起する増幅用励起源と、を有する増幅段と、
    前記発振用励起源と前記増幅用励起源と前記発振用チャンバ内及び前記増幅用チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光増幅段から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
    前記増幅段から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
    前記光透過部における透過率を制御する透過率制御部と、
    を有し、
    レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であるレーザシステム。
  3. レーザガスを封入するチャンバと、
    前記チャンバ内のレーザガスを励起する励起源と、
    レーザガスの励起に伴い前記チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、
    前記励起源の励起強度と前記チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光共振器から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
    前記光共振器から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
    露光に要する光のエネルギ値が前記光透過部に入力前の光のエネルギ値以下であって、さらに該露光に要する光のエネルギ値を信号化して外部に送信する露光装置と、
    前記露光装置から送信された信号に応じて前記光透過部における透過率を制御して、前記光透過部から出力される光のエネルギ値を前記露光装置から送信された信号で示されるエネルギ値に一致させる透過率制御部と、
    を有し、
    レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であるレーザ露光システム。
  4. レーザガスを封入する発振用チャンバと、前記発振用チャンバ内のレーザガスを励起する発振用励起源と、レーザガスの励起に伴い前記発振用チャンバから出力される光の一部は外部に出力し、残りは前記チャンバを介して共振させる光共振器と、を有する発振段と、
    レーザガスを封入する増幅用チャンバと、前記発振段から出力された光が前記増幅用チャンバ内に存在するときに前記増幅用チャンバ内のレーザガスを励起する増幅用励起源と、を有する増幅段と、
    前記発振用励起源と前記増幅用励起源と前記発振用チャンバ内及び前記増幅用チャンバ内のガス組成またはガス圧とのうち少なくとも一つを制御して、前記光増幅段から出力される光エネルギのパルスばらつきを予め設定された許容範囲内に収めるレーザ制御部と、
    前記増幅段から出力される光が透過するとともに、自身の透過率を変化させることによって透過する光のエネルギを増加減衰自在である光透過部と、
    露光に要する光のエネルギ値が前記光透過部に入力前の光のエネルギ値以下であって、さらに該露光に要する光のエネルギ値を信号化して外部に送信する露光装置と、
    前記露光装置から送信された信号に応じて前記光透過部における透過率を制御して、前記光透過部から出力される光のエネルギ値を前記露光装置から送信された信号で示されるエネルギ値に一致させる透過率制御部と、
    を有し、
    レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値を含み、かつ、その最小値に近接した範囲を示す最小近傍であるレーザ露光システム。
  5. 前記透過率制御部は、前記光透過部における透過率を、(露光に要する光のエネルギ値)/(前記光透過部に入力前の光のエネルギ値)に制御する請求項3乃至請求項4記載のレーザ露光システム。
  6. レーザ制御部で予め定められる光エネルギのパルスばらつき許容範囲が、チャンバから出力される光の出力を変更させるために充電電圧を増加させるに従って最小値に向かって低下し、最小値を過ぎると上昇する光エネルギのパルスばらつきを示す曲線において、その最小値である請求項1から5のいずれかに記載のレーザ露光システム。
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