JPH04252013A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法

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JPH04252013A
JPH04252013A JP3008616A JP861691A JPH04252013A JP H04252013 A JPH04252013 A JP H04252013A JP 3008616 A JP3008616 A JP 3008616A JP 861691 A JP861691 A JP 861691A JP H04252013 A JPH04252013 A JP H04252013A
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部分ガス交換、ガス注
入等を必要とするエキシマレーザ等を露光光源とする半
導体素子製造用の露光装置(ステッパー等)に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子製造のフォトリソグラ
フィ工程で使われる露光装置においては、素子の高集積
化に伴って回路の最小パターン寸法も微細化しており、
露光用光源として従来主流であった水銀ランプに代わり
、エキシマレーザを用いた露光装置が開発されてきてい
る。エキシマレーザと露光装置本体とは、電線または光
ファイバーのインターフェイスケーブルで結合され、露
光装置本体内のメインコンピューターのシーケンスに従
ってレーザを発光する方式が一般的である。インターフ
ェイスの信号としては、例えば露光装置本体からエキシ
マレーザへは発光トリガ、高電圧の充電開始、発振開始
、停止等を表わす信号、エキシマレーザから露光装置本
体へは発振スタンバイ完了、内部シャッターポジション
、インターロック作動中等を表わす信号が挙げられる。
【0003】さて、この種の露光装置ではレーザ光がパ
ルス毎に±10%程度のばらつきを有している上、露光
面(レチクルまたはウエハ)上にはレーザ光の持つ可干
渉性による規則的な干渉パターン、さらに照明光学系内
の傷、ゴミ、面不良等によって生じる位相の異なった多
数の光束が重なった不規則な干渉パターン(スペックル
)が発生し、これらにより露光面には照度むらが生じ得
る。上記2つの干渉パターン、特に規則的な干渉パター
ンは、フォトリソグラフィ工程におけるパターン線幅の
コントロールに重大な影響を与える。そこで、例えば特
開昭59−226317号公報、または特開平1−25
9533号公報に開示された手法と同等の手法で、規則
的な干渉パターンやスペックル(以下、まとめて干渉パ
ターンと呼ぶ)を平滑化することも考えられている。 上記公報に開示された干渉パターンの平滑化(インコヒ
ーレント化)は、振動ミラー(ガルバノミラー、ポリゴ
ンミラー)によってレーザ光を一定周期で一次元または
二次元移動(ラスタースキャン)させて、空間的にコヒ
ーレンシィを低減させていくものである。つまり、1パ
ルス毎に照度均一化手段(オプチカルインテグレータ)
へのレーザ光の入射角を変化させることによって、干渉
パターンをレチクル上で1パルス毎に移動させ、最終的
に干渉パターンを平滑化する、換言すれば照度均一性を
高めるものである。この際、振動ミラーによる一次元ま
たは二次元走査に同期させて複数のパルスを照射するこ
とになる。通常、エキシマレーザの発振パルス幅は20
nsec程度と極めて短いため、振動ミラーを10Hz
程度で振動させたとしても、エキシマレーザの1パルス
中、振動ミラーは恰も静止しているように振る舞う。
【0004】従って、複数パルスによる干渉パターンの
平滑化(照度均一化)と所望の露光量制御精度とを達成
するためには、(1) 露光中は1パルス当たりのエネ
ルギー量をほぼ一定に保つこと、(2) 振動ミラーに
よる一次元又は二次元走査におけるミラー振動半周期の
整数倍のパルス数にて目標露光量を得ることが重要とな
る。ところで、レーザ光源には短期的、長期的にレーザ
密度の低下現象もある。このレーザ密度の低下現象はガ
スレーザにおいて顕著であり、チャンバー内部に密封さ
れた活性媒質の混合ガスの劣化に伴って出力の低下が起
こる。例えばエキシマレーザは、フッ素等のハロゲンガ
ス、クリプトン、アルゴン等の不活性ガス、及びヘリウ
ム、ネオン等の希ガスの3種の混合ガスをレーザチャン
バーに封入し、チャンバー内の放電によりハロゲンガス
と不活性ガスとが反応してレーザ光を放出するが、レー
ザ光放出を繰り返すうち、ハロゲンガスがチャンバー内
に発生する不純物と結合したり、チャンバーの内側に付
着したりするため、ハロゲンガスの濃度が低下してレー
ザ光のパルスエネルギーが低下してしまう。一般に、エ
キシマレーザ光源に対する印加電圧(または充電電圧)
と、その印加電圧のもとで射出される露光パルスのエネ
ルギー量との関係に経時的な変化、例えば活性媒質の混
合ガスの劣化(ハロゲンガスの濃度低下)に伴ってレー
ザ光源の出力が低下すると、上記関係から次に射出すべ
きパルスエネルギー量に対応する印加電圧を決定しても
、所望の発振エネルギー量を得ることができなかった。
【0005】通常、レーザ光源には印加電圧一定モード
とエネルギー量一定モードとがある。特にエネルギー量
一定モードにおいてハロゲンガスの濃度低下等による出
力低下が生じた場合には、従来よりレーザ光の一部を受
光してそのエネルギー量を検出し、この検出値を印加電
圧にフィードバックすることによって、チャンバー内部
の2枚の電極間の印加電圧を徐々に増加させていき、出
力の低下を少なくするような工夫がなされている。とこ
ろが、印加電圧には上限があるため、印加電圧が上限に
達した際には、ハロゲンガス注入(HI:Haloge
nInjection) 動作を行って、ハロゲンガス
濃度を適正値に戻し、印加電圧を下げる必要があった。 また、HI動作を繰り返すうち、レーザチャンバー内の
不純物が増加するので、HI動作を実行しても、ハロゲ
ンガスがこれら不純物と結合し、ガス濃度の低下により
印加電圧が上昇することになる。この結果、HI動作の
周期が徐々に短くなり、印加電圧が上限値近傍にあるに
もかかわらず、パルスエネルギー量は徐々に低下してい
ってしまう。従って、HI動作の効果がなくなった場合
、または所定の条件まで低下した場合、3種の混合ガス
を部分的に入れ換える、いわゆる部分ガス交換(PGR
:Partial GasReplacement)動
作を実行する必要があった。尚、PGR動作が再度必要
となるまでは、先のHI動作を繰り返し実行している。 以上のHI動作、PGR動作はエキシマレーザ光源内の
制御プロセッサーの指令でほぼ自動的に行なわれていた
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の露光装置においては、エキシマレーザ光源を
エネルギー量一定モードで発振させることにより常にほ
ぼ一定の発振エネルギー量は得られるが、所定のエネル
ギー量制御範囲の全域で所望の発振エネルギー量(すな
わち、その発振エネルギー量に対応する印加電圧)を得
ることはできない。換言すれば、パルス毎に正確な発振
エネルギー量の微調整を行えず、高精度な露光量制御を
達成することができずに歩留り等が低下するという問題
点があった。さらに、HI動作、PGR動作が専らレー
ザ光源側で単独に制御されているため、ステップアンド
リピート方式でウエハを露光していく時に、1つのショ
ット領域の露光中(通常数十パルス以上が必要)にHI
動作、PGR動作が非同期に実行されると、当該ショッ
ト、さらには次ショットの露光に大きなダメージを与え
る可能性がある。
【0007】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、部分ガス交換、ガス注入等を必要とするレーザ光源
を使用する露光装置において、高精度な露光量制御を達
成でき、ガス注入等を要因とした歩留りの低下も防止す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を解決する
ため本発明においては、部分ガス交換、もしくはガス注
入を必要とし、発振のたびに所定の範囲内でエネルギー
変動を伴うパルス光を射出するエキシマレーザ光源1と
、レーザ光源に対する印加電圧を調整する手段〔印加電
圧制御部11〕とを備え、調整手段により所定のエネル
ギー量に制御された複数のパルス光をレチクルRに照射
することによって、レチクルRに形成されたパターンを
所定の露光量で感応基板〔ウエハW〕上に露光する装置
において、感応基板に対する露光状態に対応して、レー
ザ光源の部分ガス交換、もしくはガス注入の要否に対応
した信号〔要求信号SA及び禁止信号SB〕を出力する
第1の制御手段〔主制御系9〕と;レーザ光源の発振状
態に対応して、部分ガス交換、もしくはガス注入の要否
に対応した信号〔要求信号LA及び禁止信号LB〕を発
生するとともに、この発生した信号と第1の制御手段か
ら入力した信号とに基づいて、レーザ光源の部分ガス交
換、もしくはガス注入の時期を検知して実行する第2の
制御手段〔制御系25〕と;レーザ光源への印加電圧と
、この印加電圧のもとでレーザ光源から射出されるパル
ス光のレチクルまたはウエハ上でのエネルギー量との関
係に関する情報を格納する記憶手段〔メモリ7〕と;レ
ーザ光源から実際に射出されたパルス光のレチクルまた
はウエハ上でのエネルギー量を検出するエネルギー量計
測手段〔受光素子4及び光量モニター部5〕と;所定の
単位パルス数、もしくは単位時間毎、または部分ガス交
換、もしくはガス注入が実行されるたびに、レーザ光源
に与えられた印加電圧とエネルギー量計測手段にて検出
されたエネルギー量とに基づいて記憶手段に格納された
上記情報を更新する演算手段〔演算器6〕と;この更新
された情報に基づいて、次に射出すべきパルス光のエネ
ルギー量に対応するレーザ光源への印加電圧を決定する
決定手段〔演算器6〕とを設ける。
【0009】
【作用】本発明においては、少なくとも1つのショット
領域の露光中に、レーザ光源側での非同期な部分ガス交
換、ガス注入によって引き起こされるレーザ出力の変動
を避けるため、レーザ光源の発振状態と感応基板に対す
る露光状態とに対応して、レーザ光源と露光装置本体と
の各々に、上記動作の要求条件と禁止条件とを持たせ、
2つの要求条件の少なくとも一方が満たされ、かつ2つ
の禁止条件がともに満たされていない時のみ、上記動作
を実行するように、露光装置本体との連携でレーザ光源
を協調制御する。さらに、露光量制御のために1パルス
毎にレーザ光源への印加電圧を制御するにあたって、レ
ーザ光源に対する印加電圧(またはエネルギー発振時の
実際の充電電圧)とパルスエネルギー量とに関するデー
タを、単位パルス数もしくは単位時間毎、または部分ガ
ス交換もしくはガス注入動作が実行されるたびに取り込
み、予め記憶手段に格納された印加電圧とパルスエネル
ギー量との関係式を逐次更新していくこととした。
【0010】このため、1つのショット領域の露光中は
部分ガス交換、ガス注入動作の実行を避けることができ
るとともに、印加電圧とパルスエネルギー量との関係が
経時変化を起こしても、それを表現する関係式は経時変
化に応じて適宜更新されるので、常に良好な露光量制御
を達成することが可能になる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の実施例による露光装置の概略
的な構成を示す斜視図、図2は図1に示した露光装置の
制御系のブロック図である。以下、図1及び図2を参照
して本実施例の装置の構成について説明する。図1にお
いて、エキシマレーザ光源1はその内部に希ガスハライ
ド等の混合ガスが封入されたレーザチャンバー、レーザ
チャンバーを挟んで両端に配置されるフロントミラー(
半透過性)とリアミラー、2枚の共振ミラーの間の一部
に配置される波長狭帯化のための波長選択素子(回折格
子、プリズム、エタロン等)、発振波長の絶対値をモニ
ターするための分光器、レーザパワーのモニター用のデ
ィテクター、及びシャッターSH等を有し、安定共振器
を持つレーザ光源として構成されている。そして、レー
ザ光の光軸に沿って平行に設けられた2枚の電極間に高
電圧の放電を起こすことにより、レジスト層を感光する
ような波長の遠紫外光、例えばKrFエキシマレーザ光
(波長248nm)を発振する。
【0012】エキシマレーザ光源1に対するPGR動作
、HI動作は制御系25(本発明の第2の制御手段)に
よって行われるが、本実施例では制御系25のみによる
単独制御は行わず、露光装置本体(主制御系9)との連
携で協調制御するようになっている。ここで、図2に示
すようにトリガ制御部10はエキシマレーザ光源1にて
必要な所定の充電時間が経過した後、外部トリガパルス
をエキシマレーザ光源1に送ってその発振(パルス数、
発振間隔等)を制御する。印加電圧制御部11は、エキ
シマレーザ光源1の高圧放電電圧(印加電圧に対応)を
制御するものであって、主制御系9からの指令に応じて
印加電圧を変化することで、次に照射すべきパルス光の
エネルギー量の微調整を行う。ガス供給制御部24は、
エキシマレーザ光源1に対するPGR動作、HI動作の
実行を制御するものであるが、上記の如く露光装置本体
との連携で協調制御する。以上のトリガ制御部10、印
加電圧制御部11及びガス供給制御部24によって制御
系25(図1)が構成されており、制御系25はエキシ
マレーザ光源1の波長安定化のための制御等もあわせて
行う。
【0013】さて、エキシマレーザ光源1から射出され
るレーザビームExBは、2枚の電極の配置形状に応じ
た矩形断面、すなわちビーム断面の縦横比が1/2〜1
/5程度の長方形となっている。そこで、レーザビーム
ExBは可動ミラーM1 、固定ミラーM2 を介して
2組(凹凸)のシリンドリカルレンズを組み合わせたビ
ームエクスパンダー14(ビーム断面形状変換光学系)
に入射し、ここで所定の断面形状、サイズに成形される
。つまり、ビームエクスパンダー14はレーザビームの
短手方向の幅を拡大し、ビーム断面をほぼ正方形に変換
して射出する。
【0014】さらに、ビームエクスパンダー14からの
射出ビームは減光部15に入射し、ここでビーム光量(
エネルギー)が0%(完全透過)から100%(完全遮
光)の間で連続的、もしくは段階的に減衰させられる。 図2に示すように、減光部15は減光制御部12によっ
てその減光率(透過率)が所定値に制御される。 尚、後述するように減光部15の減光率は、レチクルR
、またはウエハW上に生じる干渉パターンを平滑化する
ために必要なパルス数Nspと、ウエハWへ与えられる
積算光量を所望の露光量制御精度で制御するために必要
なパルス数Ne とから定められる実際のパターン露光
に必要なパルス数Nexp 、及び適正露光量から決定
されるものである。
【0015】ここで、例えば減光部15の減光率が離散
的な6段階に設定されるものとすると、その減光率は露
光開始前にパルス数Nexp 及び適正露光量に基づい
て選択され、少なくとも1つのショットの露光中に別の
値に変更されることはない。換言すれば、減光部15は
ウエハWへの露光条件(例えば、レジストの感度特性に
応じた1ショット当たりの適正露光量)に変化がない限
り、常に全てのパルス光の光量を所定の減光率で一律に
減衰させるものであって、応答速度(減光率の切替速度
)が比較的低い光量調整機構で構わないことになる。
【0016】本実施例で使用するのに好適な減光部15
は、例えばターレット板に6種の減衰率(透過率)の異
なるメッシュフィルターを取付け、このターレット板を
回転させる方式が採用される。図3は減光部15として
の回転ターレット板16と6種類のメッシュフィルター
16a〜16fとの構造の一例を示すもので、フィルタ
ー16aは単なる開口(透明)部であり、減衰率0%(
すなわち透過率100%)に定められている。各フィル
ター16a〜16fは回転ターレット板16の回転軸を
中心とする円に沿った6ケ所に、約60°おきに配置さ
れ、いずれか1つのフィルターがビームエキスバンダー
14からのほぼ正方形なレーザビームExBの光路中に
位置するように構成されている。
【0017】図4は、図3に示した回転ターレット板1
6の回転量と透過率との関係を示するものである。ここ
では、フィルター16aがレーザビームの光路中に位置
する時の回転量を零とし、図3において紙面内で反時計
回りに回転ターレット板16を回転させたものとして示
している。図4では回転ターレット板16を約60°(
π/3)ずつ回転させると、所定の割合でレーザビーム
が減光される。尚、回転量が2π(360°または0°
)の時はフィルター16aが選ばれるため、透過率は1
00%になる。
【0018】ここで、回転ターレット板16に取り付け
る減光素子としては、メッシュフィルター以外のものと
して、異なる透過率を持った誘電体ミラーでも構わない
。また、2組の回転ターレット板16を一定の間隔をお
いて相対回転可能に設け、例えば第1回転ターレット板
の減光素子の透過率を100%,90%,80%,70
%,60%,50%とし、第2回転ターレット板の減光
素子の透過率を100%,40%,30%,20%,1
0%,5%に設定すれば、両者の組合せで、計36通り
の透過率が実現できる。
【0019】尚、減光部15として所定の短形アパーチ
ャとズームレンズ系とを組み合わせて、ズーム比やアパ
ーチャー径を変えることで連続的に減光を行う方式、2
枚のガラス板(石英等)を所定間隔で略平行に保持した
、所謂エタロンを回転させる方式、2枚の位相格子若し
くは明暗格子を相対的に移動させる方式、或いは露光光
として直線偏光のレーザ光を用いる場合には偏光板を回
転させる方式等を採用しても構わない。
【0020】図1の説明に戻って、減光部15において
所定の減衰を受けたほぼ平行なビームは、干渉パターン
を平滑化する干渉パターン低減部材としての揺動ミラー
M3 で反射された後、微小な角度で一次元(または二
次元)に振れる振動ビームとなって、オプチカルインテ
グレータとして機能するフライアイレンズ19に入射す
る。揺動ミラーM3 (ガルバノミラー、ポリゴンミラ
ー等)は、アクチュエータ(例えばピエゾ素子)等から
成る駆動部MTによって所定角度内で一次元(又は二次
元)に振動され、1パルス毎にフライアイレンズ19へ
のレーザビームの入射角を変化させることで、干渉パタ
ーンをレチクル上で一次元(又は二次元)移動させて最
終的に平滑化する、換言すれば照度均一性を高めるもの
である。
【0021】従って、フライアイレンズ19に入射する
レーザビームは、そのフライアイレンズ19に入射面に
おける入射角が時々刻々変化する。ここで、フライアイ
レンズ19は複数本のロッド状のエレメントレンズを束
ねたもので、その射出端にはエレメントレンズの数だけ
2次光源像(ここではレーザビームの部分光束の夫々の
集光スポット)が形成されることになる。
【0022】図5はフライアイレンズ19の入射ビーム
と2次光源像(スポット光)との関係を示し、特開昭5
9−226317号公報に開示された原理に従う模式的
な説明図である。フライアイレンズ19の各ロッドレン
ズ19aは、両端に凸球面が形成された石英ガラスの四
角柱である。光軸AXと平行にビームLBb(平行光束
)がフライアイレンズ19に入射すると、フライアイレ
ンズ19の各ロッドレンズ19aの射出端、または射出
端から所定量だけ空気中に出た位置には、スポット光S
Pb が集光する。このスポット光SPbは図5では1
つのロッドレンズのみについて表したが、実際にはビー
ムLBbが照射されるロッドレンズの全ての射出側に形
成されることになる。しかも、ビームLBbに対して各
スポット光SPbは、ロッドレンズの射出面のほぼ中心
に集光される。一方、光軸AXに対して右方に傾いた平
行なビームLBcがフライアイレンズ19に入射すると
、各ロッドレンズ19aの射出面の左側にスポット光S
Pcとして集光される。同様に、光軸AXに対して左方
に傾いた平行なビームLBaは、ロッドレンズ19aの
射出面の右側にスポット光SPaとして集光される。 従って、干渉パターン制御部13による平行ビームの一
次元の振動によって、フライアイレンズ19の射出側に
生じる複数のスポット光の全てが、フライアイレンズ1
9(光軸AX)に対して一方向に同時に往復移動するこ
とになる。
【0023】こうして、フライアイレンズ19の射出側
にできた各スポット光を成す複数のビームは、図1に示
すようにビームスプリッターBS1 、BS2 を透過
し、コンデンサーレンズ系21によってレチクルブライ
ンド(照明視野絞り)RB上でほぼ一様な強度分布とな
るように重ね合わされる。レチクルブラインドRBを通
ったレーザビームはレンズ系22、固定ミラーM4 、
コンデンサーレンズCL、及び固定ミラー2を介してレ
チクルRの回路パターン領域をほぼ均一な照度分布で照
明する。ここで、レチクルブラインドRBはレンズ系2
2とコンデンサーレンズCLとによって、レチクルRと
共役になっている。レチクルRは専用のレチクルアライ
メント系30X、30Yによって装置本体に対してX、
Y、θ方向に位置決めされている。
【0024】以上のように、揺動ミラーM3 はフライ
アイレンズ19に入射するビームを振動させることによ
り、レチクル面またはウエハ面に生じる干渉縞を微小量
移動させ、露光完了時においては、結果的にレジスト層
に転写された明暗縞を平滑化し、干渉縞のビジビリティ
を低減させるものである。尚、本実施例では干渉パター
ンを平滑化するにあたって、フライアイレンズ19に入
射するレーザ光を振動させているが、この他に例えば回
転拡散板をパルス光の発光に同期して回転させる構成と
しても良い。
【0025】さて、レチクルRの回路パターンの像は投
影レンズPLによって、レジスト層が形成されたウエハ
W上に所定の露光量で転写される。この際、少なくとも
像側(ウエハ側)テレセントリックの投影レンズPLの
瞳面(入射瞳)には、フライアイレンズ19の射出端に
できる複数のスポット光(2次光源像)が再結像され、
いわゆるケーラー照明系が構成される。ウエハWはXス
テージ32X上に載置され、このXステージ32Xはベ
ース上をY方向に移動するYステージ32Y上をX方向
に移動する。これによってウエハWは投影像面に沿って
2次元移動し、ステップアンドリピート方式の露光等が
行なわれる。
【0026】また、Xステージ32X上にはウエハWと
ほぼ同じ高さで、透過型の基準スリットをもつ基準マー
ク板FMが設けられている。基準マーク板FMの下には
、Xステージ32Xに固定されたミラー(不図示)が設
けられている。基準マーク板FMは、可動ミラーM1 
が図示の位置から退避した時、エキシマレーザ光源1か
らのパルス光を、複数のミラー及びYステージ32Y上
に固定されたミラーM6 を介して下面から受けるよう
に配置されている。ミラーM6 に入射するエキシマビ
ームはほぼ平行光束で、かつY軸と平行であり、ミラー
M6 によってX方向に直角に反射され、基準マーク板
FMの下のミラーで垂直に上方へ反射される。従って、
Xステージ32X、Yステージ32Yがどのように移動
しても、エキシマビームはかならず基準マーク板FMの
下面に入射する。
【0027】ウエハWのアライメント(マーク検出)は
、オフ・アクシス方式のウエハアライメント系34で行
なわれる。ウエハアライメント系34はウエハW上のレ
ジスト層を感光させない波長域の照明光(一様照明また
はスポット光)を用いて、ウエハW上の特定位置のアラ
イメントマークを光電検出する。ウエハアライメント系
34は投影レンズPLに対して一定の位置関係で固定さ
れているが、ウエハW上のマークの検出中心(アライメ
ント系内の指標やスポット光)と、レチクルRの回路パ
ターンの投影像の中心との相対位置関係、いわゆるベー
スラインは、レチクルRの交換毎にわずかに異なってく
るので、基準マーク板FMを用いてベースラインを計測
できるようにしてある。このため、照明光学系の光路中
に配置されたビームスプリッターBS2 によって基準
マーク板FMの発光スリットからのパルス光を一部分岐
させ、レンズ系23を通して光電素子(フォトマル等)
26で受光する。この光電素子26の受光面は、レンズ
系CL、21、23等によって投影レンズPLの瞳面(
入射瞳もしくは出射瞳)とほぼ共役に配置されている。
【0028】さて、上記構成の装置において、可動ミラ
ーM1 とエキシマレーザ光源1との間には、露光装置
(ステッパー)本体を収納するサーマルチャンバーの隔
壁があり、レーザ光源1はサーマルチャンバーの外部に
設置されている。また、ステッパー本体は主制御系9に
よって統括制御され、XYステージ32X、32Yの移
動、レチクルアライメント系30X、30Yによるレチ
クルRの位置決め、ウエハアライメント系34によるウ
エハWの位置検出、動作、レチクルブラインドRBの設
定、光電素子26と基準マーク板FMを使った一連の相
対位置関係のチェック動作、ビームスプリッターBS1
 で反射されたパルス光の一部を受光する光電素子4(
例えば焦電型パワーメータやPINフォトダイオード等
)を用いた露光量制御動作、あるいは振動ミラーM3 
の振動による干渉パターンの平滑化動作等を実行する。 尚、XYステージ32X、32Yの位置は、不図示のレ
ーザ干渉式測長器(干渉計)によって座標値として逐次
計測されており、この座標値は主制御系9にも入力され
、各種位置計測に使われる。
【0029】以上のステッパー側の構成は、本発明では
あくまでも一例にすぎず、上記構成に限られるものでは
ない。さて、図2に示すように受光素子4は、エキシマ
レーザ光源1から射出されるレーザビームの各パルス毎
の光量(光強度)に応じた光電信号を正確に出力するも
ので、紫外域において十分な感度を有するPINフォト
ダイオード等で構成される。受光素子4から出力される
光電信号は光量モニタ部5に入力し、光量モニタ部5に
て各パルス毎に実際の光量に変換される。従って、受光
素子4及び光量モニタ部5は本発明のエネルギー量計測
手段を構成し、このように計測されたエネルギー量(実
測したエネルギー量に対応した値であれば良く、エネル
ギー量自体である必要はない)は演算器6に送られ、こ
こで各パルス毎の光量が順次積算される。さらに演算器
6において上記実測値(光量)は、露光量制御、エキシ
マレーザ光源1の印加電圧と露光パルスエネルギー量(
もしくはウエハWへ与えられる実際のエネルギー量、い
わゆるドーズ量)との関係に関する情報の更新、及びト
リガ制御部10から発振されるトリガパルスの1ショッ
ト毎の発振制御のための基礎データとなっている。
【0030】尚、受光素子4は予めパワーメータにより
ウエハWに照射されるレーザビームの実際の光量と、受
光素子4の感度との関係が求められ、両者は一定の関係
で対応付けられてメモリ7に記憶されている。また、光
量モニタ部5にてパルス毎の光量を順次積算することと
し、この積算光量と先のパルス毎の光量を演算器6に出
力するようにしても構わない。
【0031】演算器6は、本発明での印加電圧(または
充電電圧)と露光パルスエネルギー量(もしくはドーズ
量)との関係に関する情報を更新する手段と、次に照射
すべき露光パルスのエネルギー量に対応する印加電圧を
決定する手段とを備えている。例えば1枚のウエハを露
光している間、単位パルス数毎、もしくは単位時間毎に
上記情報を更新する場合には、予め前パルスまでの複数
パルスの発振時の印加電圧と、光量モニタ部5にて検出
された露光パルスエネルギー量とを取り込んでおき、こ
れらのデータに基づいて所定の演算処理(詳細後述)に
より上記情報を更新してメモリ7に格納する。従って、
1ショットの露光中であっても、露光を中断することな
く上記情報を更新することが可能となっている。
【0032】尚、ステッパーの立ち上げ時に上記情報を
得る場合、またはパルス発振を長時間停止した後に発振
を再開する時、もしくはPGR動作、HI動作が実行さ
れた後に上記情報を更新する場合であって、XYステー
ジ上にウエハWが載置されている時には、露光動作に先
立ち、例えばウエハWが感光しないようにXYステージ
を所定の退避位置まで移動した後、印加電圧を変化させ
ながらエキシマレーザを複数回発振させ、印加電圧とそ
の露光パルスエネルギー量との関係から上記情報を算出
、または更新すれば良い。
【0033】また、演算器6は光量モニタ部5にて検出
される露光パルスエネルギー量をパルス毎に順次積算し
て求めた積算エネルギー量に基づき、所定の露光量制御
ロジックに従って、次に照射すべきパルス光のエネルギ
ー量を求めた後、先に更新した印加電圧と露光パルスエ
ネルギー量との関係に基づいて、次に照射すべきパルス
エネルギー量に対応する印加電圧を演算にて決定し、主
制御系9に送る。尚、露光量制御ロジックについては後
で詳しく説明するが、本実施例では干渉パターンの平滑
化(照度均一化)も行うようになっている。
【0034】ここで、図1中にはエキシマレーザ光源1
におけるパルス発振時の2枚の電極間の充電電圧(エキ
シマレーザ光源1への印加電圧と一義的に対応している
)を検出する手段(本発明の充電電圧計測手段)を図示
しておらず、本実施例では充電電圧計測手段がない場合
について述べることとする。尚、エキシマレーザ光源1
に充電電圧計測手段を設ける場合は、充電電圧計測手段
による計測結果を演算器6に取り込み、印加電圧の代わ
りに充電電圧と露光パルスエネルギー量との関係に関す
る情報を更新するだけで良いので、ここでは説明を省略
する。
【0035】主制御系9(本発明の第1の制御手段)は
、上記演算器6にて決定した印加電圧、発振トリガパル
ス等に関する情報等を、制御系25(トリガ制御部10
、印加電圧制御部11)に出力する。また、露光装置本
体側でのウエハに対する露光状態に対応して、エキシマ
レーザ光源1のHI動作、PGR動作の要否に対応した
信号(後述の要求信号SA、禁止信号SB)を発生し、
この2つの信号も制御系25(ガス供給制御部24)に
出力する。さらに、各種演算結果に従って減光度や干渉
パターン制御に関する所定の指令信号を各制御部12、
13に与える他、装置全体の動作を統括制御する。また
、必要に応じて最終的な積算光量(ウエハWへの総露光
量)を入出力装置8に出力する。
【0036】尚、詳しくは後で述べるが、ガス供給制御
部24はエキシマレーザ光源1の発振状態に対応して、
HI動作、PGR動作の要否に対応した信号(後述の要
求信号LA、禁止信号LB)を発生するとともに、この
発生した2つの信号と主制御系9から入力した2つの信
号とに基づいてPGR動作、HI動作の実施時期を検知
して実行する。
【0037】入出力装置8は、オペレータとステッパー
本体とのマン・マシーン・インターフェイスであり、露
光やパルス発振に必要な各種パラメータをオペレータか
ら受け付けると共に、ステッパーやエキシマレーザ光源
の動作状態をオペレータに知らせる。また、必要に応じ
て最終パルスのエネルギー量をオペレータに知らせる。
【0038】また、メモリ7には入出力装置8から入力
された露光及び発振動作、さらに各種演算等に必要なパ
ラメータ(定数)やテーブル、あるいは上記受光素子4
の感度特性等が記憶されている。特に本実施例では、揺
動ミラーM3によってレーザビームが半周期だけ振動す
る間に、良好な干渉パターンの平滑化に最低限必要なパ
ルス数(後述のNvib)を決定するための情報が記憶
されている。ここで、ビームの半周期とは、図5におい
てスポット光をSPa →SPb →SPc の順(ま
たは逆)に移動させるのに、ビームをLBa →LBb
 →LBc の順(または逆)に揺動角α°だけ傾ける
ことに対応している。尚、実際の振動ミラーの傾き量は
、倍角定理からα°/2になる。
【0039】さて、演算器6はメモリ7に予め記憶され
ている干渉パターンを平滑化するために必要なパルス数
Nspと、1ショットの露光において所望の露光量制御
精度を達成するのに必要なパルス数Ne と、レジスト
の感度特性に応じた1ショット当たりの適正露光量Sに
関するデータとに基づいて、減光部15の減光率βと後
述する1パルス当たりの平均光量値(Pav・β)とを
算出する。また、演算器6はこの平均光量値で各パルス
を照射した時に、ウエハWに与えられるべき目標積算光
量を算出した後、この目標積算光量と前述した光量モニ
タ部5から送られてきた実測値(エネルギー量)を順次
積算して求めた実際の積算光量との差分Dを算出する。 そして、この差分Dに基づいてエキシマレーザ光源1の
印加電圧を算出し、この印加電圧に関する情報を主制御
系9へ出力する。
【0040】換言すれば、演算器6は上記差分Dに基づ
いて、次に照射すべきパルス光の光量を平均光量値(P
av・β)から補正して求め、主制御系9に送る。そし
て、この補正値に基づいて、エキシマレーザ制御系25
は印加電圧制御部11によってエキシマレーザ光源1の
印加電圧を制御する、すなわち上記補正値に対応した分
だけ印加電圧を修正してエキシマレーザ光源1に与える
ことになる。尚、エキシマレーザ光源1への印加電圧と
その射出パルスの光量(パルスエネルギー)との関係の
一例は、図6に示した通りである。本実施例ではガス劣
化等に追従して上記関係の更新を行うが、これについて
は後で詳述する。
【0041】また、主制御系9はエキシマレーザ光源1
のパルス発光と揺動ミラーM3 によるビームの振れ角
とが同期するように、干渉パターン制御部13に駆動信
号を出力する。尚、この同期はビームの振れ角を高精度
にモニターする検出器の出力に追従して、エキシマレー
ザ光源1にパルス発光のトリガをかけるように、トリガ
制御部10へ発振開始及び停止の信号を出力するように
しても良い。
【0042】ここで、先に説明した減光部15は図1中
に示した位置のみでなく、エキシマレーザ光源1とビー
ムエクスパンダー14との間、もしくはエキシマレーザ
光源1の内部の共振器ミラーの間に入れても同様の効果
が得られる。さらに、上述した揺動ミラーM3 により
ビームを微小角振動させる方式を採らない場合は、揺動
ミラーM3 とフライアイレンズ19との間に入れても
良い。しかしながら、いずれにしても減光部15は、フ
ライアイレンズ19にレーザ光が入射する前の段階に入
れておく必要がある。なんとなれば、メッシュフィルタ
ー等の減光素子は、ビーム断面での照度均一性の劣化を
招くことが多いため、これをフライアイレンズ19によ
って解消する必要があるからである。
【0043】次に、干渉パターンの平滑化(照度均一化
)を行うために最低限必要なパルス数Nspについて述
べるが、干渉パターンの平滑化については、例えば特開
平1−257327号公報に開示されているので、ここ
では簡単に説明する。上記公報では、オプチカルインテ
グレータ、特にフライアイレンズを備えた照明光学系を
採用する場合、レチクル(またはウエハ)上に形成され
る干渉パターンをある範囲内で移動させつつ、複数のパ
ルス光を照射することで平滑化を行う際には、干渉パタ
ーンを1ピッチ分移動させる間に照射すべき最小のパル
ス数が予めある一定値に制限され、その最小パルス数以
上の数のパルス光を照射しなければならないという原理
を利用している。
【0044】さて、図5にも示したように干渉パターン
は、フライアイレンズ19の各ロッドレンズによって作
られたスポット光が互いに干渉し合うことで生じる。こ
の時、互いに隣り合った2つのロッドレンズのスポット
光のみが干渉する場合、あるいはロッドレンズの配列方
向の3つのスポット光が互いに干渉し合う場合等でも良
いが、最大でもロッドレンズの配列方向の数だけのスポ
ット光が互いに干渉し合う場合について考えれば良い。
【0045】従って、理論上はフライアイレンズ19を
構成するロッドレンズの配列方向の数のうち、互いに干
渉し合うスポット光をもつ数等に応じて、良好な干渉パ
ターンの平滑化に最低限必要なパルス数Nsp、さらに
は干渉パターンの1ピッチ移動に必要な揺動ミラーM3
 によるビーム揺動の半周期中に照射すべき最小パルス
数Nvib (Nvib はNvib ≧Nspなる任
意の整数)も決定されることになる。
【0046】例えば、互いに隣り合った2つのスポット
光のみが干渉する場合、干渉パターンの強度分布は数学
上、理論的には単純な正弦波状になる。この干渉パター
ンを平滑化するためには、2つのスポット光の位相差を
πだけずらす(干渉パターンの1/2周期の移動)前後
で1パルスずつ、計2パルスを照射すれば良いことにな
る。また、一般にn個のスポット光が互いに干渉し合う
場合は、理論的には、干渉パターンを1/n周期ずつ移
動させつつ、1パルスを照射して、計nパルスで平滑化
が可能である。
【0047】ここで、レチクル上に1パルス発光時に生
じる干渉パターンの一方向(例えばY方向)の強度分布
について考えてみると、一般的にはY方向に所定のピッ
チYpで明るい縞と暗い縞が交互に並ぶ。但し、フライ
アイレンズの2段化等の構成によっては、フライアイレ
ンズのロッドレンズの配列ピッチ、レーザ光波長等で決
まるピッチYpの基本成分以外に、さらに細いピッチで
強度変化する弱い干渉縞が重畳して現われることもある
。従って、実際には上記条件で完全に平滑化が達成され
ることは少なく、干渉パターンの平滑化に必要な最小パ
ルス数Nspの最適値は実験等によって決める必要があ
る。
【0048】本実施例では、実験により求めた最小パル
ス数Nspに基づいて、n・ΔY≧Ypなる関係を満す
ように揺動ミラーM3 の角度変化と発光パルス間隔(
周波数)とを設定する。そして、干渉パターンを単数乃
至複数パルスの発光毎にレジスト層上で順次Y方向に微
小量ΔY(ΔY<Yp)だけずらしていくことで、露光
完了時に干渉パターンの平滑化(照度均一化)を行ない
、精度上影響のない程度に微小量のリップル分を含むほ
ぼ一定の照度分布を得るようにするものである。
【0049】そこで、照度均一化に必要な条件を考える
と、以下の2つの条件が挙げられる。 (1) ミラー振動の半周期(ビーム揺動角が0°から
α°まで変化する期間)内に、ほぼ均一にある数Nsp
以上のパルス発光が行なわれること。ここで、パルス数
Nspは干渉パターンのビジビリティ(visibil
ity)によって決まるもので、ビジビリティが大きい
ほどNspも大きな値になる。また、パルス数Nspは
予め試し焼き等の実験によって決定され、異なる光学系
を備えた装置間では、その数値も異なってくる。従って
、Nspよりも小さい数のパルス発光をビーム揺動角変
化(0°→α°)の半周期内で略均等に振り分けた場合
、照度均一化(像面での照明むら)の点で所望の精度内
に納まらないことになる。
【0050】(2) 揺動ミラーの所定角度における1
パルス当たりの平均的な露光エネルギーは、ビーム揺動
範囲(0°→α°)内のどの角度に対してもほぼ一定で
あること。第2の条件は、実際に1ショットの露光に必
要な総パルス数Nexp がビーム揺動の半周期中のパ
ルス数Nvib の整数倍であること、及び第1発目の
パルス光をミラー振動(0°〜α°/2)の最大角(例
えば図5中のビームLBaが得られる角0°)で発光さ
せることで達成される。また、パルス数Nexp がミ
ラー振動(0°〜α°/2)の1周期中のパルス数の整
数倍である場合は、第1発目のパルス光をミラー振動(
0°〜α°/2)の任意の角度で発光させ始めて良い。
【0051】以上のことから、上述した2つの条件(1
) 、(2)を同時に満すように、1パルス当たりの平
均露光エネルギーを調整して、最適なパルス数を決定し
てやれば、照度均一化と露光量制御とを極めて効率的に
両立させることができる。また、露光エネルギーのみな
らず、揺動ミラーの振動周期(揺動速度)も変化させて
やれば、必要以上に露光パルスを増加させることがなく
なり、スループット上有利である。
【0052】さて、エキシマレーザ光源1に対する印加
電圧は、発振パルス毎の露光エネルギーのばらつきを考
慮し、エキシマレーザ光源1への最大印加電圧Vmax
 よりもやや小さい値に設定される。1ショットの露光
においては、上記設定値のもとで第1発目のパルス光を
射出した後、主制御系9は演算器6にて算出される電圧
値に関する情報を印加電圧制御部11に与え、第2発目
以降のパルス毎にその印加電圧を上記電圧値に順次制御
する。そこで、次にエキシマレーザ光源1の印加電圧制
御による露光エネルギー制御範囲について述べる。1パ
ルス当たりの平均露光エネルギーをPav(減光部15
の減光率が1のもとで)、この露光エネルギーのパルス
間のばらつきをΔPavとし、1ショットの露光でN回
パルス発光させるものとするとともに、第2発目以降の
パルス毎に、第k発目までの積算光量(目標値)をPa
v・k(k≦N)と順次更新させる露光量制御を行うと
、目標積算光量Pav・N(適正露光量Sで、S=Pa
v・N)に対する実際の積算光量Iのばらつきは、以下
の数式1で表される。
【0053】
【数1】
【0054】上記数式1から明らかなように、印加電圧
制御による光量の制御比率は、0<ΔPav/Pav<
1、パルス数Nをある程度大きい整数として、{1±(
ΔPav/Pav)/(1−ΔPav/Pav)}とな
る。従って、この制御比率の最大値{1/(1−ΔPa
v/Pav)}が露光エネルギー制御範囲の最大値を越
えないようにするためには、露光前に設定される平均的
な露光エネルギー制御値を、上記制御範囲の最大値の(
1−ΔPav/Pav)倍以下にしておけば良い。
【0055】実際には、平均露光エネルギーPavがエ
キシマレーザ光源の最大出力の(1−ΔPav/Pav
)倍以下となるように、図6に示した関係に基づいて、
所望の露光エネルギーが得られるレーザ光源1への印加
電圧(電極間放電電圧)を設定すれば良い。エキシマレ
ーザの場合、通常(ΔPav/Pav)=10%程度で
あるから、レーザ光源1の最大印加電圧時の露光エネル
ギーを10mJ/cm2とすると、平均露光エネルギー
Pavが9mJ/cm2以下となるように印加電圧を設
定すれば良い。実際には、レーザ密度の低下現象(混合
ガスの劣化に伴う出力の低下)や光学部品の寿命等も考
慮して、平均露光エネルギーPavが例えば5mJ/c
m2以下となるように印加電圧を設定することが望まし
い。
【0056】尚、本実施例ではウエハWへの露光条件(
レジストの種類、適正露光量等)に応じて減光部15の
減光率を変化させるため、第2発目以降のパルス光の露
光エネルギーはパルス間のばらつきによる積算光量の誤
差を補正するためだけに微調整されることになる。従っ
て、エキシマレーザ光源1での電極間放電電圧を大きく
変化させる必要がなく、印加電圧制御部11のダイナミ
ックレンジが小さくて済むことになる。このため、1シ
ョットの露光における印加電圧と露光パルスエネルギー
量との関係は、図6に示したグラフのごく一部のみを使
用するだけで良く、その関係式は1次式で十分近似でき
ることになる(後述)。
【0057】次に、1ショットの露光において所望の露
光量制御精度A(数式19)を達成するのに必要なパル
ス数Ne について簡単に説明する。
【0058】
【数19】
【0059】本実施例における露光量制御は、1パルス
毎にその露光エネルギーを調整しながら、実際の積算光
量Iと目標積算光量Pav・Nとをほぼ一致させるもの
であるため、最終的な積算光量の誤差は最終パルス光の
露光エネルギーのばらつきとなる。従って、露光量制御
精度を達成するには、最終パルス光の露光エネルギーの
ばらつきを露光量制御精度の許容誤差内に入れなければ
ならない。つまり、平均露光エネルギーPavを小さな
値に設定しなければならず、1ショットの露光に必要な
パルス数N(N=S/Pav)はある程度大きな数でな
ければならない。これより、上記数式1において(ΔP
av/Pav)N は零と見做せるから、各辺をPav
・Nで割って整理すると、露光量制御精度Aは以下の数
式2のように表される。
【0060】
【数2】
【0061】ここで、数式2において露光量制御精度A
が最大許容誤差となる時、すなわち以下に示す数式3の
ようになる時、露光量制御精度を達成するのに必要なパ
ルス数Nが最も少なくなる。
【0062】
【数3】
【0063】これより、上記パルス数Ne は以下の数
式4で表される。
【0064】
【数4】
【0065】従って、少なくとも上記数式4で表される
パルス数Ne 以上の数のパルス光で露光を行えば、最
終的な積算光量Iは、目標積算光量Pav・Nに対して
±A(例えば1%の場合、A=0.01)の制御精度が
保証されることになる。次に、1ショットの露光パルス
数Nexp を決定する方法について述べる。一般に、
露光パルス数Nexp は、Nexp =int(S/
Pav)となる。但し、int(ω)は実数値ωの小数
点以下を切り上げて整数値に変換することを示している
【0066】さて、エキシマレーザ光源1から発振され
るパルス光は、減光部15により所定の減光率β(0≦
β≦1)で一律に減衰されてレチクルRに照射されるこ
とになる。このため、露光パルス数Nexp は、下記
の条件式(数式5)を満たすことが要求される。
【0067】
【数5】
【0068】また、先に述べた露光量制御精度Aを達成
するためには、以下の数式6も満たす必要がある。
【0069】
【数6】
【0070】さらに干渉パターンを平滑化するためには
、露光パルス数Nexp は揺動ミラーの半周期中のパ
ルス数Nvib の整数倍でなければならない。このた
め、露光パルス数Nexp は以下の数式7で表される
【0071】
【数7】
【0072】従って、減光部15の減光率βは数式4、
5、6から、以下の数式8のように表される。
【0073】
【数8】
【0074】また、整数mは数式4、6、7より、以下
の数式9で表される。
【0075】
【数9】
【0076】さらに、減光率βは1以下であるため、数
式5、7より、以下の数式10のように表される。
【0077】
【数10】
【0078】以上のことから、本実施例においてはまず
始めに数式8を満たすように減光部の減光率を定める、
すなわち回転ターレット板16のフィルターを選択する
。次に、この選択したフィルターの減光率のもとで、数
式5から算出されるパルス数Nexp が、数式6及び
7を満足するか否かをチェックする。満足しない場合は
、数式8を満たすさらに減光率が小さいフィルターを選
択し、露光パルス数Nexpが数式6、7を満たすよう
にする。このように露光パルス数Nexp が決まれば
、数式9、10を同時に満たすようにm、Nvib を
定めてやれば良い。
【0079】一例として、平均露光エネルギーのパルス
間のばらつきΔPav/Pavを10%(ΔPav/P
av=0.1)、露光量制御精度Aを1%(A=0.0
1)とすると、数式4からパルス数Ne は12パルス
となる。 一方、減光部15の減光率βが1となる場合の平均露光
エネルギーPavを2mJ/cm2、適正露光量Sを8
0mJ/cm2、干渉パターンの平滑化に必要なパルス
数Nspを50パルスとすると、上記数式5から露光パ
ルス数Nexp は40パルスとなるが、このパルス数
Nexp は数式7を満たさないことになる。そこで、
減光部15の減光率を1より小さく設定し、この減光率
、すなわち平均露光エネルギーPav・βのもとで数式
5から算出される露光パルス数Nexp が数式7を満
たすようにする。
【0080】ここで、減光部15の減光率βの設定が連
続的に可能である場合、Ne =12、Nsp=50パ
ルスであることから、数式9、10に基づいてm、Nv
ib を設定する。この時、(m、Nvib )の組合
せは、例えば (1、50)、(1、60)、(2、1
00) 等のように種々考えられるが、ここではスルー
プットを考慮して露光パルス数Nexp (Nexp 
=m・Nvib )を最小にするため、m=1、Nvi
b =50に設定して露光パルス数Nexp を50パ
ルスとする。Nexp =50として露光を行えば、最
小のパルス数Nexp で露光量の最適化及び干渉パタ
ーンの平滑化を行うことができる。
【0081】この結果、数式5から減光部15の減光率
βは0.80に設定されることになる。また、ΔPav
/Pav=±10%からΔPavは±0.2mJ/cm
2となって、平均光量値Pav・βのばらつきΔPav
・βは±0.160mJ/cm2となる。従って、最終
パルス光の平均光量値のばらつき、すなわち最終的な積
算露光量の誤差は±0.160mJ/cm2程度である
と見做せるから、十分に露光量制御精度(1%)が達成
されることが分かる。
【0082】一方、本実施例のように減光部の減光率β
の設定が非連続の場合は、まず数式8を満足する回転タ
ーレット板16のメッシュフィルターを選択し、このフ
ィルターの減光率(例えばβ=0.5とする)のもとで
、数式5から算出されるパルス数Nexp が、数式7
を満足するか否かをチェックする。ここでは上記Nex
p を最小とするため、数式8を満たすフィルターのう
ち、減光率が一番大きいものから選択していくようにす
る。β=0.50(すなわちPav・β=1mJ/cm
2)の場合にはNexp =80パルスとなって、数式
6、7を満足することになる。このようにパルス数Ne
xp を決定すれば、後はNexp =80であること
から数式9、10を同時に満たすm、Nvib を定め
るだけで良く、ここではm=1、Nvib =80とな
る。
【0083】尚、上記のことから明らかなように、減光
部15の減光率の設定が非連続である場合、必ずしもそ
の減光率を計算から求めた最適値に設定できないので、
連続設定可能な場合と比較してパルス数Nexp が大
きくなって、スループット上不利となり得る。このため
、減光部としては減光率の設定が連続的に可能なもの、
もしくは非連続的なものであっても減衰率(透過率)を
細かく設定できるもの(例えば、2枚の回転ターレット
板を組合せたもの)等を用いることが望ましい。
【0084】次に、エキシマレーザ光源1への印加電圧
と露光パルスエネルギー量との関係に関する情報の更新
方法について詳述する。図6は印加電圧とその射出パル
スのエネルギー量との関係の一例を示す図であって、こ
こでは2次関数形となっている。図6において黒丸が実
際のデータであり、実線はそのデータを最小二乗法によ
り2次関数にあてはめた曲線である。一般に、PGR動
作、HI動作が必要なレーザ光源を用いたステッパーを
始めとする加工装置では、上記関係(図6)に対して、
例えば最小二乗法による2次関数のあてはめ(fitt
ing) を行う必要がある。しかしながら、前述した
ように本実施例では減光部15を設けているため、印加
電圧制御部11のダイナミックレンジが小さくて済む。 このため、1ショットの露光における印加電圧と露光パ
ルスエネルギー量との関係は、図6に示した関係のごく
一部を使用する形となる。従って、印加電圧と露光パル
スエネルギー量との関係は1次関数で十分近似できるこ
とになる。 尚、本実施例では1次関数のあてはめに関して最小二乗
法を用いているが、以下に述べる最小二乗法以外に、例
えばデータに対する最大ずれを最小化する方法等を採用
しても構わない。そこで、印加電圧をV、パルスエネル
ギー量をPとおくと、上記関係のモデル関数は、以下の
数式11で表される。
【0085】
【数11】
【0086】ここで、s、tは最小二乗法により求める
未知数である。また、実際の印加電圧と露光パルスエネ
ルギー量とに関する各データをVi ,Pi とおく。 添字iはデータの新しさを表し、i=1が最新のデータ
で、以下iが大きくなるに従って過去のデータとなる。 さらに評価関数Eを、以下の数式12のように表す。但
し、γi はデータ(Vi 、Pi )に対する重み(
後述)である。
【0087】
【数12】
【0088】さて、評価関数Eを最小にする未知数s、
tは、最小二乗法の理論によって、∂E/∂s=0、∂
E/∂t=0なる2元連立方程式を解くことによって、
以下の数式13から求めることができる。
【0089】
【数13】
【0090】ところで、γi はデータ(Vi 、Pi
 )に対する重みである。上述の如く印加電圧Vと露光
パルスエネルギー量Pとの関係は、その経時変化(混合
ガスの劣化等)に応じて徐々に変化していく。このため
、上記重みγi をγ1 >γ2 >γ3 ・・・・と
することで、最新データの重みを最も重くし、データが
古くなるに従って順次重みを軽くすることが必要である
。そこで、重みγi を、以下の数式14のように規定
する。
【0091】
【数14】
【0092】ここで、εは0<ε<1なる定数であって
、具体的には印加電圧Vと露光パルスエネルギー量Pと
の関係の経時変化による変化率等に応じて予め定められ
る値である。例えばε=0.995とおくと、約920
発前の発振パルスに関するデータ(Vi 、Pi )の
評価関数Eに対する寄与(重み)は、最新パルスに比べ
1%程度となる。従って、定数εの値を1に近づけると
、上記数式13にて明らかなように多数のデータ(Vi
 、Pi )から未知数s、tが決定されることになっ
て、パルス毎のエネルギー量のばらつき(±10%程度
)を要因とした未知数s、tの決定精度の低下を防止で
きる。
【0093】しかしながら、何等かの原因により上記ば
らつき以上に印加電圧Vと露光パルスエネルギー量Pと
の関係が大きく変動すると、過去のデータ(Vi 、P
i )を多数有しているが故に、上記変動に遅れること
なく追従して未知数s、tを算出することが困難になり
得る。逆に、定数εの値を0に近づけると、わずかなデ
ータ(Vi 、Pi )から未知数s、tが決定される
ことになり、上記関係の変動に対する追従性は良くなる
が、パルス毎のエネルギー量のばらつきの影響を大きく
受けることになる。このため、実際には定数εの値をエ
キシマレーザ光源1の安定性等に応じて両者のバランス
を考慮し、実験等により決定することが望ましい。
【0094】次に、上記数式13の右辺の行列の各要素
を以下の数式15のように表す。
【0095】
【数15】
【0096】この際、印加電圧と露光パルスエネルギー
量との関係に関する情報として、上記各要素、すなわち
パラメータG1 〜G3 、H1 ,H2 をメモリ7
に格納する。そして、新たにデータ(Vi 、Pi )
、すなわち最新データ(V1 、P1 )が得られた時
には、演算器6はメモリ7からパラメータG1〜G3 
、H1 、H2 を取り込み、定数であるG1 (G1
 =1/(1−ε2))以外は以下に示す漸化式(数式
16)を用いてG2 、G3 及びH1 、H2 を更
新することとする。この結果、漸化式を適用することに
より印加電圧Vと露光パルスエネルギー量Pとの関係に
関する情報の更新に要する演算時間が短くて済み、演算
器6はこの更新した情報を新たにメモリ7に格納するこ
とになる。
【0097】
【数16】
【0098】従って、単位パルス数、もしくは一定時間
毎に、さらにはPGR動作またはHI動作を実行するた
びに、適宜上記数式16にてG2 、G3 及びH1 
、H2 を更新し、さらに数式13を計算して未知数s
、tを求めれば、印加電圧Vと露光パルスエネルギー量
Pとの関係式(数式11)が更新され、次に照射すべき
露光パルスエネルギー量Pに対応する印加電圧Vを、数
式11により求めることができる。尚、本実施例では1
次関数形(数式11)で、印加電圧と露光パルスエネル
ギー量との関係(図6)のあてはめを行ったが、2次関
数形で行っても構わないことは言うまでもない。
【0099】次に、図7を参照して本実施例の露光動作
について説明する。図7は本実施例の露光動作の一例を
示す概略的なフローチャート図である。まず、ステップ
200において演算器6は、メモリ7に格納されたパラ
メータG1 〜G3 及びH1 、H2 をイニシャラ
イズするか否か判断し、パラメータG1 〜G3 及び
H1、H2 が十分信頼できる時には、ステップ203
に進む。一方、イニシャライズが必要な場合、例えばエ
キシマレーザ光源1の立ち上げ時、もしくはその発振を
長時間停止していた時、あるいはPGR動作、HI動作
を実行した直後にはステップ201に進み、ここで印加
電圧Vを使用予定範囲内(数式11が1次関数で十分近
似できる範囲内)で数通りに変化させ、各電圧値のもと
で発振されたパルス毎の光量を光量モニタ部5から取り
込む。しかる後、ステップ202において演算器6はス
テップ201で求めたデータ(Vi 、Pi )に基づ
き、上記数式16からパラメータG1 〜G3 及びH
1 、H2 を算出し、メモリ7に格納する。尚、イニ
シャライズ時にはε=1として、全てのデータに対して
同等の重みを与えるようにしても良い。
【0100】次のステップ203において、演算器6は
入出力装置8から目標積算光量Sを、メモリ7から露光
量制御精度A、平均露光エネルギーのパルス間のばらつ
き(ΔPav/Pav)、最大印加電圧Vmax 、及
び干渉パターンの平滑化に必要なパルス数Nspを取り
込む。尚、上記ばらつき(ΔPav/Pav)は、先の
ステップ201にて得られた実際のデータ(Vi 、P
i )から求めた値であっても構わない。次に、演算器
6はステップ203にて取り込んだ各データに基づき、
減光部15の減光率β(平均光量値Pav・β)、すな
わち回転ターレット板のフィルター、及びこの選択した
フィルターの減光率のもとでの露光パルス数Nexp 
、振動ミラーの半周期中のパルス数Nvib 、及び整
数mを算出する(ステップ204)。続いて、ステップ
205において回転ターレット板16を回転させて減光
部の減光率をβに設定し、さらにステップ206で数式
11から平均露光エネルギーPavを得るための印加電
圧Vを算出する。ここで、平均露光エネルギーPavは
、最大印加電圧Vmax のもとでエキシマレーザ光源
1から発振される露光エネルギー(Pav)max(最
大値)の(1−ΔPav/Pav)倍以下に設定してお
くことが望ましい。
【0101】さて、次のステップ207においてパルス
カウンタn、及び積算光量Iを、それぞれNexp 及
び零に設定する。続くステップ208において、主制御
系9はパルスカウンタnが零であるか否かを判断し、零
でなければ、次のステップ209に進む。そして、ステ
ップ209ではエキシマレーザ制御系25が印加電圧制
御部11によりエキシマレーザ光源1の印加電圧を設定
した後、トリガ制御部10からトリガパルスをエキシマ
レーザ光源1に送って1パルスを発光させる。続くステ
ップ210において、受光素子4を用いて発振されたパ
ルス光の実際の光量に対応する値(Pav)aを検出し
、光量モニター部5を介して演算器6に送る。次に、ス
テップ211において演算器6は積算光量Iを算出して
、積算光量の設定をI=I+(Pav)aとすると共に
、パルスカウンタの設定を(Nexp −1)とする。
【0102】次にステップ212では、以下に示す数式
17に従って、先のステップ204で決定した平均光量
値(Pav・β)によって与えられるべき目標積算光量
と、この目標積算光量と演算器6にて求めた実際の積算
光量Iとの差分Dを求める。
【0103】
【数17】
【0104】続いて、ステップ213において上記差分
Dに基づき、次に照射すべきパルス光の光量Pav’を
、以下の数式18によってステップ204で決定した平
均光量Pav・βから補正して求める。
【0105】
【数18】
【0106】次のステップ214において、演算器6は
前パルスのデータ、すなわちステップ209にてエキシ
マレーザ光源1に与えられた印加電圧Vと、ステップ2
10にて検出された1パルス分の光量(Pav)aとに
基づいて、上記数式16からパラメータG1 〜G3 
及びH1 、H2 を更新し、メモリ7に収納する。そ
して、次のステップ215において演算器6は、数式1
1により上記光量Pav’に対応した印加電圧を算出し
、ステップ208に戻る。このステップ208において
前述した動作と同様にパルスカウンタnが零であるか否
かを判断する。零でなければステップ209に進み、ス
テップ209〜215において上述と同様の動作を行っ
た後、再びステップ208に戻り、パルスカウンタnが
零となるまでステップ209〜215を繰り返し実行し
、パルスカウンタnが零となった時点で露光動作を終了
する。
【0107】次に、図8を用いて本実施例による装置に
おける露光量制御の状態を説明する。図8は1つのショ
ットを露光する際のパルス数と積算露光量との関係を示
すグラフであって、ここでは8パルスで露光が終了する
場合を示している。尚、説明を簡単にするため、減光部
15の減光率βは1に設定されているものとする。図8
において、二点鎖線で示した直線はステップ204で決
定した平均光量値(Pav・β)のパルス光によって与
えられるべき積算露光量の目標値を示している。従って
、本実施例では上記目標値に沿って露光量制御が行われ
るように、第2発目以降のパルス毎にその光量が調整さ
れる。
【0108】さて、第1発目のパルス光がPav1 と
いう露光量を目標として発光され、発光後の実際に検出
された露光量がPav1’であったとすると、第2発目
のパルス光は目標露光量2Pav1 とPav1’との
差(2Pav1 −Pav1’) =Pav2 なる光
量に設定されて発光が行われることになる。この際、印
加電圧制御部11は上記光量Pav2 に対応した印加
電圧をエキシマレーザ光源1へ与えれば良い。同様に、
第2発目のパルス光量の実測値がPav2’であったと
すると、第3発目のパルス光は(3Pav1 −Pav
1’−Pav2’) =Pav3 なる光量に設定され
て発光が行われる。
【0109】従って、以上の動作を繰り返して行うこと
により、二点鎖線の目標ラインからのずれが少ない状態
で8パルス目で露光が完了する。この際、最終的な露光
量制御精度(適正露光量に対する実測値のばらつき)は
、第8発目のパルス光の光量誤差(ばらつき)となるこ
とは明らかである。ここで、本実施例では1ショットを
複数のパルス光で露光するのにあたり、第(i+1)発
目までの積算露光量の目標値と過去(第i発目まで)の
積算露光量との差に基づいて、次に照射すべき第(i+
1)発目のパルス光の光量を設定していた。しかしなが
ら、パルス毎のばらつき方に何等かの傾向がある場合に
は、単位パルス毎の目標値と単位パルス毎の実測値の比
を過去の複数パルスに対して平均化し、目標値をこの比
の平均値で除算したもので新たな目標値を設定しても良
い。
【0110】ところで、上記構成の露光装置(図1)に
おいてエキシマレーザ光源1に対する印加電圧制御が有
効(必要)な動作は、ウエハ露光、及び印加電圧と露光
パルスエネルギーとの関係式(数式11)を得るための
データ収集(図7のステップ201)である。通常、露
光装置におけるエキシマレーザ光源1の発振は、先に述
べたベースライン計測時にも必要となる。
【0111】ここで、エキシマレーザを光源とする露光
装置でのベースラインの計測動作については、例えば特
開昭64−10105号公報に開示されているので、こ
こでは簡単に説明する。図1において、複数の反射部材
(または光ファイバー)によりエキシマレーザ光源1か
ら伝送されたレーザ光で、基準マーク板FMの透過スリ
ットを下方(ステージ内部)から照明するとともに、X
Yステージ32X、32Yによって投影像面内で一次元
に透過スリットの長手方向と交差する方向に走らせ、レ
チクルRのパターン面上に結像されたスリット像で透過
スリットマークを走査する。そして、スリットマークを
透過したレーザ光をミラー2、コンデンサーレンズCL
、ミラーM4 、レンズ系22、21、及びビームスプ
リッターBS2 を介して光電素子26で受光し、スリ
ット像とスリットマークとが合致した時のステージ位置
を検出することによって、スリットマークの投影位置が
XYステージの移動座標系上で認識される。
【0112】以上の動作によって、レチクルRのスリッ
トマーク(またはレチクル中心点)の投影位置がXYス
テージの移動座標系の値として規定される。さらに、ウ
エハアライメント系34を用いて基準マーク板FM上の
バーマーク(クロム)等を検出し、そのマーク検出中心
位置とマークとが合致した時のXYステージの位置をレ
ーザ干渉計で読み取る。この結果、レチクルRの投影像
中心とウエハアライメント系34の検出中心との移動座
標系における相対位置関係が規定され、この2点間の間
隔をもってベースラインとしている。
【0113】但し、エキシマレーザ光のパルスエネルギ
ーは、1パルス毎に±数%〜数十%程度のばらつきがあ
るため、例えばレーザ光源1内のパワーディテクターか
らの光電信号を各パルス発光毎に取り込み、光電素子2
6の光電信号のレベルを割算器等で規格化することが必
要である。尚、規格化のためのディテクターは露光装置
本体内に設けても良く、具体的には図1中のステージ上
のミラーM6 の近傍のビームスプリッターで分岐され
たパルス光を受光するように設けるようにしても良い。
【0114】以上のことから、上記の如きベースライン
計測時には、必ずしもエキシマレーザ光源1に対する印
加電圧制御を行う必要はない。従って、露光装置の動作
モードに応じてエキシマレーザ光源1の発振モードを、
印加電圧制御モードとエネルギー量一定モードとに切替
可能とし、ウエハ露光及びステップ201でのデータ収
集を除く動作ではエネルギー量一定モードを使用するこ
とが望ましい。
【0115】さて、上記の如くウエハW上の1つのショ
ット領域は、干渉パターンの平滑化と露光量制御精度と
の関係で数十パルス以上で露光される。従って、1ショ
ットの露光中にPGR動作、HI動作が開始されると、
先に述べた露光量制御ロジックに従って、1パルス毎に
エキシマレーザ光源1への印加電圧を調整しても、上記
動作中は印加電圧(または充電電圧)と露光パルスエネ
ルギー量との関係が激しく変動し、この変動に追従して
上記関係を表現する関係式を良好に更新することは難し
いため、所望の露光量制御精度を達成することができな
い。そこで、次に本実施例の装置においてPGR動作、
HI動作を実行するタイミングを判定する方法、及び上
記装置での露光動作について、図9〜図12を参照して
説明する。
【0116】ここで、本実施例ではエキシマレーザ光源
1(制御系25)側と露光装置本体(主制御系9)側と
の各々で、PGR動作、HI動作の要否に対応した信号
、すなわち上記動作の実行を要求する信号と、その実行
を禁止する信号とが作成され、これら4つの信号に基づ
いて上記動作を実行するタイミングが決定される。そこ
で、まず制御系25、主制御系9の各々で作成される要
求信号と禁止信号とについて述べる。
【0117】制御系25は、エキシマレーザ光源1の発
振状態に対応して、PGR動作、またはHI動作の実行
を要求する信号LAと、その実行を禁止する信号LBと
を常時発生している。本実施例では上記信号LA、LB
の各信号レベルをHi→Lo、またはLo→Hiに変化
させることによって、エキシマレーザ光源側で上記動作
を実行する必要が迫っていることや、上記動作を禁止し
ておく必要があることを、上記動作を実行するタイミン
グ(時期)を決定するための判定回路(後述)に知らせ
る。
【0118】例えば、エキシマレーザ光源1の発振モー
ドがエネルギー量一定モードである場合、ガス供給制御
部24はエキシマレーザ光源1に与えられる印加電圧を
モニターしておき、そのモニター値が所定の上限値(例
えば最大印加電圧よりもやや小さい値)に達した時点で
、要求信号LAの信号レベルを(本実施例ではLo→H
iに)変化させる。またはレーザの立ち上げ、もしくは
前回のPGR動作、HI動作後に発振されたパルス数(
または発振時間)をカウントしておき、総パルス数(ま
たは総発振時間)が所定値(発振条件等によって異なる
)に達した時点で、要求信号LAの信号レベルを変化さ
せるようにしても構わない。尚、ガス供給制御部24は
上記動作が終了した時点で、要求信号LAの信号レベル
をHi→Loに変化させる。
【0119】一方、エキシマレーザ光源1の発振モード
が印加電圧制御モードである場合、ガス供給制御部24
はエキシマレーザ光源1の本体内に設けられたレーザパ
ワーモニター用のディテクターの出力をモニターしてお
き、エキシマレーザ光源1に対する印加電圧とその印加
電圧のもとで実際に射出されるパルス光のエネルギー量
との関係(またはそれを表現する関係式)を求めるよう
にする。そして、上記関係(式)が内部ガスの劣化等に
より変化していき、所定の判定基準となる関係(式)に
達した時点で、要求信号LAの信号レベルを変化させれ
ば良い。尚、上記関係(式)は逐次更新していっても、
単位パルス数、もしくは単位時間毎に更新するようにし
ても構わない。
【0120】さらに制御系25は、PGR動作、または
HI動作後に生じ得るレーザチャンバー内部でのハロゲ
ンガスの過多を防止するため、上記動作の実行を禁止す
るための信号LBも発生している。つまり、ガス供給制
御部24は所定の印加電圧のもとで発振されるパルス光
のエネルギー量、もしくはPGR動作、HI動作後に発
振された総パルス数(または総発振時間)、またはチャ
ンバー内部のガス濃度のいずれか1つをモニターしなが
ら、そのモニター値が所定値に達するまでの間は禁止信
号LBの信号レベルを、本実施例ではHiにしておき、
上記動作が実行されるのを禁止しておく。そしてパルス
発振を続けていき、モニター値が所定値に達した時点で
信号レベルを、Hi→Loに変化させて、上記動作の禁
止状態が解除されたことを知らせる。
【0121】ここで、禁止信号LBはハロゲンガスの過
多を防止するためのものであるから、通常その信号レベ
ルはLoとなっており、上記動作が実行された直後から
所定の発振時間が経過するまでの間だけ、信号レベルが
Hiになり得るものである。尚、上記のパルスエネルギ
ー量、総パルス数(総発振時間)、及びガス濃度の各々
をモニターしておき、これらのうちのいずれか1つ、な
いし全てが所定値に達した時点で、信号レベルをHi→
Loに変化させるようにしても構わない。
【0122】一方、露光装置本体側も主制御系9におい
て、PGR動作、またはHI動作の実行を要求する信号
SAと、その実行を禁止する信号SBとを常時作成して
おり、主制御系9はこれら信号SA、SBを制御系25
(ガス供給制御部24)に出力する。つまり、主制御系
9は露光装置本体側でのウエハWに対する露光状態、例
えば露光量制御ロジックに従って次に照射すべきパルス
光のエネルギー量に対応した印加電圧を決定するための
印加電圧とレチクル(またはウエハ)面上でのパルスエ
ネルギー量との関係(図6)、及び露光装置本体側の露
光シーケンス上での動作状態の各々に対応して、ガス供
給制御部24(後述の判定回路)に入力する上記信号S
A、SBの各信号レベルを変化させる。これによって、
露光装置本体側で上記動作を実行する必要が迫っている
ことや、上記動作を禁止しておく必要があることを、ガ
ス供給制御部24に対して知らせる。
【0123】例えば、エキシマレーザ光源1の発振モー
ドが印加電圧制御モードである場合、主制御系9はレチ
クル面上に実際に照射されるパルス光のエネルギー量(
光量モニタ部5の出力)をモニターしながら、印加電圧
とレチクル面上でのパルスエネルギー量との関係(また
はそれを表現する関係式)を適宜チェックしておき、上
記関係(式)が所定の判定基準となる関係(式)に達し
た時点で、要求信号SAの信号レベルを、本実施例では
Lo→Hiに変化させる。
【0124】ここで、図9はエキシマレーザ光源1に対
する印加電圧とその印加電圧のもとで実際に発振される
パルス光のレチクル(またはウエハ)面上でのエネルギ
ー量との関係の一例を表す図であって、PGR動作、ま
たはHI動作を実行した直後の上記関係は実線で、先に
述べた判定基準となる関係は点線で示してある。図9か
ら明らかなように、実線にて示した関係は内部ガスの劣
化とともに徐々に変化していき、ついには判定基準の関
係(点線)に達するので、主制御系9はその時点で信号
レベルを変化させることになる。尚、主制御系9は上記
動作が終了した時点で、要求信号SAの信号レベルをH
i→Loに変化させる。
【0125】また、本実施例においてウエハ露光、及び
上記関係(図6)を作成、もしくは更新するためのデー
タ収集(イニシャライズ)時のみ、エキシマレーザ光源
1の発振モードが印加電圧制御モードになっているもの
とすると、要求信号SAは発振モードが印加電圧制御モ
ードであって、特にウエハWに対する露光動作を実行し
ている時、またはイニシャライズ動作終了時のみ出力さ
れる(その信号レベルがLo→Hiに変化する)ことに
なる。これは、エネルギー量一定モードの場合には要求
信号SAを用いずとも、先の要求信号LAのみで十分に
PGR動作、HI動作の実行の要否を判定できるためで
あり、またイニシャライズ動作中は上記関係(図6)を
作成、もしくは更新している途中だからである。さらに
上記理由から、主制御系9は光量モニタ部5の出力から
上記関係(図6)を常時求めておく必要はなく、露光動
作中に先の露光量制御ロジックに従って上記関係が更新
される際に、この更新された関係に基づいて要求信号S
Aの信号レベルを変化させるか否かを判断するだけで良
い。
【0126】さらに主制御系9は、例えば1つのショッ
ト領域の露光中にPGR動作、HI動作が開始されるの
を防止するため、露光装置本体側の露光シーケンス上で
の動作状態に対応して、ガス供給制御部24に入力する
上記動作の実行を禁止するための信号SBのレベルを変
化させる。本実施例では、露光量制御ロジックに従った
印加電圧制御モードによるウエハ露光、及び印加電圧と
レチクル(またはウエハ)面上に照射されるパルス光の
エネルギー量との関係に関する情報(図6)を作成、ま
たは更新するためのデータ収集(イニシャライズ)を実
行している間は上記動作の実行を禁止するように、禁止
信号SBの信号レベルを、例えばHiにしておき、1つ
のショット領域ないし1枚のウエハに対する露光動作、
またはイニシャライズ動作が終了した時点で、信号レベ
ルをHi→Loに変化させる。尚、禁止信号SBは露光
動作、またはイニシャライズ動作が開始される時点で、
その信号レベルがLo→Hiに変化する。
【0127】さて、以上の4つの信号LA、LB、SA
、SBはガス供給制御部24、すなわち本実施例ではそ
の内部に設けられた判定回路に入力し、ここでPGR動
作、HI動作を実行するか否かが決定される。ガス供給
制御部24は、判定回路にて上記動作の実行が決定され
る、すなわちその出力信号のレベルが変化した時点で、
PGR動作、またはHI動作を実行する。図10はPG
R動作、またはHI動作を実行するタイミング(時期)
を決定するための判定回路の一例を示すブロック図であ
って、要求信号LA、SAはOR回路51に入力する一
方、禁止信号LB、SBはNOR回路52に入力してい
る。従って、判定回路50において要求信号LA、SA
の少なくとも一方の信号レベルがHiとなり、かつ禁止
信号LB、SBの信号レベルが共にLoとなった時のみ
、AND回路53からの信号REQ.のレベルがLo→
Hiに変化することになり、この時点でガス供給制御部
24はPGR動作、またはHI動作を開始することにな
る。ここで、上記信号REQ.のレベルがLo→Hiに
変化した時点で、エキシマレーザ光源1のシャッターS
Hは駆動され、ガス供給制御部24はシャッターSHが
閉じた時点で上記動作、すなわちレーザチャンバーへの
ガス注入等を開始する。
【0128】次に、図11を参照して本実施例による露
光装置の動作を説明する。図11は本実施例における動
作のタイムチャートの一例を示すものである。まず、以
上までに説明を行っていない信号の機能について簡単に
述べる。 (1)信号EXT.TRG.(EXTERNAL  T
RIGGER) 露光装置本体からエキシマレーザ光源1へのレーザ光発
振のトリガ信号であり、レーザ光源側は本信号の検出に
よりレーザ光を発振する。トリガ信号1つが、1パルス
のレーザ光発振に対応する。 (2)信号STEP.ST.(STEPPER  ST
ATUS) 露光装置本体からエキシマレーザ光源へ、その動作モー
ドを指令するレベル信号であり、Loの時、エキシマレ
ーザ光源1は露光装置本体からのEXT.TRG.信号
に同期してレーザ光を1パルスずつ放出する。本信号が
Hiの時のエキシマレーザの動作モードは、次の2通り
がある。判定回路50からの信号REQ.がLoになっ
ている間、すなわちエキシマレーザ光源1に対するPG
R動作、またはHI動作の実行命令がない間に本信号が
Lo→Hiに変化すると、エキシマレーザ光源1はレー
ザ光放出口にあるシャッターSHを閉じ、適当な低い周
波数で自己発振して露光パルスエネルギー、絶対波長等
のロックを行う。また、信号REQ.がHiの時に本信
号がLo→Hiに変化すると、エキシマレーザ光源1は
シャッターSHを閉じ、PGR動作、またはHI動作を
実行する。
【0129】尚、イニシャライズ動作(またはPGR、
HI動作)を実行するに際して投影レンズPLの下にウ
エハWがある場合、主制御系9はステージコントローラ
(不図示)へ与える信号SDをLo→Hiに変化させ、
XYステージ32X、32Yを所定の退避位置まで移動
する。ここで、図11(A)、(C)〜(H)及び(J
)は、信号EXT.TRG、要求信号LA、禁止信号L
B、要求信号SA、禁止信号SB、信号REQ.、信号
STEP.ST及び信号SDの状態、図11(B)はエ
キシマレーザ光源1の発振モードを表している。図11
(I)はエキシマレーザ光源1のシャッターSHの位置
状態、図11(K)はXYステージ32X、32Yの位
置状態を示している。尚、図11(F)に示す禁止信号
SBから明らかなように、ここでは少なくとも1つのシ
ョット領域の露光中にはPGR動作、またはHI動作を
実行しないようになっている。また、本シーケンスでは
HI動作のみを行う場合について述べる。
【0130】ところで、図11(H)において信号ST
EP.ST.がLoとなっている期間は、通常のウエハ
露光の実行を示し、Hiとなっている期間は、露光装置
本体がエキシマレーザ光源1に対して数秒、もしくはそ
れ以上の間、発光トリガを送出しない動作、例えばウエ
ハ交換、レチクルアライメント系30X、30Yによる
レチクルアライメント、またはウエハアライメント系3
4によるウエハアライメント等の動作を実行している状
態を示している。上記信号がLoとなっている期間では
、1枚のウエハに対してステップアンドリピート方式で
各ショット領域毎に露光が繰り返されるが、この時図1
1(A)に示した信号EXT.TRG.のトリガパルス
列の各集合S1 、S2 、S3 が1ショットの露光
に対応している。
【0131】さて、図11(A)に示すように露光装置
本体(主制御系9)は、1枚目のウエハW1 に対する
露光を終了すると、信号STEP.ST.をLo→Hi
に変化させる(a)。これを認識したエキシマレーザ光
源(制御系25)はシャッターSHを閉じ始め(b)、
シャッターSHが完全に閉じた時点で、数Hz以下の低
い周波数で自己発振を開始して(c)、絶対波長等のロ
ック(フィードバック制御)を行う。露光装置本体は、
エキシマレーザ光源が自己発振している間に前述の発光
トリガを送出しない動作を行った後、信号STEP.S
T.をHi→Loに変える(d)。これを認識したエキ
シマレーザ光源は自己発振を停止させた後、シャッター
SHを開き始める(e)。露光装置本体は、シャッター
SHが完全に開いた時点で、次のウエハW2 に対する
露光動作を開始すべく、信号EXT.TRG.としてト
リガパルス列の集合S2を出力する。尚、トリガパルス
列S1 、S2 、S3 の間はXYステージ32X、
32Yのステッピングである。
【0132】ところで、上記の如き露光装置本体の露光
シーケンスとは非同期に、エキシマレーザ光源1はPG
R動作、またはHI動作を実行する必要性が生じる。そ
こで、露光装置本体はウエハ上の各ショット領域の露光
を開始する前に、図11(G)に示す信号REQ.の状
態をチェックし、その信号レベルがLoならば、次ショ
ットの露光を実行する。一方、トリガパルス列S2 の
送出中、すなわち2枚目のウエハW2 の2番目のショ
ット領域の露光中に、図11(C)に示すエキシマレー
ザ光源側の要求信号LAがLo→Hiに変化した場合(
f)、エキシマレーザ光源は信号LAに同期してHI動
作を開始するのではなく、信号REQ.がLo→Hiに
変化した時点、すなわち2番目のショット領域の露光が
終了した時点で、HI動作の実行を開始する(g)。 ここで、要求信号LAがLo→Hiに変化した時、図1
1(D)に示す禁止条件LBはLoになっているが、図
11(F)に示す禁止条件SBはHiとなっている。
【0133】さて、ここでは2番目のショット領域を露
光中に要求信号LAがLo→Hiに変化しているため、
露光装置本体は2番目のショット領域の露光終了後(3
番目のショット領域へXYステージ32X、32Yをス
テッピングさせる前)、信号REQ.をチェックしてそ
のレベルがHiになっていることを認識する。これによ
り、露光装置本体のシーケンスは3番目のショット領域
へのステッピングを中断し、信号STEP.ST.をL
o→Hiに変える(h)。エキシマレーザ光源は信号R
EQ.がLo→Hiに変化した時は、それをHI動作の
開始指令と認識し、露光装置本体からの信号STEP.
ST.によりシャッターSHを閉じ始める(i)。この
際、露光装置本体は信号SDもLo→Hiに変化させ(
j)、XYステージ32X、32Yを所定の退避位置ま
で移動しておく(k)。エキシマレーザ光源は、シャッ
ターSHが完全に閉じた後、適切な周波数(例えば(c
)の場合よりは高い周波数)で自己発振しながらHI動
作を実行する(l)。
【0134】しかる後、エキシマレーザ光源はHI動作
(ハロゲンガス注入)が終了した時点で、自己発振を停
止して信号REQ.をHi→Loに変化させる(m)。 これを認識した露光装置本体は、エキシマレーザ光源に
対するイニシャライズ動作の開始指令として、信号ST
EP.ST.をHi→Loに変える(n)。さらに、こ
れを認識したエキシマレーザ光源はシャッターSHを開
き始め(o)、シャッターSHが完全に開いた時点で、
露光装置本体はイニシャライズ動作(図6に示した関係
を作成するためのデータ収集)を開始する(p)。そし
て上記動作が終了した時点で、露光装置本体は信号SD
をHi→Loに変化させ(q)、XYステージを駆動し
てウエハW2 を所定の露光位置まで移動した後(r)
、信号EXT.TRG.としてトリガパルス列S2 を
送出して、3番目以降のショット領域の露光を開始する
【0135】尚、ここではHI動作終了後に、レーザチ
ャンバー内のハロゲンガス濃度が所定値以上になってい
るため、図11(D)では禁止信号LBがLo→Hiに
変化している。また、上記シーケンスではシャッターS
Hを閉じ始める(i)と同時に、XYステージも退避位
置まで移動し始めるが(j)、XYステージはイニシャ
ライズ動作を開始する前までに退避位置まで移動させて
おけば良い。
【0136】さらに2枚目のウエハW2 に対する露光
を終了すると、露光装置本体は上記動作と同様に信号S
TEP.ST.をLo→Hiに変える(s)。これを認
識したエキシマレーザ光源はシャッターSHを閉じ始め
(t)、シャッターSHが完全に閉じた時点で、数Hz
以下の低い周波数で自己発振を開始して(u)、絶対波
長等のロックを行う。露光装置本体は、この間にウエハ
交換、ウエハアライメント系34による基準マーク板F
M上のバーマークの検出等の動作を行った後、信号ST
EP.ST.をHi→Loに変える(v)。これを認識
したエキシマレーザ光源は自己発振を停止させた後、シ
ャッターSHを開き始める(w)。露光装置本体は、シ
ャッターSHが完全に開いた時点で可動ミラーM1 を
駆動するとともに、エキシマレーザ光源は発振モードを
印加電圧制御モードからエネルギー量一定モードへ切り
替える(x)。これによって、露光装置本体はエキシマ
レーザで基準マーク板FMを下方から照明することによ
り、レチクルRのスリットマークの投影位置を計測し(
y)、この計測値と先に求めたウエハアライメント系3
4のマーク検出位置からベースライン量を算出する。
【0137】しかる後、エキシマレーザ光源は発振モー
ドを印加電圧制御モードに切り替え(z)、露光装置本
体は次のウエハW3 に対する露光動作を開始すべく、
信号EXT.TRG.(トリガパルス列の集合S3 )
を出力する。以下、3枚目のウエハW3 の露光中に信
号REQ.がLo→Hiに変化したら、エキシマレーザ
光源は上記と全く同様の動作でHI動作を実行すれば良
い。
【0138】尚、上記シーケンスではHI動作について
説明したが、PGR動作についても全く同様に実行でき
ることは言うまでもない。またエキシマレーザ光源は、
レーザチャンバー内の混合ガスを全面的に交換する間に
、HI動作のみを複数回行うものであっても、複数回だ
けHI動作を行った後にPGR動作を行うという動作を
繰り返し行うものであっも構わない。さらに、エキシマ
レーザ光源側がPGR動作またはHI動作を開始したら
、露光装置本体側は待期状態、あるいはエキシマレーザ
光を用いない他の動作(ウエハ交換、ウエハアライメン
ト等)を優先的に実行するようにする。
【0139】以上のように、本実施例ではエキシマレー
ザ光源側と露光装置本体側との各々で、PGR動作また
はHI動作を実行するか否かを決定するための要求信号
と禁止信号とを作成し、これら4つの信号から判定回路
50が上記動作を実行するタイミングを決定している。 このため、1つのショット領域の露光中、もしくはハロ
ゲンガスが過多の状態で上記動作が実行されることがな
く、歩留り等を低下させることなく、最適なタイミング
で上記動作を実行することが可能となっている。
【0140】ここで図11(A)の(c)、(l)、(
u)では、シャッターSHが閉じている状態で、低い周
波数のもとでパルス光を発振させているが、これは1つ
には、エキシマレーザ光源内部の分光器に発振パルス光
の狭帯化後の波長変化を検出させる必要があるからであ
る。もう1つは、次のショット領域の露光に対するパル
スエネルギー設定のために、エキシマレーザ光源1内に
設けられたパワーモニター(光電素子)にパルス光を受
光させる必要があるからである。また、本実施例の信号
REQ.は露光装置本体への露光中断、または再開を意
味するので、エキシマレーザ光源1の絶対波長制御やス
ペクトル半値幅制御(狭帯化)がPGR動作、HI動作
時に、露光装置本体にとって不都合な挙動を示すことを
分光器等で検知するようにし、不都合な時は信号REQ
.をHiにすればその不都合を回避することが可能であ
る。
【0141】また、本実施例の信号REQ.による実行
指令(Lo→Hi)に対し、露光装置本体で実行中のシ
ーケンスが、PGR動作またはHI動作によるパルスエ
ネルギー変動に対して許容可能である場合は、そのシー
ケンスを中断してシャッターSHを閉じることなしに、
PGR動作またはHI動作を実行させても良い。さらに
、PGR動作またはHI動作要求とを別の信号線として
、露光装置本体のシーケンスが各々の実行要求に対し、
シャッターSHを閉じて各々の要求に対して実行するか
否かを判断するようにしても良い。
【0142】尚、シャッターSHは露光装置本体側に設
けても構わない。また、信号REQ.による実行指令発
生に対し、シャッターSHを閉じてPGR動作またはH
I動作を行う際のレーザ発生のトリガは、本実施例では
エキシマレーザ光源側の自己発振としているが、露光装
置本体からのトリガ信号(EXT.TRG.)により発
光するようにしても構わない。さらに上記シーケンスで
は、イニシャライズ動作時にXYステージを所定の退避
位置まで移動するようにしていたが、図1においてビー
ムスプリッターBS1 とレチクルRとの間の光路中に
シャッターを配置し、イニシャライズ動作時にはシャッ
ターにより光路の閉鎖を行うようにしても構わない。
【0143】次に、図12を参照して上記構成の装置の
別の露光シーケンスについて簡単に説明するが、ここで
は図11に示したシーケンスにはなかった動作のみにつ
いて述べる。尚、図12では1枚のウエハの露光を行っ
ている間は、PGR動作またはHI動作を実行しないよ
うになっている。すなわち、1枚のウエハの露光を行っ
ている間は、図12(F)に示す露光装置本体側の禁止
信号SBがHiとなっている。
【0144】さて、ここでは2枚目のウエハW2 の露
光中に、図12(E)に示す露光装置本体側の要求信号
SAがLo→Hiに変化しているため、露光装置本体は
2枚目のウエハW2 の露光終了後、信号REQ.をチ
ェックしてそのレベルがHiになっていることを認識す
る。 これにより、露光装置本体は信号STEP.ST.をL
o→Hiに変えるとともに、信号SDをLo→Hiに変
化させて、XYステージ32X、32Yをウエハ交換を
行うための所定位置まで移動し、ウエハW2 をXYス
テージ上から搬出しておく。エキシマレーザ光源は信号
REQ.がLo→Hiに変化した時は、それをHI動作
の開始指令と認識し、露光装置本体からの信号STEP
.ST.によりシャッターSHを閉じ始める。さらにエ
キシマレーザ光源は、シャッターSHが完全に閉じた後
、適切な周波数で自己発振しながらHI動作を実行する
【0145】しかる後、エキシマレーザ光源はHI動作
(ハロゲンガス注入)が終了した時点で、自己発振を停
止して信号REQ.をHi→Loに変化させる。これを
認識した露光装置本体は、エキシマレーザ光源に対する
イニシャライズ動作の開始指令として、信号STEP.
ST.をHi→Loに変える。さらに、これを認識した
エキシマレーザ光源はシャッターSHを開き始め、シャ
ッターSHが完全に開いた時点で、露光装置本体はイニ
シャライズ動作(図6に示した関係を作成するためのデ
ータ収集)を開始する。そして上記動作が終了した時点
で、露光装置本体は信号SDをHi→Loに変化させる
とともに、3枚目のウエハW3 をXYステージ上にロ
ーディングした後、XYステージによりウエハW3 を
所定の露光位置まで移動する。しかる後、露光装置本体
は信号EXT.TRG.としてトリガパルス列S3 を
送出し、ショット領域の露光を開始する。尚、スループ
ットを考慮してイニシャライズ動作中に予め3枚目のウ
エハW3 をXYステージ上にローディングしておいて
も良い。しかしながら、このような場合にはイニシャラ
イズ動作に伴って投影レンズPLを介して照射されるパ
ルス光が迷光となってウエハW3 を感光させ得るので
、上記の如くイニシャライズ動作後にウエハW3 をX
Yステージ上にローディングすることが望ましい。
【0146】さらに3枚目のウエハW3 に対する露光
を終了すると、露光装置本体は信号STEP.ST.を
Lo→Hiに変化させる。これを認識したエキシマレー
ザ光源はシャッターSHを閉じ始め、シャッターSHが
完全に閉じた時点で、数Hz以下の低い周波数で自己発
振を開始して、絶対波長等のロックを行う。露光装置本
体は、エキシマレーザ光源が自己発振している間に、ウ
エハ交換、ウエハアライメント系34による基準マーク
板FM上のバーマークの検出等の動作を行った後、信号
STEP.ST.をHi→Loに変える。これを認識し
たエキシマレーザ光源は自己発振を停止させた後、シャ
ッターSHを開き始める。露光装置本体は、シャッター
SHが完全に開いた時点で可動ミラーM1 を駆動し、
エキシマレーザ光源は発振モードを印加電圧制御モード
からエネルギー量一定モードへ切り替える。これによっ
て、露光装置本体はエキシマレーザで基準マーク板FM
を下方から照明することにより、レチクルRのスリット
マークの投影位置を計測し、この計測値と先に求めたウ
エハアライメント系34のマーク検出位置からベースラ
イン量を算出する。
【0147】ここで、エネルギー量一定モードにてレチ
クルRのスリットマークの投影位置を計測している際、
すなわち露光装置本体が図12(A)に示すトリガパル
ス列S’を出力している際、図12(C)に示すエキシ
マレーザ光源側の要求信号LAがLo→Hiに変化して
いる。この時、図12(D)、(F)に示す禁止信号L
B、SBは共にLoとなっている。従って、要求信号L
AがLo→Hiに変化した時点で、信号REQ.はLo
→Hiに変化するため、ベースライン計測中であっても
、エキシマレーザ光源は直ちにHI動作を実行する。 この際、当然ながらエキシマレーザ光源はシャッターS
Hを閉じない。そして、HI動作が終了して信号REQ
.がHi→Loに変化した時点で、エキシマレーザ光源
側の要求信号LAもHi→Loに変化する。しかる後、
エキシマレーザ光源はベースライン計測が終了した時点
で発振モードを印加電圧制御モードに切り替え、イニシ
ャライズ動作を行って、露光装置本体は次のウエハW4
 に対する露光動作を開始すべく、信号EXT.TRG
.(トリガパルス列の集合S4 )を出力する。
【0148】以上のように、上記シーケンスにおいても
1枚のウエハの露光中、もしくはハロゲンガスが過多の
状態で上記動作が実行されることがなく、歩留り等を低
下させることなく、最適なタイミングで上記動作を実行
することが可能となっている。尚、図11、図12に示
したタイムチャートでは、それぞれウエハW3 、W4
 への露光を開始する前にベースライン計測を行ってい
たが、ベースライン計測はウエハ交換毎に行っても、ま
たはレチクル交換時のみに行うこととしても構わない。
【0149】さて、上記実施例では図9に示す如くエキ
シマレーザ光源1への印加電圧とその印加電圧のもとで
実際に発振されるパルス光のレチクル面上でのエネルギ
ー量との関係が、所定の判定基準となる関係に達した時
点で、露光装置本体側の要求信号SAをLo→Hiに変
化させるものとした。ここで、上記実施例では予め1シ
ョット当たりの露光パルス数Nexp 、減光率β等を
定めているため、減光率がβ<1であれば(但し、露光
パルス数Nexp は一定とする)、上記関係が判定基
準に近づいた時点で減光率βを大きくすることにより、
印加電圧を下げることができる。つまり、PGR動作ま
たはHI動作の実施間隔を長くすることができる。従っ
て、減光率がβ<1である限りは、上記関係が判定基準
に近づいた時点で、減光率βを段階的(または連続的)
に大きくするようにしても良い。尚、上記実施例では露
光パルス数Nexp 、減光率βが共に一定であるもの
としている。 また、減光率βを変える場合には、再度パルスエネルギ
ーPav(すなわち印加電圧)を調整する必要があるこ
とは言うまでもない。さらに、減光率βが1になった場
合でも、露光パルス数Nexpを大きくすれば、減光率
βを変化させる場合と全く同様の効果を得ることができ
る。 しかしながら、露光パルス数Nexp を大きくすると
、スループットが低下するため、実際には減光率βが1
となり、かつ上記関係が判定基準に達した時点で、要求
信号SAをLo→Hiに変化させることが望ましい。尚
、上記の如く減光率β、さらには露光パルス数Nexp
 を変化させた場合には、PGR動作またはHI動作を
実行した後で、再度減光率β及びパルスエネルギーPa
v(印加電圧)、さらには露光パルス数Nexp まで
も設定し直す必要がある。
【0150】さらに本実施例では、ウエハ露光時には常
にエキシマレーザ光源1の発振モードが印加電圧制御モ
ードであるものとした。しかしながら、印加電圧制御モ
ードにより少ないパルス数(干渉パターンの平滑化と所
望の露光量制御精度とを達成するのに必要なパルス数)
で1ショットの露光を行うことが有効なのは、比較的感
度の高いレジストに対して露光を行う場合である。比較
的感度の低いレジストに対しては、1ショットの露光に
際して十分なパルス数を必要とするため、印加電圧制御
モードで露光を行わなくとも、多数のパルス光の照射に
よる平均化により十分な露光量制御精度を達成すること
ができる。従って、レジストの感度に応じて発振モード
を印加電圧制御モードとエネルギー量一定モードとに切
り替えるようにしても良いことは勿論のことである。
【0151】また、上記実施例では投影レンズを用いた
露光装置、いわゆるステッパーについて説明したが、本
発明は他のいかなる型式、方式の露光装置でも全く同様
に適用できるものである。さらに、レーザ光源としては
希ガスハライドを用いるエキシマレーザとしたが、レー
ザチャンバー内の部分ガス交換、ガス注入、ガス循環等
を必要とする他のレーザ光源を用いても同様の効果が得
られる。
【0152】
【発明の効果】以上のように、本発明ではレーザ光源と
露光装置本体との各々での動作状態から、部分ガス交換
、ガス注入を実行するタイミングを決定しているため、
少なくとも1つのショット領域の露光中はガス注入等が
行われることがなく、しかも印加電圧(充電電圧)とそ
の印加電圧のもとで射出されたパルス光のマスクまたは
感応基板面上でのエネルギー量(ドーズ量)との関係に
関する情報を、ガス注入等が実行されるたびに更新して
いるため、ガス注入等が実行された後であっても、常に
良好な露光量制御を行うことができるといった利点が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による露光装置の概略的な構成
を示す斜視図。
【図2】図1に示した露光装置の制御系のブロック図。
【図3】減光部に適用するのに好適な回転ターレット板
の一例を示す構成図。
【図4】図3に示した回転ターレット板により減光を行
う場合の減光素子の回転量と透過率との関係を示す図。
【図5】オプチカルインテグレータ(フライアイレンズ
)へ入射するビームとその2次光源像(スポット光)と
の関係を模式的に示す図。
【図6】エキシマレーザ光源への印加電圧とその印加電
圧のもとで射出されるパルス光のレチクル(またはウエ
ハ)面上での光量(パルスエネルギー)との関係の一例
を表す図。
【図7】本発明の実施例による露光装置の動作の一例を
示す概略的なフローチャート図。
【図8】本発明の実施例における露光量制御の様子を示
すグラフ。
【図9】露光装置本体側での部分ガス交換またはガス注
入の実行を要求する信号の作成について説明する図。
【図10】部分ガス交換またはガス注入を実行するタイ
ミング(時期)を決定するための判定回路の一例を示す
ブロック図。
【図11】本発明の実施例による露光装置での動作の一
例を表すタイムチャート。
【図12】本発明の実施例による露光装置での別の動作
を表すタイムチャート。
【符号の説明】
1…エキシマレーザ光源 5…光量モニタ部 6…演算器 7…メモリ 8…入出力装置 9…主制御系 10…トリガ制御部 11…印加電圧制御部 12…減光制御部 13…干渉パターン制御部 15…減光部 16…回転ターレット板 17…干渉パターン低減部 19…フライアイレンズ 24…ガス供給制御部 34…ウエハアライメント系 50…判定回路 R…レチクル PL…投影レンズ W…ウエハ SH…シャッター FM…基準マーク板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  部分ガス交換、もしくはガス注入を必
    要とし、発振のたびに所定の範囲内でエネルギー変動を
    伴う可干渉性のパルス光を射出するレーザ光源と、該レ
    ーザ光源に対する印加電圧を調整する手段とを備え、該
    調整手段により所定のエネルギー量に制御された複数の
    パルス光をマスクに照射することによって、該マスクに
    形成されたパターンを所定の露光量で感応基板上に露光
    する装置において、前記感応基板に対する露光状態に対
    応して、前記レーザ光源の部分ガス交換、もしくはガス
    注入の要否に対応した信号を出力する第1の制御手段と
    ;前記レーザ光源の発振状態に対応して、前記レーザ光
    源の部分ガス交換、もしくはガス注入の要否に対応した
    信号を発生するとともに、該発生した信号と前記第1の
    制御手段から入力した信号とに基づいて、前記レーザ光
    源の部分ガス交換、もしくはガス注入の時期を検知して
    実行する第2の制御手段と;前記レーザ光源に対する印
    加電圧と、該印加電圧のもとで前記レーザ光源から射出
    されるパルス光の前記マスクまたは感応基板上でのエネ
    ルギー量との関係に関する情報を格納する記憶手段と;
    前記レーザ光源から実際に射出されたパルス光の前記マ
    スクまたは感応基板上でのエネルギー量を検出するエネ
    ルギー量計測手段と;所定の単位パルス数毎、もしくは
    単位時間毎、または前記部分ガス交換、もしくはガス注
    入が実行されるたびに、前記レーザ光源に与えられた印
    加電圧と前記エネルギー量計測手段にて検出されたエネ
    ルギー量とに基づいて前記記憶手段に格納された前記情
    報を更新する演算手段と;該更新された情報に基づいて
    、次に射出すべきパルス光のエネルギー量に対応する前
    記レーザ光源への印加電圧を決定する決定手段とを備え
    たことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】  部分ガス交換、もしくはガス注入を必
    要とし、発振のたびに所定の範囲内でエネルギー変動を
    伴う可干渉性のパルス光を射出するレーザ光源と、該レ
    ーザ光源に対する印加電圧を調整する手段とを備え、該
    調整手段により所定のエネルギー量に制御された複数の
    パルス光をマスクに照射することによって、該マスクに
    形成されたパターンを所定の露光量で感応基板上に露光
    する装置において、前記感応基板に対する露光状態に対
    応して、前記レーザ光源の部分ガス交換、もしくはガス
    注入の要否に対応した信号を出力する第1の制御手段と
    ;前記レーザ光源の発振状態に対応して、前記レーザ光
    源の部分ガス交換、もしくはガス注入の要否に対応した
    信号を発生するとともに、該発生した信号と前記第1の
    制御手段から入力した信号とに基づいて、前記レーザ光
    源の部分ガス交換、もしくはガス注入の時期を検知して
    実行する第2の制御手段と;前記レーザ光源の充電電圧
    を検出する充電電圧計測手段と;前記レーザ光源におけ
    るパルス発振時の充電電圧と、該充電電圧のもとで前記
    レーザ光源から射出されるパルス光の前記マスクまたは
    感応基板上でのエネルギー量との関係に関する情報を格
    納する記憶手段と;前記レーザ光源から実際に射出され
    たパルス光の前記マスクまたは感応基板上でのエネルギ
    ー量を検出するエネルギー量計測手段と;所定の単位パ
    ルス数毎、もしくは単位時間毎、または前記部分ガス交
    換、もしくはガス注入が実行されるたびに、前記充電電
    圧計測手段とエネルギー量計測手段との計測結果に基づ
    いて前記記憶手段に格納された前記情報を更新する演算
    手段と;該更新された情報に基づいて、次に射出すべき
    パルス光のエネルギー量に対応する前記レーザ光源への
    印加電圧を決定する決定手段とを備えたことを特徴とす
    る露光装置。
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