JP2011091168A - 太陽電池用リード線およびその製造方法並びにそれを用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池用リード線およびその製造方法並びにそれを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】セル割れ抑制効果および接合信頼性の高い太陽電池用リード線およびその製造方法並びにそれを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】平角状に形成された帯板状導電材12の表面に溶融はんだめっき層13を形成した太陽電池用リード線において、前記帯板状導電材12の引張り試験における0.2%耐力値が90MPa以下であり、かつ、前記溶融はんだめっき層13が平坦に形成されているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用リード線に係り、特に、太陽電池セルとの接合性に優れた太陽電池用リード線およびその製造方法並びにそれを用いた太陽電池に関するものである。
太陽電池には、半導体基板として多結晶及び単結晶のSiセルが用いられる。
図8(a)、図8(b)に示されるように、太陽電池100は、半導体基板102の所定の領域、すなわち半導体基板102の表面に設けられた表面電極104と裏面に設けられた裏面電極105に、太陽電池用リード線103a、103bをはんだあるいは接着剤で接合して作製される。半導体基板102内で発電された電力を太陽電池用リード線103を通じて外部へ伝送する。
図10(a)、図10(b)に示されるように、従来の太陽電池用リード線103は、帯板状導電材112とその帯板状導電材112の上下面に形成された溶融はんだめっき層113とを備える。帯板状導電材112は、例えば、円形断面の導体を圧延加工して帯板状にしたものであり、平角導体、平角線とも呼ばれる。
溶融はんだめっき層113は、帯板状導電材112の上下面に、溶融めっき法により溶融はんだを供給して形成したものである。
溶融めっき法は、酸洗等により帯板状導電材112の上下面を清浄化し、その帯板状導電材112を、溶融はんだ浴に通すことにより、帯板状導電材112の上下面にはんだを積層していく方法である。溶融はんだめっき層113は、帯板状導電材112の上下面に付着した溶融はんだが凝固する際に表面張力の作用によって、図10(b)に示されるように、幅方向側部から中央部にかけて膨らんだ形状、いわゆる山形に形成される。
この太陽電池用リード線103は溶融はんだめっき層113が山形に膨らんでいるため、ボビンに巻き取る際に安定した積層状態が得られ難く、巻き崩れが起こりやすい。また、巻き崩れによりリード線が絡まり、引き出されなくなることがある。
この太陽電池用リード線103を所定の長さに切断し、エアで吸着して半導体基板102の表面電極104の上に移動し、図8(a)、図8(b)に示すように、半導体基板102の表面電極104にはんだあるいは接着剤で接合する。表面電極104には、表面電極104と導通する電極帯(図示せず)が、あらかじめ形成されている。この表面電極104に太陽電池用リード線103aの溶融はんだめっき層113を接触させ、その状態ではんだ付けあるいはあらかじめ接着剤を塗布し接合を行う。太陽電池用リード線103bを半導体基板102の裏面電極105に接合する場合も同様である。
このとき、図10の太陽電池用リード線103は、溶融はんだめっき層113が膨らみ偏肉化しているため、エア吸着治具との接触面積が小さく吸着力が不十分で、移動の際に落下する問題がある。また、表面電極104と溶融はんだめっき層113との接触面積が小さくなる。表面電極104と溶融はんだめっき層113との接触面積が小さいと、半導体基板102から溶融はんだめっき層113への熱伝導が不十分になり、はんだ付け不良が生じる。
また、表面電極104と溶融はんだめっき層113との接触面積が小さいことは、半導体基板102の表裏両面に太陽電池用リード線103a、103bを接合する場合に、図8(b)に示すように、表面電極104にはんだ付けする太陽電池用リード線103aと裏面電極105にはんだ付けする太陽電池用リード線103bとの間に位置ズレを生じさせ、その位置ズレが原因でセル割れ(半導体基板102が割れること)が発生する。半導体基板102は高価であるので、セル割れは好ましくない。
半導体基板102の表面電極104と太陽電池用リード線103との良好なはんだ接合性を与えていたはんだ含浸工程の省略で、従来は接合性に問題の無かった太陽電池用リード線の中でも、十分な接合性の得られないケースが多く見られるようになった。半導体基板102と太陽電池用リード線103との接合は、表面電極104の電極材料(例えばAg)と溶融はんだめっき層113の接合材料(例えばSn)との間で金属間化合物(例えばAg3Sn)が形成されることでなされるが、このためには、フラックスの作用で溶融はんだめっき層113の表面と表面電極104の表面から酸化膜が除去されてはんだの金属原子(Sn)と電極の金属原子(Ag)とが直接衝突することと、加熱によりはんだ中のSn原子が他原子(Ag)への格子内に拡散しやすくなることが必要となる。すなわち、溶融はんだめっき層113表面の酸化膜の厚みが大きい場合、フラックスによる酸化膜除去が不十分となり、はんだ付け不良が生じることとなる。
表面電極104と溶融はんだめっき層113との接着力を増すために、表面に凹凸部を形成した帯板状導電材に平坦な被覆材を備えることで、表面電極との接触面積を増してモジュール出力の低下を抑制して信頼性を向上させる方法が提案されている(特許文献1)。
図9に示されるように、特許文献1の太陽電池用リード線93は、帯板状導電材92の表面に圧延あるいは切削あるいはエッチングにより凹凸部94を形成し、さらに溶融はんだめっき層83、84を平坦に形成している。このような太陽電池用リード線93を、図7(a)、図7(b)に示すように半導体基板52の表面電極54又は裏面電極55に対して溶融はんだめっき層83をはんだ付けすると、太陽電池用リード線93が半導体基板52に強固に接合され、太陽電池用リード線93が半導体基板52から外れ難く、耐久性に優れる。
国際公開WO2006/128203号パンフレット
前述のように、特許文献1の太陽電池用リード線93によれば、幅方向側部から中央部にかけてのめっき層83、84が平坦なため、表面電極54と裏面電極55に対する位置ずれも生じにくく、位置ずれによるセル割れは起こりにくい。しかし、はんだあるいは樹脂で表面電極54と裏面電極55に接合する際の温度変化により図7(c)に示すようにセルが反りやすく、そのため太陽電池用リード線93が剥がれやすくなるので、モジュール出力が低下する問題が残っている。
太陽電池は、そのコストの大半を半導体基板が占めるため、半導体基板の薄型化が検討されているが、薄型化された半導体基板は電極への接合時に反りやすく、割れやすい。例えば、半導体基板の厚みが200μm以下になると反りによるセル割れや平角線の剥離が生じる割合が大きくなる。
太陽電池用リード線が原因で半導体基板にセル割れや平角線の剥離によるモジュール出力の低下が発生するようでは、半導体基板の薄型化は望めない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、セル割れ抑制効果および接合信頼性の高い太陽電池用リード線およびその製造方法並びにそれを用いた太陽電池を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、平角状に形成された帯板状導電材の表面に溶融はんだめっき層を形成した太陽電池用リード線において、前記帯板状導電材の引張り試験における0.2%耐力値が90MPa以下であり、かつ、前記溶融はんだめっき層が平坦に形成されていることを特徴とする太陽電池用リード線である。
請求項2の発明は、帯板状導電材の表面に溶融はんだを供給して溶融はんだめっき層を形成した太陽電池用リード線において、めっき温度を使用はんだの液相線温度+120℃以下にし、前記溶融はんだめっき層の表面の酸化膜の厚さを7nm以下にしたことを特徴とする請求項1記載の太陽電池用リード線である。
請求項3の発明は、上記帯板状導電材は、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の平角線である請求項1又は2記載の太陽電池用リード線である。
請求項4の発明は、上記帯板状導電材は、Cu、Al、Ag、Auのいずれかからなる請求項1〜3いずれか記載の太陽電池用リード線である。
請求項5の発明は、上記帯板状導電材は、タフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、純度99.9999%以上の高純度Cuのいずれかからなる請求項1〜4いずれか記載の太陽電池用リード線である。
請求項6の発明は、上記溶融はんだめっき層は、Sn系はんだ、又は、第1成分としてSnを用い、第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1つの元素を0.1mass%以上含むSn系はんだ合金からなる請求項1〜5いずれか記載の太陽電池用リード線である。
請求項7の発明は、上記帯板状導電材を圧延またはスリット加工によって平角状に成形し、前記平角状に成形された帯板状導電材に熱処理を施して、前記帯板状導電材の引張り試験における0.2%耐力値を90MPa以下とし、この帯板状導電材の表面にはんだめっきを被覆し、該被覆した平角状に成形された帯板状導電材に対してはんだ溶融状態において、ロールで挟むことにより前記溶融はんだめっき層の表面を平坦に形成したことを特徴とする太陽電池用リード線の製造方法である。
請求項8の発明は、請求項1〜6いずれか記載の太陽電池用リード線を、その溶融はんだめっき層のはんだによって半導体基板の表面電極及び裏面電極にはんだ付け又は樹脂により接着したことを特徴とする太陽電池である。
本発明によれば、セル割れ抑制効果および接合信頼性が高い太陽電池用リード線を得ることができるという優れた効果を発揮するものである。
本発明の一実施形態を示し、(a)は太陽電池用リード線の平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は太陽電池用リード線の材料となる帯板状導電材の斜視概略図である。 本発明の他の実施形態を示し、(a)は太陽電池用リード線の平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 本発明の他の実施形態を示し、(a)は太陽電池用リード線の平面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。 本発明の他の実施形態を示し、(a)は太陽電池用リード線の平面図、(b)は(a)のD−D線断面図である。 本発明において、溶融はんだめっき層を形成する溶融めっき設備の概略図である。 本発明の太陽電池を示し、(a)は太陽電池の平面図、(b)は横断面図、(c)はリード線を表面電極に接合した縦断面図である。 従来の太陽電池を示し、(a)は太陽電池の平面図、(b)は横断面図、(c)はリード線を表面電極に接合した縦断面図である。 従来の太陽電池を示し、(a)は太陽電池の平面図、(b)は横断面図、(c)はリード線を表面電極に接合した縦断面図である。 従来の太陽電池用リード線を示し、(a)は太陽電池用リード線の平面図、(b)は(a)のE−E線断面図である。 従来の太陽電池用リード線を示し、(a)は太陽電池用リード線の平面図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1(a)、図1(b)に示されるように、本発明に係る太陽電池用リード線10は、帯板状導電材12の上下面に溶融はんだを供給し、はんだ浴出口でめっきした帯板状導電材12をはんだが溶融した状態で、上下面をロールではさみ、めっき厚を調整しつつ、上下の溶融はんだめっき層13、13を平坦に形成したものである。ここで「はんだが溶融した状態」とは固体と液体が共存する固液共存状態を示す。
帯板状導電材12は、素線(断面円形状の線材)を圧延加工することにより形成し、これを連続通電加熱炉又は連続式加熱炉又はバッチ式加熱設備で熱処理して形成される。
図1(c)は、帯板状導電材12の斜視図を示したもので、上面12aと下面12bとが平坦面にされ、側面12cが凸状に膨らんで形成され、端面12dが適宜の長さにカットされて形成される。
図5は、溶融はんだめっき層13、13を平坦に形成するための溶融めっき設備を示し、はんだ浴15内に帯板状導電材12を反転させて上方に向く反転ローラ16が設けられ、そのローラ16の上方に位置したはんだ浴15の上方に、上下一対のローラ17a、17b、18a、18bを設け、その上方に引き上げローラ19を設けて構成される。下部のローラ17a、17bは、はんだ溶融状態でめっき表面を平坦に形成する。
帯板状導電材12は、はんだ浴15に浸漬されることで上下面にはんだが供給され、反転ローラ16で反転されて上方に向い、下部ロール17a、17bで、めっき層が挟まれて平坦に形成される。上部ロール18a、18bで心材(Cu)の位置を調整することによって、図1(a)、図1(b)に示すように溶融はんだめっき層13、13を平坦に形成した太陽電池用リード線10が製造される。
帯板状導電材12に平坦な溶融はんだめっき層13a、13bを形成する為の上下のロール17a、17b、18a、18bは、はんだ浴15の出口で帯板状導電材12の上下面を挟むように配置され、その上下のロール17a、17b、18a、18bの間隔を微調整することで、溶融はんだめっき層13、13のめっき厚を調整することができる。また、はんだ溶融状態においてリード線をロールではさむ方法でめっきを平坦化する方法をとることで、ロール加工による帯板状導電材12への圧力を抑制し、加工硬化による耐力増大を抑えることができる。
図2〜図4は、本発明に係る太陽電池用リード線の他の形状を示したものである。
図2(a)、図2(b)の太陽電池用リード線20は、帯板状導電材12の上面12aの溶融はんだめっき層23を中央部23oを平坦に、両側部23sがアール状になるように形成し、下面12bの溶融はんだめっき層24を全体に平坦に形成したものである。
また図3(a)、図3(b)の太陽電池用リード線30は、帯板状導電材12の上面12aと下面12bの溶融はんだめっき層33、34の中央部33o、34oを平坦に、両側部33s、34sがアール状になるようにそれぞれ形成したものである。
図4の太陽電池用リード線40は、帯板状導電材42をスリット加工により下面42bが凹状になるように形成し、その帯板状導電材42の上下面42a、42bに、図5で説明した溶融めっき設備を用いて、それぞれ溶融はんだめっき層43、44を形成したものである。
この場合、下部溶融はんだめっき層44の両端部の厚さは、バリを考慮して5μm以上となるように下部溶融はんだめっき層44を形成する。
下面42bが凹状の帯板状導電材42は、特許文献1に記載されるように、平板をスリットして帯板を得る際に、スリッターの回転刃の間隔や回転速度を調整することで下面42bが凹状で、上面42aがやや凸状の帯板状導電材42とすることができる。
スリット加工による帯板状導電材42は、種々の幅の材料に対応できる。つまり、帯板状導電材42の幅が長手方向に均一でなくてもまた、幅が異なる多様な帯板状導電材42を使用する場合でも、スリット加工によって長尺で長手方向に幅が均一なものが形成できる。
この実施の形態においては、裏面配線のように幅広の導体が要求される場合には、スリット加工で成形した帯板状導電材42を用いる必要があるが、その端部のバリが接合時にセル割れを起こさないように端部のめっき厚を5μm以上とし、溶融はんだめっき層44を平坦に形成することで、さらにシャドウロス抑制に優れる(裏面配線としても適用可能な)太陽電池用リード線40が得られる。
図2〜図4に示した溶融はんだめっき層23、24、33、34、43、44の形状は、溶融はんだめっきの量と上下のロール17a、17b、18a、18bの間隔とその位置を調整することと、ロール17a、17bのロール接触パターンを変えることで形成できる。
すなわち、図5の溶融めっき設備で、帯板状導電材12の上下面に溶融はんだめっき層23、24、33、34、43、44が形成される際、帯板状導電材12の上下に走行する経路は、反転ローラ16と引き上げローラ19とで決定され、その経路に対して上下の各ロール17a、17b、18a、18bの位置と間隔を微調整することで、上部溶融はんだめっき層23、33、43の層厚と下部溶融はんだめっき層24、34、44の層厚が調整できると共に全体の層厚が調整でき、また全体の層厚は、先ず下部のロール17a、17bの間隔で最初の厚さが決定され、上部のロール18a、18bの間隔で芯材である帯板状導電材12の位置が決定される。
はんだめっき炉に対するロールの高さは、はんだめっきが完全に凝固しない位置に固定しているため、めっき表面はロール加工にて平坦な形状となる。また、溶融状態ではんだめっきが凝固する前に平坦部を形成するため、心材である帯板状導電材12は加工硬化せず、その0.2%耐力を低く維持できる。
この図2〜図4に示した帯板状導電材12の導体幅と電極幅が同等の場合に、供給するはんだ量を抑制することで、帯板状導電材と半導体基板との接合に寄与するはんだが過剰に表面電極、裏面電極との接合部に供給され、電極以外の部位に流出してセル受光面を小さくすることを防ぐ。これにより、シャドウロス抑制に優れる太陽電池用リード線が得ることができる。
このように本発明に係る太陽電池用リード線10、20、30、40は、半導体基板の表面電極及び裏面電極への設置が容易となるよう、及び接合時に必要な熱伝導が十分に確保されるように溶融はんだめっき層13、23、33、43に平坦部を形成したものである。さらに、はんだ溶融状態で凝固する前にめっき層を平坦に形成するため心材が加工硬化せず、低い0.2%耐力を維持でき、セルへの接続時にセル反りが生じにくい。セル反りが生じにくいため、セルが反った際のリード線の剥離が生じにくい。これにより、表面電極及び裏面電極に対して強固な接合(有効接合面積の広い接合)を可能にする。
帯板状導電材12には、例えば、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の平角線を用いる。
この平角線を圧延加工することによって図1(c)のような横断面形状の帯板状導電材12を得ることができる。
帯板状導電材12は、Cu、Al、Ag、Auのいずれか、あるいは、タフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、純度99.9999%以上の高純度Cuのいずれかからなる。
溶融はんだめっき層としては、Sn系はんだ(Sn系はんだ合金)を用いる。Sn系はんだは、成分重量が最も重い第1成分としてSnを用い、第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1つの元素を0.1mass%以上含むものである。
次に、本発明の効果を説明する。
図1(a)に示した太陽電池用リード線10を、図6に示す半導体基板52の表面電極54及び裏面電極55に接合するに際し、太陽電池用リード線10や半導体基板52の加熱温度は、溶融はんだめっき層13のはんだの融点付近あるいは接合に用いる樹脂の硬化温度付近に制御される。その理由は、太陽電池用リード線10の帯板状導電材12(例えば、銅)の熱膨張率と半導体基板(Si)の熱膨張率が大きく相違するためである。熱膨張率の相違によって半導体基板52に反り及びクラックを発生させる原因となる熱応力が生じる。この熱応力を小さくするには、リード線の0.2%耐力を小さくすればよい。これにより、接合の際に加熱されたリード線が冷却する際に、セルに生じる圧縮応力を下げられるためセルの反りが低減され、セル反りによって発生するリード線の剥離を防ぐことができる。よって、リード線の0.2%耐力は90MPa以下であることが望ましい。また、接合時の熱膨張歪みを小さくするため、接合温度は可能な限り低温で行うのがよい。よって、太陽電池用リード線10や半導体基板52の加熱温度は、溶融はんだめっき層13のはんだの融点付近の温度、あるいは、発生する熱応力をさらに小さくするために、はんだよりも低温接合可能な樹脂や導電性ペースト、異方性導電性フィルムの硬化温度に制御される。
上記接合時の加熱方法は、例えば、半導体基板52をホットプレート上に設置し、このホットプレートからの加熱と半導体基板52に設置された太陽電池用リード線10の上方からの加熱とを併用するものである。
半導体基板52の表面電極54及び裏面電極55と溶融はんだめっき層13との接触面積を大きくし、半導体基板52から溶融はんだめっき層13への熱伝導を十分にするためには、溶融はんだめっき層13を含む太陽電池用リード線10の形状が平角状で接触強度を得るため平坦なはんだめっき層を有するのが良い。そして、セル反りによるリード線の剥離を防ぐためには、リード線10の0.2%耐力が90MPa以下でなければならない。
しかし、図9に示した従来の太陽電池用リード線93は、圧延や切削ではんだ表面を加工しているため心材が加工硬化し、リード線の0.2%耐力が高いものとなる。また、従来の太陽電池用リード線は、はんだめっき層表面の酸化膜厚が厚いため、表面電極54とのはんだ接合時にフラックスによる酸化膜除去が不十分となり、はんだ付け不良が生じ、結果的に、機械的な剥離が起こる、導通不良で十分な出力が得られないなどの問題が生じる。よって、図7(c)に示したように、半導体基板52の表面電極54に接合する際に半導体基板に反りが生じる。このため、十分な導通が得られなくなり、モジュール出力が低下してしまう。
一方、本発明のリード線は0.2%耐力を低く抑えるためにはんだの平坦部形成をはんだの溶融状態で実施している。これにより、リード線のはんだめっきは加工硬化を生じることなく、低い耐力値を維持できている。
本発明は、溶融めっきを高速で行う際に生ずるめっき層の偏肉化をロール17、18で溶融はんだを絞り落とすことによって抑制できるため、所定のめっき厚形成を従来よりも高速で行うことができ、量産性にも優れている。その結果、本発明は、セル割れ抑制および接続信頼性に最も効果を有する太陽電池用リード線を提供することができる。
次に本発明に用いる帯板状導電材の材料の物性を表1に示す。
Figure 2011091168
帯板状導電材は、体積抵抗率が比較的小さい材料であることが好ましい。表1のように、帯板状導電材にはCu、Al、Ag、Auなどがある。
Cu、Al、Ag、Auのうち体積抵抗率が最も低いのはAgである。従って、帯板状導電材としてAgを用いると、太陽電池用リード線10を用いた太陽電池の発電効率を最大限にすることができる。帯板状導電材としてCuを用いると、太陽電池用リード線を低コストにすることができる。帯板状導電材としてAlを用いると、太陽電池用リード線10、20、30、40の軽量化を図ることができる。
帯板状導電材としてCuを用いる場合、そのCuには、タフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、純度99.9999%以上の高純度Cuのいずれを用いてもよい。帯板状導電材の0.2%耐力を最も小さくするためには、純度が高いCuを用いるのが有利である。よって、純度99.9999%以上の高純度Cuを用いると、帯板状導電材の0.2%耐力を小さくすることができる。タフピッチCu又はリン脱酸Cuを用いると、太陽電池用リード線を低コストにすることができる。
溶融はんだめっき層に用いるはんだとしては、Sn系はんだ、又は、第1成分としてSnを用い、第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1つの元素を0.1mass%以上含むSn系はんだ合金が挙げられる。
これらのはんだは、第3成分として1000ppm以下の微量元素を含んでいてもよい。
次に、本発明の太陽電池用リード線の製造方法を説明する。
まず、原料の断面円形状の線材(図示せず)を圧延加工することにより、帯板状導電材を形成する。この帯板状導電材を連続通電加熱炉又は連続式加熱炉又はバッチ式加熱設備で熱処理する。その後、図5に示しためっきラインを用いて溶融はんだを供給して、溶融はんだめっき層に平坦部を形成する。
これに対し、従来の太陽電池用リード線はめっき後に、はんだめっきが凝固した状態で、圧延、切削などにより、めっき表面に平坦部を形成している。圧延、切削による加工を施した場合、リード線の心材にも少なからず加工硬化が生じるため、リード線の0.2%耐力が増大してしまう。
ここで、はんだ浴の温度は、使用はんだの融点よりも高めに設定する必要があるが、溶融状態でははんだ中のSnが容易に拡散して空気中の酸素と結びつき、酸化膜生成が顕著に進む。また、製造雰囲気の温度や湿度の高さも酸化膜生成促進に寄与する。よって、はんだ浴の温度は使用はんだの液相線温度+120℃以下、めっき作業雰囲気の温度を30℃以下、めっき作業雰囲気の相対湿度を65%以下とすることが望ましい。ただし、はんだ浴の温度は接触式温度計により帯板状導電材のはんだ浴への入口あるいは出口から5cm以内、めっき作業雰囲気の温度と相対湿度はめっき作業ラインより5mの位置の測定値を示す。
また、作製した太陽電池用リード線を酸素透過度1ml/m2・day・MPa以下、透湿度0.1g/m2・day以下の梱包材で梱包、あるいは未梱包もしくは梱包材開封状態であっても温度30℃以下、相対湿度65%以下の条件下で保管すれば、酸化膜厚の成長を7nm以下に抑制することができる。
従来の太陽電池用リード線はめっき後に、はんだめっきが凝固した状態で、圧延、切削などにより、めっき表面に平坦部を形成している。圧延、切削による加工を施した場合、リード線の心材にも少なからず加工硬化が生じるため、リード線の0.2%耐力が増大してしまう。
一般に、固体や液体の内部では、内部分子同士に分子間力が働いているため、できるだけ小さくなろうとする性質がある。表面の分子は片側が異なる分子に囲まれているため、高い内部エネルギー状態にあり、その過剰なエネルギーを安定した状態にしようとする。空気と接するはんだ(液体)の場合、空気中の分子間力ははんだ中の分子間力に比べて極めて小さいため、はんだ表面の分子は空気側の分子からは引っ張られず、はんだ内部の分子からのみ引っ張られることになる。よって、はんだ表面の分子は常にはんだの中に入っていこうとし、その結果、はんだ表面は最も表面積の少ない(はんだを構成する元素の少ない)球状になろうとする。
このような表面積を小さくするように働く力(表面張力)によって、図1〜図4に示した本発明の太陽電池用リード線10〜40および図10に示した平坦部の無い従来の太陽電池用リード線103は、帯板状導電材の上下面に曲面で構成された凹凸部ないし山形に膨らんだ形状で凝固した溶融はんだめっき層が形成される。球状になるはずのはんだが球状にならないのは、はんだに帯板状導電材との界面の相互作用力(はんだと帯板状導電材の界面張力)がかかっているからである。
原料を帯板状導電材に加工する加工方法としては、圧延加工、スリット加工のいずれも適用可能である。圧延加工とは、丸線を圧延して平角化する方式である。圧延加工により帯板状導電材を形成すると、長尺で長手方向に幅が均一なものが形成できる。スリット加工は、種々の幅の材料に対応できる。つまり、原料導電材の幅が長手方向に均一でなくても、幅が異なる多様な原料導電材を使用する場合でも、スリット加工によって長尺で長手方向に幅が均一なものが形成できる。
帯板状導電材を熱処理することにより、帯板状導電材の軟化特性を向上させることができる。帯板状導電材の軟化特性を向上させることは、0.2%耐力を低減させるのに有効である。熱処理方法としては、連続通電加熱、連続式加熱、バッチ式加熱がある。連続して長尺にわたって熱処理するには、連続通電加熱、連続式加熱が好ましい。安定した熱処理が必要な場合には、バッチ式加熱が好ましい。酸化を防止する観点から、窒素などの不活性ガス雰囲気あるいは水素還元雰囲気の炉を用いるのが好ましい。
不活性ガス雰囲気あるいは水素還元雰囲気の炉は、連続通電加熱炉又は連続式加熱炉又はバッチ式加熱設備により提供される。
次に、本発明の太陽電池について詳しく説明する。
図6(a)及び図6(b)に示されるように、本発明の太陽電池50は、これまで説明した太陽電池用リード線10(又は20、30、40)を溶融はんだめっき層13のはんだあるいは樹脂によって半導体基板52の表面電極54及び裏面電極55に接合したものである。ただし、はんだ接合の場合には、はんだめっき表面の酸化膜厚を7nm以下とすることが望ましい。酸化膜の厚さが7nmを超えると、セル上の電極に太陽電池用リード線をはんだ接合する際、酸化膜の除去が難しくなり、電極に対する太陽電池用リード線のはんだ付けが不十分になる。酸化膜の厚さは例えばオージェ分析によって得られるデプスプロファイル(スパッタ時間(sec)vs.組成比(at%))において、スパッタレートをSiO2 換算とし、酸素ピーク値が半減する時間で定義することができる。はんだめっき表面の酸化膜厚を7nm以下とする方法としては、めっき温度を使用はんだの液相線温度+120℃以下に設定して溶融めっきを行う方法がある。
太陽電池用リード線10と表面電極54との接合面となる溶融はんだめっき層が平坦に形成されているため、半導体基板52の電極上において太陽電池用リード線10の位置が安定し、位置ずれが防止されている。また、平坦部を有する電極との有効接触面積を大きくとれるため、接触抵抗を下げることができる。さらに、リード線の0.2%耐力を小さくしているため、接合時に半導体基板52が反りにくく、反りによるリード線の剥離が起こりにくい。
本発明の太陽電池50によれば、太陽電池用リード線10と半導体基板との有効接触面積が大きく、かつ、接合時のセル割れを抑制することができるので、太陽電池の出力の向上および歩留まりの向上が図れる。
(実施例1)
原料導電材であるCu材料を圧延加工して幅1.0mm、厚さ0.2mmの平角線状の帯板状導電材を形成した。この帯板状導電材を連続式加熱炉で熱処理し、さらに、この帯板状導電材の周囲に図5に示す溶融めっき設備(はんだ浴温度330℃、作業現場の温度30℃、作業現場の湿度65RH%)でSn−3%Ag−0.5%Cuはんだめっき(液相線温度220℃)を施して帯板状導電材の上下面に平坦部を有する溶融はんだめっき層(中央部のめっき厚20μm)を形成した(帯板状導電材は熱処理Cu)。以上により、図1の太陽電池用リード線10を得た。その後、直ちに酸化膜厚測定(オージェ分析)及び接合力測定を実施した。また、引張速度100mm/minの引張試験で得られたS−S曲線から0.2%耐力点荷重を求め、心材(Cu)の断面積で除して0.2%耐力を求めると60MPaであった。
(実施例2〜5、比較例1、実施例6〜8、比較例5)
実施例1の太陽電池用リード線10と同様に帯板状導電材を形成し、連続式加熱炉で加熱温度を変更して熱処理し(実施例4〜8、比較例6は同じ温度で熱処理)、さらに、この帯板状導電材の周囲に図5に示す溶融めっき設備(はんだ浴温度330℃、作業現場の温度30℃、作業現場の湿度65RH%)でSn−3%Ag−0.5%Cuはんだめっき(液相線温度220℃)を実施例2〜5、比較例1は実施例1と同じロール加工を施し、実施例6〜8はロールを調整しめっき量を変更し、比較例5はロールをまったく使用せずにはんだめっきを施し、帯板状導電材の上下面に、溶融はんだめっき層(中央部のめっき厚20μm)を形成した(導体は熱処理Cu)。以上により、実施例2〜5、比較例1は図1、実施例6は図2、実施例7は図3、実施例8は図4、比較例5は図10に示した太陽電池用リード線を得た。
実施例2〜8は作製した太陽電池用リード線を脱気したAl袋(静電防止PET 12μm/Al箔9μm/ナイロン15μm/静電防止LLDPE 50μm、酸素透過度1ml/m2・day・MPa、透湿度0.1g/m2・day)で梱包し、3ヶ月保管後、酸化膜厚測定(オージェ分析)及び接合力測定を実施した。比較例1は作製した太陽電池用リード線を梱包せずに、3ヶ月保管後酸化膜厚測定(オージェ分析)及び接合力測定を実施した。
0.2%耐力は、実施例2は70MPa、実施例3は80MPa、実施例4は90MPa、実施例5は90MPa、比較例1は100MPa、実施例6〜8は90MPa、比較例5は90MPaであった。
(比較例2〜5)
原料導電材であるCu材料を圧延加工して幅1.0mm、厚さ0.2mmの平角線状の帯板状導電材を形成した。この帯板状導電材を連続式加熱炉で熱処理し(実施例4〜8と同じ温度で熱処理)、さらに、この帯板状導電材の周囲に溶融めっき設備でSn−3%Ag−0.5%Cuはんだめっきを施して帯板状導電材の上下面に溶融はんだめっき層(中央部のめっき厚20μm)を形成した(導体は熱処理Cu)。その後、比較例2、3はフラット加工ロールで圧延、比較例4は切削加工によりはんだめっき層に平坦部を形成した。比較例2〜5は作製した太陽電池用リード線を梱包せずに、3ヶ月保管後酸化膜厚測定(オージェ分析)及び接合力測定を実施した。以上により、図9の太陽電池用リード線93を得た。0.2%耐力は、比較例2〜4は120MPa、比較例5は90MPaであった。
これら実施例1〜8及び比較例1〜5の太陽電池用リード線のはんだめっき表面の酸化膜厚をオージェ分析した結果、実施例1〜8はいずれも酸化膜厚が7nm以下と薄いのに対し、比較例1〜5はいずれも酸化膜厚が7nm以上と厚いことがわかった。ここで、酸化膜厚は、オージェ分析によって得られるデプスプロファイル(スパッタ時間(sec)vs.組成比(at%))において、酸素ピーク値が半減する時間で定義しており、次式で算出した。
酸化膜厚(nm)= SiO2換算スパッタレート(nm/min)
× 酸素ピーク値が半減する時間(min)
これら実施例1〜4、比較例1、実施例6〜8、比較例2、及び比較例4、5の太陽電池用リード線にロジン系フラックスを適量塗布し、それぞれの太陽電池用リード線を縦150mm×横150mm×厚み180μmの半導体基板(Siセル)の上面の電極部位に設置して、10gの錘を載せた状態でホットプレート加熱(260℃で30秒間保持)し、はんだ付けした。一方、実施例5、比較例3の太陽電池用リード線に導電性接着剤(Ag/エポキシ系)を塗布し、それぞれの太陽電池用リード線を縦150mm×横150mm×厚み180μmの半導体基板(Siセル)の上面の電極部位に設置して、10gの錘を載せた状態でホットプレート加熱(180℃で3分間保持)し、接合した。さらに、これら半導体基板にはんだ付けした太陽電池用リード線の半導体基板に対する接合力を評価するために、90゜剥離試験(試験速度:10mm/min、剥離長さ:15mm)を行った。
実施例1〜8及び比較例1〜5の評価結果を表2に示す。
Figure 2011091168
実施例1〜8及び比較例1〜5の酸化膜厚と接合力の評価結果を表3に示す。
Figure 2011091168
表2の「めっき平坦部形成方法」の欄は、平角線状の帯板状導電材の上下面に平坦部を形成する方法を示す。「断面形状」の欄は、どの図に示した断面形状であったかを示す。「0.2%耐力」の欄は、引張試験の結果得られたリード線の0.2%耐力を示す。「セル接続方法」の欄は、セル上電極へのリード線の接続方法(はんだあるいは接着剤)を示す。「接合面積」の欄は、リード線とセルを接合後、常温に戻った状態で、有効接合面積の割合をX線で評価した結果を示し、有効接合面積の割合90%以上を○、90%未満を×とした。なお、有効接合面積の割合は下記の式により算出した。「量産コスト」の欄は、従来の溶融めっきにかかるコストを1.0とし、製造コストが1.2未満の場合を○、1.2〜1.5を△、1.5を超える場合を×とした。
(有効接合面積の割合)=[(接合部面積の総和)/(リード線の投影面積)]
×100
表3の「酸化膜厚」の欄は、オージェ分析によるデプスプロファイル(スパッタ時間(sec)vs.組成比(at%))より求めた、はんだめっき表面の酸化膜の厚み(n=5の平均値)を示す。「接合力」の欄は、90゜剥離試験により銅板と太陽電池用リード線を引っ張り、どのくらいの引張力で引っ張ったときに接合が剥がれるか試験を行った結果を示し、○は引張力10N以上、×は引張力10N未満を示す。
「接合力」評価の結果、酸化膜厚が7nm以下の実施例1〜4、6〜8が接合力に優れるのに対し、酸化膜厚が7nm以上の比較例1、3、4、5は接合力に劣ることがわかった。
表2に示されるように、実施例1〜8の太陽電池用リード線は、0.2%耐力が低く、セル反りが少ないため、接合部面積の総和が大きいことが確認された。また、溶融めっきラインにおいて、溶融はんだに平坦部を形成する方法のため、量産コストが従来のはんだめっき線とほぼ同等であり、工業的に優れた方法である。また、通常、溶融めっき速度を上げることによって生じる、めっき厚の増加を抑えることも可能なため、生産性向上を図ることも可能である。
これに対し、実施例1〜8と同様の製造プロセスであっても、心材(Cu)の焼鈍温度を低くした比較例1では、リード線の0.2%耐力が高く、接合時のセル反りの影響で接合部面積の総和が小さくなる。比較例2〜4では、はんだめっきに平坦部を形成するために、圧延や切削加工を行ったため、リード線の心材(Cu)が加工硬化してリード線の0.2%耐力が高くなり、同様に接合時のセル反りの影響で接合部面積の総和が小さくなる。また、平坦部の加工を別の工程で行うため、量産コストも高くなってしまう。比較例5では、加工を入れないため0.2%耐力は低いものの、はんだめっきが山形の形状のため電極との接合部面積の総和が小さくなる。
以上のように、実施例1〜8及び比較例1〜5の評価結果から、本発明のリード線はセルとの有効接合面積を大きくできることが確認された。
10、20、30、40 太陽電池用リード線
12、42 帯板状導電材
13、23、24、33、34、43、44 溶融はんだめっき層

Claims (8)

  1. 平角状に形成された帯板状導電材の表面に溶融はんだめっき層を形成した太陽電池用リード線において、前記帯板状導電材の引張り試験における0.2%耐力値が90MPa以下であり、かつ、前記溶融はんだめっき層が平坦に形成されていることを特徴とする太陽電池用リード線。
  2. 帯板状導電材の表面に溶融はんだを供給して溶融はんだめっき層を形成した太陽電池用リード線において、めっき温度を使用はんだの液相線温度+120℃ 以下にし、前記溶融はんだめっき層の表面の酸化膜の厚さを7nm以下にしたことを特徴とする請求項1記載の太陽電池用リード線。
  3. 上記帯板状導電材は、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の平角線である請求項1又は2記載の太陽電池用リード線。
  4. 上記帯板状導電材は、Cu、Al、Ag、Auのいずれかからなる請求項1〜3いずれか記載の太陽電池用リード線。
  5. 上記帯板状導電材は、タフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、純度99.9999%以上の高純度Cuのいずれかからなる請求項1〜4いずれか記載の太陽電池用リード線。
  6. 上記溶融はんだめっき層は、Sn系はんだ、又は、第1成分としてSnを用い、第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1つの元素を0.1mass%以上含むSn系はんだ合金からなる請求項1〜5いずれか記載の太陽電池用リード線。
  7. 上記帯板状導電材を圧延またはスリット加工によって平角状に成形し、前記平角状に成形された帯板状導電材に熱処理を施して、前記帯板状導電材の引張り試験における0.2%耐力値を90MPa以下とし、この帯板状導電材の表面にはんだめっきを被覆し、該被覆した平角状に成形された帯板状導電材に対してはんだ溶融状態において、ロールで挟むことにより前記溶融はんだめっき層の表面を平坦に形成したことを特徴とする太陽電池用リード線の製造方法。
  8. 請求項1〜6いずれか記載の太陽電池用リード線を、その溶融はんだめっき層のはんだによって半導体基板の表面電極及び裏面電極にはんだ付け又は樹脂により接着したことを特徴とする太陽電池。
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