JP2011090197A - パターン形成方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

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宗泰 横田
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紘典 北
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Abstract


【課題】基板に形成されるパターンの不均一性を抑制できるパターン形成方法を提供する。
【解決手段】パターン形成方法は、投影光学系の像面に対して第1、第2基板を第1、第2位置に配置して積算露光量が第1値になるように第1、第2基板を露光することと、像面に対して第3、第4基板を第1、第2位置に配置して積算露光量が第2値になるように第3、第4基板を露光することと、像面に対して第5、第6基板を第1、第2位置に配置して積算露光量が第1値になるように第5基板を露光することと、第1乃至第4基板を第1時間で現像して第1乃至第4パターンを形成することと、第5、第6基板を第2時間で現像して第5、第6パターンを形成することと、第1乃至第6パターンに基づいて露光条件及び現像条件を決定することと、その露光条件で第7基板を露光することと、その現像条件で第7基板を現像することと、を含む。
【選択図】図21

Description

本発明は、パターン形成方法、及びデバイス製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイ等の電子デバイスの製造工程において、例えば下記特許文献に開示されているような、投影光学系からの露光光で感光性の基板に露光光を照射して、その基板にパターンの像を形成する露光装置が使用される。
特開2003−151880号公報
露光装置において、投影光学系の像面に対して基板の表面(露光面)が所期の位置に配置されない状態でその基板の露光が実行された場合、例えば基板に形成されるパターンの寸法が目標値に対してずれてしまう等、基板に形成されるパターンが不均一になる可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、基板に形成されるパターンの不均一性を抑制できるパターン形成方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、投影光学系からの露光光で感光性の基板に露光光を照射して基板にパターンを形成するパターン形成方法であって、投影光学系の像面に対して第1基板の露光面を第1位置に配置して、投影光学系の投影領域における積算露光量が第1値になるように、投影領域に照射された露光光により第1基板を露光することと、像面に対して第2基板の露光面を第1位置と異なる第2位置に配置して、投影領域における積算露光量が第1値になるように、投影領域に照射された露光光により第2基板を露光することと、像面に対して第3基板を第1位置に配置して、投影領域における積算露光量が第1値と異なる第2値になるように、投影領域に照射された露光光により第3基板を露光することと、像面に対して第4基板を第2位置に配置して、投影領域における積算露光量が第2値になるように、投影領域に照射された露光光により第4基板を露光することと、像面に対して第5基板を第1位置に配置して、投影領域における積算露光量が第1値になるように、投影領域に照射された露光光により第5基板を露光することと、像面に対して第6基板を第2位置に配置して、投影領域における積算露光量が第1値になるように、投影領域に照射された露光光により第6基板を露光することと、第1基板を第1時間で現像して、第1基板に第1パターンを形成することと、第2基板を第1時間で現像して、第2基板に第2パターンを形成することと、第3基板を第1時間で現像して、第3基板に第3パターンを形成することと、第4基板を第1時間で現像して、第4基板に第4パターンを形成することと、第5基板を第1時間と異なる第2時間で現像して、第5基板に第5パターンを形成することと、第6基板を第2時間で現像して、第6基板に第6パターンを形成することと、第1乃至第6パターンに基づいて、所定パターンに対応する露光条件及び現像条件を決定することと、所定パターンに対応する露光条件で、投影領域に照射された露光光により第7基板を露光することと、所定パターンに対応する現像条件で、第7基板を現像することと、を含むパターン形成方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様のパターン形成方法を用いて基板にパターンを形成することと、パターンが形成された基板を加工することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、基板に形成されるパターンの不均一性を抑制できる。また、本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す斜視図である。 第1実施形態に係る投影領域と基板との関係を示す図である。 第1実施形態に係る第1投影領域と第2投影領域との位置関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る第1投影領域と第2投影領域との位置関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係るマスクのパターンと積算露光量との関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係るマスクのパターンと積算露光量との関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係るマスクのパターンと積算露光量との関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係るマスクのパターンと積算露光量との関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係るマスクのパターンと積算露光量との関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る感光膜のパターンの一例を示す模式図である。 第1実施形態に係るマスクのパターンと積算露光量との関係の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る現像により感光膜の寸法が変化する状態を説明するための模式図である。 第1実施形態に係るパターン形成方法の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るパターン形成方法の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るパターン形成方法の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る所定の露光条件及び所定の現像条件を決定するための手順の一例を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る所定の露光条件及び所定の現像条件を決定するための手順の一例を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る所定の露光条件及び所定の現像条件を決定するための手順の一例を説明するための模式図である。 第2実施形態に係るマスクのパターンと積算露光量との関係の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係るマスクのパターンと積算路光量との関係の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係るパターン形成方法の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る所定の露光条件及び所定の現像条件を決定するための手順の一例を説明するための模式図である。 第2実施形態に係る所定の露光条件及び所定の現像条件を決定するための手順の一例を説明するための模式図である。 本実施形態に係るデバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を概略的に示す斜視図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を計測する干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明システムISと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影システムPSと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。基板Pは、感光性の基板であって、例えばガラスプレート等の基材と、その基材上に形成された感光膜(塗布された感光材)とを含む。本実施形態において、基板Pは、大型のガラスプレートを含み、その基板Pの一辺のサイズは、例えば500mm以上である。本実施形態においては、基板Pの基材として、一辺が約3000mmの矩形のガラスプレートを用いる。
本実施形態において、投影システムPSは、複数の投影光学系を有する。照明システムISは、複数の投影光学系に対応する複数の照明モジュールを有する。また、本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しながら、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、所謂、マルチレンズ型スキャン露光装置である。
本実施形態において、投影システムPSは、7つの投影光学系PL1〜PL7を有し、照明システムISは、7つの照明モジュールIL1〜IL7を有する。なお、投影光学系及び照明モジュールの数は7つに限定されず、例えば投影システムPSが、投影光学系を11個有し、照明システムISが、照明モジュールを11個有してもよい。
以下の説明において、投影光学系PL1〜PL7のそれぞれを適宜、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7、と称し、照明モジュールIL1〜IL7のそれぞれを適宜、第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7、と称する。
照明システムISは、異なる7つの照明領域IR1〜IR7のそれぞれに露光光ELを照射可能である。照明領域IR1〜IR7は、第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7から射出される露光光ELが照射される照射領域に相当する。以下の説明において、照明領域IR1〜IR7を適宜、第1〜第7照明領域IR1〜IR7、と称する。
照明システムISは、第1〜第7照明領域IR1〜IR7のそれぞれを露光光ELで照明する。照明システムISは、第1〜第7照明領域IR1〜IR7に配置されたマスクMの一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。本実施形態においては、照明システムISから射出される露光光ELとして、水銀ランプ5から射出される輝線(g線、h線、i線)を用いる。
本実施形態において、照明システムISは、水銀ランプ5から射出された光を反射する楕円鏡6と、楕円鏡6からの光の少なくとも一部を反射するダイクロイックミラー7と、ダイクロイックミラー7からの光が入射するコリメートレンズ及び集光レンズを含むリレー光学系8と、リレー光学系8からの光を分岐して、第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7のそれぞれに供給するライトガイドユニット9とを備えている。
第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7のそれぞれは、ライトガイドユニット9からの光が供給されるコリメートレンズ、コリメートレンズからの光が供給されるフライアイインテグレータ、及びフライアイインテグレータからの光が供給されるコンデンサレンズを備えている。第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7それぞれのコンデンサレンズから射出された露光光ELは、第1〜第7照明領域IR1〜IR7に照射される。第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7のそれぞれは、第1〜第7照明領域IR1〜IR7を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明システムISは、第1〜第7照明領域IR1〜IR7に配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。
マスクステージ1は、マスクMを保持可能なマスク保持部10を有し、マスクMを保持した状態で、第1〜第7照明領域IR1〜IR7に対して移動可能である。本実施形態において、マスク保持部10は、マスクMの下面(パターン形成面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。マスクステージ1は、例えばリニアモータ等を含む駆動システムの駆動力によって移動可能である。本実施形態において、マスクステージ1は、駆動システムにより、マスク保持部10でマスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
投影システムPSは、異なる7つの投影領域PR1〜PR7に露光光ELを照射可能である。投影領域PR1〜PR7は、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7から射出される露光光ELが照射される照射領域に相当する。以下の説明において、投影領域PR1〜PR7を適宜、第1〜第7投影領域PR1〜PR7、と称する。
投影システムPSは、第1〜第7投影領域PR1〜PR7のそれぞれに、マスクMのパターンの像を投影する。投影システムPSは、第1〜第7投影領域PR1〜PR7に配置された基板Pの一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。
本実施形態において、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7のそれぞれは、例えば特許第4211272号に開示されているような、シフト調整機構、スケーリング調整機構、及び像面調整機構等を含む結像特性調整装置を有する。制御装置4は、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7のそれぞれが有する結像特性調整装置を制御して、第1〜第7投影領域PR1〜PR7それぞれの位置及び大きさ等を調整することができる。
基板ステージ2は、基板Pを保持可能な基板保持部11を有し、基板Pを保持した状態で、第1〜第7投影領域PR1〜PR7に対して移動可能である。本実施形態において、基板保持部11は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ2は、例えばリニアモータ等を含む駆動システムの駆動力によって移動可能である。本実施形態において、基板ステージ2は、駆動システムの作動により、基板保持部11で基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置を光学的に計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を光学的に計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置4は、干渉計システム3の計測結果に基づいて、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
上述のように、本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しながら、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する露光装置(マルチレンズ型スキャン露光装置)である。基板Pの露光時、制御装置4は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、XY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をX軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もX軸方向とする。制御装置4は、基板Pを投影システムPSの第1〜第7投影領域PR1〜PR7に対してX軸方向に移動するとともに、その基板PのX軸方向への移動と同期して、照明システムISの第1〜第7照明領域IR1〜IR7に対してマスクMをX軸方向に移動しつつ、照明システムISによりマスクMを露光光ELで照明し、投影システムPSを介して、マスクMからの露光光ELを基板Pに照射する。これにより、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7の第1〜第7投影領域PR1〜PR7に照射されたマスクMからの露光光ELで基板Pが露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
図2は、第1〜第7投影領域PR1〜PR7と、基板Pとの位置関係の一例を示す模式図であり、基板Pの表面を含む平面内の位置関係を示している。図2に示すように、本実施形態において、第1〜第7投影領域PR1〜PR7のそれぞれは、XY平面内において台形である。本実施形態において、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7による第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。また、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6による第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。
第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7は、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6に対して、−X側に配置されている。また、Y軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の間に、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6が配置される。
第1〜第7投影領域PR1〜PR7のそれぞれは、基板PにおけるX軸方向(走査方向)の積算露光量が等しくなるように配置されている。Y軸方向に関する第1〜第7投影領域PR1〜PR7の端部のそれぞれが、Y軸方向に関して重複するように配置され、X軸方向に関する投影領域の寸法の和が、同じになるように設けられている。
なお、本実施形態において、投影領域の端部とは、XY平面内において台形の投影領域のうち、X軸に対して傾斜するエッジを含む三角形の部分をいう。また、以下の説明において、端部以外の投影領域の長方形の部分を適宜、中央部、と称する。
本実施形態において、第1投影領域PR1の+Y側の端部T1bと、第2投影領域PR2の−Y側の端部T2aとが、Y軸方向に関して重複するように配置されている。第2投影領域PR2の+Y側の端部T2bと、第3投影領域PR3の−Y側の端部T3aとが、Y軸方向に関して重複するように配置されている。第3投影領域PR3の+Y側の端部T3bと、第4投影領域PR4の−Y側の端部T4aとが、Y軸方向に関して重複するように配置されている。第4投影領域PR4の+Y側の端部T4bと、第5投影領域PR5の−Y側の端部T5aとが、Y軸方向に関して重複するように配置されている。第5投影領域PR5の+Y側の端部T5bと、第6投影領域PR6の−Y側の端部T6aとが、Y軸方向に関して重複するように配置されている。第6投影領域PR6の+Y側の端部T6bと、第7投影領域PR7の−Y側の端部T7aとが、Y軸方向に関して重複するように配置されている。
X軸方向に関して、端部T1bの寸法と端部T2aの寸法との和と、端部T2bの寸法と端部T3aの寸法との和と、端部T3bの寸法と端部T4aの寸法との和と、端部T4bの寸法と端部T5aの寸法との和と、端部T5bの寸法と端部T6aの寸法との和と、端部T6bの寸法と端部T7aの寸法との和とは、ほぼ同じである。
また、X軸方向に関して、第1投影領域PR1の中央部C1の寸法と、第2投影領域PR2の中央部C2の寸法と、第3投影領域PR3の中央部C3の寸法と、第4投影領域PR4の中央部C4の寸法と、第5投影領域PR5の中央部C5の寸法と、第6投影領域PR6の中央部C6の寸法と、第7投影領域PR7の中央部C7の寸法とは、ほぼ同じである。
また、X軸方向に関して、中央部C1の寸法と、端部T1bの寸法と端部T2aの寸法との和とは、ほぼ同じである。他の中央部の寸法と、端部どうしの寸法の和とも、同様の関係にある。
これにより、第1〜第7投影領域PR1〜PR7に対して基板PをX軸方向に移動しながら露光したときの、基板PにおけるX軸方向に関する積算露光量は、ほぼ同じになる。
以下の説明において、基板Pにおいて投影領域が重複する部分を適宜、重複部、と称する。
本実施形態においては、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2の一部とによって、基板Pにおいて重複部B1が設けられる。第2投影領域PR2と第3投影領域PR3の一部とによって、基板Pにおいて重複部B2が設けられる。第3投影領域PR3と第4投影領域PR4の一部とによって、基板Pにおいて重複部B3が設けられる。第4投影領域PR4と第5投影領域PR5の一部とによって、基板Pにおいて重複部B4が設けられる。第5投影領域PR5と第6投影領域PR6の一部とによって、基板Pにおいて重複部B5が設けられる。第6投影領域PR6と第7投影領域PR7の一部とによって、基板Pにおいて重複部B6が設けられる。
重複部B1に配置される基板Pの少なくとも一部は、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2の一部とによって重複露光される。重複部B2に配置される基板Pの少なくとも一部は、第2投影領域PR2と第3投影領域PR3の一部とによって重複露光される。重複部B3に配置される基板Pの少なくとも一部は、第3投影領域PR3と第4投影領域PR4の一部とによって重複露光される。重複部B4に配置される基板Pの少なくとも一部は、第4投影領域PR4と第5投影領域PR5の一部とによって重複露光される。重複部B5に配置される基板Pの少なくとも一部は、第5投影領域PR5と第6投影領域PR6の一部とによって重複露光される。重複部B6に配置される基板Pの少なくとも一部は、第6投影領域PR6と第7投影領域PR7の一部とによって重複露光される。基板Pの露光を実行するとき、第1〜第7投影領域PR1〜PR7の少なくとも一部に基板Pが配置された状態で、その第1〜第7投影領域PR1〜PR7に露光光ELが照射される。
次に、露光装置EXの動作の一例について説明する。
本実施形態において、露光装置EXには、基板Pの基材上に感光膜を形成するコーティング装置、及び露光後の基板Pを現像するデベロッパ装置を含むコータ・デベロッパ装置が接続されている。コータ・デベロッパ装置において感光膜が形成された感光性の基板Pが、所定の搬送装置によって、露光装置EXに搬入される。
なお、上述のように、基板Pの基材は、ガラスプレートを含む。以下の説明においては、説明の簡単のため、基材がガラスプレートであり、そのガラスプレート上に感光膜を形成する場合を例にして説明するが、基材の表面(下地)が、反射防止膜の場合もある。また、基材の表面(下地)が、前のプロセスまでにガラスプレート上に形成された、例えば薄膜トランジスタの一部である場合もある。例えば、基材の表面(下地)が、前のプロセスまでに形成されたSiO2等の酸化膜、SiO2及びSiNx等の絶縁膜、Cu、ITO等の導体膜(金属膜)、アモルファスSi等の半導体膜の少なくとも一つの表面である場合もある。
露光前の基板Pが露光装置EXに搬入され、基板ステージ2に保持された後、制御装置4は、基板Pの露光を開始する。基板Pの露光は、基板Pを第1〜第7投影領域PR1〜PR7に対して基板Pの表面(XY平面)に沿って走査方向(X軸方向)に移動させるとともに、マスクMを第1〜第7照明領域IR1〜IR7に対してマスクMの下面(XY平面)に沿って走査方向(X軸方向)に移動させながら実行される。
露光後の基板Pは、基板ステージ2からアンロードされた後、コータ・デベロッパ装置に搬送され、現像される。これにより、基板Pに感光膜のパターン(露光パターン層)が形成される。その後、エッチング処理等、所定のプロセス処理が実行されることによって、基板Pにパターン(デバイスパターン)が形成される。
ところで、上述したように、第1〜第7投影領域PR1〜PR7に対して基板PをX軸方向に移動しながら露光したときの基板PにおけるX軸方向に関する積算露光量が同じになるように、すなわち、X軸方向に関して、第1〜第7投影領域PR1〜PR7の中央部の寸法と、端部どうしの寸法の和とが同じになるように、第1〜第7投影領域PR1〜PR7それぞれの形状、大きさ、及び第1〜第7投影領域PR1〜PR7の位置関係が定められている。換言すれば、第1〜第7投影領域PR1〜PR7が重複する重複部(B1〜B6)と、重複しない非重複部とで、基板Pにおける積算露光量が同じになるように、第1〜第7投影領域PR1〜PR7それぞれの形状、大きさ、及び第1〜第7投影領域PR1〜PR7の位置関係が定められている。
図3は、第1〜第7投影領域PR1〜PR7のうち、一例として、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が、理想状態(目標状態)である場合の一例を示す模式図である。
ここで、理想状態とは、Y軸方向に関して隣り合う投影領域(PR1,PR2)に照射される露光光ELの基板PにおけるX軸方向(走査方向)の積算露光量が等しい状態、すなわち、一方の投影領域(PR1)と他方の投影領域(PR2)との重複部における、X軸方向に関する一方の投影領域(PR1)の寸法と他方の投影領域(PR2)の寸法との和と、非重複部における一方及び他方それぞれの投影領域(PR1,PR2)の寸法とが同じ状態をいう。
図3において、重複部B1は、端部T1b及び端部T2aのみで形成される。非重複部A1は、中央部C1のみで形成される。非重複部A2は、中央部C2のみで形成される。図3に示す例においては、重複部B1における積算露光量と、非重複部A1(中央部C1)における積算露光量と、非重複部A2(中央部C2)における積算露光量とは、同じである。この場合、非重複部A1を形成する第1投影領域PR1の中央部C1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、非重複部A2を形成する第2投影領域PR2の中央部C2に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との重複部B1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法とは、ほぼ一致する。
図4は、第1〜第7投影領域PR1〜PR7のうち、一例として、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が、理想状態からずれている状態の一例を示す模式図である。
なお、図4においては、理想状態に比べて、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2とが、近付いている状態を例にしているが、離れる場合もある。
ここで、以下の説明において、投影領域(PR1,PR2)が理想状態からずれている状態を適宜、継ぎずれ状態、と称し、理想状態からのずれ量を適宜、ずれ量、と称する。
図4において、重複部B1は、中央部C1の一部、端部T1b、中央部C2の一部、及び端部T2aによって形成されている。非重複部A1は、中央部C1の一部によって形成される。非重複部A2は、中央部C2の一部によって形成される。図4に示す例においては、重複部B1における積算露光量と、非重複部A1,A2における積算露光量とは、異なる。この場合、非重複部A1を形成する第1投影領域PR1の中央部C1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法、及び非重複部A2を形成する第2投影領域PR2の中央部C2に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との重複部B1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法とは、異なる。
図4に示す例においては、基板Pに形成されるパターンが不均一になり、不良デバイスが発生する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、例えば図4に示すように、隣接する投影領域の位置関係が理想状態からずれた場合でも、パターンが不均一になることを抑制できる露光条件及び現像条件を含むプロセス条件を予め決定する。そして、その決定されたプロセス条件に基づいて、基板Pにデバイスを製造するための露光処理及び現像処理を実行する。
本実施形態において、露光条件は、基板Pが配置された投影領域に照射される露光光ELの積算露光量を含む。現像条件は、露光光ELが照射された基板Pの現像時間(現像液と基板Pの感光膜とを接触させている時間)、及び使用する現像液の種類(物性)等を含む。
以下の説明において、パターンが不均一になることを抑制できる所定の露光条件を適宜、最適積算露光量、と称し、パターンが不均一になることを抑制でき、パターンを所望の寸法にすることができる所定の現像条件を適宜、最適現像時間、と称する。
すなわち、所定の露光条件は、基板Pに形成されるパターンの寸法が均一になる積算露光量を含む。本実施形態において、その積算露光量は、第1投影領域PR1の非重複部A1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、第2投影領域PR2の非重複部A2に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との重複部B1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法とが、ほぼ一致する第1投影領域PR1及び第2投影領域PR2における積算露光量を含む。また、所定の現像条件は、基板Pに形成されるパターンの寸法が目標値になる現像時間を含む。
以下、図5〜図12を参照して、基板Pにおいてパターンを均一化できる最適積算露光量、及び最適現像時間について説明する。以下の説明においては、第1投影領域PR1の非重複部A1(あるいは第2投影領域PR2の非重複部A2)、及び第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との重複部B1について説明するが、他の投影領域(PR2〜PR7)の非重複部、及び他の投影領域(PR3〜PR7)どうしの重複部についても同様である。
図5〜図9、図11は、マスクMのパターンと、基板Pが配置された投影領域における積算露光量との関係を示す模式図である。マスクMのパターンは、ライン・アンド・スペースパターンであり、照明システムISからの露光光ELを透過する透過部(スペース部)21と、照明システムISからの露光光ELを遮る遮光部(ライン部)22とを有する。
基板Pは、感光膜を有する。本実施形態において、基板Pの感光膜は、露光光ELが照射された部分が現像によって除去される、所謂、ポジ型である。基板Pに対するマスクMからの露光光ELの照射、及び現像によって、基板P(感光膜)には、マスクMのパターンに応じたパターン(ライン・アンド・スペースパターン)が形成される。基板Pに形成されるパターン(ラインパターン)の目標寸法(目標線幅)は、WTである。なお、図5等において、マスクMのライン部22の寸法と、基板Pに形成されるパターンの目標寸法WTとが同じであるように示しているが、ライン部22の寸法と目標寸法WTとの関係(比)は、例えば投影光学系の投影倍率等に応じて変化する。また、図5〜図9、図11に示すグラフにおいて、横軸は、基板Pの表面の位置、縦軸は、投影領域における積算露光量の値を示す。
図5は、マスクMのパターンと、第1投影光学系PL1の第1投影領域PR1の中央部C1(非重複部A1)に照射されたマスクMからの露光光ELの、その中央部C1における積算露光量の分布との関係を示す模式図である。図5に示すグラフにおいて、ラインLC1は、中央部C1における積算露光量の分布を示す。スペース部21に対応する積算露光量の値は、Jhである。
図6は、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が理想状態である場合において基板Pを重複露光したときの、マスクMのパターンと、積算露光量の分布との関係を示す模式図である。図6に示すグラフにおいて、ラインL1bは、基板Pが配置された端部T1bにおける積算露光量の分布の一例を示し、ラインL2aは、基板Pが配置された端部T2aにおける積算露光量の分布の一例を示す。また、ラインLB1aは、ラインL1bで示す積算露光量とラインL2aで示す積算露光量との和、すなわち、基板Pが配置された重複部B1における積算露光量の分布を示す。
第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が理想状態なので、基板Pにおいて、端部T1bにおける積算露光量の分布と、端部T2aにおける積算露光量の分布とは、一致する。また、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が理想状態なので、図5に示した中央部C1(非重複部A1)における積算露光量の分布と、図6に示す重複部B1における積算露光量の分布とは、一致する。
図7は、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が継ぎずれ状態である場合において基板Pを重複露光したときの、マスクMのパターンと、積算露光量の分布との関係を示す模式図である。図7に示すグラフにおいて、ラインL1bは、基板Pが配置された端部T1bにおける積算露光量の分布の一例を示し、ラインL2aは、基板Pが配置された端部T2aにおける積算露光量の分布の一例を示す。また、ラインLB1bは、ラインL1bで示す積算露光量とラインL2aで示す積算露光量との和、すなわち、基板Pが配置された重複部B1における積算露光量の分布を示す。
第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が継ぎずれ状態なので、基板Pにおいて、端部T1bにおける積算露光量の分布と、端部T2aにおける積算露光量の分布とは、ずれる。
また、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が継ぎずれ状態なので、図5、図6に示した中央部C1(非重複部A1)、重複部B1における積算露光量の分布及び値と、図7に示す重複部B1における積算露光量の分布及び値とは、異なる。
図8は、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が継ぎずれ状態である場合において基板Pを重複露光したときの、マスクMのパターンと、積算露光量の分布との関係を示す模式図である。図8に示す例におけるずれ量は、図7に示す例におけるずれ量より大きい。図8に示すグラフにおいて、ラインL1bは、基板Pが配置された端部T1bにおける積算露光量の分布の一例を示し、ラインL2aは、基板Pが配置された端部T2aにおける積算露光量の分布の一例を示す。また、ラインLB1cは、ラインL1bで示す積算露光量とラインL2aで示す積算露光量との和、すなわち、基板Pが配置された重複部B1における積算露光量の分布を示す。
第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が継ぎずれ状態であり、そのずれ量が図7に示す例に比べて大きいので、基板Pにおいて、端部T1bにおける積算露光量の分布と、端部T2aにおける積算露光量の分布とは、図7に示す例に比べて、大きくずれる。
また、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との位置関係が継ぎずれ状態なので、図5、図6、図7に示した中央部C1(非重複部A1)、重複部B1における積算露光量の分布及び値と、図8に示す重複部B1における積算露光量の分布及び値とは、異なる。
図9は、図5〜図8に示したラインLB1a、LB1b、LB1cを一つのグラフに記載したものである。図9に示すように、理想状態における積算露光量と、継ぎずれ状態における積算露光量とが一致する値Jkが存在する。すなわち、非重複部A1における積算露光量を値Jhにすることによって、理想状態及び継ぎずれ状態のそれぞれにおいて、非重複部A1における積算露光量と重複部B1における積算露光量とは、値Jkで一致する。
したがって、基板Pに使用される感光膜として、露光光ELの積算露光量が値Jk以上である場合、現像によって除去され、値Jk未満である場合、現像しても基板Pに残る(パターンを形成する)特性(感光特性、溶解度)を有する感光膜を使用することによって、理想状態及び継ぎずれ状態のそれぞれにおいて、非重複部A1に照射された露光光ELにより基板Pに形成される感光膜のパターンの寸法と、重複部B1に照射された露光光ELにより基板Pに形成される感光膜のパターンの寸法とを、一致させることができる。
図10は、非重複部A1、A2における積算露光量が値Jhになるように、第1投影領域PR1及び第2投影領域PR2に露光光ELを照射した後、その露光光ELが照射された基板Pを現像することによって、基板P上に形成された感光膜のパターンを示す。図10中、ラインRaは、図6を参照して説明したような、理想状態で、且つ非重複部A1、A2における積算露光量が値Jhになるように基板Pを重複露光した場合の、現像後の感光膜のパターンの輪郭(外形)を示す。ラインRbは、図7を参照して説明したような、継ぎずれ状態で、且つ非重複部A1、A2における積算露光量が値Jhになるように基板Pを重複露光した場合の、現像後の感光膜のパターンの輪郭(外形)を示す。ラインRcは、図8を参照して説明したような、継ぎずれ状態で、且つ非重複部A1における積算露光量が値Jhになるように基板Pを重複露光した場合の、現像後の感光膜のパターンの輪郭(外形)を示す。
基板Pの感光膜が、ポジ型であり、照射された露光光ELの積算露光量が値Jk以上である場合に現像によって除去される感光特性(溶解度)を有する場合、その値Jkに応じた感光特性を有する感光膜に、非重複部A1、A2における積算露光量が値Jhになるように露光光ELが照射されることによって、理想状態で露光された感光膜の現像後のパターンの寸法と、継ぎずれ状態で露光された感光膜の現像後のパターンの寸法とを一致させることができる。図10に示す例においては、理想状態で露光された感光膜の現像後のパターンの寸法と、継ぎずれ状態で露光された感光膜の現像後のパターンの寸法とは、値Waで一致している。
なお、感光膜のパターンの寸法とは、マスクMのライン・アンド・スペースパターンに応じて基板P上にライン状に形成された感光膜のパターンの幅(線幅)であって、所謂、ボトム幅をいう。本実施形態において、ボトム幅とは、基材の表面と感光膜の一方の側面との交点と、基材の表面と感光膜の他方の側面との交点との距離をいう。
このように、基板P(感光膜)の感光特性(溶解度)に応じて、非重複部A1、A2における積算露光量の値Jhを決定し、非重複部A1、A2における積算露光量が値Jhになるように、第1投影領域PR1及び第2投影領域PR2に露光光ELが照射されることによって、理想状態及び継ぎずれ状態のそれぞれにおいて、同一の寸法Waを有するパターンが基板Pに形成される。
すなわち、たとえ継ぎずれ状態になった場合でも、非重複部A1,A2に照射される露光光ELによって基板Pに形成されるパターンの寸法と、重複部B1に照射される露光光ELによって基板Pに形成されるパターンの寸法とは、同一になる。したがって、基板P上に形成されるパターンが不均一になることを抑制することができる。
図11は、非重複部A1、A2における積算露光量の値を変えた場合の、理想状態及び継ぎずれ状態それぞれの積算露光量の分布を示す。ラインLP1aは、理想状態であって、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)の積算露光量の値がJh1である場合を示し、ラインLP1bは、継ぎずれ状態であって、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)の積算露光量の値がJh1である場合を示す。ラインLQ1aは、理想状態であって、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)の積算露光量の値がJh1と異なるJh2である場合を示し、ラインLQ1bは、継ぎずれ状態であって、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)の積算露光量の値がJh2である場合を示す。ラインLR1aは、理想状態であって、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)の積算露光量の値がJh1及びJh2と異なるJh3である場合を示し、ラインLR1bは、継ぎずれ状態であって、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)の積算露光量の値がJh3である場合を示す。
図11に示すように、非重複部A1における積算露光量の値が、値Jh1、Jh2、Jh3に変化した場合でも、理想状態における積算露光量と継ぎずれ状態における積算露光量とが一致する値Jk1、Jk2、Jk3が存在する。これにより、基板P(感光膜)の感光特性に応じて、例えば値Jh1、Jh2、Jh3のなかから、最適な値を決定することによって、現像後において基板Pに形成されるパターンを均一にすることができる。
例えば、基板Pの感光膜が、照射された露光光ELの積算露光量が値Jk1以上である場合に現像によって除去される感光特性を有する場合、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)における積算露光量として、値Jh1が決定される。同様に、基板Pの感光膜が、照射された露光光ELの積算露光量が値Jk2以上である場合に現像によって除去される感光特性を有する場合、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)における積算露光量として、値Jh2が決定される。また、基板Pの感光膜が、照射された露光光ELの積算露光量が値Jk3以上である場合に現像によって除去される感光特性を有する場合、非重複部A1、A2(中央部C1、C2)における積算露光量として、値Jh3が決定される。
このように、基板Pにおいてパターンの寸法を均一にできる積算露光量Jhは、基板Pの感光特性に応じて決定される。
以下の説明において、基板Pにおいてパターンが不均一になることを抑制できる、非重複部(中央部)における積算露光量を適宜、最適積算露光量JOPT、と称する。
ところで、図10に示したパターンの寸法Waは、目標寸法WTと異なる。すなわち、基板Pにおいて、パターンの寸法Waは均一になるものの、その寸法Waは、目標寸法WTと異なる。そこで、本実施形態においては、現像時間Tを調整することによって、基板Pのパターン(感光膜のパターン)の寸法を、目標寸法WTにする。
図12は、現像時間Tに応じてパターンの寸法が調整される状態を示す模式図である。現像処理においては、感光膜の輪郭(外形)は、等方的に変化する。すなわち、図12の矢印で示すように、現像処理によって、感光膜の寸法は、等方的に減少する。したがって、現像時間Tを調整することによって、寸法Waの感光膜のパターンを、寸法WTの感光膜のパターンに変化させることができる。
以下の説明において、基板Pに均一に形成されたパターンの寸法Waを目標寸法WTにすることができる現像時間を適宜、最適現像時間TOPT、と称する。
以上、図5〜図12を参照して、所定の露光条件に相当する最適積算露光量JOPT、及び所定の現像条件に相当する最適現像時間TOPTについて説明した。
以下、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTの決定方法を含む、パターンの形成方法の一例について説明する。
本実施形態に係るパターン形成方法は、図13のフローチャートに示すように、パターンが不均一になることを抑制できる所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)及び所定の現像条件(最適現像時間TOPT)を決定すること(ステップSP1)と、その決定された所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)で基板Pを露光し、その決定された所定の現像条件(最適現像時間TOPT)で基板Pを現像すること(ステップSP2)とを含む。
ステップSP1においては、所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)及び所定の現像条件(最適現像時間TOPT)を決定するために、基板を露光する処理、及びその露光された基板を現像する処理が実行される。ステップSP2においては、基板Pにデバイス(デバイスパターン)を形成するために、決定された所定の露光条件で、基板を露光する処理、及び決定された所定の現像条件で、基板を現像する処理が実行される。
以下の説明において、最適積算露光量JOPT及び最適現像時間TOPTを決定するために、ステップSP1において実行される露光を適宜、テスト露光、と称し、ステップSP1において実行される現像を適宜、テスト現像、と称する。また、ステップSP1において使用される基板を適宜、テスト基板Pt、と称する。また、デバイスパターンを形成するために、ステップSP2において実行される露光を適宜、本露光、と称し、ステップSP2において実行される現像を適宜、本現像、と称する。
本実施形態において、ステップSP1は、異なる複数の露光条件のそれぞれで、投影光学系の投影領域に照射されたマスクMからの露光光ELでテスト基板Ptをテスト露光することと、異なる複数の現像条件のそれぞれで、テスト露光されたテスト基板Ptをテスト現像することと、テスト露光及びテスト現像によりテスト基板Ptに形成されたパターンに基づいて、所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)及び所定の現像条件(最適現像時間TOPT)を決定することと、を含む。
本実施形態において、ステップSP2は、ステップSP1で決定された所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)で、投影光学系の投影領域に照射されたマスクMからの露光光ELで基板Pを本露光することと、ステップSP1で決定された所定の現像条件(最適現像時間TOPT)で、本露光された基板Pを本現像することと、を含む。
以下、テスト露光として、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7のうち、第1投影光学系PL1を用いてテスト露光する場合を例にして説明する。なお、第1投影光学系PL1以外の第2〜第7投影光学系PL2〜PL7の少なくとも一つを用いてテスト露光が実行されてもよい。また、以下の説明においては、第1投影光学系PL1を適宜、投影光学系PL、と称し、第1投影光学系PL1の第1投影領域PR1を適宜、投影領域PR、と称する。
また、テスト露光においては、テスト基板Ptが配置された投影領域PRに露光光ELを複数回照射して、そのテスト基板Ptを重複露光することが行われる。以下の説明において、テスト基板Ptが重複露光される部分を適宜、重複部、と称する。また、本実施形態においては、テスト基板Ptとして、第1テスト基板Pt1と、第2テスト基板Pt2とが使用される。
本実施形態において、テスト露光は、図14のフローチャートに示すように、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第1領域AR1を露光すること(ステップSA1)と、投影領域PRの重複部における積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに対して異なる複数の位置のそれぞれで、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第2領域AR2を重複露光すること(ステップSA2)と、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaと異なる第2値Jbになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第3領域AR3を露光すること(ステップSA3)と、投影領域PRの重複部における積算露光量が第2値Jbになるように、投影領域PRに対して異なる複数の位置のそれぞれで、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第4領域AR4を重複露光すること(ステップSA4)と、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第2テスト基板Pt2の第5領域AR5を露光すること(ステップSA5)と、投影領域PRの重複部における積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに対して異なる複数の位置のそれぞれで、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第2テスト基板Pt2の第6領域AR6を重複露光すること(ステップSA6)と、を含む。
本実施形態において、テスト現像は、図15のフローチャートに示すように、第1〜第4領域AR1〜AR4が露光された第1テスト基板Pt1を第1時間Taで現像して、第1テスト基板Pt1の第1〜第4領域AR1〜AR4のそれぞれに、感光膜のパターンを形成すること(ステップSB1)と、第5,第6領域AR5,AR6が露光された第2テスト基板Pt2を第1時間Taと異なる第2時間Tbで現像して、第2テスト基板Pt2の第5,第6領域AR5,AR6のそれぞれに、感光膜のパターンを形成すること(ステップSB2)と、を含む。
以下の説明において、テスト現像後、第1領域AR1に形成された感光膜のパターンを適宜、第1パターン、と称する。同様に、テスト現像後、第2,第3,第4,第5,第6領域AR2,AR3,AR4,AR5,AR6のそれぞれに形成された感光膜のパターンを適宜、第2,第3,第4,第5,第6パターン、と称する。
図16は、第1テスト基板Pt1の一例を示す模式図、図17は、第2テスト基板Pt2の一例を示す模式図である。なお、図16及び図17においては、投影領域PRの形状を長方形とする。
本実施形態においては、図16に示すように、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第1領域AR1が露光される(ステップSA1)。
本実施形態においては、第1領域AR1を露光するとき、投影領域PRに対する第1テスト基板Pt1の位置が固定された状態で、その投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、重複露光が実行される。すなわち、理想状態で、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、第1領域AR1が重複露光される。例えば、投影領域PRにおける露光量が第1値Jaの1/H1になるようにマスクMからの露光光ELが投影領域PRに照射され、第1テスト基板Pt1の位置が固定された状態で、H1回重複露光が実行される。なお、重複露光する際、各露光における露光量が異なってもよい。また、投影領域PRにおける露光量が第1値JaになるようにマスクMからの露光光ELを投影領域PRに照射して、第1テスト基板Pt1の位置を固定した状態で、1回だけ露光(単露光)してもよい。
第1テスト基板Pt1の第2領域AR2に対しては、継ぎずれ状態で重複露光が実行される(ステップSA2)。図16に示すように、本実施形態においては、投影領域PRの重複部における積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに対して異なる2つの位置のそれぞれで、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第2領域AR2が重複露光される。
第2領域AR2を露光するとき、投影領域PRにおける露光量が第1値Jaの1/2になるようにマスクMからの露光光ELを投影領域PRに照射して、投影領域PRに配置された第1テスト基板Pt1の第2領域AR2を、投影領域PRに対して異なる2つの位置のそれぞれで露光して、2回重複露光する。また、本実施形態において、2回の重複露光のうち、第1回目の露光における投影領域PRに対する基板Pの位置と、第2回目の露光における投影領域PRに対する基板Pの位置との距離(ずれ量)は、例えば2μmである。
なお、重複露光は、2回に限られず、3回以上の任意の回数実行することができる。例えば、重複露光がH2回実行される場合、1回の露光での投影領域PRにおける露光量は、第1値Jaの1/H2に設定される。なお、重複露光する際、各露光における露光量が異なってもよい。
また、投影領域PRにおける積算露光量が第2値Jbになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第3領域AR3が露光される(ステップSA3)。第2値Jbは、第1値Jaと異なる。本実施形態において、第2値Jbは、第1値Jaの例えば1.2倍である。
本実施形態においては、第3領域AR3を露光するとき、投影領域PRに対する第1テスト基板Pt1の位置が固定された状態で、その投影領域PRにおける積算露光量が第2値Jbになるように、重複露光が実行される。すなわち、理想状態で、投影領域PRにおける積算露光量が第2値Jbになるように、第3領域AR3が重複露光される。例えば、投影領域PRにおける露光量が第2値Jbの1/H3になるようにマスクMからの露光光ELが投影領域PRに照射され、第1テスト基板Pt1の位置が固定された状態で、H3回重複露光が実行される。なお、重複露光する際、各露光における露光量が異なってもよい。また、投影領域PRにおける露光量が第2値JbになるようにマスクMからの露光光ELを投影領域PRに照射して、第1テスト基板Pt1の位置を固定した状態で、1回だけ露光(単露光)してもよい。
第1テスト基板Pt1の第4領域AR4に対しては、継ぎずれ状態で重複露光が実行される(ステップSA4)。図16に示すように、本実施形態においては、投影領域PRの重複部における積算露光量が第2値Jbになるように、投影領域PRに対して異なる2つの位置のそれぞれで、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第4領域AR4が重複露光される。
第4領域AR4を露光するとき、投影領域PRにおける露光量が第2値Jbの1/2になるようにマスクMからの露光光ELを投影領域PRに照射して、投影領域PRに配置された第1テスト基板Pt1の第4領域AR4を、投影領域PRに対して異なる2つの位置のそれぞれで露光して、2回重複露光する。また、本実施形態において、2回の重複露光のうち、第1回目の露光における投影領域PRに対する基板Pの位置と、第2回目の露光における投影領域PRに対する基板Pの位置との距離(ずれ量)は、例えば2μmである。
なお、重複露光は、2回に限られず、3回以上の任意の回数実行することができる。例えば、重複露光がH4回実行される場合、1回の露光での投影領域PRにおける露光量は、第1値Jaの1/H4に設定される。なお、重複露光する際、各露光における露光量が異なってもよい。
また、図17に示すように、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第2テスト基板Pt2の第5領域AR5が露光される(ステップSA5)。
本実施形態においては、第5領域AR5を露光するとき、投影領域PRに対する第2テスト基板Pt2の位置が固定された状態で、その投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、重複露光が実行される。すなわち、理想状態で、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、第5領域AR5が重複露光される。例えば、投影領域PRにおける露光量が第1値Jaの1/H5になるようにマスクMからの露光光ELが投影領域PRに照射され、第2テスト基板Pt2の位置が固定された状態で、H5回重複露光が実行される。なお、重複露光する際、各露光における露光量が異なってもよい。また、投影領域PRにおける露光量が第1値JaになるようにマスクMからの露光光ELを投影領域PRに照射して、第1テスト基板Pt1の位置を固定した状態で、1回だけ露光(単露光)してもよい。
第2テスト基板Pt2の第6領域AR6に対しては、継ぎずれ状態で重複露光が実行される(ステップSA6)。図17に示すように、本実施形態においては、投影領域PRの重複部における積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに対して異なる2つの位置のそれぞれで、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第2テスト基板Pt2の第6領域AR6が重複露光される。
第6領域AR6を露光するとき、投影領域PRにおける露光量が第1値Jaの1/2になるようにマスクMからの露光光ELを投影領域PRに照射して、投影領域PRに配置された第2テスト基板Pt2の第6領域AR6を、投影領域PRに対して異なる2つの位置のそれぞれで露光して、2回重複露光する。また、本実施形態において、2回の重複露光のうち、第1回目の露光における投影領域PRに対する基板Pの位置と、第2回目の露光における投影領域PRに対する基板Pの位置との距離(ずれ量)は、例えば2μmである。
なお、重複露光は、2回に限られず、3回以上の任意の回数実行することができる。例えば、重複露光がH6回実行される場合、1回の露光での投影領域PRにおける露光量は、第1値Jaの1/H6に設定される。なお、重複露光する際、各露光における露光量が異なってもよい。
次に、第1テスト基板Pt1に対して、現像処理が実行される(ステップSB1)。第1テスト基板Pt1の現像時間は、第1時間Taである。
また、第2テスト基板Pt2に対して、現像処理が実行される(ステップSB2)。第2テスト基板Pt2の現像時間は、第2時間Tbである。第1時間Taと第2時間Tbとは異なる。本実施形態において、第2時間Tbは、第1時間Taの0.8倍である。
第1、第2テスト基板Pt1、Pt2に対する現像が実行されることによって、第1領域AR1には感光膜の第1パターンが形成され、第2領域AR2には感光膜の第2パターンが形成され、第3領域AR3には感光膜の第3パターンが形成され、第4領域AR4には感光膜の第4パターンが形成され、第5領域AR5には感光膜の第5パターンが形成され、第6領域AR6には感光膜の第6パターンが形成される。第1〜第6パターンのそれぞれは、ラインパターンである。
次に、本実施形態においては、第1パターン、第2パターン、第3パターン、第4パターン、第5パターン、及び第6パターンの寸法(ボトム幅)が計測される。パターンの寸法(ボトム幅)の計測は、例えばSEM等、所定の計測装置を用いて実行される。
計測装置で計測された第1パターンの寸法は、W1である。第2パターンの寸法は、W2である。第3パターンの寸法は、W3である。第4パターンの寸法は、W4である。第5パターンの寸法は、W5である。第6パターンの寸法は、W6である。
次に、第1値Ja、第2値Jb、第1時間Ta、第2時間Tb、目標寸法WT、及び第1〜第6パターンの寸法W1〜W6に基づいて、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを決定する処理が実行される。本実施形態においては、既知である第1値Ja、第2値Jb、第1時間Ta、第2時間Tb、目標寸法WT、及び第1〜第6パターンの寸法W1〜W6を使って、計算により、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを決定する。
以下、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTの決定方法の一例について説明する。
図18は、基板Pに形成される感光膜のパターンの輪郭(外形)の一部をモデル化した図である。図18(A)に示す各ラインL1、L1’、L2、L2’、L3、L3’、L4、L4’は、基材に接する感光膜のパターンの輪郭の一部を一次式でモデル化したものである。図18(A)において、横軸は、感光膜のパターンの寸法(線幅)の半値であり、縦軸は、感光膜のパターンの高さである。
図18(A)において、ラインL4及びラインL4’は、図18(B)に示すような、露光条件及び現像条件が異なっても感光膜のパターンのボトム幅が同じになる感光膜の輪郭の一部を表す。本実施形態においては、以下に説明する計算により、ラインL4及びラインL4’が得られるような最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを求める。
ラインL1は、理想状態において、積算露光量をJa、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。ラインL1’は、継ぎずれ状態において、積算露光量をJa、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。すなわち、ラインL1は、図16に示す第1領域AR1に形成された感光膜のパターンの輪郭を表し、ラインL1’は、図16に示す第2領域AR2に形成された感光膜のパターンの輪郭を表す。
ラインL1を、以下の(1A)式で表し、ラインL1’を、以下の(2A)式で表すこととする。
y=a1x+b1 …(1A)
y=a1’x+b1’ …(2A)
また、ラインL1とラインL1’との交点の座標を(WP/2、hP)とする。
ラインL2は、理想状態において、積算露光量をJb、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。ラインL2’は、継ぎずれ状態において、積算露光量をJb、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。すなわち、ラインL2は、図16に示す第3領域AR3に形成された感光膜のパターンの輪郭を表し、ラインL2’は、図16に示す第4領域AR4に形成された感光膜のパターンの輪郭を表す。
ラインL2を、以下の(3A)式で表し、ラインL2’を、以下の(4A)式で表すこととする。
y=a2x+b2 …(3A)
y=a2’x+b2’ …(4A)
a2、b2 、a2’、b2’は、積算露光量に比例する。(3A)式、(4A)式は、以下の(3A)式、(4A)式に変形できる。
y=(a1x+b1 )×(Jb/Ja) …(3A)
y=(a1’x+b1’)×(Jb/Ja) …(4A)
ラインL2とラインL2’との交点の座標は(WP/2、hP×(Jb/Ja))となる。
ラインL3は、理想状態において、積算露光量をJa、現像時間をTbとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。ラインL3’は、継ぎずれ状態において、積算露光量をJa、現像時間をTbとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。すなわち、ラインL3は、図17に示す第5領域AR5に形成された感光膜のパターンの輪郭を表し、ラインL3’は、図17に示す第6領域AR6に形成された感光膜のパターンの輪郭を表す。
ラインL3を、以下の(5A)式で表し、ラインL3’を、以下の(6A)式で表すこととする。ここで、現像時間が変化しても、a1、a1’は変化しないものと仮定する。
y=a1x+b3 …(5A)
y=a1’x+b3’ …(6A)
ラインL3とラインL3’との交点の座標を(WQ/2、hQ)とする。
ラインL4を、以下の式(7A)で表し、ラインL4’を、以下の式(8A)で表すこととする。
y=aOPT+bOPT …(7A)
y=aOPT’+bOPT’ …(8A)
ラインL4とラインL4’との交点の座標を(WT/2、h0)とする。
ラインL1、L1’、L2、L2’、L3、L3’と、y=h0との交点は、計測装置を使って計測したボトム幅の半値である。したがって、以下の式が成り立つ。
h0=a1W1/2+b1 …(9A)
h0=a1’W1’ /2+b1’…(10A)
h0=a1(Jb/Ja)W2/2+b1(Jb/Ja) …(11A)
h0=a1’(Jb/Ja)W2’ /2+b1’(Jb/Ja) …(12A)
h0=a1W3/2+b3 …(13A)
h0=a1’W3’ /2+b3’…(14A)
(9A)式、(10A)式、(13A)式、(14A)式より、以下の式が導出される。
b1=h0−a1W1/2
b1’=h0−a1’W1 ’ /2
b3=h0−a1W3/2
b3’=h0−a1’W3 ’ /2
(9A)式及び(11A)式より、以下の(15A)式が導出され、(10A)式及び(12A)式より、以下の(16A)式が導出され、(9A)式及び(15A)式より、以下の(17A)式が導出され、(10A)式及び(16A)式より、以下の(18A)式が導出され、(13A)式及び(15A)式より、以下の(19A)式が導出され、(14A)式及び(16A)式より、以下の(20A)式が導出される。
a1=h0×{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2/2−W1/2)} …(15A)
a1’=h0×{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2’ /2−W1’ /2)} …(16A)
b1=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2/2−W1/2)}×W1/2〕 …(17A)
b1’=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2’ /2−W1’ /2)×W1’ /2} …(18A)
b3=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2/2−W1/2)}×W3/2〕 …(19A)
b3’=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2’ /2−W1’ /2)×W3’ /2} …(20A)
ラインL1、及びラインL1’は、交点(WP/2、hP)を通るので、以下の(21A)式、(22A)式が成り立つ。
hP=a1WP/2+b1 …(21A)
hP=a1’WP/2+b1’ …(22A)
よって、以下の(23A)式、(24A)式が導出される。
WP=2×(b1’−b1)/(a1−a1’) …(23A)
hP=(a1b1’−a1’b1)/(a1−a1’) …(24A)
ラインL3、及びラインL3’は、交点(WQ/2、hQ)を通るので、以下の(25A)式、(26A)式が成り立つ。
hQ=a1WQ/2+b3 …(25A)
hQ=a1’WQ/2+b3’ …(26A)
よって、以下の(27A)式、(28A)式が導出される。
WQ=2×(b3’−b3)/(a1−a1’) …(27A)
hQ=(a1b3’−a1’b3)/(a1−a1’) …(28A)
点(WP/2、hP)と点(WQ/2、hQ)を通る直線上にあって、寸法(線幅)の半値が目標寸法WTの半値WT/2と等しくなる点の座標を点(WT/2、hR)とすると、点(WP/2、hP)、点(WQ/2、hQ)、点(WT/2、hR)は、同一直線上にあるので、以下の(29A)式が成り立つ。
(hQ−hP)/(WQ/2−WP/2)=(hR−hP)/(WT/2−WP/2) …(29A)
(29A)式を、hRについて整理すると、以下の(30A)式が導出される。
hR=hP+(WT−WP)×(hQ−hP)/(WQ−WP) …(30A)
最適積算露光量JOPTについて、以下の(31A)式が成り立つ。
JOPT/Ja=h0/hR …(31A)
(30A)式、(31A)式より、以下の(32A)式が導出される。
JOPT=Ja×〔h0/{hP+(WT−WP)×(hQ−hP)/(WQ−WP)}〕 …(32A)
(32A)式に、(23A)式、(24A)式、(27A)式、(28A)式を代入すると、以下の(33A)式が導出される。
JOPT=Ja×h0/〔(a1b1’−a1’b1)/(a1−a1’)+{WT/2−(b1’−b1)/(a1−a1’)}×(a1b3’−a1’b3−a1b1’−a1’b1)/(b3’−b3−b1’+b1) …(33A)
最適現像時間TOPTについて、以下の(34A)式が成り立つ。
(TOPT−Ta)/(Tb−Ta)=(WT/2−WP/2)/(WQ/2−WP/2) …(34A)
(34A)式をTOPTについて展開すると、以下の(35A)式が導出される。
TOPT=Ta+(Tb−Ta)×(WT−WP)/(WQ−WP) …(35A)
(35A)式に、(23A)式、(27A)式を代入すると、以下の(36A)式が導出される。
TOPT=Ta+(Tb−Ta)×{(a1−a1’)×WT/2−(b1’−b1)}/(b3’−b3−b1’+b1) …(36A)
最適積算露光量JOPTを表す(33A)式、及び最適現像時間TOPTを表す(36A)式のa1〜b3’に、(15A)式〜(20A)式を代入すると、h0は、消去される。以上により、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTが導出される。
以上により、テスト基板Pt(Pt1、Pt2)を用いて、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを決定する処理(ステップSP1)が完了する。
決定された最適積算露光量JOPTで基板Pを本露光し、決定された最適現像時間TOPTで本現像することによって、基板Pに、均一で所望の寸法のパターン(デバイスパターン)が形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、基板Pに、均一で所望の寸法を有するパターンを形成することができる。したがって、不良デバイスの発生を抑制できる。
なお、上述の実施形態においては、第1〜第4パターンが、第1テスト基板Pt1に形成され、第5,第6パターンが、第2テスト基板Pt2に形成されることとしたが、もちろん、第1〜第6パターンのそれぞれが、異なる第1〜第6テスト基板に形成されてもよいし、例えば第1、第2パターンが第1テスト基板に形成され、第3,第4パターンが第2テスト基板に形成され、第5,第6パターンが第3テスト基板に形成されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、感光膜がポジ型であることとしたが、露光光ELが照射されていない部分が現像によって除去されるネガ型でもよい。
なお、上述の実施形態においては、マスクMのパターンの像が投影される第1投影光学系PL1の第1投影領域PR1と、マスクMのパターンの像が投影される第2投影光学系PL2の第2投影領域PR2の一部とによって基板Pが重複露光され、第1投影領域PR1及び第2投影領域PR2に基板Pが配置された状態で、第1投影領域PR1及び第2投影領域PR2に露光光ELが照射される場合を例にして説明した。そして、最適積算露光量JOPTが、第1投影領域PR1の非重複部A1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、第2投影領域PR2の非重複部A2に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2との重複部B1に照射された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法とがほぼ一致する第1投影領域PR1及び第2投影領域PR2における積算露光量であり、最適現像時間TOPTが、基板Pに形成されるパターンの寸法が目標値WTになる現像時間であることとした。
本実施形態のパターン形成方法によれば、マスクMと基板Pとを(すなわち、マスクステージ1と基板ステージ2とを)所定の走査方向に同期移動しながら、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査露光において、投影光学系と基板Pとの相対振動(すなわち、投影領域と基板Pとの相対振動)、及び投影光学系とマスクMとの相対振動(すなわち、照明領域とマスクMとの相対振動)のうちの少なくとも一方の相対振動によって、実質的に継ぎずれ状態と同様に重複露光されてしまう場合でも、パターンの均一化を図ることができる。ここで相対振動とは、投影光学系と基板P又はマスクMとの相対位置が、所期の同期移動とは別の成分として、基板Pの表面(感光面)又はマスクMの表面(パターン面)に沿った方向に振動すること意味する。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の第1実施形態においては、基板Pを重複露光する場合において、非重複部に照射される露光光ELによって基板Pに形成されるパターンの寸法と、重複部に照射される露光光ELによって基板Pに形成されるパターンの寸法とをほぼ一致させることができる露光条件及び現像条件を決定する場合について説明した。第2実施形態においては、投影光学系PLの像面に対して第1位置に配置された状態で露光された基板Pに形成されるパターンの寸法と、投影光学系PLの像面に対して第1位置と異なる第2位置に配置された状態で露光された基板Pに形成されるパターンの寸法とをほぼ一致させることができる露光条件及び現像条件を決定する場合について説明する。
なお、上述の第1実施形態に係るパターン形成方法は、複数の投影光学系PL1〜PL7を有するマルチレンズ型露光装置に適用することとした。第2実施形態に係るパターン形成方法は、1つの投影光学系PLを有する、所謂、シングルレンズ型露光装置にも適用可能であるし、マルチレンズ型露光装置にも適用可能である。以下の説明においては、露光装置EXが、1つの投影光学系PLを有するシングルレンズ型露光装置であることとし、その投影光学系PLの投影領域PRも1つであることとする。
例えば、投影光学系PLの投影領域PRに対して基板PをX軸方向に移動しながら露光する場合において、Z軸方向に関する基板Pの表面(露光面)の位置が変動してしまう可能性がある。換言すれば、基板Pの露光中に、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面(露光面)の位置がずれてしまう可能性がある。本実施形態において、投影光学系PLの像面はXY平面とほぼ平行であり、基板Pの露光中に、投影光学系PLの像面に対してその像面と垂直な方向(Z軸方向)、あるいは傾斜する方向(θX、θY方向)に基板Pの表面の位置がずれてしまう可能性がある。その結果、基板Pに形成されるパターンの寸法が不均一になる可能性がある。
例えば、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面がZ軸方向に関して第1位置に配置された状態で露光された場合にその基板Pに形成されるパターンの寸法と、第1位置と異なる第2位置に配置された状態で露光された場合にその基板Pに形成されるパターンの寸法とが異なってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態においては、投影光学系PLの像面に対する基板Pの表面のZ軸方向に関する位置が変動した場合でも、パターンが不均一になることを抑制できる露光条件及び現像条件を含むプロセス条件を決定する場合について説明する。基板Pにデバイスを製造するための露光処理及び現像処理は、その決定されたプロセス条件に基づいて実行される。
上述の第1実施形態と同様、露光条件は、基板Pが配置された投影領域に照射される露光光ELの積算露光量を含む。現像条件は、露光光ELが照射された基板Pの現像時間(現像液と基板Pの感光膜とを接触させている時間)、及び使用する現像液の種類(物性)等を含む。
以下の説明において、パターンが不均一になることを抑制できる所定の露光条件を適宜、最適積算露光量、と称し、パターンが不均一になることを抑制でき、パターンを所望の寸法にすることができる所定の現像条件を適宜、最適現像時間、と称する。
すなわち、所定の露光条件は、基板Pに形成されるパターンの寸法が均一になる積算露光量を含む。本実施形態において、その積算露光量は、投影光学系PLの像面に対して第1位置に基板Pの表面が配置された状態でその投影光学系PLから射出された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法と、投影光学系PLの像面に対して第2位置に基板Pの表面が配置された状態でその投影光学系PLから射出された露光光ELにより基板Pに形成されるパターンの寸法とが、ほぼ一致する投影領域PRにおける積算露光量を含む。また、所定の現像条件は、基板Pに形成されるパターンの寸法が目標値になる現像時間を含む。
以下、本実施形態に係る、基板Pにおいてパターンを均一化できる最適積算露光量、及び最適現像時間について説明する。
図19は、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面が互いに異なる第1位置、第2位置、第3位置、第4位置、及び第5位置のそれぞれに配置された状態で露光された場合における、マスクMのパターンと、基板Pの表面における積算露光量との関係を示す。マスクMのパターンは、ライン・アンド・スペースパターンであり、照明システムISからの露光光ELを透過する透過部(スペース部)21と、照明システムISからの露光光ELを遮る遮光部(ライン部)22とを有する。図19に示すグラフにおいて、横軸は、基板Pの表面の位置、縦軸は、基板Pの表面に配置された投影領域PRにおける積算露光量の値を示す。
図19に示すグラフにおいて、ラインLF1は、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面が第1位置に配置された状態で投影領域PRに露光光ELが照射された場合における、基板Pの表面における積算露光量の分布の一例を示す。同様に、ラインLF2〜LF5は、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面が第2〜第5位置に配置された状態で
投影領域PRに露光光ELが照射された場合における、基板Pの表面における積算露光量の分布の一例を示す。
以下の説明において、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面が第1位置に配置されている状態を適宜、第1フォーカス状態、と称する。同様に、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面が第2〜第5位置に配置されている状態を適宜、第2〜第5フォーカス状態、とそれぞれ称する。
一例として、第1位置は、基板Pの表面が投影光学系PLの像面と一致する位置(ベストフォーカス位置)である。第2〜第5位置は、基板Pの表面が投影光学系PLの像面に対してずれた位置(デフォーカス位置)である。以下の説明において、投影光学系PLの像面に基板Pの表面が一致した状態を適宜、ベストフォーカス状態、と称し、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面がずれた状態を適宜、デフォーカス状態、と称する。
したがって、図19に示す例において、第1フォーカス状態は、ベストフォーカス状態であり、第1位置は、ベストフォーカス状態となる基板Pの表面の位置である。また、第2〜第5フォーカス状態は、デフォーカス状態であり、第2〜第5位置は、デフォーカス状態となる基板Pの表面の位置である。また、本実施形態においては、一例として、第2位置は、投影光学系PLの像面に対して10μmずれた位置であり、第3位置は、投影光学系PLの像面に対して20μmずれた位置であり、第4位置は、投影光学系PLの像面に対して30μmずれた位置であり、第5位置は、投影光学系PLの像面に対して40μmずれた位置である。
図19に示すように、第1フォーカス状態における積算露光量と、第2フォーカス状態における積算露光量と、第3フォーカス状態における積算露光量と、第4フォーカス状態における積算露光量と、第5フォーカス状態における積算露光量とが一致する値Jkが存在する。すなわち、ベストフォーカス状態における積算露光量を値Jhにすることによって、投影光学系PLの像面に対して基板Pの表面の位置が変化しても、積算露光量は、値Jkで一致する。
したがって、基板Pに使用される感光膜として、露光光ELの積算露光量が値Jk以上である場合、現像によって除去され、値Jk未満である場合、現像しても基板Pに残る(パターンを形成する)特性(感光特性、溶解度)を有する感光膜を使用することによって、第1〜第5フォーカス状態のそれぞれにおいて、基板Pに形成される感光膜のパターンの寸法を一致させることができる。
このように、基板P(感光膜)の感光特性(溶解度)に応じて、ベストフォーカス状態における積算露光量の値Jhを決定し、ベストフォーカス状態における積算露光量が値Jhになるように投影領域PRに露光光ELが照射されることによって、第1〜第5フォーカス状態のそれぞれにおいて、第1実施形態と同様、同一の寸法Waを有するパターン(図10参照)が基板Pに形成される。
すなわち、たとえデフォーカス状態になった場合でも、ベストフォーカス状態で照射される露光光ELによって基板Pに形成されるパターンの寸法と、デフォーカス状態で照射される露光光ELによって基板Pに形成されるパターンの寸法とは、同一になる。したがって、基板P上に形成されるパターンが不均一になることを抑制することができる。
図20は、ベストフォーカス状態における積算露光量の値を変えた場合の、ベストフォーカス状態及びデフォーカス状態それぞれの積算露光量の分布を示す。ラインLODBは、ベストフォーカス状態であって、ベストフォーカス状態における積算露光量の値がJh1である場合を示し、ラインLODDは、デフォーカス状態であって、ベストフォーカス状態における積算露光量の値がJh1である場合を示す。ラインLBDBは、ベストフォーカス状態であって、ベストフォーカス状態における積算露光量の値がJh1と異なるJh2である場合を示し、ラインLBDDは、デフォーカス状態であって、ベストフォーカス状態における積算露光量の値がJh2である場合を示す。ラインLUDBは、ベストフォーカス状態であって、ベストフォーカス状態における積算露光量の値がJh1及びJh2と異なるJh3である場合を示し、ラインLUDDは、デフォーカス状態であって、ベストフォーカス状態における積算露光量の値がJh3である場合を示す。
図20に示すように、ベストフォーカス状態における積算露光量の値が、値Jh1、Jh2、Jh3に変化した場合でも、ベストフォーカス状態における積算露光量とデフォーカス状態における積算露光量とが一致する値Jk1、Jk2、Jk3が存在する。これにより、基板P(感光膜)の感光特性に応じて、例えば値Jh1、Jh2、Jh3のなかから、最適な値を決定することによって、現像後において基板Pに形成されるパターンを均一にすることができる。
例えば、基板Pの感光膜が、照射された露光光ELの積算露光量が値Jk1以上である場合に現像によって除去される感光特性を有する場合、ベストフォーカス状態における積算露光量として、値Jh1が決定される。同様に、基板Pの感光膜が、照射された露光光ELの積算露光量が値Jk2以上である場合に現像によって除去される感光特性を有する場合、ベストフォーカス状態における積算露光量として、値Jh2が決定される。また、基板Pの感光膜が、照射された露光光ELの積算露光量が値Jk3以上である場合に現像によって除去される感光特性を有する場合、ベストフォーカス状態における積算露光量として、値Jh3が決定される。
このように、基板Pにおいてパターンの寸法を均一にできる積算露光量Jhは、基板Pの感光特性に応じて決定される。
以下の説明において、基板Pにおいてパターンが不均一になることを抑制できる積算露光量を適宜、最適積算露光量JOPT、と称する。
また、図10を参照して説明したように、パターンの寸法Waは、目標寸法WTと異なる。すなわち、基板Pにおいて、パターンの寸法Waは均一になるものの、その寸法Waは、目標寸法WTと異なる。そこで、上述の第1実施形態と同様、本実施形態においても、現像時間Tを調整することによって、基板Pのパターン(感光膜のパターン)の寸法を、目標寸法WTにする。例えば図12を参照して説明したように、現像処理においては、感光膜の輪郭(外形)は、等方的に変化する。したがって、現像時間Tを調整することによって、寸法Waの感光膜のパターンを、寸法WTの感光膜のパターンに変化させることができる。
以下の説明において、基板Pに均一に形成されたパターンの寸法Waを目標寸法WTにすることができる現像時間を適宜、最適現像時間TOPT、と称する。
以上、所定の露光条件に相当する最適積算露光量JOPT、及び所定の現像条件に相当する最適現像時間TOPTについて説明した。
以下、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTの決定方法を含む、パターンの形成方法の一例について説明する。
本実施形態に係るパターン形成方法は、図13のフローチャートに示したように、パターンが不均一になることを抑制できる所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)及び所定の現像条件(最適現像時間TOPT)を決定すること(ステップSP1)と、その決定された所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)で基板Pを露光し、その決定された所定の現像条件(最適現像時間TOPT)で基板Pを現像すること(ステップSP2)とを含む。
ステップSP1においては、所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)及び所定の現像条件(最適現像時間TOPT)を決定するために、基板を露光する処理、及びその露光された基板を現像する処理が実行される。ステップSP2においては、基板Pにデバイス(デバイスパターン)を形成するために、決定された所定の露光条件で、基板を露光する処理、及び決定された所定の現像条件で、基板を現像する処理が実行される。
以下の説明において、最適積算露光量JOPT及び最適現像時間TOPTを決定するために、ステップSP1において実行される露光を適宜、テスト露光、と称し、ステップSP1において実行される現像を適宜、テスト現像、と称する。また、ステップSP1において使用される基板を適宜、テスト基板Pt、と称する。また、デバイスパターンを形成するために、ステップSP2において実行される露光を適宜、本露光、と称し、ステップSP2において実行される現像を適宜、本現像、と称する。
本実施形態において、ステップSP1は、異なる複数の露光条件のそれぞれで、投影光学系の投影領域に照射されたマスクMからの露光光ELでテスト基板Ptをテスト露光することと、異なる複数の現像条件のそれぞれで、テスト露光されたテスト基板Ptをテスト現像することと、テスト露光及びテスト現像によりテスト基板Ptに形成されたパターンに基づいて、所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)及び所定の現像条件(最適現像時間TOPT)を決定することと、を含む。
本実施形態において、ステップSP2は、ステップSP1で決定された所定の露光条件(最適積算露光量JOPT)で、投影光学系の投影領域に照射されたマスクMからの露光光ELで基板Pを本露光することと、ステップSP1で決定された所定の現像条件(最適現像時間TOPT)で、本露光された基板Pを本現像することと、を含む。
テスト露光においては、テスト基板Ptが露光される。テスト基板Ptとして、第1テスト基板Pt1と、第2テスト基板Pt2とが使用される。
本実施形態において、テスト露光は、図21のフローチャートに示すように、投影光学系PLの像面に対して第1テスト基板Pt1の第1領域AR1の表面を第1位置(例えばベストフォーカス位置)に配置して、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射された露光光ELにより第1テスト基板Pt1の第1領域AR1を露光すること(ステップSC1)と、投影光学系PLの像面に対して第1テスト基板Pt1の第2領域AR2の表面を第1位置と異なる第2位置(例えばデフォーカス位置)に配置して、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射された露光光ELにより第1テスト基板Pt1の第2領域AR2を露光すること(ステップSC2)と、投影光学系PLの像面に対して第1テスト基板Pt1の第3領域AR3を第1位置に配置して、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaと異なる第2値Jbになるように、投影光学系PLの投影領域PRに照射された露光光ELにより第1テスト基板Pt1の第3領域AR3を露光すること(ステップSC3)と、投影光学系PLの像面に対して第1テスト基板Pt1の第4領域AR4を第2位置に配置して、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第2値Jbになるように、投影光学系PLの投影領域PRに照射された露光光ELにより第1テスト基板Pt1の第4領域AR4を露光すること(ステップSC4)と、投影光学系PLの像面に対して第2テスト基板Pt2の第5領域AR5を第1位置に配置して、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影光学系PLの投影領域PRに照射された露光光ELにより第2テスト基板Pt2の第5領域AR5を露光すること(ステップSC5)と、投影光学系PLの像面に対して第2テスト基板Pt2の第6領域AR6を第2位置に配置して、投影光学系PLの投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影光学系PLの投影領域PRに照射された露光光ELにより第2テスト基板Pt2の第6領域AR6を露光すること(ステップSC6)と、を含む。
本実施形態において、テスト現像は、図15のフローチャートに示したように、第1〜第4領域AR1〜AR4が露光された第1テスト基板Pt1を第1時間Taで現像して、第1テスト基板Pt1の第1〜第4領域AR1〜AR4のそれぞれに、感光膜のパターンを形成すること(ステップSB1)と、第5,第6領域AR5,AR6が露光された第2テスト基板Pt2を第1時間Taと異なる第2時間Tbで現像して、第2テスト基板Pt2の第5,第6領域AR5,AR6のそれぞれに、感光膜のパターンを形成すること(ステップSB2)と、を含む。
以下の説明において、テスト現像後、第1領域AR1に形成された感光膜のパターンを適宜、第1パターン、と称する。同様に、テスト現像後、第2,第3,第4,第5,第6領域AR2,AR3,AR4,AR5,AR6のそれぞれに形成された感光膜のパターンを適宜、第2,第3,第4,第5,第6パターン、と称する。
図22は、第1テスト基板Pt1の一例を示す模式図、図23は、第2テスト基板Pt2の一例を示す模式図である。なお、図22及び図23においては、投影領域PRの形状を長方形とする。
本実施形態においては、図22に示すように、ベストフォーカス状態で、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第1領域AR1が露光される(ステップSC1)。
また、所定のデフォーカス状態で、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第2領域AR2が露光される(ステップSC2)。
また、ベストフォーカス状態で、投影領域PRにおける積算露光量が第2値Jbになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第3領域AR3が露光される(ステップSC3)。第2値Jbは、第1値Jaと異なる。本実施形態において、第2値Jbは、第1値Jaの例えば1.2倍である。
また、所定のデフォーカス状態(例えば、ステップSC2と同じデフォーカス状態)で、投影領域PRにおける積算露光量が第2値Jbになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第1テスト基板Pt1の第4領域AR4が露光される(ステップSC4)。
また、図23に示すように、ベストフォーカス状態で、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第2テスト基板Pt2の第5領域AR5が露光される(ステップSC5)。
また、所定のデフォーカス状態(例えば、ステップSC2と同じデフォーカス状態)で、投影領域PRにおける積算露光量が第1値Jaになるように、投影領域PRに照射されたマスクMからの露光光ELで第2テスト基板Pt2の第6領域AR6が露光される(ステップSC6)。
次に、第1テスト基板Pt1に対して、現像処理が実行される(ステップSB1)。第1テスト基板Pt1の現像時間は、第1時間Taである。
また、第2テスト基板Pt2に対して、現像処理が実行される(ステップSB2)。第2テスト基板Pt2の現像時間は、第2時間Tbである。第1時間Taと第2時間Tbとは異なる。本実施形態において、第2時間Tbは、例えば第1時間Taの0.8倍である。
第1、第2テスト基板Pt1、Pt2に対する現像が実行されることによって、第1領域AR1には感光膜の第1パターンが形成され、第2領域AR2には感光膜の第2パターンが形成され、第3領域AR3には感光膜の第3パターンが形成され、第4領域AR4には感光膜の第4パターンが形成され、第5領域AR5には感光膜の第5パターンが形成され、第6領域AR6には感光膜の第6パターンが形成される。第1〜第6パターンのそれぞれは、ラインパターンである。
次に、本実施形態においては、第1パターン、第2パターン、第3パターン、第4パターン、第5パターン、及び第6パターンの寸法(ボトム幅)が計測される。パターンの寸法(ボトム幅)の計測は、例えばSEM等、所定の計測装置を用いて実行される。
計測装置で計測された第1パターンの寸法は、W1である。第2パターンの寸法は、W1’である。第3パターンの寸法は、W2である。第4パターンの寸法は、W2’である。第5パターンの寸法は、W3である。第6パターンの寸法は、W3’である。
次に、第1値Ja、第2値Jb、第1時間Ta、第2時間Tb、目標寸法WT、及び第1〜第6パターンの寸法W1〜W6に基づいて、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを決定する処理が実行される。本実施形態においては、既知である第1値Ja、第2値Jb、第1時間Ta、第2時間Tb、目標寸法WT、及び第1〜第6パターンの寸法W1〜W6を使って、計算により、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを決定する。
以下、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTの決定方法の一例について説明する。本実施形態に係る決定方法は、上述の第1実施形態において図18を参照して説明した手順とほぼ同様である。以下、図18を参照して説明する。
図18(A)において、ラインL4及びラインL4’は、図18(B)に示すような、露光条件及び現像条件が異なっても感光膜のパターンのボトム幅が同じになる感光膜の輪郭の一部を表す。本実施形態においては、以下に説明する計算により、ラインL4及びラインL4’が得られるような最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを求める。
ラインL1は、ベストフォーカス状態において、積算露光量をJa、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。ラインL1’は、デフォーカス状態において、積算露光量をJa、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。すなわち、ラインL1は、図22に示す第1領域AR1に形成された感光膜のパターンの輪郭を表し、ラインL1’は、図22に示す第2領域AR2に形成された感光膜のパターンの輪郭を表す。
ラインL1を、以下の(1B)式で表し、ラインL1’を、以下の(2B)式で表すこととする。
y=a1x+b1 …(1B)
y=a1’x+b1’ …(2B)
また、ラインL1とラインL1’との交点の座標を(WP/2、hP)とする。
ラインL2は、ベストフォーカス状態において、積算露光量をJb、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。ラインL2’は、デフォーカス状態において、積算露光量をJb、現像時間をTaとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。すなわち、ラインL2は、図22に示す第3領域AR3に形成された感光膜のパターンの輪郭を表し、ラインL2’は、図22に示す第4領域AR4に形成された感光膜のパターンの輪郭を表す。
ラインL2を、以下の(3B)式で表し、ラインL2’を、以下の(4B)式で表すこととする。
y=a2x+b2 …(3B)
y=a2’x+b2’ …(4B)
a2、b2 、a2’、b2’は、積算露光量に比例する。(3B)式、(4B)式は、以下の(3B)式、(4B)式に変形できる。
y=(a1x+b1 )×(Jb/Ja) …(3B)
y=(a1’x+b1’)×(Jb/Ja) …(4B)
ラインL2とラインL2’との交点の座標は(WP/2、hP×(Jb/Ja))となる。
ラインL3は、ベストフォーカス状態において、積算露光量をJa、現像時間をTbとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。ラインL3’は、デフォーカス状態において、積算露光量をJa、現像時間をTbとして、露光及び現像した場合の、感光膜のパターンの輪郭を表す。すなわち、ラインL3は、図23に示す第5領域AR5に形成された感光膜のパターンの輪郭を表し、ラインL3’は、図23に示す第6領域AR6に形成された感光膜のパターンの輪郭を表す。
ラインL3を、以下の(5B)式で表し、ラインL3’を、以下の(6B)式で表すこととする。ここで、現像時間が変化しても、a1、a1’は変化しないものと仮定する。
y=a1x+b3 …(5B)
y=a1’x+b3’ …(6B)
ラインL3とラインL3’との交点の座標を(WQ/2、hQ)とする。
ラインL4を、以下の式(7B)で表し、ラインL4’を、以下の式(8B)で表すこととする。
y=aOPT+bOPT …(7B)
y=aOPT’+bOPT’ …(8B)
ラインL4とラインL4’との交点の座標を(WT/2、h0)とする。
ラインL1、L1’、L2、L2’、L3、L3’と、y=h0との交点は、計測装置を使って計測したボトム幅の半値である。したがって、以下の式が成り立つ。
h0=a1W1/2+b1 …(9B)
h0=a1’W1’ /2+b1’…(10B)
h0=a1(Jb/Ja)W2/2+b1(Jb/Ja) …(11B)
h0=a1’(Jb/Ja)W2’ /2+b1’(Jb/Ja) …(12B)
h0=a1W3/2+b3 …(13B)
h0=a1’W3’ /2+b3’…(14B)
(9B)式、(10B)式、(13B)式、(14B)式より、以下の式が導出される。
b1=h0−a1W1/2
b1’=h0−a1’W1 ’ /2
b3=h0−a1W3/2
b3’=h0−a1’W3 ’ /2
(9B)式及び(11B)式より、以下の(15B)式が導出され、(10B)式及び(12B)式より、以下の(16B)式が導出され、(9B)式及び(15B)式より、以下の(17B)式が導出され、(10B)式及び(16B)式より、以下の(18B)式が導出され、(13B)式及び(15B)式より、以下の(19B)式が導出され、(14B)式及び(16B)式より、以下の(20B)式が導出される。
a1=h0×{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2/2−W1/2)} …(15B)
a1’=h0×{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2’ /2−W1’ /2)} …(16B)
b1=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2/2−W1/2)}×W1/2〕 …(17B)
b1’=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2’ /2−W1’ /2)×W1’ /2} …(18B)
b3=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2/2−W1/2)}×W3/2〕 …(19B)
b3’=h0×〔1−{1−(Jb/Ja)}/{(Jb/Ja)×(W2’ /2−W1’ /2)×W3’ /2} …(20B)
ラインL1、及びラインL1’は、交点(WP/2、hP)を通るので、以下の(21B)式、(22B)式が成り立つ。
hP=a1WP/2+b1 …(21B)
hP=a1’WP/2+b1’ …(22B)
よって、以下の(23B)式、(24B)式が導出される。
WP=2×(b1’−b1)/(a1−a1’) …(23B)
hP=(a1b1’−a1’b1)/(a1−a1’) …(24B)
ラインL3、及びラインL3’は、交点(WQ/2、hQ)を通るので、以下の(25B)式、(26B)式が成り立つ。
hQ=a1WQ/2+b3 …(25B)
hQ=a1’WQ/2+b3’ …(26B)
よって、以下の(27B)式、(28B)式が導出される。
WQ=2×(b3’−b3)/(a1−a1’) …(27B)
hQ=(a1b3’−a1’b3)/(a1−a1’) …(28B)
点(WP/2、hP)と点(WQ/2、hQ)を通る直線上にあって、寸法(線幅)の半値が目標寸法WTの半値WT/2と等しくなる点の座標を点(WT/2、hR)とすると、点(WP/2、hP)、点(WQ/2、hQ)、点(WT/2、hR)は、同一直線上にあるので、以下の(29B)式が成り立つ。
(hQ−hP)/(WQ/2−WP/2)=(hR−hP)/(WT/2−WP/2) …(29B)
(29B)式を、hRについて整理すると、以下の(30B)式が導出される。
hR=hP+(WT−WP)×(hQ−hP)/(WQ−WP) …(30B)
最適積算露光量JOPTについて、以下の(31B)式が成り立つ。
JOPT/Ja=h0/hR …(31B)
(30B)式、(31B)式より、以下の(32B)式が導出される。
JOPT=Ja×〔h0/{hP+(WT−WP)×(hQ−hP)/(WQ−WP)}〕 …(32B)
(32B)式に、(23B)式、(24B)式、(27B)式、(28B)式を代入すると、以下の(33B)式が導出される。
JOPT=Ja×h0/〔(a1b1’−a1’b1)/(a1−a1’)+{WT/2−(b1’−b1)/(a1−a1’)}×(a1b3’−a1’b3−a1b1’−a1’b1)/(b3’−b3−b1’+b1) …(33B)
最適現像時間TOPTについて、以下の(34B)式が成り立つ。
(TOPT−Ta)/(Tb−Ta)=(WT/2−WP/2)/(WQ/2−WP/2) …(34B)
(34B)式をTOPTについて展開すると、以下の(35B)式が導出される。
TOPT=Ta+(Tb−Ta)×(WT−WP)/(WQ−WP) …(35B)
(35B)式に、(23B)式、(27B)式を代入すると、以下の(36B)式が導出される。
TOPT=Ta+(Tb−Ta)×{(a1−a1’)×WT/2−(b1’−b1)}/(b3’−b3−b1’+b1) …(36B)
最適積算露光量JOPTを表す(33B)式、及び最適現像時間TOPTを表す(36B)式のa1〜b3’に、(15B)式〜(20B)式を代入すると、h0は、消去される。以上により、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTが導出される。
以上により、テスト基板Pt(Pt1、Pt2)を用いて、最適積算露光量JOPT、及び最適現像時間TOPTを決定する処理(ステップSP1)が完了する。
決定された最適積算露光量JOPTで基板Pを本露光し、決定された最適現像時間TOPTで本現像することによって、基板Pに、均一で所望の寸法のパターン(デバイスパターン)が形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、基板Pに、均一で所望の寸法を有するパターンを形成することができる。したがって、不良デバイスの発生を抑制できる。
なお、本実施形態においては、第1〜第4パターンが、第1テスト基板Pt1に形成され、第5,第6パターンが、第2テスト基板Pt2に形成されることとしたが、もちろん、第1〜第6パターンのそれぞれが、異なる第1〜第6テスト基板に形成されてもよいし、例えば第1、第2パターンが第1テスト基板に形成され、第3,第4パターンが第2テスト基板に形成され、第5,第6パターンが第3テスト基板に形成されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、感光膜がポジ型であることとしたが、露光光ELが照射されていない部分が現像によって除去されるネガ型でもよい。
なお、上述の第1、第2実施形態の基板Pとしては、ディスプレイデバイス用のガラス基板のみならず、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
なお、露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを介した露光光ELで基板Pを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基板を保持せずに、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
露光装置EXの種類としては、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置に限られず、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図24に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクからの露光光で基板を露光して基板にパターンの像を投影すること、露光された基板(感光膜)を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。なお、ステップ204では、感光膜を現像することで、マスクのパターンに対応する露光パターン層(現像された感光膜の層)を形成し、この露光パターン層を介して基板を加工することが含まれる。例えば、基板の加工は、現像された基板をエッチング処理することを含む。
なお、上述の実施形態及び変形例の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
なお、上述の実施形態では、本発明を露光装置に適用するものとして説明したが、本発明は、露光装置に限定されず、例えば基板Pに設けられた複数の被処理領域を顕微鏡等で順次観察して検査する検査装置等にも適用することができる。
1…マスクステージ、2…基板ステージ、4…制御装置、M…マスク、P…基板、Pt…テスト基板、PL1〜PL7…投影光学系、PR1〜PR7…投影領域

Claims (6)

  1. 投影光学系からの露光光で感光性の基板に露光光を照射して前記基板にパターンを形成するパターン形成方法であって、
    前記投影光学系の像面に対して第1基板の露光面を第1位置に配置して、前記投影光学系の投影領域における積算露光量が第1値になるように、前記投影領域に照射された前記露光光により前記第1基板を露光することと、
    前記像面に対して第2基板の露光面を前記第1位置と異なる第2位置に配置して、前記投影領域における積算露光量が前記第1値になるように、前記投影領域に照射された前記露光光により前記第2基板を露光することと、
    前記像面に対して第3基板を前記第1位置に配置して、前記投影領域における積算露光量が前記第1値と異なる第2値になるように、前記投影領域に照射された前記露光光により前記第3基板を露光することと、
    前記像面に対して第4基板を前記第2位置に配置して、前記投影領域における積算露光量が前記第2値になるように、前記投影領域に照射された前記露光光により前記第4基板を露光することと、
    前記像面に対して第5基板を前記第1位置に配置して、前記投影領域における積算露光量が前記第1値になるように、前記投影領域に照射された前記露光光により前記第5基板を露光することと、
    前記像面に対して第6基板を前記第2位置に配置して、前記投影領域における積算露光量が前記第1値になるように、前記投影領域に照射された前記露光光により前記第6基板を露光することと、
    前記第1基板を第1時間で現像して、前記第1基板に第1パターンを形成することと、
    前記第2基板を前記第1時間で現像して、前記第2基板に第2パターンを形成することと、
    前記第3基板を前記第1時間で現像して、前記第3基板に第3パターンを形成することと、
    前記第4基板を前記第1時間で現像して、前記第4基板に第4パターンを形成することと、
    前記第5基板を前記第1時間と異なる第2時間で現像して、前記第5基板に第5パターンを形成することと、
    前記第6基板を前記第2時間で現像して、前記第6基板に第6パターンを形成することと、
    第1乃至第6パターンに基づいて、所定パターンに対応する露光条件及び現像条件を決定することと、
    前記所定パターンに対応する露光条件で、前記投影領域に照射された露光光により第7基板を露光することと、
    前記所定パターンに対応する現像条件で、前記第7基板を現像することと、
    を含むパターン形成方法。
  2. 前記第1パターン、前記第2パターン、前記第3パターン、前記第4パターン、前記第5パターン、及び前記第6パターンの寸法を計測することを含み、
    前記所定パターンに対応する露光条件及び現像条件の決定は、
    前記所定パターンの寸法、前記第1値、前記第2値、前記第1時間、前記第2時間、及び前記寸法の計測結果に基づいて実行される請求項1記載のパターン形成方法。
  3. 前記第1基板、前記第2基板、前記第3基板、前記第4基板、前記第5基板、及び前記第6基板の少なくも2つは、同一の基板である請求項1又は2記載のパターン形成方法。
  4. 前記所定パターンに対応する露光条件は、
    前記像面に対して前記第1位置に配置された前記基板に形成されるパターンの寸法と、前記第2位置に配置された前記基板に形成されるパターンの寸法とがほぼ一致する前記投影領域における露光量を含む請求項1〜3のいずれか一項記載のパターン形成方法。
  5. 前記所定パターンに対応する現像条件は、
    前記基板に形成される前記所定パターンの寸法が目標値になる現像時間を含む請求項1〜4のいずれか一項記載のパターン形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載のパターン形成方法を用いて基板にパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を加工することと、
    を含むデバイス製造方法。
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