JP2011089935A - レゾルバ異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レゾルバ異常検出において、誤診断の可能性を抑制することである。
【解決手段】レゾルバシステム10は、レゾルバ本体12と、レゾルバ信号処理回路30とを備え、レゾルバ信号処理回路30に含まれるレゾルバ異常診断処理部40は、電気周期一周期ごとにおける正弦波信号の振幅最大値と余弦波信号の振幅最大値とを取得する電気周期ごと最大ピーク値取得部42と、取得された振幅最大値を予め定めた閾値振幅と比較してレゾルバ異常を判定する閾値比較判断部44と、高回転数のときにサンプリング数を増加させ、また異常確定までの時間を拡張する高回転数時処理部46とを含んで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、レゾルバ異常検出装置に係り、特に、励磁信号に基づいて正弦波信号と余弦波信号とを出力するレゾルバの異常を検出するレゾルバ異常検出装置に関する。
従来から、電動機等の回転電機のロータ回転角を検出するためにレゾルバが用いられている。レゾルバで検出された回転角は、その検出対象である回転電機の電流制御等に用いられるので、レゾルバに断線、ショート、励磁信号異常等が生じた場合には、回転電機の制御等も正常に行えなくなる。そこで、これらの故障を迅速に検出する必要がある。また、レゾルバが車両搭載の回転電機に用いられる場合には、車載式故障診断(On Board Diagnosis;OBD)においては断線・レンジ外れの検出は、他のセンサ等の情報から比較判定されるラショナリティの検出と別ロジックで検出する必要がある。
レゾルバ異常のラショナリティ検出として、特許文献1には、レゾルバ異常検出装置として、レゾルバによってsinθとcosθを検出し、sin2θ+cos2θ=1となるか否かでレゾルバ検出異常を判定することが述べられている。
また、特許文献2には、回転角検出装置としてのレゾルバの異常判定を行うために、励磁信号の周期を2λとして、(2n+1)λの周期で正弦波出力信号と余弦波出力信号をサンプリングし、sinθとcosθを検出し、sin2θ+cos2θを計算して、サンプリングごとにおける差を見て、閾値より大きいときに異常と判定することが述べられている。これにより、正弦波、余弦波の中心電圧のばらつきによる誤差を判定できると述べられている。ここで、(2n+1)λの周期にするのは、サンプリング信号の最大値と最小値とを交互に検出するためである。また、回転体の回転数Nが高いほど、判定に用いる閾値を大きく設定することが述べられている。
また、特許文献3には、レゾルバの励磁信号の異常検出装置として、励磁信号が異常状態となっても、モータ位相角度は正常であるときは、sin2θ+cos2θ=1が成立し、特許文献1の方法が使えないことが指摘されている。ここでは、正常時のときは、サンプリングごとにモータ回転角を算出しても、その変化は少ないが、異常時のときはサンプリングごとに算出されたモータ回転角の変化が大きくなることを利用して、励磁信号の異常を検出できると述べられている。
レゾルバ異常の断線検出として、特許文献4には、レゾルバ断線検出装置として、レゾルバの出力する正弦波信号と余弦波信号について、正弦波信号を移相して余弦波信号化した信号と余弦波信号とを加算して励磁信号と同じ振幅の信号化し、これを励磁信号と比較してレゾルバの断線を検出する構成が述べられている。
また、レゾルバ異常の短絡検出として、特許文献5には、レゾルバの出力側コイル短絡の異常検出方法として、出力側コイルの一方側が短絡故障すると、そのコイル側の出力信号の回転角に対するサンプリング値にオフセットが生じるので、他方側のコイルの出力信号の最大値あるいは最小値のタイミングにおいて、一方側のコイルの出力値にオフセットが生じることを述べている。そこで、レゾルバの回転角度が0°及び180°のタイミングで出力されるNM(ノースマーク)信号の間で、励磁信号の最大値と最小値に同期してsinコイル信号とcosコイル信号をサンプリングし、その最大値を順次更新し、sinコイル信号が最大値をとったタイミングにおけるcosコイル信号の中心値より設計上の中心値を減算してオフセット値を求め、これを閾値と比較して、出力側コイルの短絡異常を検出することが述べられている。
特開平9−72758号公報 特開2009−68887号公報 特開2009−133793号公報 特開平3−78668号公報 特開2001−343253号公報
従来技術によれば、サンプリングによって取得された信号から波形を再現した正弦波信号、余弦波信号に基づき、様々な手法を用いてレゾルバの異常を検出することができる。ところで、レゾルバの異常検出に正弦波信号または余弦波信号のサンプリングを用いると、サンプリングの仕方によっては正しい波形の再現ができないエリアシングと呼ばれる現象が生じ得る。例えば、サンプリングによって取得された信号を再現すると、サンプリングの仕方によっては、正弦波信号または余弦波信号の振幅がゼロ付近とされることが生じ得る。これによってレゾルバ断線と誤診断する可能性がある。
また、エリアシングは、周期信号の一周期におけるサンプリング数が少ない場合に生じることが多く、例えば、回転電機が高速回転となって、回転電機の回転一周期が短くなるにつれて生じ得る。従来技術においては、このようなサンプリングによる誤診断の可能性について述べられていない。
本発明の目的は、誤診断の可能性を抑制できるレゾルバ異常検出装置を提供することである。他の目的は、レゾルバの検出対象である回転電機の回転速度が高速になっても誤診断の可能性を抑制できるレゾルバ異常診断装置を提供することである。
本発明に係るレゾルバ異常検出装置は、励磁信号に基づいて正弦波信号と余弦波信号とを出力するレゾルバの異常を検出するレゾルバ異常検出装置であって、レゾルバからの正弦波信号と余弦波信号を取得する手段と、レゾルバからの正弦波信号と余弦波信号に基づいて回転角を算出し、電気周期一周期ごとの周期信号を出力する手段と、取得された正弦波信号と余弦波信号とをサンプリング基準信号のタイミングに基づいてサンプリングするサンプリング手段と、サンプリングされた正弦波信号と余弦波信号のそれぞれについて、電気周期一周期ごとに、各周期の間においてそれらの振幅最大値を順次更新してその周期における振幅最大値を求めて保持する最大値保持手段と、電気周期一周期において保持されたそれぞれの振幅最大値を予め定めた閾値振幅と比較して、正弦波信号側と余弦波信号側とを区別しながらレゾルバ異常か否かを判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るレゾルバ異常検出装置において、レゾルバの測定対象の回転体の回転速度に応じて変化する電気周期一周期当りのサンプリング数を算出し、予め定めた閾値サンプリング数と比較して、サンプリング数が適切か否かを監視する監視手段を備えることが好ましい。
また、本発明に係るレゾルバ異常検出装置において、監視手段の判断が閾値サンプリング数以下であるときに、割り込みサンプリングによりサンプリング数を増加させるサンプリング可変手段を含むことが好ましい。
また、本発明に係るレゾルバ異常検出装置において、異常判定手段は、監視手段の判断が閾値サンプリング数以下であるときに、異常判定のための判定期間を拡張することが好ましい。
上記構成により、レゾルバ異常検出装置は、サンプリングされた正弦波信号と余弦波信号のそれぞれについて、電気周期一周期ごとに、各周期の間においてそれらの振幅最大値を順次更新してその周期における振幅最大値を求めて保持する最大値保持手段と、電気周期一周期において保持されたそれぞれの振幅最大値を予め定めた閾値振幅と比較して、正弦波信号側と余弦波信号側とを区別しながらレゾルバ異常か否かを判定する。このように、電気周期一周期の間の振幅最大値に基づいて異常判定を行うので、従来技術のようにサンプリング信号によって波形を再現する方法によるために生じ得るエリアシングによる誤診断を抑制できる。
また、レゾルバ異常検出装置において、レゾルバの測定対象の回転体の回転速度に応じて変化する電気周期一周期当りのサンプリング数を算出し、予め定めた閾値サンプリング数と比較して、サンプリング数が適切か否かを監視する。電気周期一周期当りのサンプリング数が少ないと、誤診断の可能性が高まるが、上記構成によれば、その誤診断の可能性を監視できるので、誤診断を未然に防止できる。
また、レゾルバ異常検出装置において、監視手段の判断が閾値サンプリング数以下であるときに、割り込みサンプリングによりサンプリング数を増加させる。このようにして、電気周期一周期当りのサンプリング数を増加できるので、誤診断の可能性を抑制できる。
また、レゾルバ異常検出装置において、監視手段の判断が閾値サンプリング数以下であるときに、異常判定のための判定期間を拡張する。これによって、誤診断の可能性を抑制できる。
本発明に係る実施の形態のレゾルバ異常検出装置が適用されるレゾルバシステムの構成を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、レゾルバ異常を検出する様子を説明するタイムチャートである。 本発明に係る実施の形態において、サンプリングタイミング可変処理の手順を説明するフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、以上確定時間可変処理の手順を説明するフローチャートである。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、レゾルバの検出対象を車両に搭載される回転電機であるとして説明するが、車両搭載用以外の回転電機であっても構わない。
また、以下では、レゾルバ異常診断の機能をレゾルバ信号処理回路に含める構成として説明するが、レゾルバ信号処理回路を回転数・回転角算出処理の機能を有する一般的な構成として、レゾルバ異常診断の機能の部分を独立させるものとしてもよい。また、その場合、レゾルバ異常診断の機能の部分を、車両に搭載される他の故障診断機能を有する装置の一部の機能として構成することもできる。
また、以下で説明するサンプリング数、角度等は説明のための例示であるので、レゾルバの仕様によって適宜変更が可能である。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、車両に搭載される回転電機の回転角を検出するレゾルバシステム10の構成を説明する図である。レゾルバシステム10は、レゾルバ本体12と、レゾルバ信号処理回路30とを含んで構成される。
レゾルバ本体12とレゾルバ信号処理回路30との間には、レゾルバ本体12に励磁信号を与える信号源14と、励磁信号を処理してサンプリング基準信号を生成する差動増幅器16と、レゾルバ本体12に互いに直交して配置される検出コイルからの出力信号をそれぞれ処理して正弦波信号と余弦波信号を生成する差動増幅器18,20と、正弦波信号と余弦波信号とからレゾルバで測定している回転角が0°および180°のタイミングでノースマーク(NM)信号と呼ばれる信号を出力するNM算出回路22とが設けられる。
レゾルバ信号処理回路30は、サンプリング基準信号と正弦波信号と余弦波信号とに基づいて、回転電機の回転数と回転角とを算出し、回転電機の制御回路に出力する回転数・回転角算出処理部32が含まれる。さらにレゾルバ信号処理回路30には、レゾルバ異常診断処理部40が含まれる。
レゾルバ本体12に互いに直交して設けられるコイルからそれぞれ正弦波信号と余弦波信号とを生成してレゾルバ信号処理回路30に出力するまでを、それぞれ正弦波出力部と余弦波出力部と呼ぶことができる。これらの経路で断線等が生じると、レゾルバ信号処理回路30に正しく正弦波信号または余弦波信号が伝達されない。レゾルバ異常診断処理部40は、このようなときにレゾルバ異常と判定する。
レゾルバ異常診断処理部40は、このようにレゾルバシステム10の異常を診断し、異常状態と判定されるときに異常検出信号を出力する機能を有する信号処理回路である。レゾルバ異常診断処理部40は、電気周期一周期ごとにおける正弦波信号の振幅最大値と余弦波信号の振幅最大値とを取得する電気周期ごと最大ピーク値取得部42と、取得された振幅最大値を予め定めた閾値振幅と比較してレゾルバ異常を判定する閾値比較判断部44と、高回転数のときにサンプリング数を増加させ、また異常確定までの時間を拡張する高回転数時処理部46とを含んで構成される。
レゾルバ異常診断処理部40は、CPU等の演算装置で構成することができ、上記の各機能はソフトウェアの実行によって実現できる。具体的には、対応するレゾルバ異常診断プログラムを実行することで実現できる。
上記構成の作用、特にレゾルバ異常診断処理部40の各機能について、図2から図4を用いて説明する。図2は、レゾルバ異常診断処理部40におけるレゾルバ異常判断の際の各信号の時系列的変化を示すタイムチャートで、電気周期ごと最大ピーク値取得部42と、閾値比較判断部44の機能を説明する図である。図3と図4は、高回転数時の処理を説明するフローチャートで、高回転数時処理部46の機能の内容を説明する図である。
図2において、横軸は時間tで、特にt=t0において正弦波出力部に関する断線が生じたものとしてある。図2の縦軸は、レゾルバシステム10の各信号の状態で、上段側から下段側に向かって順に、サンプリングタイミング、正弦波信号(SIN)、余弦波信号(COS)、ノースマーク信号(NM)、|SIN|MAX、|COS|MAX、回転数、異常確定信号が示されている。ここで、回転数は時間経過と共に高回転数となるものとされている。
サンプリングタイミングは、キャリア周波数に基づいて定められている。図1では、信号源14から出力される励磁信号をサンプリングタイミングの基準信号とすることができ、その場合には、キャリア周波数は励磁信号の周波数となる。例えば、励磁信号のプラス側の最大ピークごとにサンプリングタイミングをとれば、その周期は励磁信号周期となる。もっとも、励磁信号とは別に、サンプリングタイミングのための信号を用い、その周波数をキャリア周波数としてもよい。
図2に示されるように、励磁信号周波数であるキャリア周波数は予め定められた周波数であるので、サンプリング間隔は時刻によらず一定である。したがって、回転数が高回転数になるにつれて、一回転当りのサンプリング数が減少してくる。図2では、正弦波信号(SIN)の波形に重ねて、一回転周期を破線で示してあるが、時間経過と共に回転数が高回転数になるにつれて、一回転周期に含まれるサンプリング数が少なくなる様子が分かる。
正弦波信号(SIN)と余弦波信号は、回転数が一定であれば一定周期の繰り返し波形となるが、図2の例では、時間経過と共に回転数が高回転数となるので、その周期が次第に短くなってくる様子が示されている。
上記のように、時間t=t0において正弦波出力部に関する断線が生じたものとするので、t=t0以降は、正弦波信号(SIN)は繰り返し波形でなくなる。図2では、正弦波信号(SIN)は正常時で0Vから5Vの間の繰り返し波形とされていて、断線が生じると2.5Vの一定値を出力する構成の回路としてある。したがって、t=t0以降は、正弦波信号(SIN)は、2.5V一定となって繰り返し性がなくなる。
これに対し、余弦波出力部には断線が生じないものとするので、t=t0以降もそれ以前と同様に繰り返し波形を維持する。
ノースマーク信号(NM)は、ここでは回転角が360°で立ち上がり、0°で立ち下がる信号である。したがって、ノースマーク信号(NM)の360°を基準に取れば、ノースマーク信号の360°から次の360°までが、レゾルバシステムの測定対象である回転電機の電気周期の一周期と考えることができる。
|SIN|MAXは、レゾルバ周期の一周期中における正弦波信号の振幅値の最大値である。すなわち、レゾルバ一回転を一周期として、その間にサンプリングタイミングにおいて取得される正弦波信号の振幅値について、その絶対値を順次時間軸に沿って取り、絶対値が大きくなるときは前の絶対値を新しい大きな絶対値で更新し、絶対値が小さくなるときは、前の大きな絶対値をそのまま保持して得られる値である。
具体的には、ノースマーク信号(NM)の360°のときにこの値をゼロにリセットし、それ以降は、次のノースマーク信号(NM)の360°まで、サンプリングタイミングごとに取得される正弦波信号の振幅値の絶対値を記憶し、上記のように、前の値より大きな値が取得される度に記憶されている値を更新する。前の値より小さな値が取得されたときは記憶されている値の更新は行われない。そうして、次のノースマーク信号(NM)の360°のときの記憶値を、その電気周期一周期における|SIN|MAXとする。
このように、|SIN|MAXとは、ノースマーク信号(NM)の一周期ごとにおける値であって、その一周期中の正弦波信号の振幅値の絶対値の最大値のことである。図2の場合では、ノースマーク信号(NM)の最初の一周期の|SIN|MAXは、aの時間までに順次更新されて記憶されている値であるので、2.5Vである。次の一周期の|SIN|MAXは、時間bまでに順次更新されて記憶されている値であるが、その一周期の途中でt=t0となって断線が生じ、正弦波信号の振幅値=0Vとなっている。しかし、図2の場合、t=t0以前に既に正弦波信号の絶対値が2.5Vになっているので、やはり、2.5Vである。
さらにその次の一周期の|SIN|MAXは、時間cまでに順次更新されて記憶されている値であるが、その一周期の間、ずっと正弦波信号の振幅値=0Vであるので、0Vである。それ以降の周期の|SIN|MAXは、それぞれ、時間d,eまでのそれぞれの一周期の間に順次更新されて記憶されている値であるので、やはり0Vである。このように、正弦波出力部に断線が生じると、|SIN|MAXは0Vとなる。
|COS|MAXは、|SIN|MAXと同様に、レゾルバ周期の一周期中における余弦波信号の振幅値の最大値である。その値の定め方も、対象となる信号が正弦波信号から余弦波信号となるだけで、やはり、時間a,b,c,d,eまでのそれぞれの一周期の間の各サンプリングタイミングで取得された余弦波信号の振幅値の絶対値が順次更新されて記憶されている値である。図2においては、断線が生じていないので、時間a,b,c,d,eにおける値はいずれも2.5Vである。したがって、|COS|MAXは、どの一周期においても、2.5Vである。
このようにして、|SIN|MAXと|COS|MAXが算出されるが、この算出処理手順は、レゾルバ異常診断処理部40の電気周期ごと最大ピーク値取得部42の機能によって実行される。
|SIN|MAXと|COS|MAXに示されているLMthは、正弦波出力部あるいは余弦波出力部における断線異常を判定するために予め設定される閾値振幅である。LMthは、|SIN|MAXと|COS|MAXに共通の値として設定できるが、場合によっては異なる値としてもよい。上記の例で、正弦波信号と余弦波信号の振幅絶対値の最大値を2.5Vとすると、LMthは測定誤差を考慮して、例えば1Vと設定することができる。この場合、|SIN|MAXがLMth以下となるときは、正弦波出力部の断線異常があると判定でき、|COS|MAXがLMth以下となるときは、余弦波出力部の断線異常があると判定できる。
このように、予め閾値振幅を定めておいて、|SIN|MAXと|COS|MAXをこの閾値振幅と比較することで、レゾルバシステム10の断線系の異常を判定できる。上記では、断線異常のために振幅閾値LMthを設定したが、短絡異常の場合にも別の振幅閾値を設定してその異常の有無を判定することもできる。これらの判定は、レゾルバ異常診断処理部40の閾値比較判断部44の機能によって実行される。
上記のように、レゾルバシステム10の異常判定に、|SIN|MAXと|COS|MAXを求め、これを閾値振幅と比較することとすることで、従来技術のようにサンプリングによって正弦波信号の波形と余弦波信号の波形を再現する方法に比べ、エリアシングの影響を抑制することができる。すなわち、|SIN|MAXと|COS|MAXは電気周期一周期の中の波形振幅の絶対値の最大値であるので、適当なサンプリング数があれば、閾値振幅を超えて異常な値となることがほとんどなくなるからである。
電気周期一周期の間の適当なサンプリング数は、正弦波出力部または余弦波出力部の増幅度等で定まる信号最大振幅値と閾値振幅値との関係で定めることが可能である。回転電機の回転数が高回転数となると、このようにして求められる適当なサンプリング数を確保できないことが生じえる。レゾルバ異常診断処理部40の高回転数時処理部46は、そのような場合に、異常判定を正しく行えるようにする機能を有する。
図3は、サンプリングタイミングを可変して、適当なサンプリング数を確保する手順を示すフローチャートである。ここではまずキャリア周波数を取得する(S10)。キャリア周波数は、サンプリングタイミングのための基本周波数であり、ここでは励磁信号の周波数とすることができる。キャリア周波数に基づくサンプリングタイミングは図2の最上段に示されている。次に回転数を取得する(S12)。回転数は、レゾルバ信号処理回路30の回転数・回転角算出処理部32の出力から取得することができる。回転数は図2の最下段から数えて上段側に2つ目に示されている。
これらから、電気周期一周期当りのサンプル数が計算される(S14)。電気周期一周期とは機械一周期ではなく電気信号の一周期であり、ノースマーク信号(NM)の一周期に相当する。そして算出された電気周期一周期当りのサンプル数が少ないか否かが判断される(S16)。この処理手順は、レゾルバ異常判定のためのサンプル数が適切か否かの監視処理手順である。
一般的に電気周期一周期当りのサンプル数が少ないときはエリアシングのために正しい波形の再現ができないので、波形再現のために適したサンプル数が必要であるが、ここでは、|SIN|MAXと|COS|MAXと閾値振幅と比較してレゾルバ異常判定を行っているので、その観点からサンプル数の適切な値を定めることができる。
例えば、電気周期一周期について1つのサンプル数だと正しくレゾルバ異常判定ができない。電気周期一周期について2つのサンプル数であっても同様に正しくレゾルバ異常判定を行うことは困難である。それ以上のサンプル数が適当であるかは、正弦波信号および余弦波信号の振幅最大値に対する閾値振幅の設定によって異なってくる。例えば、電気周期一周期について6つのサンプル数が必要であるとして、S14の算出結果が電気周期一周期当り5つであるとすると、S16の判断は、肯定される。もし、S14の算出結果が電気周期一周期当りのサンプル数が6つ以上であるとS16の判断は否定され、処理は再びS10に戻る。
S16で判断が肯定されると、電気周期の回数をカウントし(S18)、2回目か否化を判断し(S20)、2回目のとき、すなわち、次の電気周期となったときに、電気周期一周期当りのサンプル数を増やすように割り込み処理を起動させる(S20)。そしてカウントしていた電気周期の回数をクリアして(S22)、次に備える。
このように、電気周期一周期当りのサンプル数が少ないと判断されると、サンプル数を1つ増やすように割り込み処理をかけるサンプリングタイミングの可変処理が行われる。図2では、正弦波信号(SIN)の3番目の電気周期のときと4番目の電気周期のときに、割り込み処理によって増加したサンプルf,gが示されている。この方法によれば、サンプル数が不足と判断されたときにのみ、サンプル数を増やすように割り込み処理をかけるので、処理負荷を急増させることなく、レゾルバ異常判定についての誤判断を抑制してその信頼性を向上させることができる。
図4は、電気周期一周期当りのサンプル数が少ないときに、異常確定時間を可変にして、レゾルバ異常判定の誤判定を抑制するための手順を示すフローチャートである。ここではまず、電気周期一周期当りのサンプル数が少ないか否かが判断される(S30)。この処理手順の内容は、上記のS16の内容と同じである。そして判断が否定されるとS30に戻る。判断が肯定されると、レゾルバ異常と判定することが可能であっても、その判定の確定を延ばし、例えば、電気周期一周期待って、次の異常判定のタイミングであるノースマーク信号(NM)が360°となるときの判定結果に従うものとすることができる。
図2では、時間cでレゾルバ異常と判定することが可能であるが、そのときの|SIN|MAXと|COS|MAXを取得する際のサンプル数が少ないので、電気周期一周期であるhの期間、異常判定の確定を延ばす様子が示されている。ここでは、電気周期一周期延ばした次の時間dにおいて再度、異常判定を行った結果、やはりレゾルバ異常と判断されたので、その時間dにおいて初めて、異常確定信号が出力されている。
このようにして、電気周期一周期当りのサンプル数が少ないと判断されると、異常確定時間を可変するので、レゾルバ異常判定についての誤判断を抑制してその信頼性を向上させることができる。図3の方法と図4の方法は、両方の方法を併用することができるが、場合によっては、いずれか一方を実行するものとしてもよい。これらの処理手順を実行することで、回転電機の回転数が高回転数となっても、誤診断の可能性を抑制することができ、回転数の全領域に渡って、誤診断を抑制しながら、レゾルバ異常を検出することが可能となる。
本発明に係るレゾルバ異常検出装置は、回転電機の回転角を検出するレゾルバに利用することができる。
10 レゾルバシステム、12 レゾルバ本体、14 信号源、16,18,20 差動増幅器、22 NM算出回路、30 レゾルバ信号処理回路、32 回転数・回転角算出処理部 40 レゾルバ異常診断処理部、42 電気周期ごと最大ピーク値取得部、44 閾値比較判断部、46 高回転数時処理部。

Claims (4)

  1. 励磁信号に基づいて正弦波信号と余弦波信号とを出力するレゾルバの異常を検出するレゾルバ異常検出装置であって、
    レゾルバからの正弦波信号と余弦波信号を取得する手段と、
    レゾルバからの正弦波信号と余弦波信号に基づいて回転角を算出し、電気周期一周期ごとの周期信号を出力する手段と、
    取得された正弦波信号と余弦波信号とをサンプリング基準信号のタイミングに基づいてサンプリングするサンプリング手段と、
    サンプリングされた正弦波信号と余弦波信号のそれぞれについて、電気周期一周期ごとに、各周期の間においてそれらの振幅最大値を順次更新してその周期における振幅最大値を求めて保持する最大値保持手段と、
    電気周期一周期において保持されたそれぞれの振幅最大値を予め定めた閾値振幅と比較して、正弦波信号側と余弦波信号側とを区別しながらレゾルバ異常か否かを判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とするレゾルバ異常検出装置。
  2. 請求項1に記載のレゾルバ異常検出装置において、
    レゾルバの測定対象の回転体の回転速度に応じて変化する電気周期一周期当りのサンプリング数を算出し、予め定めた閾値サンプリング数と比較して、サンプリング数が適切か否かを監視する監視手段を備えることを特徴とするレゾルバ異常装置。
  3. 請求項2に記載のレゾルバ異常検出装置において、
    監視手段の判断が閾値サンプリング数以下であるときに、割り込みサンプリングによりサンプリング数を増加させるサンプリング可変手段を含むことを特徴とするレゾルバ異常検出装置。
  4. 請求項2に記載のレゾルバ異常検出装置において、
    異常判定手段は、監視手段の判断が閾値サンプリング数以下であるときに、異常判定のための判定期間を拡張することを特徴とするレゾルバ異常検出装置。
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