JP2011088027A - 触媒劣化抑制材およびこれを備えた排ガス処理装置ならびに触媒劣化抑制材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒毒除去能を長時間にわたって安定的に高く維持することができる触媒劣化抑制材を提供する。
【解決手段】触媒劣化抑制材11は、排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒21の触媒毒による劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を予め捕捉または分解することで除去するものであって、無機材料からなる担体と、担体に担持された触媒毒除去材と、触媒毒除去材を担体に担持させるための無機バインダとを含み、触媒毒除去材として、純度99%以上の活性アルミナを65wt%以上85wt%以下で含有するとともに、その外表面積が、2500mm2/ml以上である。
【選択図】図1
【解決手段】触媒劣化抑制材11は、排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒21の触媒毒による劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を予め捕捉または分解することで除去するものであって、無機材料からなる担体と、担体に担持された触媒毒除去材と、触媒毒除去材を担体に担持させるための無機バインダとを含み、触媒毒除去材として、純度99%以上の活性アルミナを65wt%以上85wt%以下で含有するとともに、その外表面積が、2500mm2/ml以上である。
【選択図】図1
Description
本発明は、排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒の触媒毒による劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を予め捕捉または分解することで除去する触媒劣化抑制材およびその製造方法に関し、また上記触媒と上記触媒劣化抑制材とを用いて排ガスを処理する排ガス処理装置に関する。
従来、排ガス中に含まれる有害な揮発性有機化合物を分解または除去して排ガスを清浄化する各種の排ガス処理装置が実用化されている。その一つに、触媒を利用することで排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を効率的に酸化分解するように構成された排ガス処理装置が知られている。
この触媒を利用した排ガス処理装置は、触媒が設置された触媒槽に予め所定温度(一般的には、250℃〜350℃程度)に昇温された排ガスを通風することで排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解させ、これにより触媒槽に導入された排ガスを当該触媒槽から清浄ガスとして排出するものである。ここで、触媒としては、比較的低温で高い酸化分解活性を有する白金またはパラジウムといった貴金属系のものが使用される。
上述した貴金属系の触媒にあっては、その酸化分解活性が有機シリコン化合物や有機リン化合物等によって影響を受け易いことが知られている。すなわち、排ガス中に触媒毒であるこれら有機シリコン化合物や有機リン化合物等が混入している場合には、その含有量が非常に微量である場合にも、当該排ガスを通風することで触媒の酸化分解活性が大幅に劣化し、短時間のうちに触媒の排ガス処理能力が著しく低下してしまうことになる。
そのため、上述した触媒毒による触媒の劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を捕捉または分解する触媒毒除去材を含む触媒劣化抑制材を用いて予め触媒毒を排ガスから除去し、触媒毒が除去された後の排ガスを触媒に通風することで触媒の寿命を長くした排ガス処理装置が提案されている。この種の排ガス処理装置が開示された文献としては、たとえば特開昭55−15622号公報(特許文献1)や特開昭56−147616号公報(特許文献2)、特開平2−131139号公報(特許文献3)、特開2009−136841号公報(特許文献4)等がある。
また、上記触媒劣化抑制材としては、一般に、ハニカム構造を有する担体にバインダを用いて触媒毒除去材としての活性アルミナを担持させたものが使用される。ここで、上述した特許文献3や特開昭56−136656号公報(特許文献5)、特開昭59−10345号公報(特許文献6)等には、担体として無機繊維またはこれに加えて有機繊維を使用し、バインダとして無機バインダおよび/または有機バインダを使用した触媒劣化抑制材が開示されている。
上述した触媒および触媒劣化抑制材を備えた排ガス処理装置において長時間にわたって排ガスの処理能力を高く維持するためには、上述した触媒劣化抑制材の触媒毒除去能を長時間にわたって安定的に高く維持することが必要である。そのためには、触媒劣化抑制材中に含まれる触媒毒除去材としての活性アルミナの含有量を可能な限り増加させるとともに、効率的に触媒劣化抑制材によって触媒毒が捕捉または分解されることとなるように触媒劣化抑制材の外表面積を大きくすることが重要になる。
しかしながら、触媒劣化抑制材中に含まれる活性アルミナの含有量を単に増加させた場合には、当然に触媒劣化抑制材の外表面積が低下するとともに、排ガスに対する流動抵抗が増大してしまい、触媒毒除去能が大幅に低下してしまう問題が生じる。また、このように触媒劣化抑制材中に含まれる活性アルミナの含有量を単に増加させた場合には、活性アルミナが担体から容易に脱落してしまうことにもなり、安定的な触媒毒除去能を維持することができなくなる問題も生じる。
これを解消するためには、当該活性アルミナを担持する担体の含有比率を低く抑えつつ活性アルミナの含有量を増加させることが考えられるが、そのように構成した場合には、触媒劣化抑制材自体の機械的強度が不足してしまい、通風する排ガスの圧力によって触媒劣化抑制材が破損してしまう問題が生じてしまう。
このように、触媒劣化抑制材中に含まれる活性アルミナの含有量を増加させつつ触媒劣化抑制材の外表面積を大きくすることは容易ではなく、上述した特許文献3、5および6に開示の如くの触媒劣化抑制材においても、触媒劣化抑制材の触媒毒除去能を十分に長時間にわたって安定的に高く維持することができないのが現状である。
したがって、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、触媒毒除去能を長時間にわたって安定的に高く維持することができる触媒劣化抑制材およびその製造方法を提供することを目的とするとともに、当該触媒劣化抑制材を具備することで長時間にわたって排ガスの処理能力を高く維持することのできる排ガス処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した問題点を解決すべく鋭意研究を行なった。その結果、触媒劣化抑制材を構成する成分や組成ならびに触媒劣化抑制材を製造する具体的な方法に新規な改良を加えることにより、触媒毒除去能を長時間にわたって安定的に高く維持することができる触媒劣化抑制材が得られることに着想し、本願発明を完成させるに至った。
本発明に基づく触媒劣化抑制材は、排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒の触媒毒による劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を予め捕捉または分解することで除去するものであって、無機材料からなる担体と、上記担体に担持された触媒毒除去材と、上記触媒毒除去材を上記担体に担持させるための無機バインダとを含み、上記触媒毒除去材として、純度99%以上の活性アルミナを65wt%以上85wt%以下で含有するとともに、その外表面積が、2500mm2/ml以上であることを特徴とするものである。
好ましくは、上記本発明に基づく触媒劣化抑制材は、上記担体として、1wt%以上25wt%以下の無機繊維と、1wt%以上20wt%以下の粘土鉱物とを含有するとともに、上記無機バインダを5wt%以上20wt%以下で含有している。
上記本発明に基づく触媒劣化抑制材にあっては、上記粘土鉱物が、珪酸マグネシウムであることが好ましく、また、上記無機バインダが、シリカであることが好ましい。
上記本発明に基づく触媒劣化抑制材にあっては、上記担体が、ハニカム構造を有していることが好ましい。
本発明に基づく排ガス処理装置は、揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒と、上述した本発明に基づく触媒劣化抑制材とを用いて排ガスを処理するものであって、上記触媒劣化抑制材が設置され、導入された排ガスが上記触媒劣化抑制材に通風されることで排ガス中に含まれる触媒毒が捕捉または分解されることで除去される前処理槽と、上記触媒が設置され、上記前処理槽から導入された排ガスが上記触媒に通風されることで排ガス中に含まれる揮発性有機化合物が酸化分解されて除去される触媒槽とを備えている。
上記本発明に基づく排ガス処理装置にあっては、上記触媒劣化抑制材の温度が、200℃以上500℃以下とされていることが好ましい。
上記本発明に基づく排ガス処理装置にあっては、上記前処理槽に導入される排ガスが、触媒毒としての有機シリコン化合物および有機リン化合物の少なくともいずれかを含有していることが好ましい。
上記本発明に基づく排ガス処理装置にあっては、上記触媒が、白金およびパラジウムの少なくともいずれかを含有していることが好ましい。
本発明に基づく触媒劣化抑制材の製造方法は、排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒の触媒毒による劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を予め捕捉または分解することで除去する触媒劣化抑制材を製造するための方法であって、触媒毒除去材としての活性アルミナが有機バインダによって無機材料からなる担体に担持されてなる多孔質構造体を製作する工程と、上記多孔質構造体を無機バインダを含む溶液に浸漬する工程と、上記溶液に浸漬した後の上記多孔質構造体を加熱処理することで上記有機バインダを除去し、これにより上記活性アルミナが上記無機バインダによって上記担体に担持されるようにする工程とを備えている。
上記本発明に基づく触媒劣化抑制材の製造方法にあっては、上記多孔質構造体を製作する工程が、無機繊維、粘土鉱物、活性アルミナおよび有機バインダを含む活性アルミナペーパーを湿式抄紙法により形成する工程と、上記活性アルミナペーパーを加工することで上記多孔質構造体に成形する工程とを含んでいることが好ましい。
上記本発明に基づく触媒劣化抑制材の製造方法にあっては、上記無機バインダを含む溶液が、シリカゾルであることが好ましい。
本発明によれば、触媒毒除去能を長時間にわたって安定的に高く維持することができる触媒劣化抑制材を製造することが可能になるとともに、当該触媒劣化抑制材を具備することで長時間にわたって排ガスの処理能力を高く維持することのできる排ガス処理装置とすることができる。
以下、本発明の実施の形態および当該実施の形態に基づいた実施例について、図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における排ガス処理装置を模式的に示す図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態における排ガス処理装置について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における排ガス処理装置1は、前処理槽10と触媒槽20とを主として備えている。前処理槽10は、その内部に触媒劣化抑制材11を有しており、触媒槽20は、その内部に触媒21を有している。前処理槽10および触媒槽20は、いずれも排ガスの排出ライン上に設けられており、当該排出ライン上において前処理槽10が上流側に、触媒槽20が下流側にそれぞれ配置されている。
触媒21は、排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するためのものであり、たとえば白金、パラジウム、チタン、マンガン、アルミニウム、鉄、銅、銀、カルシウム、ナトリウム、コバルト、ニッケル、セリウム、インジウム、タングステン、マグネシウム、錫等の金属または金属酸化物からなる。触媒21としては、低温での高い酸化分解活性を有する白金またはパラジウムといった貴金属系のものが特に好適に利用される。
触媒劣化抑制材11は、上記触媒21の触媒毒による劣化を抑制するためのものであり、触媒毒としての有機シリコン化合物や有機リン化合物等を捕捉または分解するためのものである。触媒劣化抑制材11は、無機材料からなる担体と、担体に担持された活性アルミナからなる触媒毒除去材と、触媒毒除去材を担体に担持させるための無機バインダとを主として含んでおり、好適にはその形状がハニカム構造等の多孔質構造を有するように構成されている。
上述した排ガス処理装置1においては、まず、揮発性有機化合物を含む排ガスが前処理槽10に導入され、前処理槽10に導入された排ガスが触媒劣化抑制材11に通風されることで排ガス中に含まれる触媒毒が捕捉または分解されることで除去され、触媒毒が除去された後の排ガスが前処理槽10から排出される。前処理槽10から排出された排ガスは、その後触媒槽20に導入され、触媒槽20に導入された排ガスが触媒21に通風されることで排ガス中に含まれる揮発性有機化合物が酸化分解されて除去され、揮発性有機化合物が除去されて清浄化した清浄ガスが触媒槽20から排出されることになる。これにより、排ガス処理装置1において有毒な揮発性有機化合物を含む排ガスが処理されて清浄化され、排ガス処理装置1から排出されるガスが清浄化することになる。
なお、上記においては説明を省略したが、触媒劣化抑制材11においてより効率的に触媒毒を除去するためには、触媒劣化抑制材11の温度を所定温度以上に昇温しておくことが好ましく、また触媒劣化抑制材11に通風されることとなる排ガスを予め上記所定温度付近にまで昇温しておくこととしてもよい。その場合には、触媒劣化抑制材11を昇温させるための加熱手段や排ガスを加熱するための加熱手段を排ガス処理装置1に別途設けてもよいし、排出ラインの設置レイアウトを変更して排ガスの余熱によって触媒劣化抑制材11が加熱されるように構成してもよい。ここで、触媒劣化抑制材11の温度としては、好適には200℃以上500℃以下とすることが好ましい。
また、上記においては説明を省略したが、触媒21においてより効率的に揮発性有機化合物を除去するためには、触媒21の温度を所定温度以上に昇温しておくことが好ましく、また触媒21に通風されることとなる排ガスを予め上記所定温度付近にまで昇温しておくこととしてもよい。その場合には、触媒21を昇温させるための加熱手段や排ガスを加熱するための加熱手段を排ガス処理装置1に別途設けてもよいし、排出ラインの設置レイアウトを変更して排ガスの余熱によって触媒21が加熱されるように構成してもよい。ここで、触媒21の温度としては、250℃以上350℃以下とすることが好ましい。
図2は、図1に示す本実施の形態における排ガス処理装置に具備される触媒劣化抑制材の拡大断面図である。次に、図2を参照して、上述した触媒劣化抑制材の具体的な構造について説明する。
上述したように、本実施の形態における触媒劣化抑制材11は、無機材料からなる担体と、担体に担持された活性アルミナからなる触媒毒除去材と、触媒毒除去材を担体に担持させるための無機バインダとを主として含んでいる。より詳細には、図2に示すように、触媒劣化抑制材11は、活性アルミナペーパー12a,12bを立体的に成形することでハニカム構造等に代表される多孔質構造を有するように形成されており、たとえば非波状の活性アルミナペーパー12aおよび波状の活性アルミナペーパー12bを交互に積層することで内部に空隙13を有するように構成されている。ここで、積層された活性アルミナペーパー12a,12bのそれぞれは、上述した担体の基材となる無機材料成分と、活性アルミナと、無機バインダとを含んでおり、無機バインダによって活性アルミナペーパー12a,12b同士および上記担体の基材となる無機材料成分と活性アルミナとが結合されることで上述した触媒劣化抑制材11が構成されている。
担体としては、好適にはガラス繊維やセラミックス繊維等の無機繊維が用いられ、当該無機繊維の触媒劣化抑制材11の全体の重量に対する比率は、1wt%以上25wt%以下とされ、より好ましくは、10wt%以上20wt%以下とされる。当該比率が1wt%未満とされた場合には、活性アルミナの担持能力が低下し、活性アルミナの担体への含有比率を高くすることができなくなり、また強度不足を招来することにもなる。当該比率が25wt%よりも高くされた場合には、活性アルミナの含有比率が低くなり、十分な触媒毒除去能が得られない不都合を招来してしまう。
また、担体は、上記無機繊維に加え、さらに粘土鉱物を含んでいることが好ましく、当該粘土鉱物の触媒劣化抑制材11の全体の重量に対する比率は、1wt%以上20wt%以下とされ、より好ましくは3wt%以上10wt%以下とされる。当該粘土鉱物は、成形された担体の機械的強度を高めるために添加されるものであり、高温で加熱した場合に脱水することでセラミックス化してバインダとしての機能を発現する自己固結性を有するものであることが必要である。粘土鉱物としては、その種類が特に限定されるものではないが、性能および強度の面から珪酸マグネシウムまたはウォラストナイトあるいはパリゴルスカイト等が用いられることが好ましい。上記比率が1wt%未満とされた場合には、活性アルミナの担持能力が低下し、活性アルミナの担体への含有比率を高くすることができなくなり、また強度不足を招来することにもなる。当該比率が25wt%よりも高くされた場合には、活性アルミナの含有比率が低くなり、十分な触媒毒除去能が得られない不都合を招来してしまう。
触媒毒除去材である活性アルミナとしては、パウダー状の純度99%以上のものが用いられ、より好ましく純度99.5%以上のものが使用される。なお、ここで言う純度の単位は、一般的に純度の単位として使用される重量パーセントである。活性アルミナは、水酸化アルミニウムのα−アルミナの転移過程で生成される大きな比表面積を有するアルミナとして知られ、γ−アルミナおよびθ−アルミナを主相とする遷移アルミナである。ここで、純度99%以上の活性アルミナを用いる理由は、以下の検証試験の結果から得られた知見に基づいている。
図3は、純度の異なる活性アルミナを前処理槽に充填した場合の、排ガス処理装置の処理能力の変化を検証した試験結果を示すグラフである。図3においては、横軸に時間をとり、縦軸に排ガス処理装置の処理能力を示すトルエン分解率をとっている。
本検証試験においては、上述した図1に示す如くの排ガス処理装置に近似の構成の排ガス処理装置を製作し、当該排ガス処理装置の前処理槽に純度の異なる活性アルミナをそれぞれ粒状(球状)のまま充填して排ガスを処理した場合の揮発性有機化合物の除去率の時間的変化を測定することにより、純度の異なる活性アルミナの触媒毒除去能を確認したものである。なお、当該検証試験においては、触媒としてパラジウム触媒を使用し、当該パラジウム触媒の温度を500℃に設定した。また、排ガスとしては、不揮発性有機化合物に相当するトルエン(500ppm)と触媒毒に相当するヘキサジメチルジシラザン(10ppm)とを含むガスを使用した。また、排ガスの流量は、その空間速度を40000[1/hr]とし、純度の異なる活性アルミナとしては、99.5%のものと97%のものを使用した。
図3に示すように、純度99.5%の活性アルミナを前処理槽に充填した排ガス処理装置のトルエン分解率と、純度97%の活性アルミナを前処理槽に充填した排ガス処理装置のトルエン分解率とを比較すると、処理開始後60分では大きな差はみられないものの、その後のトルエン分解率には顕著な差が生じており、トルエン分解率が50%にまで低下する時間は、前者で約190分、後者で約140分となっている。すなわち、より高純度の活性アルミナを使用することにより、触媒劣化抑制材の触媒毒除去能が長時間にわたって高く維持されることが推測できる。したがって、活性アルミナとしては、コスト面と触媒毒除去能とを考慮した場合に、純度99%以上のものを使用することが好ましいと言える。
また、触媒毒除去材としての活性アルミナは、触媒劣化抑制材11の全体の重量に対する比率が65wt%以上85wt%以下となるように調製され、より好ましくは70wt%以上80wt%以下となうように調製される。活性アルミナの含有率を上記の如くとする理由は、活性アルミナの含有率を65wt%未満とした場合に、従来の触媒劣化抑制材と比較した場合の触媒毒除去能の十分な長時間化が見込めなくなるためであり、活性アルミナの含有率を85wt%よりも高くした場合に、活性アルミナの脱落が顕著となるとともに触媒劣化抑制材の機械的強度が低下してしまうためである。なお、活性アルミナの含有率を異ならしめた場合の触媒劣化抑制材の触媒毒除去能の変化については、後述する実施例においてより詳細に説明する。
無機バインダとしては、特にその種類が限定されるものではないが、好適にはシリカ、アルミナ、シリカアルミナ、リン酸塩等が用いられ、当該無機バインダの触媒劣化抑制材11の全体の重量に対する比率は、5wt%以上20wt%以下とされることが好ましい。上記比率が、5wt%未満とされた場合には、触媒劣化抑制材11の強度不足が生じることになり、当該比率が20wt%よりも高くされた場合には、活性アルミナの含有比率が低くなり、十分な触媒毒除去能が得られない不都合を招来してしまう。なお、当該無機バインダとしてシリカを用いる場合には、触媒劣化抑制材11の製造過程において無機バインダがシリカゾルとして供給され、熱処理が行なわれることでシリカとなってバインダの機能を発揮する。
本実施の形態における触媒劣化抑制材11は、その外表面積が2500mm2/ml以上とされている。このような大きな外表面積は、担体が無機繊維に加えて珪酸マグネシウム等の粘土鉱物を含有していることで実現されるものである。より詳細には、上述したように、担体が粘土鉱物を含有していることにより触媒劣化抑制材11の機械的強度が増し、そのため担体を構成する活性アルミナペーパー12a,12bの厚みを従来に比して大幅に薄くすることができる。したがって、図2に示す波状の活性アルミナペーパー12bの山高さhや山ピッチdを調節することにより、活性アルミナの含有量を増加させつつ高い空隙率を実現することができる。そのため、上述した外表面積が2500mm2/ml以上の条件を充たす触媒劣化抑制材11の製作が可能になる。なお、上記外表面積が2500mm2/mlよりも小さくされた場合には、十分な触媒毒除去能が得られない不都合を招来してしまうことになる。
また、本実施の形態における触媒劣化抑制材11は、無機バインダによって活性アルミナが強固に担体に担持されており、そのため活性アルミナの脱落が非常に小さく抑えられている。すなわち、バインダとして無機バインダを用いることにより、高温環境下での結合力の低下を防止することが可能になり、触媒劣化抑制材11を高温環境下で使用しても活性アルミナの脱落を十分に抑制することができる。本実施の形態における触媒劣化抑制材11とすることにより、空気中において550℃で100時間加熱した際の重量減少率を5wt%以下に抑制できることが発明者らによって確認されている。
図4および図5は、本実施の形態における触媒劣化抑制材の製造方法を説明するための模式図である。次に、これら図4および図5を参照して、本実施の形態における触媒劣化抑制材の製造方法について説明する。
本実施の形態における触媒劣化抑制材11は、上述したように活性アルミナペーパー12a,12bを立体的に成形することでハニカム構造等の多孔質構造を有するように形成されている。その製造は、まずは図4に示す如くの活性アルミナペーパー製造装置100を用いて活性アルミナペーパー12を製作し、その後図5に示す手順で当該製作された活性アルミナペーパー12を加工することで行なわれる。
図4に示すように、活性アルミナペーパー製造装置100は、ビーター101、ポーチャー102、チェスト103、ヘッドボックス104、抄紙網105、ドライヤー106および巻取りローラ107を備えており、原料としての無機繊維、珪酸マグネシウム、活性アルミナおよび有機バインダは、このうちのビーター101に投入される。ここで、原料に含まれる有機バインダは、活性アルミナペーパー12の段階において一時的に各種成分同士を結合させる一次バインダとして利用されるものであり、たとえばポリビニルアルコール等が用いられ、上述した無機バインダとは異なるバインダである。ビーター101に投入された原料は、ビーター101中において適度に分散されることでスラリーとなる。
ビーター101で分散された原料は、ポーチャー102に移され、ここでスラリー濃度の調整が行なわれる。ポーチャー102においてスラリー濃度が調整された原料は、チェスト103に移され、チェスト103において一定量のスラリーが汲み上げられてヘッドボックス104へと移される。ヘッドボックス104においては、スラリーに凝集剤が添加され、この凝集剤が添加されたスラリーが抄紙網105へと移されることで水分が除去されてシート化され、その後ドライヤー106によって乾燥させられることにより、活性アルミナペーパー12とされる。乾燥後の活性アルミナペーパー12は、巻取りローラ107によって巻き取られる。
次に、図5に示すように、活性アルミナペーパー12を所望の大きさに裁断し、裁断後の一部の活性アルミナペーパー12に段付けローラ201を用いて段付け加工を行なうことで波状の活性アルミナペーパー12bを製作する。次に、当該波状の活性アルミナペーパー12bと非波状の活性アルミナペーパー12aとを交互に積層して円柱状に成形し、これにより多孔質構造体11aを製作する。このようにして形成された多孔質構造体11aは、無機材料からなる担体と、担体に担持された活性アルミナからなる触媒毒除去材と、触媒毒除去材を担体に担持させるための有機バインダとを含んでいる。
つづいて、上述した多孔質構造体11aに無機バインダを含浸させるために、当該多孔質構造体11aを無機バインダを含む溶液202に浸漬する。ここで、使用する溶液202としては、好適にはシリカゾルを用いる。多孔質構造体11aに無機バインダを十分に含浸させた後、これを溶液202から取り出して余剰の無機バインダを除去し、ヒーター203に投入して加熱処理を行なう。これにより、多孔質構造体11aに含まれる有機バインダが除去され、活性アルミナが当該無機バインダによって担体に担持されることになる。このとき、活性アルミナペーパー12a,12b同士も無機バインダによって強固に結合されることになる。以上により、上述した如くの成分および組成を有する触媒劣化抑制材11が製造されることになる。
図6は、本実施の形態に基づいた実施例1および実施例2に係る触媒劣化抑制材および比較のための比較例1および比較例2に係る触媒劣化抑制材の物性を示す表である。また、図7は、上記実施例2に係る活性アルミナペーパーおよび触媒劣化抑制材の組成を示す表である。次に、これら図6および図7を参照して、本実施の形態に基づいた実施例1および実施例2に係る触媒劣化抑制材の物性および組成等について説明する。
図6に示すように、実施例に係る触媒劣化抑制材として実施例1および実施例2の2種を、また比較例に係る触媒劣化抑制材として比較例1および比較例2の2種をそれぞれ試作した。実施例1および実施例2に係る触媒劣化抑制材は、上述した本実施の形態における触媒劣化抑制材11に従ったものであり、比較例1および比較例2に係る触媒劣化抑制材は、上述した本実施の形態における触媒劣化抑制材11に従わない従来のものである。ここで、図6において注目すべきは、実施例1および実施例2に係る触媒劣化抑制材の活性アルミナ比率および活性アルミナ含有量ならびに外表面積である。
実施例1に係る触媒劣化抑制材においては、活性アルミナ比率が75wt%および活性アルミナ含有量が290kg/m3とされるとともに、外表面積が3054mm2/mlとされている。また、実施例2に係る触媒劣化抑制材においては、活性アルミナ比率が73wt%および活性アルミナ含有量が320kg/m3とされている。これらの値は、比較例1および比較例2に係る触媒劣化抑制材の活性アルミナ比率55wt%,50wt%および活性アルミナ含有量220kg/m3に比べて飛躍的に高いものであり、また比較例1に係る触媒劣化抑制材の外表面積2260mm2/mlよりも十分に大きいものである。
なお、上記に示すハニカム構造を有する触媒劣化抑制材の外表面積S(mm2/ml)は、図2を参照して、ハニカムの山高さをh(mm)、ハニカムの山ピッチをd(mm)、基材の厚みをt(mm)とした場合に、以下の式(1)および式(2)に基づいて計算が可能である。
また、実施例1に係る触媒劣化抑制材においては、ハニカムの山高さhが1.5mmとされ、ハニカムの山ピッチdが2.6mmとされている。これは、比較例1に係る触媒劣化抑制材のハニカムの山高さ(h=2.1mm)および山ピッチ(d=3.4mm)よりもいずれも微細なものである。また、実施例2に係る触媒劣化抑制材においては、触媒毒除去能を示す指標であるトルエン吸着率および水分吸着率が、それぞれ4.3%および7.3%となっており、これらの値は、比較例2に係る触媒劣化抑制材のトルエン吸着率(3.1%)および水分吸着率(5.2%)のそれぞれおおよそ1.4倍に達している。
このように、本実施の形態に基づいた実施例1および実施例2に係る触媒劣化抑制材は、触媒毒除去能が従来に比して大幅に高められたことを示す物性をそれぞれ呈している。
一方、図7に示すように、実施例2に係る触媒劣化抑制材においては、活性アルミナペーパーに含有される各成分のうち、有機バインダとしてのポリビニルアルコールがほぼすべて除去され、シリカに置換されていることが分かる。また、活性アルミナペーパーを積層することで成形された上記多孔質構造体をシリカゾルに浸漬し、その後加熱処理を加えて触媒劣化抑制材を形成した場合にも、重要な成分である活性アルミナおよび珪酸マグネシウム等がほぼ脱離することなく含有した状態が維持されていることが分かる。したがって、本実施の形態における触媒劣化抑制材の製造方法を採用することにより、製造過程におけるロスも殆どなく、効率よく触媒劣化抑制材を生産することができることが分かる。
図8は、上記実施例2および比較例2に係る触媒劣化抑制材を用いた排ガス処理装置の処理能力を比較した検証試験の結果を示すグラフである。次に、この図8を参照して、本実施の形態に基づいた実施例2に係る触媒劣化抑制材を用いた排ガス処理装置の処理能力について説明する。なお、図8においては、横軸に時間をとり、縦軸に排ガス処理装置の処理能力を示すトルエン除去率をとっている。
本検証試験においては、上述した図1に示す如くの排ガス処理装置を試作し、当該排ガス処理装置に上記実施例2および比較例2に係る触媒劣化抑制材をそれぞれ組み込んで排ガスを処理した場合の揮発性有機化合物の除去率の時間的変化を測定したものである。なお、当該検証試験においては、触媒として白金触媒(発泡金属)を使用し、当該白金触媒の温度および触媒劣化抑制材の温度をそれぞれ350℃に設定した。また、排ガスとしては、不揮発性有機化合物に相当するトルエン(500ppm)と触媒毒に相当するヘキサジメチルジシラザン(10ppm)とを含むガスを使用し、排ガスの流量は、その空間速度を40000[1/hr]に設定した。
図8に示すように、上記実施例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置におけるトルエン除去率と、上記比較例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置におけるトルエン除去率とを比較すると、処理開始直後より差が生じ始め、前者においては9時間経過時点においても90%の高いトルエン除去率が維持されるのに対し、後者においては3時間後しばらくして90%のトルエン除去率を下回り、4時間経過時点において80%のトルエン除去率にまで低下することが確認された。このことから分かるように、実施例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置においては、比較例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置に比べ、長時間にわたって安定的に排ガス処理装置の処理能力が高く維持されることになる。
なお、図示することは省略するが、活性アルミナの含有比率を65wt%とした場合には、トルエン除去率が90%に低下するまでの時間がおおよそ6.5時間になり、活性アルミナの含有比率を85wt%とした場合には、トルエン除去率が90%に低下するまでの時間がおおよそ12時間になることが発明者らによって確認されている。したがって、活性アルミナの含有比率を65wt%以上85wt%以下にすることにより、長時間にわたって安定的に排ガス処理装置の処理能力を高く維持することができると言える。
図9は、上記実施例2および比較例2に係る触媒劣化抑制材を用いた排ガス処理装置の処理能力の触媒劣化抑制材の温度に対する依存性を確認した検証試験の結果を示すグラフである。次に、この図9を参照して、本実施の形態に基づいた実施例2に係る触媒劣化抑制材を用いた排ガス処理装置の処理能力の触媒劣化抑制材の温度に対する依存性について説明する。なお、図9においては、横軸に時間をとり、縦軸に排ガス処理装置の処理能力を示すトルエン除去率をとっている。
本検証試験においては、上述した図1に示す如くの排ガス処理装置を試作し、当該排ガス処理装置に上記実施例2および比較例2に係る触媒劣化抑制材をそれぞれ組み込んで排ガスを処理した場合の揮発性有機化合物の除去率の時間的変化を測定したものである。なお、当該検証試験においては、触媒として白金触媒(発泡金属)を使用し、当該白金触媒の温度を350℃に設定した。一方、触媒劣化抑制材の温度は、それぞれ200℃に設定した場合、350℃に設定した場合および500℃のに設定した場合の合計3パターンで試験を行なった。また、排ガスとしては、不揮発性有機化合物に相当するトルエン(500ppm)と触媒毒に相当するヘキサジメチルジシラザン(10ppm)とを含むガスを使用し、排ガスの流量は、その空間速度を40000[1/hr]に設定した。
図9に示すように、上記実施例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置におけるトルエン除去率と、上記比較例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置におけるトルエン除去率とを比較すると、安定的に排ガス処理装置の処理能力が高く維持される時間に差が生じることが、本検証試験においても確認された。すなわち、触媒劣化抑制材の温度を200℃、350℃および500℃のいずれに設定した場合にも、比較例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置に比べ、実施例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置においてより長時間にわたって安定的に排ガス処理装置の処理能力が高く維持できることが確認された。
また、上記実施例2に係る触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置において、触媒劣化抑制材の温度を200℃に設定した場合、350℃に設定した場合および500℃に設定した場合に、安定的に排ガス処理装置の処理能力が高く維持される時間に差が生じることが理解される。具体的には、触媒劣化抑制材の温度を200℃に設定した場合には、トルエン除去率が90%に低下するまでの時間が約2時間程度であるのに対し、触媒劣化抑制材の温度を350℃に設定した場合には、トルエン除去率が90%に低下するまでの時間が約16時間程度となり、触媒劣化抑制材の温度を500℃に設定した場合には、トルエン除去率が90%に低下するまでの時間が約45時間程度となる。このように、触媒劣化抑制材を組み込んだ排ガス処理装置においては、その処理能力に触媒劣化抑制材の温度に対する高い依存性が認められ、より高温条件下に触媒劣化抑制材を置くことにより、より長時間にわたって安定的に排ガス処理装置の処理能力が高く維持できることが分かる。
以上において説明したように、本実施の形態の如くの触媒劣化抑制材の製造方法を採用して本実施の形態の如くの触媒劣化抑制材とすることにより、従来に比して触媒劣化抑制材中に含まれる活性アルミナの含有量を増加させつつ触媒劣化抑制材の外表面積を大きくすることができ、また触媒劣化抑制材の機械的強度も十分に確保することができる。そのため、本実施の形態の如くの触媒劣化抑制材とすることにより、従来に比して触媒毒除去能を長時間にわたって安定的に高く維持することが可能になる。
したがって、当該触媒劣化抑制材を具備した本実施の形態の如くの排ガス処理装置とすることにより、従来に比して長時間にわたって排ガスの処理能力を高く維持することができることになる。その結果、排ガス処理装置のランニングコストを削減することが可能になり、コスト面および性能面において優れた排ガス処理装置とすることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、担体がハニカム構造を有するように触媒劣化抑制材を構成した場合を例示して説明を行なったが、担体の形状はこれに限られるものではない。また、上述した本実施の形態においては、無機バインダとしてシリカを使用した場合を例示して説明を行なったが、これ以外の無機バインダを使用することとしてもよい。加えて、上述した本実施の形態においては、有機バインダを用いて多孔質構造体を製作し、これを無機バインダに浸漬してその後に加熱処理を行なうことで触媒劣化抑制材を製造した場合を例示して説明を行なったが、他の手法によって本実施の形態の如くの成分および組成の触媒劣化抑制材を製造することとしてもよい。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 排ガス処理装置、10 前処理槽、11 触媒劣化抑制材、11a 多孔質構造体、12 活性アルミナペーパー、12a (非波状の)活性アルミナペーパー、12b (波状の)活性アルミナペーパー、13 空隙、20 触媒槽、21 触媒、100 活性アルミナペーパー製造装置、101 ビーター、102 ポーチャー、103 チェスト、104 ヘッドボックス、105 抄紙網、106 ドライヤー、107 巻取りローラ、201 段付けローラ、202 溶液、203 ヒーター。
Claims (11)
- 排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒の触媒毒による劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を予め捕捉または分解することで除去する触媒劣化抑制材であって、
無機材料からなる担体と、
前記担体に担持された触媒毒除去材と、
前記触媒毒除去材を前記担体に担持させるための無機バインダとを含み、
前記触媒毒除去材として、純度99%以上の活性アルミナを65wt%以上85wt%以下で含有し、
外表面積が、2500mm2/ml以上である、触媒劣化抑制材。 - 前記担体として、1wt%以上25wt%以下の無機繊維と、1wt%以上20wt%以下の粘土鉱物とを含有し、
前記無機バインダを5wt%以上20wt%以下で含有する、請求項1に記載の触媒劣化抑制材。 - 前記粘土鉱物が、珪酸マグネシウムであり、
前記無機バインダが、シリカである、請求項2に記載の触媒劣化抑制材。 - 前記担体が、ハニカム構造を有している、請求項1から3のいずれかに記載の触媒劣化抑制材。
- 揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒と、請求項1から4のいずれかに記載の触媒劣化抑制材とを用いて排ガスを処理する排ガス処理装置であって、
前記触媒劣化抑制材が設置され、導入された排ガスが前記触媒劣化抑制材に通風されることで排ガス中に含まれる触媒毒が捕捉または分解されることで除去される前処理槽と、
前記触媒が設置され、前記前処理槽から導入された排ガスが前記触媒に通風されることで排ガス中に含まれる揮発性有機化合物が酸化分解されて除去される触媒槽とを備えた、排ガス処理装置。 - 前記触媒劣化抑制材の温度が、200℃以上500℃以下とされる、請求項5に記載の排ガス処理装置。
- 前記前処理槽に導入される排ガスが、触媒毒としての有機シリコン化合物および有機リン化合物の少なくともいずれかを含有している、請求項5または6に記載の排ガス処理装置。
- 前記触媒が、白金およびパラジウムの少なくともいずれかを含有している、請求項5から7のいずれかに記載の排ガス処理装置。
- 排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を酸化分解するための触媒の触媒毒による劣化を抑制するために、排ガス中に含まれる触媒毒を予め捕捉または分解することで除去する触媒劣化抑制材を製造するための方法であって、
触媒毒除去材としての活性アルミナが有機バインダによって無機材料からなる担体に担持されてなる多孔質構造体を製作する工程と、
前記多孔質構造体を無機バインダを含む溶液に浸漬する工程と、
前記溶液に浸漬した後の前記多孔質構造体を加熱処理することで前記有機バインダを除去し、これにより前記活性アルミナが前記無機バインダによって前記担体に担持されるようにする工程とを備えた、触媒劣化抑制材の製造方法。 - 前記多孔質構造体を製作する工程が、
無機繊維、粘土鉱物、活性アルミナおよび有機バインダを含む活性アルミナペーパーを湿式抄紙法により形成する工程と、
前記活性アルミナペーパーを加工することで前記多孔質構造体に成形する工程とを含んでいる、請求項9に記載の触媒劣化抑制材の製造方法。 - 前記無機バインダを含む溶液が、シリカゾルである、請求項9または10に記載の触媒劣化抑制材の製造方法。
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