JP2011087815A - ワイパー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロース繊維を含有する不織布を角形状に折り込んだワイパーであって、該不織布は、機械方向の端面Aと幅方向の端面Bを有し、該幅方向の端面Bがすべて内側に折り込まれていることを特徴とするワイパー。
【選択図】図2
Description
また、病院用途のガーゼ分野や清浄綿などの医薬部外品や雑貨用途においても広く不織布ワイパーが使用されているが、院内感染等に対する意識の高まりとともに、ワイパーからの発塵や繊維の脱落についても問題視されるようになってきた。ワイパーから脱落した繊維が細菌の温床になるなどの指摘もあり、脱落繊維の少ない安全性の高いワイパーが求められるようになってきた。
[1]セルロース繊維を含有する不織布を角形状に折り込んだワイパーであって、該不織布は、機械方向の端面Aと幅方向の端面Bを有し、該幅方向の端面Bがすべて内側に折り込まれていることを特徴とするワイパー。
本発明のワイパーは、例えば、角形状の、セルロース繊維を含む不織布を、4つ折や8つ折に、折り込んだ、角状形状をなすワイパーである。したがって、折り込む前の不織布は、切断面である端面として、機械方向の端面Aと幅方向の端面Bを有する。ここで、機械方向の端面Aと幅方向の端面Bは、それぞれ、図1に示す端面を意味する。
本発明のワイパーに好適に用いるセルロース繊維不織布の好ましい態様は、再生セルロース連続長繊維不織布であるが、例えば旭化成せんい株式会社製のキュプラ不織布「ベンリーゼ(登録商標)」であることができる。
その他にスパンレース不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、メルトブロウン不織布、スパンボンド不織布なども用いることができる。例えばポリエステルを若干量混ぜ込んだスパンレース不織布は、静電気によるミクロリントの少なさや加工性の観点から、好ましく用いることができるが、特に限定されるわけではない。
製造されたセルロース繊維不織布のロールは、通常幅約2m、重量約100kg程度のものであるので、スリット・折り加工場にて折り製品に成型する必要がある。これらは、スリット幅25cm程度にスリットされ、製品への折加工に供される。スリット加工速度は約200m/minで、この速度が発塵や脱落繊維に及ぼす影響は殆どないことがわかっている。一般的に用いられるスリット加工機は市販のもので、株式会社大昌鉄工所、株式会社伊予機械製作所などから市販されているスリット加工機などが使用できる。スリット加工が終わったスリット反は、折り加工機にかけられ、工業用ワイパーとしての形態となる。この折り加工に用いられる折機は、ロータリーカット方式によるものであり、全面内折り方式に対応できるメーカーとしては、(株)大昌鉄工所などが挙げられる。
不織布ワイパーにおける全面内折りの技術はこれまで不可能ではなかったが、折り加工の精度の問題から、生産速度が遅くなること、不織布はここまで折り込まなくてもボリュームは充分にあるため、使い勝手のために全面内折りを選択する必要性がなかった。そのため、折り方としては4つ折りが用いられていた。また、ミクロリントや脱落繊維の発生機構および発生箇所と折り形態の関係がこれまで解明されていなかったことから、全面内折りの品質面での優位性が認識されていなかったのが実情である。
不織布における、構成繊維の優位配列性は、幅方向/機械方向の(破断)伸度の比で表現することができ。この伸度比(d/l)=幅方向伸度/機械方向伸度で表される(図6参照)。この値が大きいほど、つまり幅方向への繊維の配向が強いほど、機械方向、及び幅方向の端面からのとりわけ繊維の脱落が多くなることが確かめられた(図6参照)。
これは、例えば、幅方向への繊維の配列性が高いほど、特に幅方向にカットしたときの被切断表面積が大きくなり、その分繊維の損傷も大きくなる。そのため、繊維の脱落が多くなると推定できる。
逆に、機械方向と幅方向の繊維配列の等方性が高くなれば、被切断表面積は小さくなり、繊維の脱落も少なくなる。
(脱落繊維の測定方法)
該セルロース繊維不織布サンプルを、超音波洗浄された清浄なビーカー又はトレーに300mLの純水を入れ、該サンプルを投入する。2分後、サンプルを取り出し、残液を、吸引式濾過瓶を用いてメンブランフィルター(グリッド入り、例えばたとえばADVANTEC社製A080P047A、ポアサイズ0.8μm)で濾過する。濾過後のフィルタを充分乾燥させたのち、CCDカメラにて画像をコンピュータに表示、画像処理する市販のソフト(使用ソフト:株式会社インタークエスト製造、静止画用汎用画像処理ソフト Image Hyper-L、二値化しきい値110)を用いて、各グリッドの脱落繊維を定量し、合計数を算出する。この数を16倍することでm2当りの脱落繊維数を算出する。この手法で計測される脱落繊維は、凡そ80μm以上の長さのものである。
気中パーティクルの測定法としては、公的手法としてIEST-RP-CC-003.2「Helmke Drum Test」に従い測定を実施した。以下概略を示す。
清浄なクリーンブース内に、指定サイズのタンブラードラムを設置する。ドラムを回転させながら、ドラム内を掃除機で清掃する。
ドラムを10rpmで回転させながら、パーティクルカウンタ(吸引風量:1Cubic Feet(立法フィート)/分)で0.3μm以上の粒子が10個/CF以下であることを確認する。
ドラム回転数を10rpm、測定時間を10分に設定し、ワイパーをドラム内に入れた後にドラムを回転、測定を開始する。
0.3μm以上の粒子数をカウントしたら、以下の式により、1CF当りの粒子数に換算する。
1CF当りの粒子数=(10分間の計測粒子数)÷10(分)
測定終了後は、ワイパーを取り出し、再びドラムを回転させながら洗浄作業を行い、次の測定作業に移る。
セルロース繊維として、銅アンモニアレーヨンの連続フィラメントからなる不織布を用いた。単糸繊度は2.2dtexであり、多数の連続フィラメントを交絡させて不織布を形成したものであった。
水流交絡は、約3.2MPaで行った。セルロース長繊維不織布の目付は28.0g/m2、厚みは0.35mmであった。スリット・折り加工場にてこの不織布ロールを25cm幅にスリットを行った。加工機は(株)大昌鉄工所による市販のスリット加工機、スリット加工は、200m/minの速度にて実施した。このスリット反を同じく(株)大昌鉄工所によるロータリータイプの折り加工機を用いて機械方向30cm、幅方向25cmのサイズを全面内折り形態に加工した。加工速度は、1分間あたり約200枚、スリット反で60m/分の加工速度にて行った。図2に、全面内折りの加工形態を示す。実線部は機械方向の端面A、破線部は幅方向の端面Bを表す。以下の表1に脱落繊維数、Dryミクロリントの評価を示す。
比較例1として、同じセルロース連続長繊維不織布を用い、加工条件を機械方向25cm、幅方向25cmで4つ折りにした以外は実施例の条件と同一とした。図3に4つ折りの一般的な加工形態を示す。実線部は機械方向の端面A、破線部は幅方向の端面Bを表す。以下の表1に脱落繊維数、Dryミクロリントの評価を示す。
次に、一般的な工業用ワイパーとして用いられる公知の素材としてビスコースレーヨン70%、ポリエステル30%からなる短繊維不織布で、目付30.0g/m2、厚み0.33mmの不織布スリット反(25cm幅)を入手し、実施例1と同様の全面内折り加工を施した。以下の表1に脱落繊維数、Dryミクロリントの評価を示す。
比較例2として、実施例2と同じビスコースレーヨン、ポリエステルからなる短繊維不織布を用い、加工条件を機械方向25cm、幅方向25cmで4つ折りにした以外は実施例2の条件と同一とした。以下の表1に脱落繊維数、Dryミクロリントの評価を示す。
実施例1、2と同様に一般的な工業用ワイパーとして用いられている公知の素材として、リヨセル(登録商標)100%の短繊維不織布で、目付は30.0g/m2、厚み0.28mmの不織布スリット反を入手し、実施例1、2と同様の全面内折り加工を施した。以下の表1に脱落繊維数、Dryミクロリントの評価を示す。
比較例3として、実施例3と同じリヨセルからなる短繊維不織布を用い、加工条件を機械方向25cm、横方向25cmでC折にした以外は実施例3の条件と同一とした。図4にC折の加工形態を示す。実線部は機械方向の端面A、破線部は幅方向の端面Bを表す。以下の表1に脱落繊維数、Dryミクロリントの評価を示す。
Claims (6)
- セルロース繊維を含有する不織布を角形状に折り込んだワイパーであって、該不織布は、機械方向の端面Aと幅方向の端面Bを有し、該幅方向の端面Bがすべて内側に折り込まれていることを特徴とするワイパー。
- 前記機械方向の端面Aも内側に折り込まれている、請求項1に記載のワイパー。
- 前記不織布の坪量が10〜120g/m2である、請求項1又は2に記載のワイパー。
- 前記不織布がセルロース繊維を少なくとも50wt%以上含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパー。
- 前記セルロース繊維が、連続長繊維からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイパー。
- 工業用のクリーンルーム内で使用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイパー。
Priority Applications (1)
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