JP2011087662A - 保冷具 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧迫感を除去するとともに、室内作業時においても簡便、好適に使用が可能となる保冷具を提供する。
【解決手段】保冷具において、吸水性ポリマーを内包した冷却部と、冷却部の両端に配置され、折返形状保持手段を含む二つの折返形状保持部と、を有し、折返形状保持部それぞれの長さを、前記冷却部の長さを1とした場合、0.11以上0.43以下の範囲とする。なおこの場合において、冷却部の少なくとも一部に、折返形状保持手段を除去した領域を有することも好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、保冷具に関する。
保冷具は、吸水性ポリマーを内包した冷却部を有する帯状の冷却具であり、水を含ませ首の周辺に巻くことで水の蒸発を介して放熱し、首元の冷却を行なうことのできるものである。
下記特許文献1には、吸水性ポリマーを内包した冷却部を有する帯状の冷却具であって、水を含ませ首の周辺に巻くことで水の蒸発を利用し、首元の冷却を行なうことのできる保冷具が開示されている。
下記特許文献2には、蓄冷材料を含む袋体に針金を付し、腕等に巻きつける保冷具が開示されている。
実用新案登録3150097号 実用新案登録3083615号
しかしながら、上記特許文献1に開示される冷却具は、主に、登山等のレジャーや農作業等の室外作業といった動きの多い状態で使用されることが多く、保冷具の位置を固定しないことを前提とした状況での使用であるため特に問題は無いが、動きの少ない室内においてワイシャツ等を着て行う事務仕事等においては保冷具の位置をある程度固定する必要があり、位置のズレは着ているワイシャツ等の服の不必要な部分まで広範囲に濡らしてしまう虞があり好ましくない。また、保冷具はスカーフ状であるのが殆どであり、特に男性には、スカーフを巻くファッションが定着しておらず、受け入れられるのは不可能ではないが、現状の構造のままでは極めて困難である。
また上記特許文献2に記載の文献に開示される冷却具は、体に巻きつけることによる圧迫感、違和感を発生させてしまうといった課題がある。なお蓄冷するために冷蔵庫等に入れて冷やす必要があり、冷却することのできる時間、手間がかかるといった課題もある。
特に、夏の暑い朝の仕事前、通勤時、更には夏の暑い時間における就業時等にサラリーマンが他の通勤客、同僚の目を気にすることなく、顧客に対して失礼な服装ととらえられることなく装着することができる程度のさりげなさ、デザイン性に優れた冷却具があれば、冷却具を装着することに対する抵抗が少なくなり冷却具装着者の増加を促進することができ、冷却具装着者が増加すれば、室内温度の設定を従前より高くすることが可能となり、現在問題となっている地球環境問題対策としても極めて有用なものとなる。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、圧迫感を除去するとともに、室内作業時においても簡便、好適に使用が可能となる保冷具を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第一の観点に係る保冷具は、吸水性ポリマーを内包した冷却部と、この冷却部の両端に配置された二つの折返形状保持部と、を有する帯状の保冷具であって、折返形状保持部の長さは、冷却部の長さを1とした場合、0.11以上0.43以下の範囲にある。
以上、本発明により、圧迫感を除去するとともに、室内作業時においても簡便に使用が可能となる保冷具を提供することができる。
実施形態に係る保冷具の概略を示す図である。 実施形態に係る保冷具の冷却部の断面を示す図である。 実施形態に係る保冷具の使用の状態の一例を示す図である。 実施形態に係る保冷具の折返形状保持部の一例を示す図である。 実施形態に係る保冷具の折返形状保持部の他の例を示す図である。 実施形態に係る保冷具の折返形状保持部の他の例の概略を示す図である。 実施形態における保冷具にフックを付した場合の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る保冷具1の概略を示す平面図であり、図2は、図1における冷却部2の(A−A’の)断面図であり、図3は、実施形態に係る保冷具1の使用の状態の一例を示す図であり、図4は、実施形態に係る保冷具の折返形状保持部の概略を示す図である。
これらの図で示すように、本実施形態に係る保冷具1は、吸水性ポリマー21を内包した冷却部2と、冷却部2の両端に配置された二つの折返形状保持部31、32と、を有する帯状の保冷具である。
本実施形態に係る保冷具の冷却部2は、上記の通り、吸水性ポリマー21を内包したものであり、限定されるわけではないが、水を通す布等の袋体22の内部に吸水性ポリマー21を内包したものであることが好ましい。なお限定されるわけではないが、袋体22は、一方の面221が水を通しやすい材料であり、他方の面222が水を通しにくい材料で構成されていると、例えば水を通しにくい側の袋体の面をワイシャツの首周り部に当てても不必要にワイシャツをぬらすことが無いためより好ましい。なお、水を通しやすい材料の例としては、例えば綿、麻、毛、ウール、合成繊維等を挙げることができ、水を通しにくい材料の例としては、例えばビニール等又は上記水を通しやすい材料等に撥水処理を施したものを挙げることができる。なお、冷却部2の袋体22におけるいずれか一方の面には滑り止め防止手段が付されていることも好ましい。このようにすることでワイシャツ等の首回り部分内側に冷却具を当て、この摩擦により好適に保持させることができる。滑り止め防止手段としては、ポリマーを点状又は線状に分散配置させることで容易に実現することができるがこれに限定されない。
また本実施形態に係る吸水性ポリマーは、吸水し、給水した水が蒸発する際周囲の熱を吸い取って周囲を冷却することができるものであり限定されるわけではないが、材質としてイソブチレン−無水マレイン系の合成高分子等を例示することができる。また、吸水性ポリマーとしては、用いる袋体22の隙間から漏れ出ないようにすることが好ましく、袋体22の材質によって異なり限定されるわけではないが、球状である好ましく、粒径としては0.05mm以上1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。また、本実施形態に係る吸水性ポリマーの量は、ポリマーの給水能力により異なるが、0.3g以上2g以下、より好ましくは0.5g以上1g以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係る冷却部2の長さとしては、35cm以上45cm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは37cm以上43cm以下の範囲である。このようにすることで成人男性及び成人女性の首周りの概ねのサイズをカバーすることができるものとなる。
また、保冷部2の幅は、限定されるわけではないが、2cm以上5cm以下であることが好ましく、より好ましくは2cm以上4cm以下の範囲である。この範囲とすることで、図3の例で示すように、ワイシャツ等の洋服における首回り部の幅に合わせることが可能となり、不必要な部分が濡れてしまうことを防止することができ、更には襟と首回り部の間に挿入して折返形状保持手段の先端部分を隠すことが可能となり、安定して保持できるとともにデザイン上も優れたものとなる。
また本実施形態に係る冷却部2の両端には、それぞれ折返形状保持手段を含む二つの折返形状保持部31、32が配置されている。本折返形状保持部31、32は、それぞれ折り返すこと、更には、その形状を保持することができるものである。このようにすることで、ワイシャツ等洋服の首周り部分の端部を挟んで固定し、脱落を抑えることができるようになる。この結果、首に巻きつける必要が無くなり圧迫感を極めて少なくすることができる。また本実施形態に係る折返形状保持部は、襟の下に隠れることとなるため、不必要に目立たない。更に、冷却具1の内側のデザインを工夫することでデザイン上の工夫が容易であるといった利点もある。
本実施形態に係る折返形状保持部31、32のそれぞれの長さは、5cm以上15cmであって、好ましくは7cm以上13cm以下の範囲内である。よって、冷却部の長さを1とした場合、0.11以上0.43以下の範囲にあり、好ましくは0.12以上0.4以下の範囲内であり、さらに好ましくは0.15以上0.37以下、更に好ましくは0.16以上0.35以下の範囲である。この範囲とすることで、従来の保冷具のように結ぶための端部ではなく不必要に折返形状保持部を長くすることなく着脱が容易になるとともに、襟元近傍のみに折返形状保持部を配置するため違和感を生じさせず襟の下に差し込むことができるようになる。なお、折返形状保持部31、32の幅は限定されるわけではないが、上記冷却部と同様の幅とすることが好ましく、一体に構成することが製造上好ましい。なお、ここで折返形状保持部の長さとしては、冷却部2との境界から先端までの冷却具の軸に沿った方向における距離をいうが、折返形状保持端部の端部が傾いた辺を有している場合は、冷却部2との境界から、冷却部2幅の中心に沿った端までの長さをいう(図1参照)。
図4は、折返形状保持手段が金属製の板を内包したものの例を示す。折返形状保持手段を金属製の板(以下「金属板」)321とすることで好きな位置で折返し、形状保持が可能となり、しかも簡便に製造することができるといった利点がある。図4の例は、金属板と折返形状保持部の形状とが相似形となるように形成した例を示す。なお、金属板を採用する場合、材質としては特に限定されるわけではないが、銅やアルミニウムを採用することができ、銅を用いることが繰り返しの使用により好適である。また、金属製の板を採用する場合、厚さとしては0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。この範囲とすることで容易に折り曲げることが可能となりつつ、繰り返しの折返形状保持が可能となる。
また、金属製の板の幅、長さ等は、上記例のほか適宜調節可能であり特に限定されず、例えば、折返形状保持部31、32の幅よりも十分細い(好ましくは0.5cm以上2cm以下、より好ましくは1.5cm以下の幅であって、4cm以上14cm以下の長さの)板状の金属板322とし、この金属板にラミネート加工(ビニール等の柔軟な材料で覆う)を施したもの323を採用することも好ましい。このようにすることで、金属を含ませた場合でも金属板の角が袋体22から飛び出すことによる怪我を防止することができ、また汗や水による腐食を防止して金属板の酸化を防止しすることができ、更に、折り返すことのできる回数を大幅に増加させて長寿命化を図ることができるといった利点がある。この一例を図5に示しておく。
なお、本実施形態において冷却部2の少なくとも一部、好ましくは80%以上、より好ましくは全部に、折返形状保持手段を設けていないこと、折返形状保持手段を除去した領域があることが好ましい。これにより、折返形状保持部によってワイシャツ等の襟に保冷具1を固定する際、冷却部の柔軟性、軽量化を確保することが可能となり、人の動作によりワイシャツ等の形状が変化したとしても十分にその形状の変化に対応させることができ、ワイシャツ等の首回りを不必要に固定してしまうことによる違和感を生じさせることがなく、冷却する部位例えば首などを不必要に圧迫することがなくなる、といった効果がある。もちろん、冷却部を首回り部分の形状に合わせる必要が極力なくなるため装着が容易になるといた効果もある。
なお、本実施形態に係る折返形状保持部31、32は、上記に限定されず、例えば図6で示すように、磁極の向きを異ならせて配置している複数の磁石324、325を有するものとしても良い。このようにすることで、折り返すことでこれら異なる磁極を向き合わせ、磁力により吸着させ、折返し及び形状保持を行なうことができるといった利点がある。
また本実施形態において折返形状保持部の端部は、保冷具の軸垂直方向に対し傾いた辺を有していることが好ましい。このようにすることで、折返形状保持部に鋭利な先端部を設け、この先端部を用いることで襟への挿入角度を十分に確保することができ、襟の下への挿入がより容易となるといった利点がある。傾いた辺としては、限定されるわけではないが、30°以上60°以下であることが好ましく、より好ましくは40°以上50°以下である。
また、本実施形態においては、冷却部2の中央近傍に、フック23を配置することも好ましい。このようにすることで、ワイシャツの首回り部及び襟にひっかけることでより安定的に保持することが可能となる。例えば図7にこの一例を示しておく。なおフックの位置は、首筋に触れないようにするため袋体22の両面の境界部分又は(ワイシャツに接する側の)他方の面に配置しておくことが好ましい。なおこの場合において、傾いた辺を有している場合、フック23が付された保冷具の辺の方が他方の辺よりも長いことが好ましい。このようにすることで、ワイシャツの首周り部と襟との間に保冷具の先端をより挿入しやすくできるといった効果がある。
以上、本実施形態に係る保冷具は、圧迫感を除去するとともに、室内作業時においても簡便、好適な使用が十分可能となる。
ここで、上記実施形態に係る保冷具について具体的な一例を作製し効果を確認した。以下説明する。
(実施例)
幅4cm、長さ33cmの冷却部と、それぞれ幅4cm、長さ12cmの折返形状保持部とを作製した。なお、折返形状部には傾き45°の傾いた辺を設けた。また冷却部には、吸水性ポリマーを1g内包させ、折返形状保持部内には銅板(幅1cm、長さ9cmの銅板)にビニールによるラミネート加工を行ったものを配置した。なお、本実施例において、冷却部の袋体及び折返形状保持部は同一の材料で構成し、冷却部の袋体の一方の面に撥水処理を行った。
この保冷具に水を適量含ませ、首に巻くとともに、ワイシャツの首周り部と襟の隙間に挿入し、折返形状保持部で固定することにより固定した。この結果、適度な水分により首周り部分にフィットさせることができたとともに、過度な圧迫感も無く、更に、首周り部分以外は濡れずに非常に好適な保冷具となることを確認した。また、ラミネート加工を行った銅板を用いることで、90回程度曲げと伸ばしを繰り返しても折返形状保持を行うことができ、長寿命化を図ることもできた。
以上、本実施例によっても圧迫感を除去するとともに、室内作業時においても簡便に使用が十分可能な冷却具であることを確認した。
本発明は、保冷具として製造業において産業上利用可能である。
1…保冷具、2…冷却部、31,32…折返形状保持部

Claims (5)

  1. 吸水性ポリマーを内包した冷却部と、
    前記冷却部の両端に配置され、折返形状保持手段を含む二つの折返形状保持部と、を有する帯状の保冷具であって、
    前記折返形状保持部それぞれの長さは、前記冷却部の長さを1とした場合、0.11以上0.43以下の範囲にある保冷具。
  2. 前記冷却部の少なくとも一部に、折返形状保持手段を除去した領域を有する請求項1記載の保冷具。
  3. 前記折返形状保持手段は、金属製の板である請求項1記載の保冷具。
  4. 前記折返形状保持手段は、磁極の向きを異ならせて配置している複数の磁石である請求項1記載の保冷具。
  5. 前記折返形状保持部の端部は、保冷具の軸垂直方向に対し傾いた辺を有してなる請求項1記載の保冷具。
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