JP2011086719A - 光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層型の薄膜光電変換装置と同様の高い発電効率を簡略な構成で安価に実現可能なメカニカル・スタック方式の光電変換装置を得ること。
【解決手段】第1の透光性絶縁基板の一面上に複数の第1の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第1の光電変換モジュールと、第2の透光性絶縁基板の一面上に複数の第2の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第2の光電変換モジュールと、が前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子とを内側にして貼り合わされた光電変換装置であって、前記直列接続の一端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の一端に位置する第2の光電変換素子とが電気的に直列接続され、前記直列接続の他端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の他端に位置する第2の光電変換素子とから前記第1の光電変換モジュールおよび前記第2の光電変換モジュールで発電された出力を外部に取り出す。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、光電変換装置およびその製造方法に関し、特に、異なる基板にそれぞれ形成された2種類の光電変換素子を互いに対向して配置するメカニカル・スタック方式の薄膜光電変換装置およびその製造方法に関する。
従来のメカニカル・スタック方式の薄膜光電変換装置では、例えば透過性電極が形成された基板に光電変換層として薄膜半導体層が形成された光電変換モジュールと、反射性金属電極層が形成された基板に光電変換素子として薄膜半導体層が形成された光電変換モジュールとを、それぞれの基板において薄膜半導体層が形成されていない面が外側に配置されるように2枚の基板を対向させて張り合わせ、出力を個別に取り出すように構成されている。また、それぞれの光電変換モジュールにおいては、ストライプ状に加工された複数の光電変換素子が、隣り合う素子同士で所定の距離を隔てて配置された状態で、隣り合う光電変換層は電気的に分離されつつ、電気的に直列に接続されて形成されている。
このようなメカニカル・スタック方式の光電変換装置は、積層する光電変換モジュールをそれぞれ独立な基板に形成する。このため、それぞれの工程が簡略化され、製造歩留りが向上する、という利点がある。また、いずれかの基板が製造時に不良を発生しても、残りの基板は別の基板とスタックして使用することができる、という利点がある。これに対して、単一基板上に連続成膜して形成する積層型の薄膜光電変換装置では、性能はメカニカル・スタック方式より高いが、一部の層で不良が発生した場合には光電変換装置全体が再利用することができず、製造歩留りが低下する。
メカニカル・スタック方式の薄膜光電変換装置では、効率を向上させるために光入射側の基板に形成される光電変換層のバンドギャップを、もう一方の基板に形成される光電変換層のバンドギャップよりも広く設定する。これにより、光入射側の基板に形成された光電変換素子で高エネルギ(短波長)の光を吸収し、該光電変換素子を透過した光をもう一方の基板に形成された光電変換素子で吸収するため、効率的に光を利用することが可能である。
特公平5-27278号公報
しかしながら、このようなメカニカル・スタック方式の薄膜光電変換装置では、それぞれの基板に形成された光電変換層のバンドギャップが異なるため、開放電圧はそれぞれの基板で異なる値となる。したがって、発電出力は、それぞれの基板で独立に取り出す必要がある。このため、出力取り出し部がそれぞれの基板で必要となり、部材コストが上昇する、出力取り出し部の構造が複雑となる、という問題があった。
このような問題を解決するために、例えばそれぞれの基板に形成された光電変換素子の直列段数を調整することで出力電圧をほぼ同一とし、取り出し部を単一とする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法を採用しても、両モジュールから出力を取り出す出力取り出し部の構造が複雑となる。
また、同一サイズの基板に形成されて直列接続される光電変換素子の直列段数が2枚の基板で異なるため、それぞれの光電変換素子数が同一である積層型の薄膜光電変換装置と同等の性能が実現することができず、スタックモジュール全体の発電効率が低下する、という問題がある。すなわち、それぞれの基板の出力電圧をほぼ同一に調整するためには、同一段数で出力電圧が低い光電変換装置に出力電圧を合わせて他方の光電変換装置の出力電圧を低くする必要がある。結果として出力電圧が高い光電変換装置の発電性能を犠牲にすることになり、スタックモジュール全体の発電効率が低下する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、積層型の薄膜光電変換装置と同様の高い発電効率を簡略な構成で安価に実現可能なメカニカル・スタック方式の光電変換装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光電変換装置は、第1の透光性絶縁基板の一面上に複数の第1の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第1の光電変換モジュールと、第2の透光性絶縁基板の一面上に複数の第2の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第2の光電変換モジュールと、が前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子とを内側にして貼り合わされた光電変換装置であって、前記直列接続の一端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の一端に位置する第2の光電変換素子とが電気的に直列接続され、前記直列接続の他端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の他端に位置する第2の光電変換素子とから前記第1の光電変換モジュールおよび前記第2の光電変換モジュールで発電された出力を外部に取り出すこと、を特徴とする。
本発明によれば、複数の第1の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第1の光電変換モジュールと、第2の透光性絶縁基板の一面上に複数の第2の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第2の光電変換モジュールと、が電気的に直列接続されることにより光電変換素子が最適動作点で動作する。これにより、積層型の薄膜光電変換装置と同様の高い発電効率を有するメカニカル・スタック方式の光電変換装置を、簡略な構成で且つ安価に得ることができる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1の概略構成を示す平面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の断面構造を説明するための要部断面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の断面構造を説明するための要部断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の発電電流外部取り出し部を出力基板端側の側面から見た側面図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の発電電流外部取り出し部における電極構造を抽出して示した斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の等価回路図である。 図5は、従来のメカニカル・スタック方式の光電変換装置の等価回路図である。 図6は、従来のメカニカル・スタック方式の光電変換装置の等価回路図である。 図7−1は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の製造工程を説明するための断面図である。 図7−2は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の製造工程を説明するための断面図である。 図7−3は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の製造工程を説明するための断面図である。 図8は、本発明の実施の形態2にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の断面構造を説明するための要部断面図である。 図9は、本発明の実施の形態3にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置の断面構造を説明するための要部断面図である。
以下に、本発明にかかる光電変換装置およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1の概略構成を示す平面図である。図1−2は、光電変換装置1の断面構造を説明するための図であり、図1−1の線分A−A’における要部断面図である。図1−3は、光電変換装置1の断面構造を説明するための図であり、図1−1の線分B−B’における要部断面図である。
実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1は、それぞれ透光性絶縁基板上に複数の光電変換素子が構成された2枚の薄膜光電変換モジュールである第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とが光電変換素子を内側にして貼り合わされた構成を有し、第1の光電変換モジュール2側から光が入射する。
第1の光電変換モジュール2は、第1の光電変換素子である複数の光電変換素子3a、3b(以下、光電変換素子3と総称する場合がある)を備えている。光電変換素子3は、第1の透光性絶縁基板である透光性絶縁基板4上に、透光性絶縁基板4と反対側の表面にテクスチャ構造(図示せず)を有して透光性絶縁基板4の短手方向と略平行な方向に延在するストライプ状にパターニングされた第1の透明電極層である透明電極層5、透明電極層5と異なる形状・配置で透光性絶縁基板4の短手方向と略平行な方向に延在するストライプ状にパターニングされた第1の薄膜半導体層である薄膜半導体層6、透明電極層5および薄膜半導体層6と異なる形状・配置で透光性絶縁基板4の短手方向と略平行な方向に延在するストライプ状にパターニングされた第2の透明電極層である裏面透明電極層7が順次積層されて構成されている。第1の光電変換モジュール2において、隣接する光電変換素子3同士は、電気的に直接接続されている。
透光性絶縁基板4上に形成された透明電極層5には、透光性絶縁基板4の短手方向と略平行な方向(第1の方向)に延在するとともに透光性絶縁基板4に達するストライプ状の第1の溝D1が形成されている。この第1の溝D1の部分に薄膜半導体層6が埋め込まれることで、透明電極層5が隣接する光電変換素子3に跨るように光電変換素子3毎に分離されて形成されている。
また、透明電極層5上に形成された薄膜半導体層6には、第1の溝D1と異なる箇所において透光性絶縁基板4の短手方向と略平行な方向(第1の方向)に延在するとともに透明電極層5に達するストライプ状の第2の溝(接続溝)D2が形成されている。後述するように、この第2の溝(接続溝)D2の内壁部(側壁部、底辺部)に裏面透明電極層7が形成されることで、この内壁部に形成された裏面透明電極層7を介して、薄膜半導体層6上の裏面透明電極層7が透明電極層5に接続される。そして、該透明電極層5が隣接する光電変換素子3に跨っているため、隣り合う2つの光電変換素子の一方の裏面透明電極層7と他方の透明電極層5とが電気的に接続されている。
また、裏面透明電極層7および薄膜半導体層6には、第1の溝D1および第2の溝(接続溝)D2とは異なる箇所において透光性絶縁基板4の短手方向と略平行な方向(第1の方向)に延在するとともに透明電極層5に達するストライプ状の第3の溝(分離溝)D3が形成されて、各光電変換素子3が分離されている。このように、光電変換素子3の透明電極層5が、隣接する光電変換素子3の裏面透明電極層7と接続することによって、隣接する光電変換素子3が電気的に直列接続している。
なお、図1−2では、第1の光電変換モジュール2のうち、隣接する2つの光電変換素子3a、3bを示しているが、第1の光電変換モジュール2が備える光電変換素子3の数量はこれに限定されず、多数の光電変換素子3が透光性絶縁基板4上に形成される。
メカニカル・スタック方式の光電変換装置1では、第1の光電変換モジュール2側から光が入射するため、透光性絶縁基板4はガラス、透明樹脂等の透光性を有する絶縁材料からなる板状部材やシート状部材が用いられる。
透明電極層5は、光透過性を有している透明導電膜として例えば酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)等の透明導電性酸化物(TCO)が用いられ、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、蒸着法等の方法を用いて形成される。また、透明電極層5は、透光性絶縁基板4と反対側の表面に凹凸形状が形成された表面テクスチャ構造(図示せず)を有する。このテクスチャ構造は、入射した太陽光を散乱させ、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とで入射光をより効率的に吸収させ、光利用効率を高める機能を有する。また、透光性絶縁基板4上には、透光性絶縁基板4からの不純物の阻止層として、必要に応じて酸化珪素(SiO)等からなるアンダーコート層を形成してもよい。
薄膜半導体層6は、光入射側からみて透明電極層5の後方に配置され、P−I−N構造を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。薄膜半導体層6は、透光性絶縁基板4側から第1導電型半導体層であるP型半導体層、実質的に真性な光電変換層であり第2導電型半導体層であるI型半導体層、および第3導電型半導体層であるN型半導体層からなるPIN接合を構成する。本実施の形態では、薄膜半導体層6は、透光性絶縁基板4側から順に、第1導電型半導体層であるp型の水素化アモルファス炭化シリコン(a−SiC:H)層、第2導電型半導体層であるi型の水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)層、第3導電型半導体層であるn型の水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)層からなるP−I−N接合を形成している。
また、薄膜半導体層6は、透光性絶縁基板4側から、第1導電型半導体層であるp型の水素化アモルファス炭化シリコン(a−SiC:H)層、第2導電型半導体層であるi型の水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)層、第3導電型半導体層であるn型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第1導電型半導体層であるp型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第2導電型半導体層であるi型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第3導電型半導体層であるn型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層からなる二段のP−I−N接合の構成としてもよい。
また、上記の二段のP−I−N接合のように複数の薄膜半導体層が積層されて薄膜半導体層6が構成される場合には、それぞれのP−I−N接合間に酸化微結晶シリコン(μc−SiO(X=0〜2))やアルミニウム添加酸化亜鉛(ZnO:Al)などの中間層を挿入して、P−I−N接合間の電気的、光学的接続を改善してもよい。
裏面透明電極層7は、例えば酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)等の透明導電性酸化物(TCO)により構成される。
第2の光電変換モジュール8は、第2の光電変換素子である複数の光電変換素子9a、9b(以下、光電変換素子9と総称する場合がある)を備えている。光電変換素子9は、透光性絶縁基板4と略同等の大きさの第2の透光性絶縁基板である透光性絶縁基板10上に、透光性絶縁基板10と反対側の表面にテクスチャ構造(図示せず)を有して透光性絶縁基板10の短手方向と略平行な方向に延在するストライプ状にパターニングされた反射性金属電極層11、反射性金属電極層11と異なる形状・配置で透光性絶縁基板10の短手方向と略平行な方向に延在するストライプ状にパターニングされた第2の薄膜半導体層である薄膜半導体層12、反射性金属電極層11および薄膜半導体層12と異なる形状・配置で透光性絶縁基板10の短手方向と略平行な方向に延在するストライプ状にパターニングされた第3の透明電極層である裏面透明電極層13が順次積層されて構成されている。第2の光電変換モジュール8において、隣接する光電変換素子9同士は、電気的に直接接続されている。
透光性絶縁基板10上に形成された反射性金属電極層11には、透光性絶縁基板10の短手方向と略平行な方向(第1の方向)に延在するとともに透光性絶縁基板10に達するストライプ状の第1の溝D11が形成されている。この第1の溝D11の部分に薄膜半導体層12が埋め込まれることで、反射性金属電極層11が隣接する光電変換素子9に跨るように光電変換素子9毎に分離されて形成されている。
また、反射性金属電極層11上に形成された薄膜半導体層12には、第1の溝D11と異なる箇所において透光性絶縁基板10の短手方向と略平行な方向(第1の方向)に延在するとともに反射性金属電極層11に達するストライプ状の第2の溝(接続溝)D12が形成されている。後述するように、この第2の溝(接続溝)D12の内壁部(側壁部、底辺部)に裏面透明電極層13が形成されることで、この内壁部に形成された裏面透明電極層13を介して、薄膜半導体層12上の裏面透明電極層13が反射性金属電極層11に接続される。そして、該反射性金属電極層11が隣接する光電変換素子9に跨っているため、隣り合う2つの光電変換素子の一方の裏面透明電極層13と他方の反射性金属電極層11とが電気的に接続されている。
また、裏面透明電極層13および薄膜半導体層12には、第1の溝D11および第2の溝(接続溝)D12とは異なる箇所において透光性絶縁基板10の短手方向と略平行な方向(第1の方向)に延在するとともに反射性金属電極層11に達するストライプ状の第3の溝(分離溝)D13が形成されて、各光電変換素子9が分離されている。このように、光電変換素子9の反射性金属電極層11が、隣接する光電変換素子9の裏面透明電極層13と接続することによって、隣接する光電変換素子9が電気的に直列接続している。
なお、図1−2では、第2の光電変換モジュール8のうち、隣接する2つの光電変換素子9a、9bを示しているが、第2の光電変換モジュール8が備える光電変換素子9の数量はこれに限定されず、多数の光電変換素子9が透光性絶縁基板10上に形成される。
透光性絶縁基板10は、例えばガラス、透明樹脂等の透光性を有する絶縁材料からなる板状部材やシート状部材が用いられる。
反射性金属電極層11は、銀(Ag)の単層膜や、透光性絶縁基板10側から銀(Ag)と酸化亜鉛(ZnO)とがこの順で積層された多層膜が用いられる。また、銀(Ag)の代わりにアルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、クロム(Cr)などを用いてもよい。また、酸化亜鉛(ZnO)の代わりに酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)等の透明導電膜を用いてもよい。また、透光性絶縁基板10上には、透光性絶縁基板10からの不純物の阻止層として、必要に応じて酸化珪素(SiO)等からなるアンダーコート層を形成してもよい。
薄膜半導体層12は、光入射側からみて反射性金属電極層11の前方に配置され、P−I−N構造を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。薄膜半導体層12は、透光性絶縁基板10側から第3導電型半導体層であるN型半導体層、実質的に真性な光電変換層であり第2導電型半導体層であるI型半導体層および第1導電型半導体層であるP型半導体層からなるN−I−P接合を構成する。本実施の形態では、薄膜半導体層12は、透光性絶縁基板10側から順に、第3導電型半導体層であるn型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第2導電型半導体層であるi型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層および第1導電型半導体層であるp型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、からなるN−I−P接合を構成している。
また、薄膜半導体層12は、透光性絶縁基板10側から、第3導電型半導体層であるn型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第2導電型半導体層であるi型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第1導電型半導体層であるp型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第3導電型半導体層であるn型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層、第2導電型半導体層であるi型の水素化アモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe:H)層、第1導電型半導体層であるp型の水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)層からなる二段のP−I−N接合の構成としてもよい。
また、上記の二段のN−I−P接合のように複数の薄膜半導体層が積層されて薄膜半導体層12が構成される場合には、それぞれのN−I−P接合間に酸化微結晶シリコン(μc−SiO(X=0〜2))やアルミニウム添加酸化亜鉛(ZnO:Al)などの中間層を挿入して、N−I−P接合間の電気的、光学的接続を改善してもよい。
裏面透明電極層13は、例えば酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)等の透明導電性酸化物(TCO)により構成される。
第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8との組み合わせとして、各モジュールにおける薄膜半導体層の積層形態は、例えば(1)1段pin接合−1段nip接合、(2)2段pin接合−1段nip接合、(3)1段pin接合−2段nip接合、(4)2段pin接合−2段nip接合とすることができる。
図1−2に示したように第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とは、透光性絶縁基板4,10の長手方向における一方の基板端(接続基板端)に位置する第1の光電変換モジュール2の透明電極層5と第2の光電変換モジュール8の反射性金属電極層11との間で、導電性樹脂14を用いて電気的に接続されている。この電気的接続は、導電性樹脂14の代わりに導電性ケーブルなどを用いても良い。また、この基板端に位置する第1の光電変換モジュール2の透明電極層5と第2の光電変換モジュール8の反射性金属電極層11とは、導電性樹脂14を接続できるように基板の面内方向において接続基板端の側面に向かって延在して設けられている。
本実施の形態では、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とが、該第1の光電変換モジュール2および第2の光電変換モジュール8の透光性絶縁基板4,10の長手方向における一方の基板端(接続基板端)で直列に電気接続されているため、それぞれのモジュールの発電電圧は同一である必要がない。一方、電流の損失を防ぐため、出力電流は同一であることが望ましい。したがって本実施の形態では、第1の光電変換モジュール2および第2の光電変換モジュール8を構成している光電変換素子の段数、ストライプ幅は、発電電流がほぼ同一となるように選ばれている。
光電変換装置1では、図1−3に示したように透光性絶縁基板4,10の長手方向において第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とを電気的に接続した基板端とは反対側に位置する基板端(発電電流外部取り出し部)から、光電変換装置1における発電電流を第1の光電変換モジュール2および第2の光電変換モジュール8のそれぞれから出力配線15、16を用いて外部に取り出す。発電電流を取り出す基板端(出力基板端)では対向した基板(透光性絶縁基板4,10)間に大きな電圧差が発生するため、それぞれの基板の電流取り出し部間の絶縁性を高める必要ある。
図2は、光電変換装置1の発電電流外部取り出し部を出力基板端側の側面から見た側面図である。図3は、発電電流外部取り出し部における電極構造を抽出して示した斜視図である。電極構造を分かり易くするため、図3では透光性絶縁基板4、10と出力配線15、16の表記は省略している。図2および図3に示したように、第1の光電変換モジュール2の発電電流外部取り出し部に、基板の面内方向においてそれぞれ出力基板端の側面に向かって突出した出力取り出し部透明電極5aを備える。また、第2の光電変換モジュール8の発電電流外部取り出し部に、基板の面内方向においてそれぞれ出力基板端の側面に向かって突出した出力取り出し部反射金属電極11aを備える。ここで、出力取り出し部透明電極5aと出力取り出し部反射金属電極11aとは、透光性絶縁基板4および透光性絶縁基板10の短手方向における位置が互いにずらされて配置されている。また、出力取り出し部透明電極5aと出力取り出し部反射金属電極11aとは、基板の面内方向においてそれぞれ基板端から突出して設けられている。そして、出力取り出し部透明電極5aから透光性絶縁基板4における光電変換素子が形成されていない基板面(裏面)に出力配線15を引き出している。また、出力取り出し部反射金属電極11aから透光性絶縁基板10における光電変換素子が形成されていない基板面(裏面)に出力配線16を引き出している。
また、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8間の間隔を維持するとともにこれらの光電変換モジュール間の絶縁性を高めるために、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8との間に、光透過性を有する絶縁性樹脂17を封入することで第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とを接着している。
なお、絶縁性樹脂17としては、光透過性や絶縁性に優れたシリコーンゴムが適している。また、裏面透明電極層7と裏面透明電極層13に接する絶縁性樹脂17の光学的屈折率は、裏面透明電極層7や裏面透明電極層13の材料の光学的屈折率に近いことが好ましい。絶縁性樹脂17の光学的屈折率が裏面透明電極層7や裏面透明電極層13の材料の光学的屈折率に近いと、それぞれの界面での反射が低下する。
また、裏面透明電極層7、13と絶縁性樹脂17とのそれぞれの間に、これらの材料の中間の光学的屈折率を有する透明薄膜(図示せず)を形成すると、さらに界面の反射が低下するのでよい。たとえば、裏面透明電極層7と裏面透明電極層13の材料の屈折率がZnOやITOと同様の1.9〜2程度、絶縁性樹脂17の屈折率が一般的な透明樹脂の屈折率である1.5程度である場合に、その間に1.7〜1.8程度の屈折率の材料を挟むことで、絶縁性樹脂17の界面の反射が低下して背面側の薄膜半導体層12に効率良く光を導くことができる。このため、たとえば裏面透明電極層7上および裏面透明電極層13上に、屈折率を調節したSiON膜や酸化アルミニウム(AlO)などの膜を形成してもよい。高屈折率膜と低屈折率膜とを多層に積層した光学多層膜で反射防止する構造がさらに望ましい。また、これらの膜は、基板間の電気接続部を除いて、光電変換装置1の膜面全体を覆うように形成すると、光電変換装置1が水や腐食性物質によって劣化することを防止できるのでよい。
図4は、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1の等価回路図である。図4に示すように、光電変換装置1では、全ての光電変換素子3および光電変換素子9が直列に接続されることになり、積層型薄膜光電変換装置と同様に光電変換素子3、9が最適動作点で動作し、発電効率が向上する。これにより、光電変換装置1では、積層型薄膜光電変換装置と同等の光電変換効率を実現できる。
図5および図6は、従来のメカニカル・スタック方式の光電変換装置の等価回路図である。図5および図6に示す光電変換装置は、複数の光電変換素子201が形成された第1の光電変換モジュール211と複数の光電変換素子202が形成された第2の光電変換モジュール212とが、素子同士を対向させて配置して構成されたメカニカル・スタック方式の光電変換装置である。一般にメカニカル・スタック方式の光電変換装置における光電変換素子201と光電変換素子202との発電特性は異なる。このため従来のメカニカル・スタック方式の光電変換装置では、図5および図6に示すようにそれぞれのモジュールから出力を独立して取り出すか、出力電圧がほぼ等しくなるように光電変換素子の直列段数を変える方法を採用している。図5は、それぞれのモジュールから出力を独立して取り出す方式のメカニカル・スタック方式の光電変換装置を示している。図6は、出力電圧がほぼ等しくなるようにモジュール毎に光電変換素子の直列段数を変える方式のメカニカル・スタック方式の光電変換装置を示している。
しかしながら、それぞれのモジュールから出力を独立して取り出す方式の場合は、出力取り出し部がそれぞれのモジュールで必要となり、部材コストが上昇する、出力取り出し部の構造が複雑となる。また、モジュール毎に光電変換素子の直列段数を変える方式の場合は、両モジュールから出力を取り出す出力取り出し部の構造が複雑となる。また、同一サイズのモジュールに形成されて直列接続される光電変換素子の直列段数が2つのモジュールで異なるため、それぞれの光電変換素子数が同一である積層型の薄膜光電変換装置と同等の性能が実現することができず、スタックモジュール全体の発電効率が低下する。
これに対して、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1では、それぞれの基板において隣接する光電変換素子同士が電気的に接続されるとともに、それぞれの基板で重ね合わせ時の発電電流が等しくなるように光電変換素子が配置され、さらに光電変換モジュールの基板端部で2つの基板が直列に接続される。すなわち、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8の基板の端部に位置する光電変換素子同士が直列に接続される。これにより、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とにおける光電変換素子が全て直列に接続されることになる。
第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とを重ね合わせた光電変換装置1の出力電圧は、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8との出力を加算した値となるため、従来の並列接続した光電変換装置のように各光電変換モジュールの出力電圧を揃える必要がなく、各光電変換素子で発電特性の最適化を図ることができる。その結果として、それぞれで発電効率が最適化された光電変換素子が直列に接続され、積層型薄膜光電変換装置と同等の構成を有し、光電変換素子3、9が最適動作点で動作し、発電効率が向上する。
このように構成された実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1の製造方法について図7−1〜図7−3を参照して説明する。図7−1〜図7−3は、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1の製造工程を説明するための断面図である。
まず、従来公知の方法により、図7−1に示すような第1の光電変換モジュール2を形成する。また、従来公知の方法により、図7−2に示すような第2の光電変換モジュール8を形成する。なお、各モジュールにおいて接続基板端に位置する第1の光電変換モジュール2の透明電極層5と第2の光電変換モジュール8の反射性金属電極層11とは、導電性樹脂14を接続できるように基板の面内方向において接続基板端の側面に向かって延在して形成する。
また、それぞれの光電変換モジュールにおける出力基板端に位置する第1の光電変換モジュール2の透明電極層5と第2の光電変換モジュール8の反射性金属電極層11とは、図2および図3に示したように基板の面内方向においてそれぞれ出力基板端の側面に向かって突出した出力取り出し部透明電極5a、出力取り出し部反射金属電極11aを形成する。また、出力取り出し部透明電極5aには、透光性絶縁基板4における光電変換素子が形成されていない基板面に出力配線15を引き出す。出力取り出し部透明電極11aには、透光性絶縁基板10における光電変換素子が形成されていない基板面に出力配線16を引き出す。
次に、第2の光電変換モジュール8における光電変換素子9上の全面に絶縁性樹脂17として光透過性樹脂層を形成する。また、接続基板端において接続基板端の側面に向かって延在する第2の光電変換モジュール8の反射性金属電極層11上に導電性樹脂14を配置する。
そして、図7−3に示すように接続基板端において光電変換素子3と光電変換素子9とが相対するように、絶縁性樹脂17上に第1の光電変換モジュール2を配置し、光電変換素子3と光電変換素子9とを内側にして第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とを貼り合わせ、これらを例えば真空中で加熱プレスする。これにより、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とが一体化し、第1の光電変換モジュール2の透明電極層5と第2の光電変換モジュール8の反射性金属電極層11とが導電性樹脂14により電気的に接続されて、図1−1〜図1−3に示すようなメカニカル・スタック方式の光電変換装置1が得られる。この後、耐水性を有する樹脂で光電変換装置全体を覆う。
上述したように、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1では、各光電変換モジュール2、8内において隣接する光電変換素子3、9が電気的に直列接続され、且つ第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とが電気的に直列接続されることにより、図4に示す等価回路のように全ての光電変換素子3および光電変換素子9が直列に接続されることになる。これにより、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1は、積層型薄膜光電変換装置と同等の接続構成とされるため光電変換素子3、9が最適動作点で動作し、発電効率が向上する。その結果、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1は、積層型薄膜光電変換装置と同等の光電変換効率をメカニカル・スタック方式の光電変換装置により実現することができるという、従来にない顕著な効果を有する。
また、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1では、積層型薄膜光電変換装置と同等の構成で光電変換素子対が直列に接続されるため、従来は2枚の光電変換モジュールのそれぞれに必要であった出力取り出し部が単一箇所に集約される。すなわち、直列接続された複数の光電変換素子のうち両端の光電変換素子にのみそれぞれ1箇所ずつ出力取り出し部を設ければよい。これにより、光電変換装置1の構成が簡略となるため耐久性に優れ、製造工程を簡略化でき、また出力取り出し部に使用される部材も削減できるためコストダウンが可能である。
また、実施の形態1にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置1では、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とをそれぞれ独立に製造できるため、その組み合わせを選ぶことにより、所望の発電特性を有するスタック型光電変換装置を自在に製造できるという、製品製造上のメリットも有する。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置21の断面構造を説明するための図であり、図1−1の線分A−A’における要部断面図である。実施の形態2にかかる光電変換装置21は、実施の形態1にかかる光電変換装置1の変形例であり、第2の光電変換モジュール8における第1の光電変換モジュール2との電気的接続部の構成が異なること以外は、光電変換装置1と同じ構造を有する。図8において実施の形態1にかかる光電変換装置1と同じ部材については同じ符号を付すことで、詳細な説明は省略する。
実施の形態2にかかる光電変換装置21においては、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とを電気接続するために、図8に示したように第2の光電変換モジュール8の接続基板端に位置する光電変換素子9の反射性金属電極層11を分断して接続用金属電極18を形成している。この接続用金属電極18は、裏面透明電極層13と電気的に接続されている。
そして、図8に示したように第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とは、透光性絶縁基板4の接続基板端に位置する第1の光電変換モジュール2の透明電極層5と接続用金属電極18との間で、導電性樹脂14を用いて電気的に接続されている。この電気的接続は、導電性樹脂14の代わりに導電性ケーブルなどを用いても良い。
本実施の形態では、実施の形態1にかかる光電変換装置1の場合と同様に第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とが、接続基板端で接続用金属電極18を介して直列に電気接続されているため、それぞれのモジュールの発電電圧は同一である必要がない。一方、電流の損失を防ぐため、出力電流は同一であることが望ましい。したがって、本実施の形態では、第1の光電変換モジュール2および第2の光電変換モジュール8を構成している光電変換素子の段数、ストライプ幅は、発電電流がほぼ同一となるように選ばれている。
このように構成された実施の形態2にかかる光電変換装置21においても実施の形態1にかかる光電変換装置1と同様に、図4に示した等価回路のように全ての光電変換素子3および光電変換素子9が直列に接続されることになり、積層型薄膜光電変換装置と同様に光電変換素子3、9が最適動作点で動作し、発電効率が向上する。これにより、光電変換装置21では、積層型薄膜光電変換装置と同等の光電変換効率を実現できる。
上述したように、実施の形態2にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置21では、各光電変換モジュール2、8内において隣接する光電変換素子3、9が電気的に直列接続され、且つ第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とが電気的に直列接続されることにより、図4に示す等価回路のように全ての光電変換素子3および光電変換素子9が直列に接続されることになる。これにより、実施の形態2にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置21は、積層型薄膜光電変換装置と同等の接続構成とされるため光電変換素子3、9が最適動作点で動作し、発電効率が向上する。その結果、実施の形態2にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置21は、積層型薄膜光電変換装置と同等の光電変換効率をメカニカル・スタック方式の光電変換装置により実現することができるという、従来にない顕著な効果を有する。
また、実施の形態2にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置21では、積層型薄膜光電変換装置と同等の構成で光電変換素子対が直列に接続されるため、従来は2枚の光電変換モジュールのそれぞれに必要であった出力取り出し部が単一箇所に集約される。すなわち、直列接続された複数の光電変換素子のうち両端の光電変換素子にのみそれぞれ1箇所ずつ出力取り出し部を設ければよい。これにより、光電変換装置21の構成が簡略となるため耐久性に優れ、製造工程を簡略化でき、また出力取り出し部に使用される部材も削減できるためコストダウンが可能である。
また、実施の形態2にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置21では、第1の光電変換モジュール2と第2の光電変換モジュール8とをそれぞれ独立に製造できるため、その組み合わせを選ぶことにより、所望の発電特性を有するスタック型光電変換装置を自在に製造できるという、製品製造上のメリットも有する。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3にかかるメカニカル・スタック方式の光電変換装置31の断面構造を説明するための図であり、図1−1の線分A−A’における要部断面図である。実施の形態3にかかる光電変換装置31は、実施の形態2にかかる光電変換装置21の変形例であり、後述する構成が異なること以外は、光電変換装置1、21と同じ構造を有する。図9において実施の形態1にかかる光電変換装置1、21と同じ部材については同じ符号を付すことで、詳細な説明は省略する。
本実施の形態3にかかる光電変換装置31は、実施の形態2の第1の光電変換モジュール2における光電変換素子3の薄膜半導体層6が、透光性絶縁基板4側から順にp型a−SiC:H層、i型a−Si:H層、n型a−Si:H層からなるP−I−N接合を形成している。また、第2の光電変換モジュール8の光電変換素子9において、反射性金属電極層11がモリブデン(Mo)からなり、薄膜半導体層12が反射性金属電極層11側から順にCu(InGa)Se層、CdS層、ZnO層からなり、裏面透明電極層13がITOからなる素子で構成されている。これ以外の構造は、光電変換装置21と同じである。本実施の形態でも、第1の光電変換モジュール2および第2の光電変換モジュール8を構成している光電変換素子の段数、ストライプ幅は、発電電流がほぼ同一となるように選ばれている。
ここで、Cu(InGa)Seは禁制帯幅が約1.04eVと低いため、長波長領域光の光吸収率が高い。その結果として、Cu(InGa)Seを発電層として用いた光電変換素子は長波長領域光の発電感度が高くなる。一方、第1の光電変換モジュールにおける光電変換素子3の薄膜半導体層6はa−Si:Hで構成されているため短波長光の吸収率が高く、長波長光は透過する。これにより、第2の光電変換モジュール8の光電変換素子9では光電変換素子3から透過した長波長光を効率的に吸収することができ、発電効率が高い光電変換装置が実現できる。
以上のように、本発明にかかる光電変換装置は、積層型の薄膜光電変換装置と同様の高い発電効率を有するメカニカル・スタック方式の光電変換装置の実現に有用である。
1 光電変換装置
2 光電変換モジュール
3 光電変換素子
3a 光電変換素子
4 透光性絶縁基板
5 透明電極層
5a 出力取り出し部透明電極
6 薄膜半導体層
7 裏面透明電極層
8 光電変換モジュール
9 光電変換素子
9a 光電変換素子
10 透光性絶縁基板
11 反射性金属電極層
11a 出力取り出し部反射金属電極
12 薄膜半導体層
13 裏面透明電極層
14 導電性樹脂
15 出力配線
16 出力配線
17 絶縁性樹脂
18 接続用金属電極
21 光電変換装置
31 光電変換装置
201 光電変換素子
202 光電変換素子
211 光電変換モジュール
212 光電変換モジュール

Claims (8)

  1. 第1の透光性絶縁基板の一面上に複数の第1の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第1の光電変換モジュールと、第2の透光性絶縁基板の一面上に複数の第2の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第2の光電変換モジュールと、が前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子とを内側にして貼り合わされた光電変換装置であって、
    前記直列接続の一端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の一端に位置する第2の光電変換素子とが電気的に直列接続され、
    前記直列接続の他端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の他端に位置する第2の光電変換素子とから前記第1の光電変換モジュールおよび前記第2の光電変換モジュールで発電された出力を外部に取り出すこと、
    を特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第1の光電変換モジュールの前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換モジュールの前記第2の光電変換素子との間に絶縁性樹脂が封入されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 相対する位置に配置された前記第1の光電変換素子と第2の光電変換素子とのうち少なくともいずれか一方の光電変換素子は透明電極層を有し、該透明電極層と前記絶縁性樹脂との間に反射防止膜を備えること、
    を特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記直列接続の一端に位置する第1の光電変換素子が前記第1の透光性絶縁基板の一端部に配置されるとともに前記直列接続の他端に位置する第1の光電変換素子が前記第1の透光性絶縁基板の他端部に配置され、
    前記直列接続の一端に位置する第2の光電変換素子が前記第2の透光性絶縁基板における前記第1の透光性絶縁基板の一端部に相対する一端部に配置されるとともに前記直列接続の他端に位置する第2の光電変換素子が前記第2の透光性絶縁基板における前記第1の透光性絶縁基板の他端部に相対する他端部に配置されること、
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  5. 前記第1の光電変換素子は、前記第1の透光性絶縁基板上に、第1の透明電極層と第1の薄膜半導体層と第2の透明電極層とが順次積層されてなり、
    前記第2の光電変換素子は、前記第2の透光性絶縁基板上に、反射性金属電極層と第2の薄膜半導体層と第3の透明電極層とが順次積層されてなり、
    第1の光電変換モジュールは、前記第1の透明電極層に電気的に接続した第1の出力取り出し部電極を前記第1の透光性絶縁基板の他端部に備え、
    第2の光電変換モジュールは、前記第1の透光性絶縁基板の他端の辺方向における配置位置が前記第1の出力取り出し部電極に対してずらされて配置され、前記前記反射性金属電極層に電気的に接続した第2の出力取り出し部電極を前記第2の透光性絶縁基板の他端部に備えること、
    を特徴とする請求項4に記載の光電変換装置。
  6. 前記第1の出力取り出し部電極から前記第1の透光性絶縁基板の裏面に引き出された第1の出力配線と、
    前記第2の出力取り出し部電極から前記第2の透光性絶縁基板の裏面に引き出された第2の出力配線と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。
  7. 前記直列接続の一端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の一端に位置する第2の光電変換素子とが導電性樹脂により電気的に直列接続されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  8. 第1の透光性絶縁基板の一面上に複数の第1の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第1の光電変換モジュールを形成する第1工程と、
    第2の透光性絶縁基板の一面上に複数の第2の光電変換素子が電気的に直列接続して形成された第2の光電変換モジュールを形成する第2工程と、
    前記直列接続の一端に位置する第1の光電変換素子と前記直列接続の一端に位置する第2の光電変換素子とを電気的に直列接続して全ての前記光電変換素子対を電気的に直列するように、前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子とを内側にして前記第1の光電変換モジュールと前記第2の光電変換モジュールとを貼り合わせて光電変換装置を形成する第3工程と、
    を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
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