JP2011086577A - 電解質および電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温サイクル特性および高温保存特性を向上させることができる電解質および電池を提供する。
【解決手段】正極21および負極22との間に設けられたセパレータ23に電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒と、電解質塩と、環状のスルホン化合物と、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレン、炭酸メチレンエチレンなどのような環状炭酸エステルとを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、電解質および電池に関する。さらに詳しくは、有機溶媒と電解質塩とを含む非水電解質およびこれを用いた非水電解質二次電池に関する。
従来、多様な分野において、スルホニル基を有する化合物(スルホン化合物)が広く用いられている。一例を挙げると、電気化学デバイスの分野では、電気的性能などを向上させるために、電解液などに溶媒の一部として各種のスルホン化合物が含有されている。
この電気化学デバイスのうち、カメラ一体型VTR(Video Tape Recorder)、携帯電話またはノートパソコンなどのポータブル電子機器の電源として用いられる二次電池の分野では、電池容量やサイクル特性などの電池特性を向上させる研究が盛んに行われている。
中でも、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(リチウムイオン二次電池)や、リチウム金属の析出および溶解を利用する二次電池(リチウム金属二次電池)は、従来の鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも大きなエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
これらのリチウムイオン二次電池やリチウム金属二次電池においても、電解液中に溶媒の一部として、スルホン化合物を含有させる技術が提案されている。例えば、特許文献1では、サイクル特性などの電池特性を向上させるために、スルホン化合物として、−S(=O)2−O−S(=O)2−結合を有する鎖状のアルカンジスルホン酸無水物を電解液中に含有させる技術が提案されている。また、特許文献2では、スルホン化合物として、−S(=O)2−O−C(=O)−結合を有する鎖状または環状の化合物(スルホン酸とカルボン酸との無水物)を電解液中に含有させる技術が提案されている。
特開平10−189041号公報 特開2002−008718号公報
近年、ポータブル電子機器は益々高性能化および多機能化しており、その消費電力は増大する傾向にあるため、二次電池の充放電が頻繁に繰り返され、そのサイクル特性が低下しやすい状況にある。また、ポータブル電子機器は多岐分野に渡って広く普及しており、二次電池は輸送時、使用時または携帯時などにおいて高温雰囲気中に晒される可能性があるため、その保存特性が低下しやすい状況にある。このため、二次電池の高温でのサイクル特性および保存特性に関してより一層の向上が望まれている。
この発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させることができる電解質および電池を提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種とを含有する溶媒を含む電解質である。
Figure 2011086577
(式中、Xは置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルキレン基、または置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルケニレン基である。)
Figure 2011086577
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも何れかは、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基である。R7、R8、R9およびR10のうちの少なくとも何れかは、ビニル基またはアリル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R11は、アルキレン基である。式中、Yは、R12およびR13、またはR14である。R12およびR13は、それぞれ、独立して、水素基またはアルキル基である。R14は、アルキレン基である。)
第2の発明は、正極と、負極と、電解質とを備え、電解質は、式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種とを含有する溶媒を含む電池である。
Figure 2011086577
(式中、Xは置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルキレン基、または置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルケニレン基である。)
Figure 2011086577
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも何れかは、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基である。R7、R8、R9およびR10のうちの少なくとも何れかは、ビニル基またはアリル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R11は、アルキレン基である。式中、Yは、R12およびR13、またはR14である。R12およびR13は、それぞれ独立して、水素基またはアルキル基である。R14は、アルキレン基である。)
第1の発明による電解質では、式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種とを含むことで、電解液の分解反応を抑制することができる。
第2の発明による電池では、電解質中に式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種とを含むことで、電解質が電気化学的に安定化するため、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させることができる。
この発明によれば、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させることができる。
この発明の第2の実施の形態による二次電池の構成例を示す断面図である。 図1における巻回電極体の一部を拡大した断面図である。 この発明の第4の実施の形態による二次電池の構成例を示す分解斜視図である。 図3における巻回電極体のI−I線に沿った断面図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(電解液)
2.第2の実施の形態(二次電池の第1の例)
3.第3の実施の形態(二次電池の第2の例)
4.第4の実施の形態(二次電池の第3の例)
5.他の実施の形態(変形例)
1.第1の実施の形態
(電解液)
この発明の第1の実施の形態による電解液について説明する。この発明の第1の実施の形態による電解液は、例えば電池などの電気化学デバイスに用いるものである。電解液は、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
[溶媒]
溶媒は、式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種と、他の非水溶媒とを含む。式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種とを、組み合わせて用いることで、優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得ることができる。なお、勿論、溶媒に含まれる式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルは、2種以上であってもよい。
Figure 2011086577
(式中、Xは置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルキレン基、または置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルケニレン基である。)
Figure 2011086577
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも何れかは、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基である。R7、R8、R9およびR10のうちの少なくとも何れかは、ビニル基またはアリル基である。)
Figure 2011086577
(式中、R11は、アルキレン基である。式中、Yは、R12およびR13、またはR14である。R12およびR13は、それぞれ独立して、水素基またはアルキル基である。R14は、アルキレン基である。)
式(1)で表されるスルホン化合物は、電池などの電気化学デバイスの電解液に用いられる場合には、例えば、電解液に溶媒の一部として分散される。式(1)のXの置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルキレン基としては、ブチレン基、ペンチレン基、フッ化ブチレン基、フッ化ペンチレン基などが挙げられる。また、式(1)のXにおける置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルケニレン基としては、ブテニレン基、ペンテニレン基、フッ化ブテニレン基、フッ化ペンテニレン基などが挙げられる。
この式(1)で表されるスルホン化合物は、式(I)で表される結合を有する環状のスルホン化合物である。この式(I)の結合を有する化合物は、この式(I)の結合を持たない化合物より、電解液の化学安定性を向上させることができる。
Figure 2011086577
また、式(1)で表されるスルホン化合物は、7員環または8員環構造を有するスルホン化合物である。すなわち、式(1)においてXは、置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルケニレン基であり、式(1)で表されるスルホン化合物は、7員環または8員環構造を有するスルホン化合物である。
式(1)のような7員環または8員環構造を有するスルホン化合物は、5員環または6員環構造を有するスルホン化合物と比較して、溶解性および相溶性が高くなる。すなわち、式(1)のような7員環または8員環構造を有するスルホン化合物は、式(1)において、Xのアルキレン基、アルケニレン基の炭素数が2または3である場合の5員環または6員環構造を有するスルホン化合物と比較して、溶解性および相溶性が高い。また、式(1)のような7員環または8員環構造を有するスルホン化合物は、8員環を超えた多環構造を有するスルホン化合物と比較して、溶解性および相溶性が高い。すなわち、式(1)において、Xのアルキレン基、アルケニレン基の炭素数が6以上である場合の8員環を超えた多環構造を有するスルホン化合物では、分子量の影響により溶解性および相溶性が再び低下してしまう。
この式(1)で表されるスルホン化合物は、溶解性および相溶性が良好であり、且つ電解液の化学的安定性を向上させることができる。この式(1)で表されるスルホン化合物は、電気化学反応において、自らが優先的に分解することによって、スルホン化合物以外の他の溶媒等の分解を抑制する。これにより、電極反応時において電解液の分解が抑制されるので、電気化学デバイスのサイクル特性および保存特性の向上に寄与することができる。
式(1)で表されるスルホン化合物としては、具体的には、例えば、式(1−1)〜式(1−4)で表されるスルホン化合物が挙げられる。勿論、例示したこれらのスルホン化合物は、1種で用いても2種以上で用いてもよい。
Figure 2011086577
溶媒は、式(1)で表されるスルホン化合物に加え、さらに式(2)で表される環状炭酸エステルまたは式(3)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種を含有する。
式(2)で表される環状炭酸エステルは、ハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステルである。式(2)のR1〜R4のハロゲン基としては、フッ素基、塩素基、臭素基などが挙げられる。また、式(2)のR1〜R4のアルキル基としては、メチル基、エチル基などが挙げられ、ハロゲン化アルキル基としては、パーフルオロメチル基などのフッ化アルキル基などが挙げられる。式(2)で表される環状炭酸エステルにおいて、構成元素のハロゲンの種類は、特に限定されないが、より高い効果が得られる点から、フッ素、塩素または臭素が好ましく、フッ素がより好ましい。ただし、式(2)で表される環状炭酸エステルにおいて、構成元素として含まれるハロゲンの数は、1つよりも2つが好ましく、さらに3つ以上であってもよい。保護膜を形成する能力が高くなり、より強固で安定な保護膜を形成できるため、電解液の分解反応をより抑制できるからである。
この式(2)で表される環状炭酸エステルと上述の式(1)で表されるスルホン化合物とを含む電解液では、式(1)で表されるスルホン化合物を含有することにより、電解液の化学的安定性を向上させることができる。さらに、式(2)で表される環状炭酸エステルを含有することにより、負極の表面に安定な保護膜を形成して、電解液の分解反応を抑制する。この2種の化合物の効果が相乗的に作用して、電池などの電気化学デバイスに用いた場合に、優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得ることができる。
式(2)で表される環状炭酸エステルとしては、具体的には、例えば、式(2−1)で表される4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−2)で表される4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−3)で表される4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−4)で表されるテトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−5)で表される4−クロロ−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−6)で表される4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−7)で表されるテトラクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−8)で表される4,5−ビストリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−9)で表される4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−10)で表される4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−11)で表される4,4−ジフルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−12)で表される4−エチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。また、式(2−13)で表される4−フルオロ−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−14)で表される4−メチル−5−トリフルオロ−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−15)で表される4−フルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−16)で表される5−(1,1−ジフルオロエチル)−4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−17)で表される4,5−ジクロロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−18)で表される4−エチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−19)で表される4−エチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−20)で表される4−エチル−4,5,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−21)で表される4−フルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。勿論、例示したこれらの化合物は、1種で用いても2種以上で用いてもよい。
Figure 2011086577
Figure 2011086577
Figure 2011086577
Figure 2011086577
Figure 2011086577
Figure 2011086577
Figure 2011086577
これらの中でも、式(2−1)で表される4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、式(2−3)で表される4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましい。また、式(2−3)で表される4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとしては、シス異性体よりもトランス異性体が好ましい。容易に入手可能であると共に、高い効果が得られるからである。
式(3)〜式(5)で表される不飽和結合を有する環状炭酸エステルのうちの1種は、電解液中に含有されることで、電解液の化学的安定性をより向上させることができる。この式(3)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種と、上述の式(1)で表されるスルホン化合物とを含む溶媒を用いた電解液では、式(1)で表されるスルホン化合物を含有することにより、電解液の化学的安定性を向上させることができる。さらに、式(3)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種を含有することにより、電解液の化学的安定性をより向上させることができる。このように、2種の化合物の効果が相乗的に作用して、電解液の化学的安定性をより向上させることにより、電池などの電気化学デバイスに用いた場合に、優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得ることができる。
式(3)で表される不飽和結合を有する環状炭酸エステルは、炭酸ビニレン系化合物である。式(3)のR5およびR6のハロゲン基としては、フッ素基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、パーフルオロメチル基などが挙げられる。この炭酸ビニレン系化合物として、具体的には、例えば、炭酸ビニレン(1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸メチルビニレン(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸エチルビニレン(4−エチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オン、または4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソール−2−オンなどが挙げられる。例示したこれらの炭酸ビニレン系化合物は、1種で用いても2種以上で用いてもよい。これらの中でも、炭酸ビニレンが好ましい。容易に入手可能であると共に、高い効果が得られるからである。
式(4)で表される不飽和結合を有する環状炭酸エステルは、炭酸ビニルエチレン系化合物である。式(4)のR7〜R10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。この炭酸ビニルエチレン系化合物として、具体的には、例えば、炭酸ビニルエチレン(4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−n−プロピル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、または4,5−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。例示したこれらの炭酸ビニルエチレン系化合物は、1種で用いても2種以上で用いてもよい。これらの炭酸ビニルエチレン系化合物の中でも、炭酸ビニルエチレンが好ましい。容易に入手可能であると共に、高い効果が得られるからである。
式(5)で表される不飽和結合を有する環状炭酸エステルは、炭酸メチレンエチレン系化合物である。式(5)のR11におけるアルキレン基としては、メチレン基などが挙げられる。式(5)のR12〜R13におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基などが挙げられる。式(5)のR14におけるアルキレン基としては、メチレン基などが挙げられる。この炭酸メチレンエチレン系化合物としては、例えば、式(6)で表される環状炭酸エステルが挙げられる。
Figure 2011086577
(式中、R15は、アルキレン基である。R16およびR17は、それぞれ独立して、水素基またはアルキル基である。)
この炭酸メチレンエチレン系化合物としては、具体的には、例えば、炭酸メチレンエチレン(4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4,4−ジメチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン、または4,4−ジエチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。この炭酸メチレンエチレン系化合物としては、上記で列挙した1つのメチレン基を有するものの他、4,5−ジメチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンなどのような2つのメチレン基を有するものであってもよい。上記で例示したこれらの炭酸メチレンエチレン系化合物は、1種で用いても2種以上で用いてもよい。
溶媒は、式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種と共に、以下に説明する有機溶媒などの他の非水溶媒のいずれか1種または2種以上を含有していてもよい。
他の非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、またはジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
例示したこれらの非水溶媒は、1種で用いてもよく、また2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。こららの非水溶媒の中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。この場合には、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
電解液中の式(1)で表わされるスルホン化合物の含有量は、溶媒の全重量に対して0.01重量%以上2重量%以下であることが好ましい。電解液においてより高い化学的安定性を得ることができるからである。すなわち、式(1)で表わされるスルホン化合物の含有量が0.01重量%よりも少ないと、電解液の化学安定性が十分かつ安定に得られない可能性がある。式(1)で表わされるスルホン化合物の含有量が2重量%よりも多いと、電池容量が低下する可能性がある。
また、電解液中の式(2)〜式(5)で表わされる環状炭酸エステルのうちの1種の含有量は、より優れた特性を得るためには、溶媒の全重量に対して0.01重量%以上40重量%以下であることが好ましい。
[電解質塩]
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種または2種以上を含有している。
リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、六フッ化ヒ酸リチウム、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)、または臭化リチウム(LiBr)などが挙げられる。なお、例示したこれらの電解質塩は、適宜組み合わせて用いてもよい。
中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。
<効果>
この発明の第1の実施の形態による電解液は、式(1)で表されるスルホン化合物と式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種とを含む。式(1)で表されるスルホン化合物と式(2)で表される環状炭酸エステルのうちの1種とを含む電解液では、式(1)で表されるスルホン化合物を含有することにより、電解液の化学的安定性を向上させることができる。さらに、式(2)で表される環状炭酸エステルを含有することにより、負極の表面に安定な保護膜を形成して、電解液の分解反応を抑制する。この2種の化合物の効果が相乗的に作用することによって、電池などの電気化学デバイスに用いた場合において、優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得ることができる。
また、式(1)で表されるスルホン化合物と式(3)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種とを含む電解液では、式(1)で表されるスルホン化合物を含有することにより、電解液の化学的安定性を向上させることができる。さらに、式(3)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種を含有することにより、電解液の化学的安定性をより向上させることができる。このように、2種の化合物の効果が相乗的に作用して、電解液の化学的安定性をより向上させることにより、電池などの電気化学デバイスに用いた場合において、優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得ることができる。
2.第2の実施の形態
(二次電池の構成)
この発明の第2の実施の形態による二次電池について図1および図2を参照しながら説明する。図1は、この発明の第2の実施の形態による二次電池の断面構成を示す。図2は、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して示す。ここで説明する二次電池は、例えば、負極22の容量が電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池である。
この二次電池は、主に、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回された巻回電極体20と、一対の絶縁板12,13とが収納されたものである。この円柱状の電池缶11を用いた電池構造は、円筒型と呼ばれている。
[正極]
正極21は、例えば、一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。ただし、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、正極結着剤や正極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム含有化合物が好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物などが挙げられる。中でも、遷移金属元素としてコバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧が得られるからである。その化学式は、例えば、LixM1O2またはLiyM2PO4で表される。式中、M1およびM2は、1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は、充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-zCoz2(z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi(1-v-w)CovMnw2(v+w<1))、またはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)などが挙げられる。中でも、コバルトを含む複合酸化物が好ましい。高い容量が得られると共に、優れたサイクル特性も得られるからである。また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)またはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-uMnuPO4(u<1))などが挙げられる。
この他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムまたは二酸化マンガンなどの酸化物や、二硫化チタンまたは硫化モリブデンなどの二硫化物や、セレン化ニオブなどのカルコゲン化物や、硫黄、ポリアニリンまたはポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
正極結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。
正極導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックまたはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、正極導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料または導電性高分子などであってもよい。
[負極]
負極22は、例えば、一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。ただし、負極活物質層22Bは、負極集電体22Aの片面だけに設けられていてもよい。
負極集電体22Aは、例えば、銅、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、負極結着剤や負極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。この際、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料における充電可能な容量は、正極の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。なお、負極結着剤および負極導電剤に関する詳細は、例えば、それぞれ正極結着剤および正極導電剤と同様である。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。この炭素材料とは、例えば、易黒鉛化性炭素や、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素や、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などである。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭またはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスまたは石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られ、さらに導電剤としても機能するので好ましい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状または鱗片状のいずれでもよい。
上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。高いエネルギー密度が得られるからである。このような負極材料は、金属元素または半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、この発明における「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、またはそれらの2種以上が共存するものがある。
上記した金属元素または半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)などである。中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種が好ましく、ケイ素がより好ましい。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。
特に、ケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、スズ(Sn)を第1の構成元素とし、そのスズ(Sn)に加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。勿論、この負極材料を上記した負極材料と共に用いてもよい。第2の構成元素は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)およびケイ素(Si)からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素(B)、炭素(C)、アルミニウム(Al)およびリン(P)からなる群のうちの少なくとも1種である。第2の元素および第3の元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。
中でも、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を構成元素として含み、炭素(C)の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下の範囲内、スズ(Sn)およびコバルト(Co)の合計に対するコバルト(Co)の割合(Co/(Sn+Co))が30質量%以上70質量%以下の範囲内であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)またはビスマス(Bi)などが好ましく、それらの2種以上を含んでいてもよい。容量特性またはサイクル特性がさらに向上するからである。
なお、SnCoC含有材料は、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、SnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下は、スズ(Sn)などが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集または結晶化が抑制されるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えば、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。このXPSでは、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、グラファイトであれば、炭素の1s軌道(C1s)のピークは284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば、炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素(C)の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPSでは、例えば、スペクトルのエネルギー軸の補正に、C1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPSにおいて、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物または高分子化合物なども挙げられる。金属酸化物とは、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデンなどであり、高分子化合物とは、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロールなどである。
なお、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記の負極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
負極活物質層22Bは、例えば、気相法、液相法、溶射法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。負極活物質層22Bを気相法、液相法、溶射法若しくは焼成法、またはそれらの2種以上の方法を用いて形成する場合には、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体22Aの構成元素が負極活物質層22Bに拡散し、あるいは負極活物質層22Bの構成元素が負極集電体22Aに拡散し、またはそれらの構成元素が互いに拡散し合っていることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22Bの膨張および収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法または化学堆積法、具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)法またはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金または無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤などと混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法またはホットプレス焼成法が挙げられる。
[セパレータ]
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜などによって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。このセパレータ23には、上述した第1の実施の形態による電解液が含浸されている。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、セパレータ23に含浸された電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、セパレータ23に含浸された電解液を介して正極21に吸蔵される。
この二次電池によれば、負極22の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づいて表される場合に、上述した第1の実施の形態による電解液を備えているので、充放電時において電解液の分解反応が抑制される。したがって、特に高温使用時におけるサイクル特性および保存特性を向上させることができる。この場合には、溶媒中におけるスルホン化合物の含有量が0.01重量%以上2重量%以下であれば、より高い効果を得ることができる。
この二次電池では、特に負極22が高容量化に有利なケイ素またはスズなどのリチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を有する材料を含むことが好ましい。サイクル特性および保存特性を向上させる効果が大きいからである。すなわち、この二次電池では、特に負極22がケイ素またはスズなどの負極材料を含む場合に、炭素材料などの他の負極材料を含む場合よりも高い効果を得ることができる。
(二次電池の製造方法)
上述した二次電池の製造方法について説明する。
[正極の製造]
まず、正極21を作製する。最初に、正極活物質と、正極結着剤と、正極導電剤とを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。
[負極の製造]
次に、負極22を作製する。最初に、電解銅箔などからなる負極集電体22Aを準備したのち、蒸着法などの気相法によって負極集電体22Aの両面に負極材料を堆積させて、複数の負極活物質粒子を形成する。こののち、必要に応じて、液相析出法などの液相法によって酸化物含有膜を形成し、または電解鍍金法などの液相法によって金属材料を形成し、または双方を形成することにより、負極活物質層22Bを形成する。
また、負極22は、正極と同様の手順によって、作製してもよい。すなわち、最初に、負極材料と、負極結着剤と、必要に応じて負極導電剤とを混合して負極合剤としたのち、これを有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって負極集電体22Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して負極活物質層21Bを形成する。
[電解液の調製]
次に、上記した式(1)で表されるスルホン化合物と、式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステル化合物のうちの1種とを含有する溶媒を準備したのち、この溶媒に対して電解質塩を溶解させて、電解液を調製する。
[電池の組み立て]
二次電池の組み立ては、以下のようにして行う。最初に、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などして取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などして取り付ける。続いて、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層および巻回させて巻回電極体20を作製したのち、その巻回中心にセンターピン24を挿入する。続いて、一対の絶縁板12,13で挟みながら巻回電極体20を電池缶11の内部に収納すると共に、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接し、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接する。
続いて、上述の第1の実施の形態による電解液を電池缶11の内部に注入してセパレータ23に含浸させる。最後に、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1および図2に示した二次電池が完成する。
<効果>
この発明の第2の実施の形態による二次電池では、電解液が、式(1)で表されるスルホン化合物と式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種とを含む。式(1)で表されるスルホン化合物と式(2)で表される環状炭酸エステルのうちの1種とを含む電解液では、式(1)で表されるスルホン化合物を含有することにより、電解液の化学的安定性を向上させることができる。さらに、式(2)で表される環状炭酸エステルを含有することにより、負極の表面に安定な保護膜を形成して、電解液の分解反応を抑制する。電池の充放電時において、この2種の化合物の効果が相乗的に作用することによって、この二次電池では優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得ることができる。
また、式(1)で表されるスルホン化合物と式(3)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの1種とを含む電解液では、式(1)で表されるスルホン化合物を含有することにより、電解液の化学的安定性を向上させることができる。さらに、式(3)〜式(5)で表される環状炭酸エステルの1種を含有することにより、電解液の化学的安定性をより向上させることができる。このように2種の化合物の効果が相乗的に作用して、電池の充放電時における電解液の化学的安定性をより向上させることにより、この二次電池では、優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得ることができる。
3.第3の実施の形態
(二次電池の構成)
この発明の第3の実施の形態による二次電池について説明する。この発明の第3の実施の形態による二次電池は、負極22の容量がリチウムの析出および溶解に基づいて表されるリチウム金属二次電池である。
この二次電池は、負極活物質層22Bがリチウム金属によって構成されている点を除き、第2の実施の形態による二次電池と同様の構成を有すると共に同様の手順により製造される。したがって、以下では、負極22の構成について詳細に説明し、その他の構成については詳細な説明を省略する。
[負極の構成]
この二次電池は、負極活物質としてリチウム金属を用いており、これによって高いエネルギー密度を得ることができるようになっている。負極活物質層22Bは、組み立て時から既に存在するようにしてもよいが、組み立て時には存在せず、充電時に析出したリチウム金属によって構成されるようにしてもよい。また、負極活物質層22Bを集電体としても利用することにより、負極集電体22Aを省略するようにしてもよい。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、セパレータ23に含浸された電解液を介して負極集電体22Aの表面にリチウム金属となって析出する。一方、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウム金属がリチウムイオンとなって溶出し、セパレータ23に含浸された電解液を介して正極21に吸蔵される。
<効果>
この発明の第3の実施の形態による二次電池では、負極22の容量がリチウムの析出および溶解に基づいて表される場合に、上述した第1の実施の形態による電解液を備えているので、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させることができる。
4.第4の実施の形態
(二次電池の構成)
この発明の第4の実施の形態による二次電池について説明する。図3はこの発明の第4の実施の形態による二次電池の分解斜視構成を表しており、図4は図3に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面を拡大して示している。
この二次電池は、例えば、第2の実施の形態による二次電池と同様にリチウムイオン二次電池であり、主に、フィルム状の外装部材40の内部に、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30が収納されたものである。このフィルム状の外装部材40を用いた電池構造は、ラミネートフィルム型と呼ばれている。
正極リード31および負極リード32は、例えば、外装部材40の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード31は、例えば、アルミニウムなどの金属材料によって構成されており、負極リード32は、例えば、銅、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。これらの金属材料は、例えば、薄板状または網目状になっている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムがこの順に貼り合わされたアルミラミネートフィルムによって構成されている。この外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルムが巻回電極体30と対向するように、2枚の矩形型のアルミラミネートフィルムの外縁部同士が融着または接着剤によって互いに接着された構造を有している。
外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。この密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料によって構成されている。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。
なお、外装部材40は、上記したアルミラミネートフィルムに代えて、他の積層構造を有するラミネートフィルムによって構成されていてもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムによって構成されていてもよい。
図4は、図3に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面構成を表している。この巻回電極体30は、セパレータ35および電解質36を介して正極33と負極34とが積層および巻回されたものであり、その最外周部は、保護テープ37によって保護されている。
正極33は、例えば、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられたものである。負極34は、例えば、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられたものであり、その負極活物質層34Bが正極活物質層33Bと対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、夫々第2の実施の形態の正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成と同様である。
電解質36は、上述した第1の実施の形態による電解液と、それを保持する高分子化合物とを含んでおり、いわゆるゲル状の電解質である。ゲル状の電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に漏液が防止されるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとポリヘキサフルオロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、またはポリカーボネートなどが挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。中でも、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンまたはポリエチレンオキサイドが好ましい。電気化学的に安定だからである。
ゲル状の電解質である電解質36において、電解液の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有するものまで含む広い概念である。したがって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。なお、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質36に代えて、電解液をそのまま用いてもよい。この場合には、電解液がセパレータ35に含浸される。
(二次電池の製造方法)
この二次電池は、例えば、以下の3種類の製造方法(第1〜第3の製造方法)によって製造される。
[第1の製造方法]
第1の製造方法では、最初に、例えば、上記した第2の実施の形態の正極21および負極22の作製手順と同様の手順により、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bを形成して正極33を作製する。また、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bを形成して負極34を作製する。
続いて、第1の実施の形態による電解液と、高分子化合物と、溶剤とを含む前駆溶液を調製して正極33および負極34に塗布したのち、溶剤を揮発させてゲル状の電解質36を形成する。続いて、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。
続いて、電解質36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層させてから長手方向に巻回し、その最外周部に保護テープ37を接着させて巻回電極体30を作製する。最後に、例えば、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込んだのち、その外装部材40の外縁部同士を熱融着などで接着させて巻回電極体30を封入する。この際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間に、密着フィルム41を挿入する。これにより、図3および図4に示した二次電池が完成する。
[第2の製造方法]
第2の製造方法では、最初に、正極33に正極リード31を取り付けると共に、負極34に負極リード32を取り付ける。続いて、セパレータ35を介して正極33と負極34とを積層して巻回させたのち、その最外周部に保護テープ37を接着させて、巻回電極体30の前駆体である巻回体を作製する。
続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を熱融着などで接着させて、袋状の外装部材40の内部に巻回体を収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製して袋状の外装部材40の内部に注入したのち、その外装部材40の開口部を熱融着などで密封する。最後に、モノマーを熱重合させて高分子化合物とすることにより、ゲル状の電解質36を形成する。これにより、二次電池が完成する。
[第3の製造方法]
第3の製造方法では、最初に、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ35を用いることを除き、上記した第2の製造方法と同様に、巻回体を形成して袋状の外装部材40の内部に収納する。
このセパレータ35に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体、すなわち単独重合体、共重合体または多元共重合体などが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体や、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。
なお、高分子化合物は、上記したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種または2種以上の高分子化合物を含んでいてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材40の内部に注入したのち、その外装部材40の開口部を熱融着などで密封する。最後に、外装部材40に加重をかけながら加熱し、高分子化合物を介してセパレータ35を正極33および負極34に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、その高分子化合物がゲル化して電解質36が形成されるため、二次電池が完成する。
この第3の製造方法では、第1の製造方法と比較して、二次電池の膨れが抑制される。また、第3の製造方法では、第2の製造方法と比較して、高分子化合物の原料であるモノマーや溶媒などが電解質36中にほとんど残らず、しかも高分子化合物の形成工程が良好に制御される。これにより、第3の製造方法では、正極33、負極34およびセパレータ35と電解質36との間において十分な密着性が得られる。
<効果>
この発明の第4の実施の形態によるラミネートフィルム型の二次電池によれば、負極34の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づいて表される場合に、上述した第1の実施の形態による電解液を備えている。これにより、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させることができる。
この発明の具体的な実施例について詳細に説明する。なお、以下の実施例等で使用した化合物A〜化合物Fのスルホン化合物は、以下の式(1−1)〜式(1−4)、式(7−1)〜(7−2)で表されるスルホン化合物である。すなわち、化合物Aは、式(1−1)で表される7員環のスルホン化合物である。化合物Bは、炭化水素鎖がフッ素化された式(1−2)で表される7員環のスルホン化合物である。化合物Cは、炭化水素鎖がフッ素化された式(1−3)で表される7員環のスルホン化合物である。化合物Dは、式(1−4)で表される8員環のスルホン化合物である。化合物Eは式(7−1)で表される6員環のスルホン化合物である。化合物Fは、式(7−2)で表される5員環のスルホン化合物である。
Figure 2011086577
<実施例1−1>
以下の手順により、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を有する材料であるケイ素を用いて、図3および図4に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。この際、負極34の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池となるようにした。
まず、正極33を作製した。最初に、炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO3)とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃×5時間の条件で焼成してリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を得た。続いて、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物91質量部と、正極結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部と、正極導電剤としてグラファイト6質量部とを混合して正極合剤とした。こののち、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、バーコータによって帯状のアルミニウム箔(厚さ=12μm)からなる正極集電体33Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機によって圧縮成形して正極活物質層33Bを形成した。
次に、電解銅箔からなる負極集電体34A(厚さ=15μm)を準備したのち、電子ビーム蒸着法によって負極集電体34Aの両面に負極活物質としてケイ素を堆積させて負極活物質層34Bを形成することにより、負極34を作製した。この負極活物質層34Bを形成する場合には、10回の堆積工程を経て負極活物質粒子を形成することにより、その負極活物質粒子が10層構造を有するようにした。この際、負極集電体34Aの片面側における負極活物質粒子の厚さ(総厚)を6μmとした。
次に、電解液を以下のように調製した。最初に、炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)と、式(2)で表されるハロゲンを有する環状炭酸エステルである4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)とを混合したのち、式(1−1)で表される化合物Aを加えて、溶媒を準備した。こののち、溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた。
この際、ECとDECとFECとの混合比を、重量比で30:65:5とし、溶媒中における化合物Aの含有量を0.01重量%とした。なお、重量%は、溶媒(ECとDECとFEC)とスルホン化合物との合計量に対する重量%である。この際、六フッ化リン酸リチウムの含有量を溶媒に対して1mol/kgとした。
最後に、正極33および負極34と共に電解液を用いて二次電池を組み立てた。最初に、正極集電体33Aの一端にアルミニウム製の正極リード31を溶接すると共に、負極集電体34Aの一端にニッケル製の負極リード32を溶接した。
続いて、正極33と、微多孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータ35(厚さ=25μm)と、負極34とを積層および巻回させたのち、粘着テープからなる保護テープ37で巻き終わり部分を固定して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成した。
次に外側からナイロンフィルム(厚さ=30μm)とアルミニウム箔(厚さ=40μm)と、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ=30μm)とが積層された3層構造のラミネートフィルム(総厚=100μm)からなる外装部材40の間に巻回体を挟み込んだ。その後、一辺を除く外縁部同士を熱融着して、袋状の外装部材40の内部に巻回体を収納した。
続いて、外装部材40の開口部から電解液を注入してセパレータ35に含浸させて巻回電極体30を作製した。最後に、真空雰囲気中において外装部材40の開口部を熱融着して封止することにより、ラミネートフィルム型の二次電池が完成した。この二次電池については、正極活物質層33Bの厚さを調節することにより、満充電時において負極34にリチウム金属が析出しないようにした。
<実施例1−2>
スルホン化合物の含有量を0.5重量%とした点以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2の二次電池を作製した。
<実施例1−3>
スルホン化合物の含有量を1重量%とした点以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−3の二次電池を作製した。
<実施例1−4>
スルホン化合物の含有量を2重量%とした点以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−4の二次電池を作製した。
<実施例1−5>
スルホン化合物の含有量を3重量%とした点以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−5の二次電池を作製した。
<実施例1−6>
FECの代わりに、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC)を用いた点以外は、実施例1−3と同様にして実施例1−6の二次電池を作製した。
<実施例1−7>
FECの代わりに、炭酸ビニレン(VC)を用いた点以外は、実施例1−3と同様にして実施例1−7の二次電池を作製した。
<実施例1−8>
FECの代わりに、炭酸ビニルエチレン(VEC)を用いた点以外は、実施例1−3と同様にして実施例1−8の二次電池を作製した。
<実施例1−9〜実施例1−12>
化合物Aの代わりに、化合物Bを用いた点以外は、実施例1−3、実施例1−6、実施例1−7および実施例1−8のそれぞれと同様にして、実施例1−9〜実施例1−12の二次電池を作製した。
<実施例1−13〜実施例1−16>
化合物Aの代わりに、化合物Cを用いた点以外は、実施例1−3、実施例1−6、実施例1−7および実施例1−8のそれぞれと同様にして、実施例1−13〜実施例1−16の二次電池を作製した。
<実施例1−17〜実施例1−20>
化合物Aの代わりに、化合物Dを用いた点以外は、実施例1−3、実施例1−6、実施例1−7および実施例1−8のそれぞれと同様にして、実施例1−17〜実施例1−20の二次電池を作製した。
<比較例1−1〜比較例1−4>
化合物Aの代わりに、化合物Eを用いた点以外は、実施例1−3、実施例1−6、実施例1−7および実施例1−8のそれぞれと同様にして、比較例1−1〜比較例1−4の二次電池を作製した。
<比較例1−5〜比較例1−8>
化合物Aの代わりに、化合物Fを用いた点以外は、実施例1−3、実施例1−6、実施例1−7および実施例1−8のそれぞれと同様にして、比較例1−5〜比較例1−8の二次電池を作製した。
<比較例1−9>
ECとDECとを30:70の重量比で混合した溶媒を用いた点以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−9の二次電池を作製した。
<比較例1−10>
ECとDECとを30:70の重量比で混合し、さらに化合物Aを1重量%加えた溶媒を用いた点以外は、比較例1−9と同様にして比較例1−10の二次電池を作製した。
<比較例1−11>
化合物Aの代わりに、化合物Bを加えた点以外は、比較例1−10と同様にして比較例1−11の二次電池を作製した。
<比較例1−12>
化合物Aの代わりに、化合物Cを加えた点以外は、比較例1−10と同様にして比較例1−12の二次電池を作製した。
<比較例1−13>
化合物Aの代わりに化合物Dを加えた点以外は、比較例1−10と同様にして比較例1−13の二次電池を作製した。
<比較例1−14>
化合物Aの代わりに、化合物Eを加えた点以外は、比較例1−10と同様にして比較例1−14の二次電池を作製した。
<比較例1−15>
化合物Aの代わりに、化合物Fを加えた点以外は、比較例1−10と同様にして比較例1−15の二次電池を作製した。
<比較例1−16〜比較例1−19>
化合物Aを加えなかった点以外は、実施例1−3、実施例1−6、実施例1−7および実施例1−8のそれぞれと同様にして、比較例1−16〜比較例1−19の二次電池を作製した。
作製した実施例1−1〜実施例1−20および比較例1−1〜比較例1−19の二次電池について、高温サイクル特性および高温保存特性を評価するため、以下の測定を行った。
(高温サイクル特性の評価)
高温サイクル特性を調べる際には、最初に、二次電池を23℃の雰囲気中において2サイクル充放電させて、2サイクル目の放電容量を測定した。続いて、二次電池を45℃の雰囲気中においてサイクル数の合計が100サイクルとなるまで繰り返し充放電させて、100サイクル目の放電容量を測定した。
最後に、高温サイクル放電容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100を算出した。充放電条件としては、0.2Cの電流で上限電圧4.2Vまで定電流定電圧充電したのち、0.2Cの電流で終止電圧3.0Vまで定電流放電した。この「0.2C」とは、理論容量を5時間で放電しきる電流値である。
(高温保存特性の評価)
高温保存特性を調べる際には、最初に、二次電池を23℃の雰囲気中において2サイクル充放電させて、保存前の放電容量を測定した。続いて、二次電池を再度充電させた状態で80℃の恒温槽中に10日間保存してから23℃の雰囲気中で放電させて、保存後の放電容量を測定した。最後に、高温保存放電容量維持率(%)=(保存後の放電容量/保存前の放電容)×100を算出した。充放電条件については、サイクル特性を調べた場合と同様にした。
実施例1−1〜実施例1−20および比較例1−1〜比較例1−19の測定結果を表1に示す。
Figure 2011086577
[評価]
表1に示す実施例と比較例との比較により、式(1)で表されるスルホン化合物と式(2)で表される環状炭酸エステルとを組み合わせて用いることで、良好な高温サイクル特性および高温保存特性が得られることを確認した。
(比較1)
式(1)で表されるスルホン化合物および式(2)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(1)で表されるスルホン化合物および式(2)で表される環状炭酸エステルの両方を含まない電解液を用いた比較例との比較を行った。すなわち、実施例1−3、実施例1―6、実施例1−9、実施例1−10、実施例1−13、実施例1−14、実施例1−17および実施例1−18のそれぞれと、比較例1−9とを比較した。この比較では、それぞれの実施例は、対応する比較例より優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。
(比較2)
式(1)で表されるスルホン化合物および式(2)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(1)で表されるスルホン化合物を含まない点で異なる電解液を用いた比較例との比較を行った。すなわち、実施例1−3、実施例1−9、実施例1−13および実施例1−17のそれぞれと比較例1−16とを比較した。実施例1−6、実施例1−10、実施例1−14および実施例1−18のそれぞれと比較例1−17とを比較した。この比較では、それぞれの実施例は、対応する比較例より優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。
(比較3)
式(1)で表されるスルホン化合物および式(2)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(2)で表される環状炭酸エステルを含まない点で異なる電解液を用いた比較例との比較を行った。すなわち、実施例1−3および実施例1―6のそれぞれと比較例1−10とを比較した。実施例1−9および実施例1−10のそれぞれと比較例1−11を比較した。実施例1−13および実施例1−14のそれぞれと比較例1−12とを比較した。実施例1−17および実施例1−18のそれぞれと比較例1−13とを比較した。この比較では、それぞれの実施例は、対応する比較例より優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。
以上の(比較1)〜(比較3)より、負極活物質としてケイ素を用いた電池では、以下のことがわかった。すなわち、溶媒に化合物A〜Dのような式(1)で表されるスルホン化合物と、FEC、DFECのような式(2)で表される環状炭酸エステルとを含む電解液を用いることで、優れた高温サイクル特性および高温保存特性が得られることがわかった。
また、(比較1)〜(比較3)に準じた比較により、式(1)で表されるスルホン化合物と式(3)で表される環状炭酸エステルとを組み合わせて用いることで、良好な高温サイクル特性および高温保存特性が得られることを確認した。すなわち、式(1)で表されるスルホン化合物および式(3)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(1)で表されるスルホン化合物および式(3)で表される環状炭酸エステルの両方を含まない電解液を用いた比較例との比較を行った。式(1)で表されるスルホン化合物および式(3)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(1)で表されるスルホン化合物を含まない点で異なる電解液を用いた比較例との比較を行った。式(1)で表されるスルホン化合物および式(3)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(3)で表される環状炭酸エステルを含まない点で異なる電解液を用いた比較例との比較を行った。これらの比較では、それぞれの実施例は、対応する比較例より優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。
以上の比較から、負極活物質としてケイ素を用いた電池では、以下のことがわかった。すなわち、溶媒に化合物A〜Dのような式(1)で表されるスルホン化合物と、VCのような式(3)で表される環状炭酸エステルとを含む電解液を用いることで、優れた高温サイクル特性および高温保存特性が得られることがわかった。
また、(比較1)〜(比較3)に準じた比較により、式(1)で表されるスルホン化合物と式(4)で表される環状炭酸エステルとを組み合わせて用いることで、良好な高温サイクル特性および高温保存特性が得られることを確認した。すなわち、式(1)で表されるスルホン化合物および式(4)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(1)で表されるスルホン化合物および式(4)で表される環状炭酸エステルの両方を含まない電解液を用いた比較例との比較を行った。式(1)で表されるスルホン化合物および式(4)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(1)で表されるスルホン化合物を含まない点で異なる電解液を用いた比較例との比較を行った。式(1)で表されるスルホン化合物および式(4)で表される環状炭酸エステルを含む電解液を用いた実施例と、式(4)で表される環状炭酸エステルを含まない点で異なる電解液を用いた比較例との比較を行った。この比較では、それぞれの実施例は、対応する比較例より優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。
以上の比較から、負極活物質としてケイ素を用いた電池では、以下のことがわかった。すなわち、溶媒に化合物A〜Dのような式(1)で表されるスルホン化合物と、VECのような式(4)で表される環状炭酸エステルとを含む電解液を用いることで、優れた高温サイクル特性および高温保存特性が得られることがわかった。
また、化合物A、化合物Dのような7員環構造または8員環構造のスルホン化合物を含む電解液を用いた実施例と、化合物A、化合物Dの代わりに、化合物E、Fのような6員環構造または5員環構造のスルホン化合物を含む電解液を用いた比較例とを比較した。すなわち、実施例1−3、実施例1−6〜実施例1−8と、比較例1−1〜比較例1−4、比較例1−5〜比較例1−8とを比較した。実施例1−17〜実施例1−20と、比較例1−1〜比較例1−4、比較例1−5〜比較例1−8とを比較した。
この比較では、それぞれの実施例は、対応する比較例より優れた高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。すなわち、式(I)で表される結合を有する環状のスルホン化合物であっても、6員環構造または5員環構造では、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させる効果が弱いことが確認できた。これにより、化合物A、Dのような7員環構造または8員環構造のスルホン化合物は、化合物E、Fのような6員環構造または5員環構造のスルホン化合物より、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させる効果の点から優れていることが確認できた。
また、化合物Aの含有量が異なる実施例1−1〜実施例1−5では、その含有量が増加するにしたがって、高温サイクル放電容量維持率および高温保存容量維持率が増加したのちに減少する傾向を示した。すなわち、化合物Aのような式(1)で表されるスルホン化合物の含有量が0.01重量%以上2重量%では、その含有量が増加するに従い高温サイクル放電容量維持率および高温保存放電容量維持率が増加(または同じ)することが確認できた。また、化合物Aのような式(1)で表されるスルホン化合物の含有量が2重量%よりも大きくなると、その含有量が増加するに従い高温サイクル放電容量維持率および高温保存放電容量維持率が減少することが確認できた。なお、表1には示さないが、化合物Aのような式(1)で表されるスルホン化合物の含有量が2重量%よりも大きくなると、大きい電池容量が得られない傾向にある。
<実施例2−1〜実施例2−4>
実施例2−1〜実施例2−4では、負極活物質として、実施例1−3等で用いたケイ素に代えて、SnCoC含有材料を用いた。このSnCoC含有材料は、ケイ素と同様にリチウムイオンを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半元素金属のうちの少なくとも1種を有する材料である。このSnCoC含有材料を用いて、以下のように負極活物質層34Bを形成した。以上の点以外は、実施例1−3、実施例1−6〜実施例1−8のそれぞれと同様にして、実施例2−1〜実施例2−4の二次電池を作製した。
[負極活物質層34Bの形成]
最初に、コバルト粉末とスズ粉末とを合金化してコバルト・スズ合金粉末としたのち、炭素粉末を加えて乾式混合した。続いて、伊藤製作所製の遊星ボールミルの反応容器中に、上記した混合物10gを直径9mmの鋼玉約400gと一緒にセットした。続いて、反応容器中をアルゴン雰囲気に置換したのち、毎分250回転の回転速度による10分間の運転と10分間の休止とを運転時間の合計が20時間になるまで繰り返した。続いて、反応容器を室温まで冷却してSnCoC含有材料を取り出したのち、280メッシュのふるいを通して粗粉を取り除いた。
SnCoC含有材料を得たのち、負極活物質としてSnCoC含有材料80質量部と、負極結着剤としてポリフッ化ビニリデン8質量部と、負極導電剤としてグラファイト11質量部およびアセチレンブラック1質量部とを混合して負極合剤とした。そののち、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の負極合剤スラリーとした。続いて、バーコータによって帯状の電解銅箔(厚さ=15μm)からなる負極集電体34Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させたのち、ロールプレス機によって塗膜を圧縮成型した。この際、負極集電体34Aの片面側における負極活物質層34Bの厚さを50μmとした。
<実施例2−5〜実施例2−7>
化合物Aの代わりに、化合物Bを用いた点以外は、実施例2−1、実施例2−3および実施例2−4のそれぞれと同様にして、実施例2−5〜実施例2−7の二次電池を作製した。
<実施例2−8〜実施例2−10>
化合物Aの代わりに、化合物Cを用いた点以外は、実施例2−1、実施例2−3および実施例2−4のそれぞれと同様にして、実施例2−8〜実施例2−10の二次電池を作製した。
<実施例2−11〜実施例2−14>
化合物Aの代わりに、化合物Dを用いた点以外は、実施例2−1〜2−4のそれぞれと同様にして、実施例2−11〜実施例2−14の二次電池を作製した。
<比較例2−1〜比較例2−4>
化合物Aの代わりに、化合物Eを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、比較例2−1〜比較例2−4の二次電池を作製した。
<比較例2−5〜比較例2−8>
化合物Aの代わりに、化合物Fを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、比較例2−5〜比較例2−8の二次電池を作製した。
<比較例2−9>
ECとDECとを30:70の重量比で混合した溶媒を用いた点以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−9の二次電池を作製した。
<比較例2−10>
ECとDECとを30:70の重量比で混合し、さらに化合物Aを1重量%加えた溶媒を用いた点以外は、比較例2−9と同様にして比較例2−10の二次電池を作製した。
<比較例2−11>
化合物Aの代わりに、化合物Bを加えた点以外は、比較例2−10と同様にして比較例2−11の二次電池を作製した。
<比較例2−12>
化合物Aの代わりに、化合物Cを加えた点以外は、比較例2−10と同様にして比較例2−12の二次電池を作製した。
<比較例2−13>
化合物Aの代わりに化合物Dを加えた点以外は、比較例2−10と同様にして比較例2−13の二次電池を作製した。
<比較例2−14>
化合物Aの代わりに、化合物Eを加えた点以外は、比較例2−10と同様にして比較例2−14の二次電池を作製した。
<比較例2−15>
化合物Aの代わりに、化合物Fを加えた点以外は、比較例2−10と同様にして比較例2−15の二次電池を作製した。
<比較例2−16〜比較例2−19>
化合物Aを加えなかった点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、比較例2−16〜比較例2−19の二次電池を作製した。
実施例2−1〜実施例2−14および比較例2−1〜比較例2−19について、高温サイクル特性および高温保存特性を評価するため、実施例1−1と同様の測定を行った。測定結果を表2に示す。
Figure 2011086577
[評価]
実施例2−1〜実施例2−14および比較例2−1〜比較例2−19において、実施例1−1〜実施例1−20、比較例1−1〜比較例1−19の評価で行った比較と同様の実施例と比較例との比較により、評価を行った。これにより、負極活物質として、SnCoC含有材料を用いた電池では、以下のことが確認できた。すなわち、負極活物質としてSnCoC含有材料を用いた電池では、式(1)で表されるスルホン化合物と式(2)で表される環状炭酸エステルとを組み合わせて用いることで、良好な高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。また、負極活物質としてSnCoC含有材料を用いた電池では、式(1)で表されるスルホン化合物と式(3)または式(4)で表される環状炭酸エステルとを組み合わせて用いることで、良好な高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。また、負極活物質としてSnCoC含有材料を用いた電池では、式(I)で表される結合を有する環状のスルホン化合物であっても、6員環構造または5員環構造では、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させる効果が弱いことが確認できた。
<実施例3−1〜実施例3−4>
実施例3−1〜実施例3−4では、負極活物質として、実施例1−3等で用いたケイ素に代えて、炭素材料である人造黒鉛を用いた。この人造黒鉛を用いて以下に説明するようにして、負極活物質層34Bを形成した。以上の点以外は、実施例1−3、実施例1−6〜実施例1−8と同様にして、実施例3−1〜実施例3−4の二次電池を作製した。
[負極活物質層34Bの形成]
負極活物質として人造黒鉛90質量部と、負極結着剤としてポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合した負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤スラリーとした。その後、バーコータによって帯状の電解銅箔(厚さ=15μm)からなる負極集電体34Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機によって圧縮成形した。この際、負極集電体34Aの片面側における負極活物質層34Bの厚さが75μmとなるようにした。
<実施例3−5〜実施例3−7>
化合物Aの代わりに、化合物Bを用いた点以外は、実施例3−1、実施例3−3および実施例3−4のそれぞれと同様にして、実施例3−5〜実施例3−7の二次電池を作製した。
<実施例3−8〜実施例3−10>
化合物Aの代わりに、化合物Cを用いた点以外は、実施例3−1、実施例3−3および実施例3−4のそれぞれと同様にして、実施例3−8〜実施例3−10の二次電池を作製した。
<実施例3−11〜実施例3−14>
化合物Aの代わりに、化合物Dを用いた点以外は、実施例3−1〜実施例3−4のそれぞれと同様にして、実施例3−11〜実施例3−14の二次電池を作製した。
<比較例3−1〜比較例3−4>
化合物Aの代わりに、化合物Eを用いた点以外は、実施例3−1〜実施例3−4のそれぞれと同様にして、比較例3−1〜比較例3−4の二次電池を作製した。
<比較例3−5〜比較例3−8>
化合物Aの代わりに、化合物Fを用いた点以外は、実施例3−1〜実施例3−4のそれぞれと同様にして、比較例3−5〜比較例3−8の二次電池を作製した。
<比較例3−9>
ECとDECとを30:70の重量比で混合した溶媒を用いた点以外は、実施例3−1と同様にして比較例3−9の二次電池を作製した。
<比較例3−10>
ECとDECとを30:70の重量比で混合し、さらに化合物Aを1重量%加えた溶媒を用いた点以外は、比較例3−9と同様にして比較例3−10の二次電池を作製した。
<比較例3−11>
化合物Aの代わりに、化合物Bを加えた点以外は、比較例3−10と同様にして比較例3−11の二次電池を作製した。
<比較例3−12>
化合物Aの代わりに、化合物Cを加えた点以外は、比較例3−10と同様にして比較例3−12の二次電池を作製した。
<比較例3−13>
化合物Aの代わりに化合物Dを加えた点以外は、比較例3−10と同様にして比較例3−13の二次電池を作製した。
<比較例3−14>
化合物Aの代わりに、化合物Eを加えた点以外は、比較例3−10と同様にして比較例3−14の二次電池を作製した。
<比較例3−15>
化合物Aの代わりに、化合物Fを加えた点以外は、比較例3−10と同様にして比較例3−15の二次電池を作製した。
<比較例3−16〜比較例3−19>
化合物Aを加えなかった点以外は、実施例3−1〜実施例3−4のそれぞれと同様にして、比較例3−16〜比較例3−19の二次電池を作製した。
実施例3−1〜実施例3−14および比較例3−1〜比較例3−19について、高温サイクル特性および高温保存特性を評価するため、実施例1−1と同様の測定を行った。測定結果を表3に示す。
Figure 2011086577
[評価]
実施例3−1〜実施例3−14および比較例3−1〜比較例3−19において、実施例1−1〜実施例1−20、比較例1−1〜比較例1−19の評価で行った比較と同様の実施例と比較例との比較により、評価を行った。これにより、負極活物質として、人造黒鉛を用いた電池では、以下のことが確認できた。すなわち、負極活物質として人造黒鉛を用いた電池では、式(1)で表されるスルホン化合物と式(2)で表される環状炭酸エステルとを組み合わせて用いることで、良好な高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。また、負極活物質として人造黒鉛を用いた電池では、式(1)で表されるスルホン化合物と式(3)または式(4)で表される環状炭酸エステルとを組み合わせて用いることで、良好な高温サイクル特性および高温保存特性を得られることが確認できた。また、負極活物質として人造黒鉛を用いた電池では、式(I)で表される結合を有する環状のスルホン化合物であっても、6員環構造または5員環構造では、高温サイクル特性および高温保存特性を向上させる効果が弱いことが確認できた。
5.他の実施の形態
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、この発明の式(1)で表されるスルホン化合物の使用用途は、必ずしも電解液に限られない。また、この発明の第1の実施の形態による電解液の使用用途は、必ずしも二次電池に限らず、二次電池以外の他の電気化学デバイス(例えば、キャパシタなど)であってもよい。
また、この発明の第4の実施の形態による負極に、第3の実施の形態による負極の構成を適用してもよい。
また、上記した実施の形態および実施例では、二次電池の種類として、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池や、負極の容量がリチウムの析出および溶解に基づいて表されるリチウム金属二次電池について説明した。しかしながら、この発明は、必ずしもこれらに限られるものではない。すなわち、例えば、この発明は、負極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な材料を用い、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料における充電可能な容量を正極の放電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に伴う容量とリチウムの析出および溶解に伴う容量とを含み、かつ、それらの容量の和によって表される二次電池についても、同様に適用可能である。
また、上述した実施の形態および実施例では、電池構造がラミネートフィルム型である場合、ならびに電池素子が巻回構造を有する場合を例に挙げて説明したがこれらに限定されるものではない。この発明の二次電池は、例えば、角型、コイン型およびボタン型などの他の電池構造を有する場合や、電池素子が積層構造などの他の構造を有する場合についても同様に適用可能である。
また、上述した実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したがこれに限定されるものはない。例えば、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他の1族元素や、マグネシウム(Mg)あるいはカルシウム(Ca)などの2族元素や、アルミニウムなどの他の軽金属を用いてもよい。これらの場合においても、負極活物質として、上記した実施の形態で説明した負極材料を用いることが可能である。
また、上述した実施の形態および実施例では、スルホン化合物の含有量について、実施例の結果から導き出された適正範囲を説明しているが、その説明は、含有量が上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまでこの発明の効果を得る上で特に好ましい範囲であり、この発明の効果が得られるのであれば、含有量が上記した範囲から多少外れてもよい。
11・・・電池缶
12,13・・・絶縁板
14・・・電池蓋
15・・・安全弁機構
16・・・熱感抵抗素子
17・・・ガスケット
20・・・巻回電極体
21・・・正極
21A・・・正極集電体
21B・・・正極活物質層
22・・・負極
22A・・・負極集電体
22B・・・負極活物質層
23・・・セパレータ
24・・・センターピン
25・・・正極リード
26・・・負極リード

Claims (7)

  1. 式(1)で表されるスルホン化合物と、
    式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種と
    を含有する溶媒を含む電解質。
    Figure 2011086577
    (式中、Xは置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルキレン基、または置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルケニレン基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも何れかは、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基である。R7、R8、R9およびR10のうちの少なくとも何れかは、ビニル基またはアリル基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R11は、アルキレン基である。式中、Yは、R12およびR13、またはR14である。R12およびR13は、それぞれ独立して、水素基またはアルキル基である。R14は、アルキレン基である。)
  2. 上記溶媒中における上記式(1)で表されるスルホン化合物の含有量は、0.01重量%以上2重量%以下である
    請求項1記載の電解質。
  3. 上記溶媒中における上記式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種の含有量は、0.01重量%以上40重量%以下である
    請求項1記載の電解質。
  4. 上記式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルは、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレン、炭酸メチレンエチレンのうちの少なくとも1種である
    請求項1記載の電解質。
  5. 正極と、
    負極と、
    電解質とを備え、
    上記電解質は、式(1)で表されるスルホン化合物と、
    式(2)〜式(5)で表される環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種とを含有する溶媒を含む電池。
    Figure 2011086577
    (式中、Xは置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルキレン基、または置換基を有してもよい炭素数4〜5のアルケニレン基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも何れかは、ハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基である。R7、R8、R9およびR10のうちの少なくとも何れかは、ビニル基またはアリル基である。)
    Figure 2011086577
    (式中、R11は、アルキレン基である。式中、Yは、R12およびR13、またはR14である。R12およびR13は、それぞれ独立して、水素基またはアルキル基である。R14は、アルキレン基である。)
  6. 上記正極は、正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を含有し、
    上記負極は、負極活物質として、炭素材料、リチウム金属、またはリチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を有する材料を含有する
    請求項5記載の電池。
  7. 上記リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を有する材料は、ケイ素の単体、合金および化合物、並びにスズの単体、合金および化合物のうちの少なくとも1種である
    請求項6記載の電池。
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