JP2011086573A - 蓄電デバイス用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、薄膜である上に、耐アルカリ性、機械的強度、寸法安定性を有する、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などのアルカリ電池に用いられるセパレータを提供する。
【解決手段】 結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維とポリオレフィン繊維を含む蓄電デバイス用セパレータ、前記結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維は、130〜270℃で熱処理されていることが好ましく、前記結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維の繊維径が10μm以下で、繊維長が10mm以下であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などのアルカリ電池に用いられるセパレータ(以下、「セパレータ」という。)に関するものである。
従来から、セパレータに求められる機能は、正極と負極を分離して短絡を防止することと、電解液を保持して起電反応を円滑に行うことができるようにすることであるが、アルカリ電池においては、電解液として30質量%程度の濃厚なアルカリ水溶液が使用されていることから、セパレータ材としては耐アルカリ性に優れた材質のものが求められる。また、近年、ニーズの増大とともに高容量化・長寿命化への要求がますます高まりつつあり、セパレータの改良が求められている。
セパレータとしては、一般にポリアミド系繊維からなる不織布やポリプロピレン系繊維からなる不織布が用いられている。しかしながら、ポリアミド系繊維からなる不織布は、充電時に正極から発生する酸素ガスにより酸化され、分解による生成物が電池の正負極間で酸化還元を繰り返し、電池の自己放電を増加させる。また、耐アルカリ性に優れたポリプロピレン系繊維からなる不織布にスルホン化処理を施し親水性を付与したセパレータは、濃硫酸にセパレータを浸漬した後、中和し、大量の水で水洗し乾燥を行っているために、処理が煩雑であり、時間がかかり、コストも高くなり、さらに、スルホン化処理により、ポリオレフィンの炭素−炭素結合が切れるため、セパレータの強度が低下する。
これらの問題を解決することを目的として、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、ポリフェニレンサルファイド繊維を使用したアルカリ電池用セパレータが提案されている。しかしながら、提案されているセパレータは、ポリフェニレンサルファイド繊維100%からなるものであり、例えば、延伸ポリフェニレンサルファイド繊維を未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維の熱圧着により固定した不織布であるため、紙状で弾性が無く、電極と密着することができないため、円滑な起電反応を生じることが困難である。
また、特許文献5には、ポリフェニレンサルファイド繊維とフィブリル化したアラミド繊維を使用したアルカリ電池用セパレータが提案されている。アラミド繊維を含んでいるため、ポリフェニレンサルファイド繊維100%からなるものよりも弾性があるので、電極と密着できるものである。しかしながら、アラミド繊維を使用しているため、充電時に正極から発生する酸素ガスにより酸化され、分解による生成物が電池の正負極間で酸化還元を繰り返し、電池の自己放電を増加させる。
他方、特許文献6には、フィブリル化していないポリフェニレンサルファイド繊維とヤング率が6000kg/mmと融着繊維を使用した電池用セパレータが提案されている。ポリフェニレンサルファイド繊維と剛性のある高ヤング率繊維を組み合わせることにより、弾性のあるセパレータであることができ、電極と密着できるものである。しかしながら、フィブリル化していない繊維を使用しているため、孔径が大きくなりやすく、ピンホールのような貫通孔を生じさせ、電極間の内部短絡を生じさせる。
特開平7―262980号公報 特開平9−67786号公報 特開平10−64502号公報 特開2004−285536号公報 特開2001―40597号公報 特開2002―279958号公報
本発明は、薄膜である上に、耐アルカリ性、機械的強度、寸法安定性を有する、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などのアルカリ電池に用いられるセパレータを提供する。
本発明のセパレータは、結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維とポリオレフィン繊維とを含むことを特徴とする。
また、前記結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維は、130〜270℃で熱処理されていることが好ましい。
また、前記結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維の繊維径が10μm以下で、繊維長が10mm以下であることが好ましい。
また、前記ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊維またはポリエチレン繊維であることが好ましい。
また、前記ポリオレフィン繊維が、繊維径が1μm以下、繊維長が3mm以下にフィブリル化されていることが好ましい。
また、前記ポリオレフィン繊維の融点が、100〜140℃であることが好ましい。
また、前記ポリフェニレンサルファイド繊維が65〜20質量%、前記ポリオレフィン繊維が35〜80質量%の配合比率であることが好ましい。
また、前記セパレータが、ポリオレフィン繊維の熱融着または熱圧着により構成されていることが好ましい。
また、前記セパレータの膜厚が100μm以下であることが好ましい。
また、前記セパレータの密度が0.2〜0.9g/cmであることが好ましい。
また、前記セパレータの透気度が100秒/100ml以下であることが好ましい。
本発明のセパレータは、薄膜である上に、耐アルカリ性、機械的強度、寸法安定性およびイオン伝導性に非常に優れており、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などのアルカリ電池に好適に用いられる。
本発明は、結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維とポリオレフィン繊維からなることによって、30質量%程度の濃厚なアルカリ水溶液が使用される電解液中で劣化することなく、機械的強度、寸法安定性およびイオン伝導性に、非常に優れたセパレータを提供することができる。ポリフェニレンサルファイド繊維の結晶化度が25%より小さい繊維を使用した場合、結晶相の残存が不十分なため、セパレータの機械的強度が不足し、突き刺し強度や切創性が不十分となり、電極バリがセパレータを貫通し、内部短絡を起こす結果となる。例えば、アルカリ電池を製造する際の巻回作業段階で、電極エッジ部のバリ部分に圧力を受けた際、バリがセパレータを貫通しないためには、突き刺し強度は1.5N以上が必要である。突き刺し強度の測定は、オリエンテック社引っ張り圧縮強度試験装置を使用すればよい。
結晶化度の上限に制限はないが、ポリフェニレンサルファイド繊維の飽和結晶化度で制限される。ポリフェニレンサルファイド繊維の飽和結晶化度は、繊維の形態(繊維径、分子の配向度など)によって、多少上下するが、一般的には60%とされている。
本発明においては、ポリフェニレンサルファイド繊維は、130〜270℃で熱処理されていることが好ましい。ポリフェニレンサルファイド繊維の結晶化度を25%以上にせしめるには、ポリフェニレンサルファイド繊維を再結晶温度〜融点の温度で熱処理する必要がある。その際の温度は、130〜270℃が好ましい。熱処理温度が再結晶温度以下であるとポリフェニレンサルファイド繊維が結晶化せず、結晶化度が25%以上にならない。また、融点より高い温度で熱処理すると、ポリフェニレンサルファイド繊維が溶融し、繊維形状を維持することができない。再結晶温度は約120〜130℃、融点は、270〜290℃程度であるため、130〜270℃で熱処理されていることが好ましい。結晶化度が25%以上にせしめたポリフェニレンサルファイド繊維は、寸法変化率が小さいため、80〜100℃の信頼性試験温度域で収縮によるシワや破損が発生しないため、寸法安定性に優れたセパレータとなる。
結晶化度の測定は、示差走査熱量測定(DSC)で測定可能な融解吸熱量や再結晶発熱量から、結晶化度を測定する。
本発明においては、次の方法で結晶化度を算出した。(株)島津製作所製示唆走査熱量測定装置を使用して、昇温速度10℃/分、窒素ガス気流気化(30mL/分)の条件で示唆走査熱量測定を行い、再結晶発熱量、融解吸熱量およびポリフェニレンサルファイドの飽和結晶化度(60%)から下記式に従って結晶化度を算出した。
結晶化度(%)={1−再結晶発熱量(J/g)/融解吸熱量(J/g)}×60%
ポリオレフィン繊維は、ポリプロピレン繊維もしくはポリエチレン繊維が好ましく使用される。これらの材料は、微細繊維にフィブリル化することができるため、繊維の絡み合いも十分となることから、セパレータの孔径が緻密になり、更に、機械的強度にも優れたセパレータとなる。
本発明において、フィブリル化されたポリオレフィン繊維の繊維径は1μm以下、繊維長は3mm以下が好ましく、特に好ましくは繊維長が2mm以下である。繊維径が1μm超、繊維長が3mm超になると、繊維同士の絡み合いが弱くなり、機械的強度が弱くなる傾向にあり、且つ電解液の含浸性も十分に得られない。
本発明において、結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維の繊維径は10μm以下、繊維長は10mm以下が好ましく、特に好ましくは繊維径が5μm以下、繊維長が7mm以下である。繊維径が10μm超、繊維長が10mm超になると、繊維にヨレが発生し、地合ムラが発生しやすくなる。
本発明において、結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維は、セパレータを構成する全繊維の20〜65質量%の範囲で混合されていることが好ましい。20質量%未満であると、セパレータの親水性が悪くなるため、電解液の含浸性が十分に得られにくくなり、65%超になると、セパレータの孔径を制御することができず、内部短絡を起こす結果となる。
本発明において、ポリオレフィン繊維は、セパレータを構成する全繊維の35〜80質量%の範囲で混合されていることが好ましい。35質量%未満であると、繊維同士の絡み合いが弱くなり、機械的強度が弱くなる傾向にあり、80質量%超になると、孔径が小さくなりガス透過性が悪くなり、耐久性の低下を招く。
本発明のセパレータには、十分な引っ張り強度、圧縮強度があるが、更に高強度を得るために、融点が100〜140℃のポリオレフィン繊維を使用し、熱融着または熱圧着していることが好ましい。融点が100℃より低いと信頼性試験温度域でポリオレフィン繊維が溶解する。140℃を超えると融着させる温度が高くなるため、繊維が変形し、孔径を制御しにくくなる。
本発明のセパレータの厚さは、100μm以下であることが好ましい。セパレータの厚さが100μmを超えると、蓄電デバイスの薄型化に不利になると同時に、一定のセル体積に入れられる電極材の量が少なくなり、容量が小さくなってしまうばかりでなく、抵抗が高くなり好ましくない。
また、本発明の繊維層の密度は、0.20g/cm〜0.90g/cmであることが好ましい。0.25g/cm〜0.85g/cmであることがさらに好ましく、0.30g/cm〜0.80g/cmであることが特に好ましい。0.20g/cm未満であると、セパレータの空隙部分が過多となり、蓄電デバイス駆動用電解液の含浸量が多くなり、蓄電デバイスのコストアップに繋がる。一方、密度が0.90g/cmより大きいと、セパレータを構成する材料の詰まり方が過多となるために、イオン移動が阻害され抵抗が高くなりやすい。
本発明の繊維層の透気度は、100秒/100ml以下であることが好ましい。イオン伝導性を好適に維持することができる。尚、本発明のセパレータにおける透気度は、ガーレ透気度測定器を用いて測定した値をいう。
本発明において、セパレータの孔径は、バブルポイント法による平均孔径が3μm〜40μmであることが好ましく、より好ましくは5μm〜30μmの範囲である。平均孔径が3μmより小さいと、イオン伝導性が低下し、内部抵抗が高くなりやすく、また、ガス透過性が悪くなり耐久性が低くなる。40μmを超えると、薄膜化した場合に内部短絡を生じやすくなる。尚、バブルポイント法による孔径の測定は、西華産業社製のポロメーターを使用すればよい。
以上説明したように、本発明のセパレータは、結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維とポリオレフィン繊維からなることによって、30質量%程度の濃厚なアルカリ水溶液が使用される電解液中で劣化することなく、薄膜である上に、機械的強度、寸法安定性およびイオン伝導性に、非常に優れており、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などのアルカリ電池に好適に用いられる。なお、本発明のセパレータを用いて蓄電デバイスを作製する場合、正極、負極、電解液など蓄電デバイスを構成する材料は、従来周知のものなら如何なるものでも使用することができる。
次に、本発明のセパレータの製造方法について説明するが、これのみに限定されるものではなく、他の方法でも本発明のセパレータを製造することは可能である。
先ず、繊維径10μm以下、繊維長10mm以下に裁断された結晶化度が25%以上のポリフェニレンサリファイド繊維と、繊維径1μm以下、繊維長3mm以下にフィブリル化されたポリエチレン繊維を水に分散する。水に投入する順序は決まっていない。本発明に用いる繊維は、離解工程では均一に分散しにくいため、パルパーやアジテータのような分散装置や、超音波分散装置を用いることによって、良好な分散が可能である。また、この分散工程で使用する水は、イオン性不純物をできるだけ少なくするために、イオン交換水あるいは純水を用いた方が好ましい。叩解は、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペルミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、高圧ホモジナイザー、ホモミクサー、あるいはその他のリファイナー等を使用して叩解することができる。
上記で得られた繊維の分散体を、長網式、短網式、円網式、傾斜式などの湿式抄紙機を適用し、抄造する。連続したワイヤーメッシュ状の脱水パートで脱水する。湿式抄紙機の中で、2つのヘッドを有する傾斜ワイヤー抄紙機を用いると、2層以上の繊維層を重ね抄き合わせする場合、繊維層間の境界もできにくく、また、ピンホールのない均一なセパレータが得られる。重ね抄き合わせした後、多筒式やヤンキー式ドライヤー等の乾燥パートを通すことによって乾燥及びポリエチレン樹脂を融着させて、セパレータを製作する。
このように製造したセパレータの電解液保持性が不足する場合には、電解液保持性を向上させるために、親水化処理を実施することが好ましい。この親水化処理としては、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、グラフト処理、界面活性剤処理、放電処理、親水性樹脂付着処理などの、少なくとも1つの親水化処理を実施して、繊維表面に、酸素及び/又は硫黄含有官能基(例えば、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホフルオライド基、カルボキシル基、カルボニル基など)を導入したり、親水性モノマーをグラフト重合したり、界面活性剤を付着させたり、或いは親水性樹脂を付着させるのが好ましい。このような親水化処理は繊維の段階で行っても良いが、セパレータ抄造後に親水化処理した方が作業性により優れている。以下、セパレータ抄造後に親水化処理する方法について説明するが、それ以外の場合も全く同様にして実施することができる。
スルホン化処理としては、例えば、発煙硫酸、硫酸、クロロ硫酸又は塩化スルフリルなどからなる溶液中に、前述のようなセパレータを浸漬してスルホン酸基を導入する方法、三酸化硫黄ガスに前述のようなセパレータを接触させてスルホン酸基を導入する方法、或いは一酸化硫黄ガスや二酸化硫黄ガスなどの存在下で放電を作用させてスルホン酸基を導入する方法等がある。
フッ素ガス処理としては、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス及び二酸化硫黄ガスなどの中から選ばれる少なくとも1種類のガスとの混合ガスに、不織布をさらすことにより、不織布を親水化することができる。
ビニルモノマーのグラフト重合処理としては、例えば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中にセパレータを浸漬して加熱する方法、セパレータにビニルモノマーを塗布した後に放射線を照射する方法、セパレータに放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液をセパレータに塗布した後に紫外線を照射する方法、などがある。このビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン或いはスチレンを使用することができる。なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液との親和性に優れるように、スルホン化することが好ましい。なお、ビニルモノマー溶液とセパレータとを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電などにより、セパレータを改質すると、ビニルモノマー溶液との親和性が高くなるため、効率的にグラフト重合できる。
界面活性剤処理としては、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク酸エステル塩など)、又はノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液中にセパレータを浸漬したり、この溶液をセパレータに塗布又は散布して付着させることができる。
放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理又は電子線処理などがある。なお、空気中の大気圧下で、それぞれが誘電体を担持する一対の電極間に、これら両方の誘電体と接触するようにセパレータを配置し、これら両電極間に交流電圧を印加して、セパレータの内部空隙で放電を発生させる方法であると、セパレータの内部における繊維表面の親水化を実施することができるため、内圧特性に優れるセパレータを製造することができる。
親水性樹脂付与処理としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、架橋可能なポリビニルアルコール又はポリアクリル酸などの親水性樹脂を付着させることができる。これらの親水性樹脂は適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶媒中にセパレータを浸漬したり、この溶媒をセパレータに塗布又は散布し、乾燥して付着させることができる。
この架橋可能なポリビニルアルコールとしては、例えば、水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールがあり、より具体的には、感光性基としてスチリルピリジニウム系のもの、スチリルキノリニウム系のもの、スチリルベンゾチアゾリウム系のもので水酸基の一部を置換したポリビニルアルコールがある。この架橋可能なポリビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にしてセパレータに付着させた後、光照射することによって架橋させることができる。このような水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールは耐アルカリ性に優れ、しかもイオンとキレートを形成できる水酸基を多く含んでおり、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状の金属が析出する前のイオンとキレートを形成し、電極間の短絡を防止できるため好適に使用できる。
以下、本発明のセパレータおよびその製造方法を実施例によって説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
熱風循環型オーブン中で、130℃で10分間熱処理し、結晶化度を40%にせしめた、繊維径9.5μm、繊維長6mmのポリフェニレンサルファイド繊維と、繊維径0.2μm、繊維長3mmにフィブリル化された融点135℃のポリエチレン繊維を、各々50:50の質量比率でイオン交換水に0.05質量%の濃度でパルパー内に投入し30分間分散し、繊維の分散体からなる抄紙材料を作製した。
上記抄紙材料を、JIS P8222に規定する標準型手抄き装置を用いて湿体シートを抄造した。その後、得られた湿体シートを手抄き装置から取り出した後に、ヤンキードライヤーにて160℃で乾燥して本発明のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、セパレータの厚さは102μm、密度は0.45g/cm、透気度は10秒/100mlであった。
実施例1のポリフェニレンサルファイド繊維の代わりに、熱処理条件を150℃で10分間に変更し、結晶化度を54%にせしめた、繊維径9.5μm、繊維長6mmのポリフェニレンサルファイド繊維を使用した以外は、実施例1と同様にして、本発明のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、セパレータの厚さは99μm、密度は0.41g/cm、透気度は7秒/100mlであった。
実施例1のポリエチレン繊維の代わりに、融点が100℃のポリエチレン繊維を使用し、120℃で乾燥した以外は、実施例1と同様にして、本発明のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、セパレータの厚さは100μm、密度は0.39g/cm、透気度は5秒/100mlであった。
実施例1と同様の抄紙材料を用いて抄造条件を変更することにより、厚さ50μの本発明のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、密度は0.39g/cm、透気度は3秒/100mlであった。
実施例1と同様の抄紙材料を用いて抄造条件を変更することにより、密度0.70g/cmの本発明のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、セパレータの厚さは98μm、透気度は19秒/100mlであった。
結晶化度を40%にせしめたポリフェニレンサルファイド繊維とポリエチレン繊維の質量比率を各々65:35とした以外は、実施例1と同様にして、本発明のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、セパレータの厚さは100μm、密度は0.42g/cm、透気度は9秒/100mlであった。
[比較例1]
実施例1のポリフェニレンサルファイド繊維の代わりに、市販されている繊維径9.4μm、繊維長5mmの結晶化度が21%の延伸ポリフェニレンサルファイド繊維した以外は、実施例1と同様にして、比較用のセパレータを得た。
得られたセパレータの物性は、セパレータの厚さは101μm、密度は0.41g/cm、透気度は7秒/100mlであった。
[比較例2]
ニッケル水素電池用として市販されている厚さが100μmのポリプロピレン製不織布をセパレータとして用いた。
[比較例3]
ニッケル水素電池用として市販されている厚さが100μmの延伸ポリフェニレンサルファイド繊維と未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維からなる不織布をセパレータとして用いた。
上記実施例1〜6および比較例1〜3で得られたセパレータについて下記の特性を評価した。
<高温長期試験>
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(33mm幅、182mm長)と、ペースト式水素蔵合金負極(メッシュメタル系合金、33mm幅、247mm長)とを作成した。
次いで、各セパレータを33mm幅、410mm長に裁断した後、それぞれを正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して、SC(sub−C)型対応の電極群を作成した。この電極群を外装缶に収納し、電解液として5N水酸化カリウム及び1N水酸化リチウムを外装缶に注液、封止して、容量が2000mAhの円筒型ニッケル−水素電池を作成した。
作成された円筒型ニッケル水素電池について、0.33Cでの充電と、10Cで終止電圧1Vまで放電することからなる充放電サイクルを、温度80℃で繰り返し、容量が初期容量の50%に達するまでのサイクル数を寿命とした。
得られた結果を表1に示す。表1において、◎は500サイクルを超えたものを示し、×は500サイクル以下のものを示す。
Figure 2011086573
<突き刺し強度>
突き刺し強度は、オリエンテック社引張圧縮試験装置に、1mmφ先端R5のニードルを固定し、50mm/分の速度で、試験片対して垂直に突き刺し、セパレータを貫通するのに要する力(N)を測定した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2011086573
表1の結果から明らかなように、本発明のセパレータを用いたニッケル水素電池は、80℃での高温長期試験でも十分な放電容量を維持しており、電池寿命が長いことが確認できた。これに対して、比較例2及び3のセパレータを用いたニッケル水素電池は、放電容量の低下が非常に大きく、又、初期から内部短絡を起こす物もあり、特性が著しく劣るものであった。
表2の結果から明らかなように、本発明のセパレータは、1.5N以上の十分な突き刺し強度を有していたが、これに対して、比較例1及び2のセパレータは突き刺し強度に劣るものであった。

Claims (12)

  1. 結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維とポリオレフィン繊維とを含むことを特徴とする蓄電デバイス用セパレータ。
  2. 前記結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維は、130〜270℃で熱処理されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  3. 前記結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維の繊維径が10μm以下で、繊維長が10mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  4. 前記ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊維またはポリエチレン繊維であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  5. 前記ポリオレフィン繊維が、繊維径が1μm以下、繊維長が3mm以下にフィブリル化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  6. 前記ポリオレフィン繊維の融点が、100〜140℃であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  7. 前記結晶化度が25%以上のポリフェニレンサルファイド繊維が65〜20質量%、前記ポリオレフィン繊維が35〜80質量%の配合比率であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  8. 前記セパレータが、ポリオレフィン繊維の熱融着または熱圧着により構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  9. 前記セパレータの膜厚が100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  10. 前記セパレータの密度が0.2〜0.9g/cmであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  11. 前記セパレータの透気度が100秒/100ml以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  12. 前記蓄電デバイスが、ニッケルカドミウム電池またはニッケル水素電池であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014519683A (ja) * 2011-05-20 2014-08-14 ドリームウィーバー・インターナショナル・インコーポレイテッド 単層リチウムイオンバッテリーのセパレーター

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