JP2011085311A - 熱輸送デバイス、熱輸送デバイスの製造方法及び電子機器 - Google Patents

熱輸送デバイス、熱輸送デバイスの製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高い熱輸送性能を有し、短時間で作業性よく製造することができる熱輸送デバイス、その熱輸送デバイスの製造方法及びその熱輸送デバイスを備える電子機器を提供すること。
【解決手段】熱輸送デバイス200に用いられる毛細管部材205は、第1のメッシュ部材207を挟み込むように、第2メッシュ部材208が折り曲げられることで形成される。従って、複数のメッシュ部材が積層される際の位置合わせが不要となる。また、第1及び第2のメッシュ部材207及び208の端部でほつれたワイヤが、下板部材3の接合領域Sに入り込むことを防ぐことができる。これにより、短時間で作業性よく熱輸送デバイス200を製造することができる。また第1のメッシュ部材207の網目の大きさと、第2のメッシュ部材208の網目の大きさとを異なるように設定することで、熱輸送デバイス200の熱輸送性能を向上させることができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、作動流体の相変化を利用して熱を輸送する熱輸送デバイス、その熱輸送デバイスの製造方法、及びその熱輸送デバイスを備える電子機器に関する。
従来からCPU(Central Processing Unit)等の熱源を冷却するデバイスとして、平面型のヒートパイプが用いられている。ヒートパイプの内部には水等の作動流体が封入され、この作動流体の相変態と還流とにより、熱が輸送されて熱源が冷却される。
例えば特許文献1には、コンテナを有する平面型ヒートパイプが記載されており、コンテナの内部には、作動流体を還流させるためのウイックが設けられている。このウイックは、複数回折り曲げられた1枚の帯状メッシュにプレスが施されたものである。これにより毛細管力に優れたウイックが製造される(特許文献1の段落[0014]、図1等参照)。
特開2001−183080号公報
ところで、電子機器等の高性能化が進んでおり、それに伴って電子機器等からの発熱量が増大している。従って、より高い熱輸送性能を有する熱輸送デバイスが求められている。製造コストを抑えるために、そのような高性能の熱輸送デバイスを、歩留まりよく、短時間で製造することが望ましい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、高い熱輸送性能を有し、短時間で作業性よく製造することができる熱輸送デバイス、その熱輸送デバイスの製造方法及びその熱輸送デバイスを備える電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る熱輸送デバイスは、作動流体と、毛細管部材と、容器とを具備する。
前記作動流体は、相変化することで熱を輸送する。
前記毛細管部材は、第1のメッシュ部材と、第2のメッシュ部材とを有し、前記作動流体に毛細管力を作用させる。前記第1のメッシュ部材は、第1の大きさの網目を有する。前記第2のメッシュ部材は、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有し前記第1のメッシュ部材を挟み込むように折り曲げられる。
前記容器は、前記作動流体と前記毛細管部材とを収容する。
この熱輸送デバイスでは、網目の大きさが相互に異なる第1及び第2のメッシュ部材を適宜組み合わせることで、作動流体による熱の輸送効率を向上させることができる。また例えば容器内に複数のメッシュ部材が積層される場合では、各メッシュ部材の位置を合わせる必要がある。しかしながら、この熱輸送デバイスでは、第1のメッシュ部材が第2のメッシュ部材に挟み込まれるので、上記のような位置合わせが不要となり、熱輸送デバイスの組み立てにおける作業性がよくなる。以上により高い熱輸送性能を有する熱輸送デバイスを、短時間で作業性よく製造することができる。
前記第1のメッシュ部材は、端部を有してもよい。この場合、前記第2のメッシュ部材は、前記端部を覆うように折り曲げられてもよい。
細線が編み込まれてなる第1及び第2のメッシュ部材は、その細線が端部でほつれてしまう可能性がある。例えば複数の部材が接合されて容器が形成される場合、複数の部材の接合部分にほつれた細線が入り込んでしまい、その部分からリークが発生してしまう場合がある。しかしながら本形態の熱輸送デバイスでは、第1のメッシュ部材の端部を覆うように第2のメッシュ部材が折り曲げられる。従って、例えば第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分を上記接合部分に沿って配置することで、第1及び第2のメッシュ部材の細線が接合部分に入り込むことを防ぐことができる。これにより熱輸送デバイスの製造における歩留まりを向上させることができる。
前記第1のメッシュ部材は、対向する一対の前記端部を有してもよい。この場合、前記第2のメッシュ部材は、前記一対の前記端部をそれぞれ覆うように折り曲げられてもよい。
この熱輸送デバイスでは、第1のメッシュ部材の、対向する一対の端部の両方を覆うように、第2のメッシュ部材が折り曲げられる。このように第2のメッシュ部材の折り曲げ方を適宜設定することで、高い熱輸送性能を有する熱輸送デバイスを、短時間で作業性よく製造することができる。
前記第1の大きさは、前記第2の大きさよりも小さくてもよい。
前記熱輸送デバイスは、液相の前記作動流体が移動する液相流路と、気相の前記作動流体が移動する気相流路とをさらに具備してもよい。
この場合、前記容器は、前記毛細管部材の厚みと等しい厚みとなる内部空間を有してもよい。
また前記毛細管部材は、前記液相流路となる前記第1のメッシュ部材と、前記気相流路となる前記第2のメッシュ部材とを有してもよい。
この熱輸送デバイスでは、容器の内部空間の厚みと毛細管部材の厚みとが等しいので、容器の内部空間全体に毛細管部材が設けられる。これにより容器の耐久性を向上させることができ、例えば容器内部の温度が上昇することで生じる内部圧力により、容器が変形してしまうことを防止することができる。また容器の耐久性を向上させるための他の部材を、内部空間に設ける必要がないので、短時間で作業性よく熱輸送デバイスを製造することができる。本形態の熱輸送デバイスでは、網目が小さい第1のメッシュ部材を液相流路とし、網目の大きい第2のメッシュ部材を気相流路とすることで、熱輸送性能を向上させている。
前記第1及び前記第2のメッシュ部材は、相互に挟み込まれるように折り曲げられてもよい。
この熱輸送デバイスでは、第1及び第2のメッシュ部材が、互いを挟み込むようにそれぞれ折り曲げられる。このような毛細管部材を設けることで、例えば容器内を占める毛細管部材の割合を大きくし、熱の輸送効率を向上させることができる。
前記容器は、相互に接合される第1の部材と第2の部材とを有してもよい。
この場合、前記毛細管部材は、前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記第1及び前記第2の部材の接合部分に沿って配置されるように、前記容器に収容されてもよい。
前記容器は、折り曲げられて接合されることで前記容器を形成する1つの板部材を有してもよい。
この場合、前記毛細管部材は、前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記板部材の接合部分に沿って配置されるように、前記容器に収容されてもよい。
この熱輸送デバイスでは、1つの板部材が折り曲げられて容器が形成されるので、部品数が減り、コストを削減することができる。また、複数の部材により容器が構成される場合において、それら各部材の所定の位置決め精度が必要となるが、本形態では、そのような高い位置決め精度は不要である。また第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、板部材の接合部分に沿って配置されるので、第1及び第2のメッシュ部材の細線が、板部材の接合部分に入り込むことを防ぐことができる。
本発明の他の形態に係る熱輸送デバイスは、作動流体と、毛細管部材と、容器とを具備する。
前記作動流体は、相変化することで熱を輸送する。
前記毛細管部材は、第1のメッシュ部材と、第2のメッシュ部材とを有し、前記作動流体に毛細管力を作用させる。前記第1のメッシュ部材は、第1の方向で並ぶ網目を有する。前記第2のメッシュ部材は、前記第1の方向と異なる第2の方向で並ぶ網目を有し前記第1のメッシュ部材を挟み込むように折り曲げられる。
前記容器は、前記作動流体と前記毛細管部材とを収容する。
この熱輸送デバイスでは、網目の並ぶ方向が相互に異なる第1及び第2のメッシュ部材を適宜組み合わせることで、作動流体による熱の輸送効率を向上させている。
本発明の一形態に係る熱輸送デバイスの製造方法は、第1の大きさの網目を有する第1のメッシュ部材が挟み込まれ前記第1のメッシュ部材の端部が覆われるように、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有する第2のメッシュ部材を折り曲げ、熱輸送デバイスに用いられる毛細管部材を作成することを含む。
前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記熱輸送デバイスの容器を構成する第1の部材の接合領域に沿って配置されるように、前記第1の部材上に前記毛細管部材が載置される。
前記第1の部材の前記接合領域に、前記容器を構成する第2の部材が接合されることで、前記毛細管部材を収容する前記容器が形成される。
本発明の他の形態に係る熱輸送デバイスの製造方法は、第1のメッシュ部材が挟み込まれ前記第1のメッシュ部材の一対の端部が覆われるように第2のメッシュ部材を折り曲げ、熱輸送デバイスに用いられる毛細管部材を作成することを含む。
前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記熱輸送デバイスの容器を構成する第1の部材の接合領域に沿って配置されるように、前記第1の部材上に前記毛細管部材が載置される。
前記第1の部材の前記接合領域に、前記容器を構成する第2の部材が接合されることで、前記毛細管部材を収容する前記容器が形成される。
この製造方法により、短時間で作業性よく熱輸送デバイスを製造することができる。また例えば網目の大きさの異なる第1及び第2のメッシュ部材が用いられることで、熱輸送性能を向上させることができる。
本発明の他の形態に係る熱輸送デバイスの製造方法は、第1の大きさの網目を有する第1のメッシュ部材が挟み込まれ前記第1のメッシュ部材の端部が覆われるように、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有する第2のメッシュ部材を折り曲げ、熱輸送デバイスに用いられる毛細管部材を作成することを含む。
前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記熱輸送デバイスの容器を構成する1つの板部材の接合領域に沿って配置されるように、前記板部材上に前記毛細管部材が載置される。
前記板部材が折り曲げられ前記接合領域で接合されることで、前記毛細管部材を収容する前記容器が形成される。
本発明の一形態に係る電子機器は、熱源と、熱輸送デバイスとを具備する。
前記熱輸送デバイスは、作動流体と、毛細管部材と、容器とを有する。
前記作動流体は、相変化することで熱を輸送する。
前記毛細管部材は、第1のメッシュ部材と、第2のメッシュ部材とを有し、前記作動流体に毛細管力を作用させる。前記第1のメッシュ部材は、第1の大きさの網目を有する。前記第2のメッシュ部材は、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有し前記第1のメッシュ部材を挟み込むように折り曲げられる。
前記容器は、前記熱源に接触するように設けられ、前記作動流体と前記毛細管部材とを収容する。
以上のように、本発明によれば、高い熱輸送性能を有し、短時間で作業性よく製造することができる熱輸送デバイス、その熱輸送デバイスの製造方法及びその熱輸送デバイスを備える電子機器を提供することができる。
第1の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な斜視図である。 図1に示す熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の(A−A線での)断面図である。 図2に示す第1及び第2のメッシュ部材の平面拡大図である。 比較例として挙げる、熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。 一般的な熱輸送デバイスの冷却モデル図である。 第1の実施形態に係る熱輸送デバイスの動作を説明するための模式的な断面図である。 図4に示す毛細管部材の各メッシュ部材と、第1の実施形態の第1及び第2のメッシュ部材とを比較して示す部分拡大図である。 第1の実施形態に係る熱輸送デバイスの熱輸送性能と、図4に示す熱輸送デバイスの熱輸送性能とを比較して示す図である。 第1の実施形態の熱輸送デバイスに設けられる毛細管部材の形成方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る熱輸送デバイスの製造方法を説明するための図である。 第2の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。 第2の実施形態に係る毛細管部材の形成方法を説明するための図である。 第3の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。 第3の実施形態の第1及び第2のメッシュ部材を示す平面図である。 図14に示す第1及び第2のメッシュ部材の平面拡大図である。 第4の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。 第4の実施形態に係る毛細管部材の形成方法を説明するための図である。 第5の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。 第5の実施形態の熱輸送デバイスを示す模式的な分解斜視図である。 第6の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。 第7の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。 第7の実施形態に係る毛細管部材の形成方法を説明するための図である。 第8の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な斜視図である。 第8の実施形態に係る熱輸送デバイスの製造方法を説明するための図である。 第9の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な斜視図である。 第9の実施形態に係る毛細管部材の形成方法を説明するための図である。 第9の実施形態における、他の実施例の毛細管部材の形成方法を説明するための図である。 第10の実施形態に係る電子機器を示す模式的な斜視図である。 図2に示す第1の実施形態に係る熱輸送デバイスの変形例を示す図である。 図2に示す第1の実施形態に係る熱輸送デバイスの変形例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[熱輸送デバイスの構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な斜視図である。図2は、図1に示す熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の(A−A線での)断面図である。なお、本明細書中において説明する各図では、図面を分かり易く表示するために、実際の寸法と異なって表示する場合がある。
熱輸送デバイス100は、矩形の薄板形状を有する容器1を備えている。容器1は、凹部2を有する皿状の下板部材3(第1の部材)と、平板状の上板部材4(第2の部材)とが接合されて形成される。この際、下板部材3の凹部2が、容器1の内部空間2’となる。
下板部材3及び上板部材4は、典型的には、無酸素銅、タフピッチ銅、あるいは銅合金で構成される。しかしこれに限られず、下板部材3及び上板部材4として、銅以外の金属や、樹脂、その他熱伝導率の高い材料が用いられてもよい。
容器1の長手方向の大きさは、典型的には10mm〜500mmであり、容器1の短手方向の大きさは、5mm〜300mmである。また、容器1の厚みは、典型的には0.3mm〜5mmとされる。しかしながらこれらの値に限られず、容器1の大きさは適宜設定されてよい。
容器1には、例えば0.1mm〜1mm程度の直径を有する注入口(図示せず)が設けられており、この注入口を介して容器1内部に作動流体が注入される。作動流体は、典型的には、容器1の内部が減圧された状態で注入される。作動流体としては、例えば、純水、エタノール等のアルコール、フロリナートFC72等のフッ素系の液体、あるいは、純水とアルコールの混合液等が挙げられる。
図2に示すように、熱輸送デバイス100の容器1の内部空間2’には、作動流体に毛細管力を作用させるための毛細管部材5が設けられる。毛細管部材5と上板部材4との間は空洞6となる。本実施形態では、主に毛細管部材5を通って液相の作動流体が移動し、主に空洞6を通って気相の作動流体が移動する。すなわち毛細管部材5が液相流路5’となり、空洞6が気相流路6’となる。
毛細管部材5は、第1及び第2のメッシュ部材7及び8からなる。図2に示すように、第1のメッシュ部材7を挟み込むように、第2のメッシュ部材8が折り曲げられることで、毛細管部材5が形成される。従って第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9以外の部分では、第1及び第2のメッシュ部材7及び8が積層された構造となる。第2のメッシュ部材8を折り曲げる点については、後に説明する熱輸送デバイス100の製造方法にて、詳しく述べる。
図3は、第1及び第2のメッシュ部材7及び8の平面拡大図である。図3(A)は、第1のメッシュ部材7の平面拡大図であり、図3(B)は、第2のメッシュ部材8の平面拡大図である。
図3(A)に示すように、第1のメッシュ部材7は、熱輸送デバイス100の長手方向に延びる第1のワイヤ10と、熱輸送デバイス100の短手方向に延びる第2のワイヤ11とを有する。これら第1及び第2のワイヤ10及び11が相互に編み込まれることで、複数の網目12を有する第1のメッシュ部材7が形成される。
図3(B)に示すように、第2のメッシュ部材8も、熱輸送デバイス100の長手方向と短手方向とにそれぞれ延びる第1のワイヤ13及び第2のワイヤ14を有する。これら第1のワイヤ13及び第2のワイヤ14が相互に編み込まれることで、複数の網目15を有する第2のメッシュ部材8が形成される。
第1及び第2のメッシュ部材7及び8を構成する各ワイヤとしては、例えば、銅、リン青銅、アルミニウム、銀、ステンレス、モリブデン、あるいはこれらの合金等からなる金属細線が用いられる。また、第1及び第2のワイヤ10及び11の編み込み方、及び第1及び第2のワイヤ13及び14の編み込み方としては、例えば、平織、綾織、ロッククリンプ織、又はフラットトップ織等が挙げられる。
図3(A)及び(B)に示すように、第1のメッシュ部材7の網目12の大きさW1(第1の大きさ)は、第2のメッシュ部材8の網目15の大きさW2(第2の大きさ)よりも小さく設定されている。すなわち本実施形態では、第1のメッシュ部材7として、第2のメッシュ部材8のメッシュナンバーよりも大きいメッシュナンバーを有するものが用いられる。
ここで「メッシュナンバー」とは、メッシュ部材の1インチ当たりの網目の数のことである。従ってメッシュナンバーが大きいメッシュ部材は、1インチ当たりの網目の数が多いので、その網目の大きさは小さくなる。以降の説明では、例えばメッシュナンバーが100であるメッシュ部材を、♯100のメッシュ部材と記載する。
本実施形態では、♯150の第1のメッシュ部材7と、♯100の第2のメッシュ部材8が用いられる。しかしながら、メッシュナンバーの組み合わせは、この組み合わせに限られない。例えば、♯200の第1のメッシュ部材7及び♯150の第2のメッシュ部材8が用いられてもよい。メッシュナンバーの組み合わせは、第1のメッシュ部材7のメッシュナンバーが第2のメッシュ部材8のメッシュナンバーよりも大きい範囲で、適宜設定可能である。
[一般的な熱輸送デバイスの動作]
図4は、比較例として挙げる、熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。図4では、熱輸送デバイス980を長手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
熱輸送デバイス980は容器981を有し、容器981の内部には毛細管部材985と図示しない作動流体とが設けられる。図4に示すように、毛細管部材985は、容器981の下板部材983に接合され、この毛細管部材985が液相流路985’となる。また毛細管部材985と容器981の上板部材984との間に設けられた空洞986が気相流路986’となる。
毛細管部材985は、同じメッシュナンバーを有するメッシュ部材987が3つ積層された構造でなる。各メッシュ部材987は、熱輸送デバイス980の長手方向に延びる図示しない第1のワイヤと、短手方向に延びる図示しない第2のワイヤとが相互に編み込まれて形成される。メッシュナンバーが同じであるメッシュ部材987が積層されるので、各メッシュ部材987の網目の大きさは互いに等しい。
図4に示すように、熱輸送デバイス980の長手方向における一方の端部995aには、蒸発領域Eが設けられ、もう一方の端部995bには、凝縮領域Cが設けられる。蒸発領域Eの下板部材983側に、例えばCPU等の熱源999が接触される。
図5は、熱輸送デバイスの冷却モデル図である。液相の作動流体は、蒸発領域Eにおいて、熱源999からの熱を受け、蒸気圧差ΔPeで蒸発し、気相の作動流体となる。この気相の作動流体は、気相流路986’を通り、蒸発領域Eから凝縮領域Cへと移動する。このとき、気相の作動流体は、気相流路986’の抵抗による圧力損失ΔPvを受けながら凝縮領域Cへと移動する。
凝縮領域Cへと移動した気相の作動流体は、熱Wを放出して凝縮し、気相から液相へと相変化する。このときの蒸気圧差をΔPcとする。液体の作動流体は毛細管部材985の毛細管力ΔPcapをポンプ力として液相流路985’を流れ、凝縮領域Cから蒸発領域Eへと移動する。このとき、液相の作動流体は、液相流路985’の抵抗ΔPlを受けながら蒸発領域Eへと移動する。
蒸発領域Eへと戻った液相の作動流体は、再び熱源999からの熱を受け蒸発する。上記動作を繰り返すことで、熱源999からの熱が輸送される。
熱輸送デバイス980の内部の全圧力損失が毛細管部材985の毛細管力ΔPcapより小さい場合、熱輸送デバイス980は適正に作動する。逆に、全圧力損失が毛細管部材985の毛細管力ΔPcapより大きくなると、熱輸送デバイス980は作動せず熱が輸送されない。全圧力損失と、毛細管力ΔPcapとが釣り合ったときが、熱輸送デバイス980の最大熱輸送量Qmaxとなる。
従って、最大熱輸送量QmaxとなるΔPcapは、以下の式(1)により表される。
ΔPcap=ΔPv+ΔPl+ΔPe+ΔPc+ΔPh・・・(1)
ΔPv…気相作動流体の圧力損失
ΔPl…液相作動流体の圧力損失
ΔPe…蒸発による圧力差
ΔPc…凝縮による圧力差
ΔPh…体積力による圧力差
ここで、単位熱量あたりの流路抵抗をRqとすると、最大熱輸送量Qmaxは、以下の式(2)により表される。
Qmax=ΔPcap/Rq・・・(2)
また、最大熱輸送量Qmaxは、潜熱をH、全流路抵抗をRtotalとすると、以下の式(3)により表される。
Qmax=ΔPcap×H/Rtotal・・・(3)
全流路抵抗Rtotalは、気相流路の抵抗Rv、液相流路の抵抗Rl、沸騰抵抗Re、凝縮抵抗Rc、及び体積力Rbによる抵抗の和である。従って(3)の式より、最大熱輸送量Qmaxは、一般的に、毛細管力ΔPcapが大きくなれば増大し、液相流路の抵抗Rlが大きくなれば減少する。
気相の作動流体の圧力損失ΔPv、液相の作動流体の圧力損失ΔPl、蒸発による圧力差ΔPe、凝縮による圧力差ΔPc、体積力Rbによる圧力差ΔPhは、それぞれ以下の式(4)〜(8)で表される。
ΔPv=8×μv×Q×L/(π×ρv×rv^4×H)・・・(4)
ΔPl=μl×Q×L/(K×Aw×ρl×H)・・・(5)
ΔPe=(RT/2π)^(1/2)×Q/[αc(H−1/2×RT)×rv×le]・・・(6)
ΔPc=(RT/2π)^(1/2)×Q/[αc(H−1/2×RT)×rv×lc]・・・(7)
ΔPh=(ρl−ρv)×g×L×sinφ・・・(8)
μv…気相の作動流体の粘度係数
μl…液相の作動流体の粘度係数
ρv…気相の作動流体の密度
ρl…液相の作動流体の密度
Q…熱輸送量
L…熱輸送デバイス980の長手方向の大きさ
le…蒸発領域Eの長手方向の大きさ
lc…凝縮領域Cの長手方向の大きさ
Aw…メッシュ部材の断面積
rv…気相流路986’の毛細管半径
K…浸透係数
R…気体定数
g…重力加速度
φ…熱輸送デバイス980の水平に対する傾き(体積力Rbは、熱輸送デバイス980を水平に使用する場合には、ゼロとなる)
上記式(4)〜(8)のうち、式(4)、(6)、(7)に着目すると、気相の作動流体の圧力損失ΔPv、蒸発による圧力差ΔPe、及び凝縮による圧力差ΔPcは、気相流路986’の毛細管半径rvの関数であることが分かる。この気相流路986’の毛細管半径rvは、式(4)、(6)、(7)において、いずれも分母に配置されている。したがって、気相流路986’の毛細管半径rvを大きくすれば、3つの圧力損失ΔPv、ΔPe、ΔPcを小さくすることができ、最大熱輸送量Qmaxを大きくすることができる。
ここで、気相又は液相の作動流体が移動する流路の毛細管半径rについて説明する。作動流体の流路として、ワイヤが編み込まれてなるメッシュ部材が用いられる場合、毛細管半径rは、以下の式(9)により表される。
r=(W+D)/2・・・(9)
W…メッシュ部材の網目の大きさ
D…ワイヤの径
一方、例えば作動流体の流路としてメッシュ部材等が用いられず、矩形状の空洞が流路となる場合、毛細管半径rは、以下の式(10)により表される。
r=ab/(a+b)・・・(10)
a…流路の幅(短手方向での大きさ)
b…流路の深さ(流路の厚み)
[熱輸送デバイス100の動作]
次に本実施形態の熱輸送デバイス100の動作について説明する。図6は、熱輸送デバイス100の動作を説明するための模式的な断面図である。図6では、熱輸送デバイス100を長手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。従って図6では、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分は図示されない。
図6に示すように、熱輸送デバイス100の長手方向における一方の端部15aには、蒸発領域Eが設けられ、もう一方の端部15bには、凝縮領域Cが設けられる。蒸発領域Eの下板部材3側に、例えばCPU等の熱源999が接触される。熱源999は、蒸発領域Eの上板部材4側に接触されてもよい。
液相の作動流体は、蒸発領域Eにおいて、熱源999からの熱を受け、蒸気圧差ΔPeで蒸発し、気相の作動流体となる。気相の作動流体は、気相流路6’を通り、蒸発領域Eから凝縮領域Cへと移動する。このとき、気相の作動流体は、気相流路6’の抵抗による圧力損失ΔPvを受けながら凝縮領域Cへと移動する。
凝縮領域Cへと移動した気相の作動流体は、熱Wを放出して凝縮し、気相から液相へと相変化する。このときの蒸気圧差をΔPcとする。液体の作動流体は毛細管部材5の毛細管力ΔPcapをポンプ力として液相流路5’を流れ、凝縮領域Cから蒸発領域Eへと移動する。このとき、液相の作動流体は、液相流路5’の抵抗ΔPlを受けながら蒸発領域Eへと移動する。
蒸発領域Eへと戻った液相の作動流体は、再び熱源999からの熱を受け蒸発する。上記動作を繰り返すことで、熱源999からの熱が輸送される。
ここで本実施形態に係る毛細管部材5に着目する。上記したように、本実施形態の毛細管部材5は、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9以外の部分で、第1及び第2のメッシュ部材7及び8が積層された構造となっている。
上記した式(3)より、最大熱輸送量Qmaxは、毛細管力ΔPcapが大きくなれば増大し、液相流路の抵抗Rlが大きくなれば減少することを説明した。例えば毛細管部材としてメッシュ部材が用いられた場合、メッシュ部材の網目の大きさを大きくすることで液相流路の抵抗Rlを減少させることができる。しかしながらメッシュ部材の網目の大きさを大きくすると、毛細管力ΔPcapが減少してしまう。
本実施形態では、第1のメッシュ部材7の網目12の大きさW1が、第2のメッシュ部材8の網目15の大きさW2よりも小さく設定されている。すなわち網目の大きい第2のメッシュ部材8により液相流路の抵抗Rlを減少させつつ、網目の小さい第1のメッシュ部材7により、適正な毛細管力ΔPcapを確保している。これにより作動流体による熱の輸送効率が向上される。
また液相の作動流体は、主に液相流路5’である毛細管部材5を通って移動し、気相の作動流体は、主に気相流路6’である空洞6通って移動する。しかしながら毛細管部材5を通って気相の作動流体が移動する場合もある。特に折り曲げられた第2のメッシュ部材8の、上板部材4側に位置する部分は、気相及び液相の作動流体が共に移動する部分となる。
毛細管部材5を気相の作動流体の気相流路として見ると、上記した式(9)により、毛細管半径rvは、第1及び第2のメッシュ部材7及び8のそれぞれの網目12及び15の大きさ(W1及びW2)と、第1及び第2のメッシュ部材7及び8の各ワイヤの径により規定される。従って網目が大きい第2のメッシュ部材8が毛細管部材5として用いられることで、気相流路としての毛細管半径rvが大きくなり、上記した式(4)、(6)、(7)により、3つの圧力損失ΔPv、ΔPe、ΔPcが小さくなる。これにより最大熱輸送量Qmaxを大きくすることができるので、熱輸送デバイス100の熱輸送効率が向上する。
図6に示すように、毛細管部材5は、下板部材3に接合される。高い毛細管力ΔPcapを得るために、毛細管部材5の網目の大きさを小さくしすぎると、下板部材3との接合により網目が潰れてしまう可能性がある。しかしながら本実施形態では、網目の大きい第2のメッシュ部材8が下板部材3に接合されるので、このような問題を防ぐことができる。
図7は、図4に示す毛細管部材985の各メッシュ部材987と、本実施形態の第1及び第2のメッシュ部材7及び8とを比較して示す部分拡大図である。図7(A)は熱輸送デバイス980の各メッシュ部材987を示す図である。図7(B)は、本実施形態の第1及び第2のメッシュ部材7及び8を示す図である。
図7(A)に示すように、毛細管部材985では、同じメッシュナンバーを有するメッシュ部材987が積層されるので、各メッシュ部材987の網目が相互に重なり合ってしまう。そうすると、液相の作動流体が移動する空間が確保されず、流路抵抗が大きくなってしまう。また、液相の作動流体に適正な毛細管力ΔPcapを作用させることができなくなる。
一方で、図7(B)に示すように、本実施形態の第1及び第2メッシュ部材7及び8は、メッシュナンバーが互いに異なるので、第1のメッシュ部材7の網目及び第2のメッシュ部材8の網目が、相互に重なり合ってしまうことを防ぐことができる。これにより、液相の作動流体に対する流路抵抗を低減することができ、また液相の作動流体に適正な毛細管力ΔPcapを作用させることができる。その結果、熱輸送デバイス100の熱輸送性能を向上させることができる。
図8は、本実施形態の熱輸送デバイス100の熱輸送性能と、図4に示す熱輸送デバイス980の熱輸送性能とを比較して示す図である。ここでは熱輸送デバイス980の毛細管部材985として、♯100のメッシュ部材985が3つ用いられる。この熱輸送デバイス980と、本実施形態に係る熱輸送デバイス100のそれぞれの最大熱輸送量Qmaxが測定される。
上記で説明したように、本実施形態に係る毛細管部材5は、♯150の第1のメッシュ部材7を挟み込むように、♯100の第2のメッシュ部材8が折り曲げられることで形成される。一方で、熱輸送デバイス900の毛細管部材985は、♯100のメッシュ部材987が3つ積層された構造となる。図8に示すように、本実施形態の熱輸送デバイス100の最大熱輸送量Qmaxの方が、熱輸送デバイス980の最大熱輸送量Qmaxよりも大きい値となった。
[熱輸送デバイスの製造方法]
図9は、本実施形態の熱輸送デバイス100に設けられる毛細管部材5の形成方法を説明するための図である。図9(A)に示すように、第2のメッシュ部材8を準備する。第2のメッシュ部材8の面積は、上方から見た内部空間2'の大きさの略2倍に相当する。第2のメッシュ部材8は、右側領域R2及び左側領域L2と、一対の端部16a及び16bとを有する。一対の端部16a及び16bは、右側領域R2及び左側領域L2が並ぶ方向で対向する。
図9(B)に示すように、第2のメッシュ部材8の右側領域R2に、内部空間2'の形状と略等しい形状に形成された、第1のメッシュ部材7が載置される。第1のメッシュ部材7は、短手方向で対向する一対の端部17a及び17bを有し、図9(B)に示すように、一方の端部17bが第2のメッシュ部材8の端部16bに揃えられる。第1のメッシュ部材7の、もう一方の端部17aは、第2のメッシュ部材8の略中央に配置される。
第1のメッシュ部材7は、♯100のメッシュシートから所定の形状で切り取られる。第2のメッシュ部材8は、♯150のメッシュシートから所定の形状で切り取られる。第1及び第2のメッシュ部材7及び8がメッシュシートから切り取られる際には、例えばレーザーカッターや、抜き型等が用いられる。またワイヤ放電加工(ワイヤカット)が用いられてもよい。
図9(C)に示すように、第1のメッシュ部材7を挟み込むように、第2のメッシュ部材8が折り曲げられる。これにより、第1のメッシュ部材7が、第2のメッシュ部材8の右側領域R2及び左側領域L2により挟み込まれる。また第1のメッシュ部材7の端部17aが、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9により覆われる。第2のメッシュ部材8の端部16aは、第1のメッシュ部材7の端部17b及び第2のメッシュ部材8の端部16bと揃えられる。第2のメッシュ部材8は、例えば手作業により折り曲げられてもよいし、折り曲げ機等の加工機械により折り曲げられてもよい。
このようにして容器1の内部空間2'と略等しい形状を有する毛細管部材5が形成される。図9(C)に示す毛細管部材5の長手方向が、容器1の長手方向に相当し、毛細管部材5の短手方向が、容器1の短手方向に相当する。
図10は、熱輸送デバイス100の製造方法を説明するための図である。図10では、形成される熱輸送デバイス100を短手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
図10(A)に示すように、下板部材3の凹部2に毛細管部材5が載置される。毛細管部材5は、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9が、下板部材3の凹部2を囲う側壁18に沿って配置されるように、下板部材3の凹部2に載置される。
例えば、図4に示す熱輸送デバイス980では、下板部材3上で、各メッシュ部材987の位置を精度よく合わせながら、各メッシュ部材987を積層させなければならない。しかしながら本実施形態では、図9に示す工程により形成された毛細管部材5が下板部材3の凹部2に載置されるので、上記のような位置合わせが不要となる。これにより、高い熱輸送性能を有する熱輸送デバイス100を、短時間で作業性よく製造することができる。
また容器内に不純物等が混入することを防ぐために、容器内に配置される前に、毛細管部材が洗浄される場合がある。この場合、熱輸送デバイス980では、各メッシュ部材987を1つずつ洗浄しなければならない。しかしながら本実施形態では、図9に示す工程により形成された毛細管部材5を一度に洗浄するこができ、これにより熱輸送デバイス100の組み立てにおける作業性を向上させることができる。
さらに、図4に示す熱輸送デバイス980では、毛細管部材985を形成するために3つのメッシュ部材987が用いられる。一方本実施形態では、第1及び第2のメッシュ部材7及び8の2つのメッシュ部材により毛細管部材5が形成される。すなわち本実施形態では、用いられるメッシュ部材の数を少なくすることができるので、メッシュ部材のカッティング費用を抑えることができる。
図10(B)に示すように、下板部材3の側壁18上に上板部材4が接合される。すなわち本実施形態では、下板部材3の側壁18の上面が接合領域Sとなり、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9は、接合領域Sに沿って配置されることになる。図10(B)では、下板部材3の凹部2が分かりやすく図示されているが、容器1の厚みとなる側壁18の高さは、例えば0.3mm〜5mmの範囲となり非常に小さい。従って実質的に、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9は、接合領域Sに沿って配置されることになる。
下板部材3及び上板部材4の接合方法としては、例えば拡散接合、超音波接合、ロウ付け、又は溶接等の方法が挙げられる。下板部材3及び上板部材4が拡散接合される場合、その拡散接合による温度と圧力により、毛細管部材5及び下板部材3が接合されてもよい。あるいは、下板部材3及び上板部材4の接合工程とは別の工程で、例えば上記した接合方法により、毛細管部材5及び下板部材3が接合されてもよい。
第1及び第2のメッシュ部材7及び8は、金属細線でなる各ワイヤが編み込まれることで形成される。従って、第1及び第2のメッシュ部材7及び8の各端部で、ワイヤがほつれてしまう可能性がある。仮に、ほつれたワイヤが下板部材3の接合領域Sに入り込み、下板部材3及び上板部材4によりワイヤが挟み込まれてしまうと、その部分からリークが発生する場合がある。しかしながら本実施形態の熱輸送デバイス100では、第1のメッシュ部材7の端部17aを覆うように第2のメッシュ部材8が折り曲げられる。そして第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9が、下板部材3の接合領域Sに沿って配置される。従って、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9が配置された箇所において、第1及び第2のメッシュ部材7及び8の各ワイヤが接合領域Sに入り込むことを防ぐことができる。これにより、熱輸送デバイス100の製造における歩留まりを向上させることができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る熱輸送デバイスを説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した熱輸送デバイス100における構成及び作用と同様な部分については、同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図11は、第2の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。図12は、本実施形態の毛細管部材の形成方法を説明するための図である。図11では、本実施形態の熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
図11に示すように、本実施形態の熱輸送デバイス200は、第1の実施形態の毛細管部材5とは構成が異なる毛細管部材205を有している。本実施形態の毛細管部材205は、網目の小さい第1のメッシュ部材207と、網目の大きい第2のメッシュ部材208とを有する。第1のメッシュ部材207を挟み込むように、第2のメッシュ部材208が折り曲げられることで、毛細管部材205が形成される。以下に、本実施形態の毛細管部材205の形成方法を説明する。
図12(A)に示すように、メッシュ部材208を準備する。メッシュ部材208の面積は、上面から見た容器1の内部空間2’の大きさの略2倍に相当する。第2のメッシュ部材208は、右側領域R2、左側領域L2、及び中央領域C2の3つの領域を有する。また第2のメッシュ部材208は、上記3つの領域が並ぶ方向で対向する一対の端部216a及び216bを有する。そしてこの第2のメッシュ部材208の中央領域C2に、内部空間2'の形状と略等しい形状に形成された、第1のメッシュ部材207が載置される。第1のメッシュ部材207は、短手方向で対向する一対の端部217a及び217bを有する。図12(A)に示すように、第1のメッシュ部材207の一対の端部217a及び217bは、第2のメッシュ部材208の中央領域C2に配置される。
図12(B)に示すように、第1のメッシュ部材207を挟み込むように、第2のメッシュ部材208が折り曲げられる。第1のメッシュ部材207は、第2のメッシュ部材208の中央領域C2及び左側領域L2により、また中央領域C2及び右側領域R2により挟み込まれる。これにより、第1のメッシュ部材207の一対の端部217a及び217bが、第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bにより覆われる。第2のメッシュ部材208の一対の端部216a及び216bは、第1のメッシュ部材207の略中央で相互に対向するように配置される。このようにして本実施形態の毛細管部材205が形成される。
図11に示すように、形成された毛細管部材205が下板部材3の凹部2に載置され、
下板部材3の側壁18上の接合領域Sにて下板部材3及び上板部材4が接合される。毛細管部材205は、第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bが接合領域Sに沿って配置されるように、下板部材3の凹部2に載置される。これにより本実施形態の熱輸送デバイス200が製造される。
本実施形態では、第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bが、容器1の長手方向において、接合領域Sに沿って配置される。従って、容器1の長手方向における接合領域Sに、第1及び第2のメッシュ部材207及び208の各ワイヤが入り込むことを防ぐことができる。これにより、熱輸送デバイス200の製造における歩留まりを向上させることができる。このように第2のメッシュ部材208の折り曲げ方を適宜設定することで、高い熱輸送性能を有する熱輸送デバイス200を、短時間で作業性よく製造することができる。
また、第1のメッシュ部材207の略中央で対向するように配置される、第2のメッシュ部材208の端部216a及び216bの間の距離を大きくすることで、容器1の内部空間2’での気相流路6’が占める割合を大きくしてもよい。図11(A)に示す工程で準備される第2のメッシュ部材208の面積を適宜設定することで、折り曲げられた後の端部216a及び216bの間の距離を適宜設定することができる。一対の端部216a及び216bの間の大きさを適宜設定し、内部空間2’での気相流路6’及び液相流路5’が占める割合をそれぞれ適宜設定することで、熱輸送デバイス200の熱輸送効率を向上させることができる。
また、例えば図4に示す熱輸送デバイス980では、容器981の内部空間982’に毛細管部材985が設けられる際に、接合領域Sに各メッシュ部材987の各ワイヤが入り込まないようにする必要があった。そのため、例えばメッシュ部材987ごとに、ほつれたワイヤを除去する作業や、下板部材983の接合領域Sにワイヤが入り込んでいないかを確認する作業等が必要であった。また、上面から見た各メッシュ部材987の面積を、上面から見た内部空間982’の大きさよりも小さめに設定し、各メッシュ部材987と接合領域S(側壁998)との間を離し、接合領域Sにワイヤが入り込まないようにすることもあった。
しかしながら本実施形態では、第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bが接合領域Sに沿って配置されるので、上記のような作業が不要となり、熱輸送デバイス200の製造における作業性が向上する。また、上面から見た毛細管部材5の面積を、上面から見た内部空間2’の大きさよりも小さめに設定する必要もないので、内部空間2’での毛細管部材205の占める割合を大きくすることができる。これにより、作動流体に高い毛細管力を作用させることができ、熱輸送デバイス200の熱輸送効率を向上させることができる。さらに本実施形態では、上面から見た毛細管部材205の面積が、上面から見た内部空間2’の大きさより若干大きくても、弾性を有する毛細管部材205を押し込むようにして、下板部材3の凹部2に載置することができる。従って、毛細管部材205の面積の寸法公差を大きくすることができるので、毛細管部材205の形成における作業性が向上する。
本実施形態では下板部材3の凹部2に毛細管部材205が載置されるが、平板状の下板部材に毛細管部材205が載置され、凹部を有する上板部材が下板部材の接合領域に接合されてもよい。この場合、第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bが下板部材の接合領域に沿って配置されるように、毛細管部材205が下板部材に載置される。また、容器1が平板状の下板部材及び上板部材と、容器1の側壁を構成するフレーム部材とで構成されてもよい。容器1は、下板部材の接合領域にフレーム部材が接合され、またフレーム部材の接合領域に上板部材が接合されることで形成される。この場合、第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bが下板部材の接合領域に沿って配置されるように、毛細管部材205が下板部材に載置される。あるいは下板部材とフレーム部材とが接合された後に、フレーム部材の接合領域に沿って折り曲げられた部分209a及び209bが配置されるように、毛細管部材205が下板部材に載置されてもよい。
また本実施形態では、容器1の長手方向において第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bが配置された。下板部材3の接合領域Sの面積は、容器1の短手方向よりも長手方向の方が大きい。従って容器1の長手方向において第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分209a及び209bが配置されると、上記した効果は大きいものとなる。しかしながら容器1の短手方向に対応するように第2のメッシュ部材208が折り曲げられ、容器1の短手方向において、第2のメッシュ部材208の折り曲げられた部分が配置されてもよい。
<第3の実施形態>
図13は、本発明の第3の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。図13では、本実施形態の熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
本実施形態の熱輸送デバイス300では、第1及び第2のメッシュ部材307及び308として同じメッシュナンバーを有するものが用いられる。第1のメッシュ部材307を挟み込むように、第2のメッシュ部材308が折り曲げられることで、毛細管部材305が形成される。この際、第1のメッシュ部材307の網目が並ぶ方向と、第2のメッシュ部材308の網目が並ぶ方向とが相互に異なるように設定される。第2のメッシュ部材308の折り曲げ方は、第2の実施形態で説明した第2のメッシュ部材208の折り曲げ方と同様である。
図14は、本実施形態の第1及び第2のメッシュ部材307及び308を示す平面図である。図15は、図14に示す第1及び第2のメッシュ部材307及び308の平面拡大図である。図14(A)及び図15(A)が第2のメッシュ部材308を示しており、図14(B)及び図15(B)が第1のメッシュ部材307を示している。
図14(A)に示すように、第2のメッシュ部材308は、上面から見た内部空間2’の大きさの略2倍に相当する面積を有する。第2のメッシュ部材308は、複数の第1のワイヤ313と、第1のワイヤ313に略直交するように編み込まれる複数の第2のワイヤ314とを有する。第1のワイヤ313が延在する方向が容器1の長手方向に相当し、第2のワイヤ314が延在する方向が容器1の短手方向に相当する。従って図14(A)及び図15(A)に示すように、第2のメッシュ部材308の網目315は、容器1の長手方向及び短手方向に並ぶ。
図14(B)に示すように、第1のメッシュ部材307は、容器1の内部空間2’の形状と略等しい形状に形成され、短手方向で対向する一対の端部317a及び317bを有する。一対の端部317a及び317bが延びる方向が、容器1の長手方向に相当する。
本実施形態では、第1のメッシュ部材307も、複数の第1のワイヤ313と、第1のワイヤ313に略直行するように編み込まれる複数の第2のワイヤ314とを有する。しかしながら図14(B)及び図15(B)に示すように、第1のメッシュ部材307では、第1及び第2のワイヤ313及び314の延在方向が、一対の端部317a及び317bの延在方向と異なるように設定されている。従って第1のメッシュ部材307の第1及び第2のワイヤ313及び314の延在方向は、第2のメッシュ部材308の第1及び第2のワイヤ313及び314の延在方向とは異なるものとなる。これにより第1のメッシュ部材307の網目312の並ぶ方向は、第2のメッシュ部材308の網目315の並ぶ方向とは異なるものとなる。
第1及び第2のメッシュ部材307及び308は、第1及び第2のワイヤ313及び314が相互に編み込まれた、1つのメッシュシートから切り取られる。第2のメッシュ部材は、第1及び第2のワイヤ313及び314の延在方向に沿って切り取られる。第1のメッシュ部材307は、一対の端部317a及び317bの延在方向が、第1及び第2のワイヤ313及び314の延在方向と異なるように切り取られる。このように本実施形態では、メッシュナンバーの異なる2つのメッシュシートを準備する必要がないので、メッシュシートにかかるコストを抑えることができる。
本実施形態の毛細管部材305は、第1及び第2のメッシュ部材307及び308の各網目(網目312及び315)の並ぶ方向が相互に異なるので、網目312及び網目315が相互に重なり合ってしまうことを防ぐことができる。これにより、液相の作動流体に対する流路抵抗を低減することができ、また液相の作動流体に高い毛細管力を作用させることができる。その結果、熱輸送デバイス300の熱輸送性能を向上させることができる。
図15(B)に示すように、第1のメッシュ部材307の網目312が並ぶ方向と、第2のメッシュ部材308の網目315が並ぶ方向との差を角度θとして表す。例えば角度θを5°〜85°の範囲に設定すれば、上記で説明したように熱輸送デバイス300の熱輸送性能を向上させることができる。角度θを90°とした場合、第1のメッシュ部材307の網目312と第2のメッシュ部材308の網目315とが互いに重なってしまうはずである。しかしながら第1及び第2のワイヤ313及び314の編み込みにはばらつきがあるので、角度θが90°の場合でも網目312及び315が重ならない場合がある。従って角度θが90°の場合でも、熱輸送デバイス300の熱輸送性能を向上させることができるので、角度θとして85°〜90°の範囲も選び得る。
なお、本実施形態では、第1及び第2のメッシュ部材307及び308の双方が、第1及び第2のワイヤ313及び314により形成されたが、これに限られない。また、異なるメッシュナンバーを有する第1及び第2のメッシュ部材が用いられ、各メッシュ部材の網目の並ぶ方向を相互に異ならせても、熱輸送デバイスの熱輸送性能を向上させることができる。
<第4の実施形態>
図16は、本発明の第4の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。図17は、本実施形態の毛細管部材の形成方法を説明するための図である。図16では、本実施形態の熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
本実施形態の熱輸送デバイス400の毛細管部材405は、網目の小さい第1のメッシュ部材407及び網目の大きい第2のメッシュ部材408が、相互に挟み込まれるように折り曲げられることで形成される。以下に、本実施形態の毛細管部材405の形成方法を説明する。
図17(A)に示すように、上面から見た内部空間2’の大きさの略2倍に相当する面積を有する第1及び第2のメッシュ部材407及び408を準備する。そして、図17(A)に示す第2のメッシュ部材408の左側領域L2に、第1のメッシュ部材407の右側領域R1が載置される。第1のメッシュ部材407は、右側領域R1及び左側領域L1が並ぶ方向で対向する一対の端部417a及び417bを有しており、このうちの一方の端部417bが、第2のメッシュ部材408の略中央に配置される。
図17(B)に示すように、第1のメッシュ部材407の端部417bを覆うように、第2のメッシュ部材408が折り曲げられる。第1のメッシュ部材407の端部417bは、第2のメッシュ部材408の折り曲げられた部分409bにより覆われる。また第1のメッシュ部材407の右側領域R1が、第2のメッシュ部材408の左側領域L2及び右側領域R2により挟み込まれる。そして第2のメッシュ部材の端部416bが、第1のメッシュ部材407の略中央に配置される。
図17(C)に示すように、第2のメッシュ部材の端部416bを覆うように、第1のメッシュ部材407が折り曲げられる。第2のメッシュ部材408の端部416bは、第1のメッシュ部材407の折り曲げられた部分409aにより覆われる。また第2のメッシュ部材408の右側領域R2が、第1のメッシュ部材の右側領域R1及び左側領域L1により挟み込まれる。このように第1及び第2のメッシュ部材407及び408が相互に挟み込まれるように折り曲げられ、本実施形態の毛細管部材405が形成される。第1及び第2のメッシュ部材407及び408のそれぞれの折り曲げられた部分409a及び409bが、容器1の長手方向に対応する部分である。
本実施形態のように、第1及び第2のメッシュ部材407及び408が、相互に挟み込まれるように折り曲げられることで、毛細管部材405を構成する第1及び第2のメッシュ部材407及び408の積層数を増やすことができる。従って容器1の内部空間2’における毛細管部材405の占める割合を大きくすることができ、熱輸送デバイス400の熱輸送性能を向上させることができる。
なお、図16に示すように、下板部材3と接合される第2のメッシュ部材408の左側領域L2の端部416a(端部416bと対向する端部)は、第1のメッシュ部材407の折り曲げられた部分409aよりも、容器1の内部側に配置される。また、第1のメッシュ部材407の左側領域L1の端部417aも、第2のメッシュ部材408の折り曲げられた部分409bよりも、容器1の内部側に配置されている。
図17に示す工程において準備される第1及び第2のメッシュ部材407及び408の面積等を適宜設定することで、第2のメッシュ部材408の端部416a及び第2のメッシュ部材408の端部417aを上記のように配置することができる。これにより、仮に第2のメッシュ部材408の端部416a、又は第1のメッシュ部材407の端部417aでワイヤがほつれた場合でも、ほつれたワイヤが接合領域Sに入り込むことが防がれる。従って、本実施形態の熱輸送デバイス400を、短時間で作業性よく製造することができる。
<第5の実施形態>
図18は、本発明の第5の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。図19は、本実施形態の熱輸送デバイスを示す模式的な分解斜視図である。図18では、本実施形態の熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
図18及び図19に示すように、本実施形態の熱輸送デバイス500は、凹部502を有する下板部材503と、補強部材519と、上板部材504を有する。下板部材503に補強部材519が接合され、補強部材519に上板部材504が接合されることで、本実施形態の容器501が形成される。補強部材519は、例えば無酸素銅、タフピッチ銅、あるいは銅合金等で形成される。
図18に示すように、補強部材519により、毛細管部材505及び上板部材504の間に複数の補強部520が設けられる。複数の補強部520は、容器501の短手方向に並ぶように設けられ、各補強部520は、容器501の長手方向に延在する。複数の補強部520の間が、本実施形態の気相流路506’となる。なお、毛細管部材505は、第2の実施形態で説明した毛細管部材205と同様な構成である。
図19に示すように、補強部材519は、容器501の長手方向に延びる複数の貫通孔521を有する。複数の貫通孔521は容器501の短手方向に並んでいる。この貫通孔521が、図18で示した気相流路506’となり、貫通孔521の間が補強部520となる。貫通孔521の数、すなわち補強部520の数は、適宜設定されてよい。
毛細管部材505及び上板部材504の間に補強部520が設けられることで、容器501の耐久性を向上させることができる。例えば、熱輸送デバイス500の内部温度が上昇することで生じる内部圧力により、容器501が変形してしまうのを防止することができる。あるいは、熱輸送デバイス500に作動流体が減圧状態で注入されるときに、圧力により容器501が変形してしまうことを防止することができる。
補強部材519の代わりに、例えば円柱状又は多角柱状の複数の補強部520が、容器501の内部空間502’に設けられてもよい。あるいは上板部材504に複数の補強部520が形成され、その上板部材504と下板部材503とが接合されることで、内部空間502’に補強部520が設けられてもよい。この場合、補強部520は、例えばエッチング、金属メッキ法、プレス加工、又は切削加工等により上板部材504に形成される。上板部材504に複数の補強部520が形成される場合、曲げ加工される際の熱輸送デバイス500の耐久性を向上させることができる。また、補強部材519が用いられないので、部品コストを抑えることができる。
本実施形態に係る熱輸送デバイス500では、毛細管部材505の構成を、第2の実施形態で説明した毛細管部材205と同様な構成とした。しかしながら、上記した他の実施形態に係る毛細管部材の構成も適用可能である。
<第6の実施形態>
図20は、本発明の第6の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。図20では、本実施形態の熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
図20に示すように、本実施形態の熱輸送デバイス600では、容器1の内部空間2’の厚みと略等しい厚みを有する毛細管部材605が設けられる。毛細管部材605は、網目の小さい第1のメッシュ部材607を挟み込むように、網目の大きい第2のメッシュ部材608が折り曲げられることで形成される。第2のメッシュ部材608の折り曲げ方は、第2の実施形態で説明した第2のメッシュ部材208の折り曲げ方と同様である。
所定の厚みを有する第1及び第2のメッシュ部材607及び608を選ぶことで、毛細管部材605の厚みが容器1の内部空間2’の厚みと略等しくされる。あるいは、下板部材3の側壁18の高さを適宜設定し、毛細管部材605の厚みと内部空間2’の厚み(側壁18の高さ)とを略等しくさせてもよい。
この熱輸送デバイス600では、容器1の内部空間2’の厚みと毛細管部材605の厚みとが略等しいので、図20に示すように、容器1の内部空間2’全体に毛細管部材605が設けられる。これにより容器1の耐久性を向上させることができ、容器1が変形してしまうことを防止することができる。また容器1の耐久性を向上させるための他の部材を内部空間2’に設ける必要がないので、部品コストを抑えることができ、また短時間で作業性よく熱輸送デバイス600を製造することができる。
また本実施形態では、網目の大きい第2のメッシュ部材608が気相流路608’となり、第1のメッシュ部材607が液相流路607’となる。上記の第1の実施形態で説明したように、気相流路としてメッシュ部材が用いられる場合、メッシュ部材の網目が大きい方が、気相流路の毛細管半径rvが大きくなる。そして気相流路の毛細半径rvが大きくなれば最大熱輸送量Qmaxが大きくなる。従って、網目の大きい第2のメッシュ部材608を気相流路608’として用いることで、熱輸送デバイス600の熱輸送性能を向上させることができる。
なお上記した第1〜第4の実施形態でも、毛細管部材の厚みと、容器の内部空間の厚みとを略等しくさせることで、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
<第7の実施形態>
図21は、本発明の第7の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な断面図である。図22は、本実施形態の毛細管部材の形成方法を説明するための図である。図21では、本実施形態の熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の断面図が示されている。
図21に示すように、本実施形態の熱輸送デバイス700では、容器1の内部空間2’の厚みと略等しい厚みを有する毛細管部材705が設けられる。網目の大きい毛細管部材705の第2のメッシュ部材708が気相流路708’となり、この第2のメッシュ部材708に複数の貫通孔722が形成される。
図22(A)に示すように、上面から見た内部空間2’の大きさの略2倍に相当する面積を有する第2のメッシュ部材708を準備する。第2のメッシュ部材708は、右側領域R2、左側領域L2、及び中央領域C2の3つの領域を有しており、右側領域R2及び左側領域L2には、複数の貫通孔722が形成される。複数の貫通孔722は、例えば抜き型等で簡単に形成することができる。そして、第2のメッシュ部材708の中央領域C2に、内部空間2'の形状と略等しい形状に形成された、第1のメッシュ部材707が載置される。第1のメッシュ部材707は、短手方向で対向する一対の端部717a及び717bを有する。
図22(B)に示すように、第1のメッシュ部材207を挟み込むように、第2のメッシュ部材208が折り曲げられる。これにより、第1のメッシュ部材707の端部717a及び717bが、第2のメッシュ部材708の折り曲げられた部分709a及び709bにより覆われる。また、複数の貫通孔722が形成された、第2のメッシュ部材708の右側領域R2及び左側領域L2が、第1のメッシュ部材707上に積層される。
気相流路708’となる第2のメッシュ部材708に、複数の貫通孔722が形成されることで、気相流路708’の毛細管半径rvが実質的に広げられる。これにより熱輸送デバイス700の最大熱輸送量Qmaxを向上させることができる。
なお上記した各実施形態でも、折り曲げられる第2のメッシュ部材に貫通孔を形成することで、熱輸送デバイスの熱輸送性能を向上させることができる。また挟み込まれる第1のメッシュ部材に貫通孔が形成されてもよい。
<第8の実施形態>
図23は、本発明の第8の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な斜視図である。図24は、本実施形態の熱輸送デバイスの製造方法を説明するための図である。図24では、本実施形態の熱輸送デバイスを短手方向に沿って切断した場合の(B−B線での)断面図が示されている。
図23に示すように、本実施形態の熱輸送デバイス800は、1つの板部材823が折り曲げられることで形成される容器801を有している。板部材823は、典型的には、無酸素銅、タフピッチ銅、あるいは銅合金で構成される。しかしこれに限られず、板部材823として、銅以外の金属や、樹脂、その他熱伝導率の高い材料が用いられてもよい。
図24(A)に示すように、平板状の板部材823を準備する。板部材823は、両端に接合領域Sを有し、板部材823の略中央の折り曲げ領域Uで折り曲げられる。板部材823を折り曲げ易くするために、折り曲げ領域Uに、例えば溝や開口等が形成されてもよい。
図24(B)に示すように、板部材823が所定の角度まで折り曲げられると、折り曲げられた板部材823の間に、第1の実施形態で説明した毛細管部材5が載置される。毛細管部材5は、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9が板部材823の接合領域Sに沿って配置されるように、板部材823の間に載置される。従って、第1のメッシュ部材7の端部17b及び第2のメッシュ部材8の一対の端部16a及び16bは、板部材823の折り曲げ領域Uと対向するように配置される。これにより、第1及び第2のメッシュ部材7及び8の各端部にてほつれたワイヤが、板部材823の接合領域Sに入り込むことを防止することができる。
板部材823の折り曲げが開始される前に、毛細管部材5が板部材823上に載置されてもよい。例えば、第2のメッシュ部材8の折り曲げられた部分9が、図24(A)に示す左側の接合領域Sに沿って配置されるように、毛細管部材5が板部材823上に載置されてもよい。
図24(C)に示すように、板部材823がさらに折り曲げられ、接合領域Sにおいて例えば拡散接合等により接合される。なお、本実施形態では、第1の実施形態の毛細管部材5が用いられるが、上記で説明した他の実施形態の毛細管部材が用いられてもよい。
本実施形態の熱輸送デバイス800では、1つの板部材823が折り曲げられて容器801が形成されるので、部品数が減り、コストを削減することができる。また、複数の部材により容器が構成される場合において、それら各部材の所定の位置決め精度が必要となるが、本実施形態では、そのような高い位置決め精度は不要である。
<第9の実施形態>
図25は、本発明の第9の実施形態に係る熱輸送デバイスを示す模式的な斜視図である。図26は、本実施形態の毛細管部材の形成方法を説明するための図である。
図25に示すように、本実施形態の熱輸送デバイス900は、外形がL字形状となる容器901を有している。容器901の内部空間もL字形状となり、以下、このL字形状の内部空間に設けられる、本実施形態の毛細管部材905の形成方法を説明する。
図26(A)に示すように、右側領域R2と左側領域L2とを有する第2のメッシュ部材908を準備する。右側領域R2の形状は、容器901の内部空間の形状に略等しくL字形状である。左側領域L2の形状は、図26(A)で見て右側領域R2と左右が逆となるようなL字形状である。
図26(B)に示すように、第2のメッシュ部材908の右側領域R2に、容器901の内部空間の形状に略等しい、L字形状を有する第1のメッシュ部材907が載置される。第1のメッシュ部材907は、第2のメッシュ部材908の右側領域R2と重なるように載置される。また第1のメッシュ部材907の端部917aが、第2のメッシュ部材908の略中央に配置される。
図26(C)に示すように、第1のメッシュ部材907の端部917aを覆うように、第2のメッシュ部材908が折り曲げられる。これにより第1のメッシュ部材907が、第2のメッシュ部材908の右側領域R2及び左側領域L2により挟み込まれ、本実施形態のL字形状でなる毛細管部材905が形成される。
ここで、本実施形態に係る毛細管部材905の他の実施例を説明する。図27は、他の実施例の毛細管部材955の形成方法を説明するための図である。
図27(A)に示すように、複数の折り返し領域Oが形成された第2のメッシュ部材958上に、容器901の内部空間の形状に略等しい、L字形状を有する第1のメッシュ部材957が載置される。第2のメッシュ部材958の複数の折り返し領域Oは、第1のメッシュ部材957の各端部917に対応するように設けられる。各折り返し領域Oの間には、切り欠き924又は切り込み925が形成される。
図27(B)に示すように、第2のメッシュ部材958の各折り返し領域Oが、第1のメッシュ部材957に積層されるように、第2のメッシュ部材958が折り曲げられる。これにより第1のメッシュ部材957が挟み込まれ、第1のメッシュ部材957の各端部917が第2のメッシュ部材958の各折り返し領域Oにより覆われる。
以上、本実施形態では、熱輸送デバイス900の容器901の形状に応じて、折り曲げられる第2のメッシュ部材908(958)の形状を適宜設定し、例えば上記の折り返し領域Oを形成する。これにより、容器901の形状に応じた、所期の形状を有する毛細管部材905(955)を形成することができる。
<第10の実施形態>
図28は、本発明の第10の実施形態に係る電子機器を示す模式的な斜視図である。本実施形態の電子機器150は、上記で説明した各実施形態の熱輸送デバイスを備えるものである。本実施形態では、電子機器150として、ノート型PC(Personal Computer)を例に挙げて説明する。
電子機器150は、本体151と、本体に接続された表示部152とを有している。本体151及び表示部152はヒンジ153を介して接続され、表示部152が本体151に対して開閉(折り畳み)可能である。
本体151には、キーボード154及びタッチパッド155が設けられる。また本体151の内部には、CPU等の電子回路部品156が搭載された図示しない制御回路基板が設けられる。
表示部152の内部には、表示部152の画面157に光を照射するエッジライト型のバックライト158が設けられる。図28に示すように、バックライト158は、表示部152の上下方向にそれぞれ配置される。バックライト158は、例えば、銅板上に複数の白色LED(Light Emitting Diode)が配置されて形成される。
本実施形態では、本体151の内部に熱輸送デバイス1000が設けられ、電子回路部品156に接触される。又は、表示部152の内部において、バックライト158を形成する銅板と接するように熱輸送デバイス1000が配置されていてもよい。この場合、図28に破線で示すように、複数の熱輸送デバイス1000が表示部152の内部に設けられる。複数の熱輸送デバイス1000は、その長手方向が表示部152の上下方向に沿うようにそれぞれ縦向きで配置される。
上記の各実施形態で説明したように、熱輸送デバイス1000は高い熱輸送性能を有しているので、電子回路部品156やバックライト158等で発生した熱を、速やかに電子機器150の外部へ放出することができる。従って、電子回路部品156やバックライト158等で発生した熱により、電子機器150に不具合が生じてしてしまうことを防ぐことができる。また、熱輸送デバイス1000により、本体151、又は表示部152の内部の温度を均一にすることができるため、低温火傷を防止することができる。
本実施形態では、電子機器150としてノート型PCを例に挙げて説明したが、これに限られない。電子機器150としては、例えばオーディオ/ビジュアル機器、ディスプレイ装置、プロジェクタ、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、ロボット機器、PDA(Personal Digital Assistance)、電子辞書、カメラ、携帯電話その他の電化製品等が挙げられる。
<変形例>
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
例えば、図13に示す第3の実施形態以外の各実施形態において、網目が大きい第1のメッシュ部材と、網目が小さい第2のメッシュ部材とが用いられてもよい。すなわち、メッシュナンバーが小さい第1のメッシュ部材と、メッシュナンバーが大きい第2のメッシュ部材が用いられてもよい。このような第1及び第2のメッシュ部材が用いられても、上記で説明した各実施形態と同様な効果が得られる。例えば、図20で示す第6の実施形態に係る毛細管部材605では、網目が大きい第1のメッシュ部材607を気相流路とし、編み目が小さい第2のメッシュ部材608を液相流路とすればよい。
図28に示すように、電子機器150において表示部152が開いた状態であるとき、表示部152の下側のバックライト158に設けられる熱輸送デバイス1000は、熱輸送デバイス1000の下側の端部にてバックライト158と接触される。このように、縦に配置された熱輸送デバイスの下側の端部にて熱源が接触される場合、熱輸送デバイスはボトムヒートモードとなる。この場合では、液相の作動流体の移動が重力により促される。
一方、縦に配置された熱輸送デバイスの上側の端部に熱源が接触される場合、熱輸送デバイスはトップヒートモードとなる。この場合、液相の作動流体が重力に逆らって移動することになるので、液相の作動流体に高い毛細管力を作用させなければならない。
このように、配置される熱輸送デバイスの向きや、熱源との接触位置等により、熱輸送デバイスに求められる特性が変わる。液相の作動流体に作用させる毛細管力を大きくするのか、あるいは、気相の作動流体の気相流路を大きくするのか、といったことを考慮しつつ、熱輸送デバイスに求められる特性に応じて、第1及び第2のメッシュ部材のメッシュナンバーを適宜選択すればよい。
図29及び図30は、第1の実施形態に係る熱輸送デバイス100の変形例を示す図である。この熱輸送デバイス100では、1つのメッシュ部材107が折り曲げられることで毛細管部材105が形成される。図29及び図30に示すように、メッシュ部材107の折り曲げ方は適宜設定されてよい。
このように1つのメッシュ部材107が折り曲げられることで、容器1の内部空間2’を占める毛細管部材105の割合を大きくすることができる。これにより熱の輸送効率を向上させることができる。また複数のメッシュ部材が積層される際の位置合わせが不要となり、熱輸送デバイス100の製造における作業性が向上する。さらにメッシュ部材のワイヤが、容器1の接合領域Sに入り込むことを防ぐことができ、高い熱輸送性能を有する熱輸送デバイス100を、短時間で作業性よく製造することができる。
1、501、801、901…容器
2’、502’…内部空間
3、503…下板部材
4、504…上板部材
5、205、305、405、505、605、705、905、955…毛細管部材
5’…液相流路
6’、506’、608’、708’…気相流路
7、207、307、407、607、707、907、957…第1のメッシュ部材
8、208、308、408、608、708、908、958…第2のメッシュ部材
9、209a、209b、409a、409b、709a、709b…第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分
12…第1のメッシュ部材の網目
15…第2のメッシュ部材の網目
16a、16b、216a、216b、416a、416b…第2のメッシュ部材の端部
17a、17b、217a、217b、317a、317b、417a、417b、717a、717b、917a、917…第1のメッシュ部材の端部
100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000…熱輸送デバイス
150…電子機器
156…電子回路部品
158…バックライト
823…板部材
999…熱源
S…接合領域
1…第1のメッシュ部材の網目の大きさ
2…第2のメッシュ部材の網目の大きさ

Claims (13)

  1. 相変化することで熱を輸送する作動流体と、
    第1の大きさの網目を有する第1のメッシュ部材と、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有し前記第1のメッシュ部材を挟み込むように折り曲げられた第2のメッシュ部材とを含み、前記作動流体に毛細管力を作用させる毛細管部材と、
    前記作動流体と前記毛細管部材とを収容する容器と
    を具備する熱輸送デバイス。
  2. 請求項1に記載の熱輸送デバイスであって、
    前記第1のメッシュ部材は、端部を有し、
    前記第2のメッシュ部材は、前記端部を覆うように折り曲げられる
    熱輸送デバイス。
  3. 請求項2に記載の熱輸送デバイスであって、
    前記第1のメッシュ部材は、対向する一対の前記端部を有し、
    前記第2のメッシュ部材は、前記一対の前記端部をそれぞれ覆うように折り曲げられる
    熱輸送デバイス。
  4. 請求項3に記載の熱輸送デバイスであって、
    前記第1の大きさは、前記第2の大きさよりも小さい熱輸送デバイス。
  5. 請求項4に記載の熱輸送デバイスであって、
    液相の前記作動流体が移動する液相流路と、気相の前記作動流体が移動する気相流路とをさらに具備し、
    前記容器は、前記毛細管部材の厚みと等しい厚みとなる内部空間を有し、
    前記毛細管部材は、前記液相流路となる前記第1のメッシュ部材と、前記気相流路となる前記第2のメッシュ部材とを有する
    熱輸送デバイス。
  6. 請求項1に記載の熱輸送デバイスであって、
    前記第1及び前記第2のメッシュ部材は、相互に挟み込まれるように折り曲げられる熱輸送デバイス。
  7. 請求項2に記載の熱輸送デバイスであって、
    前記容器は、相互に接合される第1の部材と第2の部材とを有し、
    前記毛細管部材は、前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記第1及び前記第2の部材の接合部分に沿って配置されるように、前記容器に収容される
    熱輸送デバイス。
  8. 請求項2に記載の熱輸送デバイスであって、
    前記容器は、折り曲げられて接合されることで前記容器を形成する1つの板部材を有し、
    前記毛細管部材は、前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記板部材の接合部分に沿って配置されるように、前記容器に収容される
    熱輸送デバイス。
  9. 相変化することで熱を輸送する作動流体と、
    第1の方向で並ぶ網目を有する第1のメッシュ部材と、前記第1の方向と異なる第2の方向で並ぶ網目を有し前記第1のメッシュ部材を挟み込むように折り曲げられた第2のメッシュ部材とを含み、前記作動流体に毛細管力を作用させる毛細管部材と、
    前記作動流体と前記毛細管部材とを収容する容器と
    を具備する熱輸送デバイス。
  10. 第1の大きさの網目を有する第1のメッシュ部材が挟み込まれ前記第1のメッシュ部材の端部が覆われるように、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有する第2のメッシュ部材を折り曲げ、熱輸送デバイスに用いられる毛細管部材を作成し、
    前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記熱輸送デバイスの容器を構成する第1の部材の接合領域に沿って配置されるように、前記第1の部材上に前記毛細管部材を載置し、
    前記第1の部材の前記接合領域に、前記容器を構成する第2の部材を接合することで、前記毛細管部材を収容する前記容器を形成する
    熱輸送デバイスの製造方法。
  11. 第1のメッシュ部材が挟み込まれ前記第1のメッシュ部材の一対の端部が覆われるように第2のメッシュ部材を折り曲げ、熱輸送デバイスに用いられる毛細管部材を作成し、
    前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記熱輸送デバイスの容器を構成する第1の部材の接合領域に沿って配置されるように、前記第1の部材上に前記毛細管部材を載置し、
    前記第1の部材の前記接合領域に、前記容器を構成する第2の部材を接合することで、前記毛細管部材を収容する前記容器を形成する
    熱輸送デバイスの製造方法。
  12. 第1の大きさの網目を有する第1のメッシュ部材が挟み込まれ前記第1のメッシュ部材の端部が覆われるように、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有する第2のメッシュ部材を折り曲げ、熱輸送デバイスに用いられる毛細管部材を作成し、
    前記第2のメッシュ部材の折り曲げられた部分が、前記熱輸送デバイスの容器を構成する1つの板部材の接合領域に沿って配置されるように、前記板部材上に前記毛細管部材を載置し、
    前記板部材を折り曲げて前記接合領域で接合することで、前記毛細管部材を収容する前記容器を形成する
    熱輸送デバイスの製造方法。
  13. 熱源と、
    相変化することで熱を輸送する作動流体と、
    第1の大きさの網目を有する第1のメッシュ部材と、前記第1の大きさと異なる第2の大きさの網目を有し前記第1のメッシュ部材を挟み込むように折り曲げられた第2のメッシュ部材とを含み、前記作動流体に毛細管力を作用させる毛細管部材と、
    前記熱源に接触するように設けられ、前記作動流体と前記毛細管部材とを収容する容器とを有する熱輸送デバイスと
    を具備する電子機器。
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