JP2011084539A - 化粧料および化粧料シート - Google Patents

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Abstract

【課題】植物由来エキス含有化粧料として、保湿機能のあるヒアルロン酸の産生を促進させうる化粧料を提供する。
【解決手段】ヒアルロン酸産生作用を有する化粧料原料としてビワ種子エキスを含有させた構成とする。このビワ種子エキスを含有させた化粧料には、ポリオールを加えるのが好ましく、またピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素、グルコサミン、N−アセチルグルコサミンの1種または2種以上を配合するのが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、植物由来エキスを用いた化粧料(植物エキス含有化粧料)および化粧料シートに関する。
皮膚の最も外側の組織は表皮と呼ばれ、その下には真皮と呼ばれる組織があるが、この真皮のたるみや弾性力の低下が「しわ」や「たるみ」の主な原因であると言われている。真皮には、コラーゲンと呼ばれるタンパク質を主成分とする膠原線維や、エラスチンと呼ばれるタンパク質を主成分とする弾性線維などが存在しており、これらの線維の間は基質と呼ばれる物質で埋められている。このような基質の一つに保湿機能を有するヒアルロン酸がある。ヒアルロン酸はもともと体内で作られているが、ヒアルロン酸自体が大変壊れやすく、また体内で作られるヒアルロン酸の量が加齢とともに減少するという特徴がある。保湿機能を持つヒアルロン酸が減少すると、その影響で肌の保水力、張りが失われ、「しわ」や「たるみ」の発生、肌の老化をひき起こすようになる。
また、例えば紫外線を浴びると、皮膚の細胞中に活性酸素やフリーラジカルが発生し、これらが脂質やタンパク質、DNAなどを攻撃して、脂質の過酸化、ヒアルロン酸の減少、コラーゲンやエラスチンの変性、DNAの損傷を引き起こし、光老化、「しわ」の発生につながると考えられている。この場合、抗酸化剤を用い、活性酸素やフリーラジカルの発生を阻止しまたはこれらを除去することができれば、酸化傷害を最小限に抑えることができて皮膚の老化防止になると考えられる。
上記のような皮膚へのダメージを予防して皮膚を健常に保つための化粧品としてスキンケア化粧品があるが、この種のスキケンケア化粧品に用いられる化粧料として、従来から様々な植物エキスを含有する化粧料が提案されている。例えば、特許文献1では、ビワ(学名:Eriobotrya Japonica)の種子(ビワ核)より抽出したエキス(ビワ種子エキス)に抗酸化活性があること(特許文献2参照)に着目して、これを美白用の化粧料原料として用いることが提案されている。
特開2007−131602号公報 特開2003−246745号公報
しかしながら、従来の植物エキス含有化粧料においては、上記のような皮膚組織におけるヒアルロン酸の減少に対処すべく化粧料成分中にヒアルロン酸を含ませたものは見受けられるものの、ヒアルロン酸の産生自体を促すという点で有効な植物エキス成分を配合したものはなかった。すなわち、従来においては、ヒアルロン酸の減少による肌の保水力の低下や張りの低下を抑制するためにヒアルロン酸の産生促進といった点で十分な機能を有する植物エキス含有化粧料は未だ提供されていない。このため、より機能的な植物由来エキスを配合した化粧料が求められていた。
一方、上記のビワ種子エキスについては、抗酸化活性を有することは確認されているものの、それ以外の作用や機能については不明な点が多かった。加えて、以下のような点も問題となっていた。すなわち、ビワ種子エキスを液状の化粧料の成分として配合した場合に、他の成分と混ざりにくいために沈殿や濁りが生じることがあった。また、配合した直後には濁りが生じない場合でも、経時変化によって数カ月後に濁りが生じるなど、製品としての安定性に問題があった。さらに、ビワ種子エキス単独では、その成分が皮膚に浸透しにくいため、ビワ種子エキスの抗酸化活性等の機能が十分に発揮されているとはいえなかった。
本発明は、上記のような問題に対処するもので、植物由来エキス含有化粧料として、ヒアルロン酸の産生を促進させうる化粧料を提供するとともに、これを用いた化粧料シートを提供することを第1の目的とする。また、そのような化粧料等として、安定性に優れ、植物由来エキス成分と他の成分との調合が可能であり、かつ、当該植物由来エキス成分の効果を十分に発揮できる化粧料等を実現することを第2の目的とする。
本発明者らがビワ種子エキスのもつ各種の機能や作用について調べたところ、ビワ種子エキスには、上述した抗酸化活性以外にヒアルロン酸の産生作用があることが判明した。
また、本発明者らは、ビワ種子エキスを化粧料原料として使用するために他の化粧料原料との相溶性や安定性を向上させる手段について研究した。その結果、ポリオールはビワ種子エキスとの相溶性が良く、ビワ種子エキスとあわせて配合することで、調合後の安定性が保たれることが明らかとなった。さらに、ポリオールはビワ種子エキスの成分の効果を発揮させやすくし、肌への浸透性を良くする効果があること、ポリオールの中でも抗菌防腐剤となるものを用いることで他の防腐剤の使用量を減らすことが可能であること等の知見を得た。
本発明に係る化粧料は、このような知見に基づいて完成したもので、ヒアルロン酸産生作用を有する化粧料原料としてビワ種子エキスが含有されていることを特徴とするものである。
本発明に係る化粧料には、ビワ種子エキスと他の化粧料原料との相溶性や安定性を向上させる観点から、当該ビワ種子エキスとともにポリオールを含有させるのが好ましい。
本発明に係る化粧料には、後述するように、保湿性を高め、皮膚機能を正常に維持するために、天然保湿成分であるピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素、グルコサミン、N−アセチルグルコサミンの1種または2種以上を加えるのが好ましい。
本発明に係る化粧料シートは、上記のような化粧料を、吸液性を有するシートに含浸させて成るものである。化粧料は、吸液性を有するシートに含浸させる際には液状であるが、含浸後の状態は必ずしも液状である必要はなくジェル状となっていてもよい。ジェル状にする場合には、吸液性を有するシートに含浸させる前の工程において予め化粧料にゲル剤を配合しておく。
本発明の化粧料においては、ヒアルロン酸産生作用を有する化粧料原料としてビワ種子エキスが含有されているので、当該ビワ種子エキスのヒアルロン酸産生作用によって皮膚組織におけるヒアルロン酸の産生を促進させることができる。その結果、保水機能を持ったヒアルロン酸の減少による「しわ」の発生、張りの低下、肌の老化を抑制し、肌を美しく、潤いのある状態に保つことができる。
また、化粧料中にビワ種子エキスのみならずポリオールを含有させた場合には、調合後も濁りが生じないなど安定性が高まるとともに、ビワ種子エキスに含まれる成分を十分に肌に浸透させ、これらの作用を有効に発揮させることができる。すなわち、安定性の向上により、ビワ種子エキスと各化粧品原料との調合が可能となるので、ビワ種子エキスのもつ抗酸化活性等を有効に活用した化粧料シートを実現できる。また、ポリオールが含有されていることにより、ビワ種子エキスに含まれる成分を十分に肌に浸透させることができる。
本発明の実施例で行なった、ビワ種子エキスによるコラーゲン産生作用についての試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施例で行なった、ビワ種子エキスによるコラゲナーゼ阻害作用についての試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施例で行なった、ビワ種子エキスによるヒアルロン酸産生作用についての試験の結果を示すグラフである。
本発明で用いるビワ種子エキスは、ビワ(学名:Eriobotrya Japonica)の種子から抽出することにより得られる。抽出溶媒としては、例えば水、1,3−ブチレングリコール、エタノール、グリセリン等を単独でもしくは2種以上混合した状態で使用することができる。以下にビワ種子エキスの製造方法の具体例を示す。
ビワの実の部分を取り除いた種子を洗浄、乾燥する。洗浄は水洗でよいが、必要に応じて消毒洗浄してもよい。乾燥は天日干しで行ない、時間短縮のため送風乾燥してもよい。このとき、十分に乾燥させることが好ましい。次に、洗浄、乾燥させた種子を粉砕する。
粉砕方法は特に限定されず、ボールミル、ハンマーミル、ローラーミル、ロッドミル、サンプルミル、スタンプミル、ディスインテグレーター、乳鉢などの公知の粉砕機を用いることができる。粉砕する種子の粒径も特に限定されないが、できるだけ細かいことが好ましい。粒径が細かいと、エキスが抽出しやすくなるからである。
種子を粉砕したあと、これを溶媒に浸潰する。溶媒としては、水、エタノール、メタノール、ヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、アセトンなどを使用でき、所望とする効果に対応して適宜溶媒を設定することができる。本発明では、特に化粧料原料として用いるため、エタノールまたは水が好適である。溶媒の量としては、十分にエキスを抽出できるだけの量があればよく、例えば種子1kgに対して1〜5リットルを目安とすればよい。浸漬は基本的には静置状態で行なえばよいが、必要に応じて時々攪拌する。
浸漬により十分にエキスが抽出できたら浸漬液の上澄み部分を採取し、エバポレータなどを用いて溶媒を蒸発させて濃縮し、この濃縮ビワ種子エキス液を所定量の水に溶解することでビワ種子エキスを得ることができる。
ビワ種子エキス中には、β−シトステロール、β−シトステロール−3−O−モノグルコシド、リノール酸、リノレン酸、アミグダリン、安息香酸、ポリフェノール、アミノ酸(プロリン、アラニン、グルタミン酸、スレオニン、アスパラギン酸、ロイシン、バリン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、セリン、メチオニン、トリプトファン、シスチン)、マンデロニトリル、ベンズアルデヒドなどの多様な成分が含有されている。
ビワ種子エキスには、表1に例示するように、アミノ酸が豊富に含まれており、皮膚になじみやすい遊離アミノ酸として存在し、特に遊離のプロリンが多く含まれている。プロリンは、コラーゲンの主要要素で、結合組織・心筋の合成時の主な材料となるアミノ酸の一種である。アラニン、グルタミン酸、スレオニン、アスパラギン酸、プロリンは皮膚に潤いをもたらす天然保湿成分(NMF)として最も重要なアミノ酸のひとつであるとも言われている。本発明に係るビワ種子エキスを含有する化粧料は、当該エキス中に上記のような遊離アミノ酸が含まれていることよって、肌のハリ、潤いに効果があると考えられる。
Figure 2011084539
天然保湿成分(NMF)は皮膚の角質層成分であり、NMF(天然保湿因子)の組成は、アミノ酸40%、PCA(ピロリドンカルボン酸)12%、乳酸塩12%、尿素7%、NH3 ,尿酸,グルコサミン,クレアチニンを合計で1.5%、Na,K,Ca,PO4 ,Clなどの無機塩類18.5%、クエン酸塩0.5%、糖,有機塩,ペプチドなど8.5%である。天然保湿因子は、肌の水分量を高めて皮膚機能を正常に維持し、外敵から守るバリア機能の働きがある。
本発明の化粧料には、保湿性を高め、皮膚機能を正常に維持するために、天然保湿成分であるピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素、グルコサミン、N−アセチルグルコサミンの1種または2種以上を加えることができる。
ピロリドンカルボン酸塩は、保湿効果があるため、保湿剤として化粧品に配合されている。しかし、高い保湿効果を得るためにピロリドンカルボン酸塩を多量に配合すると、べたつきが出たり、皮膚に赤みが生じるという問題があった。ピロリドンカルボン酸塩として、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸カリウム等を用いることができる。
乳酸塩は、おだやかな角質柔軟化作用、収斂作用が確認されているだけでなく、吸湿性をもち、抗菌作用も認められるため広く化粧品に応用されている。乳酸塩として、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、乳酸カルシウム等を用いることができる。
尿素は、角質層柔軟効果、肌荒れ改善効果があることが知られており、化学式H2 NCONH2 で表される。
グルコサミンは肌のヒアルロン酸を作る物質であり、本発明では、グルコサミンまたは、より吸収しやすいN−アセチルグルコサミンを用いることができる。
ビワ種子エキスには、18種類のアミノ酸が含有されており、特に天然保湿成分となるプロリン、アラニン、グルタミン酸を多く含む。特にプロリンは、ピロリドンカルボン酸塩と合わせて配合することで、保湿作用が高まることが知られている。よって、ビワ種子エキスとピロリドンカルボン酸塩を合わせて配合することで、ピロリドンカルボン酸塩を多量に加えなくても、高い保湿作用を得ることができる。また、ピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素、グルコサミン、N−アセチルグルコサミンの1種または2種以上とビワ種子エキスとを合わせることで、保湿効果、肌のハリがより向上することが分かった。
本発明の化粧料に配合させるピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、グルコサミン、N−アセチルグルコサミンの量は、各々当該化粧料(液体)の総量を基準として、0.01〜20重量%であり、これより少ないと、保湿効果が弱くなる恐れがあり、多いとべたつきを生じる可能性がある。好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。本発明の化粧料に配合させる尿素の量は、各々当該化粧料(液体)の総量を基準として、0.01〜3重量%であり、好ましくは0.05〜2.5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。
ビワ種子エキスに含まれるβ−シトステロールは、植物ステロールの一種であり、フィトケミカルの一つである。β−シトステロールには抗酸化作用があると考えられており、ビワ種子エキス含有化粧料は、ビワ種子エキスに含まれるβ−シトステロールによって、活性酸素による皮膚の老化を抑えるために有効であると考えられる。
本発明の化粧料は、まずは液体の化粧料として調整される。その場合のビワ種子エキスの配合量は、当該化粧料(液体)の総量を基準として、0.001〜10.0重量%である。これより少ないと上述したビワ種子エキスの効果が得られないおそれがあり、多いと効果が飽和する一方でコストが上昇するので好ましくない。ビワ種子エキスの配合量は、好ましくは0.005〜5.0重量%、より好ましくは0.01〜2.0重量%である。
本発明の化粧料に含有させるポリオールの量は、当該化粧料(液体)の総量を基準として、0.01〜20.0重量%である。これより少ないと上述したポリオール配合による安定効果が得られないおそれがあり、多いと他の成分とのバランスが崩れて化粧料全体としての特性(例えば使用感)が損なわれるおそれがある。ポリオールの配合量は、好ましくは0.1〜15.0重量%、より好ましくは0.5〜10.0重量%である。
本発明に用いるポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール)、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール(1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール)、3−ブテン−1,2−ジオール、ペンチレングリコール(1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール)、ヘキシレングリコール(1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール)、1,2−オクタンジオール、1,8―オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、イソペンチルジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、イノシトール、エリスリトール、キシリトール、グルコース、スクロース、ソルビトール、トレハロース、乳糖、フルクトース、マルチトール、マルトース、マンニトール、ラクチトール、キシリチルグルコシド、キシロース、無水キシリトール、ラフィノース、ペンタエリスリトール及びその誘導体などのポリオールが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明に係る化粧料シートは、吸液性を有するシートに上記の化粧料(液体)を含浸させることによって得られる。この場合のシートとしては、天然繊維又は合成繊維の不織布からなるシートが望ましいが、これに限定されるものではない。すなわち、吸液性を有するものであれば特に限定されず、脱脂綿や織布、発泡体のいずれをも使用することができる。例えば、レーヨン、アセテート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン、コットン、又はこれらを混合した繊維の不織布もしくは織布が挙げられる。
本発明において、吸液性を有するシートへの化粧料の含浸率は、使用時の感触の良さという点から、前記シートの20〜500重量%が好ましく、50〜400重量%がより好ましい。
化粧料は、吸液性を有するシートに含浸された状態で、ジェル状となっていてもよい。その場合、化粧料が含浸されているジェル状シート層の上にジェル状の化粧料のみからなるジェル状非シート層が連続して形成されている構造となっていてもよい。化粧料をジェル状にする場合には、吸液性を有するシートに含浸させる前の工程において予め化粧料にゲル剤を配合する。この場合のゲル剤としては、例えば、カルボキシル基含有ポリマー(ポリアクリル酸やその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等の水溶性高分子など)を多価金属塩(水酸化アルミニウムなど)で架橋したものを使用することができる。
本発明に係る化粧料シートは、例えば、ウェットシート、メイク落としシート、制汗シート、清拭シート、フェイスマスク、アイマスク等に適用することができる。さらに化粧料にゲル剤を配合しジェル状とすることで、化粧料シートから含浸液が垂れ落ちることなく、肌との密閉性が良くなり、成分が浸透し、保湿効果が高まる。また、フェイスマスクにすることで、顔の皮膚にビワ種子エキスの成分を浸透させ、肌の老化を予防することができる。
なお、上記の各成分以外に、通常化粧料に用いられる油剤、色素、香料、防腐剤、顔料、界面活性剤、抗酸化剤、粉体、樹脂、粘剤、中和剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、塩類、溶媒、保湿剤、生理活性成分、酸化防止剤、キレート剤等の成分を適宜添加して使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
〔製造例1〕
「ビワ種子エキスの製造」
ビワの種子2kgを洗浄し、7 日間天日干しした後、粉砕した。このビワ種子1kgを乾燥させ、70%エタノール2Lを加え、3時間攪拌した。これの上澄み部分を採取し、エバポレータを用いて約130gになるまで溶媒を蒸発させて濃縮し、得られた濃縮ビワ種子エキス液に水を加え、ビワ種子エキス200mlを得た。
〔試験例1〕
製造例1で得られたビワ種子エキスを試料として用い、ビワ種子エキスによるコラーゲン産生作用についての試験を行なった。
コラーゲンは皮膚を構成する成分であり、皮膚を美しい状態に保つためには重要な成分となるが、その産生は20歳を過ぎると衰えてくる。製造例1で得られたビワ種子エキスを用い、I型コラーゲン産生作用を測定した。5 %仔牛血消(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM)を用いて96穴マイクロプレートに正常ヒト真皮線維芽細胞を2.0×104 cells/wellの細胞密度で播種し、24時間後にビワ種子エキス0.01%および0.19%をそれぞれ含有した各0 .5 %FBS含有DMEMと交換した。陽性コントロールとして、I型コラーゲン合成促進作用を有するアスコルビン酸リン酸マグネシウム塩(VC−PMg)を使用した。48時間培養後、培養上清を回収し、ELISAによってI型コラーゲン産生量を定量した。細胞は0.5%TritonX−100溶液にて溶解後、タンパク質量を定量した。単位タンパク質量あたりのI型コラーゲン産生量は、培地中のI型コラーゲン量/全細胞のタンパク質量で算出した。その結果、図1に示すように、ビワ種子エキスによって真皮線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生量が増加することが明らかとなった。
〔試験例2〕
製造例1で得られたビワ種子エキスを試料として用い、ビワ種子エキスによるコラゲナーゼ阻害作用についての試験を行なった。
5%仔牛血晴(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM)を用いて、正常ヒト線維芽細胞を培養シャーレにほぼコンフルエントになるように播種し、24時間後に100ng/ml IL−1α(Intereukin−1α)および100ng/ml EGF(Epidermal growth factor)を含有したDMEMと交換した。48時間培養後に、培養上清を回収し、トリプシン処理により酵素を活性化した。その後、トリプシンインヒビターによりトリプシンの不活性化を行ない、これをコラゲナーゼ液とした。
コラゲナーゼ液、FITC(Fluorscein isothiocianate)標識I型コラーゲンおよび0.97%ビワ種子エキスをV−bottom96wel plate(V底96穴のマイクロプレート)に入れ、37℃にて2時間酵素反応させた。同様に、コラゲナーゼ液、FITC(Fluorscein isothiocianate)標識I型コラーゲンおよび1.54%ビワ種子エキスをV−bottom96wel plate(V底96穴のマイクロプレート)に入れ、37℃にて2時間酵素反応させた。これらの反応後、それぞれ、遊離するFITCの蛍光強度(励起波長λex=495nm、蛍光λem=520nm)をマイクロプレートリーダーにて測定した。陽性コントロールとして2.5mM EDTA・2Naを用いた。また、コラゲナーゼ活性は1分間に1μgのコラーゲンを分解する酵素活性を1unitとして定義した。その結果、図2に示すように、ビワ種子エキスによって線維芽細胞におけるコラゲナーゼ活性が阻害されることが明らかとなった。
〔試験例3〕
製造例1で得られたビワ種子エキスを試料として用い、ビワ種子エキスによるヒアルロン酸産生作用についての試験を行なった。
ヒアルロン酸は、皮膚、関節液、硝子体、靭帯などの生体に広く分布し、皮膚において、細胞の接着、細胞の保護、皮膚組織の形成、組織の水分保持、柔軟性の維持などを担っている。ヒアルロン酸が減少すると皮膚の潤い、ハリがなくなり、シミやたるみの原因となる。ビワ種子エキスを用い、ヒアルロン酸産生作用を測定した。0 .5 %仔牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM)を用いて96穴マイクロプレートに正常ヒト線維芽細胞を2.0×104 cells/wellの細胞密度で播種し、24時間後にビワ種子エキス0.96%および1.92%をそれぞれ含有した各0.5%FBS含有DMEMと交換した。陽性コントロールとして、5%FBS含有DMEMを使用した。48時間培養後、培養上清を回収し、ELISA(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)によってヒアルロン酸量を定量した。細胞は0.5%TritonX−100溶液にて溶解後、タンパク質量を定量した。単位タンパク質量あたりのヒアルロン酸合成量は、「培地中のヒアルロン酸量/全細胞のタンパク質量」で算出した。その結果、図3に示すように、ビワ種子エキスによって線維芽細胞におけるヒアルロン酸産生量が増加することが明らかとなった。
〔試験例4(実施例1〜6)〕
製造例1で得られたビワ種子エキスを試料として用い、これに各種溶媒を加え、化粧品原料とした。各々を所定温度で一定期間放置した場合の安定性について調べた。
表2に示す配合量(単位は重量%)で各成分を均一に溶解した後、濾紙濾過して、実施例1〜6の試料を作製した。これらの試料を4℃、室温、45℃に8週間静置(各試料を3つ作り、4℃、室温、45℃に1つずつ入れて8週間静置)した後、各試料の透明度、浮遊物の有無を目視で判定した。判定基準は下記の通りである。表2に判定結果を示す。
○:溶解した時と同等の透明度で浮遊物が無い。
△:一部、濁りや浮遊物があるが、室温で消失する。
×:一部、濁りや浮遊物があり、室温に静置しておいても消失しない。
Figure 2011084539
表2の結果から、ビワ種子エキスにポリオールを配合した実施例1(ポリオールとしてグリセリンを配合)、実施例2および実施例4(ポリオールとして1,3−ブチレングリコールを配合)、実施例3(ポリオールとしてプロピレングリコールを配合)では異なる温度下で一定期間経過した後においても透明度の変化や濁り・浮遊物の発生が認められなかったのに対し、ポリオールを配合しなかった実施例5および実施例6では、一部に透明度の変化や濁り・浮遊物の発生が認められたことがわかる。こうして、ビワ種子エキスにポリオールを配合することにより化粧品原料として安定性が保たれることが確認できた。
〔実施例7〜12、比較例1〕
下記の表3に示す分量の原料成分(ビワ種子エキスは先の試験例4で得られた実施例の化粧品原料を使用)をホモミキサーで均一に分散した後、コットンの不織布シート(目付40g/m2 )に含浸させ、実施例7〜12に係る化粧料シートおよび比較例1に係る化粧料シートをそれぞれ作製した。表3における配合量の単位は重量%であり、「適量」とは、処方全体で100重量%になる割合を示す。
Figure 2011084539
(評価試験)
上記の実施例12および比較例1で得られた各フェイスマスクをそれぞれ用い、外部パネラー28名の協力を得て試験を行なった。当該フェイスマスクを洗顔後の顔面に10分間使用した後、パネラーに肌のハリ、潤い、保湿感について以下の基準で評価をしてもらった。先の表3に、その評価結果をあわせて示す。
5点:著効
4点:有効
3点:やや有効
2点:変化なし
1点:劣る
表3を見るとわかるように、肌のハリ、潤い、保湿感のいずれの点においても、実施例12に係るフェイスマスクの方が、比較例1に係るフェイスマスクよりも評価が高かった。こうして、ビワ種子エキスを配合した実施例12に係るフェイスマスク(化粧料シート)については、ビワ種子エキスが配合されていない比較例1に係るフェイスマスクに比べて、肌が潤い、ハリが良くなるとともに、使用後の保湿感が保たれると感じる人が多いことが確認できた。
〔実施例13〜18〕
下記の表4に示す分量の原料成分(ビワ種子エキスは先の試験例4で得られた実施例の化粧品原料を使用)をホモミキサーで均一に分散した後、コットンの不織布シート(目付け40g/m2 )に含浸させ、実施例13〜18に係る化粧料シート(シート状化粧料)をそれぞれ作製した。表4における配合量の単位は重量%であり、「適量」とは、処方全体で100%重量%になる割合を示す。
Figure 2011084539
(評価試験)
表4に示す化粧料シート(シート状化粧料)を女性20名に使用してもらい、表4に示す評価項目について、使用後の「肌のハリ」、「保湿感」について以下の基準で評点をつけた。表4には20名の平均点を示した。
5点:著効
4点:有効
3点:やや有効
2点:変化なし
1点:劣る
表4を見るとわかるように、「肌のハリ」、「保湿感」のいずれの点においても、ビワ種子エキスに加えてピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素およびN−アセチルグルコサミンを含む実施例13に係る化粧料シートが最も評価が高かった。また、ビワ種子エキスに加えてピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素およびN−アセチルグルコサミンのいずれかを含む実施例14〜17に係る化粧料シートは、ピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素およびN−アセチルグルコサミンのいずれをも含まない実施例18に係る化粧料シートよりも評価が高かった。

Claims (7)

  1. ヒアルロン酸産生作用を有する化粧料原料としてビワ種子エキスが含有されていることを特徴とする化粧料。
  2. ポリオールが含有されている、請求項1記載の化粧料。
  3. ピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素、グルコサミン、N−アセチルグルコサミンの1種または2種以上が配合されている、請求項1または2記載の化粧料。
  4. 吸液性を有するシートに請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧料を含浸してなる化粧料シート。
  5. 化粧料は、吸液性を有するシートに含浸された状態で、ジェル状となっている、請求項4記載の化粧料シート。
  6. 吸液性を有するシートは不織布である、請求項4または5記載の化粧料シート。
  7. 顔面の一部または全部を覆いうるフェイスマスクを構成している、請求項4ないし6ののいずれかに記載の化粧料シート。
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