JP2011083097A - サージ電圧確認方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源を必要とする波形観測装置を用いることなく、モータ端にて発生するサージ電圧の大きさを確認することができるサージ電圧確認方法を提供することにある。
【解決手段】サージ電圧確認装置5は、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧を超えて上昇しようとするとその電圧をクランプ電圧に制限するクランプ動作を行うクランプ部6を備えている。モータ3端の各相間にサージ電圧確認装置5を接続した状態でインバータ2によりモータ3を駆動した際、クランプ動作が行われた場合にはクランプ電圧を超えるサージ電圧が発生していると判断し、クランプ動作が行われなかった場合にはクランプ電圧以下のサージ電圧が発生しているか、またはサージ電圧が発生していないと判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧形PWM方式のインバータによりモータが駆動される際に、そのモータ端にて発生するサージ電圧の大きさを確認するサージ電圧確認方法に関する。
電圧形PWM方式のインバータは、矩形波状(パルス状)の電圧を出力する。このような出力電圧は、電圧変化率(dV/dt)が高いため、非常に高い周波数成分を含んでいる。また、インバータの出力電圧は、ケーブルを介してモータに供給される。このようなことから、ケーブルとモータのインピーダンスの相違による反射共振などが原因で、モータ端においてサージ電圧が発生する(例えば、特許文献1参照)。このサージ電圧は、上記ケーブルの長さや種類(インピーダンス)、布設方法などに依存しており、その最大値はインバータの出力端における電圧の2倍以上になることが知られている。上記サージ電圧が原因で、モータの巻線のうち、特にインバータに近い側の巻線部分の絶縁が劣化してしまう。モータ巻線の絶縁劣化が進むと、最悪の場合には絶縁破壊に至る可能性もあり、その場合には非常に危険な状態となる。
そこで、インバータ出力端またはモータ端に、交流リアクトルなどからなるフィルタ装置を取り付け、サージ電圧の発生を抑制することが広く行われている。しかし、サージ電圧の発生状況は、前述したようにケーブルの長さや種類、布設方法などに依存するため、どの程度の容量のフィルタ装置を取り付けるかについて、設置されるインバータやモータの定格のみから決定することはできない。このため、実際に各機器を設置した状態、つまり実際の使用環境におけるサージ電圧の発生状況を確認し、その状況に合わせてフィルタ装置を選定することが費用対効果の面から最も望ましい。
特許第3742636号公報
上記したモータ端に発生するサージ電圧は、マイクロサージとも呼ばれ、そのパルス幅は極めて狭い。このようなサージ電圧の大きさは、携帯型のテスタ(マルチメータ)では確認することができない。このため、オシロスコープなどの波形観測装置を用いてサージ電圧の波形を観測し、その大きさを確認する必要がある。さらに、測定対象のサージ電圧は1000Vを超える電圧であるため、オシロスコープで観測する場合には高耐圧のプローブを用いる必要がある。このようなオシロスコープや高耐圧のプローブは、インバータやモータを設置する場所(例えば製造工場やオフィスビルなど)には無いことが多い。従って、実際の使用環境におけるサージ電圧を確認する際、インバータの製造会社やメンテナンス会社の担当者(測定者)がオシロスコープおよび高耐圧のプローブを持参する必要がある。
また、モータが屋外キュービクル(キュービクル式高圧受電設備)など、インバータが設置される制御盤から離れた場所に設置される場合には以下のような問題が生じる。すなわち、モータ端においてサージ電圧を観測するオシロスコープに対する電源配線を長く引き回す必要がある。電源配線を長い距離にわたって引き回す場合、その作業に手間がかかるとともに、電源配線を介してノイズが侵入する可能性が高くなる。そして、このノイズの影響により、オシロスコープによる観測波形が歪んでしまうおそれがある。このようなノイズ対策のために絶縁トランスを用いることも考えられるが、絶縁トランスは、例えば数キログラム以上の質量であり、測定者が持参する際の負担が増加してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源を必要とする波形観測装置を用いることなく、モータ端にて発生するサージ電圧の大きさを確認することができるサージ電圧確認方法を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明のサージ電圧確認方法は、電圧形PWM方式のインバータによりモータが駆動される際に、そのモータ端にて発生するサージ電圧を確認するサージ電圧確認方法であって、前記モータ端の電圧が所定のクランプ電圧を超えて上昇しようとすると当該モータ端から電流を流すことで当該電圧を前記クランプ電圧に制限するクランプ動作を行うクランプ部を前記モータ端に接続し、前記クランプ部を接続した状態で前記インバータにより前記モータを駆動した際における前記クランプ動作の有無に基づいて前記サージ電圧の大きさを確認することを特徴とする。
上記手段によれば、クランプ部は、モータ端の電圧が所定のクランプ電圧を超えて上昇しようとするとその電圧をクランプ電圧に制限するクランプ動作を行う。このようなクランプ部をモータ端に接続した状態でインバータによりモータを駆動した際、クランプ動作が行われた場合にはモータ端にて生じるサージ電圧が上記クランプ電圧より高い電圧値であることを確認できる。一方、クランプ動作が行われなかった場合にはモータ端にて生じるサージ電圧が上記クランプ電圧以下の電圧値であることを確認できる。
本発明によれば、クランプ部は、モータ端から電流を流すことでモータ端の電圧をクランプ電圧に制限するクランプ動作を行うものであり、電源を必要としない。このようなクランプ部のクランプ動作の有無に基づいてサージ電圧の確認を行うので、電源を必要とする波形観測装置を用いることなく、モータ端にて発生するサージ電圧の大きさを確認することができる。
本発明の第1の実施形態を示すモータ制御装置の概略構成図 サージ電圧確認装置の電気構成を示す図 サージ電圧確認方法のフローチャート 本発明の第2の実施形態を示す図2相当図 本発明の第3の実施形態を示す図2相当図 本発明の第4の実施形態を示す図2相当図 本発明の第5の実施形態を示す図2相当図 本発明の第6の実施形態を示す図2相当図 本発明の第7の実施形態を示す図2相当図 図3相当図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、モータ制御装置の電気構成を概略的に示している。図1に示すモータ制御装置1は、汎用の電圧形インバータ2によりモータ3をPWM駆動して制御するものである。インバータ2の各出力端子には、電圧供給線4u、4v、4wを介してモータ3の各相端子が接続されている。モータ3は、例えば三相の交流モータである。
インバータ2は、直流電源回路、インバータ主回路、ゲート駆動回路、制御部(いずれも図示せず)などから構成されている。直流電源回路は、交流電源より供給される交流を整流および平滑して出力する。インバータ主回路は、スイッチング素子を三相フルブリッジ接続して構成されたものであり、直流電源回路から出力される直流電圧を三相交流電圧に変換する。この三相交流電圧は、インバータ2の負荷であるモータ3に供給される。制御部は、インバータ主回路からパルス幅変調された指定周波数の三相交流電圧が出力されるようにインバータ主回路の各スイッチング素子の駆動をゲート駆動回路を介して制御する。
サージ電圧確認装置5は、モータ3端にて発生するサージ電圧の大きさを確認するために用いられるものである。サージ電圧確認装置5は、端子P1、P2間の電圧を所定のクランプ電圧VCPに制限するクランプ部6を備えている。モータ3端にて発生するサージ電圧の大きさを確認する場合、サージ電圧確認装置5は以下のように接続される。すなわち、電圧供給線4u−4v間のサージ電圧を確認する場合、サージ電圧確認装置5の端子P1が電圧供給線4uに接続されるとともに、同端子P2が電圧供給線4vに接続される(図1参照)。また、電圧供給線4v−4w間のサージ電圧を確認する場合、端子P1が電圧供給線4vに接続されるとともに、端子P2が電圧供給線4wに接続される(図示せず)。また、電圧供給線4u−4w間のサージ電圧を確認する場合、端子P1が電圧供給線4uに接続されるとともに、端子P2が電圧供給線4wに接続される(図示せず)。
図2は、サージ電圧確認装置の具体的な構成を示している。クランプ部6は、トランジスタM1、M2を備えている。トランジスタM1、M2は、Nチャネル型のパワーMOSFETであり、それぞれドレイン・ソース間に接続されたボディダイオードBD1、BD2を備えている。トランジスタM1、M2は、ドレイン・ソース間の耐圧実力値(実力耐圧)が1000V程度のものを選定して使用している。これにより、詳細の動作は後述するが、クランプ部6のクランプ電圧VCPは、約1000Vとなっている。
トランジスタM1、M2(第1、第2のパワーMOSFETに相当)は、いずれもゲート・ソース間が短絡されており、通常はオフ状態に固定されている。トランジスタM1、M2は、各ソースが互いに接続されている。トランジスタM1のドレインはノードNaに接続され、トランジスタM2のドレインはノードNbに接続されている。ノードNa、Nbは、それぞれ端子P1、P2に接続されている。また、トランジスタM1、M2は、放熱器(例えばヒートシンク)に固定されている。
次に、上記構成のサージ電圧確認装置5を用いてモータ3端に発生するサージ電圧を確認する作業について図3のフローチャートも参照して説明する。
このサージ電圧の確認作業は、実際にインバータ2およびモータ3が設置される場所(例えば製造工場)において行われる。従って、この確認作業を行う者(以下、作業者と称す)は、サージ電圧確認装置5を持参して製造工場に行くことになる。なお、以下では、電圧供給線4u−4v間において発生するサージ電圧を確認する作業を例にして説明を行うが、電圧供給線4v−4w間、4u−4w間において発生するサージ電圧についても同様の作業により確認することができる。
電圧供給線4u−4v間のサージ電圧を確認する場合、サージ電圧確認装置5は、図1に示した形態で接続される。このようにサージ電圧確認装置5が接続された状態で、インバータ2によりモータ3を駆動する。このとき、実際の使用時と同じ運転条件(運転周波数など)でインバータ2の運転を行う。なお、複数の運転条件を適宜変更して運用する場合には、各運転条件でそれぞれ以下の確認を行う。
インバータ2を運転している状態で、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCP以下である場合、クランプ部6のトランジスタM1、M2はいずれも通常のオフ状態であり、端子P1、P2間に電流は流れない。すなわち、クランプ部6はクランプ動作を行わない。これに対し、端子P2の電位を基準とした端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPを超えて上昇しようとすると、トランジスタM1がアバランシェ動作を行う。すなわち、ゲート・ソース間が短絡されたトランジスタM1のドレイン・ソース間に電流が流れ、そのドレイン・ソース間電圧が耐圧実力値(=クランプ電圧VCP)で安定する。この際、トランジスタM1のドレイン電流は、ボディダイオードBD2を通じて端子P2へと流れる。このようなクランプ動作が行われることにより、端子P1、P2間の電圧、つまり電圧供給線4u、4v間の電圧は、約1000Vのクランプ電圧VCPに制限される。
また、端子P1の電位を基準とした端子P2、P1間の電圧がクランプ電圧VCPを超えて上昇しようとすると、トランジスタM2がアバランシェ動作を行う。すなわち、ゲート・ソース間が短絡されたトランジスタM2のドレイン・ソース間に電流が流れ、そのドレイン・ソース間電圧が耐圧実力値(=クランプ電圧VCP)で安定する。この際、トランジスタM2のドレイン電流は、ボディダイオードBD1を通じて端子P1へと流れる。このようなクランプ動作により、端子P2、P1間の電圧、つまり電圧供給線4v、4u間の電圧は、約1000Vのクランプ電圧VCPに制限される。
さて、上記したクランプ動作が行われる際、モータ3端に発生するサージ(電圧)のエネルギの大部分は、トランジスタM1、M2の内部で熱エネルギに変換される。従って、クランプ動作が行われることで、トランジスタM1、M2の温度は上昇する。本実施形態では、この点を利用し、以下のようにしてクランプ部6によるクランプ動作の有無を判断している。
すなわち、インバータ2の運転を所定時間(例えば5分)実行した後、運転を停止する。その後、作業者は、トランジスタM1、M2のパッケージまたはトランジスタM1、M2が取り付けられた放熱器に触れてその温度を確認する(触診)。ここで、作業者がパッケージまたは放熱器が暖かくなっていると判断した場合にはトランジスタM1、M2の温度が上昇しているため、クランプ部6によるクランプ動作がなされたと判断する(図3のステップS1で「YES」)。これに伴い、作業者は、電圧供給線4u、4v間にクランプ電圧VCPを超える大きさのサージ電圧が発生していると判断する(ステップS2)。
一方、パッケージまたは放熱器が暖かくなっていないと判断した場合にはトランジスタM1、M2の温度が上昇していないため、クランプ部6によるクランプ動作がなされていないと判断する(図3のステップS1で「NO」)。これに伴い、作業者は、電圧供給線4u、4v間にクランプ電圧VCP以下のサージ電圧が発生しているか、またはサージ電圧が発生していないと判断する(ステップS3)。
以上説明したように、本実施形態のサージ電圧確認装置5は、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPを超えて上昇しようとするとその電圧をクランプ電圧に制限するクランプ動作を行うクランプ部6を備えている。このようなサージ電圧確認装置5を用いて次のようにサージ電圧の大きさを確認することができる。すなわち、モータ3端の各相間にサージ電圧確認装置5を接続した状態でインバータ2によりモータ3を駆動した際、上記クランプ動作が行われた場合にはクランプ電圧VCPを超えるサージ電圧が発生していると判断し、クランプ動作が行われなかった場合にはクランプ電圧VCP以下のサージ電圧が発生しているか、またはサージ電圧が発生していないと判断することができる。
また、クランプ部6は、パワーMOSFETであるトランジスタM1、M2を用いるとともに、各相間の電圧の極性に応じていずれか一方のみがアバランシェ動作するような接続形態として構成し、上記アバランシェ動作が行われることでモータ3端から電流を流してモータ3端の電圧をクランプ電圧VCPに制限する。このため、クランプ部6は、そのクランプ動作を行うために専用の電源を必要としない。このように、本実施形態によれば、電源を必要とする波形観測装置を用いることなく、モータ3端にて発生するサージ電圧の大きさを確認することができる。従って、インバータ2とモータ3とが離れた場所に設置される場合でも、電源配線を引き回す必要がなくなるため、電源配線から侵入するノイズの問題等が発生することがなくなる。
さらに、上記したとおり、クランプ部6は、トランジスタM1、M2という半導体素子を主体として構成されているので、小形且つ軽量にすることができる。従って、このようなクランプ部6を備えたサージ電圧確認装置5についても、小型化および軽量化を容易に図ることができる。このため、サージ電圧確認装置5を確認現場(例えば、製造工場)に運搬する際、その運搬作業の省力化を図ることができる。
(第2の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、サージ電圧確認装置の構成を変更した第2の実施形態について図4を参照しながら説明する。
図4は、第1の実施形態における図2相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のサージ電圧確認装置11は、第1の実施形態のサージ電圧確認装置5に対し、新たに保護部12を備えている点が異なる。
保護部12は、クランプ部6が短絡故障した場合に、端子P1、P2間の通電経路を遮断する保護動作を行うものであり、速断型のヒューズF11により構成されている。ヒューズF11の両端子は、それぞれノードNc、Ndに接続されている。保護部12とクランプ部6とは、端子P1と端子P2の間に直列に接続されている。すなわち、端子P1とノードNcが接続され、ノードNdとノードNaが接続され、ノードNbが端子P2に接続されている。
このように本実施形態のサージ電圧確認装置11は、クランプ部6が故障した場合に、端子P1、P2間の通電経路を遮断する保護動作を行う保護部12を備えている。これにより、トランジスタM1、M2が故障した場合でも、それらが短絡状態となって各相間に過大な短絡電流が流れ続けてしまう事態が防止され、モータ制御装置1のシステム故障を未然に防止できるとともに、作業者の安全を確保することができる。さらに、保護部12が速断型のヒューズF11により構成されているので、故障したクランプ部6が主系統から素早く遮断され、短絡電流によって主系統に及ぼす影響を小さくすることができる。
(第3の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、サージ電圧確認装置の構成を変更した第3の実施形態について図5を参照しながら説明する。
図5は、第1の実施形態における図2相当図であり、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のサージ電圧確認装置21は、第2の実施形態のサージ電圧確認装置11に対し、新たにサーミスタTH21を備えている点が異なる。
サーミスタTH21は、温度が高くなるとその抵抗値が小さくなり、温度が低くなるとその抵抗値が大きくなるように変化するものである。サーミスタTH21は、トランジスタM1、M2のパッケージまたはトランジスタM1、M2が取り付けられる放熱器に接触する位置に設けられる。サーミスタTH21の両端子は、それぞれ端子P21、P22に接続されている。端子P21、P22は、サージ電圧確認装置21の外部に露出するように設けられている。
上記構成のサージ電圧確認装置21をサージ電圧確認装置5に代えて用いた場合、クランプ部6によるクランプ動作の有無を以下のようにして確認することが可能となる。すなわち、インバータ2の運転を行う前にサージ電圧確認装置21を接続した状態で端子P21、P22間の抵抗値を測定する。その後、サージ電圧確認装置21を接続した状態でインバータ2の運転を行い、所定時間(例えば数十秒)経過後に、端子P21、P22間の抵抗値を再び測定する。上記抵抗値の測定は、例えば一般に市販されている電池式携帯型の抵抗測定器、抵抗測定機能を持った電圧計、マルチメータなどで測定可能である。
このように測定したインバータ2の運転前後における抵抗値の変化量に基づいて、同運転前後におけるトランジスタM1、M2の温度の変化量(上昇温度)を求める。そして、この上昇温度が所定値未満である場合には、クランプ動作が行われていないと判断する。一方、上昇温度が、所定値以上である場合には、クランプ動作が行われていると判断する。なお、サーミスタTH21の抵抗値と温度との関係は、そのデータシートなどから入手することが可能である。
第1の実施形態では、トランジスタM1、M2の温度上昇を触診により確認してクランプ動作の有無を判断するため、上記触診の際にインバータ2の運転を停止する必要があった。また、触診に依存した確認方法であるため、その確認のために比較的長い時間インバータ2を運転させる必要があった。これに対し、本実施形態によれば、端子P21、P22間の抵抗値を抵抗測定器などにより測定してクランプ動作の有無を確認するため、その際にインバータ2の運転を停止させることなく確認作業を行える。このため、第1の実施形態に比べて短い時間で且つ精度よくクランプ動作の有無を確認することができる。
さらに、本実施形態の構成によれば、以下のようにしてサージ電圧の大きさや発生頻度をおおまかに把握することも可能となる。すなわち、サージ電圧の電圧値が高い場合またはサージ電圧の発生頻度が高い場合には、単位時間当たりのトランジスタM1、M2の温度(=サーミスタTH21の抵抗値)の変化が大きくなる。一方、サージ電圧の電圧値が低い場合またはサージ電圧の発生頻度が低い場合には、単位時間当たりのトランジスタM1、M2の温度(=サーミスタTH21の抵抗値)の変化が小さくなる。このような点を利用すれば、サージ電圧の大きさや発生頻度を、サーミスタTH21の抵抗値(の変化量)という形で数値化して確認することが可能となる。
本実施形態によれば、第1の実施形態に対し、抵抗値を測定するための測定器が新たに必要となる。しかし、その測定器として携帯し易い機器を用いることが可能であるため、作業者がサージ電圧確認装置21と合わせて上記測定器を運搬する際の労力は、ほとんど増加することがない。
(第4の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、サージ電圧確認装置の構成を変更した第4の実施形態について図6を参照しながら説明する。
図6は、第1の実施形態における図2相当図であり、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のサージ電圧確認装置31は、第2の実施形態のサージ電圧確認装置11に対し、新たにクランプ動作検出部32を備えている点が異なる。
クランプ動作検出部32は、抵抗R31、R32および発光ダイオードLD31、LD32から構成されている。抵抗R31は、ヒューズF11およびトランジスタM1、M2とともに、端子P1、P2間に直列に接続されている。すなわち、端子P1、P2間には、ヒューズF11、抵抗R31、トランジスタM1、M2が直列に接続されている。上記構成によれば、抵抗R31の端子間電圧は、端子P1、P2間に流れる電流に応じて変化する。抵抗R31の両端子には、抵抗R32および発光ダイオードLD31が直列に接続されている。発光ダイオードLD32は、アノードが発光ダイオードLD31のカソードに接続され、カソードが発光ダイオードLD31のアノードに接続されている。すなわち、発光ダイオードLD31と発光ダイオードLD32とは、互いに逆向きとなるように並列に接続されている。抵抗R32は、発光ダイオードLD31、LD32に流れる電流を制限するために設けられている。
本実施形態では、抵抗R31により、クランプ部6が介在する通電経路に所定値以上の電流が流れると発光ダイオードLD31、LD32に対し順方向の電流をモータ3端から供給する検出電流供給部33が構成されている。抵抗R31の抵抗値は、次のようにして定められる。すなわち、クランプ部6によりクランプ動作が行われる際に端子P1、P2間に流れる電流(クランプ電流)が最も大きい場合に、抵抗R31の端子間に発生する電圧が、発光ダイオードLD31、LD32の逆電圧の定格値未満となるような抵抗値に設定する。
上記構成のサージ電圧確認装置31をサージ電圧確認装置5に代えて用いた場合、クランプ部6によるクランプ動作の有無を以下のようにして確認することが可能となる。すなわち、サージ電圧確認装置31を接続した状態でインバータ2によりモータ3を駆動した際にクランプ動作が行われていない場合には、端子P1、P2間に電流は流れない。このため、抵抗R31の端子間電圧はほぼ0Vとなり、発光ダイオードLD31、LD32はいずれも消灯したままとなる。従って、発光ダイオードLD31、LD32がいずれも発光していない場合にはクランプ動作が行われていないと判断することができる。
一方、トランジスタM1がアバランシェ動作してクランプ動作が行われていた場合、端子P1から端子P2に向けて電流が流れる。このため、抵抗R31の端子間電圧が上昇する。この場合、抵抗R31の端子間電圧は、トランジスタM1側よりもヒューズF11側が高くなるため、その電圧が発光ダイオードLD31の順方向電圧以上になると、発光ダイオードD31が順バイアスされて点灯する。また、トランジスタM2がアバランシェ動作してクランプ動作が行われていた場合、端子P2から端子P1に向けて電流が流れる。このため、抵抗R31の端子間電圧が上昇する。この場合、抵抗R31の端子間電圧は、ヒューズF11側よりもトランジスタM1側が高くなるため、その電圧が発光ダイオードLD32の順方向電圧以上になると、発光ダイオードLD32が順バイアスされて点灯する。このように、発光ダイオードLD31、LD32のいずれか一方が点灯した場合にはクランプ動作が行われていると判断することができる。
以上説明したように、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、発光ダイオードLD31、LD32の点灯状態によってクランプ動作の有無を判断できる。これら発光ダイオードLD31、LD32は、クランプ動作が行われて端子P1、P2間に電流が流れると直ちに点灯するので、上記した各実施形態と比較し、一層短い時間でサージ電圧の確認作業を行うことができる。
(第5の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、サージ電圧確認装置の構成を変更した第5の実施形態について図7を参照しながら説明する。
図7は、第1の実施形態における図2相当図であり、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のサージ電圧確認装置41は、第4の実施形態のサージ電圧確認装置31に対し、クランプ動作検出部32に代えてクランプ動作検出部42を備えている点が異なる。
クランプ動作検出部42は、クランプ動作検出部32に対し、新たにツェナーダイオードZD41、ZD42および抵抗R41を備えている点が異なる。ツェナーダイオードZD41、ZD42としては、発光ダイオードLD31、LD32の順方向電圧よりも高いツェナー電圧を有するものを用いる。抵抗R41は、発光ダイオードLD31、LD32に流れる電流を制限するために設けられている。抵抗R31の両端子には、抵抗R32およびツェナーダイオードZD41、ZD42が直列に接続されている。ツェナーダイオードZD41、ZD42は、カソード同士が接続されている。ツェナーダイオードZD41、ZD42の各アノード間には、発光ダイオードLD31および抵抗R41が直列に接続されている。発光ダイオードLD32は、アノードが発光ダイオードLD31のカソードに接続され、カソードが発光ダイオードLD31のアノードに接続されている。
なお、本実施形態では、抵抗R32は、ツェナーダイオードZD41、ZD42に流れる電流を制限するために設けられている。本実施形態では、抵抗R31、R32およびツェナーダイオードZD41、ZD42により検出電流供給部43が構成されている。また、抵抗R31の抵抗値は、次のようにして定められる。すなわち、クランプ部6によりクランプ動作が行われる際に端子P1、P2間に流れる電流(クランプ電流)が最も小さい場合に、抵抗R31の端子間に発生する電圧によってツェナーダイオードZD41、ZD42を逆バイアスできるような抵抗値に設定する。
上記構成のサージ電圧確認装置41をサージ電圧確認装置5に代えて用いた場合、クランプ部6によるクランプ動作の有無を以下のようにして確認することが可能となる。すなわち、サージ電圧確認装置41を接続した状態でインバータ2によりモータ3を駆動した際にクランプ動作が行われていない場合には、端子P1、P2間に電流は流れない。このため、抵抗R31の端子間電圧はほぼ0Vとなり、抵抗R32、ツェナーダイオードZD41、ZD42の直列回路には電流が流れない。従って、発光ダイオードLD31、LD32の端子間には、順方向電圧以上の電圧が印加されず、発光ダイオードLD31、LD32はいずれも消灯したままとなる。従って、発光ダイオードLD31、LD32がいずれも発光していない場合にはクランプ動作が行われていないと判断することができる。
一方、トランジスタM1がアバランシェ動作してクランプ動作が行われていた場合、端子P1から端子P2に向けて電流が流れる。このため、抵抗R31の端子間電圧が上昇する。この場合、抵抗R31の端子間電圧は、トランジスタM1側よりもヒューズF11側が高くなるため、ツェナーダイオードZD42が逆バイアスされる。このように逆バイアスされたツェナーダイオードZD42の端子間電圧にツェナーダイオードZD41の順方向電圧を加えた電圧により、発光ダイオードLD31が順バイアスされて点灯する。
また、トランジスタM2がアバランシェ動作してクランプ動作が行われていた場合、端子P2から端子P1に向けて電流が流れる。このため、抵抗R31の端子間電圧が上昇する。この場合、抵抗R31の端子間電圧は、ヒューズF11側よりもトランジスタM1側が高くなるため、ツェナーダイオードZD41が逆バイアスされる。このように逆バイアスされたツェナーダイオードZD41の端子間電圧にツェナーダイオードZD42の順方向電圧を加えた電圧により、発光ダイオードLD32が順バイアスされて点灯する。このように、発光ダイオードLD31、LD32のいずれか一方が点灯した場合にはクランプ動作が行われていると判断することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、発光ダイオードLD31、LD32の点灯状態によってクランプ動作の有無を判断することができるので、第4の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
さて、第4の実施形態では、クランプ電流が最大の場合において、抵抗R31の端子間電圧が発光ダイオードLD31、LD32の逆電圧定格値を超えないようにする必要がある。このため、抵抗R31の抵抗値は、上記制限によりあまり大きくすることができなかった。従って、クランプ電流が小さい場合には、発光ダイオードLD31、LD32を点灯させることができない可能性があった。一方、本実施形態では、発光ダイオードLD31、LD32に印加される電圧は、抵抗R31の端子間電圧そのものではなく、抵抗R31の端子間電圧に対しツェナーダイオードZD41、ZD42により電圧制限をかけた電圧としている。このため、クランプ電流が最大の場合における上記制限を受けることなく、抵抗R31の抵抗値を大きくすることが可能となる。従って、小さいクランプ電流を伴うクランプ動作についても精度よく確認することができる。
(第6の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、サージ電圧確認装置の構成を変更した第6の実施形態について図8を参照しながら説明する。
図8は、第1の実施形態における図2相当図であり、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のサージ電圧確認装置51は、第4の実施形態のサージ電圧確認装置31に対し、クランプ動作検出部32に代えてクランプ動作検出部52を備えている点が異なる。
クランプ動作検出部52は、クランプ動作検出部32に対し、新たにコンデンサC51、ダイオードD51、ツェナーダイオードZD51、抵抗R51およびスイッチSW51を備えている点が異なる。ツェナーダイオードZD51としては、発光ダイオードLD31の順方向電圧よりも高いツェナー電圧を有するものを用いる。抵抗R51は、発光ダイオードLD31に流れる電流を制限するために設けられている。抵抗R31の両端子には、抵抗R32、ダイオードD51およびコンデンサC51が接続されている。コンデンサC51の両端子間には、ツェナーダイオードZD51が接続されている。ツェナーダイオードZD51のアノードは、抵抗R51を介して発光ダイオードLD31のカソードに接続されている。ツェナーダイオードZD51のカソードは、スイッチSW51を介して発光ダイオードLD31のアノードに接続されている。スイッチSW51は、モーメンタリ動作する常開形スイッチであり、外部から操作可能な状態で設けられている。
なお、本実施形態では、抵抗R32は、コンデンサC51に流れる充電電流を制限するために設けられている。ダイオードD51は、その整流作用により、コンデンサC51に流れる電流の向きを制限する。また、コンデンサC51に蓄えられる電荷は、サージ電圧の確認作業を行う前に全て放電されているものとする。本実施形態では、抵抗R31、R32、ダイオードD51、コンデンサC51およびツェナーダイオードZD51により検出電流供給部53が構成されている。
上記構成のサージ電圧確認装置51をサージ電圧確認装置5に代えて用いた場合、クランプ部6によるクランプ動作の有無を以下のようにして確認することが可能となる。すなわち、サージ電圧確認装置21を接続した状態でインバータ2によりモータ3を駆動し、所定時間(例えば数十秒)経過後に、作業者がスイッチSW51を操作する。このとき、発光ダイオードLD31が消灯したままであればクランプ動作が行われていないと判断し、発光ダイオードLD31が点灯したらクランプ動作が行われていると判断する。
以下では、上記したようにクランプ動作の有無に応じてスイッチSW51を操作したときの発光ダイオードLD31の点灯状態が変化する理由について説明する。すなわち、クランプ動作が行われていない場合には、端子P1、P2間に電流は流れない。このため、抵抗R31の端子間電圧はほぼ0Vとなり、コンデンサC51に対する充電電流は流れない。従って、コンデンサC51の端子間電圧は0Vのままであり、スイッチSW51が操作されて導通状態になったとしても、発光ダイオードLD31の端子間には、順方向電圧以上の電圧が印加されず、発光ダイオードLD31は消灯したままとなる。
一方、クランプ部6によりクランプ動作が行われる際には、次の(1)、(2)の状態が繰り返されることになる。
(1)トランジスタM1がアバランシェ動作してクランプ動作が行われる状態
この場合、端子P1から端子P2に向けて電流(クランプ電流)が流れる。このため、抵抗R31の端子間電圧が上昇する。この場合、抵抗R31の端子間電圧は、トランジスタM1側よりもヒューズF11側が高くなるため、抵抗R32およびダイオードD51を介してコンデンサC51に対する充電電流が流れる。コンデンサC51は、端子P1から端子P2に向けてクランプ電流が流れる度に充電され、その端子間電圧が上昇する。
(2)トランジスタM2がアバランシェ動作してクランプ動作が行われる状態
この場合、端子P2から端子P1に向けて電流が流れる。このため、抵抗R31の端子間電圧が上昇する。この場合、抵抗R31の端子間電圧は、ヒューズF11側よりもトランジスタM1側が高くなる。このときには、ダイオードD51の整流作用により、コンデンサC51に対する充電電流が流れない。従って、この間は、コンデンサC51の端子間電圧は上昇しない。
上記(1)、(2)の状態が繰り返されることにより、コンデンサC51の端子間電圧が次第に上昇し、最終的にはツェナーダイオードZD51のツェナー電圧と等しくなる。この状態で、スイッチSW51が操作されて導通状態になると、発光ダイオードLD31の端子間に順方向電圧以上の電圧が印加され、発光ダイオードLD31が点灯する。
以上説明したように、本実施形態によれば、発光ダイオードLD31の点灯状態によってクランプ動作の有無を判断することができるので、第4の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
さて、第4の実施形態では、発光ダイオードLD31、LD32の点灯期間は、サージ電圧のパルス幅に依存していた。従って、モータ3端において非常に狭いパルス幅のサージ電圧が発生している場合には、発光ダイオードLD31、LD32の点灯期間が非常に短くなってしまい、その点灯状態を視認できない可能性もあった。一方、本実施形態では、クランプ動作が行われる度にコンデンサC51を充電し、所定時間経過にその端子間電圧を発光ダイオードLD31に印加するようにしている。このようにコンデンサC51に蓄えられた電荷により発光ダイオードLD31を点灯させるので、その点灯期間を第4の実施形態と比べて長くすることができる。従って、サージ電圧のパルス幅が非常に狭い場合でも、発光ダイオードLD31の点灯状態を視認できない事態が発生することがない。
(第7の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、サージ電圧確認装置の構成を変更した第7の実施形態について図9および図10を参照しながら説明する。
図9は、第1の実施形態における図2相当図であり、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態のサージ電圧確認装置61は、第4の実施形態のサージ電圧確認装置31に対し、クランプ部6に代えてクランプ部6A〜6Dを備えている点と、新たにスイッチSW61を備えている点とが異なる。
クランプ部6A〜6Dは、クランプ部6と同様に構成されている。ただし、クランプ部6Aは、トランジスタM1、M2としてドレイン・ソース間の耐圧実力値が1200V程度のものを選定して使用している。これにより、クランプ部6Aのクランプ電圧VCPAは、約1200Vとなっている。また、同様に、クランプ部6Bのクランプ電圧VCPBは約1400Vとなっており、クランプ部6Cのクランプ電圧VCPCは約1600Vとなっており、クランプ部6Dのクランプ電圧VCPDは約1800Vとなっている。
クランプ部6A〜6Dの各ノードNaは共通に接続されるとともに、抵抗R31およびヒューズF11を介して端子P1に接続されている。クランプ部6A〜6Dの各ノードNbは、それぞれスイッチSW61の端子A〜端子Dに接続されている。スイッチSW61の共通端子は、端子P2に接続されている。スイッチSW61は、その切替操作に応じて、4つの端子A〜端子Dのいずれか1つと共通端子とを接続する。
サージ電圧確認装置61は、4つのクランプ部6A〜6Dを含む全ての構成が1つの筐体内部に収容されている。ただし、スイッチSW61は、外部から切替操作可能な状態で配置されている。
次に、上記構成のサージ電圧確認装置61を用いてモータ3端に発生するサージ電圧を確認する作業について図10のフローチャートも参照して説明する。
まず、ステップT1では、スイッチSW61の共通端子が端子Dに接続されるように切替操作を行う。そして、この状態でインバータ2によりモータ3を駆動させる。このとき、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPD以下である場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれも点灯しない。これにより、クランプ部6Dによるクランプ動作が無かったと判断し(ステップT2で「NO」)、ステップT3に進む。一方、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPDを超えて上昇しようとする場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれかが点灯する。これにより、クランプ部6Dによるクランプ動作が有ったと判断する(ステップT2で「YES」)。この場合、サージ電圧の大きさは、クランプ電圧VCPD(約1800V)よりも大きいと判断することができる(ステップT4)。
ステップT3では、インバータ2の運転を一旦停止させた後、スイッチSW61の共通端子が端子Cに接続されるように切替操作を行う。そして、この状態でインバータ2によりモータ3を駆動させる。このとき、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPC以下である場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれも点灯しない。これにより、クランプ部6Cによるクランプ動作が無かったと判断し(ステップT5で「NO」)、ステップT6に進む。一方、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPCを超えて上昇しようとする場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれかが点灯する。これにより、クランプ部6Cによるクランプ動作が有ったと判断する(ステップT5で「YES」)。この場合、サージ電圧の大きさは、クランプ電圧VCPC(約1600V)よりも大きく且つクランプ電圧VCPD(約1800V)以下であると判断することができる(ステップT7)。
ステップT6では、インバータ2の運転を一旦停止させた後、スイッチSW61の共通端子が端子Bに接続されるように切替操作を行う。そして、この状態でインバータ2によりモータ3を駆動させる。このとき、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPB以下である場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれも点灯しない。これにより、クランプ部6Bによるクランプ動作が無かったと判断し(ステップT8で「NO」)、ステップT9に進む。一方、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPBを超えて上昇しようとする場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれかが点灯する。これにより、クランプ部6Bによるクランプ動作が有ったと判断する(ステップT8で「YES」)。この場合、サージ電圧の大きさは、クランプ電圧VCPB(約1400V)よりも大きく且つクランプ電圧VCPC(約1600V)以下であると判断することができる(ステップT10)。
ステップT9では、インバータ2の運転を一旦停止させた後、スイッチSW61の共通端子が端子Aに接続されるように切替操作を行う。そして、この状態でインバータ2によりモータ3を駆動させる。このとき、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPA以下である場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれも点灯しない。これにより、クランプ部6Aによるクランプ動作が無かったと判断する(ステップT11で「NO」)。この場合、サージ電圧の大きさがクランプ電圧VCPA(約1200V)以下であるか、またはサージ電圧が発生していないと判断することができる(ステップT12)。
一方、端子P1、P2間の電圧がクランプ電圧VCPAを超えて上昇しようとする場合には、発光ダイオードLD31、LD32のいずれかが点灯する。これにより、クランプ部6Aによるクランプ動作が有ったと判断する(ステップT11で「YES」)。この場合、サージ電圧の大きさは、クランプ電圧VCPA(約1200V)よりも大きく且つクランプ電圧VCPB(約1400V)以下であると判断することができる(ステップT13)。
以上説明したように、本実施形態のサージ電圧確認装置61は、クランプ電圧が互いに異なる4つのクランプ部6A〜6Dと、それらのうちいずれか1つを端子P1、P2間に接続するように切り替えるスイッチSW61とを備えている。このようなサージ電圧確認装置61を用いれば、モータ3端に発生しているサージ電圧の電圧値の範囲を判断する(絞り込む)ことができる。このように、サージ電圧の電圧範囲を絞り込むことができるので、サージ電圧を抑制する装置の選定において、実際に発生しているサージ電圧に対応した最適な装置を選定することが可能となる。
また、サージ電圧確認装置61は、4つのクランプ部6A〜6Dを含む全ての構成を1つの筐体内部に収容するとともに、外部から操作可能なスイッチSW61により、クランプ部6A〜6Dの接続状態を切替可能に構成した。これにより、例えば、クランプ電圧が互いに異なるクランプ部をそれぞれ有する4つのサージ電圧確認装置を用いる場合と比較し、サージ電圧の確認作業に用いる装置全体の大きさおよび質量を大幅に低減することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
クランプ部は、モータ3端の電圧が所定のクランプ電圧を超えて上昇しようとした場合にモータ3端から電流を流すことでその電圧をクランプ電圧に制限するものであればよく、上記各実施形態において示した構成に限らない。例えば、クランプ部6におけるトランジスタM1、M2の接続位置を入れ替えてもよい。すなわち、トランジスタM1、M2のドレイン同士を接続するとともに、各ソースをそれぞれノードNa、Nbに接続する構成としてもよい。また、2つのPチャネル型パワーMOSFETを用い、これらのドレイン同士(ソース同士)を接続するとともに、各ソース(各ドレイン)をそれぞれノードNa、Nbに接続する構成としてもよい。すなわち、クランプ部を構成する各パワーMOSFETは、それぞれのボディダイオードによる整流方向が互いに逆向きとなるように直列に接続されていればよい。
サージ電圧確認装置31、41、51、61は、ヒューズF11を省いた構成としてもよい。すなわち、クランプ部の短絡故障に対して保護動作を行う保護部12は必要に応じて設ければよい。
クランプ動作検出部32は、発光ダイオードLD31、LD32のいずれか一方を備えた構成としてもよい。このように構成した場合でも、トランジスタM1、M2のいずれか一方がアバランシェ動作して端子P1、P2間にクランプ電流が流れるときに、発光ダイオードLD31、LD32のいずれか一方が点灯するので、その点灯状態によりクランプ動作の有無を判断できる。さらに、クランプ動作検出部32の構成部品を削減できる。しかし、上記構成を採用する場合には、以下の点において注意が必要となる。
すなわち、発光ダイオードLD31、LD32は、いずれか一方が点灯している期間には他方は必ず消灯する。また、発光ダイオードLD31、LD32の点灯期間は、インバータ2から電圧供給線4u〜4wを介して出力されるパルス幅変調された出力電圧(擬似正弦波)が表すモータ3の回転速度に依存している。つまり、擬似正弦波の周期が長いほど(モータ3の回転速度が遅いほど)発光ダイオードLD31、LD32のいずれか一方が点灯する期間が長くなる。しかし、これは裏返せば、発光ダイオードLD31、LD32のいずれか他方が消灯する期間が長くなることになる。このようなことから、発光ダイオードLD31、LD32のうちいずれか一方を用いた構成においては、モータ3を低速回転させるときに、発光ダイオードが消灯している期間が長くなるため、クランプ動作の有無を誤って判断しないようにする注意が必要となる。
第7の実施形態では、クランプ電圧が互いに異なる4つのクランプ部を備えた構成としたが、準備するクランプ部の数は、サージ電圧の電圧値の範囲をどの程度まで絞り込むことを可能とするかに応じて適宜変更すればよい。また、サージ電圧確認装置61は、クランプ動作の有無を検出するためのクランプ動作検出部32を備えた構成としたが、クランプ動作の有無を検出する手段は、適宜変更可能である。例えば、触診やサーミスタTH21により温度変化を検出する手段を用いてもよいし、クランプ動作検出部42、52を備えた構成としてもよい。また、クランプ電圧が互いに異なるクランプ部をそれぞれ有する複数のサージ電圧確認装置を準備し、これらを1つずつ順にモータ3端に接続して図10のフローチャートに従いサージ電圧の確認作業を行ってもよい。
上記各実施形態では、サージ電圧確認装置をモータ3の各相間に接続してサージ電圧の大きさを確認する方法を説明したが、これに代えて或いはこれに加えて、サージ電圧確認装置をモータ3の各相と接地との間に接続してサージ電圧の大きさを確認することも可能である。このようにすれば、モータ3端において各相と接地との間に発生するサージ電圧の大きさを確認することができる。
図面中、2はインバータ、3はモータ、6、6A〜6Dはクランプ部、12は保護部、33、43、53は検出電流供給部、BD1、BD2はボディダイオード、LD31、LD32は発光ダイオード、M1はトランジスタ(第1のパワーMOSFET)、M2はトランジスタ(第2のパワーMOSFET)、TH21はサーミスタを示す。

Claims (9)

  1. 電圧形PWM方式のインバータによりモータが駆動される際に、そのモータ端にて発生するサージ電圧を確認するサージ電圧確認方法であって、
    前記モータ端の電圧が所定のクランプ電圧を超えて上昇しようとすると当該モータ端から電流を流すことで当該電圧を前記クランプ電圧に制限するクランプ動作を行うクランプ部を前記モータ端に接続し、
    前記クランプ部を接続した状態で前記インバータにより前記モータを駆動した際における前記クランプ動作の有無に基づいて前記サージ電圧の大きさを確認することを特徴とするサージ電圧確認方法。
  2. 前記クランプ部として、ドレイン・ソース間に内蔵されたボディダイオードを有する第1および第2のパワーMOSFETのゲート・ソース間をそれぞれ短絡するとともに、前記第1のパワーMOSFETと前記第2のパワーMOSFETとを前記ボディダイオードによる整流方向が互いに逆向きとなるように直列に接続して構成されたものを用いることを特徴とする請求項1記載のサージ電圧確認方法。
  3. 前記クランプ部を、前記モータ端の各相間に接続することを特徴とする請求項1または2記載のサージ電圧確認方法。
  4. 前記クランプ部を、前記モータ端の各相と接地との間に接続することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のサージ電圧確認方法。
  5. 前記クランプ部を接続した状態で前記インバータにより前記モータを所定時間駆動する前後における前記クランプ部の温度を測定し、
    前記駆動前後での前記クランプ部の上昇温度が所定温度以上である場合に前記クランプ動作が行われたと判断することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかにサージ電圧確認方法。
  6. 前記クランプ部の近傍にサーミスタを配置し、
    前記駆動前後における前記サーミスタの抵抗値を測定し、
    前記サーミスタの抵抗値の測定結果に基づいて前記クランプ動作の有無を判断することを特徴とする請求項5記載のサージ電圧確認方法。
  7. 発光ダイオードと、
    前記クランプ部が介在する通電経路に所定値以上の電流が流れると前記発光ダイオードに対し順方向の電流を前記モータ端から供給する検出電流供給部とを設け、
    前記発光ダイオードが点灯した場合に前記クランプ動作が行われたと判断することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のサージ電圧確認方法。
  8. 前記クランプ電圧が互いに異なる複数の前記クランプ部を用意し、
    前記複数のクランプ部を、1つずつ接続した状態で前記インバータにより前記モータを駆動した際における前記クランプ動作の有無を順次確認し、
    前記複数のクランプ部を接続した場合のそれぞれの前記クランプ動作の有無に基づいて、前記サージ電圧の電圧値の範囲を判断することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のサージ電圧確認方法。
  9. 前記クランプ部が短絡故障すると、直ちに当該クランプ部が介在する通電経路を遮断する保護動作を行う保護部を、前記クランプ部に対応して設けることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のサージ電圧確認方法。
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