JP2011080800A - 角度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸の回転に連動して回転するロータに面ブレが生じたとしても、回転軸の回転角を正確に検出できる角度センサを提供する。
【解決手段】角度センサ11は、ステアリングシャフト20の回転に連動して回転するロータ30を備える。ロータ30の第一の主面30A及びその裏面である第二の主面30Bの間の肉厚d0は、肉厚d0と軸芯回りの角度とが一対一に対応付けられるように形成されている。磁気センサ41は、磁気センサ41と第一の主面30Aとの間の距離の情報を含む第一の検出信号を出力する。磁気センサ42は、磁気センサ42と第二の主面30Bとの間の距離の情報を含む第二の検出信号を出力する。加算器51は、第一及び第二の検出信号を加算して得られる和信号を出力する。信号処理回路53は、和信号に基づいてステアリングシャフト20の回転角を演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は回転軸の回転角を検出するための角度センサに関する。
電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操作によりステアリングシャフトに加わる操舵トルク及びステアリング操作時の車速に基づいて電動モータを駆動し、ウォーム歯車減速機構等を介してステアリングシャフトに操舵補助力を付与する制御装置である。車両挙動安定制御の高機能化に伴い、ステアリングホイールの操舵角及び操舵方向を検出し、その検出情報を横滑り防止装置の制御信号として利用する車両も開発されている。ステアリングシャフトの回転角を非接触磁気式に検出するセンサとして、ステアリングシャフトの回転に伴う磁界変化を電気信号に変換する磁気センサが広く利用されている。例えば、特開2006−214985号公報には、シャフトにマグネットを固定し、マグネットの着磁面とホール素子の感磁面との間に所定の磁気ギャップが形成されるようにホール素子をマグネットに対向配置し、シャフトの回転に伴って周期的に変化する磁気ギャップ中の磁界をホール素子で検出することによりシャフトの回転角を求める非接触磁気式ポテンショメータが開示されている。
特開2006−214985号公報
しかし、同公報に開示のポテンショメータでは、シャフトへのマグネットの取り付け誤差によりシャフト回転時にマグネットに面ブレが生じ、面ブレに起因する磁気ギャップ中の磁界変動が検出誤差を引き起こす可能性が指摘されている。
そこで、本発明は、回転軸の回転に連動して回転するロータに面ブレが生じたとしても、回転軸の回転角を正確に検出できる角度センサを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係わる角度センサは、回転軸の回転に連動して回転軸の軸芯回りに回転するロータであって、第一の主面及びその裏面である第二の主面を有し、第一及び第二の主面の間の肉厚と軸芯回りの角度とが一対一に対応付けられるように肉厚が軸芯回りに沿って周期的に変化するロータと、第一の主面に対向配置される第一のセンサであって、第一の主面と第一のセンサとの間の第一の距離の情報を含む第一の検出信号を出力する第一のセンサと、第二の主面に対向配置される第二のセンサであって、第二の主面と第二のセンサとの間の第二の距離の情報を含む第二の検出信号を出力する第二のセンサと、第一及び第二の検出信号を加算して得られる第一の和信号に基づいて回転軸の一回転以内の回転角を演算する信号処理回路と、を備える。
ロータの回転時に面ブレが生じたとしても、第一及び第二の距離の和は面ブレの影響を受けないため、第一及び第二の検出信号を加算して得られる第一の和信号に基づいて回転軸の回転角を求めることにより、ロータの面ブレの影響を受けない角度検出が可能になる。
ここで、第一の距離の変化量に対する第一の検出信号の変化量と、第二の距離の変化量に対する第二の検出信号の変化量とは、同一であることが好ましい。このようなセンサ特性によれば、例えば、ロータの面ブレにより第一の距離がΔdだけ変化し、第二の距離が−Δdだけ変化した場合、第一の検出信号の変化量は、−ΔVだけ変化し、第二の検出信号の変化量は、+ΔVだけ変化するので、第一及び第二の検出信号を加算して得られる第一の和信号は面ブレの影響を受けない。
本発明に係わる角度センサは、回転軸の回転に連動してロータを回転軸の軸芯方向に移動させる移動機構を更に備えてもよい。このような構成において、ロータの軸芯方向への移動量は、回転軸の回転数を反映する物理量として取り扱うことができるため、信号処理回路は、ロータの軸芯方向の移動に起因する第一又は第二の検出信号の変化に基づいて回転軸の回転数を算出し、回転軸の回転数及び回転軸の一回転以内の回転角に基づいて回転軸の絶対角を算出することができる。
上述の移動機構として、例えば、差動ネジ機構が好適である。差動ネジ機構を用いることにより、第一の距離の変化量と第一の検出信号の変化量との関係が線形性を維持し且つ第二の距離の変化量と第二の検出信号の変化量との関係が線形性を維持できる範囲にロータの軸芯方向の移動量を制限することができる。
本発明に係わる角度センサにおいて、回転軸は、弾性部材を介して相互に接続される入力軸及び出力軸を有しており、角度センサは、入力軸と出力軸との回転位相差に起因して弾性変形し、ロータを回転軸の軸芯方向に変位させるための弾性部材を更に備えてもよい。このような構成において、ロータの軸芯方向への移動量は、回転軸の軸トルクを反映する物理量として取り扱うことができるため、信号処理回路は、ロータの軸芯方向の変位に起因する第一又は第二の検出信号の変化に基づいて回転軸の軸トルクを算出することができる。
本発明に係わる角度センサは、第一及び第二のセンサを保持する第一の保持部材と、第一の主面に対向配置される第三のセンサであって、第一の主面と第三のセンサとの間の第三の距離の情報を含む第三の検出信号を出力する第三のセンサと、第二の主面に対向配置される第四のセンサであって、第二の主面と第四のセンサとの間の第四の距離の情報を含む第四の検出信号を出力する第四のセンサと、第三及び第四のセンサを保持する第二の保持部材と、回転軸の回転に連動して第一及び第二の保持部材の軸芯回りの相対的な位置関係を変化させる歯車機構を更に備えてもよい。このような構成において、第一及び第二の検出信号を加算して得られる第一の和信号の波長と、第三及び第四の検出信号を加算して得られる第二の和信号の波長は、回転軸の回転によりそれぞれ異なる波長に変化するため、信号処理回路は、第一及び第二の和信号に基づいて回転軸の絶対角を演算することができる。
ここで、第三の距離の変化量に対する第三の検出信号の変化量と、第四の距離の変化量に対する第四の検出信号の変化量とは、同一であることが好ましい。このようなセンサ特性によれば、例えば、ロータの面ブレにより第三の距離がΔdだけ変化し、第四の距離が−Δdだけ変化した場合、第三の検出信号の変化量は、−ΔVだけ変化し、第四の検出信号の変化量は、+ΔVだけ変化するので、第三及び第四の検出信号を加算して得られる第二の和信号は面ブレの影響を受けない。
上述の歯車機構として、例えば、不思議歯車機構である。不思議歯車機構によれば、回転軸の回転に連動して第一及び第二の保持部材の軸芯回りの相対的な位置関係を微小に変化させることができる。
本発明によれば、回転軸の回転に連動して回転するロータに面ブレが生じても、回転軸の回転角を正確に検出することができる。
実施例1に係わる角度センサの概略構成を示す説明図である。 実施例1に係わる磁気センサの配置関係を示す説明図である。 実施例1に係わる磁気センサの配置関係を示す説明図である。 実施例1に係わる磁気センサの構成を示す説明図である。 実施例1に係わる和信号を示すグラフである。 実施例2に係わる角度センサの概略構成を示す説明図である。 実施例2に係わるセレーションの断面図である。 実施例2に係わる検出信号を示すグラフである。 実施例3に係わる角度センサの概略構成を示す説明図である。 実施例3に係わる角度センサの各部の配置関係を示す説明図である。 実施例4に係わる角度センサの概略構成を示す説明図である。 実施例4に係わるステアリングシャフトの構成を示す説明図である。 実施例4に係わる弾性カラーの構成を示す説明図である。 実施例4に係わる弾性カラーの構成を示す説明図である。 実施例4に係わる検出信号を示すグラフである。 実施例4に係わる不思議歯車機構の構成を示す説明図である。 実施例4に係わる不思議歯車機構の構成を示す説明図である。 実施例4に係わる不思議歯車機構の動作を示す説明図である。 実施例4に係わる不思議歯車機構の動作を示す説明図である。 実施例4に係わる和信号を示すグラフである。
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施例について説明する。同一の部材については、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
図1は実施例1に係わる角度センサ11の概略構成を示す説明図である。角度センサ11は、所定の基準位置(例えば、ステアリング中立位置)からのステアリングシャフト20の一回転以内の回転角(0deg〜360deg)を検出するための角度検出装置である。ステアリングシャフト20には、ステアリングシャフト20の回転に連動してステアリングシャフト20の軸芯回りに回転する中空円盤状のロータ30が取り付けられている。ステアリングシャフト20の軸芯方向をZ方向とすると、ステアリングシャフト20の回転に伴い、ロータ30は、XY平面内で回転する。ロータ30は、ステアリングシャフト20に固定してもよく、或いはセレーション結合してもよい。ロータ30をステアリングシャフト20にセレーション結合するには、例えば、ステアリングシャフト20の外周面に雄セレーションを形成し、ロータ30の中空部側面に雌セレーションを形成し、両セレーションを噛合させればよい。
ロータ30は、第一の主面30A及びその裏面である第二の主面30Bを有し、第一の主面30A及び第二の主面30Bの間の肉厚d0とステアリングシャフト20の軸芯回りの角度とが一対一に対応付けられるように肉厚d0がステアリングシャフト20の軸芯回りに沿って周期的に(例えば、正弦波関数的に)変化している。第一の主面30A及び第二の主面30Bのうち何れか一方が曲面であり、且つ他方が平面であるのが好ましい。本実施例では、説明の便宜上、第一の主面30Aが曲面であり、第二の主面30Bが平面である場合を例示するが、これに限定されるものではない。例えば、第一の主面30A及び第二の主面30Bの両方が曲面であってもよい。ロータ30が一回転すると、肉厚d0の変化に一周期分の変化が現れるように、ロータ30の形状が定められている。このような形状として、例えば、斜切円柱形状が好適である。ロータ30の材質としては、保磁力が小さく且つ透磁率が大きい軟磁性材料が好ましく、例えば、鉄、珪素鋼、アモルファス磁性合金等が好適である。
角度センサ11は、ロータ30の回転位置を非接触磁気式に測定するための非接触センサとして、ロータ30を肉厚方向から挟むように第一の位置に対向配置される一対の磁気センサ41,42と、ロータ30を肉厚方向から挟むように第二の位置に対向配置される一対の磁気センサ43,44とを備える。ここで、第一及び第二の位置は、ステアリングシャフト20の回転中心に関して相互に90deg(機械角)の位相差を有するように選定される。一対の磁気センサ41,42は、ステアリングシャフト20の軸芯方向に平行な直線101上に配置されており、一対の磁気センサ43,44は、ステアリングシャフト20の軸芯方向に平行な直線102上に配置されている。図2に示すように、磁気センサ41,43は、ステアリングシャフト20の回転中心に関して90deg(機械角)の位相差で第一の主面30Aに対向配置される。ステアリングシャフト20の回転中心と磁気センサ41とを結ぶ直線103は、ステアリングシャフト20の回転中心と磁気センサ43とを結ぶ直線104に直交する。図3に示すように、磁気センサ42,44は、ステアリングシャフト20の回転中心に関して90deg(機械角)の位相差で第二の主面30Bに対向配置される。ステアリングシャフト20の回転中心と磁気センサ42とを結ぶ直線105は、ステアリングシャフト20の回転中心と磁気センサ44とを結ぶ直線106に直交する。なお、ステアリングシャフト20の軸芯からそれぞれの磁気センサ41,42,43,44への距離は一定であり、ステアリングシャフト20の軸芯と磁気センサ41,42,43,44との間の相対的な位置関係は不変である。
図4に示すように、磁気センサ41は、外部磁界を発生させるための磁界発生手段として機能する磁石62Aと、ロータ30の回転に連動して変化する外部磁界の変化を電圧変化として検出する磁気抵抗効果素子64Aとを主要構成として備える。磁気センサ41の実装形態として、磁石62Aの中心点と磁気抵抗効果素子64Aの中心点とがロータ30の半径方向に平行になるように、プリント配線基板63Aの表面に磁気抵抗効果素子64Aを配置し、プリント配線基板63Aの裏面に磁石62Aを配置するのが好ましい。また、磁石62Aから発生する外部磁界を効率よく集磁するために、磁石62Aの両極にヨーク(図示せず)を配置するのが好ましい。同様に、磁気センサ42は、プリント配線基板63Bの表面に磁気抵抗効果素子64Bが配置され、プリント配線基板63Bの裏面に磁石62Bが配置された構成を有する。磁気抵抗効果素子64A,64Bとして、巨大磁気抵抗(GMR)型、トンネル磁気抵抗(TMR)型、弾道磁気抵抗(BMR)型、異方性磁気抵抗(AMR)型等の公知の磁気抵抗効果素子を用いることができる。また、磁気抵抗効果素子64A,64Bに替えてホール素子を用いてもよい。なお、磁気センサ43,44の構成は、それぞれ、磁気センサ41,42の構成と同じである。
磁気抵抗効果素子64Aは、磁化方向が特定の方向に設定されていて、外部磁界の変位に対して磁化状態(例えば、磁化方向や磁化の強さ)が影響を受けないように構成されたピン磁性層(図示せず)と、外部磁界の変化によって磁化状態が変位するフリー磁性層(図示せず)とを備えている。ステアリングシャフト20の回転に連動してロータ30が回転すると、磁気抵抗効果素子64Aと第一の主面30Aとの間の距離d1は、肉厚d0の変化に伴い周期的に変化する。距離d1が変化すると、磁気抵抗効果素子64Aの裏面に配置された磁石62Aから磁気抵抗効果素子64Aを通過してロータ30に引かれる磁束密度が変化する。すると、磁気抵抗効果素子64A内のフリー磁性層の磁化状態が変動するので、磁化状態が変動しないピン磁性層の磁化状態と、磁化状態が変動するフリー磁性層との間に磁化状態の変位差が発生する。この磁化状態の変位差は距離d1を反映する物理量であり、具体的には、磁気抵抗効果素子64Aの磁気抵抗の変化として現れる。磁気抵抗効果素子64Aには、プリント配線基板63Aからセンス電流が供給されており、磁気抵抗効果素子64Aの磁気抵抗の変化は、出力電圧の変化として検出される。磁気抵抗効果素子64Aの出力電圧は、距離d1の情報を含む検出信号として信号処理される。同様に、磁気抵抗効果素子64Bの出力電圧は、磁気抵抗効果素子64Bと第二の主面30Bとの間の距離d2の情報を含む検出信号として信号処理される
磁気センサ41の動作ポイントは、距離d1の変化量と磁気センサ41の出力電圧V1の変化量との関係が線形になるように設計されている。同様に、磁気センサ42の動作ポイントは、距離d2の変化量と磁気センサ42の出力電圧の変化量との関係が線形になるように設計されている。更に、磁気センサ41の出力変化特性(距離d1の単位変化量あたりの磁気センサ42の出力電圧V1の変化量)は、磁気センサ42の出力変化特性(距離d2の単位変化量あたりの磁気センサ42の出力電圧V2の変化量)と同一になるように設計されている。同様に、磁気センサ43の出力変化特性は、磁気センサ44の出力変化特性と同一になるように設計されている。
図1に示すように、加算器51は、一対の磁気センサ41,42から出力される二つの検出信号を加算処理し、その加算処理により得られる和信号201を信号処理回路53に出力する。一対の磁気センサ41,42は、ステアリングシャフト20の軸芯方向に平行な直線101上に配置されているため、ロータ30の取り付け誤差等に起因してロータ30の回転時に面ブレが生じたとしても、d1+d2の値は、ロータ30の肉厚d0のみに依存し、面ブレの影響を受けない。ここで、距離d1に対応する磁気抵抗効果素子64Aの出力電圧をV1、距離d2に対応する磁気抵抗効果素子64Bの出力電圧をV2とし、ロータ30の面ブレにより距離d1がd1+Δdに変化し、距離d2がd2−Δdに変化した場合を考察する。一対の磁気センサ41,42の出力変化特性は同一であるため、距離変化Δdに対応する電圧変化をΔVとすると、磁気センサ41の出力電圧は、V1からV1−ΔVに変化し、磁気センサ42の出力電圧は、V2からV2+ΔVに変化する。一対の磁気センサ41,42から出力される二つの検出信号を加算して得られる和信号201は、(V1−ΔV)+(V2+ΔV)=V1+V2となり、面ブレの影響を受けないことが理解できる。d1+d2の値は、ロータ30の肉厚d0のみに依存しているため、V1+V2の値とステアリングシャフト20の回転角とは、一対一に対応付けられる。このため、信号処理回路53は、和信号201に基づいてステアリングシャフト20の一回転以内の回転角を求めることができる。同様に、加算器52は、磁気センサ43,44から出力される二つの検出信号を加算処理し、その加算処理により得られる和信号202を信号処理回路53に出力する。信号処理回路53は和信号202に基づいてステアリングシャフト20の一回転以内の回転角を求めることもできる。信号処理回路53は、和信号201,202とステアリングシャフト20の回転角との対応関係を示すデータテーブル(マップデータ)又は関数を記憶するメモリ54を備えており、メモリ54に記憶されているデータテーブル又は関数と和信号201,202とを比較してステアリングシャフト20の回転角を求める。
一対の磁気センサ41,42と、一対の磁気センサ43,44は、ステアリングシャフト20に関して90deg(機械角)の位相差で配置されているため、図5に示すように、二つの和信号201,202の間には、90deg(電気角)の位相差がある。同図において、横軸はステアリングシャフト20の回転角θ[deg]を示し、縦軸は和信号の電圧値を示す。ここでは、説明の便宜上、それぞれの和信号201,202を正弦波信号として図示しているが、和信号201,202は、正弦波信号に限定されるものではない点に留意されたい。図5に示すように、0deg≦θ≦45deg、135deg≦θ≦225deg、及び315deg≦θ≦360degの角度範囲では、和信号202の方が和信号201よりも信号変化率が大きいので、測定誤差を低減するために、和信号202に基づいてステアリングシャフト20の回転角を求めるのが好ましい。一方、45deg≦θ≦135deg、及び225deg≦θ≦315degの角度範囲では、和信号201の方が和信号202よりも信号変化率が大きいので、測定誤差を低減するために、和信号201に基づいてステアリングシャフト20の回転角を求めるのが好ましい。
なお、磁気センサ41,42,43,44が巨大磁気抵抗(GMR)型又はトンネル磁気抵抗(TMR)型である場合には、磁気抵抗効果素子のフリー磁性層(図示せず)の長手方向は、ロータ30の回転中心に向かう方向に配向させるのが好ましい。フリー磁性層の長手方向をこのように配向させることで、ロータ30と磁気抵抗効果素子との間の距離は、フリー磁性層の長手方向に依存することになるので、精度良く距離を測定することが可能となる。又、磁気抵抗効果素子が形成される平面は、ロータ30の回転中心から放射状に向くベクトルと平行にすることが好ましい。このようにすることで、ロータ30の回転に応じたロータ30と磁気抵抗効果素子との間の距離を精度良く測定することが可能となる。
なお、本実施例において、一対の磁気センサ43,44は必須ではなく、一対の磁気センサ41,42を用いてステアリングシャフト20の回転角を求めてもよい。また、上述の実施例では、ロータ30の回転位置を測定するための一対の磁気センサを二組使用する例を説明したが、一対の磁気センサを三組以上使用してもよい。一対の磁気センサを三組以上使用する場合には、三つ以上の和信号のうち最も信号変化率の大きい和信号を使用してステアリングシャフト20の回転角を求めるのが好ましい。また、加算器51,52、及び信号処理回路53のそれぞれの機能を単一のICチップによって実現してもよい。また、本実施例では、ステアリングシャフト20の回転角を求める場合を例示したが、本実施例は、これに限られるものではなく、ステアリングシャフト20以外の回転軸の回転角を求める場合にも適用できる。
本実施例によれば、和信号201,202に基づいてステアリングシャフト20の回転角を求めるので、ロータ30の面ブレの影響を受けない角度検出が可能になる。
次に、図6乃至図8を参照しながら、実施例2に係わる角度センサ12について説明する。実施例2に係わる角度センサ12は、ステアリングシャフト20の絶対角を演算する機能を有している点において実施例1に係わる角度センサ11と相違し、その余の点において両者は共通する。本明細書において、絶対角とは、ステアリングシャフト20の回転数を加味した回転角を意味する。例えば、ステアリング中立位置からのステアリングシャフト20の一回転以内の回転角をφ0[deg]とし、ステアリングシャフト20の回転数をNとすると、絶対角φ=φ0+360×(N−1)[deg]である。絶対角は、多回転絶対角と別称することもできる。以下、実施例1,2の相違点について中心に説明するものとし、重複説明を省略する。
図6に示すように、角度センサ12は、ステアリングシャフト20の軸芯回りの回転に連動してロータ30をステアリングシャフト20の軸芯方向に摺動移動させる移動機構60を備える。移動機構60は、ロータ30をステアリングシャフト20の軸芯方向に摺動自在に係合するためのセレーション61と、セレーション61に固定される雄ネジ62と、車内の固定部材99に固定される雌ネジ63とを備える。ここで、図7に示すように、セレーション61は、中空円筒形状を成しており、その中空部側面には周方向に複数のセレーション歯61Aが形成されている。複数のセレーション歯61Aは、ステアリングシャフト20の軸芯方向に平行に延在する複数の凹条及び凸条を形成している。ステアリングシャフト20の外周面には、複数のセレーション歯61Aに噛合する複数のセレーション歯(図示せず)が形成されている。
図6に示すように、セレーション61の外周面には、ロータ30と雄ネジ62とが固定されている。ステアリングシャフト20がZ軸回りに回転すると、その回転運動はセレーション61を介してロータ30及び雄ネジ62に伝達される。雄ネジ62と雌ネジ63とは噛合し、且つ雌ネジ63は固定部材99に固定されているため、雄ネジ62のZ軸回りの回転運動は、雄ネジ62のZ軸方向への直進運動に変換される。雄ネジ62のZ軸方向への直進運動により、ロータ30は、Z軸方向へ摺動移動する。このように、セレーション61は、ステアリングシャフト20のZ軸回りの回転をロータ30に伝達するとともに、Z軸方向へのロータ30の摺動移動を可能にする。
雄ネジ62及び雌ネジ63は、所定ピッチで歯切りされており、ステアリングシャフト20の一回転あたりにつきロータ30は一定の送りピッチだけZ軸方向に移動する。ロータ30の第一の主面30Aが曲面であり、且つ第二の主面30Bが平面である場合には、磁気センサ42と第二の主面30Bとの間の距離d2は、ステアリングシャフト20の回転数を反映し、且つロータ30の肉厚変化とは無関係の物理量として取り扱うことができる。例えば、ステアリング中立位置からステアリングシャフト20が時計回りに回転するときに距離d2が減少し、ステアリング中立位置からステアリングシャフト20が反時計回りに回転するときに距離d2が増加するようにロータ30の送り方向が設定されている場合、図8に示すような閾値電圧V1〜V5を使用してステアリングシャフト20の回転数を判定することができる。同図において、閾値電圧V1は、ステアリング中立位置からステアリングシャフト20が反時計回りに2回転したときに磁気センサ42(又は磁気センサ44)から出力される電圧値に一致し、閾値電圧V2は、ステアリング中立位置からステアリングシャフト20が反時計回りに1回転したときに磁気センサ42(又は磁気センサ44)から出力される電圧値に一致し、閾値電圧V3は、ステアリングシャフト20がステアリング中立位置にあるときに磁気センサ42(又は磁気センサ44)から出力される電圧値に一致し、閾値電圧V4は、ステアリングシャフト20がステアリング中立位置から時計回りに1回転したときに磁気センサ42(又は磁気センサ44)から出力される電圧値に一致し、閾値電圧V5は、ステアリングシャフト20がステアリング中立位置から時計回りに2回転したときに磁気センサ42(又は磁気センサ44)から出力される電圧値に一致する。閾値電圧V1〜V5は、例えば、メモリ54に格納される。
図6に示すように、第二の主面30Bに対向配置される磁気センサ42は、距離d2の情報を含む検出信号203を信号処理回路53に出力する。信号処理回路53は、磁気センサ42から受信した検出信号203の電圧値と、メモリ54に格納されている閾値電圧V1〜V5とを比較してステアリングシャフト20の回転数Nを判定する。信号処理回路53は、和信号201(又は和信号202)から求めたステアリングシャフト20の一回転以内の回転角φ0と上述の判定方法で求めた回転数Nとに基づいて、絶対角φ=φ0+360×(N−1)を求める。なお、第二の主面30Bに対向配置される磁気センサ44は、磁気センサ44と第二の主面30Bとの間の距離の情報を含む検出信号204を信号処理回路53に出力してもよい。信号処理回路53は、検出信号204に基づいて上述の判定方法によりステアリングシャフト20の回転数を判定し、その判定結果を用いてステアリングシャフト20の絶対角を求めてもよい。また、ロータ30の面ブレを補正するために、信号処理回路53は、検出信号203と検出信号204との平均値を算出し、その算出された平均値に基づいて上述の判定方法によりステアリングシャフト20の回転数を判定し、その判定結果を用いてステアリングシャフト20の絶対角を求めてもよい。
なお、ロータ30の第一の主面30Aが平面であり、且つ第二の主面30Bが曲面である場合には、磁気センサ41と第一の主面30Aとの間の距離d1は、ステアリングシャフト20の回転数を反映し、且つロータ30の肉厚変化とは無関係の物理量として取り扱うことができる。このため、信号処理回路53は、磁気センサ41から受信した検出信号を使用して、上述の判定方法によりステアリングシャフト20の回転数Nを判定し、その判定結果を用いてステアリングシャフト20の絶対角を求めてもよい。同様に、信号処理回路53は、磁気センサ43から受信した検出信号を使用して、上述の判定方法によりステアリングシャフト20の回転数Nを判定し、その判定結果を用いてステアリングシャフト20の絶対角を求めてもよい。また、ロータ30の面ブレを補正するために、信号処理回路53は、磁気センサ41,43からの検出信号の平均値を算出し、その算出された平均値に基づいて上述の判定方法によりステアリングシャフト20の回転数を判定し、その判定結果を用いて、ステアリングシャフト20の絶対角を求めてもよい。
次に、図9乃至図10を参照しながら、実施例3に係わる角度センサ13について説明する。実施例3に係わる角度センサ13は、ステアリングシャフト20の軸芯回りの回転に連動してロータ30をステアリングシャフト20の軸芯方向に移動させるための機構として、差動ネジ機構70を備える点において実施例2に係わる角度センサ12と相違し、その余の点において両者は共通する。以下、実施例2,3の相違点について中心に説明するものとし、重複説明を省略する。
図9に示すように、角度センサ13は、ロータ30と、一対の磁気センサ41,42と、差動ネジ機構70とを収容するとともに、ボールベアリング69を介してステアリングシャフト20を回転自在に支承するためのハウジング68を備える。差動ネジ機構70は、ステアリングシャフト20の外周面に形成されたネジ71に螺合し、ステアリングシャフト20の回転に連動してステアリングシャフト20の軸芯方向にピッチAでスライドするスライド機構72と、ステアリングシャフト20の外周面に形成されたネジ73に螺合し、ステアリングシャフト20の回転に連動してステアリングシャフト20の軸芯方向にピッチBでスライドするスライド機構74とを備える。ステアリングシャフト20の回転運動は、セレーション61を介してロータ30に伝達される。ロータ30とハウジング68との間には、圧縮バネ66が介在しており、ロータ30は、スラストベアリング67に押圧される方向に付勢されながらスラストベアリング67上をZ軸回りに回転する。スライド機構72は、ロータ30を肉厚方向から挟むように対向配置される一対の磁気センサ41,42を備えており、ステアリングシャフト20の回転に連動して一対の磁気センサ41,42のZ軸方向の位置を変化させる。一方、スライド機構74は、スラストベアリング67を介してロータ30に接触しており、ステアリングシャフト20の回転に連動してロータ30のZ軸方向の位置を変化させる。なお、スライド機構72とスライド機構74との間には、圧縮バネ65が介在している。
図10に示すように、ハウジング68の内部には、スライド機構72の外周面に形成されたガイド72Aに係合する案内溝68BがZ軸方向に沿って形成されており、ガイド72Aが案内溝68Bに沿ってZ軸方向に摺動移動することを可能にするとともに、スライド機構72のZ軸回りの回転を制限している。同様に、スライド機構72の内周面には、スライド機構74の外周面に形成されたガイド74Aに係合する案内溝72BがZ軸方向に沿って形成されており、ガイド74Aが案内溝72Bに沿ってZ軸方向に摺動移動することを可能にするとともに、スライド機構74のZ軸回りの回転を制限している。
図9において、ステアリングシャフト20がZ軸回りに一回転すると、スライド機構72は、Z軸方向にピッチAでスライドし、スライド機構74は、Z軸方向にピッチBでスライドするため、一対の磁気センサ41,42とロータ30との間の距離は、ステアリングシャフト20の一回転あたりピッチA,Bの差分(A−B)だけ変化する(但し、スライド機構72,74の移動方向は、同一方向であるものとする。)。例えば、ステアリングシャフト20の一回転あたりにつき、磁気センサ41とロータ30の第一の主面30Aとの間の距離d1が(A−B)だけ減少すると、磁気センサ42とロータ30の第二の主面30Bとの間の距離d2は(A−B)だけ増加する。ロータ30の第一の主面30Aが曲面であり、且つ第二の主面30Bが平面である場合には、磁気センサ42と第二の主面30Bとの間の距離d2は、ステアリングシャフト20の回転数を反映し、且つロータ30の肉厚変化とは無関係の物理量として取り扱うことができる。一方、ロータ30の第一の主面30Aが平面であり、且つ第二の主面30Bが曲面である場合には、磁気センサ41と第一の主面30Aとの間の距離d1は、ステアリングシャフト20の回転数を反映し、且つロータ30の肉厚変化とは無関係の物理量として取り扱うことができる。このため、角度センサ13は、実施例2で説明した方法と同じ方法によりステアリングシャフト20の絶対角を求めることができる。
なお、説明の便宜上、図9には、加算器51、及び信号処理回路53を図示していないが、角度センサ13は、加算器51、及び信号処理回路53を備えており、一対の磁気センサ41,42の検出信号は、加算器51、及び信号処理回路53に出力される点に留意されたい。また、角度センサ13は、実施例2と同様に一対の磁気センサ43,44、及び加算器52を更に備えてもよい。
実施例1で説明したように、一対の磁気センサ41,42の検出信号を加算して得られる和信号201に基づいてステアリングシャフト20の回転角を求めるには、磁気センサ41の出力変化特性と磁気センサ42の出力変化特性とが同一になるように設計されている必要がある。ところが、距離d1の変化量と磁気センサ41の出力電圧V1の変化量との関係が線形性を維持できる範囲、及び距離d2の変化量と磁気センサ42の出力電圧V2の変化量との関係が線形性を維持できる範囲にはそれぞれセンサ特性上の上限があり、距離d1の変化量及び距離d2の変化量には、それぞれ実用上の上限値がある。差動ネジ機構70によれば、一対の磁気センサ41,42とロータ30との間の距離は、ステアリングシャフト20の一回転あたりピッチA,Bの差分(A−B)だけ変化するので、距離d1の変化量及び距離d2の変化量がそれぞれ実用上の上限値を超えない範囲内でロータ30をZ軸方向に微小送りすることができる。ピッチA,Bを狭ピッチに加工するには、機械加工精度の限界があるが、差動ネジ機構70によれば、ピッチA,Bを狭ピッチに加工しなくても、ロータ30のZ軸方向への微小送りが可能となる。
次に、図11乃至図20を参照しながら、実施例4に係わる角度センサ14について説明する。実施例4に係わる角度センサ14は、ステアリングシャフト20の操舵トルク(軸トルク)及び操舵角(絶対角)を両方とも検出するための機構を備える点において実施例1に係わる角度センサ11と相違し、その余の点において両者は共通する。以下、実施例1,4の相違点について中心に説明するものとし、重複説明を省略する。
まず、図11乃至図15を参照しながらステアリングシャフト20の操舵トルクを検出するための機構について説明する。図12に示すように、ステアリングシャフト20は、所定の捩れ−トルク特性を有する弾性部材から成るトーションバー23と、トーションバー23の入力側に接続された入力軸21と、トーションバー23の出力側に接続された出力軸22とを備える回転軸である。入力軸21と出力軸22とは、互いに同軸配置されているが、直接連結されておらず、トーションバー23を介在して接続されている。入力軸21は、ステアリングホイール(図示せず)に接続されており、ステアリングホイールの回転に同期して回転する。一方、出力軸22は、車輪(図示せず)の転舵方向を制御するためのステアリングギア機構(図示せ)に接続される。入力軸21及び出力軸22には、後述する弾性カラー80(図13参照)をステアリングシャフト20に取り付けるためのピン挿入孔21A及び22Aがそれぞれ形成されている。また、出力軸22には、後述するキャリア支持部材303(図11参照)を出力軸22に取り付けるピン93(図11参照)を挿嵌するためのピン挿入孔22Bが形成されている。
図13は、弾性カラー80の展開図を示している。弾性カラー80は、ステアリングシャフト20の軸芯方向に対して斜向する向きにその長手方向が形成されている複数の細長い弾性部材から成る弾性ヒンジ部80Aと、弾性ヒンジ部80Aの一端に接続される弾性部材801と、弾性ヒンジ部80Aの他端に接続される弾性部材802とを備える。弾性部材801は、弾性部材801を入力軸21の全周に沿って巻き付けるように取り付けるための二つのピン挿通孔80Bを備える。弾性部材802は、弾性部材802に形成された二つの開口部80Eの開口平面にそれぞれアーム状に延出する二つの弾性ヒンジ部80Dを備える。それぞれの弾性ヒンジ部80Dは、弾性部材802を出力軸22の全周に沿って巻き付けるように取り付けるためのピン挿通孔80Cを備える。なお、二つのピン挿通孔80Bは、入力軸21の軸芯に関して180degの取り付け位相差を有するように形成されている。同様に、二つのピン挿通孔80Cは、出力軸22の軸芯に関して180degの取り付け位相差を有するように形成されている。図11に示すように、弾性カラー80は、ピン挿通孔80Bを介してピン91をピン挿入孔21Aに挿嵌し、更にピン挿通孔80Cを介してピン92をピン挿入孔22Aに挿嵌することによりステアリングシャフト20の全周に沿って巻き付けられるように取り付けられる。弾性部材802には、ロータ30が固定される。
さて、ステアリング操作に伴う入力軸21の回転運動は、トーションバー23を介して出力軸22に伝達されるが、車輪と路面との間の摩擦により出力軸22は入力軸21の回転に遅れて回転し始めるので、トーションバー23には軸芯回りの捩れ応力が発生する。すると、図14に示すように、弾性ヒンジ部80A,80Dは、トーションバー23の捩れ応力の作用を受けて弾性変形する。上述の如く、弾性部材801はピン91によって入力軸21に固定され、弾性部材802はピン92によって出力軸22に固定されているため、トーションバー23が軸芯回りに捩れると、弾性部材801,802はステアリングシャフト20の軸芯回りに関して相対的にΔXの捩れ変位を起し、弾性部材802はステアリングシャフト20の軸芯方向にΔZの変位を起こす。ロータ30は、弾性部材802に固定されているため、ロータ30にもΔZの変位が生じる。ここで、ΔZの値は、ステアリングシャフト20の操舵トルクに依存して変化するため、ΔZは操舵トルクを反映する物理量として取り扱うことができる。
図11に示すように、一対の磁気センサ41,42は、ロータ30を肉厚方向から挟むように対向配置されるため、一対の磁気センサ41,42のうち何れか一方の検出信号に基づいてΔZを検出することができる。例えば、第一の主面30Aが曲面であり且つ第二の主面30Bが平面である場合には、第二の主面30Bに対向する磁気センサ42の検出信号に基づいてΔZを検出することができる。ステアリングシャフト20に操舵トルクが加えられると、ロータ30は、弾性カラー80の弾性変形に伴い+Z方向に変位するため、磁気センサ42とロータ30との間の距離はΔZだけ長くなる。このため、図15に示すように、磁気センサ42から出力される検出信号203は、ΔVだけ低下する(但し、実線は操舵トルクが加わる前の検出信号を示し、破線は操舵トルクが加わった後の検出信号を示すものとする。)。操舵トルクとΔVとの対応関係を予めデータテーブル(マップデータ)又は関数として求めておくことにより、ΔVから操舵トルクを求めることができる。説明の便宜上、図11には、加算器51、加算器52、及び信号処理回路53を図示していないが、角度センサ14は、加算器51、加算器52、及び信号処理回路53を備える点に留意されたい。メモリ54には、上述の操舵トルクとΔVとの対応関係を示すデータテーブル(マップデータ)又は関数が記憶されており、信号処理回路53は、データテーブル又は関数のうち何れか一方とΔVとを比較することによりステアリングシャフト20の操舵トルクを求める。
一方、第一の主面30Aが平面であり且つ第二の主面30Bが曲面である場合には、第一の主面30Aに対向する磁気センサ41の検出信号に基づいてΔZを検出することができる。ステアリングシャフト20に操舵トルクが加えられると、ロータ30は、弾性カラー80の弾性変形に伴い+Z方向に変位するため、磁気センサ41とロータ30との間の距離はΔZだけ短くなる。このため、磁気センサ41から出力される検出信号は、ΔVだけ上昇する。信号処理回路53は、データテーブル又は関数のうち何れか一方とΔVとを比較することによりステアリングシャフト20の操舵トルクを求めることができる。但し、第一の主面30A及び第二の主面30Bが両方とも曲面である場合には、ΔZの検出には不向きであるため、本実施例では、第一の主面30A及び第二の主面30Bのうち何れか一方が曲面であり、且つ他方が平面であるものとする。
なお、弾性カラー80の弾性変形に起因してロータ30がZ軸方向へ変位する場合、ロータ30がXY平面に対して傾くと、正確なトルク検出が困難になる。このため、第一の主面30Aが曲面であり且つ第二の主面30Bが平面である場合には、第二の主面30Bに対向配置される磁気センサ42,44からの検出信号の平均値に基づいてΔZを求めるのが好ましい。一方、第一の主面30Aが平面であり且つ第二の主面30Bが曲面である場合には、第一の主面30Aに対向配置される磁気センサ41,43からの検出信号の平均値に基づいてΔZを求めるのが好ましい。なお、上述の説明では、磁気センサ42,44は、ステアリングシャフト20の回転中心に関して90度の位相差を有するように配置される例を示したが、第二の主面30Bが平面である場合には、ステアリングシャフト20の回転中心に関して、磁気センサ42,44を180度対向配置し、磁気センサ42,44の検出信号の平均値に基づいてΔZを求めると、ロータ30の面ブレを相殺できるので、面ブレによる検出誤差をより効果的に低減できる。
次に、図11、図16乃至図20を参照しながらステアリングシャフト20の絶対角を検出するための機構について説明する。図11に示すように、角度センサ14は、ステアリングシャフト20の回転に連動して、一対の磁気センサ41,42と一対の磁気センサ43,44とのステアリングシャフト20の軸芯回りの相対的な位置関係を変化させる不思議歯車機構300を備える。図17に示すように、角度センサ14は、一対の磁気センサ41,42を保持する保持部材301と、一対の磁気センサ42,43を保持する保持部材302とを備える。出力軸22には、キャリア303Aを支持するキャリア支持部材303が固定される。キャリア303Aは、遊星歯車304を回転自在に軸止する遊星軸303Bを支承し、ステアリングシャフト20の回転に連動して遊星歯車304をステアリングシャフト20の軸芯回りに公転させる。保持部材301は、遊星歯車304に噛合する固定太陽内歯車301Aを備える。保持部材302は、遊星歯車304に噛合する可動太陽内歯車302Aを備える。なお、説明の便宜上、図17には、入力軸21、トーションバー23、ロータ30、及び弾性カラー80を図示していない点に留意されたい。図16に示すように、ステアリングシャフト20が回転すると、遊星歯車304は、固定太陽内歯車301A及び可動太陽内歯車302Aの両方に噛合しながら自転しつつ、ステアリングシャフト20の軸芯回りに公転する。
ここで、図17に示すように、保持部材301は、ボルト94によって固定部材99に固定される一方、保持部材302は、ステアリングシャフト20の軸芯回りに回転自在に配置されている。固定太陽内歯車301Aの歯数N1と、可動太陽内歯車302Aの歯数N2とは、僅かに異なるように予め設計されているため(例えば、N1=45,N2=48)、ステアリングシャフト20が一回転すると、保持部材302は歯数の差分(N2−N1)だけステアリングシャフト20の軸芯回りに回転する。図18は、ステアリングシャフト20が中立位置にあるときの状態を示し、図19は、ステアリングシャフト20が中立位置から時計回りに一回転したときの状態を示す。図18及び図19において、符号105,106は、ステアリングシャフト20の回転中心を通り、相互に直交する直線を示す。図18及び図19から理解できるように、ステアリングシャフト20が中立位置から時計回りに一回転すると、保持部材302は、ステアリングシャフト20の軸芯回りに関して時計回りにΔθの角度だけ変位する。
図20は、一対の磁気センサ41,42から出力される二つの検出信号を加算処理して得られる和信号201と、一対の磁気センサ43,44から出力される二つの検出信号を加算処理して得られる和信号202とを示す。一対の磁気センサ41,42の位置は予め固定されているため、和信号201の波長λ1は不変である一方、一対の磁気センサ43,44の位置は、ステアリングシャフト20の回転に連動してステアリングシャフト20の軸芯回りに回転移動するため、和信号202の波長λ2は一対の磁気センサ43,44の回転移動に連動して変化する。ステアリングシャフト20の全回転角度範囲(±900deg)において、波長λ1の和信号201の電圧値と、波長λ2の和信号202の電圧値との組み合わせは、ステアリングシャフト20の絶対角に一対一に対応する(但し、λ1≠λ2とする)。メモリ54には、波長λ1の和信号201の電圧値と、波長λ2の和信号202の電圧値と、ステアリングシャフト20の絶対角との組み合わせを示すデータテーブル(マップデータ)又は関数が記憶されており、信号処理回路53は、データテーブル又は関数のうち何れか一方と和信号201,202とを比較することによりステアリングシャフト20の絶対角を求める。
本発明に係わる角度センサは、回転軸の回転角を検出する用途に利用できる。
11,12,13,14…角度センサ
20…ステアリングシャフト
30…ロータ
30A…第一の主面
30B…第二の主面
41,42,43,44…磁気センサ
51,52…加算器
53…信号処理回路
54…メモリ
60…移動機構
61…セレーション
70…差動ネジ機構
201,202…和信号
203,204…検出信号
300…不思議歯車機構

Claims (8)

  1. 回転軸の回転に連動して前記回転軸の軸芯回りに回転するロータであって、第一の主面及びその裏面である第二の主面を有し、前記第一及び第二の主面の間の肉厚と前記軸芯回りの角度とが一対一に対応付けられるように前記肉厚が前記軸芯回りに沿って周期的に変化するロータと、
    前記第一の主面に対向配置される第一のセンサであって、前記第一の主面と前記第一のセンサとの間の第一の距離の情報を含む第一の検出信号を出力する第一のセンサと、
    前記第二の主面に対向配置される第二のセンサであって、前記第二の主面と前記第二のセンサとの間の第二の距離の情報を含む第二の検出信号を出力する第二のセンサと、
    前記第一及び第二の検出信号を加算して得られる第一の和信号に基づいて前記回転軸の一回転以内の回転角を演算する信号処理回路と、
    を備える角度センサ。
  2. 請求項1に記載の角度センサであって、
    前記第一の距離の変化量に対する前記第一の検出信号の変化量と、前記第二の距離の変化量に対する前記第二の検出信号の変化量とが同一である、角度センサ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の角度センサであって、
    前記回転軸の回転に連動して前記ロータを前記回転軸の軸芯方向に移動させる移動機構を更に備え、
    前記信号処理回路は、前記ロータの前記軸芯方向の移動に起因する前記第一又は第二の検出信号の変化に基づいて前記回転軸の回転数を算出し、前記回転数及び前記一回転以内の回転角に基づいて前記回転軸の絶対角を算出する、角度センサ。
  4. 請求項3に記載の角度センサであって、
    前記移動機構は、差動ネジ機構である、角度センサ。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の角度センサであって、
    前記回転軸は、弾性部材を介して相互に接続される入力軸及び出力軸を有しており、
    前記入力軸と前記出力軸との回転位相差に起因して弾性変形し、前記ロータを前記回転軸の軸芯方向に変位させる弾性部材を更に備え、
    前記信号処理回路は、前記ロータの前記軸芯方向の変位に起因する前記第一又は第二の検出信号の変化に基づいて前記回転軸の軸トルクを算出する、角度センサ。
  6. 請求項1又は請求項5に記載の角度センサであって、
    前記第一及び第二のセンサを保持する第一の保持部材と、
    前記第一の主面に対向配置される第三のセンサであって、前記第一の主面と前記第三のセンサとの間の第三の距離の情報を含む第三の検出信号を出力する第三のセンサと、
    前記第二の主面に対向配置される第四のセンサであって、前記第二の主面と前記第四のセンサとの間の第四の距離の情報を含む第四の検出信号を出力する第四のセンサと、
    前記第三及び第四のセンサを保持する第二の保持部材と、
    前記回転軸の回転に連動して前記第一及び第二の保持部材の前記軸芯回りの相対的な位置関係を変化させる歯車機構と、を更に備え、
    前記信号処理回路は、前記第一及び第二の検出信号を加算して得られる第一の和信号と、前記第三及び第四の検出信号を加算して得られる第二の和信号とに基づいて前記回転軸の絶対角を演算する、角度センサ。
  7. 請求項6に記載の角度センサであって、
    前記第三の距離の変化量に対する前記第三の検出信号の変化量と、前記第四の距離の変化量に対する前記第四の検出信号の変化量とが同一である、角度センサ。
  8. 請求項6に記載の角度センサであって、
    前記歯車機構は、不思議歯車機構である、角度センサ。
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