JP2011080370A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】休筒運転制御時に休筒気筒のパワータード装置(30)を用いて、当該休筒気筒の吸気行程時に排気弁(16)を開弁することで、ポンピング損失を低減し、休筒気筒のフリクションを低下させる。
【選択図】図1
Description
これは、低負荷よりも高負荷の方が燃焼効率が高く、燃費率が向上することから、一部の気筒を休筒し、その分の仕事を稼動気筒により補うことで、当該稼動気筒を高負荷運転させるというものである。
また、低負荷運転時における休筒運転では、稼動気筒により出力されるトルクに対し休筒気筒におけるフリクションの割合が大きく、当該休筒気筒のフリクションを稼動気筒により補うため、却って燃費が悪化する場合もある。
つまり、休筒気筒では、吸気行程時に吸気弁とともに排気弁が開弁され、吸気のポンピング損失が半減し、当該休筒気筒におけるフリクションを大幅に低減させることができる。
これにより、休筒運転による燃焼効率の向上効果を効果的に享受でき、より大きな燃費改善を図ることができる。
請求項2の内燃機関の制御装置によれば、排気弁開弁制御手段は、圧縮行程時に排気弁を開弁することで、気筒内の圧縮圧を開放し、エンジンブレーキ力を強化する圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキとする。
図1には本発明に係る内燃機関の制御装置の概略構成図が示されている。
図1に示すエンジン1(内燃機関)は1気筒当たり2本ずつの吸排気弁を備えた多気筒ディーゼルエンジンであり、図1にはそのうちの1つの気筒についての縦断面が示されている。
シリンダブロック2にはシリンダ(気筒)6が形成されており、当該シリンダ6内には上下摺動可能にピストン8が設けられている。
また、シリンダヘッド4には、シリンダ6と対応して下面に2つの排気開口部10a、10bが形成されており、当該排気開口部10a、10bからはエンジン1の側面に延びる排気ポート10が形成されている。
また、シリンダヘッド4の上部にはロッカシャフト22が設けられており、当該ロッカシャフト22にはロッカアーム24が回転自在に支持されている。当該ロッカアーム24の一端はリフタ20の上部と当接されている。
そして、当該カムシャフト26の回転に伴い、排気行程時にカム28がロッカアーム24の他端を押し上げることで、ロッカアーム24がロッカシャフト22を支点に揺動し、ロッカアーム24の一端がリフタ20を押し下げることで、排気弁16、18が開弁される。
また、当該エンジン1には、上述した通常の吸排気弁駆動に加えて、圧縮行程時に排気弁16を開弁することで、シリンダ6内の圧縮圧を開放し、エンジンブレーキ力を強化する圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキであるパワータード装置30(排気弁開弁手段)を備えている。
また、マスタシリンダ40は油路42の一端と連通されており、当該油路42の他端はシリンダヘッド4の排気弁16の上側部分に設けられたコントロールバルブ44に接続されている。
ソレノイドバルブ52は作動油源であるオイルポンプから油路54を介し、各気筒のコントロールバルブ44、油路42、50、油圧作動機構48、及び油圧発生機構34への作動油を供給する機能と、当該作動油を排出する機能を有している。なお、当該ソレノイドバルブ52により作動油を排出していくと、コントロールバルブ44内のチェックボール64及び弁体66が下がることで油入口58が閉塞され、それ以降は油圧発生機構34側の油路42と連通状態となったドレン孔56より、油圧発生機構34から発生した油圧が抜けるよう構成されている。
スレーブピストン72の下端は、リフタ20に設けられたピン部材76の上端と当接しており、当該ピン部材76の下端は排気弁16の上端と当接している。当該ピン部材76はリフタ20に対し上下摺動可能に支持されており、リフタ20の上下運動とは別に作動することが可能に構成されている。
以上の構成がパワータード装置30における圧縮圧開放機能のための構成である。
さらに各気筒に設けられたパワータード装置30のうち、一部の気筒のパワータード装置30にはパワータード用カム32に加えて吸気開放用カム80が設けられている。本実施形態では、6気筒のうちの図1に示す1気筒がこの吸気開放用カム80を備えたパワータード装置30とする。
また、車両には、エンジン1をはじめとした各種制御を行うECU82が搭載されている。ECU82は、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、エンジン1の運転制御等に関連した様々な制御量の演算を行うとともに、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行う。
以下、当該ECU82において実行される制御について詳しく説明する。
まず、ECU82は、パワータード制御部82aが上記ソレノイドバルブ52、及びパワータード用カム32と吸気開放用カム80との切替機構と電気的に接続されている。そして、運転者の操作によりパワータードモードに設定されているときには、上記パワータード装置30を用いた圧縮圧開放制御を行う。
詳しくは、ECU82は、通常の燃料噴射制御として、車両の運転状態等に応じて各気筒の燃料噴射量及び燃料噴射時期を設定し、当該設定に基づき各燃料噴射弁84による燃料噴射を実行する。
さらに、ECU82は、この休筒運転制御時には、パワータード制御部82aにより当該休筒気筒のパワータード装置30を用いた吸気開放制御も行う。
さらに、図3には吸気行程時に吸気弁とともに排気弁を開弁した場合と吸気弁のみを開弁した場合を示したPV線図が示されており、同図に示すように、当該吸気開放制御を行うことで、吸気行程における筒内圧力の低下が吸気弁のみを開弁した場合よりも減少する。したがって、当該図3において斜線部の面積で示される当該休筒気筒における仕事量は吸気行程のポンピング損失分低減される。
以上のように休筒気筒におけるフリクションを大幅に低減させることができることで、休筒気筒分の仕事を補う稼動気筒の負担も低減させることができる。
また、圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキであるパワータード装置30を用いて、休筒気筒の吸気行程時における排気弁16の開弁を行うことで、当該エンジン1において大きな設計変更を行うことなく、容易に休筒気筒のフリクション低減を行うことができる。
上記実施形態では、パワータード装置30は1気筒当たり2つ設けられている排気弁16、18のうち一方の排気弁16のみを開弁可能な構成であるが、両排気弁を開弁可能なパワータード装置であっても構わない。
8 ピストン
16、18 排気弁
26 カムシャフト
28 カム
30 パワータード装置(排気弁開弁手段)
32 パワータード用カム
34 油圧発生機構
44 コントロールバルブ
52 ソレノイドバルブ
80 吸気開放用カム
82 ECU
82a パワータード制御部(排気弁制御手段)
82b 燃料噴射制御部(燃料噴射制御手段)
84 燃料噴射弁
Claims (2)
- 吸気通路との連通及び遮断を行う吸気弁、及び排気通路との連通及び遮断を行う排気弁が設けられた気筒を複数有する内燃機関と、
前記各気筒に設けられ、該気筒内に燃料を供給する燃料噴射手段と、
前記燃料噴射手段を制御し、前記各気筒のうち所定の気筒への燃料噴射を停止可能な燃料噴射制御手段と、
少なくとも前記所定の気筒に設けられ、排気行程時以外にも前記排気弁を開弁可能な排気弁開弁手段と、
前記燃料噴射制御手段により所定の気筒への燃料噴射が停止されている際に、該所定の気筒の吸気行程時に前記排気弁開弁手段により前記排気弁を開弁させる排気弁制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記排気弁開弁制御手段は、前記各気筒に設けられ、圧縮行程時に排気弁を開弁可能な圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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