JP2011080140A - 磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の薄鋳片および無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の薄鋳片および無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】REM、O、Sを適切に制御した溶鋼を用いて双ロール法で薄鋳片を鋳造した場合、仕上げ焼鈍時に結晶粒成長が促進されて鉄損を低減した無方向性電磁鋼板が得られるが、鋼の清浄度が高いために鋳造直後のストリップの結晶組織が粗大化し、その後の冷間圧延の際、安定した通板性が得られない課題があった。
【解決手段】鋼にREMを適正量添加し高純度鋼化するとともに、鋳造直後のストリップに直接圧延を施すことにより鋳造組織を一旦破壊し、その後のストリップの予熱で再結晶、粒成長を進行させることにより、冷間圧延性に優れた鋳造鋼帯を得ることができ、磁気特性が優れた無方向性電磁鋼板を省エネルギーのプロセスで得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器の鉄心として用いられる、磁束密度が高く鉄損が低い無方向性電磁鋼板に関するものである。
近年、無方向性電磁鋼板が鉄心として用いられる電気機器においては、世界的なCO2削減、フロンガス規制等の地球環境保全の動きの中で、高効率化の動きが急速に進みつつある。
IPCC(Intergovermental Panel on Climate Change)の第4次評価報告書(Fourth Assessment Report;AR4)では産業革命以降の急激なCO2増加と地球温暖化の原因が人類の活動に起因することを中立の立場から結論付けた。これにより、地球温暖化による環境破壊の抑制のためにCO2排出量の削減は喫緊の課題となったのである。
このため、低級グレードの無方向性電磁鋼板が用いられてきた産業用モーターにおいては、欧州、米国などでIEC統一規格に法制化する動きがあり、米国では2012年にIE(Industrial Engineering)3が規格化され、欧州では2011年にIE2が、2015年にはIE3がそれぞれ規格化され、日本でもIE2が規格化されている。
このような背景から、無方向性電磁鋼板に対しても、その特性向上、すなわち高磁束密度かつ低鉄損化への要請がますます強まっている。
無方向性電磁鋼板が用いられる機器の効率向上には無方向性電磁鋼板の持つ二つの磁気特性を改善することが肝要である。すなわち、磁束密度の向上と鉄損の低減である。
磁束密度が向上すると使用時の鉄心の磁化力が高まり、モーターなどにおいては回転トルクが向上するとともに、より少ない電流で同じトルクが得られるため、銅線に流す電流を減らすことができ、銅損による損失を低減できる。
回転トルクの向上により、同一出力を得るために必要なモーターのサイズを小さくすることができ、これにより移動体に積載する回転機が小型化すると、移動体が必要とするエネルギーを減少させることができる。この面でも効率向上につながる。
一方、鉄損が減少すると鉄心が励磁される際に板面内を流れる渦電流により発生するジュール熱損失を低減することができる。
従来技術では、鉄損を減少させるために鉄に電気低効率を上昇させるSiを添加し、渦電流を減少させ、鉄損を減少させていた。
また、無方向性電磁鋼板の集合組織を改善し磁束密度を向上させるため、冷間圧延前の結晶組織を粗大化させ、板面に難磁化方向を有し、磁束密度を低下させる{111}<112>集合組織の発達を抑制する目的で熱延板焼鈍を行うか、仕上げ熱延の後面の温度を上昇させて熱延鋼帯の結晶組織を粗大化することが行われてきた。
仕上げ焼鈍時の粒成長を阻害する介在物として、シリカやアルミナなどの酸化物、硫化マンガンなどの硫化物、窒化アルミや窒化チタンなどの窒化物がある。
このうち、酸化物に関しては、強脱酸元素であるAlを十分添加し、酸化物の浮上時間を十分に取り、溶鋼段階で酸化物を除去し無害化することが可能となっている。
硫化物については、次に述べるCa添加もしくはREM添加により脱硫を行う先行技術がある。
例えば特許文献1においては、Caとそれに適した上限を持つSに鋼組成を調整することにより、CaSを形成させ硫化物を減少させ、低鉄損を得る方法が開示されている。
硫化物については上述のように溶鋼段階で高純化を実施するほか、特許文献2、特許文献3、特許文献4のように脱硫元素としてREMの添加により微細で有害なTiNをREMオキシサルファイドとの複合析出により固定する方法が開示されている。
窒化物については、特許文献5、特許文献6にBの添加により粗大介在物としてNを固定する方法が開示されている。
一方、設備費を節約し最終製品に近い成品を製造することにより省プロセスを図る方法としてCSP(Compact Strip Process)がある。ここで、CSPとは、従来の熱延鋼帯製造設備のように、製鋼、連続鋳造、粗圧延、仕上熱延のプロセスを経ることなく、溶鋼を製鋼処理した後、熱延鋼帯に相当する鋳造鋼帯を直接得る設備を示す。
CSPの従来技術としては、溶鋼を対になったロールの間に注ぎ、その隙間から溶鋼を凝固させながら鋳造する双ロール法などが実用化されている。
CSPによる鋳造鋼帯は一般に結晶組織が粗大化しやすく、その後の冷間圧延の際、安定した通板性が得られないなどの冷延の安定性に課題がある。
このため、双ロールの凝固接触部で双ロールにより圧下するなどの方法も取られているが、純度の高い無方向性電磁鋼板の場合、結晶粒成長が速く、冷延の安定性が必ずしも十分に改善されているとはいえない課題があった。
特開2001−271147号公報 特開昭51−62115号公報 特開昭56−102550号公報 特許第3037878号公報 特公昭58−1172号公報 特公昭59−20731号公報
従来の技術では、磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板を製造しようとした場合、製鋼で高いコストをかけて高純度鋼化したり、熱延鋼帯にコストのかかる熱延板焼鈍を施したりする必要があった。これに対し、CSPで薄鋳片を鋳造した場合、コストを削減して熱延板焼鈍なみの結晶組織を得ることができ、さらに、REM、O、Sを適切に制御することにより、REM22S上にTiNを析出させ、微細なTiNの形成を防止することで仕上げ焼鈍時の結晶粒成長を促進して鉄損を低減できるメリットがあるが、上記のように、鋼の清浄度が高い故に鋳造直後の高温のストリップの結晶組織が粗大化し、その後の冷間圧延の際、安定した通板性が得られないなどの冷延の安定性に課題があった。
鋼の清浄度の上昇により結晶組織が冷延の安定性に課題をもたらすまでに成長する鋳造鋼帯の結晶組織を制御する手段として、鋳造直後の高温のストリップに適切な熱間加工を施し鋳造鋼帯の結晶組織を制御することを旨とするものである。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 鋼中に質量%で、
0.3≦Si≦3.5、
0.15≦Mn≦1.5、
かつ鋼中に質量ppmで、
C≦50、
S≦40、
N≦50、
Ti≦50、
10≦REM≦500、
20≦O≦50
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を溶製し、これを双ロール鋳造法により鋳造し、
鋳造直後のストリップを圧延温度900℃以上1100℃以下の温度で双ロール直下に設けたロールで圧下率30%以上50%以下の圧延を施し鋳造鋼帯とし、
前記鋳造鋼帯に一回の冷間圧延を施し、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法。
(2) さらに鋼中に質量%で、
0.3≦Al≦2.5
を含有することを特徴とする上記(1)に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(3) 前記冷間圧延の圧延率を55%以上85%以下とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(4) 上記(1)または(2)に記載の鋼を溶製し、これを双ロール鋳造法により鋳造し、鋳造直後のストリップを圧延温度900℃以上1100℃以下の温度で双ロール直下に設けたロールで圧下率30%以上50%以下の圧延を施すことにより得られた無方向性電磁鋼板製造用の鋳造鋼帯。
本発明によれば、REM添加による高純度鋼を双ロール鋳造法により鋳造した際に発生する鋳造鋼帯の冷延安定性の課題を改善する効果がある。
DRM(Direct Rolling Mill)を付帯した双ロール鋳造機を示す図である。
まず、本発明で用いる鋼の成分について説明する。なお、元素の含有量の%、ppmはそれぞれ質量%、質量ppmを意味する。
Siは本発明においては電気抵抗率を確保するため、0.3%以上3.5%以下の範囲で添加される。0.3%未満ではその鉄損低減効果が不足し、3.5%超では冷間圧延が困難になるので3.5%以下に定める。
Alは本発明においては添加は必須ではないが、添加する場合は電気抵抗率を確保するため、0.3%以上2.5%以下の範囲で添加される。0.3%未満ではその鉄損低減効果が不足し、2.5%超では冷間圧延が困難になるので2.5%以下に定める。
Mnは本発明においては電気抵抗率と鋳造時の熱間脆性を改善するため、0.15%以上1.5%以下の範囲で添加される。0.15%未満ではその鉄損低減効果が不足し、1.5%超ではその効果が飽和するので1.5%以下に定める。
鋼中の不可避不純物であるC、S、N、Tiは下記の範囲に低減させることにより低鉄損化を促進する。
C含有量が増大すると鉄心として使用中に磁気時効が生じて鉄損が増加するので、Cは50ppm以下に定める。
S含有量が増大すると硫化物のB系介在物が増加して著しく結晶粒成長を妨げ鉄損が悪化するのでSは40ppm以下に定める。
N含有量が増大すると窒化物が増大して粒成長を妨げ鉄損が悪化するのでNは50ppm以下に定める。
Ti含有量が増大するとTiNなどの化合物が増大して鉄損が悪化するのでTiは50ppm以下に定める。
本発明では、REM22S上に微細TiNを複合析出させて鋼の清浄度を向上させる。そのためにREMは重要な元素である。REMはS、Oと結合して粗大なオキシサルファイド系介在物を形成する。REMは酸硫化物となった後、TiNなどの析出物の核となり鋼のスカベンジングを行い鋼中の微細析出物を低減し、鋳造直後や仕上げ焼鈍中の結晶粒成長性を著しく促進し、鉄損の改善に効果があるので、1種または2種以上を10ppm以上500ppm以下添加する。
10ppm未満ではその効果は十分でなく、500ppm超ではその効果が飽和するので10ppm以上500ppm以下に定める。
ここでREMとは、原子番号が57のランタンから71のルテシウムの15元素に原子番号が21のスカンジウムと原子番号が39のイットリウムを加えた合計17元素の総称である。
OはREM、Sと結合して粗大なオキシサルファイド系介在物を形成し、さらにTiNなどの析出物の核となりスカベンジングを行い、鋼中の磁性に有害な微細析出物を低減するので添加する。添加量が20ppm未満であるとその効果が不足し、50ppm超であると過大な酸化物系析出物が析出して磁性にかえって有害である。よってOの範囲は20ppm以上50ppm以下に定める。
次に、無方向性電磁鋼板を製造するためのプロセス条件について説明する。
本発明の特徴は、粗大な組織となり冷延の安定性に課題の多い双ロール鋳造法による鋳造鋼帯の冷延性を改善することにある。このため、双ロールによる鋳造直後に制御された軽い圧下を実施し、ストリップの組織を改善し、冷延安定性に優れた鋳造鋼帯を得ることに技術の主眼がある。
まず、前記成分からなる組成の鋼を双ロール鋳造法によりストリップに鋳込む。双ロールの直下には、この鋳造されたストリップを直後に圧下できるロールがあるのが本発明の装置的な特徴である。以下、この圧下装置をDRM(Direct Rolling Mill)と呼ぶ。
また、双ロール鋳造機からこのDRMまでの区間の鋼帯をストリップ、DRMによる圧下を受けた以降の鋼帯を鋳造鋼帯と呼んで区別する。
図1に、本発明で使用する双ロール鋳造機の模式図を示す。
DRMでは鋳造されたストリップを900℃以上1100℃以下の温度で圧延する。この温度が900℃未満では、圧下後のストリップの結晶粒成長が不十分であり、冷間圧延し、焼鈍した後の無方向性電磁鋼板の磁気特性が良好でないので900℃以上に定める。
また、1100℃超では、DRMにより圧延した後に再結晶し、その後に粒成長が著しく進行して得られた鋳造鋼帯の冷間圧延の安定性に課題を残したままになる。このため、DRMによる圧延の効果が失われてしまうので1100℃以下に定める。
DRMによるストリップの圧下は、30%以上50%以下の圧下率の範囲で行う。
圧下率が30%未満であるとストリップをDRMで圧下した後に再結晶が生じないので一旦再結晶させて粗大なストリップの組織を微細化し、再び粒成長させる本発明の効果が期待できない。また、圧延温度が低い場合、歪誘起粒成長が生じて巨大な結晶が生じ、圧延の安定性が低下する。以上の理由から、DRMによるストリップの圧下は30%以上と定める。
一方、DRMによるストリップの圧下率が50%を超えると、圧延後の再結晶組織が微細になりすぎ、DRMによる圧下を受け、ストリップが冷却されて最終の鋳造鋼帯になるまでに結晶粒成長が不十分となり、冷延、焼鈍後の磁気特性が劣化する。以上の理由から、DRMによるストリップの圧下は50%以下と定める。
DRMにおけるロールの材質やロールの駆動機構その他は、公知の圧延機能を有する機構で良い。
DRMによる圧延を経た鋳造鋼帯は公知の方法で冷却するか、あるいは冷却を施さずに巻き取る。巻き取る方法は公知の方法で良い。
本発明では、以上のような条件で鋳造鋼帯を製造する。これにより、後述の実施例で示すように鋳造鋼帯の繰返し曲げ試験の成績が向上する。この結果、鋼帯のハンドリング性が改善されて冷延での通板性が安定し、従来のCSPでの課題が改善される。
本発明で、特に、REM添加を行った高純度鋼においてDRMにより30〜50%の圧下を鋳造直後のストリップに施した際に、鋳造鋼帯の繰返し曲げ試験の成績が向上する理由については、下記のように推察される。
すなわち、REM添加により高純度鋼化した双ロール鋳片はそのままでは鋳造後の結晶粒成長が著しく、場合によっては板厚を1粒が貫通するほどの粗大結晶組織となる。これを繰返し曲げ試験に供した場合、特に高Si材では双晶が発生しやすく、亀裂の起点になりやすい。同じことは冷間圧延の際にもあてはまり、加工の際に転位のすべりの自由度が少ないので亀裂が発生しやすくなる。自由な変形には5つ以上の独立な結晶系が必要とされており、粗大な結晶は遷移帯を発生させるなどして変形の自由度を確保する。
DRMによる圧延を適切に調節することにより、高純度鋼の鋳造鋼帯の結晶粒径が適切に調整され、その後のハンドリング性が改善され、繰返し曲げ試験の成績が向上したものと推察される。
DRMで圧下された後の鋳造鋼帯は、続いて冷間圧延され、仕上焼鈍される。その際の条件は通常の無方向性電磁鋼板の製造において採用されている条件でよいが、磁気特性の点からは、冷間圧延率を55%以上85%以下とするのがよい。
冷延率55%未満であると磁束密度を向上させるGOSS方位の発達が抑制され磁束密度が低下する。また、冷延率が85%を超えると、磁気特性に好ましくないガンマファイバー集合組織が発達して磁束密度が低下する。GOSS方位を発達させる観点からは冷延率はさらに60%以上80以下であることがより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
表1に示した成分の鋼を溶製し、双ロール鋳造法により所定の板厚のストリップを鋳造した。
当該ストリップに対し、双ロールドラムの直下に設けた直接熱延(DRM;Direct Rolling Mill)用のロールにより所定の圧下率(DRM%)で圧下を施し、所定の厚み(HGmm)の鋳造鋼帯に仕上げた。
次に、得られたストリップを所定の温度の油中に浸しJISC2550に定められた方法で繰り返し曲げ試験を行った。繰返し曲げ試験は5回を超えると冷間圧延において安定した通板性が得られる指標となる。その結果を表2に示す。
表2より、DRMの圧下率が30%以上の場合に25℃での繰返し曲げ試験の回数が5回を超えており、冷間圧延における通板の安定性に優れており、実際の冷間圧延でも問題がなかった。
このように、鋳造直後のストリップを圧延温度900℃以上1100℃以下の温度で双ロール直下に設けたロールで圧下率30%以上50%以下の圧延を施すことで冷間圧延性に優れた鋳造鋼帯が得られることがわかる。
Figure 2011080140
Figure 2011080140
表3に示した成分の鋼を溶製し、双ロール鋳造法により所定の板厚のストリップに仕上げた。次に双ロールドラムの直下に設けた直接熱延(DRM)用のロールにより圧下率(DRM%)35%で鋳造直後の1030℃のストリップに直接圧下を施し、930℃から980℃の温度域で所定の厚み(HGmm)の鋳造鋼帯に仕上げた。
また、比較例として鋼45から鋼52の公知の方法で製造した200mm厚の連続鋳造スラブを1150℃で加熱し40mmの粗バーに仕上げ、熱延終了温度880℃で所定の厚み(HGmm)の熱延板に仕上げた。
これらの熱延板は繰り返し曲げ試験を行ったところ、いずれの温度でも曲げ回数5回以上を達成しており、実際の冷間圧延でも問題がなかった。
このように、鋳造直後のストリップを圧延温度900℃以上1100℃以下の温度で双ロール直下に設けたロールで圧下率30%以上50%以下の圧延を施すことで冷間圧延性に優れた鋳造鋼帯が得られることがわかる。
これらのプロセスにより得られた鋳造鋼帯あるいは熱延板を、冷間圧延により0.35mmの板厚に仕上げ、950℃30秒の仕上げ焼鈍を施し、磁気測定を行った。
プロセス条件と磁気測定結果をあわせて表3に示す。表3より、本発明で既定したプロセスで、本発明で既定する冷延率において優れた磁気特性が得られることがわかる。
Figure 2011080140
表4に示した成分の鋼を溶製し、双ロール鋳造法により所定の板厚のストリップに仕上げた。次に、双ロールドラムの直下に設けた直接熱延(DRM)用のロールにより、鋳造直後の1020℃のストリップに圧下率35%で直接圧下を施し、950℃で、厚み(HG)1.4mmの鋳造鋼帯に仕上げた。
このプロセスにより得られた鋳造鋼帯を冷間圧延により0.35mmの冷延板厚に仕上げ、950℃30秒の仕上げ焼鈍を施し、磁気測定を行った。
プロセス条件と磁気測定結果をあわせて表4に示す。
表4より、REM添加量とTi、Oの複合添加量を適切に制御することにより低い優れた鉄損値が得られることがわかる。
Figure 2011080140

Claims (4)

  1. 鋼中に質量%で、
    0.3≦Si≦3.5、
    0.15≦Mn≦1.5、
    かつ鋼中に質量ppmで、
    C≦50、
    S≦40、
    N≦50、
    Ti≦50、
    10≦REM≦500、
    20≦O≦50
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を溶製し、これを双ロール鋳造法により鋳造し、
    鋳造直後のストリップを圧延温度900℃以上1100℃以下の温度で双ロール直下に設けたロールで圧下率30%以上50%以下の圧延を施し鋳造鋼帯とし、
    前記鋳造鋼帯に一回の冷間圧延を施し、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. さらに鋼中に質量%で、
    0.3≦Al≦2.5
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記冷間圧延の圧延率を55%以上85%以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の鋼を溶製し、これを双ロール鋳造法により鋳造し、鋳造直後のストリップを圧延温度900℃以上1100℃以下の温度で双ロール直下に設けたロールで圧下率30%以上50%以下の圧延を施すことにより得られた無方向性電磁鋼板製造用の鋳造鋼帯。
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