以下、本発明の分配包装体詰め食品を図面を参照しながら説明する。
本発明の分配包装体詰め食品に用いる分配包装体は、図1に示すように、分配包装体100は、硬質蓋体10と可撓性容器体20とから構成されており、硬質蓋体10は、その表面11の中央部に表面側から形成されたハーフカット部を有する折り曲げ線12と折り曲げた時に吐出口を形成する突部13とを有する。なお、本発明に用いる分配包装体の外観形状としては、従来の分配包装体の外観形状と同様とすることもできる。
ここで、硬質蓋体10の「硬質」とは、可撓性容器体20よりも相対的に硬く、分配包装体100を指でつまんで折り曲げ線で折り曲げることができ且つ突部13を開口させるようにできる硬さを意味する。また、可撓性容器体20の「可撓性」とは、硬質蓋体10よりも相対的に可撓性を示し、分配包装体100を指でつまんで折り曲げ線で折り曲げた時に、折れ曲がった硬質蓋体10の押圧で潰れて内容物を開口した突部13から吐出できるように変形することを意味する。
また、硬質蓋体10の表面11の「中央部」とは、例えば、硬質蓋体10が長方形の場合には、対向する長辺の中点を結んだ線を含む領域であり、正方形の場合には、対向する辺の中点を結んだ線を含む領域又は一つの対角線を含む領域であり、菱形の場合には、短対角線を含む領域であり、円の場合には、円の中心を通る一つの直線を含む領域であり、楕円の場合には、長径の中心を通り、長径に対して垂直な直線を含む領域であるが、これらに限定されるものではない。
硬質蓋体10は、図2に示すように、印刷受容層14、硬質酸素バリア層15及び硬質蓋体10の裏面となるべき蓋体シール層16をこの順に積層してなる硬質複合シート200から形成されている。硬質酸素バリア層15は、PS層15aとEVOH層15bとを有する。ハーフカット部17は、硬質蓋体10の表面側から形成されており、EVOH層15bを超えてPS層15aまで及んでいる。すなわち、EVOH層15bは、PS層15aよりも印刷受容層14側に配置されている。なお、硬質中間層15のPS層15aと蓋体シール層16との間には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の樹脂層を挟持させてもよい。
また、可撓性容器体20は、食品を収容するためのポケット部21を有し、硬質蓋体10の裏面に可撓性容器体20の周縁部(図示せず)が融着されている。ポケット部21を形成する可撓性容器体20は、分配包装体100の使用目的に応じ、例えば、折り曲げ線12を跨いで1個、折り曲げ線12の両側にそれぞれ1個、あるいはその他複数個設けることができる。また、折り曲げ線12の両側にあるポケット部21を連通させてもよい。
このような可撓性容器体20は、図3に示すように、表面保護層22、酸素バリア層23及び内容物に接し且つ硬質蓋体10に溶着させるべき容器体シール層24をこの順に積層してなる可撓性複合フィルム300から形成される。
なお、ハーフカットの意味は従来からの意味と同義である。また、ハーフカット部17の形成は、例えば、特開2001−328095号公報に開示されているような公知のハーフカット装置により行うことができる。本発明においては、硬質蓋体10の印刷受容層14側からPS層15aにカットを入れてあり、良好な開口性を実現し、かつ、ゲルの粘度低下防止効果を得るために、PS層15aの全層厚の表層側から10〜90%の深さまでカットを入れることが好ましい。
突部13は、好ましくはハーフカット部17を設けた折り曲げ線12上に設ければ良く、分配包装体100の使用目的に応じ、1個又は複数個設けてもよい。突部13の形状は、分配包装体100の硬質蓋体10を下側に向けてその両端を折り曲げ線を中心として指でつまんでV字型に折り曲げることにより、突部13の頂点より開口していくような形状であればよい。例えば、図1のように突条帯形状でもよく、三角錐形状、四角錐形状、半円球形状等でもよい。突部13の形成は、通常、ハーフカット処理の後に、金型成形法で加熱変形させることにより形成することができる。
硬質蓋体10の厚みは、分配包装体の蓋体として通常用いられている蓋体の厚み範囲と同様とすることができ、具体的には250μm以上700μm以下、好ましくは250μm以上500μm以下である。このようにすれば、分配包装体100の蓋体としての良好な開口性や硬質複合シート200の成形性を損なうことなく、適度なシートのコシ及び触感を持たせて、分配包装体としての商品価値を保持することができる。
次に、硬質蓋体10を構成する印刷受容層14、硬質酸素バリア層15及び硬質蓋体10の裏面となるべき蓋体シール層16について、詳細に説明する(図2)。
硬質蓋体10を構成する印刷受容層14は、硬質蓋体10の外側(可撓性容器体20と反対側)に配置される層であり、グラビア印刷法やフレキソ印刷法等により印刷インクを受容し、印刷層が形成される層である。また、硬質酸素バリア層15を保護する機能も有する層である。このような印刷受容層14は、良好な印刷適性、印刷安定性を示す熱可塑性樹脂層から構成することができ、中でもそれらの特性について特に優れているポリエステル樹脂層を有することが好ましい。通常、印刷受容層14は、ポリエステル樹脂単層からなるが、同種、異種のポリエステル樹脂層を2層以上、ドライラミネーション法や共押出法等により積層してもよい。
ポリエステル樹脂層としては、従来の分配包装体で用いられているものと同様のものを使用することができ、例えば、多価アルコール成分100モル%中に1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を5モル%以上、好ましくは10〜50モル%、より好ましくは15〜45モル%含む非結晶性の共重合ポリエステル樹脂を使用することができる。この場合、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が少なすぎると共重合ポリエステル樹脂の非晶化度を高め難く、一方、多すぎるとフィルムの耐衝撃強度が低下する傾
向があることに留意する必要がある。
また、硬質蓋体10の耐熱性、印刷特性等を考慮し、ポリエステル樹脂を構成するユニット100モル%中にエチレンテレフタレートユニットが好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上となるようにする。他方、多価カルボン酸成分100モル%中にテレフタル酸成分を好ましくは50モル%以上とし、多価アルコール成分100モル%中にエチレングリコール成分を好ましくは50〜95モル%、より好ましくは60〜90モル%とする。
前記多価アルコール成分を構成する多価アルコール類としては、上述した1,4−シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールの他に、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等のアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ダイマージオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール化合物又はその誘導体のアルキレンオキサイド付加物等も併用できる。
多価カルボン酸成分を構成する多価カルボン酸類としては、上述のテレフタル酸及びそのエステルの他に、芳香族ジカルボン酸、それらのエステル形成誘導体、脂肪族ジカルボン酸等が利用可能である。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。またこれらの芳香族ジカルボン酸やテレフタル酸のエステル誘導体としてはジアルキルエステル、ジアリールエステル等の誘導体が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等や、通常ダイマー酸と称される脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
印刷受容層14(通常は、ポリエステル樹脂単層)の厚みは、分配包装体100の硬質蓋体10として通常用いられている印刷受容層の厚みの範囲であればよく、印刷受容層14の厚みが薄すぎると、分配包装体100の硬質蓋体10を形成するための硬質複合シート200の表面強度が低下し、印刷受容層14と共に印刷層が剥落してしまうことが懸念され、一方、印刷受容層14の厚みが厚すぎる場合には、PS層15aに入れるハーフカットの調整が難しくなる傾向があるので、好ましくは10μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上40μm以下である。
硬質蓋体10を構成する硬質酸素バリア層15は、硬質蓋体10に粘度低下防止効果と良好な開口性を付与するための層であり、内容物側からPS層15aとEVOH層15bとを有する。また、EVOH層15bには、本発明の効果を損なわない範囲で接着性樹脂等他の熱可塑性樹脂を適宜必要に応じて添加することができる。接着性樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するオレフィン系共重合体が好ましく、特にエチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリン酸共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン等がポリオレフィン系樹脂層との接着に適している。本発明のゲルの粘度低下防止効果を損なわない範囲としてEVOH層15bに添加される接着性樹脂の添加量は20質量%以下が好ましい。
PS層15aは、硬質蓋体10に強度と開口性とを付与する層である。PS層15aを構成するPSとしては、従来の分配包装体で使用されているPSを利用することができ、具体的には、汎用ポリスチレン(以下において「GPPS」という。)、耐衝撃性ポリスチレン(以下において「HIPS」という。)、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー(ブタジエン系化合物)の配合品の単体あるいは、それらのブレンドを挙げることができる。ここで、GPPSは、ゴム成分を含まず、極めて割れやすい特性を有する。一方、HIPSは、ゴム成分がブレンドされているので、割れにくい性質を持っている。したがって、GPPSとHIPSとのブレンド比を適切にコントロールすることによって、パッケージを開口する際の蓋体に生じる割れ性を調節することができる。GPPSとHIPSの配合比は、質量比で好ましくは10:90〜80:20、さらに好ましくは10:90〜70:30とすることが望ましい。
PS層15aの厚みは、分配包装体の蓋体に通常用いられているPS層の厚み範囲と同様とすることができ、薄すぎると分配包装体100の蓋体として使用した際に良好な開口性を得ることが困難となり、必要以上に厚くする必要性もないことから、通常150μm以上500μm以下、好ましくは200μm以上400μm以下である。なお、硬質蓋体10を形成するための硬質複合シート200の好ましい厚みが250μm以上700μm以下であることから、硬質複合シート200においてPS層15aは主構成層となっている。
また、PS層15aは、硬質蓋体10に生じる割れ性を調節するものでもあるので、ハーフカット部17を設けた折り曲げ線12を有する分配包装体100においては、通常、ハーフカット部17を表層側からPS層15aに形成する際に、ハーフカット部17の深さをPS層15aの印刷受容層14側から10〜90%の深さとなるまでカットを入れることが好ましい。
EVOH層15bは、PS層15aにドライラミネーション法や共押出法等により積層される。前述したように印刷受容層14側からPS層15aに達するハーフカットが形成されるので、EVOH層15b自体は、ハーフカット部17で厚さ方向に切断されていることになる。よって、EVOH層15bは分配包装体100の開口の際に生じる割れには関与せず、EVOH層15bの層厚を従来(2〜15μm厚)より大きくしても分配包装体の開口性が低下することはない。そこで、硬質蓋体10のEVOH層15bの層厚を大きくしゲルの粘度低下防止効果を向上させることができるが、厚過ぎてもそれに見合った本発明の効果が得られないので、EVOH層15bの層厚は、具体的には15μm超50μm以下、好ましくは15μm超40μm以下である。
EVOH層15bを構成するEVOHとしては、エチレン含有量29〜47モル%が好ましく、32〜44モル%のものがより好ましい。また、そのケン化度は90モル%以上のものが好ましく、95モル%以上のものがより好ましい。
硬質蓋体10の裏面となるべき蓋体シール層16は、後述する可撓性容器体20と溶着するためのものであり、従来の分配包装体の蓋体のシール層と同様の構成とすることができ、ポリオレフィン樹脂、好ましくはポリエチレン(以下、PE)から形成することが好ましい。この場合、ポリオレフィン樹脂層は同種又は異種のもの2層以上から構成してもよい。具体的には、蓋体シール層16をPE層から形成する際に、内容物側のPEアウター層とその内側のPEインナー層との複層構造としてもよい。かかる二層構造のPE層としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、あるいはLDPEとHDPEをブレンドしたものを使用することができる。
蓋体シール層16として、LDPEとHDPEとのブレンド物を用いる場合、ブレンド比率の決定は、層厚と、PEアウター層及びPEインナー層のそれぞれに要求される特性とを考慮した上で行うことが好ましい。すなわち、PEアウター層は、蓋体シール層16の内容物側に位置するから、可撓性容器体20とのシール性及び適度な開口性を確保する必要があり、そのため、LDPEの配合比を高くすることが好ましい。一方、PEインナー層は、硬質酸素バリア層15のPS層15aの割れに伴って、層(膜)の「切れ」の伝播が良好に行われる必要があり、そのため、HDPEの配合比を高くすることが好ましい。一般的には、LDPEとHDPEの配合比は、質量比で40:60〜80:20、好ましくは50:50〜80:20、さらに好ましくは60:40〜80:20とする。このような構成とすることによって、LDPEとHDPEとの配合比率を自由にコントロールして、分配包装体100を開口する際の蓋体に生じる割れ性や、PS層15aとの接着強度を調節することができる。また、両者の配合によって、LDPEによりメルトテンションを高めることができ、製膜性の安定化を図るとともに、HDPEによる開口時の易割性に優れた蓋体を得ることが可能になる。
なお、LDPEは、密度が0.92以上のものが好ましく、HDPEは、密度0.95以上のものが好適に使用される。密度を高くすることにより、PE層により良好な裂け性を付与することができる。
蓋体シール層16の厚みは、薄すぎると良好なシール性を実現することが困難となり、厚すぎると開口時の良好な切れを実現することが困難になるので、好ましくは10μm以上40μm以下である。特に、蓋体シール層16をPEアウター層とPEインナー層とから構成した場合、それぞれの厚さを好ましくは5μm以上20μm以下とする。これにより、開口時の切れを良好に保ちつつ、同時に良好なシール性も保持しゲルの粘度低下防止効果を向上させることができる。
以上説明した硬質蓋体10を形成するための硬質複合シートや後述する可撓性容器体20は、ドライラミネート法、共押出法あるいはこれらを組み合わせた方法により製造することができる。また、共押出法により前後の層を接着する際、当該前後の樹脂層が接着し難い場合は貼り合わせる素材に応じて種々の接着性樹脂から適切なものを選択して接着させることができる。
また、硬質蓋体10は、例えば、硬質複合シート200に対し常法に従ってハーフカット処置を行い、170〜220℃の温度でオスメス金型成形により、折り曲げた際に応力が集中する突部13を形成し、必要に応じて個々の硬質蓋体10に切断することにより製造することができる。なお、シートのまま、あるいは複数個が連結したままで分配包装体100の製造工程に投入し、最後に切り分けてもよい。
本発明に用いる分配包装体100を構成する可撓性容器体20を形成するための可撓性複合フィルム300は、既に説明したとおり、図3に示すように、表面保護層22、酸素バリア層23及び硬質蓋体10側に配置されるべき容器体シール層24から形成されている。
可撓性容器体20を構成する可撓性複合フィルム300の厚みは、従来の分配包装体の可撓性容器体を形成するための可撓性複合フィルムの厚みと同様とすることができ、通常、当該複合フィルムを熱成形により深絞りしてポケット部を成形することから、フィルム強度や成形性を考慮し、好ましくは100μm以上300μm以下、より好ましくは150μm以上250μmである。
可撓性複合フィルム300を構成する表面保護層22は、内容物を外的応力から保護するものであり、延伸性に優れ、フィルム強度にも優れた熱可塑性樹脂から形成することができる。そのような熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂も使用できるが、ポリオレフィン樹脂よりも粘度低下防止効果に優れ且つフィルム強度も優れているポリアミド樹脂を好ましく使用することができる。
ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン4−6等の脂肪族ポリアミド;ナイロン6/6、ナイロン6/6,10、ナイロン6/6,12等の脂肪族共重合ポリアミド;ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド;ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド;キシレン基含有ポリアミド等の芳香族ポリアミド等を使用することができる。中でもナイロン6、ナイロン6−6を好ましく使用することができる。
表面保護層22の厚さは、薄すぎると可撓性容器体20が破け易くなり、厚すぎると厚さ
に見合った性能が得られる訳ではないので、好ましくは10μm以上30μm以下である。
可撓性複合フィルム300を構成する酸素バリア層23は、酸素バリア能を有する熱可塑性樹脂、酸化珪素蒸着膜、アルミニウム箔等から構成することできるが、本発明では材料コストが低く、内容物の視認性や成形加工性にも優れているEVOH層から構成することが好ましい。EVOH層を形成するEVOHとしては、硬質蓋体10で説明したものと同様のものを使用することができる。
また、酸素バリア層23は、図3に示すように、介在層23cを挟んで表面保護層22側に酸素バリアアウター層23aと容器体シール層24側に酸素バリアインナー層23bを構成することでゲルの粘度低下防止効果に優れ好ましく、酸素バリアアウター層23a及び酸素バリアインナー層23bの双方をEVOH層(すなわち、それぞれEVOHアウター層及びEVOHインナー層)とすることがさらに好ましい。この場合、複層構造の酸素バリア層23は、可撓性複合フィルム300の全厚に対し表面保護層22の外表面から50%以下(外表面から一番離れたところ)、好ましくは45%以下とすることが好ましい。また、表面保護層22と酸素バリア層23との層間剥離を考慮し、酸素バリア層23を可撓性複合フィルム300の厚さに対し表面保護層22の外表面から5%以上(外表面から一番近いところ)とすることが好ましい。
また、複層構造の酸素バリア層23の酸素バリアアウター層23a及び酸素バリアインナー層23bが酸素バリア能を有する熱可塑性樹脂(好ましくは、EVOH)から形成されている場合、酸素バリアアウター層23a及び酸素バリアインナー層23bの双方に酸素吸収性樹脂を含有させることができるが、酸素バリアインナー層23bに酸素吸収性樹脂を含有させると、充填する内容物に酸素吸収性樹脂由来の異臭が移行したり、ゲルの粘度低下が懸念されるので、酸素バリアインナー層23bには、酸素吸収性樹脂の10質量%以下を配合することが好ましく、特に酸素バリアアウター層23aのみにEVOHを配合することが好ましい。
なおEVOHとしては、硬質蓋体10において説明したものと同じものの中から適宜選択して使用することができる。
酸素バリア層23の厚さは、薄すぎると粘度低下防止効果を得ることが困難となり、厚すぎると成形性が低下するので、酸素バリア能を有する熱可塑性樹脂を使用した場合には好ましくは30μm以上100μm以下である。また、EVOHアウター層23aの厚さをEVOHインナー層23bの厚さよりも大きくすることでゲルの粘度低下が更に抑制されて好ましい。
酸素吸収性樹脂としては、公知の酸素吸収性樹脂を用いることができ、炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂、ポリオレフィン系樹脂、特に主鎖に三級炭素原子を有するポリオレフィン系樹脂、ポリアミドとポリアミド反応性の被酸化性ポリジエンもしくは被酸化性ポリエーテルとの反応生成物又はその混合物等の酸化触媒の存在下において酸化され易く空気中の酸素と反応して酸素吸収能を発現する酸化性樹脂、金属原子であるケイ素原子に、ハロゲン原子、アルコキシ基、メルカプト基及び水酸基から選ばれる少なくとも一つの基を有する有機基が結合したシラン化合物の加水分解縮合物を含有した樹脂を好ましく使用することができる。
なお、酸素吸収性樹脂として、本発明の効果を損なわない範囲で、各種公知の添加剤、着色剤、耐熱・耐候剤、帯電防止剤、酸化触媒等を添加したものを使用していてもよい。特に、酸素吸収性樹脂の酸素吸収性能を向上させるために、酸化触媒として遷移金属塩を金属原子重量で5000ppm以下の範囲で添加することが好ましい。この目的で使用できる遷移金属塩としては、例えば、コバルト、鉄、ニッケル、さらには銅、チタン、クロム、マンガン、ルテニウム等の遷移金属の無機塩、有機塩又は錯塩であり、特にカルボン酸塩、スルホン酸塩等の有機塩が好ましく、具体的には、酢酸塩、ステアリン酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ネオデカン酸塩等が挙げられる。
酸素バリア層23への酸素吸収性樹脂の配合量は、酸素吸収性、可撓性複合フィルムの製膜性、その後のポケット部への充填性等を考慮し、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。
また、酸素バリア層23には、本発明の効果を損なわない範囲で接着性樹脂等他の熱可塑性樹脂を適宜必要に応じて添加することができ、酸素バリア層23に対する接着性樹脂の添加量は20質量%以下が好ましい。接着性樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するオレフィン系共重合体が好ましく、特にエチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリン酸共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン等がポリオレフィン系樹脂層との接着に適している。
介在層23cとしては、可撓性複合フィルム300を構成する表面保護層22に使用できるものから適宜選択して使用することができ、延伸性に優れ、フィルム強度にも優れた熱可塑性樹脂のうち、ポリアミド樹脂を特に好ましく使用することができる。
介在層23cの厚さは、薄すぎても厚すぎても良好な粘度低下防止効果が得られないので、可撓性複合フィルムの厚さに対し好ましくは1〜20%、より好ましくは5〜15%となる厚さである。
容器体シール層24は、ポケット部21の内壁となると共に、硬質蓋体10の裏面に溶着させられる層であり、従来の分配包装体の可撓性容器体のシール層や硬質蓋材10の蓋体シール層16の場合と同様の構成とすることができ、好ましくは少なくとも1層のPE層からなる。好ましいPE層として、シール性を確保すべくLDPEを使用することができる。
以上説明した可撓性容器体20を形成するための可撓性複合フィルム300は、ドライラミネート法、共押出法あるいはこれらを組み合わせた方法により製造することができる。また、共押出法により前後の層を接着する際、当該前後の樹脂層が接着し難い場合は貼り合わせる素材に応じて種々の接着性樹脂から適切なものを選択して接着させることができる。
また、可撓性容器体20は、可撓性複合フィルム300を常法に従って深絞り加工によりポケット部を形成し、必要に応じて個々の可撓性容器体20に切断することにより製造することができる。深絞り加工としては、可撓性複合フィルム300を、例えば、熱板へ接触させて加熱した後に、圧空・真空成形の方式で行うことが一般的である。加熱温度としては、100〜170℃である。なお、フィルムのまま、あるいは複数個が連結したままで分配包装体100の製造工程に投入し、最後に切り分けてもよい。
本発明に用いる分配包装体100は、以上説明した硬質蓋体10と可撓性容器体20とを用意し、可撓性容器体20のポケット部21に内容物を充填したのち、可撓性容器体20の容器体シール層24の周縁部を硬質蓋体10の裏面にヒートシールし、必要に応じて個々の分配包装体100に切り分けることにより製造することができる。
本発明の分配包装体詰め食品は、分配包装体100のポケット部に寒天、ゼラチン、ジェランガム及びカラギーナンから選ばれる少なくとも1種と、ヒアルロン酸及び/又はその塩とからなるゲル状食品が収容されてなる。
本発明の分配包装体詰め食品に用いる寒天は、通常食品素材として利用されているものであれば特に限定されず、一般に紅藻類から抽出して得られるアガロースとアガロペクチンを含有する多糖類であればいずれを使用しても構わない。
本発明の分配包装体詰め食品に用いるゼラチンは、通常食品素材として利用されているものであれば特に限定されず、例えば、アルカリ処理ゼラチンや酸処理ゼラチン等、製造方法や原料の由来によって各種のものがあるが、いずれを使用しても構わない。
本発明の分配包装体詰め食品に用いるジェランガムは、通常食品素材として利用されているものであれば特に限定されず、例えば、グルコースのC−2位にグリセリル基1残基が結合しC−6位にアセチル基が平均1/2残基結合しているネイティブ型ジェランガムや、これを脱アセチル化して精製された脱アシル型ジェランガムがあるがいずれを使用しても構わない。
本発明の分配包装体詰め食品に用いるカラギーナンは、通常食品素材として利用されているものであれば特に限定されず、一般に紅藻類から抽出して得られる硫酸基を持つガラクタンの一種であり、κ、λ、ιの3種があるが、いずれを使用しても構わない。
本発明の分配包装体詰め食品に用いる寒天、ゼラチン、ジェランガム及びカラギーナンの合計配合量は、少なすぎると各食品用途に必要なゲルの保型性が調製時から得られず、多すぎると経時的なゲルの粘度低下がみられるので、ゲル状食品に対し0.5〜3%が好ましく、1〜3%がより好ましい。
ヒアルロン酸とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンとの二糖からなる繰り返し構成単位を1以上有する多糖類をいう。本発明で使用する原料ヒアルロン酸及び/又はその塩は、特に限定されるものではないが、例えば鶏冠、臍の緒、眼球、皮膚、軟骨等の生体組織、あるいはストレプトコッカス属等のヒアルロン酸産生微生物を培養して得られる培養液等を原料として、抽出(更に必要に応じて精製)して得られるものである。
本発明の分配包装体詰め食品に用いるヒアルロン酸及び/又はその塩は、特に限定されるものではなく、当該粗抽出物あるいは精製物の何れを用いても良いが、精製物、具体的にはヒアルロン酸及び/又はその塩の純度が90%以上のものが好ましい。純度が90%未満の場合は、保管中に経時的にヒアルロン酸及び/又はその塩が着色して、ゲル状食品の粘度低下を引き起こす恐れがあり好ましくない。
本発明の分配包装体詰め食品に用いるヒアルロン酸及び/又はその塩の配合量は、少なすぎると期待される健康や美容に関する効果が得られず、多すぎるとゲルの経時的な粘度低下がみられるので、ゲル状食品に対し0.001〜0.5%が好ましく、0.005〜1%がより好ましい。
本発明の分配包装体詰め食品は、必須原料である寒天、ゼラチン、ジェランガム及びカラギーナンから選ばれる少なくとも1種と、ヒアルロン酸及び/又はその塩と以外に、本発明の効果を損わない範囲で適宜選択し配合することができる。具体的には、例えば、キサンタンガム、タマリンドシードガム、グアガム、アラビアガム、サイリュームシードガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、加工澱粉、蒟蒻、ペクチン、プルラン、マンナン、ガラクトマンナン、キチン、キトサン、デキストリン等のゲル化剤、グルコース、ショ糖、乳糖、麦芽糖、オリゴ糖、ぶどう糖果糖液糖、水飴、はちみつ等の糖類、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、キシリトール、トレハロース、パラチノース等の甘味料、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、オリゴ糖アルコール、分岐オリゴ糖アルコール、デキストリンアルコール等の糖アルコール類、難消化性デキストリン、結晶セルロース、アップルファイバー等の食物繊維、セラミド、イソフラボン、コエンザイムQ10、コラーゲン等の美容原料、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化剤、食塩、醤油、味噌、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、動植物由来のエキス類、アミノ酸、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、各種ペプチド、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸等の有機酸塩、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ナイアシン等のビタミン類、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等のミネラル類又はその塩、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、香辛料、グレープフルーツフレーバー、オレンジフレーバー、りんごフレーバー、レモンフレーバー等の香料、色素等が挙げられる。
本発明の分配包装体詰め食品は、硬質蓋体を下側に向けてその両端を折り曲げ線を中心として指でつまんでV字型に折り曲げることにより、突部が開口して吐出口を形成し、ゲル状食品をその吐出口から分配包装体の外部へ吐出させることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例で使用した硬質複合シートと可撓性複合フィルムの層構成を表1に示す。層構成における表記「//」はその前後に記載されている層がドライラミネート法により接合されていることを示し、「/」はその前後に記載されている層が共押出法により接合されていることを意味する。
[実施例1]<硬質蓋体用の硬質複合シート>PET(20μm)/AD(10μm)/EVOH(20μm)/AD(10μm)/HIPS[50質量%]+GPPS[50質量%](300μm)/AD(10μm)/LDPE[50質量%]+HDPE[50質量%](10μm)/LDPE(10μm)
<可撓性容器体用の可撓性複合フィルム>Ny(20μm)/EVOH(50μm)/AD(20μm)/LDPE(20μm)
前記層構成の硬質複合シート及び可撓性複合フィルムを共押出法により作成した。
次に、硬質複合シートの所定の位置に、PET層側からPS層にその厚さの50%の深さまでカットし、硬質複合シートにハーフカットを施した。次いで、ハーフカットを施した硬質復合シートを金型成形法により加熱成形し、内容物を吐出するための吐出口を形成する突条帯を形成した。
一方、可撓性複合フィルムを深絞り成形し、ポケット部を形成した。このポケット部に、寒天1%、ヒアルロン酸及び/又はその塩0.01%、クエン酸(結晶)0.1%、グラニュ糖5%、パラチノース5%、清水88.89%をミキサーに入れて品温80℃で加熱混合撹拌後、冷却してゲル状に調製したゲル状食品を充填後、突条帯が形成された硬質複合シートと合わせヒートシールした。その後、個々の分配包装体に切断し、本発明の分配包装体詰め食品を製造した。
[比較例1]実施例1の硬質複合シートにおいて、「EVOH」と「HIPS+GPPS」との位置関係を入れ替えること以外は、実施例1と同様にして分配包装体詰め食品を製造した。使用した硬質複合シートの層構成は以下のとおりである。
<硬質複合シート>PET(20μm)/AD(10μm)/HIPS[50質量%]+GPPS[50質量%](300μm)/AD(10μm)/EVOH(20μm)/AD(10μm)/LDPE[50質量%]+HDPE[50質量%](10μm)/LDPE(10μm)
[比較例2]実施例1の硬質複合シートにおいて、EVOHの厚さを20μmから10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして分配包装体詰め食品を製造した。使用した硬質複合シートの層構成は以下のとおりである。
<硬質複合シート>PET(20μm)/AD(10μm)/EVOH(10μm)/AD(10μm)/HIPS[50質量%]+GPPS[50質量%](300μm)/AD(10μm)/LDPE[50質量%]+HDPE[50質量%](10μm)/LDPE(10μm)
[比較例3]比較例2の硬質複合シートにおいて、EVOHの厚さを20μmから10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして分配包装体詰め食品を製造した。使用した硬質複合シートの層構成は以下のとおりである。
<硬質複合シート>PET(20μm)/AD(10μm)/HIPS[50質量%]+GPPS[50質量%](300μm)/AD(10μm)/EVOH(10μm)/AD(10μm)/LDPE[50質量%]+HDPE[50質量%](10μm)/LDPE(10μm)
[実施例2]<硬質複合シート>PET(20μm)//EVOH(20μm)//HIPS[80質量%]+GPPS[20質量%](300μm)/AD(10μm)/LDPE(10μm)/LDPE(10μm)
<可撓性複合フィルム>Ny(20μm)/EVOH[92質量%]+酸素吸収性樹脂[8質量%](50μm)/AD(20μm)/LDPE(20μm)
前記層構成の硬質複合シートを共押出法とドライラミネート法を組み合わせて作成した。また、可撓性複合フィルムを共押出法により作成した。可撓性複合フィルムの酸素バリア層は、当該可撓性複合フィルムの厚さに対して表面保護層の外表面から18〜64%の範囲に位置していた。
前記硬質複合シート及び可撓性複合フィルムを用いて、実施例1と同様の方法で、本発明の分配包装体詰め食品を製造した。
[比較例4]実施例2の硬質複合シートにおいて、「EVOH」と「HIPS+GPPS」との位置関係を入れ替えること以外、実施例2と同様にして分配包装体詰め食品を製造した。使用した硬質複合シートの層構成は以下のとおりである。
<硬質複合シート>PET(20μm)//HIPS[80質量%]+GPPS[20質量%](300μm)//EVOH(20μm)/AD(10μm)/LDPE(10μm)/LDPE(10μm)
[実施例3]実施例2の可撓性複合フィルムにおいて、EVOH層の酸素吸収性樹脂の総量をほぼ一定とし、さらに以下の層構成の可撓性複合フィルムを共押出法により作成した。この可撓性複合フィルムと実施例2の硬質複合シートとを用いて、実施例1と同様の方法で、本発明の分配包装体詰め食品を製造した。その層構成は以下のとおりである。なお、可撓性複合フィルムの酸素バリア層は、当該フィルムの厚さに対して表面保護層の外表面から10〜40%の範囲に位置していた。
<可撓性複合フィルム>NY(20μm)/EVOH[85質量%]+酸素吸収性樹脂[15質量%](25μm)/NY(10μm)/EVOH(25μm)/AD(20μm)/LDPE(100μm)
[実施例4]ゲル状食品の寒天をゼラチンに置換えた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の分配包装体詰め食品を製造した。
[実施例5]ゲル状食品の寒天をジェランガムに置換えた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の分配包装体詰め食品を製造した。
[実施例6]ゲル状食品の寒天をカラギーナンに置換えた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の分配包装体詰め食品を製造した。
[試験例]実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた分配包装体詰め食品を25℃の保温庫で3ヵ月保管し、経時的な粘度低下を調べた。粘度低下は、外観検査により確認し、外観検査時に都度調製した対照品と比較して、粘度低下が見られない場合をA、僅かに粘度低下が見られるが品位上問題ない程度の場合をB、粘度低下が進み品位を損ねている場合をCとした。
表2の結果から、EVOH層をPS層より印刷受容層側に配置すること(換言すれば、PS層をEVOH層よりも内容物側に配置すること)、さらに、前記EVOH層の厚さを15μm超50μm以下にすることにより、硬質蓋体におけるEVOH層にハーフカットが施されているにも関わらず、寒天、ゼラチン、ジェランガム及びカラギーナンから選ばれる少なくとも1種と、ヒアルロン酸及び/又はその塩とからなるゲル状食品の経時的な粘度低下が抑制されていた(実施例1〜2、比較例1〜4)。
さらに、可撓性複合フィルムにおいて、当該フィルムの酸素バリア層をEVOH層インナー層とEVOHアウター層とそれらに挟持される介在層との3層構成とし、更にEVOH層インナー層及びEVOHアウター層のうち、少なくともEVOHアウター層に酸素吸収性樹脂を含有させることにより、寒天、ゼラチン、ジェランガム及びカラギーナンから選ばれる少なくとも1種と、ヒアルロン酸及び/又はその塩とからなるゲル状食品の経時的な粘度低下が著しく抑制され、非常に好ましかった(実施例3〜6)。
なお、EVOH層をPS層より内容物側とした比較例3の分配包装体詰め食品は、蓋体におけるEVOH層にハーフカットが及んでいないので、開口性に問題が生じないように、EVOH層の厚みを15μm以下とする必要があった。これに対し、実施例の分配包装体詰め食品は、EVOH層をPS層より印刷受容層側に配置しているので、ハーフカット処理でEVOH層が完全に切断されてしまい、開口性に問題が生じず、しかも、本発明の効果を向上させるためにEVOH層の厚みを15μm超とすることが可能となっている。