JP2011079232A - 発泡シート及び金属多孔体シート並びにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的開口面積が大きく、大きさや形状にバラツキのない均等な発泡セルが均等配置で形成された発泡シートと、この発泡シートを用いた、孔の形状や寸法及びその配置にバラツキがなく、特に高性能電池用電極材として有用な金属多孔体シートを提供する。
【解決手段】発泡原液を有底長筒状の成形型1内で発泡成形し、得られた柱状発泡ブロック3を側周方向にスライスしてシート状物4とする。この発泡シート4に金属を被覆した後、発泡シートを焼失させて金属多孔体シートとする。
【選択図】図1
【解決手段】発泡原液を有底長筒状の成形型1内で発泡成形し、得られた柱状発泡ブロック3を側周方向にスライスしてシート状物4とする。この発泡シート4に金属を被覆した後、発泡シートを焼失させて金属多孔体シートとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、発泡シート及びその製造方法に係り、特に、表面に金属被覆を行って電池用電極材を製造するための基材として有用な発泡シート及びその製造方法に関する。
本発明はまたこの発泡シートに金属被覆を行い、更に発泡シートを焼失させてなる金属多孔体シート及びその製造方法に関する。
この金属多孔体シートは、特に電池用電極材として有用である。
本発明はまたこの発泡シートに金属被覆を行い、更に発泡シートを焼失させてなる金属多孔体シート及びその製造方法に関する。
この金属多孔体シートは、特に電池用電極材として有用である。
アルカリ蓄電池、特にニッケルカドミウム電池、ニッケル亜鉛電池、ニッケル水素電池などの二次電池には、ニッケルよりなる金属多孔体シートの空孔部分に水酸化ニッケル等の活物質を充填したものをセパレータを介して対極となるシートと積層してなる電池用電極が用いられている。
ここで用いられる金属多孔体シートは、一般に、ポリウレタンフォームよりなるシートに導電化処理を施した後、ニッケルメッキを行い、その後、ポリウレタンフォームを加熱焼成して除去することにより製造されている。
しかして、ここで用いられるポリウレタンフォームシートは、図4(a)(斜視図)に示す如く、断面略コ字形の成形型31に吐出ノズル30からのポリウレタン発泡原液を注入して連続発泡し、図4(b)(断面図)に示すような断面の柱状発泡成形体32を成形型31から取り出し、図4(c)(断面図)の破線の形状に切削加工して図4(d)(斜視図)に示す円柱状発泡ブロック33とし、この円柱状発泡ブロック33を回転させつつ、図4(e)(斜視図)に示すように側周方向に所定の厚さのシート34に連続的にスライス(ピーリング)して製造されている(例えば特許文献1)。なお、図4(a),(b)において、31A、31Bは、発泡成形体32の形状を円柱形状に近づけるための中子である。
上記従来法で得られる発泡シートは、以下の理由から、発泡セルが不均一であるという欠点がある。
即ち、ポリウレタン発泡原液を成形型内で発泡させると、鉛直方向に長い長円形の発泡セルが形成される。従って、得られた柱状発泡成形体32を加工してなる円柱状発泡ブロック33の発泡セル33Aの形状は、図4(f)(断面の模式図)に示すように、一方向に長い長円形となる。このような円柱状ブロック33を側周方向にスライスすると、ブロック33の上部(図4(f)の33aの部分)と側部(図4(f)の33bの部分)とで、得られるシートのセル形状は大きく異なるものとなり、図4(g)(セル形状を拡大して示す模式的斜視図)に示すように、発泡ブロック33の33a部分に対応するシート部分34aに形成されたセルは、比較的面積の小さい円形に近いセル34Aとなり、33b部分に対応するシート部分34bに形成されたセルは、比較的面積の大きい長円形のセル34Bとなる。
従って、図4(h)(セル形状の分布を更に拡大して示す模式的斜視図)に示すように、小面積セル34Aが形成された部分34aにおいて、
(1) セルの開口径が小さいため、活物質の充填性が悪い。
(2) 電流経路となるセル間隔が狭いために電流(図4(h)の矢印Aで示される。)が流れ難い。
(3) セル間隔が狭いことにより機械的強度も低い。
といった問題がある。上記(1),(2)の問題は、この発泡シート34を用いて形成した電極を用いた電池性能を低下させる原因となり、また上記(3)の問題は電極の耐久性を損なう原因となる。
なお、図4(h)において、Sは円柱状発泡ブロック33をスライスする際のシートの送り出し方向を示し、WはこのS方向に直交する方向を示す。
(1) セルの開口径が小さいため、活物質の充填性が悪い。
(2) 電流経路となるセル間隔が狭いために電流(図4(h)の矢印Aで示される。)が流れ難い。
(3) セル間隔が狭いことにより機械的強度も低い。
といった問題がある。上記(1),(2)の問題は、この発泡シート34を用いて形成した電極を用いた電池性能を低下させる原因となり、また上記(3)の問題は電極の耐久性を損なう原因となる。
なお、図4(h)において、Sは円柱状発泡ブロック33をスライスする際のシートの送り出し方向を示し、WはこのS方向に直交する方向を示す。
発泡シート34の長円形セル34Bが形成された部分34bでは、上述のような問題はないものの、このような連続シートにおいては、性能の良い部分ではなく、性能の悪い部分が製品としての品質を評価する基準となるため、結果として製品としての要求性能を満足し得ないものとなる。また、シート34のうち、小面積セル部分34aを切り落として長円形セル部分34bのみを使用することは、材料の歩留り、材料コストの面で不利である。
本発明は上記従来の問題点を解決し、比較的開口面積が大きく、大きさや形状にバラツキのない均等な発泡セルが均等な配置で形成された発泡シートを提供することを目的とする。
本発明はまた、この発泡シートを用いた、孔の形状や大きさ及びその配置にバラツキがなく、高性能電池用電極材として有用な金属多孔体シートを提供することを目的とする。
本発明はまた、この発泡シートを用いた、孔の形状や大きさ及びその配置にバラツキがなく、高性能電池用電極材として有用な金属多孔体シートを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、発泡原液を、バッチ式で鉛直方向に柱状に発泡成形し、得られた柱状発泡成形体を側周方向にスライスしてシート化することにより、比較的開口面積が大きく、大きさや形状にバラツキのない均等な発泡セルが均等配置で形成された発泡シートを得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 発泡原液を有底長筒状の成形型内で発泡成形する発泡成形工程と、得られた柱状発泡成形体を側周方向にスライスしてシート状物を得る切出工程とを有することを特徴とする発泡シートの製造方法。
[2] [1]において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義されるa/b比の平均値が1.1〜2.0であることを特徴とする発泡シートの製造方法。
<発泡セルのa/b比の平均値>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。
<発泡セルのa/b比の平均値>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。
[3] [1]又は[2]において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義される発泡セルの平均セル径が200〜5000μmであることを特徴とする発泡シートの製造方法。
<発泡セルの平均セル径>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。
<発泡セルの平均セル径>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、該発泡シートがポリウレタンフォームシートであることを特徴とする発泡シートの製造方法。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、該柱状発泡成形体が円柱状であることを特徴とする発泡シートの製造方法。
[6] [1]ないし[5]のいずれかに記載の発泡シートの製造方法で得られた発泡シートに金属を被覆する工程を有することを特徴とする金属多孔体シートの製造方法。
[7] 発泡原液を有底長筒状の成形型内で発泡成形して得られた柱状発泡成形体を側周方向にスライスしてなることを特徴とする発泡シート。
[8] [7]において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義されるa/b比の平均値が1.1〜2.0であることを特徴とする発泡シート。
<発泡セルのa/b比の平均値>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。
<発泡セルのa/b比の平均値>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。
[9] [7]又は[8]において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義される発泡セルの平均セル径が200〜5000μmであることを特徴とする発泡シート。
<発泡セルの平均セル径>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。
<発泡セルの平均セル径>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。
[10] [7]ないし[9]のいずれかにおいて、ポリウレタンフォームシートであることを特徴とする発泡シート。
[11] [7]ないし[10]のいずれかにおいて、該柱状発泡成形体が円柱状であることを特徴とする発泡シート。
[12] [7]ないし[11]のいずれかに記載の発泡シートに金属を被覆してなることを特徴とする金属多孔体シート。
[13] [12]において、発泡シートに金属を被覆した後該発泡シートを焼失させてなることを特徴とする金属多孔体シート。
[14] [13]において、電池用電極材であることを特徴とする金属多孔体シート。
本発明においてシート状物を切り出す発泡ブロックは、発泡原液を有底長筒状の成形型内で発泡成形して得られた柱状発泡成形体である。この発泡ブロックは、その柱状の高さ方向に長い長円形の発泡セルが均等に形成されたものであるため、この柱状発泡成形体をその側周方向にスライスすることにより、長円形で、比較的面積が大きく、大きさや形状にバラツキのない均等な発泡セルが均等配置で形成された発泡シートを得ることができる(請求項1,7)。
従って、この発泡シートに金属被覆した後発泡シートを焼失させて得られる本発明の金属多孔体シートは、比較的孔径の大きな、形状や大きさにバラツキのない孔が均等配置で形成されたものであり、活物質の充填性が良く、また、孔間隔の狭い部分も存在しないために、電流経路を十分に確保することができ、導電性に優れ、しかも局部的に機械的強度の低い部分も存在しないことから、耐久性にも優れる(請求項6,12,13)。
従って、このような本発明の金属多孔体シートを電池用電極材として用いることにより、高性能な電池を実現することができる(請求項14)。
なお、本発明によれば、発泡成形により得られた成形体を、従来法のような大きな切削加工を行うことなくシートの切出工程に供することができるため、発泡成形体の廃棄量が少ないという効果も奏される。
本発明によれば、発泡セルのa/b比の平均値が1.1〜2.0で、平均セル径が200〜5000μmであるような、比較的セル開口長径の大きい長円形で、均等なセル形状及びセル寸法の発泡シートを得ることができる(請求項2,3,8,9)。
本発明において、発泡シートはポリウレタンフォームシートであることが好ましい(請求項4,10)。
また、発泡シートをスライスして切り出す柱状発泡成形体は円柱状であることが好ましい(請求項5,11)。
また、発泡シートをスライスして切り出す柱状発泡成形体は円柱状であることが好ましい(請求項5,11)。
以下に本発明の実施の形態を、本発明の発泡シートの製造手順に従って説明する。
なお、以下においては、有底長円筒形の成形型を用いて円柱状の発泡成形体を得、これをスライスしてシート状物を得る方法を例示して本発明を説明するが、本発明において、用いる成形型及び柱状成形体の形状はこれに何ら限定されるものではない。
また、この有底長円筒形の成形型は、底部を下にして、筒軸方向がほぼ鉛直方向となるように載置して発泡成形に用いる。
また、この有底長円筒形の成形型は、底部を下にして、筒軸方向がほぼ鉛直方向となるように載置して発泡成形に用いる。
[発泡原液]
まず、本発明における発泡成形に供する発泡原液について説明する。
まず、本発明における発泡成形に供する発泡原液について説明する。
本発明で用いる発泡原液としては、特に制限はないが、通常、ポリウレタン発泡原液が好ましく用いられる。即ち、本発明の発泡シートはポリウレタンフォームシートであることが好ましい。
このポリウレタン原液は、イソシアネート成分と、ポリオール成分、触媒、及び発泡剤等を含む配合液とを混合してなるものであり、このうち、ポリオール成分としては、ポリエステルポリオールを主成分とするものが、得られる発泡成形体のセルの均一性に優れ、ピンホール等の欠陥が少なく、また強度が高く、しかも金属被覆後の焼成工程における焼失性にも優れることから好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸とジオールやトリオール等との縮合により得られる縮合系ポリエステルポリオール;ジオールやトリオールをベースとし、ラクトンの開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール;ポリエーテルポリオールの末端をラクトンでエステル変性したエステル変性ポリオールなどが例示される。本発明においては、ジカルボン酸とジオールとの縮合により得られるポリエステルポリオールを好適に用いることができる。このようなポリエステルポリオールとしては市販品を使用することができ、例えばエディフォームE−521(花王(株)製)等が挙げられる。
本発明において好適に用いられる上記ポリエステルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数としては、通常2〜4個、特に3個であることが好ましい。ヒドロキシル基の数が多すぎると反応性の制御が困難になる場合があり、少なすぎると物性が低下する場合がある。
また、上記ポリエステルポリオールの分子量は、数平均分子量として通常400〜12,000、好ましくは2,000〜6,000である。ポリエステルポリオールの数平均分子量が12,000を超えると、上記ポリオールの粘度が大きくなりすぎてポリウレタン発泡原液の攪拌効率が劣る場合がある。一方、ポリエステルポリオールの数平均分子量が400未満であると、反応性の制御が困難になる場合があるため好ましくない。なお、ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算値として算出した値である。
また、上記ポリエステルポリオールの水酸基価は15〜500、特に40〜70であることが好ましい。
また、上記ポリエステルポリオールの水酸基価は15〜500、特に40〜70であることが好ましい。
ポリエステルポリオールは1種を単独で用いてもよく、種類の異なるポリエステルポリオールや、分子量、水酸基価の異なるポリエステルポリオールの2種以上を併用してもよい。
一方、イソシアネート成分としては、公知のものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、TDIとMDIを併用するなど、2種以上を必要に応じて併用してもよい。本発明においては、トリレンジイソシアネート(TDI)を好適に用いることができる。
ここで、上記TDIとしては、特に限定されるものではないが、2,4−TDIと2,6−TDIとの配合比(質量比)が100/0〜50/50の混合物であることが好ましく、80/20〜65/35の混合物であることが特に好ましい。
このようなTDIとしては市販品を使用することができ、例えば2,4−TDIとしてコスモネートT−80(三井武田ケミカル(株)製)、2,6−TDIとしてコスモネートT−65B(三井武田ケミカル(株)製)等を好適に用いることができる。
イソシアネート成分(2種以上のイソシアネートを併用する場合には、その総量)が、ポリウレタン発泡原液中に占める割合としては、特に制限されるものではないが、その目安としてのイソシアネートインデックス(ポリウレタン発泡原液中の活性水素量(モル)を100とした時の、イソシアネート基の当量(モル)比)として通常70〜130、好ましくは100〜120である。イソシアネートインデックスが70未満であると、反応が不十分となり、フォーム形成が困難な場合があり、130を超えると反応性の制御が困難になる場合がある。
本発明で用いるポリウレタン発泡原液は、架橋剤を含んでいても良い。架橋剤としては、分子内に水酸基を2個以上有する低分子量ポリオールの1種又は2種以上が用いられる。このような低分子量ポリオールとしては、水酸基数が2個又は3個であり、数平均分子量60〜1,500のものが好ましく、100〜300のものがより好ましい。具体的には、2官能性の架橋剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロプレングリコール等、3官能性の架橋剤としてトリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコールが挙げられる。本発明においては、ジエチレングリコールやトリメチロールプロパンを好適に用いることができる。
上記のような低分子量ポリオールを架橋剤として配合することにより、架橋密度が上がり、ポリエステルポリオール分子中のエステル結合が加水分解を受けた場合においても、フォームが充分な強度を保つことができるため、耐久性を向上させることができる。また、低分子量ポリオールを2種以上組み合わせて使用することで、架橋密度が更に上がり、耐久性を更に向上させることができる。
このような架橋剤としては市販品を用いることができ、例えば、ジエチレングリコール(三井化学(株)製)やトリメチロールプロパン(東洋ケミカルズ(株)製)等を用いることができる。
なお、ポリウレタン発泡原液中の架橋剤の配合量(2種以上併用する場合はその合計量)としては、上記ポリオール100重量部に対して通常0.1〜10.0重量部、特に0.2〜4.0重量部とすることが好ましい。架橋剤の配合量が0.1重量部未満では、架橋が不充分となるため、フォームの耐久性の低下を招くおそれがあり、10.0重量部を超えると、正常なフォームを発泡させることが困難となる場合がある。
本発明で用いるポリウレタン発泡原液は、発泡成形の際の反応性の観点から触媒を含むことが好ましい。触媒としては、ポリウレタンフォームの製造において汎用のものを用いることができ、用途や要求性能に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。具体的には、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン等のアミン触媒や、2−エチルへキシル酸第一錫、ジブチル錫ラウレート、スタナスオクテート等の錫触媒を挙げることができる。
上記触媒としては市販品を用いることができ、例えばN−エチルモルホリンとしてカオーライザーNo.22(花王(株)製)、2−エチルへキシル酸第一錫としてニッカオクチックス錫28%(日本化学産業(株)製)等を好適に用いることができる。
なお、ポリウレタン発泡原液中の触媒の配合量としては、上記ポリオール100重量部に対して通常0.01〜8.0重量部であり、より好ましくは0.02〜4.0重量部である。
また、本発明で用いるポリウレタン発泡原液には、発泡剤を含むことが好ましく、その発泡剤としては、環境問題とコストの観点から水が好ましい。水はポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生させることから、発泡剤として用いることができる。
ポリウレタン発泡原液中の発泡剤の配合量としては、上記ポリオール100重量部に対して通常0.5〜8.0重量部、好ましくは1.5〜6.0重量部である。発泡剤の配合量が上記範囲を逸脱すると、フォーム発泡時の反応性の制御が困難になる場合がある。
更に、本発明におけるポリウレタン発泡原液には整泡剤を配合してもよい。整泡剤としては、ポリウレタン発泡成形体用のものとして汎用のものの1種又は2種以上を用いることができるが、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、石油スルフォネート塩、オレイン酸ジメチルアミン塩等が好ましく、特に本発明では、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサンコポリマーやオレイン酸ジメチルアミン塩を好適に用いることができる。
このような整泡剤としては市販品を用いることができ、具体的には、PRX607(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)やAX−31(三洋化成工業(株)製)等を用いることができる。
なお、上記ポリウレタン発泡原液中の整泡剤の配合量としては、上記のポリオール100重量部に対して通常0.1〜10.0重量部、特に0.5〜5.0重量部とすることが好ましい。整泡剤の配合量が上記範囲を逸脱すると、気泡の制御が困難となるので好ましくない。
更に、本発明におけるポリウレタン発泡原液には難燃剤を配合しても良い。難燃剤としては、公知のものを使用することができるが、本発明では好ましくはハロゲン原子を含まないものを用いる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて併用してもよい。
本発明において、難燃剤としてはリン酸エステル系難燃剤が好ましく、具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェートなどのノンハロゲンリン酸エステルや、芳香族縮合リン酸エステルなどのノンハロゲン縮合リン酸エステル等を挙げることができる。
このような難燃剤としては、市販品を用いることができ、クレジルジフェニルホスフェート(味の素ファインテクノ(株)製)等を好適に用いることができる。
なお、上記難燃剤の配合量は、ポリオール成分100重量部に対して通常1.0〜30.0重量部であり、より好ましくは2.0〜20.0重量部である。難燃剤の配合量が1.0重量部未満では充分な難燃性を得ることができず、30.0重量部を超えると正常なフォームを発泡させることが困難となるおそれがあるので好ましくない。
更に、本発明で用いるポリウレタン発泡原液には、必要に応じて公知の各種添加剤を配合することができ、例えば、顔料等の着色剤、鎖延長剤、炭酸カルシウム等の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物質、抗菌剤、界面活性剤などを配合することができる。これらの添加剤の配合量は、通常使用される範囲で差し支えない。
[発泡成形工程]
本発明の発泡シートを製造するには、上述のような発泡原液を、まず有底長筒状の成形型内で発泡成形して柱状発泡成形体を得る。
本発明の発泡シートを製造するには、上述のような発泡原液を、まず有底長筒状の成形型内で発泡成形して柱状発泡成形体を得る。
ここで、「長筒状」とは、筒の直径よりも高さの方が大きいものをさし、例えば筒の直径に対して高さが1.2〜1.5倍程度であるようなものをさす。
ここで用いる有底長筒状の成形型の形状及び寸法は、切出工程に供する柱状発泡成形体の形状及び寸法に対応するものであり、本発明において、切出加工に供する柱状発泡成形体は後述の如く、表面への金属被覆の効率上、直径30〜150cm、特に70〜80cmで、高さ40〜240cm、特に高さ100cm程度の円柱状であることが好ましいことから、この成形型は、内径が柱状発泡成形体の直径と同程度の30〜150cm、特に70〜80cmで、高さが、得られる柱状発泡成形体よりも発泡成形後の切削加工部分の余裕をみて10〜20cm程度高く、例えば高さ120cm程度の有底円筒形であることが好ましい。
なお、発泡成形時に、このような長筒状の成形型上部開口から、前述の発泡原液を投下すると、発泡成形が均質に進行せず、欠陥品となり易い。
従って、成形型内への発泡原液の注入は発泡原液に大きな衝撃を与えないように行うことが好ましく、このため、後述の実施例において用いたような割型を採用し、発泡原液は略水平方向に成形型内に静かに流し込むようにして注入することが好ましい。
従って、成形型内への発泡原液の注入は発泡原液に大きな衝撃を与えないように行うことが好ましく、このため、後述の実施例において用いたような割型を採用し、発泡原液は略水平方向に成形型内に静かに流し込むようにして注入することが好ましい。
成形型内に発泡原液を注入した後の発泡成形は、常法に従って行うことができる。
上述のような有底長筒状の成形型を用いてバッチ式にて発泡成形を行うことにより、図1(a)に示す如く、成形型1内に発泡成形体2が得られる。
[切削工程]
上記発泡成形により得られた発泡成形体2は、図1(b)に示す如く、上部がドーム状に膨出した円柱形状を有するため、この膨出部1Aを図1(b)の破線L1の位置で切削して取り除くことにより、また、場合によっては、底面部1Bも図1(b)の破線L2に沿って切削して取り除くことにより、図1(c)に示すような円柱状の発泡ブロック3を得る。いずれの場合も、この切削による切除部分は、図4に示す従来法に比べて非常に少なく、廃棄物量の低減、材料の無駄の軽減が図れる。
上記発泡成形により得られた発泡成形体2は、図1(b)に示す如く、上部がドーム状に膨出した円柱形状を有するため、この膨出部1Aを図1(b)の破線L1の位置で切削して取り除くことにより、また、場合によっては、底面部1Bも図1(b)の破線L2に沿って切削して取り除くことにより、図1(c)に示すような円柱状の発泡ブロック3を得る。いずれの場合も、この切削による切除部分は、図4に示す従来法に比べて非常に少なく、廃棄物量の低減、材料の無駄の軽減が図れる。
この円柱状の発泡ブロックの大きさは、得られる発泡シートの用途等に応じて決定され、特に制限はないが、例えば電池用電極材としての金属多孔体シートの金属被覆基材用発泡シートの場合、現行のメッキ工程におけるシート支持部材の対応シート幅が100cmであることから、その高さについては100cm程度であることが好ましい。
一般的には、この円柱状の発泡ブロック3は、その取り扱い性や発泡シートの切出効率、表面への金属被覆の効率上等の面から、直径30〜150cm、特に70〜80cmで、高さ40〜240cm、特に100cm程度の大きさに形成することが好ましい。
一般的には、この円柱状の発泡ブロック3は、その取り扱い性や発泡シートの切出効率、表面への金属被覆の効率上等の面から、直径30〜150cm、特に70〜80cmで、高さ40〜240cm、特に100cm程度の大きさに形成することが好ましい。
このようにして得られる円柱状発泡ブロック3は、図1(d)に示す如く、その円柱の高さ方向に長径を有する長円形の発泡セル3Aが均一に形成されたものである。即ち、本発明において、発泡原液の発泡成形に際しては、成形型1内において鉛直方向に長いセル形状の発泡セルが形成されることとなるが、この方向は、得られる発泡ブロック3の円柱の高さ方向となる。従って、本発明に係る円柱状の発泡ブロック3の発泡セル3Aは、図1(d)に示すように、その円柱の高さ方向に長い長円形のセルとなる。なお、発泡ブロック3の上層部には、一部発泡成形時の引張応力の影響で若干円形に近い発泡セルが形成されるが、この部分は必要に応じて切削加工で除去することもできる。
[切出工程]
上述のようにして得られた円柱状発泡ブロック3は、次いで、その側周方向にスライス(ピーリング)してシート状に切り出し、本発明の発泡シート4を得る。
上述のようにして得られた円柱状発泡ブロック3は、次いで、その側周方向にスライス(ピーリング)してシート状に切り出し、本発明の発泡シート4を得る。
この切出工程については常法に従って行うことができ、スライス厚さについても、発泡シートの用途に応じて適宜決定されるが、電池用電極材としての金属多孔体シートを製造するための金属被覆基材シートとして用いる場合、この発泡シートの厚さは通常1〜2.5mm程度である。ただし、発泡シートの厚さはこの範囲に何ら限定されるものではなく、1mm未満であっても、2.5mmを超えても良い。
[発泡シート]
このようにして得られる本発明の発泡シートは、高さ方向に長い長円形の発泡セルが均等配置で形成された円柱状の発泡ブロック3を側周方向にスライスしたものであるため、図1(e),(f)に示すように、スライス時のシート状物の送り出し方向(図1(e),(f)中のS方向)に直交する方向(図1(e),(f)中のW方向、以下単に「幅方向W」と称す場合がある。)が長径となる、形状及び大きさにバラツキのない長円形の発泡セル4Aが均等配置で形成された発泡シート4となる。
このようにして得られる本発明の発泡シートは、高さ方向に長い長円形の発泡セルが均等配置で形成された円柱状の発泡ブロック3を側周方向にスライスしたものであるため、図1(e),(f)に示すように、スライス時のシート状物の送り出し方向(図1(e),(f)中のS方向)に直交する方向(図1(e),(f)中のW方向、以下単に「幅方向W」と称す場合がある。)が長径となる、形状及び大きさにバラツキのない長円形の発泡セル4Aが均等配置で形成された発泡シート4となる。
このような本発明の発泡シート4の発泡セル4Aは、以下に定義される発泡セルのa/b比の平均値が好ましくは1.1〜2.0、特に1.3〜1.8の範囲にある長円形のものであり、かつそのバラツキが少なく、また、以下に定義される発泡セルの平均セル径が好ましくは200〜5000μm、特に300〜600μm程度の比較的小さいものである。
セルの開口径が大きい程、電極作製時の活物質の充填性が高まるが、一方で、単純にセルの大きさ自体を大きくすることは、発泡シートの骨格表面積の減少につながり、結果として導電抵抗の上昇につながってしまう。
従って、本発明では、セル構造を長円化することにより、セル径(ここで、セル径とは観察されたセルの長径(最も長さの長い径)に相当する。)を大きくして、活物質充填性を高めつつ、長円形であることにより、セルの大きさ自体は小さく抑える。
従って、本発明では、セル構造を長円化することにより、セル径(ここで、セル径とは観察されたセルの長径(最も長さの長い径)に相当する。)を大きくして、活物質充填性を高めつつ、長円形であることにより、セルの大きさ自体は小さく抑える。
<発泡セルのa/b比の平均値>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。
<発泡セルの平均セル径>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。
なお、本発明の発泡シートの密度には特に制限はないが、通常、20〜40kg/m3、特に25〜35kg/m3程度であり、連通気孔率(気孔のうちの連通気孔の割合)は80〜100%、特に95%以上程度である。即ち、残存するセル膜は、金属被覆の形成上、また、電極材として性能低下をきたし、不適当であるため、連通気孔率の高いものが好ましい。
[金属被覆工程]
本発明の発泡シートの用途は特に制限されないが、本発明の発泡シートは、特に、その表面に金属被覆を施して金属多孔体シートを製造するための基材として有用である。
この場合、発泡シートに金属被覆を施す方法としては、発泡シートをまず導電化処理した後、電気メッキにより金属被覆を施す方法が挙げられる。
本発明の発泡シートの用途は特に制限されないが、本発明の発泡シートは、特に、その表面に金属被覆を施して金属多孔体シートを製造するための基材として有用である。
この場合、発泡シートに金属被覆を施す方法としては、発泡シートをまず導電化処理した後、電気メッキにより金属被覆を施す方法が挙げられる。
ここで、発泡シートの導電化処理方法としては、
(1)無電解メッキによる方法
(2)カーボンの懸濁液中に発泡シートを浸漬した後乾燥して導電性カーボンを付着させる方法
(3)導電性ポリマーを発泡シートに付着させるか、発泡シート上で導電性ポリマーを合成する方法
などが挙げられる。
(1)無電解メッキによる方法
(2)カーボンの懸濁液中に発泡シートを浸漬した後乾燥して導電性カーボンを付着させる方法
(3)導電性ポリマーを発泡シートに付着させるか、発泡シート上で導電性ポリマーを合成する方法
などが挙げられる。
また、導電化処理後の電気メッキは、メッキ浴中に導電化処理した発泡シートを浸漬させて常法に従って行うことができる。
金属被覆は電気メッキの他、PVD等の蒸着処理により行うこともできる。
金属被覆に用いる金属としては、特に限定されないが、ニッケル、コバルト、銅、鉄、クロム、銀、金、亜鉛、スズ、スズ−ニッケル合金、スズ−鉛合金、ニッケル−コバルト合金、銅−亜鉛合金、金−銅合金、銅−スズ合金等が挙げられ、2種以上の金属を積層めっきすることも可能である。一般に、電池用電極材としての金属多孔体シートの用途のためには、ニッケルが用いられる。
[焼成工程]
上述のように、発泡シートに金属被覆を行った後は、加熱焼成して発泡シートを焼却除去する。
上述のように、発泡シートに金属被覆を行った後は、加熱焼成して発泡シートを焼却除去する。
[金属多孔体シート]
上述のように、発泡シートへの金属被覆及び焼成による発泡シートの焼失で得られる本発明の金属多孔体シートは、金属被覆基材である発泡シートの均一な発泡セルに倣った均一な孔が形成された金属多孔体シートであり、その開孔面積が比較的大きいことにより活物質の充填性に優れ、また、孔間隔が均一で極端に狭い部分がないために電流が流れ易く(低抵抗)、導電性に優れ、また機械的強度にも優れる。
上述のように、発泡シートへの金属被覆及び焼成による発泡シートの焼失で得られる本発明の金属多孔体シートは、金属被覆基材である発泡シートの均一な発泡セルに倣った均一な孔が形成された金属多孔体シートであり、その開孔面積が比較的大きいことにより活物質の充填性に優れ、また、孔間隔が均一で極端に狭い部分がないために電流が流れ易く(低抵抗)、導電性に優れ、また機械的強度にも優れる。
本発明の金属多孔体シートを電池用電極材として用いる場合、その使用形態には特に制限はないが、前述の幅方向Wが電流の流れる方向となるように用いることで、より一層低抵抗かつ高導電率の電極材を得ることができ好ましい。
[用途]
前述の如く、本発明の金属多孔体シートは、開孔部に水酸化ニッケル等の活物質を充填して電池用電極材として有効に用いることができるが、これに限らず、本発明の金属多孔体シートは、触媒担体、複合金属材料、各種フィルター、各種パッキン材料等に使用することもでき、その開孔の均一性から、性能にバラツキのない優れた製品を提供することができる。
前述の如く、本発明の金属多孔体シートは、開孔部に水酸化ニッケル等の活物質を充填して電池用電極材として有効に用いることができるが、これに限らず、本発明の金属多孔体シートは、触媒担体、複合金属材料、各種フィルター、各種パッキン材料等に使用することもでき、その開孔の均一性から、性能にバラツキのない優れた製品を提供することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示す手順で本発明に従って発泡シートを製造した。
図1に示す手順で本発明に従って発泡シートを製造した。
なお、発泡成形に用いたポリウレタン発泡原液の組成は次の通りであり、イソシアネートインデックスは100である。
<ポリウレタン発泡原液組成(重量部)>
ポリエステルポリオール(花王(株)製「エディフォームE521」、分子量:2,200、水酸基価:60):100
2,4−トリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製「コスモネートT−80」):19.8
2,6−トリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製「コスモネートT−65B」):19.8
発泡剤(水):3.0
アミン触媒(N−エチルモルホリン、花王(株)製「カオーライザーNo.22」):0.8
整泡剤(シリコーン、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製「PRX607」):0.1
錫触媒(2−エチルヘキシル酸第一錫、日本化学産業(株)製「ニッカオクチックス錫28%」):0.1
ポリエステルポリオール(花王(株)製「エディフォームE521」、分子量:2,200、水酸基価:60):100
2,4−トリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製「コスモネートT−80」):19.8
2,6−トリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製「コスモネートT−65B」):19.8
発泡剤(水):3.0
アミン触媒(N−エチルモルホリン、花王(株)製「カオーライザーNo.22」):0.8
整泡剤(シリコーン、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製「PRX607」):0.1
錫触媒(2−エチルヘキシル酸第一錫、日本化学産業(株)製「ニッカオクチックス錫28%」):0.1
また、発泡成形型としては、割型として、図2(a)に示す、上部開口から側周部の一部に切欠部21Aが形成された浅皿状の底型(内径70cm,高さ15cm)21と、図2(b)に示す、底型21の切欠部21Aを覆う舌片部22Aを有する長円筒形状の上型22(内径70cm,高さ100cm)とを有する成形型を用いた。まず、図2(c)に示す如く、底型21の切欠部21Aから、吐出ノズル20を用いてポリウレタン発泡原液を吐出させて静かに流し込み、所定量の発泡原液を流し込んだ後、上型22を、図2(d)に示す如く底型21に覆せ、図2(e)に示すように、全体として有底長円筒状の成形型(内径70cm,高さ115cm)23として発泡成形を行った。
得られた発泡成形体を切削加工して、直径68cm、高さ100cmの円柱状の発泡ブロック(図1(c)の発泡ブロック3)を得た。
この発泡ブロックを、その柱状の中心軸を中心にして回転させながら、側周方向に沿ってスライス加工することにより、厚さ1.4mmの発泡シート(密度34kg/m3、連続気孔率98%)を切り出した。
[比較例1]
図4に示す従来法で、実施例1におけると同様の大きさの円柱状発泡ブロック33を製造したこと以外は、実施例1と同様にして厚さ1.4mmの発泡シートを得た。
図4に示す従来法で、実施例1におけると同様の大きさの円柱状発泡ブロック33を製造したこと以外は、実施例1と同様にして厚さ1.4mmの発泡シートを得た。
<a/b比の平均値>
実施例1及び比較例1で得られた発泡シートについて、前述の発泡セルのa/b比とその構成比率をグラフ化したものを図3に示す。
実施例1で得られた発泡シートは、発泡セルのa/b比が0.85〜1.93の範囲であり、またその平均値は1.26で、バラツキが小さかった。
一方、比較例1で得られた発泡シートは、a/b比が0.55〜1.46でその平均値は0.89であったが、図3に示すように、バラツキが大きく、部分的に発泡セル形状が大きく異なることが分かる。
実施例1及び比較例1で得られた発泡シートについて、前述の発泡セルのa/b比とその構成比率をグラフ化したものを図3に示す。
実施例1で得られた発泡シートは、発泡セルのa/b比が0.85〜1.93の範囲であり、またその平均値は1.26で、バラツキが小さかった。
一方、比較例1で得られた発泡シートは、a/b比が0.55〜1.46でその平均値は0.89であったが、図3に示すように、バラツキが大きく、部分的に発泡セル形状が大きく異なることが分かる。
<発泡セルの平均セル径>
実施例1及び比較例1で得られた発泡シートについて求めた前述の発泡セルの平均セル径は、実施例1の発泡シートが650μmで、比較例1の発泡シートが500μmと、実施例1の発泡シートの方が発泡セルの面積が大きく、活物質の充填性に優れることが分かる。
実施例1及び比較例1で得られた発泡シートについて求めた前述の発泡セルの平均セル径は、実施例1の発泡シートが650μmで、比較例1の発泡シートが500μmと、実施例1の発泡シートの方が発泡セルの面積が大きく、活物質の充填性に優れることが分かる。
<導電性>
実施例1及び比較例1で得られた発泡シートを、導電性カーボン10重量%と、バインダー10重量%を含むエマルジョンよりなる導電化処理液中に浸漬した後引き上げて乾燥させることにより導電化処理した。
得られた導電化処理発泡シートについて、その幅方向Wの導電性を調べたところ、実施例1の発泡シートを用いたものは1.0×103Ωで比較例1の発泡シートを用いたものは1.3×103Ωであり、実施例1の発泡シートによれば導電性に優れた導電化処理シート、更には導電性に優れた金属多孔体シートが得られることが分かった。
これは、実施例1で得られた発泡シートが、比較例1で得られた発泡シートよりも発泡セルの大きさ、形状、配置が均一で、セル間隔が極端に狭い部分が存在せず、電流が円滑に流れ易いことによるものと考えられる。
実施例1及び比較例1で得られた発泡シートを、導電性カーボン10重量%と、バインダー10重量%を含むエマルジョンよりなる導電化処理液中に浸漬した後引き上げて乾燥させることにより導電化処理した。
得られた導電化処理発泡シートについて、その幅方向Wの導電性を調べたところ、実施例1の発泡シートを用いたものは1.0×103Ωで比較例1の発泡シートを用いたものは1.3×103Ωであり、実施例1の発泡シートによれば導電性に優れた導電化処理シート、更には導電性に優れた金属多孔体シートが得られることが分かった。
これは、実施例1で得られた発泡シートが、比較例1で得られた発泡シートよりも発泡セルの大きさ、形状、配置が均一で、セル間隔が極端に狭い部分が存在せず、電流が円滑に流れ易いことによるものと考えられる。
1 成形型
2 発泡成形体
3 発泡ブロック
4 発泡シート
20 吐出ノズル
21 底型
22 上型
23 成形型
2 発泡成形体
3 発泡ブロック
4 発泡シート
20 吐出ノズル
21 底型
22 上型
23 成形型
Claims (14)
- 発泡原液を有底長筒状の成形型内で発泡成形する発泡成形工程と、得られた柱状発泡成形体を側周方向にスライスしてシート状物を得る切出工程とを有することを特徴とする発泡シートの製造方法。
- 請求項1において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義されるa/b比の平均値が1.1〜2.0であることを特徴とする発泡シートの製造方法。
<発泡セルのa/b比の平均値>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。 - 請求項1又は2において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義される発泡セルの平均セル径が200〜5000μmであることを特徴とする発泡シートの製造方法。
<発泡セルの平均セル径>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、該発泡シートがポリウレタンフォームシートであることを特徴とする発泡シートの製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該柱状発泡成形体が円柱状であることを特徴とする発泡シートの製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発泡シートの製造方法で得られた発泡シートに金属を被覆する工程を有することを特徴とする金属多孔体シートの製造方法。
- 発泡原液を有底長筒状の成形型内で発泡成形して得られた柱状発泡成形体を側周方向にスライスしてなることを特徴とする発泡シート。
- 請求項7において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義されるa/b比の平均値が1.1〜2.0であることを特徴とする発泡シート。
<発泡セルのa/b比の平均値>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、前記スライス時のシート状物の送り出し方向と直交する方向の径をa、シート状物の送り出し方向の径をbとしてa/b比を算出し、その平均値を発泡セルのa/b比の平均値とする。 - 請求項7又は8において、該発泡シートの発泡セルについて、以下に定義される発泡セルの平均セル径が200〜5000μmであることを特徴とする発泡シート。
<発泡セルの平均セル径>
発泡シートのシート面を顕微鏡観察し、シート面に表出している100個のセルについて、セル径を測定し、その平均値を発泡セルの平均セル径とする。 - 請求項7ないし9のいずれか1項において、ポリウレタンフォームシートであることを特徴とする発泡シート。
- 請求項7ないし10のいずれか1項において、該柱状発泡成形体が円柱状であることを特徴とする発泡シート。
- 請求項7ないし11のいずれか1項に記載の発泡シートに金属を被覆してなることを特徴とする金属多孔体シート。
- 請求項12において、発泡シートに金属を被覆した後該発泡シートを焼失させてなることを特徴とする金属多孔体シート。
- 請求項13において、電池用電極材であることを特徴とする金属多孔体シート。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012134109A (ja) * | 2010-12-24 | 2012-07-12 | Fdk Twicell Co Ltd | 負極板の製造方法、負極板、該負極板を備えた円筒形電池 |
CN109252062A (zh) * | 2018-11-07 | 2019-01-22 | 三峡大学 | 一种基于p曲面空间结构的泡沫镍的制备方法 |
WO2020054799A1 (ja) | 2018-09-14 | 2020-03-19 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
WO2020090758A1 (ja) | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
-
2009
- 2009-10-07 JP JP2009233557A patent/JP2011079232A/ja active Pending
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