JP2011077165A - 光検出素子、光検出装置及び赤外線検出素子、赤外線検出装置 - Google Patents

光検出素子、光検出装置及び赤外線検出素子、赤外線検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検出感度が高い光検出素子、光検出装置及び赤外線検出素子、赤外線検出装置を提供する。
【解決手段】入射した赤外線IRを他の波長帯域の光に変換すると共に、他の波長帯域に変換された光を検出する赤外線検出素子10において、赤外線検出素子10の受光面に凹凸構造28を設けると共に、受光面以外の赤外線検出素子10の外周面を金属膜24で覆い、凹凸構造28を透過して、素子内部に入射した光を、金属膜24で反射すると共に、金属膜24で反射した光を凹凸構造28で反射し、他の波長帯域に変換された光を金属膜24と凹凸構造28との間で反射し、入射した赤外線IR及び他の波長帯域に変換された光をセル11内部に閉じ込めるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線等の光を検出する光検出素子、光検出装置及び赤外線検出素子、赤外線検出装置に関する。
中・遠赤外線帯域(例えば、波長3〜12μmの帯域)の赤外線検出素子は、II−VI族化合物半導体であるHgCdTeを用いたものと、III−V族化合物半導体の超格子(例えば、GaAs/AlGaAs等)を用いたQWIP(量子井戸型赤外線検出器;Quantum Well Infrared Photo-detector)と、量子ドットを用いたQDIP(量子ドット型赤外線検出器;Quantum Dot Infrared Photo-detector)が実用化されている。
特開2000−156513号公報 特開平05−218469号公報
このうち、HgCdTeを用いた赤外線検出素子は高い感度が得られるが、Hgの低い融点と高い蒸気圧により良質な結晶成長が困難であり、特に、イメージセンサにおいては、歩留まりが非常に悪かった。更に、大面積の良質な基板(CdTe等)が得られないため、ピクセル数の大きなイメージセンサの製造が困難となっていた。
QWIPは、量子井戸内の離散化した電子のエネルギー準位間を、赤外線吸収により電子を遷移させて光電流を流すことにより赤外線を検出するものである。量子井戸の形成は、超格子構造により実現することができるため、成熟したGaAs結晶成長プロセスにより、大面積で高品質なイメージセンサの製造が可能である。しかしながら、電子は積層方向のみに一次元的に量子化されていることから、面に垂直な入射光に対しては感度を有しておらず、感度が非常に低いものであった。又、感度を向上させるためには、入射光を散乱させたり、入射光を閉じ込めたりする構造を形成する必要があるため(特許文献1、2)、プロセスが複雑であった。
QDIPは、自己組織化によりドット成長させることで量子井戸を形成しており、三次元的に電子が閉じ込められて量子化されている。このような構造では、垂直な入射光に対して感度を持つことや、光励起された電子が再び量子井戸に捕獲される確率が低いことから、QWIPに比べ高い感度を得られるが、HgCdTeの感度には及ばなかった。
又、感度を向上させるため、QWIPやQDIPから得られた電子をアバランシェ増幅させる方式もあるが、この方式では、素子内部からの光の漏れ出しが課題となっていた。
以上ように、赤外線検出素子として、様々な提案がなされているが、最終的な検出感度の点では、未だに不十分なものであった。又、宇宙での中・遠赤外線帯域の観測を実施するためには、微弱な光量の赤外線を広視野角、高分解能で検出する必要があり、そのためには、感度の高い材料からなる大面積(大ピクセル数)のイメージセンサが必要であるが、双方の要求を同時に満足するイメージセンサは製造が困難であった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、検出感度が高い光検出素子、光検出装置及び赤外線検出素子、赤外線検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る光検出素子は、
光を検出する光検出素子において、
当該光検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該光検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
前記凹凸構造を透過して、当該光検出素子内部に入射した光を、前記金属膜で反射すると共に、前記金属膜で反射した光を前記凹凸構造で反射して、入射した光を当該光検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る光検出素子は、
入射した光を他の波長帯域の光に変換すると共に、他の波長帯域に変換された光を検出する光検出素子において、
当該光検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該光検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
他の波長帯域に変換された光を前記凹凸構造と前記金属膜との間で反射し、他の波長帯域に変換された光を当該光検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る光検出素子は、
入射した光を他の波長帯域の光に変換すると共に、他の波長帯域に変換された光を検出する光検出素子において、
当該光検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該光検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
前記凹凸構造を透過して、当該光検出素子内部に入射した光を、前記金属膜で反射すると共に、前記金属膜で反射した光を前記凹凸構造で反射し、他の波長帯域に変換された光を前記凹凸構造と前記金属膜との間で反射し、入射した光及び他の波長帯域に変換された光を当該光検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る光検出素子は、
上記第1〜第3のいずれか1つの発明に記載の光検出素子において、
前記外周面を前記受光面に対して傾斜して形成すると共に、傾斜して形成した前記外周面を覆うように前記金属膜を設けたことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る光検出装置は、
上記第1〜第4のいずれか1つの発明に記載の光検出素子を使用することを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る赤外線検出素子は、
入射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光を、近赤外線から可視光の帯域の光に変換すると共に、変換された赤外線から可視光の帯域の光を検出する赤外線検出素子において、
当該赤外線検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該赤外線検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
前記凹凸構造を透過して、当該赤外線検出素子内部に入射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光を、前記金属膜で反射すると共に、前記金属膜で反射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光を前記凹凸構造で反射し、変換された赤外線から可視光の帯域の光を前記凹凸構造と前記金属膜との間で反射し、入射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光及び変換された赤外線から可視光の帯域の光を当該赤外線検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る赤外線検出素子は、
上記第6の発明に記載の赤外線検出素子において、
前記外周面を前記受光面に対して傾斜して形成すると共に、傾斜して形成した前記外周面を覆うように前記金属膜を設けたことを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る赤外線検出素子は、
上記第6又は第7の発明に記載の赤外線検出素子において、
入射する遠赤外線から中赤外線の帯域の光を、二酸化炭素の吸収波長である4.257μmを含む4〜4.5μmの波長域の赤外線としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係る赤外線検出装置は、
上記第6〜第8のいずれか1つの発明に記載の赤外線検出素子を使用することを特徴とする。
第1、第5の発明によれば、検出素子内部に入射した光を、凹凸構造と金属膜との間で何度も反射させ、検出素子内部に閉じ込めることにより、入射した光の実効的な光路長を長くして、検出素子における吸収効率を大きくし、感度の向上を実現することができる。
第2、第5の発明によれば、検出素子で変換した光を、凹凸構造と金属膜との間で何度も反射させ、検出素子内部に閉じ込めることにより、変換した光の実効的な光路長を長くして、検出素子における吸収効率を大きくし、感度の向上を実現することができる。
第3、第5、第6、第8、第9の発明によれば、検出素子内部に入射した光及び検出素子で変換した光を、凹凸構造と金属膜との間で何度も反射させ、検出素子内部に閉じ込めることにより、入射した光及び変換した光の実効的な光路長を、波長に依らず、共に長くして、検出素子における吸収効率を大きくし、総合的に感度の向上を実現することができる。これを、赤外線検出素子、赤外線検出装置に適用した場合、従来のQWIP方式又はQDIP方式のものに対して、感度(S/N比)を向上させることができる。
第4、第7の発明によれば、検出素子の受光面に対し、受光面以外の外周面を傾斜して形成し、当該外周面を金属膜で覆うので、入射した光、変換した光を吸収する層に対し、これらの光を金属膜で斜めに反射することになり、これらの光の実効的な光路長を長くして、検出素子における吸収効率を更に大きくし、感度の更なる向上を実現することができる。
本発明に係る光検出素子の実施形態の一例である赤外線検出素子を示す図であり、(a)は、その断面図、(b)は、その受光面側から見た概略図である。 図1に示した赤外線検出素子における入射赤外線の光路を説明する図である。 図1に示した赤外線検出素子内部において発光した内部発光の光路を説明する図である。 本発明に係る光検出装置の実施形態の一例である赤外線検出装置を示すブロック図である。 大気の赤外吸収スペクトルである。
以下、図1〜図5を参照して、本発明に係る光検出素子及び光検出装置を詳細に説明する。なお、本発明では、検出する光として、赤外線を例示し、実施形態の一例として、この赤外線を検出する赤外線検出素子及び赤外線検出装置について説明を行うが、赤外線以外の光、例えば、可視光や紫外線等を検出する光検出素子及び光検出装置にも適用可能である。
図1は、本発明に係る光検出素子の実施形態の一例である赤外線検出素子を示す図であり、図1(a)は、その断面図、図1(b)は、その受光面から見た概略図である。
本実施例の赤外線検出素子10は、多数のセル11からなるものである。例えば、図1(b)に示すように、赤外線IRが入射する受光面側から見ると、矩形状の多数のセル11が碁盤の目状に配置されている。なお、図1(a)において、セル11が形成される側を基板12の表面とすると、赤外線IRが入射する受光面側は基板12の裏面であり、本実施例の赤外線検出素子10は、所謂、裏面入射構造となっている。
各セル11は、共通の基板12及びコンタクト層13上に形成されている。又、各セル11は、後述する凹凸構造28を透過した遠赤外線〜中赤外線(例えば、波長2〜12μmの帯域)を吸収することにより電子が励起されて、当該電子から光電流が生成される光電流生成層15と、光電流生成層15で生成された光電流の電子が注入されて、正孔と再結合させることにより、近赤外線〜可視光(例えば、波長860〜1000nmの帯域)を放出する発光層16と、光電流生成層15及び発光層16側と後述の光吸収層18及び増幅層19側との共通の電極となるコンタクト層17と、発光層16から放出された近赤外線〜可視光を吸収することにより電子が励起されて、当該電子から光電流が生成される光吸収層18と、光吸収層18で生成された光電流の電子を増幅する増幅層19とを有している。
本実施例の赤外線検出素子10においては、コンタクト層13、光電流生成層15、発光層16、コンタクト層17、光吸収層18及び増幅層19全てをIII−V族化合物半導体(例えば、GaAs系材料)から構成すると共に、III−V族化合物半導体の基板12(例えば、GaAs基板)上に、これら全てを積層して一体に構成しており、素子全体をMBE法のみを用いて結晶成長させることができる。このように、素子全体をMBE法のみを用いて一体に積層することにより、発光層16から放出されて、光吸収層18で検出される近赤外線〜可視光のロスを低減でき、その感度の向上が可能となる。なお、MBE法に限らず、例えば、MOCVD法(有機金属化学気相成長法)等を用いて、各層を形成するようにしてもよい。
更に、各層の具体的な構造を例示する。
光電流生成層15は、多重量子井戸構造又は多重の量子ドット構造からなる。例えば、多重量子井戸構造とする場合には、障壁層と量子井戸となる井戸層を用い、障壁層の間に井戸層を挟み込むと共に、これらを多重に積層している。これは、所謂、QWIPと同等の構造のものであり、例えば、障壁層がAlGaAs、井戸層がGaAsからなる超格子構造である。又、多重の量子ドット構造とする場合には、障壁層と量子井戸となる量子ドットを用い、多数の量子ドットを障壁層で埋め込むと共に、これらを多重に積層している。これは、所謂、QDIPと同等の構造のものであり、例えば、障壁層がAlGaAs、量子ドットがInAsからなる構造である。
又、発光層16は、障壁層と量子井戸となる井戸層とを有し、近赤外線〜可視光を放出するバンドギャップとなるように、障壁層の間に井戸層を挟み込むと共に、これらを多重に積層して、多重量子井戸構造としたものである。例えば、井戸層はInGaAs、障壁層はGaAsからなる。なお、障壁層はAlGaAsでもよい。又、発光層16における光吸収層18側の障壁層を、コンタクト層17と兼用するようにしてもよい。
又、増幅層19は、アバランシェ増幅層としており、光吸収層18及び増幅層19は、所謂、アバランシェフォトダイオード(以降、APDと呼ぶ。)を構成している。光吸収層18及び増幅層19は、例えば、GaAs組成のみからなるものでもよいが、光吸収層18はInGaAs、増幅層19はAlGaAsからなるものでもよい。光吸収層18を、発光層16の井戸層と同じInGaAs組成とする場合には、発光波長が近いInGaAs組成で光を吸収することになり、吸収効率を向上させることができる。なお、光吸収層18及び増幅層19としては、APDに限らず、例えば、pinフォトダイオード、pnフォトダイオード等を用いてもよい。
そして、本実施例では、検出対象となる波長、つまり、光電流生成層15において電子を励起する遠赤外線〜中赤外線が2〜12μmの帯域の範囲となるように、光電流生成層15を構成しており、発光層16から放出し、かつ、光吸収層18で検出する近赤外線〜可視光が860〜1000nmの帯域(常温)の範囲となるように、発光層16、光吸収層18を構成している。
なお、本実施例では、基板、各層共に、III−V族化合物半導体であるGaAsを基本組成とする構成を説明しているが、検出対象波長に応じて、基板、各層の半導体組成を適宜に選択可能である。例えば、検出対象波長を2〜12μmの範囲としたい場合には、GaAs基板上にGaAs系材料(GaAs、AlGaAs、InGaAs、InAs等)を用いて各層を形成すればよいし、検出対象波長を長波長側にシフトしたい場合には、InP基板上にGaAs系材料(GaAs、InGaAs、InAlAs、InGaAlAs等)を用いて各層を形成すればよいし、検出対象波長を2〜10μmの範囲としたい場合には、サファイア基板、Si基板、SiC基板又はGaN(ガリウムナイトライド)基板上にGaN系材料を用いて各層を形成すればよい。
基板12上に、コンタクト層13、光電流生成層15、発光層16、コンタクト層17、光吸収層18及び増幅層19を順次積層した後、コンタクト層13を残し、光電流生成層15、発光層16、コンタクト層17、光吸収層18及び増幅層19に対して、異方性エッチングを行うことにより、図1に示すようなテーパ形状の断面構造(立体的構造としては、四角錐構造)とすることにより、各セル11を形成している。この際、セル11同士の間隔をできるだけ狭くして、多数のセル11を形成することが望ましい。
セル11は、異方性エッチングにより、断面がテーパ形状となっているが、セル11の外周面に、後述するミラー構造(金属膜24等)を形成できるのであれば、必ずしも、断面をテーパ形状とする必要は無く、例えば、矩形状、半円状、階段状等としても良い。但し、蒸着により後述するミラー構造(金属膜24等)を形成する場合、セル11の断面がテーパ形状である方が金属膜を蒸着しやすく、又、後述するように、内部に閉じ込める赤外線や内部発光を集光することも可能である。
断面をテーパ形状とした各セル11に対し、その増幅層19上に電極部20を蒸着により形成する。又、電極部20の形成の際、コンタクト層13と電気的に導通する電極部22、コンタクト層17と電気的に導通する電極部21も蒸着により形成しておく。電極部20、21、22の材料としては、例えば、Au、AuGe、AuZn、Al等の金属材料が用いられている。特に、電極部20には、上記遠赤外線〜中赤外線帯域の赤外線及び近赤外線〜可視光帯域の光を反射するものが望ましい。なお、増幅層19と電極部20との間には、上記コンタクト層13、17と同様なコンタクト層が実際には存在するが、増幅層19を構成する層の1つとして兼用可能であるため、ここでは、図示を省略している。
その後、断面をテーパ形状とした各セル11の表面全面に、蒸着により保護膜23を形成する。この保護膜23の材料としては、上記遠赤外線〜中赤外線帯域の赤外線及び近赤外線〜可視光帯域の光を透過する絶縁物が好ましく、例えば、屈折率nGaAs=3.4以下のLiF、MgF2等の赤外光学材料が用いられている。この保護膜23は、後述する金属膜24と保護膜23内部の各層とを絶縁する機能も果たすことになる。
各セル11の表面全面に形成した保護膜23において、電極部20、21、22が存在する箇所に各々コンタクト・ホールを形成し、各コンタクト・ホールを介して、電極部20、21、22と各々電気的に接続する電極端子25、26、27を蒸着により形成する。電極端子25、26、27の材料としては、例えば、Au、Cu、Cr、Ti、Al等の金属材料が用いられている。
その後、各セル11の表面全面に、蒸着により金属膜24を形成する。この金属膜24の材料としては、例えば、Au、Ag等の金属材料が用いられており、これにより、各セル11の外周面を覆うようにミラー構造を設けることになる。この金属膜24の材料は、セル11内部に閉じ込める光の波長帯域に応じて変更することが望ましく、例えば、上記遠赤外線〜中赤外線帯域の赤外線及び近赤外線〜可視光帯域の光であれば、Au、Ag等の金属材料が好ましく、可視光などであれば、Al、Ag等の金属材料が好ましい。
電極部21はミラー構造の一部として機能している。この電極部21に導通する電極端子26と金属膜24との間には、これらの導通(短絡)を防ぐ隙間(例えば、溝等)が必要であるが、この隙間の間隔を狭くしたり、電極部21と近傍の金属膜24の端部とを、図1の下方側から見て、互いに重なるように配置したりして、この隙間からの赤外線や光の漏れをできるだけ防止するようにすることが望ましい。
又、電極部20もミラー構造の一部として機能している。この電極部20に導通する電極端子25と金属膜24との間には、これらの導通(短絡)を防ぐ隙間(例えば、溝等)が必要であるが、この隙間の間隔を狭くしたり、電極部20と近傍の金属膜24の端部とを、図1の下方側から見て、互いに重なるように配置したりして、この隙間からの赤外線や光の漏れをできるだけ防止するようにすることが望ましい。
上述したコンタクト層13、17、電極部20、21、22及び電極端子25、26、27の配置により、光電流生成層15及び発光層16側と光吸収層18及び増幅層19側との間に、接地される共通の電極(コンタクト層17、電極部21、電極端子26)が設けられると共に、各セル11の両端部に正電極(電極部20、電極端子25)及び負電極(コンタクト層13、電極部22、電極端子27)が設けられ、素子全体に所定の電圧が印加されて、各素子が駆動されることになる。このコンタクト層13は、全てのセル11共通の電極となっている。
又、基板12の裏面表面、つまり、赤外線IRの受光面において、異方性エッチングにより凹凸構造28を形成しており、図1に示すように、その断面を三角波形状としている。例えば、基板12がGaAsからなり、当初の表面が(001)面である場合、その表面をウェットエッチングすることにより(例えば、硫酸+過酸化水素系溶液、アンモニア系溶液等を使用)、V字溝28aの切り込みを形成して、{111}面の傾斜面28bを形成することができる。このV字溝28aのサイズは、入射してくる光の波長、或いは、光電流生成層15の種類(例えば、QWIP、QDIP等)に応じて形成しており、赤外線及び可視光の場合は、数百nm〜数十μmが望ましい。又、V字溝28aは、基板12の裏面表面に線状に平行して形成してもよいし、又、碁盤目状に縦横交差して形成してもよい。このような凹凸構造28により、入射してくる赤外線IRに対して、見かけ上、屈折率が連続的に変化する分布を受光面に形成することになり、入射してきた赤外線IRの受光面における表面反射を低減することができる。又、受光面に対し垂直に入射してきた赤外線IRの入射角を屈折させることができ、特に、光電流生成層15として、QWIP構造を用いる場合に有用である。
なお、傾斜面28bは、垂直に入射してくる赤外線IRに対して、ブリュースター角度となるように形成することが望ましいが、本実施例のように、(001)面のGaAs基板のエッチング特性を利用することにより、ブリュースター角度に近い角度となるようにしてもよい。このような特性を利用することにより、凹凸構造28の形成を、安価かつ容易な方法で行うことができる。なお、凹凸構造28としては、例えば、ストライプ構造、テクスチャ構造、逆ピラミッド構造(四角錐の凹部を形成した構造)、ハニカム構造(六角錐の凹部を形成した構造)等も適用可能である。
又、凹凸構造28は、後述の図2、図3で説明するように、入射した後に金属膜24で反射された赤外線IR、そして、発光層16から放出された光を、その内面で反射、散乱させて、これらの光のセル11外部への漏れ出しを抑制する機能も果たしている。例えば、凹凸構造28と外部(例えば、真空)との屈折率の違いにより、凹凸構造28内面への入射角が18°以上であれば、これらの光の全反射が起き、又、閉じ込める光の波長以下の周期構造に凹凸構造28を形成する場合には、これらの光をセル11内部に散乱させることができる。
ここで、図2、図3を参照して、本実施例の赤外線検出素子10の動作原理の概略を説明した後、本実施例の赤外線検出素子10における光の光路を説明する。なお、図2は赤外線IRの光路を説明する図であり、図3は、赤外線検出素子10内部の発光層16で発光した内部発光の光路を説明する図である。
赤外線検出素子10の受光面に入射する赤外線IRは、凹凸構造28の傾斜面28bで屈折して、当初の入射角に対し傾斜した角度でセル11側へ入射し、基板12、コンタクト層13を透過して、光電流生成層15へ入射する(図2参照)。
光電流生成層15においては、井戸層又は量子ドット等により多重の量子井戸が形成されており、量子井戸内の伝導帯側のエネルギー準位に電子が存在している。この電子は、基板12、コンタクト層13を透過して、入射された赤外線IRを吸収することにより励起され、励起された電子は発光層16に注入されることになる。このとき、多重量子井戸構造又は多重の量子ドット構造とすることにより、入射された赤外線IRを効率的に吸収して、電子を効率的に励起するようにしている。なお、詳細は後述するが、光電流生成層15に吸収されずに透過した赤外線IRは、セル11内部に閉じ込めることにより、光電流生成層15で何度でも吸収できるようにしており、これにより、入射された赤外線IRを更に効率的に吸収して、電子を更に効率的に励起するようにしている。
発光層16においても、井戸層により多重の量子井戸が形成されており、量子井戸内の価電子帯側のエネルギー準位に正孔が存在している。この正孔と光電流生成層15から注入された電子とが再結合することにより、よりエネルギーが大きい近赤外線〜可視光を放出することになる。このとき、多重量子井戸構造とすることにより、光電流生成層15から注入された電子と発光層16の正孔とを効率的に再結合させて、上記近赤外線〜可視光を効率的に放出するようにしている。
放出された近赤外線〜可視光は、主に、セル11の積層方向に放出される(図3の光L1、L2等参照)。光吸収層18側へ放出された光L1は、光吸収層18へ直接入射し、光吸収層18において、その強度が検出されることになる。一方、基板12側へ放出された光L2は、凹凸構造28の内面で反射された後、光吸収層18へ入射し、光吸収層18において、その強度が検出されることになる。この結果、発光層16から放出された近赤外線〜可視光は、光吸収層18により高効率で検出されることになる。なお、詳細は後述するが、光吸収層18に吸収されずに透過した近赤外線〜可視光は、セル11内部に閉じ込めることにより、光吸収層18で何度でも吸収できるようにしており、これにより、内部発光の近赤外線〜可視光を更に効率的に吸収するようにしている。
光吸収層18及び増幅層19においては、逆バイアスが印加されているため、光吸収層18における空乏層には高電界が形成されている。入射された光は、この光吸収層18で吸収されて、電子−正孔対が生成され、これらのキャリア(電子、正孔)が高電界により加速される。加速されたキャリアは、高エネルギーを持って、格子と衝突し、2次的な電子−正孔対が生成される。そして、増幅層19において、この過程が繰り返されて、キャリアがなだれ増倍され、増倍されたキャリアがドリフトして、光電流となる。つまり、発光層16から放出された近赤外線〜可視光を光吸収層18及び増幅層19で増幅して検出することにより、セル11に入射してくる遠赤外線〜中赤外線を効率的に検出することになる。
更に、本実施例においては、セル11内部に光を閉じ込める構造を備えているため、光電流生成層15における検出感度、光吸収層18における検出感度を更に向上させることができる。
まず、図2を用いて、赤外線IRの光路及び光の閉じ込めについて説明する。
図2に示すように、赤外線検出素子10の受光面に対して垂直に入射してくる赤外線IRは、凹凸構造28の傾斜面28bで屈折して、当初の垂直入射角に対し傾斜した角度でセル11側へ入射することになる。このように、垂直に入射してくる赤外線IRを屈折させて、セル11の光電流生成層15に対し傾斜した角度で入射することにより、光電流生成層15における赤外線IRの実効的な光路長(光電流生成層15での吸収、感度に寄与する光路長)を大きくして、その吸収効率、即ち、感度を向上させることができる。
更に、光電流生成層15を透過した赤外線IRは、セル11の外周面に形成された金属膜24で反射して、再び、光電流生成層15に入射することになる。このとき、金属膜24で反射した赤外線IRも、光電流生成層15に対し傾斜した角度で入射することになり、光電流生成層15における赤外線IRの実効的な光路長を大きくして、その吸収効率、即ち、感度を更に向上させることができる。
加えて、金属膜24で反射した後、再び光電流生成層15を透過した赤外線IRは、受光面の凹凸構造28で散乱し、再度、光電流生成層15に入射することになり、この場合でも、光電流生成層15に対し傾斜した角度で入射することになり、光電流生成層15における赤外線IRの実効的な光路長を大きくして、その吸収効率、即ち、感度を更に向上させることができる。
そして、セル11内部に入射した赤外線IRを、凹凸構造28と金属膜24との間で何度も反射させることによりセル11内部に閉じ込めるようにしている。この結果、光電流生成層15に吸収されるまで、光電流生成層15を赤外線IRが何回も通過することになり、光電流生成層15を斜めに通過することも含めて、赤外線IRの実効的な光路長を更にもっと大きくして、その吸収効率、即ち、感度を更にもっと向上させることができる。
又、光電流生成層15としてQWIP構造(特に、n型のQWIP構造)を採用する場合、垂直に入射してくる赤外線IRに対する感度は望めないが、上述したように、光電流生成層15に対し傾斜した角度で赤外線IRを入射することにより、実効的な光路長を大きくするだけでなく、QWIP構造における感度の向上も達成することができる。
次に、図3を用いて、発光層16で発光した内部発光の光路及び光の閉じ込めについて説明する。
上述したように、発光層16で発光した近赤外線〜可視光は、主に、セル11の積層方向に放出される。光吸収層18側へ放出された光L1は、光吸収層18へ直接入射し、光吸収層18において、その強度が検出されることになる。更に、光吸収層18を透過した光L1は、セル11の端部に形成された電極部20で反射して、再び、光吸収層18に入射し、その強度が検出されることになる。これにより、光吸収層18における光L1の実効的な光路長(光吸収層18での吸収、感度に寄与する光路長)を大きくして、その吸収効率、即ち、感度を向上させることができる。
又、基板12側へ放出された光L2は、凹凸構造28の内面で反射された後、光吸収層18へ入射し、光吸収層18において、その強度が検出されることになる。又、基板12側へ放出された光の中で、セル11の積層方向以外の方向に放出された光も、凹凸構造28の内面で反射された後、光吸収層18へ直接的又は間接的に(金属膜24で反射して)入射し、光吸収層18において、その強度が検出されることになる。これにより、発光層16から基板12側へ放出された光L2も、光吸収層18により検出されることになり、その吸収効率、即ち、感度を更に向上させることができる。
又、光吸収層18側へ放出された光の中で、セル11の積層方向以外の方向に放出された光、そして、セル11の積層方向であっても、電極部20に反射されない光(これらをまとめて、光L3とする。)も、光吸収層18へ直接入射し、光吸収層18において、その強度が検出されることになる。更に、光吸収層18を透過した光L3は、セル11の外周面に形成された金属膜24で反射して、再び、光吸収層18に入射し、その強度が検出されることになる。このとき、金属膜24で反射した光L3は、光吸収層18に対し傾斜した角度で入射することになり、光吸収層18における光L3の実効的な光路長を大きくして、その吸収効率、即ち、感度を更に向上させることができる。つまり、金属膜24は、光吸収層18に対し集光するような配置となっている。
そして、セル11内部の発光層16で発光した内部発光も、凹凸構造28と金属膜24との間で何度も反射させることにより、セル11内部に閉じ込めるようにしている。この結果、光吸収層18に吸収されるまで、光吸収層18を内部発光が何回も通過することになり、光吸収層18を斜めに通過することも含めて、内部発光の実効的な光路長を更にもっと大きくして、その吸収効率、即ち、感度を更にもっと向上させることができる。
従って、本実施例の赤外線検出素子10では、上述した光閉じ込め構造を用いて、互いに異なる波長帯域の赤外線及び内部発光を、セル11内部に閉じ込めて、共に、実効的な光路長を大きくしており、その結果、光の波長に依らず、吸収効率を大きくすることができ、総合的な感度向上を実現することができる。例えば、従来のQWIP方式、QDIP方式の赤外線検出素子と比較して、数倍〜数十倍の感度向上が可能である。当然、上述した光閉じ込め構造を、従来の赤外線検出素子に適用しても、その検出感度を向上させることができる。例えば、単に、QDIP(又はQWIP)からなる従来の赤外線検出素子の受光面、外周面に、上述した光閉じ込め構造を設けるようにすればよい。
又、本実施例の赤外線検出素子10は、GaAs基板を用いているので、大口径化が可能となり、容易にピクセル数の大きなイメージセンサを形成することも可能となる。又、MBE法はプロセスが成熟しており、このMBE法の結晶成長のみを用いて、コンタクト層13、光電流生成層15、発光層16、コンタクト層17、光吸収層18及び増幅層19を形成しているため、製造の歩留まりを高くすることができる。
なお、本実施例において、光電流生成層15及び発光層16は、電子をキャリアとするn型デバイスとして説明しているが、正孔をキャリアとするp型デバイスの構成としてもよい。
図4は、本発明に係る赤外線検出装置の実施形態の一例を示すブロック図である。
本実施例の赤外線検出装置は、赤外線検出素子10と、赤外線検出素子の入射面側に設けられた光学系31と、赤外線検出素子10を駆動し、制御するセンサ駆動部32と、赤外線検出素子10で検出した画像信号の処理を行う画像信号処理部33と、センサ駆動部32及び画像信号処理部33を制御するデジタル制御回路34と、デジタル制御回路34により制御されると共に、赤外線検出素子10の冷却を行う冷却系35とを有するものである。
本実施例においては、上記実施例1に示した赤外線検出素子10を使用しているため、従来の赤外線検出装置と比較して、その感度を向上させることができる。
このような構成の赤外線検出装置は、例えば、衛星に搭載することにより、地球表面の特定の波長域を観測して、地球の大気の状態や地球表面の状態を観測することができる。又、地球での赤外線の影響を受けることなく、天文観測を行って、天体の状態を観測することができる。
更に、光電流生成層15を適切な構成にすることにより、特定の波長域に対応した赤外線検出装置とすることができる。具体的には、地球温暖化の問題に対して、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を高効率、高精度で観測することが現在望まれている。図5に示すように、CO2の吸収波長(4.257μm)を含む波長域(例えば、4μm以上4.5μm以下の範囲の波長域)に赤外線検出感度を有するように、光電流生成層15のQWIP構造又はQDIP構造を適切な構成にすることにより、他の分子の赤外線吸収特性の影響を排除して、大気中のCO2濃度を高効率、高精度で検出するCO2用赤外線検出装置とすることが可能となる。
例えば、QWIP構造の光電流生成層15において、井戸層を膜厚3.1nmのGaAsから構成すると共に、障壁層を膜厚30nm以上のAl0.57Ga0.43Asから構成すると、CO2の吸収波長(4.257μm)に適合する構成となる。
そして、上記構成のCO2用赤外線検出装置を衛星に搭載すれば、地球全体の大気中のCO2濃度を高効率、高精度で観測することが可能となる。上記実施例1に示した赤外線検出素子10を使用しているので、従来のCO2検出装置と比較しても、感度を向上させることができると共に、他の分子の影響も排除することができる。
本発明は、地球のリモートセンシングや天体観測に用いられる赤外線センサ、赤外線イメージセンサに好適なものであり、又、赤外線以外の光、例えば、紫外線や可視光を検出するセンサや太陽電池にも適用可能である。
10 赤外線検出素子
11 セル
12 基板
13、17 コンタクト層
15 光電流生成層
16 発光層
18 光吸収層
19 増幅層
20、21、22 電極部
23 保護膜
24 金属膜
25、26、27 電極端子
28 凹凸構造

Claims (9)

  1. 光を検出する光検出素子において、
    当該光検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該光検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
    前記凹凸構造を透過して、当該光検出素子内部に入射した光を、前記金属膜で反射すると共に、前記金属膜で反射した光を前記凹凸構造で反射して、入射した光を当該光検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする光検出素子。
  2. 入射した光を他の波長帯域の光に変換すると共に、他の波長帯域に変換された光を検出する光検出素子において、
    当該光検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該光検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
    他の波長帯域に変換された光を前記凹凸構造と前記金属膜との間で反射し、他の波長帯域に変換された光を当該光検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする光検出素子。
  3. 入射した光を他の波長帯域の光に変換すると共に、他の波長帯域に変換された光を検出する光検出素子において、
    当該光検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該光検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
    前記凹凸構造を透過して、当該光検出素子内部に入射した光を、前記金属膜で反射すると共に、前記金属膜で反射した光を前記凹凸構造で反射し、他の波長帯域に変換された光を前記凹凸構造と前記金属膜との間で反射し、入射した光及び他の波長帯域に変換された光を当該光検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする光検出素子。
  4. 請求項1から請求項3にいずれか1つに記載の光検出素子において、
    前記外周面を前記受光面に対して傾斜して形成すると共に、傾斜して形成した前記外周面を覆うように前記金属膜を設けたことを特徴とする光検出素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の光検出素子を使用することを特徴とする光検出装置。
  6. 入射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光を、近赤外線から可視光の帯域の光に変換すると共に、変換された赤外線から可視光の帯域の光を検出する赤外線検出素子において、
    当該赤外線検出素子の受光面に凹凸構造を設けると共に、前記受光面以外の当該赤外線検出素子の外周面に、当該外周面を覆う金属膜を設け、
    前記凹凸構造を透過して、当該赤外線検出素子内部に入射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光を、前記金属膜で反射すると共に、前記金属膜で反射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光を前記凹凸構造で反射し、変換された赤外線から可視光の帯域の光を前記凹凸構造と前記金属膜との間で反射し、入射した遠赤外線から中赤外線の帯域の光及び変換された赤外線から可視光の帯域の光を当該赤外線検出素子内部に閉じ込めるようにしたことを特徴とする赤外線検出素子。
  7. 請求項6に記載の赤外線検出素子において、
    前記外周面を前記受光面に対して傾斜して形成すると共に、傾斜して形成した前記外周面を覆うように前記金属膜を設けたことを特徴とする赤外線検出素子。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の赤外線検出素子において、
    入射する遠赤外線から中赤外線の帯域の光を、二酸化炭素の吸収波長である4.257μmを含む4〜4.5μmの波長域の赤外線としたことを特徴とする赤外線検出素子。
  9. 請求項6から請求項8のいずれか1つに記載の赤外線検出素子を使用することを特徴とする赤外線検出装置。
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