JP2011075250A - 給湯機の運転方法及び給湯機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽熱により熱せられた熱媒を、循環回路15を経由して貯湯タンク13内に配置された熱交換器16に送る太陽熱集熱装置17と、夜間時間帯に加熱装置18を作動させ、夜間時間帯の終了時までの所定時刻に、貯湯タンク13に1日の給湯に必要な目標貯湯熱量の湯を確保する制御装置19とを有し、制御装置19は、前日以前の過去複数日分の貯湯タンク13の給湯負荷熱量の値により算出した予測給湯負荷熱量を目標貯湯熱量とし、晴天情報を受信したことを条件として、目標貯湯熱量から、更に太陽熱集熱装置17により貯湯タンク13に供給される1日の熱量の予測集熱量を差し引いて新たな目標貯湯熱量とし、貯湯タンク13の残湯熱量が目標貯湯熱量より小さいときに加熱装置18を作動して夜間加熱運転を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、翌日の予測天候情報、及び翌日の貯湯タンクの湯の予測使用熱量により、夜間加熱運転で確保する貯湯タンクの湯の熱量を変動する給湯機の運転方法及び給湯機の提供を目的とする。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る給湯機10は、給湯用の湯水を貯留し、水道水が給水される給水口11及び湯を出湯する出湯口12を備える貯湯タンク13と、貯湯タンク13に設けられ、貯湯タンク13内の湯水の温度(℃)を計測する温度計測手段14と、太陽熱により熱せられた熱媒を、循環回路15を経由して貯湯タンク13内に配置された熱交換器16に送る太陽熱集熱装置17とを有している。更に、給湯機10は、貯湯タンク13の外部に配置され、貯湯タンク13内の湯水を加熱する外部加熱装置(加熱装置の一例)18と、夜間時間帯に外部加熱装置18を作動させ、貯湯タンク13に1日の給湯に必要な目標貯湯熱量の湯を、夜間時間帯の終了時までの所定時刻(終了時を含む)に確保する夜間加熱運転を行う制御装置19とを有している。以下詳細に説明する。
第1、第2のサブタンク21、22にはそれぞれ、常に230リットルの湯水が貯留されており、第1、第2のサブタンク21、22の異なる高さ位置で湯水の温度を計測することで、第1、第2のサブタンク21、22内の湯水全体が有する熱量の近似値を算出することができる。なお、温度計測手段14は、第1〜第7の貯湯サーミスタ28〜34を有して構成されている。
ヒートポンプ式加熱器36の作動直後でヒートポンプ式加熱器36が取水口37から取り出された水を加熱可能な状態にないとき、ヒートポンプ式加熱器36から送り出された低温水は、湯戻り三方弁39を経由して第2のサブタンク22の底部に送られるので、低温水が第1のサブタンク21の天井部に供給されることによる、第1のサブタンク21内の湯の温度低下を防止することができる。
循環回路15には、ソーラーパネル41で加熱された熱媒の温度を計測するソーラーサーミスタ43が取り付けられ、熱交換器16の熱媒の流入側及び流出側に、熱媒の温度を計測する流入側サーミスタ44及び流出側サーミスタ45がそれぞれ配置されている。
そして、循環回路15には、ソーラーパネル41から送り出された熱媒の送り先を切り替えるソーラー三方弁49が取り付けられている。ソーラー三方弁49は、ソーラーサーミスタ43で計測される熱媒の温度と、第7の貯湯サーミスタ34によって計測される第2のサブタンク22の底部の水温との温度差が、一定温度以上、例えば7℃以上のとき、ソーラーパネル41から送り出された熱媒を熱交換器16に送り、7℃未満のとき、熱媒の送り先を切り替え、熱媒を熱交換器16に送らず、ソーラーパネル41に戻すバイパス管50に熱媒を送るようにする。
給湯管53には、出湯口12及び第2の出湯口52から出湯された湯を混合する出湯混合弁54と、出湯混合弁54から送り出される湯の温度を計測する出湯サーミスタ55と、逆止弁56と、出湯混合弁54から送られる湯に、水道水を混合する給湯混合弁57とが直列接続され設けられている。また、給湯混合弁57への水道水の入水側には、逆止弁58が配置されている。
更に、給湯管53には、給湯混合弁57から送り出される湯の流量を計測する流量センサ60、及び湯の温度を計測する給湯サーミスタ61が設けられている。
集熱量検出手段73は、ソーラーポンプ42から、ソーラーポンプ42に備えられた図示しないモータの単位時間当たりの回転数を検出し、単位時間に循環回路15内を流れる熱媒の流量をソーラーポンプ42のモータの回転数に応じたテーブル(モータの回転数に対応した熱媒の流量を定めた)から読み込む。また、集熱量検出手段73は、流入側サーミスタ44及び流出側サーミスタ45を介して熱交換器16に流入する前の熱媒の温度、及び第2のサブタンク22内の水を加熱し熱交換器16から流出する熱媒の温度をそれぞれ検出して、その温度差と循環回路15内を流れる熱媒の流量とから第2のサブタンク22内の湯水に供給した熱量を検知する。
下限集熱量値は、例えば5,000キロカロリーであり、ソーラーパネル41の集熱容量等から決定することや、前年に太陽熱集熱装置17から第2のサブタンク22に供給した1日の集熱量値の実績から同時期の下限集熱量値を算出して決定することができる。この下限集熱量値を設けることにより、前日以前の7日間に晴天がない場合にも、予測集熱量Q1を晴天時に期待される集熱量の値にすることが可能である。
具体的には、前日以前の7日間の各日の値を大きい順にP1〜P7とし、重み係数をS1〜S7とすると、予測集熱量Q1’は以下の式1で算出される。
Q1’=(1/7)×(P1×S1+P2×S2+P3×S3
+P4×S4+P5×S5+P6×S6+P7×S7) (式1)
S1+S2+S3+S4+S5+S6+S7=7 (式2)
S1〜S7の値は、具体的には、例えば、それぞれS1=2、S2=1.5、S3=1、S4=1、S5=0.5、S6=0.5、S7=0.5にすることができる。
なお、集熱量検出手段73が予測集熱量として、Q1及びQ1’のうち、どちらを算出して用いるかは、予め設定可能である。
第1〜第7の貯湯サーミスタ28〜34で計測した第1、第2のサブタンク21、22の湯水の温度から給水サーミスタ26で計測した水道水の温度を減じた温度をそれぞれT1〜T7とし、また、第1、第2の貯湯サーミスタ28、29間、第2、第3の貯湯サーミスタ29、30間、第3、第4の貯湯サーミスタ30、31間、第4、第5の貯湯サーミスタ31、32間、第5、第6の貯湯サーミスタ32、33間、第6、第7の貯湯サーミスタ33、34間に貯留されている湯水の量(リットル)をそれぞれV1〜V6とすると、残湯熱量算出手段74は、残湯熱量Q2(キロカロリー)を以下の式3で算出する。
Q2=(T1+T2)×0.5×V1+(T2+T3)×0.5×V2
+(T3+T4)×0.5×V3+(T4+T5)×0.5×V4
+(T5+T6)×0.5×V5+(T6+T7)×0.5×V6 (式3)
ここで、例えば、V1〜V6はそれぞれ50リットル、100リットル、80リットル、70リットル、70リットル、90リットルである。
具体的には、流量センサ60を介して検知された給湯混合弁57から出湯された湯量をVd(リットル)、給湯サーミスタ61で計測された給湯温度から給水サーミスタ26で計測された水道水の温度を減じて得た温度をTdとして、給湯負荷熱量算出手段75は、以下の式4で瞬間的な給湯負荷熱量dQを算出する。
dQ=Vd×Td (式4)
Q3=(1/7)×(K1×L1+K2×L2+K3×L3
+K4×L4+K5×L5+K6×L6+K7×L7) (式5)
K1+K2+K3+K4+K5+K6+K7=7 (式6)
K1〜K7の値は、具体的には、例えば、それぞれK1=2、K2=1.5、K3=1、K4=1、K5=0.5、K6=0.5、K7=0.5にすることができる。
特に、第1、第2のサブタンク21、22から出湯される湯量(正確には湯の熱量)が日々大きく変動するような場合には、単純平均により予測給湯負荷熱量を算出すると、例えば、5割近くの確率で、日中でのヒートポンプ式加熱器36の作動が必要となり、湯水の加熱コスト上昇を招来するので、式5による予測給湯負荷熱量Q3の算出は、湯水の加熱コスト削減に大きな効果を発揮する。
制御装置19は、第1、第4の貯湯サーミスタ28、31を介して第1のサブタンク21の出湯口12及び第2のサブタンク22の第2の出湯口52にある湯の温度を計測し、操作盤71で入力されている給湯温度と比較して、所定条件下でヒートポンプ式加熱器36及び循環ポンプ38を作動し、第2のサブタンク22内の湯水を加熱する加熱装置制御手段77を備えている。具体的には、出湯口12にある湯の温度が操作盤71で入力された給湯温度より低温の場合等に、第2のサブタンク22内の湯水を加熱する。
また、加熱装置制御手段77は、集熱量検出手段73、給湯負荷熱量算出手段75、及び天候情報受信手段76にも信号接続されており、集熱量検出手段73から太陽熱集熱装置17が第2のサブタンク22に供給する1日の熱量の予測集熱量Q1(または、予測集熱量Q1’)の情報を受信すると共に、給湯負荷熱量算出手段75から予測給湯負荷熱量Q3の情報を取得可能であり、しかも、天候情報受信手段76を介して、操作盤71で入力された予測天候情報を取得することができる。
加熱装置制御手段77は、天候情報受信手段76が操作盤71から晴天情報を受信していないとき、記録している最新の予測給湯負荷熱量Q3を、目標貯湯熱量Q4とし、夜間時間帯になった後、10秒間隔で残湯熱量算出手段74から残湯熱量Q2を取得するごとに、最新の残湯熱量Q2と目標貯湯熱量Q4を比較する。
Q2≧Q4 (式7)
Q2<Q4 (式8)
Q2≧Q4’ (式9)
Q2<Q4’ (式10)
即ち、加熱装置制御手段77は、式9が成立するとき、外部加熱手段18を停止状態にし、式10が成立するときには、式9が成立するまで外部加熱手段18を作動する。
また、操作盤71には、入力された晴天情報を取り消す機能が設けられている。
例えば、加熱装置は貯湯タンク内に設けられ、貯湯タンクの湯水を加熱する電熱線を有して構成することができ、貯湯タンクは、2つのサブタンクを有さず1つのタンクを有して構成することもできる。
また、予測天候情報は、操作盤で入力されるのに限定されず、天候情報受信手段にインターネット回線や、専用回線を接続し、リモートサーバから発信される予測天候情報を定期的に受信することもできる。
更に予測天候情報として、晴天情報だけでなく、曇り時々晴れ等の情報を加えることもでき、天候情報受信手段が曇り時々晴れの情報を受信した場合には、晴天時の予測集熱量に補正係数(例えば0.5)を掛けて予測集熱量を算出することも可能である。
なお、前記実施の形態においては、前日以前の複数の日を7日間として説明したが、他の複数の日数(m日間)としてもよく、この場合、前記実施の形態の説明において、「7」を「m」に置き換えることになる。
Claims (8)
- 貯湯タンクの湯水が、夜間時間帯に加熱装置によって加熱され、更に、日中には太陽熱集熱装置によっても加熱される給湯機の運転方法において、
前日以前の複数の日の前記貯湯タンクから使用された湯の各日の給湯負荷熱量を求め、
該各日の給湯負荷熱量の値により算出した予測給湯負荷熱量を、前記貯湯タンクに確保する目標貯湯熱量とし、
「日中の予測は晴れ」という入力があったことを条件として、前記目標貯湯熱量から、前記太陽熱集熱装置によって供給される熱量の予測集熱量を差し引き、新たな目標貯湯熱量とし、前記加熱装置による前記夜間時間帯での前記貯湯タンクの湯水の加熱を行うことを特徴とする給湯機の運転方法。 - 請求項1記載の給湯機の運転方法において、前日以前の複数の日の前記太陽熱集熱装置から前記貯湯タンクに供給された各日の熱量の最大値と、予め設定された所定の値とを比較して大きい値を、前記予測集熱量とすることを特徴とする給湯機の運転方法。
- 請求項1記載の給湯機の運転方法において、前日以前の複数の日の前記太陽熱集熱装置から前記貯湯タンクに供給された各日の熱量の値に応じて大きくなるような重みをつけた加重平均により前記予測集熱量を算出することを特徴とする給湯機の運転方法。
- 給湯用の湯水を貯留し、水道水が給水される給水口及び湯を出湯する出湯口を備える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに設けられ、該貯湯タンク内の湯水の温度を計測する温度計測手段と、
太陽熱により熱せられた熱媒を、循環回路を経由して前記貯湯タンク内に配置された熱交換器に送る太陽熱集熱装置と、
前記貯湯タンクの内部又は外部に配置され、該貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱装置と、
夜間時間帯に前記加熱装置を作動させ、前記貯湯タンクに1日の給湯に必要な目標貯湯熱量を、該夜間時間帯の終了時までの所定時刻に確保する夜間加熱運転を行う制御装置とを有し、
前記制御装置には、前記加熱装置を制御する加熱装置制御手段と、
前記温度計測手段を介して前記貯湯タンク内の湯水の温度を検知し、残湯熱量を導出する残湯熱量算出手段と、
日中の予測天候情報を受信する天候情報受信手段と、
前記太陽熱集熱装置が前記貯湯タンクに供給する1日の熱量の予測集熱量を検知する集熱量検出手段と、
前記貯湯タンクから出湯された湯の熱量から前記給水口を介して該貯湯タンクに給水された水道水の熱量を減じた1日の給湯負荷熱量を検知して記録すると共に、前日以前の過去複数日分の該給湯負荷熱量の値により予測給湯負荷熱量を算出する給湯負荷熱量算出手段とが設けられ、
前記加熱装置制御手段は、前記予測給湯負荷熱量を前記目標貯湯熱量とし、
前記天候情報受信手段が晴天情報を受信することを条件として、前記目標貯湯熱量から、更に前記予測集熱量を差し引いて新たな目標貯湯熱量とし、前記残湯熱量が該新たな目標貯湯熱量より小さいときに前記加熱装置を作動し、前記残湯熱量が前記新たな目標貯湯熱量以上のときに前記加熱装置を停止する前記夜間加熱運転を行うことを特徴とする給湯機。 - 請求項4記載の給湯機において、前記集熱量検出手段は、前記予測集熱量の最小値として予め設定された下限集熱量値を有し、前日以前の過去数日間で前記太陽熱集熱装置が1日に前記貯湯タンクに供給した熱量値のうちの最大値と、前記下限集熱量値を比較し、大きい値を前記予測集熱量にすることを特徴とする給湯機。
- 請求項4記載の給湯機において、前記集熱量検出手段は、前日以前の複数の日の前記太陽熱集熱装置から前記貯湯タンクに供給された各日の熱量の値に応じて大きくなるような重みをつけた加重平均により前記予測集熱量を算出することを特徴とする給湯機。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の給湯機において、前記残湯熱量算出手段は、前記夜間時間帯に一定の時間間隔で、前記温度計測手段を介して前記貯湯タンク内の湯水の温度を検知して前記残湯熱量を導出し、前記加熱装置制御手段は、該残湯熱量の導出ごとに前記加熱装置を作動するか否かの判定をすることを特徴とする給湯機。
- 請求項4〜7のいずれか1項に記載の給湯機において、前記予測天候情報は、前記天候情報受信手段に信号接続された操作盤で入力されることを特徴とする給湯機。
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