JP2011074771A - エンジンの電子ガバナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PID制御方式の回転数フィードバック制御により、目標回転数と実回転数との回転数偏差を所定範囲内に収束させるエンジンの電子ガバナにおいて、PID演算部に微分ゲイン調節部を設け、PID演算式の微分項の値が、0側からピーク値側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えた場合に、閾値を越えてからの微分ゲイン増加期間3中、微分ゲイン調節部がPID演算式の微分ゲインの値を元の微分ゲインの値よりも増加させ、ゲイン増加期間3が経過すると、微分ゲイン調節部が増加させた微分ゲインの値を元の微分ゲインの値に戻すようにした。
【選択図】図1
Description
この種の電子ガバナによれば、負荷の変動によって変化したエンジンの実回転数を速やかに目標回転数に回復させることができる利点がある。
しかし、この種の従来技術では、通常、PID演算式のゲインの値は一定の値が採用されているため、問題がある。
PID演算式のゲインの値は一定の値が採用されているため、ゲインの値が小さ過ぎる場合には、回転変動に対する応答性が低く、エンジンの目標回転数と実回転数の回転偏差が大きくなり過ぎることがある。
上記問題を解決するため、ゲインの値を大きくしておくと、回転変動に対する応答性が過敏になり、エンジン回転のハンチングが起こることがある。
PID制御方式の回転数フィードバック制御により、目標回転数と実回転数との回転数偏差を所定範囲内に収束させるエンジンの電子ガバナにおいて、
図2に例示するように、PID演算部(1)に微分ゲイン調節部(2)を設け、図1、図3に例示するように、PID演算式の微分項の値が、0側からピーク値側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えた場合に、閾値を越えてからの微分ゲイン増加期間(3)中、微分ゲイン調節部(2)がPID演算式の微分ゲインの値を元の微分ゲインの値よりも増加させ、
図1、図3に例示するように、ゲイン増加期間(3)が経過すると、微分ゲイン調節部(2)が増加させた微分ゲインの値を元の微分ゲインの値に戻すようにした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 回転偏差を小さくすることができる。
図2に例示するように、PID演算部(1)に微分ゲイン調節部(2)を設け、図1、図3に例示するように、PID演算式の微分項の値が、0側からピーク値側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えた場合に、閾値を越えてからの微分ゲイン増加期間(3)中、微分ゲイン調節部(2)がPID演算式の微分ゲインの値を元の微分ゲインの値よりも増加させるので、回転変動に対する応答性が高まり、エンジンの目標回転数と実回転数の回転偏差(5)を小さくすることができる。
図1、図3に例示するように、ゲイン増加期間(3)が経過すると、微分ゲイン調節部(2)が増加させた微分ゲインの値を元の微分ゲインの値に戻すようにしたので、ゲイン増加期間(3)が経過後は回転変動に対する応答性を低下させ、エンジン回転のハンチングを防止することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジンの回転変動を抑制する機能が高い。
図1、図3に例示するように、微分ゲイン調節部(2)は、増加させた微分ゲインによる微分項の値が、ピーク値側から0側に向けて変化する途中の時点で、微分ゲイン増加期間(3)を終了させるようにしたので、微分項がピーク値に達する時点を跨ぐ期間に、微分ゲインを増加させることができ、エンジンの回転変動を抑制する機能が高い。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジンの使用条件に適合する微分ゲイン増加期間を設定することができる。
図1に例示するように、微分ゲイン調節部(2)は、増加させた微分ゲインによる微分項の値が、ピーク値側から0側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えた時点で、微分ゲイン増加期間(3)を終了させるようにしたので、終了時の閾値を適当な値に設定することにより、エンジンで駆動する負荷の重量の軽重等、エンジンの使用条件に適合する微分ゲイン増加期間(3)を設定することができる。
請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジンの使用条件に適合する微分ゲイン増加期間を設定することができる。
図3に例示するように、微分ゲイン調節部(2)は、増加させた微分ゲインによる微分項の値が、ピーク値側から0側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えてから所定の延長時間(4)を経過した時点で、微分ゲイン増加期間(3)を終了させるようにしたので、閾値と延長時間(4)を適当な値に設定することにより、エンジンで駆動する負荷の重量の軽重等、エンジンの使用条件に適合する微分ゲイン増加期間(3)を設定することができる。
回路(9)にはアクチュエータ(10)を連携させている。
目標回転数検出手段(7)は、エンジンの目標回転数を検出する目標回転数センサであり、調速レバーの設定位置を検出するポテンショメータである。実回転数検出手段(8)は、エンジンの実回転数を検出する実回転数センサである。アクチュエータ(10)はリニアソレノイドであり、燃料噴射ポンプの燃料調量ラックを調量移動させる。
この電子ガバナ(6)は、回転数偏差演算部(11)とPID演算部(1)と電流制御部(12)とを備えている。
PID演算部(1)は、比例項演算部(13)と積分項演算部(14)と微分項演算部(15)を備え、回転数偏差に基づく出力値のPID演算式の演算を行う。
PID演算式は、次のように表される。
出力値=Kp×(回転数偏差)+Ki×(偏差の累積値)+Kd×(前回偏差との差)
ここで、Kp×(回転数偏差)は比例項、Ki×(偏差の累積値)は積分項、Kd×(前回偏差との差)は微分項、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Kdは微分ゲインである。
図1の横軸は時間を示し、下側の縦軸はエンジン回転数であり、エンジン回転数に関し横軸の位置は目標回転数を示し、上側の縦軸はPID各項の値であり、PID各項の値に関し横軸の位置は0を示している。
具体的には、微分ゲイン調節部(2)は、増加させた微分ゲインによる微分項の値が、ピーク値側から0側に向けて変化する途中、前記微分ゲイン増加期間(3)の開始時の閾値を越えた時点で、微分ゲイン増加期間(3)を終了させるようにしている。この微分ゲイン増加期間(3)の終了時の閾値は、微分ゲイン増加期間(3)の開始時の閾値とは異なる値であってもよい。
この第1実施形態によれば、微分ゲインを元の値のまま維持した場合の最大の回転偏差(105)に比べ、最大の回転偏差(5)を小さくすることができた。
他の構成や機能は、第1実施形態と同じである。図3中、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付しておく。
この第2実施形態によれば、微分ゲインを元の値のまま維持した場合の最大の回転偏差(105)に比べ、最大の回転偏差(5)を小さくすることができた。この第2実施形態の最大の回転偏差(5)は、第1実施形態の最大の回転偏差(5)よりも小さくすることができた。
(2) 微分ゲイン調節部
(3) 微分ゲイン増加期間
(4) 延長時間
Claims (4)
- PID制御方式の回転数フィードバック制御により、目標回転数と実回転数との回転数偏差を所定範囲内に収束させるエンジンの電子ガバナにおいて、
PID演算部(1)に微分ゲイン調節部(2)を設け、PID演算式の微分項の値が、0側からピーク値側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えた場合に、閾値を越えてからの微分ゲイン増加期間(3)中、微分ゲイン調節部(2)がPID演算式の微分ゲインの値を元の微分ゲインの値よりも増加させ、
ゲイン増加期間(3)が経過すると、微分ゲイン調節部(2)が増加させた微分ゲインの値を元の微分ゲインの値に戻すようにした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。 - 請求項1に記載したエンジンの電子ガバナにおいて、
微分ゲイン調節部(2)は、増加させた微分ゲインによる微分項の値が、ピーク値側から0側に向けて変化する途中の時点で、微分ゲイン増加期間(3)を終了させるようにした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。 - 請求項2に記載したエンジンの電子ガバナにおいて、
微分ゲイン調節部(2)は、増加させた微分ゲインによる微分項の値が、ピーク値側から0側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えた時点で、微分ゲイン増加期間(3)を終了させるようにした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。 - 請求項2に記載したエンジンの電子ガバナにおいて、
微分ゲイン調節部(2)は、増加させた微分ゲインによる微分項の値が、ピーク値側から0側に向けて変化する途中、所定の閾値を越えてから所定の延長時間(4)を経過した時点で、微分ゲイン増加期間(3)を終了させるようにした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。
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