JP2011074178A - ポリウレタン樹脂水性分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】防錆性と可撓性に優れるポリウレタン樹脂水性分散体を提供する。
【解決手段】ポリウレタン樹脂及び水を含有してなり、前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分が一般式(1)で表わされるジオール(a)を含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体。

[式中、X1及びX2のいずれか一方は水酸基又はヒドロキシメチル基で他方は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、R1は原子を介しない単結合又はメチレン基、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、防錆性及び塗膜の可撓性に優れ、亜鉛鉄板その他の金属板に使用される防錆コーティング剤及びプレコートメタル用塗料に使用可能なポリウレタン樹脂水性分散体に関する。
自動車、家庭用電気製品及び建材等に使用する鋼材として、亜鉛メッキ表面処理鋼板が広く用いられている。従来、亜鉛メッキ表面処理鋼板の防錆性を高める目的でクロメート処理が施されていたが、近年の環境に対する意識の高まりにより、水系樹脂によるノンクロム化の検討が進められている。特に、プレコートメタル用の防錆コーティング剤には防錆性のみならず、用途に応じた形状への成型加工に耐えるに十分な可撓性と金属面に対する密着性が要求される。
水系樹脂によるノンクロム化の検討は、特にポリウレタン樹脂を鋼材にコーティングする方法について多くの検討がなされており、例えば、ウレタン樹脂、アミン及び有機溶剤からなる水性ウレタン組成物を使用した防錆塗料が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の防錆塗料は、クロメート処理と同程度の防錆性を示すものの、コーティング後、更に曲げ加工や絞り加工等の後加工を施した鋼材では防錆性が低下するという問題がある。
特開平3−259974号公報
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は防錆性と可撓性に優れるポリウレタン樹脂水性分散体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリウレタン樹脂及び水を含有してなり、前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分が一般式(1)で表わされるジオール(a)を含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体である。
[式中、X1及びX2はそれぞれ水酸基、ヒドロキシメチル基、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、但し、X1及びX2のいずれか一方は水酸基又はヒドロキシメチル基で他方は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、R1は原子を介しない単結合又はメチレン基、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。]
本発明の鋼材コーティング用水性分散体は、鋼材表面に、環境上問題があるクロメート処理を行なうことなく優れた防錆性を付与でき、用途に応じた形状への成型加工に耐えるに十分な可撓性を有し、コーティングされた状態の鋼材の防錆性のみでなく、更に後加工された鋼材の防錆性にも優れる。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、ポリオール成分としての一般式(1)で表わされるジオール(a)とその他のポリオール成分(b)、ポリイソシアネート成分(c)、親水基含有活性水素含有成分(d)及び必要によりその他の活性水素含有成分(e)とを反応させて得られる。
ジオール(a)を使用することによりウレタン樹脂に優れた防錆性と可撓性を付与することができる。
一般式(1)におけるX1及びX2はそれぞれ水酸基、ヒドロキシメチル基、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、但し、X1及びX2のいずれか一方は水酸基又はヒドロキシメチル基で他方は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。
炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル、n−、iso−又はsec−ペンチル及びn−、iso−、sec−又はシクロ−ヘキシル等が挙げられる。
1は原子を介しない単結合又はメチレン基であり、原子を介しない単結合の場合は水酸基が直接ノルボルナン環に結合する。
2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、炭素数1〜6の炭化水素基としては上記X1及びX2として例示したものと同様のものが挙げられる。
一般式(1)で表されるジオール(a)の内、防錆性及び生産の容易性の観点から好ましいのは、一般式(1)におけるX1及びX2のいずれか一方がヒドロキシメチル基で他方が水素であり、かつR1がメチレン基、R2、R3及びR4が水素原子である化合物(2,5−ノルボルナンジメタノール又は2,6−ノルボルナンジメタノール)及びこれらの混合物、並びに一般式(1)におけるX1及びX2のいずれか一方が水酸基で他方がメチル基であり、かつR1が原子を介しない単結合、R2がイソプロパン基、R3及びR4が水素原子である化合物(3−メチル−5−イソプロピルノルボルナン−2,6−ジオール又は3−メチル−6−イソプロピル−2,5−ジオール)及びこれらの混合物である。
上記化合物は、例えば以下の[1]又[2]の方法による得ることができる。
[1]シクロペンタジエンとアクロレインとを通常のディールスアルダー反応により付加環化させて、2−ノルボルネン−5−カルバルデヒド(ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン−5−カルバルデヒド)を合成し、これをオキソ反応によって、2,5−ノルボルナンジカルバルデヒド及び2,6−ノルボルナンジカルバルデヒドを得て、これを更に水素添加する。
[2]エチリデンノルボルネンをm−クロロ過安息香酸を用いて二重結合部をオキシラン化し、これに過剰量のメタノールと触媒量の硫酸を加え、60℃で1時間反応させた後、メタノールを留去する。
一般式(1)で表わされるジオール(a)の使用量は、ポリウレタン樹脂を構成するジオール(a)とその他のポリオール成分(b)、ポリイソシアネート成分(c)、親水基含有活性水素含有成分(d)及び必要によりその他の活性水素含有成分(e)の合計重量を基準として、通常1〜50重量(%)であり、好ましくは1〜20重量(%)、特に好ましくは5〜15重量(%)である。1重量(%)以下では防錆性が不十分であり、50重量(%)以上ではウレタン樹脂の屈曲性が劣り、加工性が悪化する。
その他のポリオール成分(b)としては、数平均分子量(以下、Mnと略記)400〜5,000の高分子ポリオール(b1)及びMn400未満の低分子ポリオール(b2)が挙げられる。本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンを標準として測定される。
Mn400〜5,000の高分子ポリオール(b1)としては、ポリエステルポリオール(b11)及びポリエーテルジオール(b12)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(b11)としては、ポリカーボネートジオール(b111)及びポリエステルジオール(b112)等が挙げられる。
ポリカーボネートジオール(b111)としては、通常の方法、即ち炭素数2〜10の直鎖、分岐又は環状のジオール成分とエチレンカーボネートを反応させて脱エチレングリコール化する方法、或いは上記ジオール成分とアリールカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)とのエステル交換による方法で得られるもの等が挙げられる。
炭素数2〜10の直鎖、分岐又は環状のジオール成分としては、炭素数2〜10の直鎖状アルキレン基を有するジオール(エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及びジエチレングリコール等)、炭素数3〜10の分岐状アルキレン基を有するポリカーボネートジオール(1,2−プロピレングリコール、2−メチルブタンジオール、2−エチルブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルペンタンジオール及び3−メチルペンタンジオール等)、炭素数6〜10の脂環式炭化水素基を有するジオール(1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等)及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリエステルジオール(b112)としては、通常の方法、即ち前記炭素数2〜10の直鎖、分岐又は環状のジオール成分と炭素数2〜10のジカルボン酸成分[脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸及びセバチン酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等)及びこれらの混合物等]とを縮合反応させる方法、或いは、ラクトン(ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びこれらの混合物等)を開環重合させる方法で得られるもの等が挙げられる。
ポリエーテルジオール(b12)としては、通常の方法、即ち前記炭素数2〜10の直鎖、分岐又は環状のジオール成分等への炭素数2〜10のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリン及びこれらの混合物等)の付加を、無触媒で又は触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒及び酸性触媒等)の存在下(特にアルキレンオキサイド付加の後半の段階で)に常圧又は加圧下に1段階又は多段階で行なう方法で得られるもの等が挙げられる。尚、アルキレンオキサイドを2種以上用いる場合の付加形態はブロックでもランダムでもよい。
高分子ポリオール(b1)の内、防錆性の観点から好ましいのはポリカーボネートジオール(b111)である。
また、(b1)のMnは通常400〜5,000、好ましくは500〜5,000、特に好ましは1,000〜3,000である。Mnが400以上であれば処理した樹脂が柔軟で加工後の防錆性に優れ、5,000以下であれば初期の防錆性が優れる。
Mn400未満の低分子ポリオール(b2)としては、炭素数2〜15の多価アルコール類[2価アルコール(エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコール等)、3価アルコール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)及びこれらのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド)の低モル付加物(Mn400未満)等]が挙げられる。
ポリイソシアネート成分(c)としては、炭素数2〜18(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)の脂肪族ポリイソシアネート(c1)、炭素数4〜15の脂環族ポリイソシアネート(c2)及び炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート(c3)が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(c1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
炭素数4〜15の脂環族ポリイソシアネート(c2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、並びに2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート(c3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
これらの内、耐候性観点から好ましいのは炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(c1)及び炭素数4〜15の脂環族ポリイソシアネート(c2)、更に好ましいのは炭素数4〜15の脂環族ポリイソシアネート(c2)である。
親水基含有活性水素含有成分(d)としては、炭素数5〜24のアニオン性基含有活性水素含有成分(d1)及び炭素数3〜20のカチオン性基含有活性水素含有成分(d2)が挙げられる。
炭素数5〜24のアニオン性基含有活性水素含有成分(d1)としては、例えばカルボキシル基を含有するもの[ジアルキロールアルカン酸(例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸)、酒石酸及びアミノ酸(例えばグリシン、アラニン及びバリン)等]、スルホ基を含有するもの[3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸及びスルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル等]、スルファミン酸基を含有するもの[N,N−ビス(2−ヒドロキシルエチル)スルファミン酸等]及びこれらの塩、例えば第3級アミン類[トリアルキルアミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン及びジエチルオクチルアミン等)及びモルホリン等の塩及び/又はアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム及びリチウム塩等)が挙げられる。
炭素数3〜20のカチオン性基含有活性水素含有成分(d2)としては例えば3級アミノ基含有ジオール[アルキルジアルカノールアミン(例えばN−メチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン)及びジアルキルアルカノール(例えばN,N−ジメチルエタノールアミン)]の塩、例えばカルボン酸塩等及び4級化剤(硫酸ジメチル、炭酸ジメチル、メチルクロライド、ベンジルクロライド等)による4級化物が挙げられる。
これらの内で分散性及び乾燥後の皮膜の耐水性とのバランスの観点から好ましいものは、アニオン性基含有活性水素含有成分(d1)であり、更に好ましいのは2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロールブタン酸である。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、(a)、(b)、(c)及び(d)の他に、その他の活性水素含有成分(e)を構成成分として含んでいてもよい。
その他の活性水素含有成分(e)としては、鎖伸長剤(e1)及び停止剤(e2)等が挙げられる。
鎖伸長剤(e1)としては、水、炭素数2〜10のジアミン類(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トリレンジアミン及びピペラジン等)、ポリアルキレンポリアミン類[例えばアルキレン基の炭素数2〜6、アルキレン基の数2〜4、アミンの数2〜5のもの(ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等)]、ヒドラジン若しくはその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)、炭素数2〜10のアミノアルコール類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、トリエタノールアミン等)等が挙げられる。
(e1)の使用量は、(c)のイソシアネート基の当量に基づいて通常0.2当量以下、好ましくは0.1当量以下である。
停止剤(e2)としては、炭素数1〜8のモノアルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、セロソルブ類及びカルビトール類等)、炭素数1〜10のモノアミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びモノオクチルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン及びジプロピルアミン等のジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン等)等が挙げられる。
(e1)及び(e2)の使用量の合計は、(c)のイソシアネート基の当量に基づいて通常0.8当量以下、好ましくは0.6当量以下であり、(e2)の使用量は、(c)のイソシアネート基の当量に基づいて通常0.3当量以下、好ましくは0.2当量以下である。
ポリウレタン樹脂水性分散体を製造する方法としては、例えば、以下の[1]及び[2]の方法が挙げられる。
[1](a)、(b)、(c)、(d)及び必要により(e)を有機溶剤(S)を仕込み、の存在下又は非存在下で一段又は多段で反応させてポリウレタン樹脂を形成し、必要により(d)により導入された親水基部分を中和又は四級化により塩として水性媒体に分散する方法。
[2](a)、(b)、(c)、(d)及び必要により(e)を有機溶剤(S)の存在下又は非存在下で一段又は多段でウレタンプレポリマーを形成し、次いで必要により該プレポリマーの(d)により導入された親水基部分を中和又は四級化により塩として、有機溶剤(S)、乳化剤、鎖伸長剤(e2)及び/又は鎖停止剤(e3)の存在下又は非存在下で水性媒体に分散して、イソシアネート基が実質的に無くなるまで反応[水又は(e2)による鎖伸長、及び必要により(e3)による鎖停止]させる方法。
ポリウレタン樹脂水性分散体を製造する方法[1]について以下に説明する。
この方法におけるポリウレタン樹脂は、(a)、(b)、(c)、(d)及び必要により(e)を有機溶剤(S)の存在下又は非存在下で反応させることにより得られる。反応温度は好ましくは100〜250℃、更に好ましくは150℃〜250℃、特に好ましくは180℃〜220℃である。
有機溶剤(S)としては、イソシアネート基と実質的に非反応性のもの(例えば、エチルメチルケトン、アセトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及びジオキサン等)が挙げられる。
上記ウレタン化反応においては反応を促進させるため、必要により通常のウレタン化反応に使用される触媒を使用してもよい。触媒には、アミン触媒、例えばトリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン及び米国特許第4524104号明細書に記載のシクロアミジン類[1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(サンアプロ社製造、DBU)等];錫系触媒、例えばジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート及びオクチル酸錫;チタン系触媒、例えばテトラブチルチタネート;ビスマス系触媒、例えばトリオクチル酸ビスマス;等が挙げられる。
ウレタン化反応を行うための反応容器は、加熱、撹拌可能な反応容器であれば問題なく使用できるが、撹拌強度、密閉性及び加熱能力の観点から、一軸又は二軸の混練機を用いるのが好ましい。一軸又は二軸の混練機としては、コンティニアスニーダー[株栗本鐵工(株)製]及びPCM30[池貝(株)製]等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂又はその有機溶剤溶液を、必要により(d)により導入された親水基部分を中和又は四級化により塩として、水性媒体に分散させることにより本発明のポリウレタン樹脂水性分散体が得られる。
水性媒体としては、水及び水と有機溶剤(S)の混合溶液が挙げられる。有機溶剤(S)を使用することにより、ポリウレタン樹脂の分散性を更に向上させることが出来る。(S)を使用した場合には、ポリウレタン樹脂エマルション製造後に必要によりこれを留去してもよい。
有機溶剤(S)を使用する場合の水と有機溶剤(S)との重量比[水/(S)]は、樹脂の乳化の容易性の観点から、好ましくは99/1〜50/50である。
ポリウレタン樹脂を水性媒体に分散させるための分散混合装置としては、回転式分散混合装置、メディア式分散混合装置及び高圧式分散混合装置等が挙げられるが、温度調整、固体粒子の供給及び分散能力等の観点から回転式分散混合装置が好ましい。
回転式分散混合装置としては、例えばTKホモミキサー[プライミクス(株)製]、クレアミックス[エムテクニック(株)製]、フィルミックス[プライミクス(株)製]、ウルトラターラックス[IKA(株)製]、エバラマイルダー[荏原製作所(株)製]、キャビトロン(ユーロテック社製)及びバイオミキサー[日本精機(株)製]等が挙げられる。
回転式分散混合装置としては、これらの回転式分散混合装置から選ばれる2種類以上の装置を併用してもかまわない。
尚、これらの回転式分散混合装置を使用する際の回転数は、ポリウレタン樹脂水性分散体の分散安定性の観点から、通常100〜30000rpm、好ましくは500〜30000rpm、更に好ましくは1000〜30000rpm、特に好ましくは2000〜30000rpmである。
回転式分散混合装置を用いてポリウレタン樹脂を分散混合処理する際の分散液の温度は、分散体であるポリウレタン樹脂の分解や劣化等を防ぐ観点から、ポリウレタン樹脂の溶融温度未満、好ましくは溶融温度よりも5℃以上低い温度で室温以上の温度、更に好ましくは溶融温度よりも10〜120℃低い温度で室温以上の温度であることが好ましい。
回転式分散混合装置に供給されるポリウレタン樹脂と水性媒体の重量比は、目的とする水性分散体の樹脂成分含有量によって適宜選択されるが、通常は、ポリウレタン樹脂/水性媒体=10/2〜10/100であり、好ましくは10/5〜10/50である。
また、ポリウレタン樹脂と水性媒体との回転式分散混合装置内の滞留時間は、通常、0.1〜60分、好ましくは10〜30分である。
ポリウレタン樹脂水性分散体を製造する方法[2]について以下に説明する。
この方法におけるウレタンプレポリマーは、(a)、(b)、(c)、(d)及び必要により(e)を有機溶剤(S)の存在下又は非存在下に、活性水素含有基 (カルボキシル基、スルホン酸基及びスルファミン酸基を除く)に対するイソシアネート基の当量比率が通常1.01〜3、好ましくは1.1〜2.0となる割合で、ウレタン化反応させることにより形成される。ウレタン化反応は、通常20℃〜150℃、好ましくは60℃〜110℃の反応温度で行われ、反応時間は通常2〜15時間である。ウレタンプレポリマーは通常1.01〜5重量%の遊離イソシアネート基を有する。
ウレタンプレポリマー化反応においては反応を促進させるため、必要により上述のウレタン化反応に使用される触媒を使用してもよい。
得られたウレタンプレポリマー又はその有機溶剤溶液を、必要により該プレポリマーの(d)により導入された親水基部分を中和又は四級化により塩として、有機溶剤(S)、乳化剤、鎖伸長剤(e2)及び/又は鎖停止剤(e3)の存在下又は非存在下で水性媒体に分散して、イソシアネート基が実質的に無くなるまで反応[水による鎖伸長並びに必要により(e2)による鎖伸長及び(e3)による鎖停止]させることにより本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を得ることができる。
乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤、高分子型乳化分散剤及びこれらの混合物が含まれ、具体的には米国特許第3929678号及び米国特許第4331447号明細書に記載のものが挙げられる。
これらの乳化剤の内で好ましいものは、ノニオン性界面活性剤及び高分子型乳化分散剤である。
乳化剤はウレタンプレポリマー、水性媒体のいずれか一方に加えても、双方に加えてもよい。乳化剤がプレポリマーへの反応性を有する場合には水性媒体に加えるのが好ましい。ウレタンプレポリマーに対する乳化剤の重量割合は、防錆性の観点からウレタンプレポリマーの重量に基づいて、通常0〜10重量%、好ましくは0〜3重量%である。
ウレタンプレポリマー又はその有機溶剤溶液を水性媒体に乳化分散させる装置の方式は特に限定されず、例えば下記の方式の乳化機が挙げられる:(1)錨型撹拌方式、(2)回転子−固定子式方式[例えばエバラマイルダー[荏原製作所(株)製]、(3)ラインミル方式[例えばラインフローミキサー]、(4)静止管混合式[例えばスタティックミキサー]、(5)振動式[例えば「VIBRO MIXER」(冷化工業社製)]、(6)超音波衝撃式[例えば超音波ホモジナイザー]、(7)高圧衝撃式[ 例えばガウリンホモジナイザー(ガウリン社)]、(8)膜乳化式[例えば膜乳化モジュール]、及び(9)遠心薄膜接触式[例えばフィルミックス]。これらの内、好ましいのは、(2)である。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、更にpH調整剤、破泡剤、抑泡剤、脱泡剤、酸化防止剤、着色防止剤、可塑剤及び離型剤等の添加剤を含有することができる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体の固形分濃度(揮発分以外の成分の含有量)は、分散安定性の観点から、好ましくは20〜65%、更に好ましくは25〜55%である。
固形分濃度は、エマルション約1gをペトリ皿上にうすく伸ばし、精秤した後、循環式低温乾燥機を用いて130℃で、45分間加熱した後の重量を精秤し、加熱前の重量に対する加熱後の残存重量の割合(百分率)を計算することにより得ることができる。
本発明の水性分散体におけるポリウレタン樹脂の重量平均粒子径は、通常0.01〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.2μmである。重量平均粒子径は、25℃においてELS8000(大塚電子製)で測定できる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を105℃で3時間乾燥して得られる厚さ100±10μmの皮膜の破断伸度は、通常100〜1,000%であり、好ましくは250〜600%である。破断伸度が100%未満では、後加工後の防錆性が不足し、1000%を超えるとコーティングされた状態の防錆性において劣る。
破断伸度の測定は、JIS K 6251に準じてダンベル状3号形で切り抜き後、島津製作所製オートグラフAGS−500Bを用いて引っ張り速度500mm/minで行なうことができる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を105℃で3時間乾燥して得られる厚さ100±10μmの皮膜の酸素透過率は、通常3.0×10-11cm3・cm/cm2・s・cmHg以下、好ましくは2.5×10-11cm3・cm/cm2・s・cmHg以下である。酸素透過率が3.0×10-11cm3・cm/cm2・s・cmHgを超えるとコーティングされた状態の防錆性、後加工後の防錆性が共に劣る。
酸素透過率の測定はJIS K 7126に準じてGTRテック社製GTR−30Xを用いて温度23℃、DRY酸素ガスで行なうことができる。
以下、実施例を以て本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を、%は重量%を意味する。
実施例1
二軸混練機のKRCニーダー[栗本鐵工(株)製]に、2,5−ノルボルナンジメタノールを35.0部、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「PCDL−T4672」[旭化成ケミカルズ(株)製]158.7部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、DMPAと略記)16.7部、エチレングリコール6.7部及び水添MDI132.9部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機[(株)ホーライ製]にて裁断してポリウレタン樹脂(U−1)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−1)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックス[エムテクニック(株)製]を用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−1)1,000部を得た。
実施例2
二軸混練機のKRCニーダーに、2,5−ノルボルナンジメタノールを53.4部、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「PCDL−T4672」148.3部、DMPA16.7部及び水添MDI131.7部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断してポリウレタン樹脂(U−2)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−2)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−2)1,000部を得た。
実施例3
二軸混練機のKRCニーダーに、2,5−ノルボルナンジメタノールを17.5部、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「PCDL−T4672」170.7部、DMPA16.7部、エチレングリコール12.7部及び水添MDI132.5部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断してポリウレタン樹脂(U−3)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−3)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−3)1,000部を得た。
実施例4
二軸混練機のKRCニーダーに、3−メチル−6−イソプロピル−2,5−ジオールを35.0部、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「PCDL−T4672」156.9部、DMPA16.7部、エチレングリコール8.5部及び水添MDI132.9部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断してポリウレタン樹脂(U−4)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−4)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−4)1,000部を得た。
実施例5
二軸混練機のKRCニーダーに、2,5−ノルボルナンジメタノールを35.0部、Mnが2,000のポリブチレンアジペート「サンエスター4620」[三洋化成工業(株)製]158.7部、DMPA16.7部、エチレングリコール6.7部及び水添MDI132.9部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断してポリウレタン樹脂(U−5)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−5)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−5)1,000部を得た。
実施例6
二軸混練機のKRCニーダーに、2,5−ノルボルナンジメタノールを35.0部、Mnが2,000のポリテトラメチレングリコール「PTMG2000」[三菱化学(株)製]158.7部、DMPA16.7部、エチレングリコール6.7部及び水添MDI132.9部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断してポリウレタン樹脂(U−6)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−6)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−6)1,000部を得た。
実施例7
二軸混練機のKRCニーダーに、2,5−ノルボルナンジメタノールを35.0部、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「PCDL−T4672」179.7部、DMPA16.7部、エチレングリコール6.0部及びIPDI112.7部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断してポリウレタン樹脂(U−7)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−7)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−7)1,000部を得た。
比較例1
二軸混練機のKRCニーダーに、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「PCDL−T4672」181.6部、DMPA16.7部、エチレングリコール18.7部及び水添MDI133.0部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断してポリウレタン樹脂(U−8)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に裁断したポリウレタン樹脂(U−8)350.0部、90℃のイオン交換水641.5部及び25%アンモニア水8.5部を仕込み、140℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させてポリウレタン樹脂水分散体(Q−8)1,000部を得た。
上記で得られたポリウレタン樹脂の水分散体について、主原料、ジオール成分(a)のポリウレタン樹脂中の重量比、フィルムの破断伸度及び酸素透過率を表1に示す。尚、破断伸度及び酸素透過率はいずれも前述の測定法で測定した。
<樹脂コーティングされた鋼材の製造>
実施例8〜14及び比較例2
実施例1〜7及び比較例1で得られたポリウレタン樹脂水性分散体を「ジンコート」(エンジニアリングテストサービス社製亜鉛メッキ鋼板、サイズ10cm×5cm×0.08cm)上に乾燥後の膜厚が5μmとなるようにバーコーターを用いてに塗布した。これを150℃の乾燥機で1分乾燥することにより樹脂コーティングされた鋼材を得た。
樹脂コーティングされた鋼材(各3枚)について、以下の評価方法で防錆性、耐薬品性、加工性及び加工密着性について評価した。3枚の評価点の算術平均値が5点の場合は◎、4点以上5点未満の場合は○、3点以上4点未満の場合は△、3点未満の場合は×として表した結果を表2に示す。
[防錆性]
樹脂コーティングされた鋼材(各3枚)についてJIS Z 2371に従い塩水噴霧試験を行い15時間後の外観により評価した。
判定基準:
5点:錆発生面積1%未満。
4点:錆発生面積1%以上30%未満。
3点:錆発生面積30%以上60%未満。
2点:錆発生面積60%以上99%未満。
1点:錆発生面積99%以上。
[加工後の防錆性]
樹脂コーティングされた鋼材(各3枚)に、エリクセン試験機で深さ1cmのくぼみを作った。これを後加工された鋼材とし、上記と同様にJIS Z2371に従い塩水噴霧試験を行い15時間後の外観の状態を目視判定により評価した。判定基準は上記と同様。
[耐薬品性]
耐アルカリ性
樹脂コーティングされた鋼材(各3枚)を、1重量%濃度の水酸化ナトリム水溶液に25℃で24時間浸漬し、脱イオン水で水洗した後、ドライヤーで乾燥した。外観の状態を目視判定により評価した。
評価基準:
5点:変色度合い1%未満。
4点:変色度合い1%以上30%未満。
3点:変色度合い30%以上60%未満。
2点:変色度合い60%以上99%未満。
1点:変色度合い99%以上。
耐酸性
上記の耐アルカリ性試験の水酸化ナトリム水溶液の代わりに1重量%濃度の硫酸水溶液を使用して、同様の試験を行った。判定基準も上記の耐アルカリ性試験と同様。
[加工性(折り曲げ試験)]
樹脂コーティングされた鋼材を180度に0Tの状態に折り曲げ、折り曲げ部の外観の状態を目視判定した。0Tとは折り曲げ内側間隔板0枚である、隙間なく折り曲げた状態をさす。
評価基準:
5点:塗膜の剥離や割れの面積なし。
4点:塗膜の剥離や割れの面積10%未満。
3点:塗膜の剥離や割れの面積10%以上50%未満。
2点:塗膜の剥離や割れの面積50%以上80%未満。
1点:塗膜の剥離や割れの面積80%以上。
[加工性密着性]
上記加工性(折り曲げ試験)試験後の折り曲げ部において、セロテープ剥離試験を行い、剥離状態を目視判定した。尚、セロテープはニチバン株式会社の登録商標である。
評価基準:
5点:塗膜の剥離面積なし。
4点:塗膜の剥離面積10%未満。
3点:塗膜の剥離面積10%以上50%未満。
2点:塗膜の剥離面積50%以上80%未満。
1点:塗膜の剥離面積80%以上。
本発明によるポリウレタン樹脂水性分散体は自動車用、家庭用電気製品、建材用の鋼材の防錆剤、及びプレコートメタル塗料用樹脂として好適に利用できる。

Claims (3)

  1. ポリウレタン樹脂及び水を含有してなり、前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分が一般式(1)で表わされるジオール(a)を含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体。
    [式中、X1及びX2はそれぞれ水酸基、ヒドロキシメチル基、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、但し、X1及びX2のいずれか一方は水酸基又はヒドロキシメチル基で他方は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、R1は原子を介しない単結合又はメチレン基、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。]
  2. 前記ジオール(a)が、2,5−ノルボルナンジメタノール、2,6−ノルボルナンジメタノール、3−メチル−5−イソプロピルノルボルナン−2,6−ジオール及び3−メチル−6−イソプロピル−2,5−ジオールからなる群から選ばれるである少なくくとも1種のジオールである請求項1記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
  3. 前記ポリウレタン樹脂が、必須成分としての前記ジオール(a)、その他のポリオール成分(b)、ポリイソシアネート成分(c)、親水基含有活性水素含有成分(d)及び任意成分としてのその他の活性水素含有成分(e)を反応させて得られ、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の合計重量に対する(a)の重量が、1〜20重量%である請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
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