JP2011074010A - ジフルオロベンゼン誘導体及びこれを含有する液晶組成物。 - Google Patents

ジフルオロベンゼン誘導体及びこれを含有する液晶組成物。 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電率異方性が負であってその絶対値が大きく、他の液晶液晶化合物との相溶性が高い化合物、並びに、誘電率異方性が負であって、低温でも析出を起こさず、更にその回転粘性係数が小さい液晶組成物及び表示素子を提供する。
【解決手段】下式(I)で表されるジフルオロベンゼン誘導体及びこれを含むネマチック液晶組成物及びこれを用いた表示素子。
Figure 2011074010

(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表し、Aはシクロヘキシル基又はフッ素原子により置換されていても良いフェニル基を表し、Bはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又はフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立的に単結合、-C2H4-、-CH2O-、-CF2O-、-C3H6O-及び-C4H8-を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は電気光学的液晶表示材料として有用なジフルオロベンゼン誘導体、及びこれを含有する誘電率異方性が負であって、回転粘性係数が小さく、低温での保存安定性のよい液晶組成物、更にそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、低消費電力、薄型表示等の優れた特徴から現在広く用いられている。従来の液晶表示素子の表示方式にはTN(ねじれネマチック)、STN(超ねじれネマチック)、又はTNをベースにしたアクティブマトリックス(TFT:薄膜トランジスタ)等があり、これらは誘電率異方性値が正の液晶組成物を利用するものである。しかし、これら表示方式の欠点の一つとして視野角の狭さがあり、近年高まっている液晶パネルの大型化の要求に伴い、その改善が大きな課題となっている。
この解決策として近年、垂直配向方式、IPS(インプレインスイッチング)等の表示方式が新たに実用化されてきた。垂直配向方式は液晶分子の垂直配向を利用して視野角の改善を図った方式であり、誘電異方性値が負の液晶組成物が使用される。またIPSは、ガラス基板に対して水平方向の横電界を用いて液晶分子をスイッチングさせることで視野角の改善を図った方法であり、誘電異方性値が正又は負の液晶組成物が使用される。このように、視野角改善のために有効な表示方式である垂直配向方式及びIPSには誘電率異方性値が負である液晶化合物及び液晶組成物が必要であり、強く要望されるようになってきた。従来、誘電率異方性が負の液晶組成物は、2,3-ジフルオロフェニレン基を有する化合物が製造され(特許文献1)、これを使用した液晶組成物が開発されてきた(特許文献2)。しかしながら、これらの化合物は液晶組成物への溶解性が十分ではなく、また低温での保存安定性が低いため、液晶組成物を低温にした場合に析出する等の問題を有していた。またこれら化合物を添加した液晶組成物の誘電率異方性は負であるものの、その絶対値は十分大きいものではなく、更なる改良が求められていた。さらに、液晶表示素子が動画表示に用いられる場合、液晶組成物の応答速度が低いと、十分な動画表示品位が得られないという課題がある。応答速度を上げるためには、回転粘性係数の小さい液晶組成物が強く要望されているが、従来化合物を添加した液晶組成物の回転粘性係数は要求に対し十分小さいものではなく、更なる改良が求められていた。
一方、アルキル末端鎖のない液晶化合物として、シクロヘキサン誘導体は既に知られている(特許文献3)が、これら化合物は強誘電性液晶の材料であり、分子内にピリジン骨格等のヘテロ環を持つ化合物であり、またキラルスメクチックC相の温度範囲を広げる効果があると記載されている。一般的にヘテロ環を持つ化合物は比抵抗値が低く、高い比抵抗値が要求されるTFT用液晶組成物に添加することは出来ない。更にネマチック相より低温に存在する液晶相であるキラルスメクチックC相を安定化することから、ネマチック相の下限温度を上昇させ、ネマチック相温度範囲を狭くしてしまうと考えられる。このためネマチック相で駆動させる垂直配向方式やIPS用の液晶組成物用材料としては検討されてこなかった。加えて、2,3-ジフルオロフェニレン基を有する誘電率異方性が負の化合物についての検討もされてこなかった。
特表平2-503441号公報(8頁実施例) 特開平10-176167号公報(10頁実施例) 特開平6-312959号公報
本願発明の解決課題は誘電率異方性が負であってその絶対値が大きく、他の液晶化合物との相溶性がよい化合物を提供し、誘電率異方性が負であって、低温でも析出を起こさず、更にその回転粘性係数が小さい液晶組成物及び表示素子を提供することである。
本発明者は、種々のジフルオロベンゼン誘導体及びこれを用いたネマチック液晶組成物、表示素子を検討した結果、本件発明を完成するに至った。
本発明は、一般式(I)
Figure 2011074010
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表し、Aはシクロヘキシル基又はフッ素原子により置換されていても良いフェニル基を表し、Bはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又はフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立的に単結合、-C2H4-、-CH2O-、-CF2O-、-C3H6O-及び-C4H8-を表す。)で表されるジフルオロベンゼン誘導体及びこれを1種又は2種以上含有する液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子を提供する。
本発明のジフルオロベンゼン誘導体は誘電率異方性が負であってその絶対値が大きく、他の液晶化合物との相溶性が良好で、またそれを添加した液晶組成物は低温での保存安定性がよいことから、垂直配向方式、IPS等向けの液晶組成物の構成部材として有用である。また、本発明の液晶組成物は誘電率異方性が負であってその回転粘性係数が小さい特徴を有し、これを用いた表示素子は垂直配向方式、IPS等の液晶表示素子として有用である。
本発明において、一般式(I)におけるRは炭素原子数1〜8の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜8の直鎖状アルコシル基が好ましく、粘度を低くするにはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビニル基、2-プロペニル基及び3-ブテニル基がより好ましく、誘電率異方性の絶対値を大きくするにはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基及びペンチルオキシ基がより好ましい。Aはシクロヘキシル基又はフッ素原子により置換されていても良いフェニル基を表すが、溶解性を改善するにはシクロヘキシル基が好ましく、屈折率異方性を大きくするにはフェニル基が好ましく、誘電率異方性の絶対値を大きくするにはフェニル基上の2又は/及び3位のうち1又は2箇所をフッ素原子により置換したフェニル基が好ましい。Bはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又はフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表すが、溶解性を改善するにはシクロヘキシル基が好ましく、屈折率異方性を大きくするにはフェニル基が好ましく、誘電率異方性の絶対値を大きくするにはフェニル基上の2又は/及び3位のうち1又は2箇所をフッ素原子により置換したフェニル基が好ましい。X1は単結合、-C2H4-、-CH2O-、-CF2O-、-C3H6O-及び-C4H8-を表すが、溶解性を改善するには単結合、-C2H4-、-CH2O-、-CF2O-及び-C3H6O-が好ましく、粘度を低くするには単結合、-C2H4-及び-C4H8-が好ましく、単結合が更に好ましい。X2は単結合、-C2H4-、-CH2O-、-CF2O-、-C3H6O-及び-C4H8-を表すが、誘電率異方性の絶対値を大きくするには-CH2O-、-CF2O-及び-C3H6O-が好ましく、溶解性を改善するには単結合、-C2H4-、-CH2O-及び-CF2O-が好ましく、粘度を低くするには単結合、-C2H4-及び-C4H8-が好ましい。
一般式(I)で表される化合物を一種又は二種以上用いた液晶組成物は特に共存させる化合物に制限はないが、一般式(I)で表される化合物を含有する液晶組成物の他の成分として、一般式(II)
Figure 2011074010
(式中、Raは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表し、Rbは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1〜7の直鎖状アルコキシル基、炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基又は炭素原子数3〜7の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、p1は0又は1を表し、Ma及びMbはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-、-OCO-又はCOO-を表し、Gaはトランス-1,4-シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素により置換されていてもよい-1,4-フェニレン基を表す。)で表される化合物、一般式(III)
Figure 2011074010
(式中、Rcは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表し、Rdは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1〜7の直鎖状アルコキシル基、炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、p2は0又は1を表し、Mc及びMdはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-、-OCO-又はCOO-を表し、Gbはトランス-1,4-シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素により置換されていてもよい-1,4-フェニレン基を表す。)で表される化合物、一般式(IV)
Figure 2011074010
(式中、Reは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基を表し、Rfは炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニル基、炭素原子数1〜12の直鎖状アルコキシル基又は炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、p3は0又は1を表し、Me及びMfはそれぞれ独立的に単結合、-OCO-、-COO-又はCH2CH2-を表し、Gcはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表す。)で表される誘電率異方性がほぼ0の化合物が挙げられる。更に一般式(V)、一般式(VI)、一般式(VII)及び一般式(VIII)
Figure 2011074010
(式中、Rg、Ri、Rj、Rk及びRnはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基を表し、Rh、Rl及びRmはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基、炭素原子数1〜7の直鎖状アルコキシル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、Xaは水素原子又はフッ素原子を表し、p4、p5及びp6はそれぞれ独立的に0又は1を表し、p7及びp8はそれぞれ独立的に0、1又は2を表すが、p7及びp8の合計は1又は2であり、Mg、Mh、Mi、Mj、Mk、Ml及びMmはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-、-OCO-又はCOO-を表し、Mnは単結合又はCH2CH2-を表し、Gd、Ge、Gf、Gg及びGhはそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1から2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、Gg、Gh、Mm及びMnが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を一種又は二種以上添加することができる。
更に、要求に応じて、光学活性化合物、安定剤、モノマー及び帯電防止剤等を添加することができる。
本発明の液晶組成物において、一般式(II)におけるRaはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましい。Rbは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜7の直鎖状アルコシル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基がより好ましい。p1は液晶組成物への溶解性を考慮すれば0が好ましく、液晶相温度範囲の拡大を考慮すれば1が好ましい。Ma及びMbはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-又は-COO-が好ましい。Gaはトランス-1,4-シクロヘキシレン基が好ましい。
一般式(II)には非常に多くの化合物が含まれるが、以下の一般式(II-1)〜一般式(II-15)
Figure 2011074010
(式中、R1は炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、R2は炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜4の直鎖状アルコキシル基を表す。)で表される化合物が好ましい。
本発明の液晶組成物において、一般式(III)におけるRcは炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基が好ましい。Rdは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基、直鎖状アルコキシル基が好ましく、炭素原子数1〜4の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜4の直鎖状アルコキシル基が特に好ましい。Mc及びMdのうち一方は単結合であることが好ましく、他方は単結合、-CH2CH2-、-CH2O-又は-COO-であることが好ましい。
一般式(III)には非常に多くの化合物が含まれるが、以下の一般式(III-1)〜一般式(III-9)
Figure 2011074010
(式中、R3は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表し、R4は炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜4の直鎖状アルコキシル基を表す。)で表される化合物が好ましい。
本発明の液晶組成物において、一般式(IV)におけるReは炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜5の1-アルケニル基又は炭素原子数4又は5の3-アルケニル基が好ましく、直鎖状アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基がより好ましく、1-アルケニル基としてはビニル基又はトランス-1-プロペニル基がより好ましく、3-アルケニル基としては3-ブテニル基又はトランス-3-ペンテニル基がより好ましい。Rfは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜5の1-アルケニル基、炭素原子数4〜5の3-アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基が好ましい。Meが存在する場合には、Me及びMfの少なくとも一方は単結合が好ましい。
一般式(IV)で表される化合物としては以下の一般式(IV-1)〜一般式(IV-14)
Figure 2011074010
(式中、R5及びR6はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜3の1-アルケニル基又は炭素原子数4又は5の3-アルケニル基を表し、R7は炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3又は4の直鎖状2-アルケニル基を表し、R8は炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基又は炭素原子数4又は5の3-アルケニル基を表し、R9は炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3又は4の直鎖状2-アルケニル基を表す。)で表される化合物が好ましく、一般式(IV-1)、一般式(IV-2)、一般式(IV-3)、一般式(IV-5)又は一般式(IV-6)で表される化合物が特に好ましい。
本発明の液晶組成物においては一般式(I)で表される化合物を組成物中に下限値として1%(以下組成物中の%は質量%を表す)以上含有することが好ましく、5%以上含有することがより好ましく、10%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、50%以上含有することがさらに好ましい。上限値としては95%以下含有することがより好ましく、90%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、50%以下含有することがさらに好ましい。
一般式(II)で表される化合物を1%〜50%含有することが好ましく、2%〜30%含有することがより好ましい。一般式(III)で表される化合物を1%〜50%含有することが好ましく、2%〜40%含有することがより好ましい。
一般式(V)〜一般式(VIII)において、Rg、Ri、Rj、Rk及びRnは炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基が好ましい。Rh、Rl及びRmは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基、直鎖状アルコキシル基が好ましい。Mg及びMh、Mi及びMj、Mk及びMl、Mm及びMnはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-又は-COO-を表すが、一方は単結合であることが好ましく、他方は単結合、-CH2CH2-又は-COO-であることが好ましい。
かくして得られる本願発明の液晶組成物においてそのネマチック相上限温度(TN-I)は70℃以上が好ましく、より好ましくは75℃以上であり、ネマチック相下限温度(T>N)は-20℃以下であることが好ましい。
本発明において、一般式(I)で表される化合物について、製造例を以下に挙げる。勿論本発明の主旨、及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
(製法1) アルコール(IX)
Figure 2011074010
(式中、A、B及びX1は一般式(I)におけるA、B及びX1と同じ意味を表し、pは0又は1を表す。)に、ピリジン、トリエチルアミン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、ジアザビシクロオクタンなどの塩基存在下、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p-トルエンスルホニル、塩化メタンスルホニル又は塩化トリフルオロメタンスルホニルなどを作用させるか、あるいは硫酸酸性下、臭化水素酸、ヨウ化水素酸を作用させるか、あるいは塩化チオニル、臭化チオニルを作用させるか、あるいは三塩化リン、五塩化リン、三臭化リンを作用させるか、あるいはトリフェニルホスフィン存在下、四塩化炭素、四臭化炭素を作用させるなどして、一般式(X)
Figure 2011074010
(式中、A、B及びX1は一般式(I)におけるA、B及びX1と同じ意味を表し、pは0又は1を表し、Yは塩素、臭素、ヨウ素、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基又はトリフルオロメタンスルホニル基などの脱離基を表す。)で表される化合物を得る。得られた一般式(X)で表される化合物と一般式(XI)
Figure 2011074010
(式中、Rは一般式(I)におけるRと同じ意味を表す。)で表されるフェノールを金属ナトリウム、金属カリウム、金属セシウム、あるいはその炭酸塩、水酸化物、水素化物などの存在下、反応させることにより、一般式(I-1)
Figure 2011074010
(式中、A、B、X1及びRは一般式(I)におけるA、B、X1及びRと同じ意味を表し、pは0又は1を表す。)で表される化合物を得ることができる。
(製法2) 一般式(IX)
Figure 2011074010
(式中、A、B及びX1は一般式(I)におけるA、B及びX1と同じ意味を表し、pは0又は1を表す。)で表される化合物と一般式(XI)
Figure 2011074010
(式中、Rは一般式(I)におけるRと同じ意味を表す。)で表される化合物をアゾジカルボン酸エステル、トリフェニルホスフィン存在下、反応させることにより、一般式(I-1)
Figure 2011074010
(式中、A、B、X1及びRは一般式(I)におけるA、B、X1及びRと同じ意味を表し、pは0又は1を表す。)で表される化合物を得ることができる。
(製法3) 一般式(XII)
Figure 2011074010
(式中、A、B及びX1は一般式(I)におけるA、B及びX1と同じ意味を表し、Zは塩素、臭素及びヨウ素などの脱離基を表す。)で表されるカルボン酸誘導体と一般式(XI)で表されるフェノールを塩基存在下に反応させ、一般式(XIII)
Figure 2011074010
(式中、A、B、X1及びRは一般式(I)におけるA、B、X1及びRと同じ意味を表す。)で表されるエステルを得る。これをローソン試薬で処理し、更にN-ブロモスクシンイミド等の酸化剤の存在下、フッ化水素-ピリジン等のフッ素化剤によりフッ素化して一般式(I-2)
Figure 2011074010
(式中、A、B、X1及びRは一般式(I)におけるA、B、X1及びRと同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることができる。
(製法4) 一般式(XIV)
Figure 2011074010
(式中、A及びX1は一般式(I)におけるA及びX1と同じ意味を表す。)で表されるシクロヘキサノンに一般式(XV)
Figure 2011074010
(式中、Rは一般式(I)におけるRと同じ意味を表す。)で表されるグリニア反応剤を作用させた後、酸触媒による脱水、水素添加により一般式(I-3)
Figure 2011074010
(式中、A、X1及びRは一般式(I)におけるA、X1及びRと同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることができる。
(製法5) 製法4において一般式(XIV)で表されるシクロヘキサノンに換えて一般式(XVI)
Figure 2011074010
(式中、A、B、X1及びRは一般式(I)におけるA、B、X1及びRと同じ意味を表し、pは0又は1を表す。)で表されるアルデヒドを使用する以外は同様にして一般式(I-4)
Figure 2011074010
(式中、A、B、X1及びRは一般式(I)におけるA、B、X1及びRと同じ意味を表し、pは0又は1を表す。)で表される化合物を得ることができる。
(製法6)一般式(XVII)
Figure 2011074010
(式中、A及びX1は一般式(I)におけるA及びX1と同じ意味を表し、Wはフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、pは0又は1を表し、Yは塩素、臭素、ヨウ素、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基又はトリフルオロメタンスルホニル基などの脱離基を表す。)で表されるベンゼン誘導体と一般式(XVIII)
Figure 2011074010
(式中、Rは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるボロン酸誘導体を、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)等のパラジウム、あるいはニッケル系遷移金属触媒存在下、塩基性条件にてカップリング反応を行うことにより、一般式(I-5)
Figure 2011074010
(式中、A、X1及びRは一般式(I)におけるA、X1及びRと同じ意味を表し、Wはフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、pは0又は1を表す。)で表される化合物を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
化合物記載に下記の略号を使用する。
Me :メチル基
Et :エチル基
Pr :プロピル基
Bu :ブチル基
Pen :ペンチル基
THF :テトラヒドロフラン
DMF :N,N-ジメチルホルムアミド
(実施例1) トランス-4-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェノキシメチル)ビシクロヘキシル(I-A)の製造
Figure 2011074010
4-シクロヘキシルシクロヘキサノール50.0gを酢酸200mLに溶解させた後5℃に冷却し、次亜塩素酸ナトリウム(8%水溶液)225mLを20℃以下で滴下した。この反応溶液を5℃で4時間攪拌した後、水160mLを加えた。水層からトルエンで抽出し、集めた有機層を水、飽和食塩水の順で洗條し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、4-シクロヘキシルシクロヘキサノンを微黄色の液体として得た(77.25g)。
次に、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド101.3gをTHF 350mLに溶解させた。この溶液を5℃に冷却し、tert-ブトキシカリウム34.5gを加えた後、5℃で30分撹拌した。4-シクロヘキシルシクロヘキサノン41.0gをTHF 200mLに溶解し、この反応溶液中に10℃以下を保ちながら滴下した。この反応溶液を5℃で3時間撹拌した後、水25mLを滴下した。溶媒を留去し、ヘキサン150mLを加えて撹拌した後、吸引ろ過で固体を除去した。このろ液から有機層を分離した後、次亜塩素酸ナトリウム(8%水溶液)を加えて撹拌した。この有機層を分離し、水とメタノールの混合溶媒(1:1)、水、飽和食塩水の順で洗條した後、溶媒を留去し、1-メトキシ-1’-(4-シクロヘキシル)シクロヘキシリデンを薄黄色の液体として得た(53g)。
次に、得られた1-メトキシ-1’-(4-シクロヘキシル)シクロヘキシリデンにTHF 200mL及び塩酸(10%水溶液)を加え、2時間加熱還流した後に室温に冷却した。水150mLを加え、ヘキサンで2回抽出し、集めた有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗滌し、溶媒を留去した。メタノール200mL及びトリエチルアミン0.5mLを加え、5℃で撹拌した後、水酸化ナトリウム(10%水溶液)20mLを加え、10℃で1時間撹拌した。水、塩酸(10%水溶液)を加えて中和した後、析出した固体をろ過した。この固体を減圧乾燥し、トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルアルデヒドを白色固体として得た(41.57g)。
次に、得られたトランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルアルデヒド18.8gをTHF 60mLに溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム8.20gを加えた。室温で5時間撹拌した後、水130mL、トルエン40mLを加え、有機層を分離し、さらにトルエンで抽出した。集めた有機層を塩酸(10%水溶液)、飽和食塩水の順で洗滌し、溶媒を留去してトランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルメチルアルコールを白色固体として得た(18.2g)。
次に、得られたトランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルメチルアルコール8.48g及びトリエチルアミン5.9mLをジクロロメタン35mLに溶解させ、5℃に冷却し、メタンスルホン酸クロリド3.90mLを滴下した。室温で2時間撹拌した後、水27mLを加えて反応を停止させた。有機層を分離し、さらにジクロロメタンで抽出した。集めた有機層を塩酸(10%水溶液)、水、飽和食塩水で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、メタンスルホン酸トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルメチルを薄黄色固体として得た(11.71g)。
次に、2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェノール6.63g及び炭酸カリウム10.67gをDMF 80mLに溶解させ、40℃で5分間撹拌した。この反応溶液にメタンスルホン酸トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルメチル11.6gを滴下し、60℃で5時間撹拌した。この反応溶液を室温まで冷却し、水300mL、塩酸(3mol/l水溶液)、トルエン150mLの順で加えた。有機層を分離し、さらにトルエンで抽出した。集めた有機層を水、飽和食塩水の順で洗滌した。カラムクロマトグラフィー(アルミナ/シリカゲル、トルエン)を用いて精製し、溶媒を減圧留去し、再結晶(アセトン/メタノール)することにより白色結晶としてトランス-4-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェノキシメチル)ビシクロヘキシル(I-A)を得た(11.58g)。
相転移温度(℃) Cry 64 Iso
1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ: 0.92-1.26 (m, 11H), 1.42 (t, J=7.0Hz, 3H), 1.63-1.78 (m, 8H), 1.90-1.93 (m, 2H), 3.76 (d, J=6.4Hz, 2H), 4.05 (q, J=7.1Hz, 2H), 6.58-6.64 (m, 2H)
EI-MS:352[M+]
(実施例2) トランス-4-(3-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェノキシ)プロピル)ビシクロヘキシル(I-B)の製造
Figure 2011074010
ジエチルホスホノ酢酸エチル25.44gをTHF 160mLに溶解させた後-30℃に冷却し、n-ブチルリチウム(1.65Mヘキサン溶液)72mLを-25℃で滴下した後、-30℃で1時間撹拌した。実施例1で得られたトランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルアルデヒド20.0gをTHF 40mLに溶解させておき、この反応溶液に-30℃で滴下した。-30℃で30分撹拌した後、反応溶液を0℃まで昇温させ、水150mLを加えて反応を停止した。有機層を分離し、さらにヘキサンで抽出した。集めた有機層を水、飽和食塩水の順で洗滌し、溶媒を留去し、3-(トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシル)アクリル酸エチルを薄黄色固体として得た(26.67g)。
次に、得られた3-(トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシル)アクリル酸エチルを加圧反応装置中でエタノールに溶解させ、パラジウム/炭素(約50%水湿潤品)1.33gをエタノール10mLに懸濁させた上で加えた。反応容器内を水素で置換し(0.5MPa)、室温で10時間撹拌した。反応溶液をろ過し、溶媒を留去し、3-(トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシル)プロピオン酸エチルを薄黄色固体として得た(26.6g)。
次に、得られた3-(トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシル)プロピオン酸エチルをTHF 90mLに溶解させ、5℃に冷却した。水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(70%トルエン溶液)32.1gを滴下し、室温で2時間撹拌した後、水6mL、塩酸(10%水溶液)130mLを加えて反応を停止させた。トルエンで2回抽出し、集めた有機層を塩酸(10%水溶液)、水、飽和食塩水の順で洗滌し、溶媒を留去し、3-(トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシル)プロパノールを白色固体として得た(23.77g)。
次に、得られた3-(トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシル)プロパノール7.31g、2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェノール5.67g及びトリフェニルホスフィン8.52gをTHF 100mLに溶解させ、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(THF 60mLに溶解させたもの)を10℃で滴下した。室温で6時間撹拌した後、水2mLを加えて反応を停止させた。溶媒を留去し、ヘキサンを加えて1時間撹拌し、生じた固体をろ過により除去した。カラムクロマトグラフィー(アルミナ/シリカゲル、ヘキサン)を用いて精製し、溶媒を減圧留去し、再結晶(アセトン/メタノール)することにより白色結晶としてトランス-4-(3-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェノキシ)プロピル)ビシクロヘキシル(I-B)を得た(9.95g)。
相転移温度(℃) Cry 50 Iso
1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ: 0.87-1.21 (m, 12H), 1.29-1.34 (m, 2H), 1.42 (t, J=7.0Hz, 3H), 1.65-1.81 (m, 11H), 3.95 (t, J=6.6Hz, 2H), 4.05 (q, J=6.9Hz, 2H), 6.61 (m, 2H)
EI-MS:380[M+]
(実施例3) 1-(トランス-4-(2-シクロヘキシルエチル)シクロヘキシル)ジフルオロメトキシ-2,3-ジフルオロ-4-プロポキシベンゼン(I-C)の製造
Figure 2011074010
トランス-4-(2-シクロヘキシルエチル)シクロヘキシルカルボン酸、2,3-ジフルオロ-4-プロポキシフェノール及びトリフルオロメタンスルホン酸のトルエン溶液を水の留出がなくなるまで加熱還流した。反応終了後、水、飽和食塩水の順で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別後、溶媒を留去し固体を得た。この固体とローソン試薬(アニソールと硫化リンの混合物を沈殿が全て溶け硫化水素が発生しなくなるまで加熱し、室温まで冷却した後、析出した固体をトルエンから再結晶して得た。)のトルエン溶液を、耐圧容器に入れ150℃で反応させた。反応終了後、トルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。溶媒を留去後に得られた固体をジクロロメタン溶液とした後、N-ブロモスクシンイミドのジクロロメタン懸濁液に、-78℃でフッ化水素-ピリジンを滴下し調製した反応溶液中に滴下した。更に撹拌した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ反応を終了させ、有機層を亜硫酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1-(トランス-4-(2-シクロヘキシルエチル)シクロヘキシル)ジフルオロメトキシ-2,3-ジフルオロ-4-プロポキシベンゼン(I-C)を得た。
EI-MS:430[M+]
(実施例4) 2,3-ジフルオロ-4-(2-(2,3-ジフルオロ-4-シクロヘキシルフェニル)エチル)-1-プロポキシベンゼン(I-D)の製造
Figure 2011074010
窒素雰囲気下、攪拌しながら1-ブロモ-2,3-ジフルオロ-4-プロポキシベンゼンから調製したグリニア反応剤を2,3-ジフルオロ-4-シクロヘキシルフェニルアセトアルデヒドのTHF溶液に滴下した。反応終了後、トルエンで抽出し、水及び飽和食塩水で洗滌した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。溶媒を留去後に得られたアルコールをトルエンに溶解し、p-トルエンスルホン酸を加え、水の留出がなくなるまで加熱還流した。水及び飽和食塩水で洗滌した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去した。得られた固体を酢酸エチルに溶解し、Pd/Cを加え、水素加圧下で攪拌した。Pd/Cを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,3-ジフルオロ-4-(2-(2,3-ジフルオロ-4-シクロヘキシルフェニル)エチル)-1-プロポキシベンゼン(I-D)を得た。
EI-MS:394[M+]
(実施例5) 液晶組成物の調製(1)
以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)
Figure 2011074010
を調製した。ここで(H)の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 103.2℃
誘電率異方性(Δε): 0.03
屈折率異方性(Δn): 0.099
この母体液晶(H)80%と実施例1で得られた式(I-A)で表される化合物20%からなる液晶組成物(M-A)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 85.4℃
誘電率異方性(Δε): −1.29
屈折率異方性(Δn): 0.095
回転粘性係数(γ1): 110
本発明の式(I-A)で表される化合物を含有する液晶組成物(M-1)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(Δε)は大きく減少して負の値となった。このことから、本発明の式(I-A)で表される化合物は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。
また、液晶組成物(M-A)を-20℃で1週間放置したが、ネマチック相を示していた。このことから本発明の式(I-A)で表される化合物は液晶表示材料として使用可能な液晶性を有することがわかる。
さらに、液晶組成物(M-A)の電圧保持率を80℃で測定したところ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に対して98%以上と高い値を示した。このことから、本発明の化合物(I-A)は安定性の面からも液晶表示材料として十分使用可能であることがわかる。
(実施例6) 液晶組成物の調製(2)
実施例5で調製した母体液晶(H)80%と実施例2で得られた式(I-B)で表される化合物20%からなる液晶組成物(M-B)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 84.6℃
誘電率異方性(Δε): −1.15
屈折率異方性(Δn): 0.095
回転粘性係数(γ1): 122
本発明の式(I-B)で表される化合物を含有する液晶組成物(M-B)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(Δε)は大きく減少して負の値となった。このことから、本発明の式(I-B)で表される化合物は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。
また、(M-B)を-20℃で1週間放置したがネマチック相を示していた。このことから本発明の式(I-B)で表される化合物は液晶表示材料として使用可能な液晶性を有することがわかる。
さらに、(M-B)の電圧保持率を80℃で測定したところ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に対して98%以上と高い値を示した。このことから本発明の化合物(I-B)は安定性の面からも液晶表示材料として十分使用可能であることがわかる。
(比較例1) 液晶組成物の調製(3)
実施例5で調製した母体液晶(H)80%と式(I-E)
Figure 2011074010
で表される化合物20%からなる液晶組成物(M-C)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 105.7℃
誘電率異方性(Δε): −1.19
屈折率異方性(Δn): 0.097
回転粘性係数(γ1): 128
式(I-E)で表される化合物を含有する液晶組成物(M-C)は、実施例5記載の液晶組成物(M-A)と比べ、誘電率異方性の絶対値が小さいことがわかる。また、液晶組成物(M-C)を-20℃で1週間放置したところ析出が見られた。このことから、式(I-E)で表される化合物を含有する液晶組成物(M-C)は、実施例5記載の液晶組成物(M-A)及び実施例6記載の液晶組成物(M-B)と比べ、低温での保存安定性が劣ることがわかる。
さらに、液晶組成物(M-C)は液晶組成物(M-A)と比べ、回転粘性係数が大きいことがわかる。このことから、本願化合物を液晶組成物に添加すると回転粘性を悪化させずに、誘電率異方性を改善できることがわかる。
(比較例2) 液晶組成物の調製(4)
実施例3で調製した母体液晶(H)80%と式(I-F)
Figure 2011074010
で表される化合物20%からなる液晶組成物(M-D)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 107.7℃
誘電率異方性(Δε): −1.02
屈折率異方性(Δn): 0.097
回転粘性係数(γ1): 141
非特許文献1記載の式(I-F)で表される化合物を含有する液晶組成物(M-D)は、実施例5記載の液晶組成物(M-A)及び実施例6記載の液晶組成物(M-B)と比べ、誘電率異方性の絶対値が小さいことがわかる。以上のように、本願化合物を液晶組成物に添加すると従来の構造が類似する化合物よりも誘電率異方性を改善することができることがわかる。
さらに、液晶組成物(M-D)は液晶組成物(M-A)及び液晶組成物(M-B)と比べ、回転粘性係数が大きいことがわかる。このことから、本願化合物を液晶組成物に添加すると回転粘性を悪化させずに、誘電率異方性を改善できることがわかる。

Claims (9)

  1. 一般式(I)
    Figure 2011074010
    (式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表し、Aはシクロヘキシル基又はフッ素原子により置換されていても良いフェニル基を表し、Bはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又はフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立的に単結合、-C2H4-、-CH2O-、-CF2O-、-C3H6O-及び-C4H8-を表す。)で表されるジフルオロベンゼン誘導体。
  2. 一般式(I)において、Rが炭素原子数1〜8の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜7の直鎖状アルコキシル基を表す請求項1記載のジフルオロベンゼン誘導体。
  3. 一般式(I)において、X1が単結合又は-C2H4-を表す請求項1又は2記載のジフルオロベンゼン誘導体。
  4. 一般式(I)において、X2が-C2H4-、-CH2O-、-CF2O-、-C3H6O-又は-C4H8-を表す請求項1〜3のいずれかに記載のジフルオロベンゼン誘導体。
  5. 一般式(I)において、Aがシクロヘキシル基を表す請求項1〜4のいずれかに記載のジフルオロベンゼン誘導体。
  6. 一般式(I)において、Bがトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表す請求項1〜5のいずれかに記載のジフルオロベンゼン誘導体。
  7. 一般式(I)において、Rが炭素原子数1〜7の直鎖状アルコキシル基を表し、Aがシクロヘキシル基を表し、Bがトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、X1が単結合を表し、X2が-CH2O-、-CF2O-又は-C3H6O-を表す請求項1記載のジフルオロベンゼン誘導体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上含有することを特徴とする液晶組成物。
  9. 請求項8記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素子。
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