JP2011072857A - 液滴ジェット装置 - Google Patents

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恵一 谷井
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Abstract

【課題】基板上に形成される所定の吐出パターンを特定するデータのサイズを小さくできる液滴ジェット装置を提供する。
【解決手段】基板W上でスペーサ液滴の吐出を開始する吐出開始位置Sk-nと、吐出されるスペーサ液滴の繰り返し規則を、基板搬送方向におけるスペーサ液滴間の吐出液滴間隔Ln、吐出されるスペーサ液滴数である吐出数Pnを用いて規定する。吐出開始位置Sk-nと、対応するノズル50との距離に基づく比較値mと、基板Wの搬送に伴って所定の移動距離ごとに出力されるタイミング信号のカウント値との比較を行い、一致すればノズル50よりスペーサ液滴の吐出が開始され、吐出数がPn個になるまで、吐出液滴間隔Lnでスペーサ液滴が吐出される。吐出パターンを特定するために吐出開始位置Sk-n、吐出液滴間隔Ln、吐出数Pnのパラメータ群を保持すればよいため、吐出パターンを特定するデータのサイズを小さくすることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、基板上に液滴を吐出することで、所定の吐出パターンを形成する液滴ジェット装置に関する。
液晶表示装置用のガラス基板などの表面上に液体の幾何学的な吐出パターンを形成して描画する液滴ジェット装置が知られている。液滴ジェット装置は、ステージ上に載置される基板と、例えばインク液を液滴にして吐出する液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させながら、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴を基板上の任意の箇所に付与することにより吐出パターンを形成する。
このような従来の液滴ジェット装置では、描画イメージデータに基づいてビットマップデータが作成されている。このビットマップデータに従って、吐出パターンが特定され、吐出駆動部が液滴吐出ヘッドからの液滴の吐出動作、すなわち選択的に液滴吐出ヘッドに備えられた各ノズルのON/OFF制御を行うことによって基板上に液滴が形成される。
例えば、特許文献1には、このような原理によって液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する装置が開示されている。
特開2005−224659号公報
しかしながら、基板上に所望の吐出パターンを形成するためにビットマップデータを用いる場合、吐出位置精度を高めるために吐出タイミングを細かく設定すると、画素密度が増大するために、ビットマップデータのデータサイズが非常に大きくなるという問題がある。このように、吐出パターンを特定するためのデータサイズが大きくなることによって、機器間におけるデータ転送が難しくなったり、装置コストが増大するなどの問題が生じる。
本発明は上記の問題に鑑み、用紙上への写真画像の描画などとは異なり、基板上へのパターン形成処理においては、単位パターンの周期的な繰返しを形成することが多いという特質を利用することにより、液滴の吐出制御に使用される吐出パターンデータのデータサイズを小さくすることができる液滴ジェット装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、所定の基板上に液滴を吐出して、単位パターンの周期的な繰返しから構成される吐出パターンを前記基板上に形成する液滴ジェット装置であって、液滴を吐出する複数のノズルが配列されたヘッドと、前記複数のノズルから選択的に液滴を吐出させる吐出駆動部と、前記ヘッドと前記基板とを所定の移動方向に相対的に移動させる移動手段と、前記移動手段による前記ヘッドと前記基板との相対的移動量を検出し、前記相対的移動量を表現するタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段と、前記移動方向に関して、前記基板上における前記吐出パターンの開始位置と前記単位パターンの繰返し規則とを特定するパラメータ群を設定する制御部と、を備え、前記吐出駆動部が、前記パラメータ群から得られる吐出タイミング指示値と前記タイミング信号との比較結果に基づいて、前記複数のノズルから前記基板上に選択的に液滴を吐出させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液滴ジェット装置であって、前記パラメータ群が、1) 前記移動方向に関して前記吐出パターンの開始位置を表現する第1設定値と、2) 前記移動方向に関して前記単位パターンの繰返し周期を表現する第2設定値と、3) 前記移動方向に関して前記単位パターンの繰返し回数を表現する第3設定値と、を含んで構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の液滴ジェット装置であって、前記第1設定値として、前記移動方向について複数の値を設定可能であり、前記移動方向について、前記基板上に前記吐出パターンが繰り返して形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液滴ジェット装置であって、複数の前記第1設定値のそれぞれに対して前記第3設定値が設定されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の液滴ジェット装置であって、前記ヘッドにおける前記複数のノズルの配列方向が、前記ヘッドの前記移動方向に対して所定の角度をなして傾いており、前記複数のノズルのうち所定の基準ノズルについての前記第1設定値に対して、前記角度に応じた補正を行うことによって、残余のノズルについての前記吐出タイミング指示値が決定されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液滴ジェット装置であって、前記パラメータ群は、前記複数のノズルのそれぞれについて個別に設定可能であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の液滴ジェット装置であって、前記パラメータ群は、4) 同じ位置に各ノズルより液滴を連続して吐出する連続吐出回数を表現する第4設定値、をさらに含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の液滴ジェット装置であって、前記吐出タイミング指示値として、前記基板の後端に相当する前記タイミング信号のカウント値よりも大きい値が設定されたノズルについては、前記基板上への液滴の吐出が禁止されることを特徴とする。
請求項1から請求項8に記載の発明によれば、基板上における吐出パターンの開始位置と単位パターンの繰返し規則とを特定するパラメータ群を保持すればよいため、吐出パターンを特定するデータサイズを小さくすることができる。
また、特に請求項3に記載の発明によれば、基板の移動方向について吐出パターンを繰り返して複数形成する場合にも、2つ目以後の吐出パターンについては、それぞれの吐出パターンの開始位置を追加するだけで済ませることができる。
また、特に請求項4に記載の発明によれば、複数の第1設定値のそれぞれに対して第3設定値が設定されるため、複数の第1設定値ごとに異なる吐出規則を設定しつつ、吐出パターンを特定するデータサイズを小さくすることができる。
また、特に請求項5に記載の発明によれば、基準ノズルに設定された第1設定値とノズルの配列方向とヘッドの相対的な移動方向との傾斜角度に応じた補正を行うことで、残余のノズルについての吐出タイミング指示値が決定されるため、吐出パターンを特定するデータサイズを小さくすることができる。
また、特に請求項6に記載の発明によれば、パラメータ群は、各ノズルに対応して設定することができるため、ノズルごとに異なる吐出規則を設定しつつ、吐出パターンを特定するデータサイズを小さくすることができる。
また、特に請求項7に記載の発明によれば、同じ位置に液滴を連続して吐出することが可能であるため、液滴の吐出量を調節することができる。
また、特に請求項8に記載の発明によれば、基板上に液滴の吐出を禁止する設定にすることができる。
本願発明の実施の形態に係る液滴ジェット装置の上面図である。 本願発明の実施の形態に係る液滴ジェット装置のYZ断面図である。 ヘッドに備えられたノズルの部分断面図である。 制御部の構成を表すブロック図である。 本願発明の実施の形態に係る液滴ジェット装置における処理の流れを表すフローチャートである。 パラメータ群がそれぞれ共通の値である場合の吐出パターンの一例である。 吐出開始位置を2通りの値で設定した場合の吐出パターンの一例である。 1枚の基板から異なるサイズの分割基板を取り出す場合の吐出パターンの一例である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明においては、方向及び向きを示す際に、適宜図中に示すXYZ直交座標を用いる。ここで、X軸及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向(+Z側が上側、−Z側が下側)を示す。また、便宜上、X軸方向を基板の搬送方向(+X側が下流側、−X側が上流側)とし、Y軸方向を奥行き方向(+Y側、−Y側)とする。
<1. 装置構成について >
図1は、本願発明の実施の形態に係る液滴ジェット装置1の上面図であり、図2は液滴ジェット装置1のYZ断面図である。
この実施の形態の液滴ジェット装置1は、液晶表示装置用のガラス基板を対象とし、微細な透明粒子(樹脂ビーズなど)を所定の溶媒中に多数混入した液体(以下、「スペーサ液」と称する)の液滴を基板W上に吐出させることによって、周期的な吐出パターンを基板上に形成するために使用される装置として構成されている。そこでの吐出パターンは、液晶表示装置の表示画素を単位とする単位パターンを周期的に繰り返したものであり、基板W上に吐出された液滴の成分のうち溶媒だけを気化させることにより、それぞれが透明粒子からなる2次元的なスポットの配列が基板W上に残る。このスポットの配列は、当該基板Wと、それと対をなす別のガラス基板とを対向させてそれらの間の隙間に液晶材料を封入する際のスペーサとして機能する。
具体的構成において、この液滴ジェット装置1は、液滴が吐出される基板Wを搬送するための搬送部1Aと、基板Wの表面に液滴を吐出するための吐出部1Bと、制御手段である制御部10(図1および図2では概念的に図示されている)と、を備えている。
搬送部1Aは、エア浮上ステージ3により浮上した水平姿勢の平板状の基板Wの両端を保持して基板WをX軸方向に移動させる搬送チャック4を備える。吐出部1Bは、搬送される基板Wの上方に設置され、スペーサ液の吐出が行われる複数のノズル50を備えたヘッド5と、各ノズル50に設けられた吐出駆動部500(図3)と、を備える。液滴ジェット装置1は、制御部10が搬送部1Aによる基板Wの搬送動作および吐出部1Bによるスペーサ液の吐出動作の制御を行うことによって、基板Wをヘッド5で相対的に走査しつつ、基板W上へのスペーサ液の液滴(スペーサ液滴)の選択的吐出を調節し、スペーサ液滴についての所望の吐出パターンを基板W上に形成する。
ヘッド5は、基板Wの搬送路上方に設置されるように、支持枠7により支持されており、支持枠7は装置本体に固設されている。ヘッド5には、複数のノズル50が直線的にかつ等間隔で周期的に配列されており(図1中においては、複数のノズル50の記載を省略している。)、ノズル50の各吐出口503(図3)は基板Wと対向している。ただし、この複数のノズル50のなす配列方向は、基板Wの搬送方向(X軸方向)に直交するY軸方向に対して水平方向に所定の角度θをなして斜めに傾いて配置されている。このため、複数のノズル50のノズルピッチDnに対して、隣接するノズル50間のY軸方向の距離DyはDy=(Dn×cosθ)となる。この距離Dyは、基板Wに吐出パターンを形成する際のY軸方向の描画分解能を与える。
このため、ヘッド5の傾き角θについては、互いに隣接するノズル50間におけるY軸方向距離Dyが、吐出パターンを形成する際のY軸方向のスペーサ液滴の吐出間隔を与える。したがって、複数のノズル50のなす配列方向と、基板Wの搬送方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)とがなす角度θを調節することで、Y軸方向におけるスペーサ液滴のY軸方向の吐出間隔Dyを調整できる。
図3は、各ノズル50の部分断面図である。ヘッド5にて列設された各ノズル50には、タンク(図示せず)から供給されるスペーサ液を一時的に貯留する貯留部502と、スペーサ液Lの吐出口503と、吐出駆動部500として貯留部502にて貯留されたスペーサ液Lを加圧するピエゾ素子501と、を備える。制御部10からの信号に基づいて、ピエゾ素子501に電圧が印加されると、ピエゾ素子501はその下面が凹形状をなす撓み状態となる。この状態からピエゾ素子501への電圧の印加が解除されると、撓んだ状態のピエゾ素子501は、その下面が凸形状をなす状態に復帰する。このとき、貯留部502内の容積が変化することでスペーサ液Lは加圧され、吐出口503からスペーサ液滴が吐出される。このように、ピエゾ素子501に吐出制御電圧が印加されることによって、ノズル50より基板W上にスペーサ液滴が吐出されて付着する。なお、吐出駆動部500としては、ピエゾ素子501のような圧電素子を用いたもの以外でもよく、例えば、エネルギ発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式さらには、レーザなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液滴を吐出させる方式についても採用可能である。
エア浮上ステージ3は、長尺状であって、その上面は多孔質構造となっている。このエア浮上ステージ3は、長手方向が基板Wの搬送方向(X軸方向)に沿う向きで載置されている。このエア浮上ステージ3の上面部分によって、基板Wの搬送路は構成され、多孔質構造となっている上面部分から上方に向けてエアが噴出されることで、基板Wは水平姿勢で浮上状態になる。
搬送チャック4は、エア浮上ステージ3により浮上状態にある基板Wの搬送を行う。搬送チャック4は、YZ断面図において、左右対称(+Y側と−Y側とで対称)構造となっており、左右それぞれにX軸方向に沿って基板Wの両端(+Y側、−Y側)を吸着保持するチャック41と、X軸方向に基板Wを搬送するリニアガイド42と、基板Wが移動するための駆動力を生じさせるリニアモータ43と、リニアモータ43による駆動力でリニアガイド42を移動する基板Wの位置を検出するリニアエンコーダ44と、を備えている。
チャック41は、図示しないチャック昇降シリンダの動作により昇降させることが可能であり、上昇時にはエア浮上ステージ3により浮上状態にある基板Wの下面を支持し、下降時には、基板Wと接触しない位置に下降する。チャック41は上面が多孔質構造となっており、上昇時においては、(+Y)側および(−Y)側のX軸方向に沿った基板Wの両端部の下面が支持され、チャック上面の孔より真空吸着が行われることによって基板Wは吸着保持される。
リニアガイド42およびリニアモータ43については、それぞれ装置本体の(+Y)側および(−Y)側に設けられている。リニアガイド42は、X軸方向に沿って設置されており、チャック41はリニアガイド42に沿って移動する。リニアモータ43は、固定子および移動子(いずれも図示せず)を備え、固定子と移動子との電磁的相互作用によって、チャック41をX軸方向に沿って移動させるための駆動力を生成するモータである。リニアモータ43の駆動によるチャック41の移動量については、制御部10からの制御信号によって制御することができる。
リニアエンコーダ44はスケール部および検出子(いずれも図示せず)を備え、スケール部と検出子との相対的な位置関係を検出して出力信号を制御部10に伝達する。各検出子はチャック41の下方両端(+Y側、−Y側)に固設され、スケール部は、装置本体の両側にX軸方向に沿ってそれぞれ固設されている。このリニアエンコーダ44からの出力信号を分周することで、基板Wが所定の微小距離だけ移動するごとにタイミング信号を生成させる。リニアエンコーダ44からの出力信号の分周比を変更することにより、どの程度の距離ごとにタイミング信号を発生させるかを調節することができる。
リニアモータ43の駆動によりリニアガイド42に沿って移動するチャック41が、所定微小距離だけ新たに移動するごとにリニアエンコーダ44より制御部10にタイミング信号が入力されるが、このタイミング信号は、どの時点で基板Wが所定微小距離だけ新たに移動したかを示すタイミング信号として機能する。このタイミング信号は、チャック41が所定の微小距離を移動する都度出力されるため、このタイミング信号をカウントすることにより、制御部10においてヘッド5に対する相対的な基板Wの移動量がリアルタイムで検出される。
図4は、液滴ジェット装置1の主要な電気的構成を示すブロック図である。この液滴ジェット装置1は、制御に必要な動作プログラムが格納されたROMやRAMなどの記憶部101と、論理演算を実行するCPU100と、データの入出力を行うキーボードやマウス、ディスプレイなどの入出力部102とが、バスラインに接続されて制御部10を構成している。制御部10は、通信部103を介して吐出部1Bの制御、すなわち吐出制御信号を出力して各ノズル50が備える吐出駆動部のピエゾ素子501に電圧を印加することで、選択的にノズル50からスペーサ液滴の吐出を行わせるとともに、搬送部1Aの制御、すなわち搬送による基板Wの移動距離を、リニアエンコーダ44を用いて検出し、その検出結果に基づいて、制御部10はリニアモータ43への出力をフィードバック制御することにより、一定速度で基板Wを移動させる。
制御部10においては、様々なパラメータの設定が行われる。例えば、それらのパラメータの集合としてパラメータ群は、各ノズル50について、以下のパラメータ(1)および(2)の値から構成されている(図6中の例示を参照)。ただし、ここでは、1枚の基板W上に同じ内容を持つ吐出パターンを複数形成し、後工程で基板Wをカットすることにより、それぞれがひとつの吐出パターンを有する複数枚の分割基板W1、W2、…に分離する場合を想定している。以下における指数nは、このような分割基板W1、W2、…を識別する指数に対応する。
(1) 各吐出パターン形成のために最初に吐出されるスペーサ液滴の吐出開始位置Sk-n(X軸方向位置)の値:ただし、
指数kは、ヘッド5において最も(−Y)方向に設置されたノズル50をk=1として、(+Y)方向に向かって何番目のノズル50に関するものであるかを表す値であり、
指数nは、基板W上において何回目に出現する吐出パターンか(何枚目の個別パネルに相当する吐出パターンか)を表す値である。
(2) 基板Wの搬送方向(X軸方向)に沿って、吐出開始位置Sk-nより吐出が開始されるスペーサ液滴の繰り返し規則を表現するパラメータ、具体的には、
(2-1) スペーサ液滴の吐出液滴間隔Ln(吐出開始位置Sk-nに吐出されたスペーサ液滴を基準として、X軸方向に繰り返し出現するスペーサ液滴の周期(距離)、および
(2-2) 各個別パネルに相当する各吐出パターンについてのスペーサ液滴の吐出数Pn(1回の吐出パターンでは、いくつの位置でスペーサ液滴を吐出するかを示す吐出回数)、
がこれに含まれる。
このほかにも、1回あたりに吐出されるスペーサ液滴量、基板W上に所望の吐出パターンを形成するために必要な基板Wの往復搬送動作数、使用するノズル50の個数およびヘッド5の配置について設定を行うことができる。
また、制御部10は、これらのパラメータ群によって特定される吐出パターンにおいて、スペーサ液滴の吐出の繰返しの単位となる微小区間のパターン(単位パターン)について、ビットマップデータに変換する機能も備えている。すなわち、図示例では、X軸方向について周期Lnを持つ、スペーサ液滴の吐出ON/OFFの繰返し単位が単位パターンであるが、その単位パターンに相当する微小区間については、吐出パターンがビットマップデータとして展開される。ただし、それぞれの繰返し区間では既に展開した単位パターンビットマップデータを繰返し利用できるため、この装置1では、吐出パターン全体にわたるビットマップデータは不要である。
設定された各パラメータに基づいて得られた単位パターンのビットマップデータと、単位パターンの繰返し規則とに基づいてスペーサ液滴の吐出データが作成される。このスペーサ液滴の吐出データに則って、制御部10が吐出部1Bおよび搬送部1Aの制御を行うことで、基板W上には、設定された吐出開始位置Sk-nから、基板Wの搬送方向(X軸方向)に沿って吐出数Pn個のスペーサ液滴が、スペーサ液滴間の吐出液滴間隔Lnで出現し、所望の吐出パターンが形成される。
<2. 処理の流れについて >
図5は、この実施の形態に係る液滴ジェット装置1による処理の流れを表したフローチャートである。初めに、基板Wは液滴ジェット装置1に搬入されて、入口側エア浮上ステージ3上に載置されており、すべての機器類は原点位置にある。この状態から下降していたチャック41が上昇し、搬送チャック4が基板Wの(+Y)側および(−Y)側におけるX軸方向に沿った両端の下面を吸着保持する。エア浮上ステージ3よりエアの噴射が行われているため、基板Wはチャック41により吸着保持された箇所を除いて非接触状態となる。リニアモータ43の駆動によって搬送チャック4は(+X)方向に搬送が始まり、チャック41に保持された基板Wはヘッド5に向かって移動を開始する。
このとき、基板Wの移動量、すなわち搬送チャック4の移動量は、リニアエンコーダ44によって検出される。リニアエンコーダ44は、スケール部を、搬送チャック4に固設された検出子が移動することで、所定の移動距離を移動するたびに、制御部10にタイミング信号を出力する。制御部10においては、基板Wの所定の移動距離に基づいて出力されるタイミング信号を積算してカウント値として認識することで、所定の移動距離を基準にして、基板Wの移動距離を検出する。
基板Wが原点位置にある段階で、制御部10において設定された吐出開始位置Sk-1のデータを基に、ノズル50毎に比較値mが設定される(ステップS11)。この比較値mは、原点位置にあるヘッド5に備えられたノズル50の吐出口503と、原点位置にある基板W上で、当該ノズル50に設定された吐出開始位置Sk-1との距離Rを、リニアエンコーダ44からのタイミング信号の出力間隔(パルス発生周期に相当する基板Wの単位移動距離ΔR)の値で除した値(R/ΔR)である。つまり、このステップS11での比較値mは、スペーサ液滴が最初に吐出されるときのタイミング信号のカウント値CTと同値であって、ノズル50と、原点位置における基板W上の当該ノズル50による吐出開始位置Sk-1との距離Rは、基板Wの単位移動距離ΔRに比較値mを乗じた値(m×ΔR)と一致する。基板W上における吐出開始位置Sk-1は、Y軸方向に沿って揃って設定されているが、ヘッド5が備えるノズル50の配列方向は基板Wの搬送方向と直交する方向に対してゼロでない所定の角度θをなして斜め方向になっているため、各ノズル50によって吐出開始位置Sk-1に到達するまでの移動距離は異なる。従って、比較値mも各ノズル50によって異なる。
ステップS12では、このようにして設定された比較値mと、タイミング信号のカウント値CTとの比較を、タイミング信号が出力される都度行い、それらが一致した場合に、そのノズル50に備えられたピエゾ素子501に電圧が印加されることで、複数のノズル50のうち、該当するノズル50から基板W上にスペーサ液滴の吐出が行われる(ステップS13)。
このように、基板W上の吐出開始位置Sk-1にノズル50よりスペーサ液滴が吐出されると、制御部10において吐出回数がカウントされる(ステップS13)。吐出回数がカウントされると、パラメータとして設定された吐出数Pnと吐出回数のカウント値との比較が行われ(ステップS14)、実際の吐出回数と吐出数Pnとが一致しなければ、吐出液滴間隔Lnをリニアエンコーダ44からのパルス発生数に換算した吐出間隔基準値Ip=(Ln/ΔR)が比較値mに加算されて、比較値mが更新される(ステップS15)。そして、更新後の比較値mと、タイミング信号のカウント値とが、リニアエンコーダ44よりタイミング信号が出力される都度比較され、それらが一致すれば、ノズル50より新たにスペーサ液滴が吐出される。このとき、吐出回数はカウントされ、カウント後の吐出回数と、設定された吐出数Pnとが一致しなければ、さきほど更新した比較値mにさらに吐出間隔基準値Ipが加算されて、タイミング信号のカウント値との比較が行われる。
このように、実際の吐出回数と、パラメータとして設定された吐出数Pnとが一致するまで、比較値mに吐出間隔基準値Ipを順次加算していきながら、その都度タイミング信号のカウント値との比較が行われる。比較値mとタイミング信号のカウント値とが一致したら、スペーサ液滴が吐出されて実際の吐出回数が加算され、実際の吐出回数(吐出完了回数)と吐出数(吐出設定回数)Pnとが一致するまで、これを繰り返す。
実際の吐出回数とパラメータとして設定された吐出数Pnとが一致すれば、吐出開始位置Sk-1で始まる吐出パターンの形成は終了する。基板W上には吐出開始位置Sk-1を開始位置として、液滴間における吐出液滴間隔Ln、基板Wの移動方向に合計Pn個の液滴が吐出された吐出パターンが形成される。
既述したように、基板Wの搬送方向に沿って標準の吐出パターンを形成するように、複数の吐出開始位置Sk-nを設定することが可能である。従って、吐出開始位置Sk-1に続いて吐出開始位置Sk-2が設定されている場合(ステップS16)は、吐出開始位置Sk-1を開始位置とする吐出パターンの形成が終了した後で、吐出開始位置Sk-2を開始位置とする吐出パターンの形成が始まる。吐出開始位置Sk-2を開始位置とする吐出パターンの形成については、上述の吐出開始位置Sk-1を開始位置とする吐出パターンの形成と同様であり、比較値mの設定から行われる(ステップS17)。このように、吐出開始位置Sk-nはノズル50に対して複数設定することが可能であり、基板W上の搬送方向に沿って吐出パターンを繰り返して形成することが可能である。
図6は基板W上に吐出パターンが形成された様子を示している。配置関係をわかりやすくするために、予め形成される吐出パターンが表示された基板Wがヘッド5に向かう図となっている。また、ヘッド5が備えるノズル50の数は、本来の数よりも少なく記載されており、Y軸方向に吐出されるスペーサ液滴の数は省略されている。
図6の例では、基板W上には、異なる吐出開始位置Sk-1およびSk-2から開始される2種類の吐出パターンが形成されており、吐出液滴間隔Lnおよび吐出数Pn(図6においては図示の都合上、吐出数Pnは8とされているが、実際にはもっと大きな値とされる)は双方に共通の値である。上述のように、基板W上における吐出開始位置Sk-nは、Y軸方向に揃って配置されているが、ヘッド5が備えるノズル50の配列方向は基板Wの搬送方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)に対して角度θで斜めに傾いており、各ノズル50と、対応する吐出開始位置Sk-nとの距離(例えば、図6中の矢印が示すように、吐出開始位置S1-1,S4-1,S7-1と対応する各ノズル50との距離)は、それぞれ異なる。このため、ノズル50と基板Wとの角度関係による位相ずれが生じる。これらについては各ノズル50に吐出開始位置Sk-nを設定することで対応してもよいが、初期位相のズレに規則性があるときには、既述したパラメータ群に、その規則性に関する情報を加えれば、すべてのノズル50に個別にパラメータを設定する必要はなくなる。これについては後述する。
この実施形態を適用した具体的な数値例として、例えばヘッド5に備えられたノズル50が1000本、基板Wにおける移動距離が1メートル、吐出タイミングが1マイクロメートル(基板Wが1マイクロメートル搬送されるたびにタイミング信号が出力される。)である場合に、従来のビットマップデータでは、そのデータサイズはおよそ1ギガビットもの容量になった。一方で、この発明の実施形態の液滴ジェット装置1に本願発明を用いた場合(吐出開始位置Sk-nは各ノズル50に設定されており、吐出液滴間隔Lnが各ノズル50に共通の値、吐出数Pnが各ノズル50に共通の値とする。)は、1本あたりのノズル50に必要なデータサイズは20ビットであり、このデータが各ノズル50に設定されるため、ヘッド5における吐出開始位置Sk-nに関するデータサイズは20キロビットとなる。また、共通の値である吐出液滴間隔Lnについては0.5ミリメートルとした場合、吐出タイミングが1マイクロメートルであるため、データサイズは9ビットとなる。また、共通の値である吐出数Pnについては2000であるため、データサイズは11ビットとなる。比較値mについては、1本あたりのノズル50に必要な20ビットのデータが1000本のノズル50に設定されるため、全体で20キロビットとなる。
以上より、従来技術では、1ギガビットものデータサイズを有する吐出パターンを特定するためのデータが、本願発明を用いることによって、データサイズは40020ビット(およそ40キロビット)と、小さくすることができる。
基板Wの表面上にはブラックマトリクスと呼ばれる黒い格子状のパターンが形成されている。このブラックマトリクス上にスペーサ液は塗布されるのであるが、塗布に先立つプロセスや熱によって、基板WのXY平面において基板Wの膨張または収縮が生じ、基板Wは主面に沿った方向に伸縮する。このような伸縮が基板W上で部分的に生じる場合、基板WのXY平面内における部分的なひずみとなり、このような部分的なひずみが生じることによって、ブラックマトリクスは基板W毎に異なる位置に形成されることとなる。これを考慮して、各ノズル50において2種類の吐出開始位置Sk-nのデータが設定された場合(2種類の吐出開始位置Sk-nのデータを保持することで実際に吐出動作が行われる際の基板Wの状態に応じて最適なデータを選択する。)であっても、データサイズは60020ビット(およそ60キロビット)となり、従来のビットマップデータと比較してデータサイズは大幅に削減できる。
このように、この発明の実施形態の液滴ジェット装置1は、基板W上における吐出パターンの開始位置である吐出開始位置Sk-nと、繰り返し規則である吐出液滴間隔Lnと吐出数Pnとのパラメータ群を保持すればよいため、吐出パターンを特定するためのデータサイズを小さくすることが可能である。
<3. パラメータの設定について >
吐出開始位置Sk-nについては、基板W上において、Y軸方向に揃って配置される場合に限らない。図7は、最も(−Y)方向に設置され、吐出開始位置S1-1に吐出を行うノズル50(50a)を基準として、奇数番目に設置されたノズル50と、偶数番目に設置されたノズル50とで、基板W上に配置される吐出開始位置Sk-nのY軸方向に沿った配列方向を2種類設定した場合である。つまり、各吐出開始位置Sk-nからX軸方向に沿った基板Wの前端部までの距離が、吐出開始位置S1-n,S3-n,S5-n,S7-nのような吐出開始位置Sk-n(k:奇数)の場合と、吐出開始位置S2-n,S4-n,S6-nのような吐出開始位置Sk-n(k:偶数)の場合とで、異なっており、吐出開始位置Sk-n(k:偶数)の場合のほうが距離は長く設定されている。従って、kが奇数の場合と偶数の場合とで吐出開始位置Sk-nは、交互に基板W上に出現する。このとき、吐出液滴間隔Lnおよび吐出数Pn(図7においては図示の都合上、吐出数Pnは8とされているが、実際にはもっと大きな値とされる)は双方に共通の値である。このように、所望される吐出パターンの形によっては、基板W上において、吐出開始位置Sk-nはY軸方向に揃って配置されなくても構わない。上述のように、ヘッド5が備えるノズル50の配列方向は基板Wの搬送方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)に対して角度θで斜めに傾いており、図7中の矢印が示すように、例えば吐出開始位置S1-1,S4-1,S7-1と、対応する各ノズル50と、の距離は、それぞれ異なる。このため、ノズル50と基板Wとの角度関係による位相ずれのほか、図7の例ではkが奇数の場合と偶数の場合とで吐出開始位置Sk-nが、交互に基板W上に出現するため、それによる初期位相のズレも生じる。これらについてはノズル50ごとに吐出開始位置Sk-nを設定することで対応してもよいが、初期位相のズレに規則性があるときには、既述したパラメータ群に、その規則性に関する情報を加えれば、すべてのノズル50に個別にパラメータを設定する必要はなくなる。
既述したように、Y軸方向における吐出開始位置Sk-nやヘッド5に配列された各ノズル50の配置が、図6や図7のように所定の規則性を有しているならば、それを利用してパラメータの数を減少させることも可能である。つまり、各ノズル50に対して吐出開始位置Sk-nの値を個別に設定するのではなく、例えば図6においては、最も(−Y)方向に設置されたノズル50(基準ノズル)の吐出開始位置S1-nに基づく比較値mを最初に設定し、それから、ヘッド5に配列されたノズル50間のX軸方向における距離Dx(=(Dn×sinθ))をリニアエンコーダ44からのパルス発生数に換算した補正値を、基準ノズルの比較値mに加算することで、隣接するノズル50の比較値mを決定することができる。これを繰り返すことで、つまり、X軸方向におけるノズル50間の距離Dx(=(Dn×sinθ))をリニアエンコーダ44からのパルス発生数に換算した補正値を、(+Y)方向に順にノズル50に設定された比較値mに、加算することによって、残余のノズル50に用いられる比較値mの値が規定されても構わない。この場合、吐出開始位置Sk-nは、最も(−Y)方向に設置されたノズル50にのみ設定されていればよい。なお、補正の基礎となる基準ノズルをいずれのノズルとするかは任意である。
また、図7の場合においても、例えば、最も(−Y)方向に設置された吐出開始位置S1-nに対応するノズル50aにのみ吐出開始位置S1-nが設定され、吐出開始位置Sk-nとノズル50との配置の規則性を利用して、ノズル50aに設定された比較値mを基準に、残余のノズル50の比較値mが決定される。つまり、(+Y)方向に向かって奇数番目のノズル50b,50d,50eに設定される吐出開始位置S2-1,S4-1,S6-1に基づく比較値mは、その他の吐出開始位置S3-1,S5-1,S7-1と、吐出開始位置S2-1,S4-1,S6-1と、のX軸方向における距離Knの値を、リニアエンコーダ44からのパルス発生数に換算した補正値と、ノズル50aから各ノズル50までのX軸方向における距離、つまりノズル50間のX軸方向における距離Dx(=(Dn×sinθ))を、ノズル位置に応じて所定数倍(例えば、ノズル50dであれば3倍、ノズル50fであれば5倍、ノズル50aから(+Y)方向に何番目のノズルかを示す値と同値)した値を、リニアエンコーダ44からのパルス発生数に換算した補正値と、をノズル50aに設定された比較値mに加算することで規定できる。また、基準となるノズル50aから(+Y)方向に向かって偶数番目に設定されたノズル50c,50e,50gの吐出開始位置S3-1,S5-1,S7-1に基づく比較値mは、基準となるノズル50aの吐出開始位置S1-1と、吐出開始位置S3-1,S5-1,S7-1とは、Y軸方向に同行に位置するため、吐出開始位置Sk-nのX軸方向における距離の違いについては考慮する必要がない。ノズル50aから各ノズル50までのX軸方向における距離、つまりノズル50間のX軸方向における距離Dx(=(Dn×sinθ))を、ノズル位置に応じて所定数倍(例えば、ノズル50cであれば2倍、ノズル50eであれば4倍、ノズル50aから(+Y)方向に何番目のノズルかを示す値と同値)した値に基づいて、リニアエンコーダ44からのパルス発生数に換算した補正値を、ノズル50aに設定された比較値mに加算することで規定できる。
このように、Y軸方向における吐出開始位置Sk-nの配置やノズル間の距離が規則性を有している場合は、所定のノズル50の吐出開始位置Sk-nに基づく比較値mを基準として、残余のノズル50の吐出開始位置Sk-nに基づく比較値mについては、規則性に基づく所定の変位量を基にして求められた補正値を、基準となる比較値mに加算することで規定できるため、よりデータサイズを小さくすることができる。上述の場合では、最も(−Y)方向に設置されたノズル50aに吐出開始位置Sk-1を設定する形態であったが、これに限らず、ヘッド5を構成するノズル50であれば、どの位置のノズル50を基準として吐出開始位置Sk-nが設定されても構わない。
一般に、各ノズル50のY軸方向の位置や傾き角度θなどの因子に応じて生じるズレ補正は、単位パターンの繰返しという観点から見れば、ノズル50ごとの吐出パターンにおける周期的な繰返し単位パターンの初期位相を、上記の因子に応じて変化させていることに相当する。つまり、吐出パターンにおける周期的な繰返し規則の情報は各ノズル50に共通に設定し、初期位相のズレに関する情報をパラメータ群に追加すれば、各ノズル50について個別に吐出パターンに関するパラメータ群を設定する必要はなくなるのであるが、特に初期位相のズレが規則的であるときには、その規則を表現するパラメータ値の設定で足りるのであって、ノズルごとに初期位相のズレ量を数値で記憶させておく必要もなくなる。
また、吐出液滴間隔Lnおよび吐出数Pnについて各ノズル50に対して個別に設定することも可能である。このように、各ノズル50に対して吐出液滴間隔Lnおよび吐出数Pnが、個別に設定可能であることによって、例えば基板Wに、既述の部分的なひずみが生じている場合であっても、予めそのひずみを検出しておくことで、基板Wの状態に応じた吐出液滴間隔Lnおよび吐出数Pnの設定が可能となる。
また、吐出パターンを、さらにY軸方向に沿って分割するために、ヘッド5に備えられたノズル50のうち、所定のノズル50からのスペーサ液滴の吐出を禁止する設定(以下、「スペーサ液滴吐出禁止設定」と称する)も可能である。この場合、該当するノズル50に設定される吐出開始位置Sk-nの値を、吐出開始位置Sk-nの値に基づく比較値mが、基板Wの後端に相当するタイミング信号のカウント値よりも大きい値になるように設定する。これによって、吐出開始位置Sk-nの値に基づく比較値mと、タイミング信号のカウント値とは、基板W上において一致することはないため、当該ノズル50からスペーサ液滴が吐出されることを禁止することが可能となる。
また、1枚の基板Wから異なるサイズの分割基板(以下、「パネル」と称する。)を多面取りすることも可能である。図8は、1枚の基板Wから5枚のパネルを取り出す様子を示しており、理解を容易にするためパネルを点線で示した。5枚のパネルはさらにサイズによって3種類に分かれており、最も大きいサイズであるパネルA、最も小さいサイズであるパネルB、そしてパネルAとパネルBとの中間のサイズであるパネルCが形成されている。パネルAについては、吐出開始位置Sk-1より吐出が開始され、Y軸方向に沿って1枚が形成されている。パネルBは吐出開始位置Sk-2より、パネルCは吐出開始位置Sk-3よりスペーサ液の吐出が開始され、それぞれY軸方向に沿って2枚が形成されている。このように、予め異なるサイズのパネルを多面取りするためには、取り出したいパネルの枚数および形状に応じた、ノズル50ごとに複数設定された吐出開始位置Sk-nの値のそれぞれに対して吐出数Pnを設定することで実現可能である。パネルAの吐出開始位置S4-1の吐出を行うノズル50については、パネルAの吐出後は、既述したスペーサ液滴吐出禁止設定(パネルAの形成後、設定される吐出開始位置S4-2の値に基づく比較値mについて、基板Wの後端に相当するタイミング信号のカウント値よりも大きい値に設定)にすることで、当該ノズル50からのスペーサ液滴の吐出が禁止される。このため、Y軸方向に沿って予め複数のパネル形成が可能となり、異なるサイズの分割基板について、当該パネル領域内にのみスペーサ液滴を吐出すればよいため、スペーサ液の使用量を削減できる。
また、吐出液滴間隔Lnについては、それぞれのパネルに対応するノズル50毎に異なる値に変更して設定することも可能である。吐出液滴間隔LnはX軸方向におけるパネルの解像度に影響する。このため、例えば、あるパネルについては、ノズル50を1つ飛ばしで吐出させるとともに、吐出液滴間隔Lnの値については、1つ飛ばしで吐出が行われるノズル50間のY軸方向における距離(2×Dy)と同等の値に設定することによって、パネルの解像度を下げることができるため、所定のパネルについて解像度の設定を変更することが可能である。
また、スペーサ液をヘッド5より吐出する場合、初めのうちはノズル50の吐出口に付着して乾燥したスペーサ液の影響等により、適切にスペーサ液の吐出が行われない場合がある。このため、事前にノズル50より吐出動作を行い(以下、「スピッティング」と称する。)、ノズル50からスペーサ液が最適に吐出される状態になってから、吐出パターンを形成するためのスペーサ液滴の吐出を行うことが望ましい。吐出液滴間隔Ln、吐出数Pnを個別に設定することが可能であれば、これらのパラメータを非常に小さい値に設定することで、吐出開始位置Sk-0、吐出液滴間隔Ln-0、吐出数Pn-0を規定し、基板Wの進行方向前側の使用領域外において、スピッティングを吐出数Pn-0回行うことが可能となる。このように、個別に吐出液滴間隔Ln、吐出数Pnを設定することによって、スピッティングの実施が可能となり、安定した状態でノズル50よりスペーサ液滴の吐出を行うことができる。
また、上述の場合においては、比較値mとタイミング信号のカウント値とが一致する場合に行われる吐出動作は1回のみであったが、これに限られるものではない。制御部10において、吐出開始位置Sk-n、吐出液滴間隔Ln、吐出数Pnのみならず、連続吐出回数Rnを新たにパラメータとして設定し、吐出動作を連続して行わせることも可能である。連続吐出回数Rnを設定することによって、比較値m(比較値に吐出間隔基準値Ipを加算した値も含む)とタイミング信号のカウント値とが一致した場合に、基板W上の同位置にRn回連続して吐出動作が行われる。一回の吐出動作でノズル50より吐出されるスペーサ液量には制限があるため、同位置に複数回連続して吐出動作を行うことにより、基板W上に吐出されるスペーサ液量を状況に応じて調節することが可能である。
このように、吐出液滴間隔Lnおよび吐出数Pnの個別設定、連続吐出回数Rnの設定等を行うことによって、吐出パターンを特定するためのデータサイズは、これらの値を設定しない場合と比較して大容量になるが、従来のビットマップデータと比較すると格段に小さいデータサイズに抑えることができる。
<4. 変形例 >
上述の処理の流れにおいて、吐出パターンの開始位置である吐出開始位置Sk-n、を設定し、吐出開始位置Sk-nから出現するスペーサ液滴の繰り返し規則を、吐出液滴間隔Lnと吐出数Pnとを予め設定することで規定していたが、これに限られるものではない。例えば、吐出パターンの開始位置である吐出開始位置Sk-nを設定し、吐出開始位置Sk-nから出現するスペーサ液滴の繰り返し規則を、吐出終了位置Sk-neの値と単位距離あたりの液滴数fとを設定することによって規定する形態であっても構わない。この場合、基板W上における吐出開始位置Sk-nと吐出終了位置Sk-neとの位置が決定すると、その間の距離と、単位距離ごとに出現する液滴数fの値とを踏まえて、均等にノズル50よりスペーサ液滴の吐出が行われる。このように、基板W上でスペーサ液滴が出現する開始位置と、開始位置から出現するスペーサ液滴の繰り返し規則を表すパラメータを用いる形態であれば、パラメータをどのように設定しても構わない。
ヘッド5ごとの液滴の吐出パターンが異なるような場合にも対応可能とする場合には、既述したパラメータ群を、複数のノズルのそれぞれについて個別に設定可能とされていてもかまわない。
また、上述の装置構成においては、ヘッド5に配列されたノズル50の配列方向と、基板Wの搬送方向とは、所定の角度θをもって斜めになっていたが、このような形態に限られない。ヘッド5に配列されたノズル50の配列方向と、基板Wの搬送方向とが、直交して配置される形態であっても構わない。この場合、吐出開始位置Sk-nをY軸方向に沿って揃えるのであれば、比較値mは各ノズル50で同じ値になるため、各ノズル50に対して吐出開始位置および比較値mを設定する必要がなく、データサイズをより小さくすることが可能となる。
また、上述の装置構成においては、ヘッド5はX軸方向に沿って移動する機構を有してはいないが、X軸方向に沿って移動することが可能であっても構わない。この場合、ヘッド5を備えて移動する機構においても、リニアガイド42、リニアモータ43、リニアエンコーダ44などのヘッド5の移動距離を検出可能な装置を備える必要があり、基板Wおよびヘッド5の移動距離に応じて、ノズル50と吐出開始位置Sk-nとの距離を検出する。
また、上述の装置構成においては、タイミング信号を発生するためにリニアエンコーダ44が用いられ、所定の距離を移動するたびにタイミング信号が出力されていたが、このような形態に限られない。例えば、レーザ測長器やロータリーエンコーダなどを利用して、基板の移動距離を検出してタイミング信号を出力する形態であっても構わない。
1 液滴ジェット装置
3 エア浮上ステージ
4 搬送チャック
5 ヘッド
10 制御部
44 リニアエンコーダ
50 ノズル
500 吐出駆動部
Sk-n 吐出開始位置
Ln 吐出液滴間隔
Pn 吐出数
W 基板

Claims (8)

  1. 所定の基板上に液滴を吐出して、単位パターンの周期的な繰返しから構成される吐出パターンを前記基板上に形成する液滴ジェット装置であって、
    液滴を吐出する複数のノズルが配列されたヘッドと、
    前記複数のノズルから選択的に液滴を吐出させる吐出駆動部と、
    前記ヘッドと前記基板とを所定の移動方向に相対的に移動させる移動手段と、
    前記移動手段による前記ヘッドと前記基板との相対的移動量を検出し、前記相対的移動量を表現するタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段と、
    前記移動方向に関して、前記基板上における前記吐出パターンの開始位置と前記単位パターンの繰返し規則とを特定するパラメータ群を設定する制御部と、を備え、
    前記吐出駆動部が、前記パラメータ群から得られる吐出タイミング指示値と前記タイミング信号との比較結果に基づいて、前記複数のノズルから前記基板上に選択的に液滴を吐出させることを特徴とする液滴ジェット装置。
  2. 請求項1に記載の液滴ジェット装置であって、
    前記パラメータ群が、
    1) 前記移動方向に関して前記吐出パターンの開始位置を表現する第1設定値と、
    2) 前記移動方向に関して前記単位パターンの繰返し周期を表現する第2設定値と、
    3) 前記移動方向に関して前記単位パターンの繰返し回数を表現する第3設定値と、
    を含んで構成されることを特徴とする液滴ジェット装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液滴ジェット装置であって、
    前記第1設定値として、前記移動方向について複数の値を設定可能であり、
    前記移動方向について、前記基板上に前記吐出パターンが繰り返して形成されることを特徴とする液滴ジェット装置。
  4. 請求項3に記載の液滴ジェット装置であって、
    複数の前記第1設定値のそれぞれに対して前記第3設定値が設定されることを特徴とする液滴ジェット装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の液滴ジェット装置であって、
    前記ヘッドにおける前記複数のノズルの配列方向が、前記ヘッドの前記移動方向に対して所定の角度をなして傾いており、
    前記複数のノズルのうち所定の基準ノズルについての前記第1設定値に対して、前記角度に応じた補正を行うことによって、残余のノズルについての前記吐出タイミング指示値が決定されることを特徴とする液滴ジェット装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液滴ジェット装置であって、
    前記パラメータ群は、前記複数のノズルのそれぞれについて個別に設定可能であることを特徴とする液滴ジェット装置。
  7. 請求項2に記載の液滴ジェット装置であって、
    前記パラメータ群は、
    4) 同じ位置に各ノズルより液滴を連続して吐出する連続吐出回数を表現する第4設定値、
    をさらに含むことを特徴とする液滴ジェット装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の液滴ジェット装置であって、
    前記吐出タイミング指示値として、前記基板の後端に相当する前記タイミング信号のカウント値よりも大きい値が設定されたノズルについては、前記基板上への液滴の吐出が禁止されることを特徴とする液滴ジェット装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017109180A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 東レエンジニアリング株式会社 塗布器洗浄装置及び塗布装置

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