JP2011072733A - 気道拡張装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の適用対象者を制限することなく、睡眠自体を妨げずに気道への舌根の落ち込みを防止して気道を確保すること。
【解決手段】本発明の気道拡張装置1は、顔の左右両側にそれぞれ設けられ、側頭骨部を覆う皮膚に密着する一対の側頭骨側固定部2と、顔の左右両側にそれぞれ設けられ、下顎骨部を覆う皮膚に密着する一対の下顎骨側可動部3と、前記下顎骨部が前記側頭骨部から離間するように前記側頭骨側固定部2から前記下顎骨側可動部3を引き離し可能な引き離し機構4と、を備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、気道を確保する気道拡張装置に関する。
近年、睡眠時に10秒以上の呼吸停止を複数回繰り返す睡眠時無呼吸症候群やその前駆症状である鼾が問題となっている。この睡眠時無呼吸症候群や鼾は、ノンレム睡眠中の深度が深い第三段階及び第四段階の睡眠中に、喉の気道の前壁や舌根が沈下することで気道が狭くなり、又は閉塞するために生じるものである。無呼吸状態では胸腔内圧が強い陰圧となるため、胸腔に血液が貯留し、睡眠時無呼吸症候群は起床時高血圧や心疾患の原因となる。又、睡眠時無呼吸症候群では、深度の深い段階での睡眠が妨げられるため、日中に眠気を感じて交通事故等を引き起こす原因ともなる。
このような睡眠時無呼吸症候群の治療用機器には、気道が閉塞して無呼吸状態に陥ったことを検知して、圧力を加えて鼻から空気を送り込むことにより気道の閉塞を防止するCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)治療器がある。しかしながら、CPAP治療器は、高気密にシールされたマスクにより口や鼻を覆う必要があると共に、マスクには空気を送るためのホースが接続される。そのため、マスクの装着時には違和感が生じ、しばしば快適な睡眠が妨げられるという問題がある。
睡眠時無呼吸症候群は、仰向け姿勢の場合に、舌根が沈下して気道が狭くなることで生じやすい。喉近傍の気道は、筋肉、脂肪などで形成される組織に囲まれており、舌を含む気道の前面側組織は下顎骨に付着し、後面側組織は頚椎骨を介して頭蓋骨に付着している。そのため、仰向け姿勢で寝た場合に、頭蓋骨に対して下顎骨を顔の前方に移動させると、気道への舌根の沈下を防ぐことができ、気道を拡張することができる。
従来、気道への舌根の落ち込みを抑えることによって、睡眠時無呼吸症候群や鼾の発生を防止する防止具が知られている(特許文献1参照)。この防止具は、左右両側の下顎部に当接する下顎当接具と、鼻を覆うように設けられた留め具とを備え、下顎当接具の両端に接続されたベルトを留め具を介して後頭部側に回すことにより、下顎当接具を介して下顎部が頭頂部側に牽引されている状態を維持しようとするものである。
また、マウスピース(スリープスプリント)を口腔内に装着し、下顎骨に生える下歯を頭蓋骨に生える上歯側に引き寄せることにより、下顎骨を顔面方向に移動させる気道確保用具もある(特許文献2参照)。
特開2003−093423号公報 特開2003−290358号公報
ところで、顎関節は、図5(a)に示すように、下顎骨の最上部を形成する下顎頭と、頭蓋骨を形成する側頭骨の下方であって下顎頭を収容する下顎窩(窪み)とから構成される。口を開けた状態では、下顎頭が下顎窩から前下方に抜け出し、下顎窩の前壁となる関節隆起の直下に位置(図5(b)に示す点線位置)する一方、口を閉じた状態では、下顎頭は下顎窩に収容される(図5(b)に示す実線位置)。したがって、口を閉じた状態で、下顎骨を顔面前方側に牽引すると、下顎頭が関節隆起に当接し、下顎頭の前方へのそれ以上の移動が妨げられるため下顎骨が大きく移動することがない。
しかしながら、特許文献1記載の防止具において、下顎当接具による下顎骨の頭頂部側への牽引動作は、下顎骨を前方に移動させるように作用すると共に口を閉じるようにも作用するため、下顎骨が下顎窩に収容された状態で下顎骨を前方へ牽引することとなる。したがって、特許文献1記載の防止具では、下顎の前方への移動が制限され、気道への舌根の落ち込みを十分に防止することができないという問題があった。また、下顎当接具を介して下顎骨を確実に牽引するためには、留め具に対するベルトの締め付けを強くする必要があるため、留め具が鼻を圧迫して睡眠自体が妨げられる恐れがあった。
また、特許文献2記載の気道確保用具においては、口腔内に装着した場合に強い違和感が生じるため、上記同様に快適な睡眠自体が妨げられる恐れがある。また、この気道確保用具は、歯に対する負荷が大きいため、歯の数の少ない高齢者、小下顎症の人、義歯を使用する人等には適用することが困難であり、適用対象者が制限されてしまうという問題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、装置の適用対象者を制限することなく、睡眠自体を妨げずに気道への舌根の落ち込みを防止して気道を確保することができる気道拡張装置を提供することを目的とする。
本発明の気道拡張装置は、顔の左右両側にそれぞれ設けられ、側頭骨を覆う皮膚に密着する一対の側頭骨側固定部と、顔の左右両側にそれぞれ設けられ、下顎骨を覆う皮膚に密着する一対の下顎骨側可動部と、前記下顎骨が前記側頭骨から離間するように前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部を引き離し可能な引き離し機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、下顎骨が側頭骨から離間するように側頭骨側固定部から下顎骨側可動部を引き離すので、下顎頭が側頭骨に形成された下顎窩から抜け出して下顎骨が前下方向に移動する。したがって、従来のように留め具により鼻を覆うことなく、また睡眠自体を妨げることなく、気道を拡張することができる。また、口腔内に気道確保用具を装着する必要がないので、従来のように装置の適用対象者を制限することも無い。
上記気道拡張装置において、前記下顎骨側可動部は、粘着性を有する樹脂材料からなり前記皮膚に密着する密着面部を有することが好ましい。さらに、前記側頭骨側固定部を、粘着性を有する樹脂材料からなり前記皮膚に密着する密着面部を有することが好ましい。
この構成によれば、前記側頭骨側固定部は粘着性を有する樹脂材料により皮膚に粘着するので、引き離し機構により引き離し動作が行われた場合に、前記側頭骨側固定部の密着面部は皮膚に密着した状態を確実に維持する。また、前記下顎骨側可動部も粘着性を有する樹脂材料により皮膚に粘着するので、前記下顎骨側可動部の密着面部も皮膚に密着した状態を確実に維持する。したがって、前記下顎骨側可動部の密着面部は下顎骨を覆う皮膚を前下方向へ確実に押し出し、これに伴って、下顎骨は前下方向に確実に移動することができる。
上記気道拡張装置において、前記引き離し機構が、前記側頭骨側固定部と前記下顎骨側可動部との間に設けられた弾性部材からなり、当該弾性部材が付勢する弾性力を利用して、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部が引き離されるようになっていることが好ましい。
この構成によれば、前記側頭骨側固定部と前記下顎骨側可動部との間に設けられた弾性部材の弾性力を利用するので、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部を引き離すことができる。なお、この場合において、弾性部材を補強する補強部材を設けることが好ましい。
上記気道拡張装置において、前記引き離し機構が、前記側頭骨側固定部と前記下顎骨側可動部の少なくともいずれか一方に設けられた磁性体からなり、当該磁性体の磁力を利用して、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部が引き離されるようになっていることが好ましい。
この構成によれば、前記側頭骨側固定部と前記下顎骨側可動部の少なくともいずれか一方に設けられた磁性体の磁力を利用するので、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部を引き離すことができる。
上記気道拡張装置において、前記引き離し機構は、ラックピニオン機構及び当該ラックピニオン機構を駆動させるモータからなり、前記側頭骨側固定部及び前記下顎骨側可動部のいずれか一方に設けられた取付面にラックが固定され、当該取付面が設けられない他方に前記ラックがピニオンの移動方向に移動可能に保持され、前記モータの駆動により、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部が引き離されるような構成も可能である。
上記気道拡張装置において、臥位時における体位を検知する体位検知センサを備え、当該体位検知センサが仰臥位を検知した場合には、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部を引き離すように前記引き離し機構を制御し、前記体位検知センサが側臥位を検知した場合には、前記側頭骨側固定部に前記下顎骨側可動部を引き戻すように前記引き離し機構を制御することが好ましい。
この構成によれば、舌根が気道に落ち込む仰臥位時には、側頭骨側固定部から下顎骨側可動部を引き離して気道を確保することができると共に、舌根により気道が閉塞されない側臥位時には側頭骨側固定部に下顎骨側可動部を引き戻すので睡眠を妨げることがない。
本発明によれば、装置の適用対象者を制限することなく、睡眠自体を妨げずに仰向き姿勢における気道への舌根の落ち込みを防止して気道を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る気道拡張装置の外観斜視図である。 本実施の形態に係る気道拡張装置を装着した状態を示す模式図であり、(a)は正面図であり、(b)は、左側から見た側面図である。 本実施の形態に係る気道拡張装置の固定部及び可動部近傍を示す模式図である。 本実施の形態に係る気道拡張装置の引き離し機構を示す模式図である。 顎関節を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る気道拡張装置の引き離し機構を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係る気道拡張装置の引き離し機構を示す模式図である。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る気道拡張装置について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る気道拡張装置の外観斜視図である。図2は、本実施の形態に係る気道拡張装置を装着した状態を示す模式図である。図3は、本実施の形態に係る気道拡張装置の固定部及び可動部近傍を示す模式図である。
図1から図3に示すように、気道拡張装置1は、側頭骨を覆う皮膚に密着する左右一対の側頭骨側固定部(以下、固定部という)2と、下顎骨を覆う皮膚に密着する左右一対の下顎骨側可動部(以下、可動部という)3と、固定部2から可動部3を所定方向に引き離し可能な左右一対の引き離し機構4と、を備えている。本実施の形態に係る気道拡張装置1は、引き離し機構4により固定部2から可動部3を所定方向に引き離すことにより、舌根の落ち込みを防止して気道を拡張するものである。
固定部2は、引き離し機構4による引き離し動作の際に固定側として機能するものであり、側頭骨の関節隆起の上部近傍を覆う皮膚に密着固定する主固定部21と、側頭骨の後端部を覆う皮膚に密着固定する補助固定部22と、主固定部21及び補助固定部22とを連結する耳掛け部5と、を有している。
主固定部21は、皮膚に貼付けられる密着面を有する密着面部23と、密着面部23を保持する板状の保持部材24と、から構成され、密着面部23の密着面は、皮膚に密着する程度の粘着性を有する樹脂材料(例えば、粘着性シリコン樹脂)で形成されている。したがって、密着面部23は、後述する引き離し機構4による引き離し動作の際に、皮膚に密着した状態を確実に維持する。
保持部材24は、所定の強度を有する材料で形成されており、例えば、金属(アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム等)または炭素繊維等で形成されている。保持部材24の密着面部23を保持する面の反対側面には、引き離し機構4の固定側保持部41及び耳掛け部5の一端部が取り付けられ、上端部には、左右の主固定部21,21同士を結ぶ固定用ベルト7が接続されている。固定用ベルト7は、固定部2を補助的に固定するためのベルトであり、頭頂部の輪郭に沿って架け渡される第1ベルト71と、第1ベルト71から前方側に延設して額の輪郭に沿って架け渡される第2ベルト72と、第1ベルト71から後方側に延設して後頭部の輪郭に沿って架け渡される第3ベルト73と、から構成されている。第1、第2及び第3ベルト71,72,73の開放端部側には、マジックテープ(登録商標)、フック等の調整手段72a(図3において第2及び第3ベルト72,73の調整手段は不図示)が設けられ、頭部の形状及び大きさに合わせて調整可能に構成されている。
補助固定部22は、主固定部21と同様に、皮膚に貼付けられる密着面を有する密着面部26と、密着面部26を保持する板状の保持部材27と、から構成されている。密着面部26の密着面は、引き離し動作の際に、確実に皮膚への密着が維持される程度の粘着性を有する樹脂材料(例えば、粘着性シリコン樹脂)で形成されている。保持部材27は、所定の強度を有する材料で形成されており、例えば、金属(アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム等)または炭素繊維等で形成されている。密着面部26を保持する面の反対側面には耳掛け部5の他端部が取り付けられている。
耳掛け部5は、複数のリンク状部材を連結して構成されており、一端部が主固定部21の保持部材24に取り付けられ、他端部が補助固定部22の保持部材27に取り付けられている。耳掛け部5が耳の形状に倣うように装着された状態で、主固定部21及び補助固定部22が密着固定される。
可動部3は、引き離し機構4による引き離し動作の際に可動側として機能するものであり、下顎骨を覆う皮膚に貼付けられる密着面部31と、密着面部31を保持する板状の保持部材32と、を有している。可動部3の密着面部31の密着面は下顎骨を覆う皮膚に密着して、引き離し動作の際には、当該皮膚を引っ張りながら下顎骨を側頭骨側から引き離すように機能するため、可動部3の密着面部31及び密着面部31を保持する板状の保持部材32は、主固定部21の密着面部23及び保持部材24に比べて、皮膚への密着面積が大きくなるように構成されていることが好ましい。
密着面部31の密着面は、主固定部21の密着面部23の密着面と同様に、引き離し動作の際に、皮膚に確実に密着する程度の粘着性を有する樹脂材料(例えば、粘着性シリコン樹脂)で形成されている。また、保持部材32も、主固定部21の保持部材24と同様に、所定の強度を有する材料で形成されており、例えば、金属(アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウム等)または炭素繊維等で形成されている。保持部材32の密着面部31を保持する面の反対側面には、引き離し機構4の可動側保持部42が取り付けられている。
また、保持部材32の下端部には、可動部3の保持部材32,32同士を結ぶ、左右一対の固定用ベルト8が接続されている。固定用ベルト8は、可動部3を適度な強さで皮膚を介して下顎骨に押し付けるためのベルトであり、ベルト8の開放端部側には、マジックテープ(登録商標)、フック等の調整手段8aが設けられ、顎の形状及び大きさに合わせて調整可能に構成されている(図2(a))。
図4に示すように、引き離し機構4は、前記下顎骨が前記側頭骨から離間するように固定部2から可動部3を引き離すものであり、主固定部21の保持部材24に取り付けられた固定側保持部41と、可動部3の保持部材32に取り付けられた可動側保持部42と、一端が固定側保持部41に固定され他端が可動側保持部42に当接する弾性部材43と、を有している。固定側保持部41は、概略箱状に形成されており、内部に弾性部材43の一端部を係止する係止部材44が固定されている。弾性部材43は、例えばバネ等で構成される。可動側保持部42は、概略箱状に形成されており、固定側保持部材41と対向する側に弾性部材43が当接する当接面42aを有している。固定部2に係止された弾性部材43が可動部3の可動側保持部材42の当接面42aに当接すると弾性力により当接面42aが付勢され、固定部2から可動部3が引き離されるように構成されている。これにより、図5(b)に示すように、下顎骨が側頭骨から離間するように側頭骨側固定部から下顎骨側可動部が引き離され、これに伴って、下顎頭が側頭骨に形成された下顎窩から抜け出して前下方向に移動して、気道が拡張されることとなる。
次に、気道拡張装置1の装着方法及び作用について説明する。
まず、可動部3の引き離し方向が下顎頭が下顎窩から抜け出す方向となるように、主固定部21の密着面部23を側頭骨を覆う皮膚に密着固定し、耳掛け部5を架け渡して補助固定部22の密着面部26を側頭骨の後端部を覆う皮膚に密着固定する。両固定部21,22がこの状態を維持した状態で、第1ベルト71、第2ベルト72及び第3ベルト73を装着する。次に、固定側保持部41に係止された弾性部材43に対して可動側保持部42の当接面42aを押し込んで弾性部材43を収縮した状態にしたうえで、可動部3の密着面部31を下顎骨を覆う皮膚に密着固定し、更に、可動部3が適当な強さで下顎に押し付けられるように、ベルト8を下顎に装着する。
このように気道拡張装置1を装着した後、下顎頭が下顎窩から抜け出す方向に可動側保持部42の当接面42aが移動するように、弾性部材43により弾性力を付勢して、下顎骨部を覆う皮膚を介して下顎骨を前下方向へ移動させる。これにより、下顎頭が側頭骨に形成された下顎窩から抜け出して下顎骨が前下方向に移動し、気道が拡張する。
本実施の形態によれば、引き離し機構4が、下顎骨が側頭骨から離間するように側頭骨側固定部2から下顎骨側可動部3を引き離すので、下顎頭が側頭骨に形成された下顎窩から抜け出して、下顎骨が前下方向に移動する。そのため、従来のように留め具により鼻を覆うことなく、また睡眠自体を妨げることなく、気道を拡張することができる。また、口腔内に気道確保用具を装着する必要がないので、従来のように装置の適用対象者を制限することも無い。
上述したように、睡眠時無呼吸症候群や鼾は、ノンレム睡眠中の睡眠深度が深い時点で起こりやすく、喉の気道の前壁や舌根が沈下して気道を狭くしたり、閉塞することによって生じるものである。睡眠時無呼吸症候群等が生じると深度が深い睡眠が妨げられて、深度の浅い睡眠のみとなり、睡眠時間をいくら長く取っても十分な睡眠を得ることができず、脳を休めることができないことになる。また、ノンレム睡眠中の深度が深い睡眠中には、脳内の下垂体前葉から一日に必要なヒト成長ホルモンが分泌されている。このヒト成長ホルモンは、筋肉や骨の成長や維持、胃腸や肌の修復を促すのに重要であり、ノンレム睡眠中に深度の深い睡眠が妨げられた場合には、該ホルモンの分泌が障害され、筋肉等の疲労も回復しない。したがって、本実施の形態に係る気道拡張装置1は、睡眠時無呼吸症候群症を患っている人のスムーズな呼吸を可能にする点で効果が大きいことは言うまでもなく、深度の深いノンレム睡眠の比率を増加させるために、健康維持の点でも非常に効果が大きい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態に係る気道拡張装置1は、上述した第1の実施の形態に係る気道拡張装置1と比べて、引き離し機構4の構成及び体位を検知する体位検知センサを備えている点が相違している。したがって、特に相違点についてのみ説明し、同一の構成については同一の符号を用い、繰り返しの説明を省略する。
図6は、第2の実施の形態に係る気道拡張装置を示す模式図である。引き離し機構9は、主固定部21の保持部材24に取り付けられた円筒電磁石91と、結合部材90により可動部3の保持部材32に取り付けられ、円筒電磁石91を乗り越えて円筒電磁石91を囲むように配置されている非磁性体枠92と、可動部3とは反対の端において非磁性体枠92に取り付けられ、円筒電磁石91の中心軸孔内93に移動可能に挿入される鉄心94とを備えている。また、本実施の形態に係る気道拡張装置は、臥位時における体位を検知する体位検知センサ95と、体位検知センサ95の検知結果に基づいて円筒電磁石91への通電をオン/オフするスイッチ96と、を備えている。この気道拡張装置では、体位検知センサ95が検知した体位に基づいて、引き離し機構9が引き離し動作を制御するように構成されている。
体位検知センサ95は、例えば、圧力検知センサで構成され、使用者の背中に貼付される。使用者が睡眠中に寝返りを打って、仰臥位となった場合には、体位検知センサ95は背中と寝具との間で圧迫され、これを検知して円筒電磁石91への通電をオン/オフするスイッチ96をオンにする。円筒電磁石91に通電すると円筒電磁石91からは磁力線が発生し、鉄心94は円筒電磁石91の中心軸孔内93に引力が働き移動する。これに伴って、鉄心94を結合する非磁性体枠92も同方向に移動し、さらに、非磁性体枠92を取り付けている可動部3の保持部材32も同方向に移動する(図6(b))。その結果、下顎骨を覆う皮膚を介して下顎骨が前下方向へ移動するので、下顎頭が側頭骨に形成された下顎窩から抜け出して下顎骨が前下方向に移動し、気道が拡張する。一方、気道拡張装置を装着しての睡眠中に、使用者が仰臥位から側臥位に体位を変換すると、体位検知センサ95がこれを検知して、スイッチ96がオフとなり、円筒電磁石91への通電が停止される。したがって、主固定部21の保持部材24と可動部3の保持部材32との間に生じていた、互いを引き離そうとする力が消失するので、可動部3が固定部2側に引き戻される(図6(a))。
本実施の形態によれば、舌根が気道に落ち込む仰臥位時には、固定部2から可動部3を引き離して適切に気道を確保することができると共に、舌根により気道が閉塞されない側臥位時には固定部2に可動部3を引き戻すので睡眠を妨げることがない。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本発明の第3の実施の形態に係る気道拡張装置1は、上述した実施の形態に係る気道拡張装置1と比べて、引き離し機構の構成のみが相違している。したがって、特に相違点についてのみ説明し、同一の構成については同一の符号を用い、繰り返しの説明を省略する。
図7は、第3の実施の形態に係る気道拡張装置を示す模式図である。引き離し機構15は、ギヤ歯を有するピニオン97と、可動部3の保持部材32に取り付けられたラック歯を有するラック98と、ピニオン97を回転させるための駆動源としてモータ99と、から構成されている。また、本実施の形態に係る気道拡張装置は、体位検知センサ95及びモータ99を駆動制御する駆動制御部100を備えている。本実施の形態に係る気道拡張装置では、体位検知センサ95の検知した体位により、モータ99の駆動(正逆回転)が駆動制御され、引き離し機構15が引き離し動作が制御されるように構成されている。
保持部材32のラック98と対向する面がラック98の取付面となっており、この取付面にラック98の一端部が固定されている。一方、取付面が設けられない主固定部21の保持部材24は、ラック98を、ピニオン97の移動方向に移動可能に保持している。ラック98の他端部では、ラック98のラック歯がピニオン97のギヤ歯とかみ合っている。
体位検知センサ95が仰臥位を検知すると、駆動制御部100がモータ99を駆動制御し、モータ99が回転駆動する。これによりピニオン97が回転してラック98が可動部3を固定部2から引き離す方向に移動する(図7(b))。これに伴って、下顎骨を覆う皮膚を介して下顎骨は前下方向へ移動するので、下顎頭は側頭骨に形成された下顎窩から抜け出して下顎骨が前下方向に移動し、気道が拡張する。一方、体位検知センサ95が側臥位を検知すると、駆動制御部100はモータ99を駆動制御し、モータ99が逆方向に回転駆動する。これによりピニオン97が逆回転してラック98が可動部3を固定部2に引き戻す方向に移動する(図7(a))。
本実施の形態によれば、舌根が気道に落ち込む仰臥位時には、固定部2から可動部3を引き離して適切に気道を確保することができると共に、舌根により気道が閉塞されない側臥位時には固定部2に可動部3を引き戻すので睡眠を妨げることがない。
なお、上記実施の形態では、側頭骨側を固定部2とし、下顎骨側を可動部3とする構成としたが、この構成に限定されるものではなく、固定部2から可動部3を相対的に引き離すものであれば、下顎骨側を固定部2とし、側頭骨側を可動部3とする構成も可能である。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態にいて、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明は、睡眠時無呼吸症候群症の治療を医療分野及び日常生活における健康維持に有用である。
1 気道拡張装置
2 固定部(側頭骨側固定部)
3 可動部(下顎骨側可動部)
4、9、15 引き離し機構
21 主固定部
22 補助固定部
23、26、31 密着面部
24、32 保持部材
41 固定側保持部
42 可動側保持部
42a 当接面
43 弾性部材
44 係止部材
91 円筒電磁石
92 非磁性体枠
93 中心軸孔内
94 鉄心
95 体位検知センサ
96 スイッチ
97 ピニオン
98 ラック
99 モータ
100 駆動制御部

Claims (6)

  1. 顔の左右両側にそれぞれ設けられ、側頭骨を覆う皮膚に密着する一対の側頭骨側固定部と、
    顔の左右両側にそれぞれ設けられ、下顎骨を覆う皮膚に密着する一対の下顎骨側可動部と、
    前記下顎骨が前記側頭骨から離間するように前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部を引き離し可能な引き離し機構と、を備えたことを特徴とする気道拡張装置。
  2. 前記下顎骨側可動部は、粘着性を有する樹脂材料からなり前記皮膚に密着する密着面部を有することを特徴とする請求項1に記載の気道拡張装置。
  3. 前記引き離し機構は、前記側頭骨側固定部と前記下顎骨側可動部との間に設けられた弾性部材からなり、当該弾性部材が付勢する弾性力を利用して、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部が引き離されるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気道拡張装置。
  4. 前記引き離し機構は、前記側頭骨側固定部と前記下顎骨側可動部の少なくともいずれか一方に設けられた磁性体からなり、当該磁性体の磁力を利用して、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部が引き離されるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気道拡張装置。
  5. 前記引き離し機構は、ラックピニオン機構及び当該ラックピニオン機構を駆動させるモータからなり、前記側頭骨側固定部及び前記下顎骨側可動部のいずれか一方に設けられた取付面にラックが固定され、当該取付面が設けられない他方に前記ラックがピニオンの移動方向に移動可能に保持され、前記モータの駆動により、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部が引き離されるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気道拡張装置。
  6. 臥位時における体位を検知する体位検知センサを備え、当該体位検知センサが仰臥位を検知した場合には、前記側頭骨側固定部から前記下顎骨側可動部を引き離すように前記引き離し機構を制御し、前記体位検知センサが側臥位を検知した場合には、前記側頭骨側固定部に前記下顎骨側可動部を引き戻すように前記引き離し機構を制御することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5のいずれかに記載の気道拡張装置。
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