以下、この発明の幾つかの実施形態を、図を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、この発明の電話システムをボタン電話システムに適用した場合である。図1は、この発明の実施形態が適用されたボタン電話システムのシステム構成例を示す図である。
<実施形態のボタン電話システムの概要>
この図1の例のボタン電話システムは、交換制御装置の例としての主装置1と、複数台の電話端末、図1の例では2台の内線電話端末2A、2Bとからなり、IP(Internet Protocol)電話システムの場合の例としている。なお、交換制御装置は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバにより構成されると共に、このSIPサーバを、後述するような制御機能を備えるように構成しても勿論よい。
この図1の例は、2階建ての家屋内に、家庭用のボタン電話システムが設置された場合の例である。この例では、主装置1は、1階に設置されており、また、内線電話端末2Aは1階に、内線電話端末2Bは2階に、それぞれ設置されている。
主装置1は、電話回線Lを介して、この例では、IP電話網3に接続されている。ここで、主装置1に収容される電話回線は、1回線であっても良いし、複数回線であってもよい。
主装置1と、内線電話端末2Aおよび2Bのそれぞれとは、この例では、LAN(Local Area Network)(図示は省略)を通じて接続されている。この場合に、主装置1と、内線電話端末2Aおよび2Bのそれぞれとを接続するLANは、ケーブルを用いた有線LANであっても良いし、無線LANであってもよい。以下の説明では、有線LANの場合としている。
そして、後述するように、この実施形態の内線電話端末2A,2Bは、それぞれ、赤外線により電気機器をリモコン制御するためのリモコン送信部を備えている。この例では、1階の所定位置に設置されている内線電話端末2Aは、その設置位置において1階のテレビ受信機4Aおよびエアコン5Aをリモコン制御可能とされている。また、2階の所定位置に設置されている内線電話端末2Bは、その設置位置において2階のテレビ受信機4Bおよびエアコン5Bをリモコン制御可能とされている。
テレビ受信機4A,4Bおよびエアコン5A,5B用のリモコン制御コードは、この例では、予め主装置1に全て記憶しておく。この場合に、主装置1には、工場出荷時に、全ての電気機器のリモコン制御コードを記憶させておくことは困難であるので、この例では、ボタン電話システムが設置された状況において、各内線電話端末がリモコン制御する被リモコン制御機器を特定し、その特定された被リモコン制御機器のリモコン制御コードのみを主装置1に記憶するようにする。
例えば、ボタン電話システムの設置時に、インターネットを通じて必要な被リモコン制御機器用のリモコン制御コードをダウンロードするなどして取得し、その取得したリモコン制御コードを、それぞれの被リモコン制御機器に対応付けて、主装置1の記憶部に記憶しておくようにする。
また、後の時点で被リモコン制御機器が追加された場合にも、インターネットを通じて当該追加された被リモコン制御機器用のリモコン制御コードをダウンロードして取得し、その取得したリモコン制御コードを、その被リモコン制御機器の識別情報に対応付けて、主装置1の記憶部に記憶するようにする。
このように、この実施形態では、内線電話端末2A,2Bは、それぞれ複数個の被リモコン制御機器をリモコン制御可能とするので、赤外線リモコン送信部は、後述するように、方向制御機構により、その赤外線リモコン信号の放射方向を変更することできるように構成されている。
また、図1では、図示を省略するが、この実施形態の内線電話端末2A,2Bは、それぞれ、周囲音を収音するためのマイクロホンと、主として赤外線リモコン信号の送出方向の画像を撮影するためのカメラを備えている。カメラは、赤外線リモコン送信部と共に、方向制御機構により、常に赤外線リモコン信号の放射方向側を撮影方向(撮像レンズの光軸方向)とするように、取り付けられている。
マイクロホンで収音した音声と、カメラで撮影された画像とが、この実施形態では、リモコン信号を受けた被リモコン制御機器の動作確認のための情報の例とされる。なお、周囲音を収音するためのマイクロホンは、ハンズフリー通話用のマイクロホンを兼用することができる。
主装置1は、後述するように、内線電話端末2A,2Bのそれぞれがリモコン制御できる被リモコン制御機器についての情報を、後述するリモコン制御記憶部に記憶しており、被リモコン制御機器についてのリモコン制御が指定されたとき、その指定された被リモコン制御機器が、どの内線電話端末でリモコン制御可能かを認識することができるようにしている。
また、この実施形態では、主装置1には、複数の被リモコン制御機器を所望の状態にリモコン制御するリモコンモードを、ユーザやボタン電話システムの設置業者が、設定登録することができるようにされている。すなわち、この実施形態のボタン電話システムの主装置1には、後述するように、設定されたリモコンモードの識別情報と、ユーザや設置業者が設定した各リモコンモードにおける複数個の被リモコン制御機器と、それぞれの被リモコン制御機器のリモコン制御内容とが、対応する状態で、記憶部(後述するリモコンモード記憶部)に記憶される。
そして、この例では、主装置1は、留守番モードにおいて着信を受けると自動応答し、その着信の発呼側端末から、予め定められているリモコン指示コードを受けると、リモコン制御モードになる。
主装置1は、このリモコン制御モードにおいては、発呼側端末から送られてくる被リモコン制御機器およびそのリモコン制御動作などの指定情報を含むリモコン指定情報を受信し、その受信したリモコン指定情報から、少なくとも被リモコン制御機器およびそのリモコン制御動作を含むリモコン制御実行指示情報を生成する機能を備える。
そして、主装置1は、生成したリモコン制御実行指示情報を、発呼側端末から受信したリモコン指定情報から特定される内線電話端末2Aまたは2Bに対して送信すると共に、当該内線電話端末2Aまたは2Bとの間に通話路を生成するようにする。
内線電話端末2A,2Bのそれぞれは、主装置1からリモコン制御実行指示情報を受け取ると、その受信情報に基づき、被リモコン制御機器およびそのリモコン制御動作を認識し、赤外線リモコン送信部から、指定された被リモコン制御機器に対して、指定された動作をするようにする赤外線リモコン信号を送出する機能を備える。
また、内線電話端末2A,2Bのそれぞれは、リモコン送信部から赤外線リモコン信号を送出するに先立ち、前記周囲音声の収音用のマイクロホンおよびリモコン方向の画像を撮影するカメラを動作状態にする機能を備える。
そして、内線電話端末2A,2Bのそれぞれは、赤外線リモコン送信部からの赤外線リモコン信号の送出の前後においてマイクロホンで収音された周囲音声およびカメラで撮影されたリモコン方向画像を、リモコン信号を受けた被リモコン制御機器の動作確認のための情報として、主装置1との間に生成された通話路を通じて、主装置1に送信する機能を備える。
なお、被リモコン制御機器の種類や、リモコン制御動作によっては、リモコン送信部から赤外線リモコン信号が送出された後のみの周囲音声およびリモコン方向画像を、リモコン信号を受けた被リモコン制御機器の動作確認のための情報として、主装置1との間に生成された通話路を通じて、主装置1に送信するようにしても良い。
すなわち、リモコン信号を受けた被リモコン制御機器が、特定の電子音を送出したり、特定の動き変化をする場合には、その特定の電子音を確認したり、特定の動き変化があったことを確認することで、リモコン信号を受けた被リモコン制御機器の動作確認ができるからである。
そして、この第1の実施形態では、主装置1は、通話路を通じて受信した被リモコン制御機器の動作確認のための情報としての周囲音声およびカメラの撮影画像を用いて、被リモコン制御機器についてのリモコン制御が正常になされたか否かを確認判断するリモコン動作確認判断機能を備える。
さらに、この第1の実施形態では、主装置1は、リモコン動作確認判断機能により、被リモコン制御機器についてのリモコン制御が正常になされなかったときには、リモコン制御実行指示情報を、再度、内線電話端末に送るなどのリトライ処理を行う機能も備える。
そして、この第1の実施形態では、主装置1は、リモコン動作確認判断機能により、被リモコン制御機器についてのリモコン制御が正常になされたと確認判断したときには、正常終了確認判断結果を、リモコン指示コードを送ってきた発呼側端末に送る機能も備える。正常終了確認判断結果は、この例では、その旨を示す確認音とされる。
なお、この第1の実施形態においては、図1に示すように、発呼側端末は、例えば携帯電話端末6とされ、その主装置1への発呼は、携帯電話網7およびIP電話網3を通じて主装置1に送られる。
<内線電話端末の構成例>
〔内線電話端末の外観〕
内線電話端末2A,2Bは、同一の構成を備えるものである。図2および図3に、内線電話端末2A,2Bの外観の一部を示す。なお、以下の説明において、内線電話端末2A,2Bを区別する必要がないときには、説明の簡単のため、内線電話端末2と記することとする。
内線電話端末2は、電話端末本体21と、ハンドセット22とからなる。電話端末本体21には、ボタンキー群23と、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ(表示画面)24が設けられる。
そして、この実施形態では、内線電話端末2には、周囲音を収音するためのマイクロホン25が、電話端末本体21に設けられる。図2では、マイクロホン25により周囲音を収音するための透孔が示され、その内部にマイクロホン25が収納される構造である。前述したように、このマイクロホン25は、ハンズフリー通話用のマイクロホンと兼用することができる。
また、リモコン送信部26およびカメラ27が、方向制御機構28を介して、電話端末本体21に取り付けられている。
この例では、方向制御機構28は、円板状部材28Aと、この円板状部材28Aを回動移動可能に保持する保持部材28Bとからなる。そして、リモコン送信部26の赤外線送出窓およびカメラ27のレンズが、図3に示すように、円板状部材28Aの側周面から外方を向くように、リモコン送信部26およびカメラ27が方向制御機構28に取り付けられている。
そして、円板状部材28Aは、その円板の中心線を中心として、図2の矢印AR1で示すように、内線電話端末2の載置面に平行な面内で回動移動できるように構成されている。この例では、円板状部材28Aは、方向制御機構28が備える例えば歯車機構により、180度分、回動移動できるようにされている。この歯車機構は、内線電話端末2が備える制御部からの駆動制御信号により、駆動されるように構成されている。
そして、この例の場合には、歯車機構には、回動角を検知する手段が設けられており、リモコン送信部26およびカメラ27が、円板状部材28Aのいずれの回動角位置に位置しているかを検知することができるようにされている。そして、検知されたリモコン送信部26およびカメラ27の回動角位置の情報は、内線電話端末2が備える制御部に供給され、リモコン送信部26およびカメラ27を所定の回動角位置に回動制御する際の位置情報として用いられる。
なお、リモコン送信部26からの赤外線放射方向は、リモコン送信部26からの赤外線の放射軸方向であり、リモコン送信部26からの赤外線は、この放射軸方向を中心にした所定の放射領域(水平方向および垂直方向に所定幅を備える)に送出される。
また、カメラ27の向きは、撮像レンズの光軸の方向を意味するものであり、当該光軸方向の所定の大きさの画枠のリモコン信号放射方向の画像が、このカメラ27により撮影可能である。
なお、図2の例では、リモコン送信部26およびカメラ27の、内線電話端末2の載置面に平行な面内で回動角位置のみを制御するようにした。しかし、リモコン送信部26からの赤外線放射方向およびカメラ27の向きを、仰角方向に変えられるように、円板状部材28Aを保持する保持部材28Bを、アクチュエータにより駆動制御できるように構成しても良い。
〔内線電話端末2の電気的ハードウエア構成〕
図4に、この実施形態における内線電話端末2の電気的ハードウエア構成例のブロック図を示す。なお、この例のボタン電話システムは、VoIP(Voice Over Internet Protocol)に対応のIP電話システムの場合であり、音声情報、画像情報や制御情報はパケット化されて送受信される。
この例の内線電話端末2の電話端末本体21内の電気的ハードウエア構成においては、システムバス200に対して、マイクロコンピュータからなる制御部201、通信用インターフェース202、パケット処理部203、通話音声入出力インターフェース204、ディスプレイコントローラ205、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)ドライブ部206、操作入力インターフェース207、のそれぞれが接続されている。
また、この実施形態では、システムバス200には、さらに、リモコンインターフェース208、マイクロホンインターフェース209、カメラインターフェース210、方向制御機構インターフェース211、が接続されている。
制御部201は、内蔵するメモリに記憶されているプログラムに従って、以下に説明するような内線電話端末2が実行する種々の処理を、ソフトウエア処理として実行する。
通信用インターフェース202は、この例では、LAN8に接続される。図示は省略するが、このLAN8には、前述したように、主装置1および他の内線電話端末2が接続される。
パケット処理部203は、通信用インターフェース202を通じて受信した呼制御用パケットや受話音声のパケットを分解して呼制御情報や受話音声信号を得、システムバス200に送出する。制御部201は、システムバス200に送出された呼制御情報を解析して、対応する呼制御処理を行う。また、システムバス200に送出された受話音声信号は、通話音声入出力インターフェース204を通じてハンドセット22に送られる。
パケット処理部203は、また、制御部201の制御に従って送信用の呼制御用パケットを生成し、あるいは通話音声入出力インターフェース204を通じて取り込まれた送話音声信号から送話音声パケットを生成して、システムバス200に送出する。これら送信用の呼制御用パケットおよび送話音声パケットは、制御部201の制御に従って通信用インターフェース202を通じて送信される。
通話音声入出力インターフェース204は、ハンドセット22に接続されている。相手からの受話音声の音声信号は、制御部201の制御に従い、通話音声入出力インターフェース204を通じてハンドセット22の受話器に供給される。また、ハンドセット22の送話器のマイクロホンで収音された送話音声の音声信号は、制御部201の制御に従い、通話音声入出力インターフェース204を通じてシステムバス200に送出され、通信用インターフェース202を通じて相手方に送信される。
ディスプレイコントローラ205には、ディスプレイ24が接続されており、制御部201による表示制御にしたがって、ディスプレイ24の表示画面に種々の表示がなされる。
LEDドライブ部206には、操作ボタン群23に関連して設けられているLED群23LDが接続されており、制御部201の制御に応じて、LED群23LDの各LEDが点灯、消灯、点滅などの状態に制御される。
操作入力インターフェース207には、テンキーやその他のファンクションキーなどを有する操作入力部212が接続されている。操作入力部212を通じてユーザによりキー入力操作が行われると、そのキー操作信号が操作入力インターフェース207を通じてシステムバス200に送られる。制御部201は、操作入力インターフェース207を通じてシステムバス200に送出されたキー操作信号から、いずれの操作キーが操作されたかを判別し、その判別結果に応じた処理を行うようにする。
リモコンインターフェース208には、リモコン送信部26が接続される。マイクロホンインターフェース209は、マイクロホン音声取り込み用であり、これには、マイクロホン25で収音された当該内線電話端末2の周囲音声の音声信号がアンプ213を通じて供給される。マイクロホンインターフェース209は、取り込んだ音声信号をデジタル信号に変換して、システムバス200に送出する。
方向制御機構インターフェース211は、リモコン送信部26およびカメラ27の方向を制御するための方向制御機構28に対して、方向制御信号を供給するためのものである。制御部201は、後述するようにして、リモコン制御しようとする被リモコン制御機器に応じた方向制御信号を生成して、生成した方向制御信号を、この方向制御機構インターフェース211を通じて方向制御機構28に供給し、方向制御を行う。
<主装置1の電気的ハードウエア構成例>
図5に、この実施形態における主装置1の電気的ハードウエア構成例のブロック図を示す。
この例の主装置1の電気的ハードウエア構成においては、システムバス100に対して、マイクロコンピュータからなる制御部101、外線用インターフェース102、内線用インターフェース103、パケット処理部104、通信管理部105、内線端末管理部106、リモコン制御記憶部107、リモコン動作確認判断部108、リモコンモード記憶部109、のそれぞれが接続されている。
制御部101は、内蔵するメモリに記憶されているプログラムに従って、後述するような主装置1が実行する種々の処理を、ソフトウエア処理として実行する。
例えば、この例のボタン電話システムでは、内線電話端末2のいずれかの操作ボタンの操作により、留守番モードに設定することができるようにされている。主装置1は、ボタン電話システムが留守番モードに設定されているときには、着信に対して自動応答して、留守であるためメッセージを残したい場合には、メッセージを残すように発呼側に依頼するメッセージを送出するなどの機能を備えている。
また、後述するように、主装置1は、留守番モードで自動応答した後、発呼側から、予め定められているリモコン指示コードを受信したときには、その後、発呼側から送られてくるリモコン指定情報を受けて、リモコン制御を実行するようにする機能も備えている。
リモコン指示コードは、使用者のリモコン制御を開始したい旨の意志を通知するものであり、数字や「*」、「#」などが用いられる特定のコードとされる。
また、リモコン指定情報は、いずれの被リモコン制御機器について、どのようにリモコン制御したいかを指定する情報である。このリモコン指定情報は、被リモコン制御機器の個別制御指定の場合と、リモコンモード指定の場合とで異なる。個別制御指定の場合には、リモコン指定情報は、少なくとも、被リモコン制御機器とリモコン動作とを指定する情報を含む。このリモコン指定情報は、例えば、「#」を区切り情報として用いた、被リモコン制御機器番号、リモコンコード番号などからなるものとされている。また、リモコンモード指定の場合には、リモコン指定情報は、リモコンモードの識別情報に対応する情報(リモコンモードを識別するための情報)とされる。後述するように、リモコンモードの識別情報は、この例では、リモコンモード番号とされる。
制御部101の内蔵メモリには、以上の機能を実行するためのソフトウエアプログラムの他、呼制御やその他の処理用のソフトウエアプログラムが記憶されている。
外線用インターフェース102は、この例では、IP電話網3に接続される。また、内線用インターフェース103は、この例では、内線電話端末2A,2Bが接続されているLAN8に接続される。
外線用インターフェース102は、IP電話網3を通じて送られてくる受信パケットを受信して、システムバス100を通じてパケット処理部104に渡すと共に、パケット処理部104からシステムバス100を通じて転送されてくる送信パケットを、IP電話網3に送り出すようにする。
内線用インターフェース103は、内線電話端末2A,2BからLAN8を通じて送られてくるパケットを受信して、システムバス100を通じてパケット処理部104に渡すと共に、パケット処理部104からシステムバス100を通じて転送されてくる受信パケットを、LAN8を通じて内線電話端末2A,2Bに送るようにする。
パケット処理部104は、外線用インターフェース102からの受信パケットを分解して、着信の呼制御をするための情報をシステムバス100に送出する機能と、外線用インターフェース102からの音声の受信パケットを、内線電話端末2A,2Bに送るパケットに変換する機能と、内線電話端末2A,2Bからの音声や画像の送信パケットを、外線インターフェース102を通じてIP電話網3に送出するパケットに変換する機能とを備える。パケット処理部104は、制御部101が内蔵するメモリのプログラムにより実行するソフトウエア処理としても実現できる。
通信管理部105は、このボタン電話システムにおける着信、発呼、通話中、保留中などの通信を管理するためのもので、現在の外線、内線の状態がどのようになっているかを把握して管理する。
内線端末管理部106は、この例のボタン電話システムに収容されている内線電話端末2の識別情報と、その内線番号と、LAN8上のアドレスとの対応関係などを記憶して管理する。この例では、内線電話端末2の識別情報としては、それぞれの内線電話端末に付与された電話機番号とされている。また、この実施形態では、内線端末管理部106には、内線電話端末の設置位置(例えば1階、2階など)が登録されて記憶されている。
リモコン制御記憶部107は、内線電話端末2A,2Bのそれぞれと、それぞれの内線電話端末がリモコン制御する被リモコン制御機器との対応関係、各被リモコン制御機器の制御コード、さらに、被リモコン制御機器が正常にリモコン制御されたか否かを確認するために使用する情報などを記憶する。図6に、このリモコン制御記憶部107の記憶内容の例を示す。
このリモコン制御記憶部107の記憶情報は、例えば、次のようにして生成されて、主装置1のリモコン制御記憶部107に格納される。
まず、LAN8に、パーソナルコンピュータを接続する。このパーソナルコンピュータには、例えば、光ディスクなどで提供される、この実施形態のボタン電話システムに付随する記憶情報作成用ソフトウエアプログラムをインストールする。そして、この記憶情報作成用ソフトウエアプログラムが起動されると、パーソナルコンピュータは、次の例のようにして、リモコン制御記憶部107に記憶する情報の生成処理を実行する。
最初に、主装置1に内線電話端末についての情報の取得要求を出す。すると、主装置1は、内線端末管理部106に登録されている内線電話端末の識別情報(内線番号など)や設置位置の情報をパーソナルコンピュータに送る。
パーソナルコンピュータは、内線電話端末の識別情報とその設置位置を、画面に表示して、ユーザに認知させる。そして、パーソナルコンピュータは、ユーザに、リモコン制御記憶部107の記憶情報の生成のための操作を指示する。ユーザは、この指示に従った入力操作をすることで、図6のような記憶情報が生成される。
なお、このリモコン制御記憶部107の記憶情報の生成処理は、一例であって、これに限られるものではないことは言うまでもない。例えば、この実施形態のボタン電話システムの設置時に、設置業者が、持参した専用パーソナルコンピュータなどを用いて、設定入力を行い、LAN8を通じて主装置1のリモコン制御記憶部107に記憶するようにしても良い。
図6の例では、被リモコン制御機器のそれぞれに対して、その被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末の電話機番号と、内線電話端末のリモコン送信部26のリモコン方向(図6では、機器方向と記す)と、その被リモコン制御機器のリモコンコードとが、リモコン制御記憶部107に記憶される。
機器方向は、前述したように、リモコン送信部26からの赤外線放射方向であり、図2を用いて前述した方向制御機構28の円板状部材28Aの回転角位置において、例えば、リモコン送信部26およびカメラ27が図2に示すような回動角位置にある状態は、回転角位置90°の状態とされる。そして、図2に示すように、この例においては、リモコン送信部26およびカメラ27が、左側端の回転角位置にある状態は、回転角位置0°の状態、右側端の回転角位置にある状態は、回転角位置180°の状態、とされる。
また、リモコン制御記憶部107に記憶される各リモコンコードには、被リモコン制御機器毎に、リモコンコード番号(図6の1,2,3,・・・)が対応付けられており、この被リモコン制御機器毎のリモコンコード番号が指定されることにより、リモコンコードが特定される。
リモコンコードは、各被リモコン制御機器をリモコン制御するためのリモコン制御用コード情報であり、一般的に、被リモコン制御機器の製造会社毎に異なったものとなることが多い。そこで、この例では、前記パーソナルコンピュータで、例えばインターネットから、それぞれの被リモコン制御機器用のリモコンコードをダウンロードして、このリモコン制御記憶部107に、それぞれの被リモコン制御機器番号に対応付けて記憶するようにしている。
図6の例では、内線電話端末2Aには、電話機番号「10」が割り当てられ、内線電話端末2Bには、電話機番号「20」が割り当てられている。なお、この例では、これらの電話機番号が、そのまま内線番号とされている。
また、この例では、被リモコン制御機器であるテレビ受信機4A,4Bおよびエアコン5A,5Bには、被リモコン制御機器番号が付与されている。すなわち、この例では、1階のテレビ受信機4Aには被リモコン制御機器番号「01」が、1階のエアコン5Aには被リモコン制御機器番号「02」が、2階のテレビ受信機4Bには被リモコン制御機器番号「03」が、2階のエアコン5Bには被リモコン制御機器番号「04」が、それぞれ付与されている。
そして、リモコン制御記憶部107には、図6に示すように、内線電話端末の電話機番号に対応付けられて、それぞれの被リモコン制御機器の被リモコン制御機器番号が記憶されている。つまり、どの内線電話端末で、どの被リモコン制御機器がリモコン制御されるかの対応関係情報がリモコン制御記憶部107に記憶されている。
また、この例では、リモコン制御記憶部107には、各被リモコン制御機器が正常にリモコン制御されたか否かを確認するために使用する音声情報の記憶部(確認音記憶部)および画像情報の記憶部(確認画像記憶部)が、それぞれの被リモコン制御機器に対応して設けられている。
リモコン制御記憶部107の確認音記憶部および確認画像記憶部には、リモコンコード毎、すなわち、リモコン制御内容毎に、リモコン制御が正常になされたか否かを確認するために使用する音声情報および画像情報が記憶される。
例えば、リモコン制御内容が「テレビの電源オン」である場合には、テレビ受信機は、無音から一定レベル以上の音量でのスピーカから音声を発生する状態になると共に、テレビ画面には、一定レベル以上の輝度の画像が表示される状態になる。そこで、リモコン制御内容が「テレビの電源オン」である場合の確認音情報としては、一定レベル以上の音声情報が記憶され、また、確認画像情報としては、テレビ画面が一定レベル以上の輝度の画像表示になっている画像情報が記憶される。
また、例えば、リモコン制御内容が「テレビの電源オフ」である場合には、確認音情報としては、無音あるいは一定レベル以下の音声情報が記憶され、また、確認画像情報としては、テレビ画面が無画面の画像表示状態になっている画像情報が記憶される。
また、例えば、リモコン制御内容が「エアコンの電源オン」である場合には、確認音情報としては、電源オン時にエアコンが発生する電子音の音声情報が記憶され、また、確認画像情報としては、エアコンの空気の吹き出し口のルーバー部分が開いた状態の画像情報が記憶される。
また、例えば、リモコン制御内容が「エアコンの電源オフ」である場合には、確認音情報としては、電源オフ時にエアコンが発生する電子音の音声情報が記憶され、また、確認画像情報としては、エアコンの空気の吹き出し口のルーバー部分が閉じた状態の画像情報が記憶される。
リモコン動作確認判断部108は、後述するように、リモコン制御指示されてリモコン信号の送出を行った内線電話端末から通話路を通じて送られてくる音声情報および画像情報と、リモコン制御記憶部107の確認音情報および確認画像情報とを比較して、両者が、リモコン制御が正常になされたと見なせる程度に近似すると判断したときに、リモコン制御は正常になされたと判断するようにする。
このリモコン動作確認判断部108の判断結果は、外線用インターフェース102を通じて、リモコン制御指示をしてきた発呼側端末に送信される。
なお、このリモコン動作確認判断部108は、制御部101が内蔵するメモリに格納するプログラムを用いて、ソフトウエア処理機能として実現することも可能である。
音声情報のみにより、あるいは、画像情報のみにより、リモコン動作確認判断をするようにしても良い。しかし、この実施形態のように、音声情報と画像情報との両方を用いてリモコン動作確認判断をする方が、確認判断の確度が高くなる。
リモコンモード記憶部109には、前述したように、複数の被リモコン制御機器を所望の状態にリモコン制御するリモコンモードの複数個が登録されて記憶されている。このリモコンモードの設定入力も、前述のリモコン制御記憶部107の記憶内容情報の入力と同様に、記憶情報作成用ソフトウエアプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータにおいて、ユーザあるいはボタン電話システムの設置業者により行われるようにされている。
すなわち、この実施形態のボタン電話システムでは、ユーザあるいは設置業者は、リモコンモードとして、リモコン制御すべき複数の被リモコン制御機器と、それぞれのリモコン制御内容を設定登録する。すると、設定登録されたリモコンモードにモード番号が付与され、当該リモコンモード番号と、リモコン制御すべき複数の被リモコン制御機器の情報と、それぞれのリモコン制御内容の情報とが、パーソナルコンピュータから主装置1に送られる。
これにより、リモコンモード番号に対応して、リモコン制御すべき複数の被リモコン制御機器と、それぞれのリモコン制御内容とが、主装置1のリモコンモード記憶部109に記憶される。
図7に、このリモコンモード記憶部109の記憶内容の例を示す。図7の例では、夜間居留守モード、帰宅準備モード(1)、帰宅準備モード(2)の3種のリモコンモードが設定登録されて記憶されている。
夜間居留守モードは、留守であるが、夜間に誰かが居るように見せかけるために、1階と2階のテレビ受信機の電源をオンにするようにリモコン制御するモードである。つまり、被リモコン制御機器のリモコン制御内容は、1階と2階のテレビ受信機4Aおよび4B(被リモコン制御機器番号は「01」および「03」)の電源は「ON」とし、1階と2階のエアコン5Aおよび5B(被リモコン制御機器番号は「02」および「04」)の電源は「OFF」と設定されている。
帰宅準備モード(1)は、1階の被リモコン制御機器のみを帰宅前に電源オンにしておくようにリモコン制御するモードである。つまり、被リモコン制御機器のリモコン制御内容は、1階のテレビ受信機4Aとエアコン5A(被リモコン制御機器番号は「01」および「02」)の電源は「ON」とし、2階のテレビ受信機4Bとエアコン5B(被リモコン制御機器番号は「03」および「04」)の電源は「OFF」と設定されている。
また、帰宅準備モード(2)は、2階の被リモコン制御機器のみを帰宅前に電源オンにしておくようにリモコン制御するモードである。つまり、被リモコン制御機器のリモコン制御内容は、1階のテレビ受信機4Aとエアコン5A(被リモコン制御機器番号は「01」および「02」)の電源は「OFF」とし、2階のテレビ受信機4Bとエアコン5B(被リモコン制御機器番号は「03」および「04」)の電源は「ON」と設定されている。
この実施形態では、後述するように、このようなリモコンモードを設定しておくことにより、モード番号のみを指定してリモコン指示をすることにより、複数の被リモコン制御機器について、希望するリモコンモードの状態にすることができる。したがって、ユーザは、個々の被リモコン制御機器のそれぞれについて、リモコン制御指示する必要がなく、リモコン指示操作が簡単になり、便利である。
<第1の実施形態のボタン電話システムにおけるリモコン制御動作例>
〔被リモコン制御機器の1台毎のリモコン制御〕
図8は、ユーザが、外出先から、発呼側端末として例えば携帯電話端末を用いて、留守番モードに設定されている自宅のボタン電話システム(上述した第1の実施形態のボタン電話システム)に対して電話をかけて、特定の被リモコン制御機器についてのリモコン制御指示をする場合のシーケンス図である。
ユーザは、外出する際に、この実施形態のボタン電話システムを留守番モードにしておく。そして、この実施形態では、ユーザは、外出先から、例えば携帯電話端末6を用いて、自宅へ電話をかけて、所定の操作を行うことで、後述するようなテレビ受信機やエアコンのリモコン制御ができる。
すなわち、この図8に示すように、先ず、ユーザは、外出先において、携帯電話端末を用いて自宅のボタン電話システムに対して発呼(発信)を行う。その発呼は、携帯電話網7およびIP電話網3を通じて主装置1に着信する。
すると、この実施形態のボタン電話システムの主装置1は、留守番モードに設定されているため、この携帯電話端末からの着信に対して自動応答する。この主装置1の自動応答を確認した携帯電話端末の使用者は、予め設定されているリモコン指示コードを、携帯電話端末において例えばテンキーを用いて入力して、主装置1に送る。
主装置1は、このリモコン指示コードを受け取って確認すると、リモコン指示コードの受付音を発呼側端末である携帯電話端末に送る。そして、その後、主装置1は、ボタン電話システムを、リモコン制御モードにして、発呼側端末からのリモコン指定情報を待つ。
携帯電話端末では、主装置1からのリモコン指示コードの受付音を受け取ると、当該受付音を放音して、ユーザにリモコン指示コードが受け付けられたことを報知する。この受付音を聴取したユーザは、例えばテンキーを用いてリモコン指定情報を入力して、主装置1に送る。図8の例では、リモコン指定情報は、内線番号と、被リモコン制御機器番号と、リモコンコード番号とからなるものとされている。
例えば、内線番号が「10」、被リモコン制御機器番号が「01」、リモコンコード番号が「1」(電源オン)の場合には、リモコン指定情報は、例えば「10*01*1#」とされる。ここで、「*」はセパレータであり、#は、入力完了を意味するものとする。
主装置1は、リモコン指定情報を発呼側端末から受信すると、受け取ったリモコン指定情報によりリモコン制御記憶部107を参照し、リモコン指示すべき内線電話端末、その被リモコン制御機器およびリモコン制御動作を認識する。図8の例では、主装置1は、リモコン指示すべき内線電話端末は、内線電話端末2Aと認識する。
そして、主装置1は、認識した内線電話端末2Aに対して、被リモコン制御機器に送るリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送る。なお、この実施形態では、このリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末2Aが備えるリモコン送信部26が、指定された被リモコン制御機器の方向を向くように制御する方向制御情報も含まれている。
このリモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、受信したリモコン制御実行指示情報に含まれている方向制御情報により方向制御機構28を駆動制御して、リモコン送信部26の赤外線リモコン信号の放射方向を、指定された被リモコン制御機器の方を向くように制御する。
次いで、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、マイクロホンインターフェース209からのマイクロホン25の収音音声の取り込みを開始すると共に、カメラ27での撮影を開始させて、カメラインターフェース210からの撮影画像の取り込みを開始するようにする。
そして、主装置1は、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aとの間に、通話路を生成する。内線電話端末2Aは、マイクロホン25で収音した音声情報を、生成した通話路を通じて主装置1に送信すると共に、カメラ27で撮影した画像情報を、生成した通話路を通じて主装置1に送信する。この場合、内線電話端末2Aから主装置1に送信する画像情報としては、データ圧縮した動画情報であっても良いし、一定時間間隔で間欠的に取り込んだ静止画情報をデータ圧縮した情報であっても良い。
リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、主装置1との通話路を生成した後、被リモコン制御機器に対して、リモコン制御実行指示情報に含まれるリモコンコードを、リモコン送信部26から赤外線リモコン信号として送出するようにする。
主装置1は、この内線電話端末2Aからの赤外線リモコン信号の送出の前後の音声情報および撮影画像情報を前記通話路を通じて受信している。そして、前述したように、この実施形態では、主装置1は、内線電話端末2Aから送出されたリモコンコードに対応してリモコン制御記憶部107の確認音記憶部や確認画像記憶部に記憶されている確認音や確認画像と、受信した音声情報と撮影画像情報とを比較対照して、リモコン制御動作が正しくなされたか否かを、リモコン動作確認判断部108で判断する。
そして、主装置1のリモコン動作確認判断部108で、リモコン制御動作が正しくなされなかったと判断したときには、この実施形態の主装置1は、再度、リモコン制御実行指示情報を、通話路を生成中の内線電話端末2Aに送って、リモコン制御のリトライを指示する。
したがって、内線電話端末2Aは、被リモコン制御機器に対して、リモコン制御実行指示情報に含まれるリモコンコードを、リモコン送信部26から赤外線リモコン信号として送出して、リモコン制御をリトライするようにする。
なお、この場合に、再送するリモコン制御実行指示情報に含める方向制御情報を、若干変更して、リモコン信号の放射方向を変更するようにしても良い。その場合に、その方向変更の仕方としては、リトライを実行する毎に、リモコン制御情報記憶部107に記憶されている機器方向を中心として、プラスとマイナスの方向に交互に変更するようにすると良い。
主装置1のリモコン動作確認判断部108で、内線電話端末2Aからの音声情報および画像情報を用いたリモコン動作確認判断の結果、リモコン制御動作が正しくなされたと判断したときには、この実施形態の主装置1は、リモコン制御動作が正しくなされたことを報知するための確認音を、発呼側端末、この例では携帯電話端末に送る。
この確認音を受け取った携帯電話端末の使用者は、続けて、他の被リモコン制御機器についてのリモコン制御を行おうとする場合には、新たなリモコン指定情報を、主装置1に送るようにする。
その新たなリモコン指定情報を受け取った主装置1は、当該新たなリモコン指定情報により指定される被リモコン制御機器は、現在、通話路を生成中の内線電話端末でリモコン制御することができるものであるかどうかを判断する。
そして、主装置1は、新たなリモコン指定情報により指定される被リモコン制御機器は、現在、通話路を生成中の内線電話端末ではない他の内線電話端末2Bでリモコン制御されるものであると判断すると、図8に示すように、それまでの内線電話端末2Aとの通話路を解放した後、上述と同様にして、内線電話端末2Bに対してリモコン制御実行指定情報の送信処理を行う。内線電話端末2Bは、図8では、図示を省略するが、このリモコン制御実行指示情報を受けると、マイクロホン25およびカメラ27を動作状態にする。そして、主装置1は、内線電話端末2Bとの間に通話路を生成する。これにより、上述と同様にして、この内線電話端末2Bのリモコン送信部を用いた別の被リモコン制御機器に対する別のリモコン制御を実行する。
そして、リモコン制御を終了する場合には、携帯電話端末の使用者は、主装置1との間の通話路を切断する操作を行う。この通話路の切断操作があると、携帯電話端末とボタン電話システムとの通信路が切断され、上述のリモコン制御のシーケンスが終了する。
なお、図8のシーケンス例では、リモコン指定情報として、ユーザは、ボタン電話システムの内線番号をも入力するようにした。しかし、主装置1のリモコン制御記憶部107には、被リモコン制御機器番号と、その機器番号の被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末の内線番号とは、対応付けられて記憶されている。したがって、被リモコン制御機器番号が指定されると、その機器番号の被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末は、リモコン制御記憶部107の記憶情報から特定できる。このため、リモコン指定情報には、内線番号は含めなくても良い。
〔リモコンモードを用いた複数の被リモコン制御機器のリモコン制御指定〕
図9は、リモコン制御指示におけるリモコン指定情報が、図8の例とは異なり、リモコンモード番号による場合のシーケンス図である。
図9に示すように、先ず、ユーザは、外出先において、携帯電話端末を用いて自宅のボタン電話システムに対して発呼を行う。すると、この実施形態のボタン電話システムの主装置1は、留守番モードに設定されているため、この携帯電話端末からの着信に対して自動応答する。この主装置1の自動応答を確認した携帯電話端末の使用者は、予め設定されているリモコン指示コードを、携帯電話端末において例えばテンキーを用いて入力して、主装置1に送る。
主装置1は、このリモコン指示コードを受け取って確認すると、リモコン指示コードの受付音を発呼側端末である携帯電話端末に送る。そして、その後、主装置1は、ボタン電話システムを、リモコン制御モードにして、発呼側端末からのリモコン指定情報を待つ。携帯電話端末では、主装置1からのリモコン指示コードの受付音を受け取ると、当該受付音を放音して、ユーザにリモコン指示コードが受け付けられたことを報知する。ここまでは、図8の例の個々の被リモコン制御機器毎のリモコン制御指示の場合と同様である。
この図9の例においては、リモコン指示コードの受付音を聴取したユーザは、例えばテンキーを用いてリモコン指定情報としてリモコンモード番号を入力して、当該リモコンモード番号を主装置1に送る。
主装置1は、このリモコンモード番号を受け取ると、リモコンモード記憶部109の記憶内容を参照し、受信したリモコンモード番号により指定されるリモコンモードにおける複数の被リモコン制御機器およびそのリモコン制御内容を把握認識する。主装置1は、同時に、指定された複数の被リモコン制御機器のそれぞれをリモコン制御する内線電話端末をも把握認識する。
そして、主装置1は、指定されたリモコンモードにおける複数の被リモコン制御機器のすべてについて、以下に説明するようにして、順次にリモコン制御指示を行うようにする。
先ず、指定されたリモコンモードにおける複数の被リモコン制御機器のうちの一つについてのリモコン制御処理を、図8の例の場合と同様にして行う。すなわち、図9の例では、最初の被リモコン制御機器は、内線電話端末2Aによりリモコン制御される被リモコン制御機器と把握し、内線電話端末2Aに対して、被リモコン制御機器に送るリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送る。なお、この実施形態では、このリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末2Aが備えるリモコン送信部26が、指定された被リモコン制御機器の方向を向くように制御する方向制御情報も含まれている。
このリモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、受信したリモコン制御実行指示情報に含まれている方向制御情報により方向制御機構28を駆動制御して、リモコン送信部26の赤外線リモコン信号の放射方向を、指定された被リモコン制御機器の方を向くように制御する。
次いで、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、マイクロホンインターフェース209からのマイクロホン25の収音音声の取り込みを開始すると共に、カメラ27での撮影を開始させて、カメラインターフェース210からの撮影画像の取り込みを開始するようにする。
そして、主装置1と、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aとは、通話路を生成する。内線電話端末2Aは、マイクロホン25で収音した音声情報を、生成した通話路を通じて主装置1に送信すると共に、カメラ27で撮影した画像情報を、生成した通話路を通じて主装置1に送信する。
リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、通話路を生成した後、被リモコン制御機器に対して、リモコン制御実行指示情報に含まれるリモコンコードを、リモコン送信部26から赤外線リモコン信号として送出するようにする。
主装置1は、この内線電話端末2Aからの赤外線リモコン信号の送出の前後の音声情報および撮影画像情報を通話路を通じて受信している。そして、前述したように、この実施形態では、主装置1は、内線電話端末2Aから送出されたリモコンコードに対応してリモコン制御記憶部107の確認音記憶部や確認画像記憶部に記憶されている確認音や確認画像と、受信した音声情報と撮影画像情報とを比較対照して、例えば両者が一致したと見なせるか否かにより、リモコン制御動作が正しくなされたか否かを、リモコン動作確認判断部108で判断する。
そして、主装置1は、リモコン動作確認判断部108で、リモコン制御動作が正しくなされなかったと判断したときには、前述したように、内線電話端末2Aに対してリモコン制御実行指示情報を再送信して、リモコン制御をリトライさせるようにする。
また、主装置1は、リモコン制御動作が正しくなされたと判断したときには、指定されたリモコンモードにおける複数の被リモコン制御機器のうちで、未だ、リモコン制御が実行されていない被リモコン制御機器があるかどうか判断する。そして、未だ、リモコン制御が実行されていない被リモコン制御機器があると判断したときには、主装置1は、次にリモコン制御すべき被リモコン制御機器は、現在、通話路を生成中の内線電話端末でリモコン制御することができるものであるかどうかを判断する。
次にリモコン制御すべき被リモコン制御機器は、現在、通話路を生成中の内線電話端末でリモコン制御することができるものであると判断したときには、主装置1は、現在、生成中の通話路を維持する。そして、主装置1は、未実行の被リモコン制御機器についてのリモコン制御のための処理シーケンスを、上述と同様にして実行する。
また、主装置1は、次にリモコン制御すべき被リモコン制御機器は、現在、通話路を生成中の内線電話端末ではない他の内線電話端末でリモコン制御するものであると判断したときには、それまでの内線電話端末との通話路を解放した後、未実行の被リモコン制御機器についてのリモコン制御のための処理シーケンスを、上述と同様にして実行する。
そして、主装置1は、指定されたリモコンモードにおける複数の被リモコン制御機器の全てのリモコン制御が終了したと判断したときには、それまでの内線電話端末との通話路を解放すると共に、発呼側端末である携帯電話端末に、全ての制御完了である旨の制御完了通知を送る。この制御完了通知は、その旨を報知する確認音や表示メッセージを含み、携帯電話端末において、制御完了の確認音が放音されると共に、制御完了の確認メッセージが表示される。
この制御完了通知を受け取ったユーザが、主装置1との間の通話路を切断する操作を行った場合には、携帯電話端末とボタン電話システムとの通信路が切断され、上述のリモコン制御のシーケンスが終了する。
〔主装置1の処理動作〕
以上説明したリモコン制御のシーケンスを実行するための主装置1における処理動作を、図10〜図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。この図10〜図13の各ステップの処理は、主装置1の制御部101が実行するものである。
先ず、制御部101は、外線用インターフェース102を通じた着信を検知したか否か判別し(ステップS101)、着信を検知しなかったときには、その他の処理ルーチンを実行し(ステップS102)、その後、ステップS101に戻る。
ステップS101で、着信を検知したときには、制御部101は、留守番設定されているか否か判別し(ステップS103)、留守番設定されていなければ、通常の着信処理ルーチンを実行する。また、ステップS103で、留守番設定されていると判別したときには、制御部101は、着信に対して自動応答して、留守番メッセージを発呼側に送出する(ステップS104)。
次に、制御部101は、発呼側からリモコン指示コードが送られてきたか否か判別し(ステップS105)、リモコン指示コードを受信しないときには、通常の留守番応答後の処理ルーチンを実行する。
ステップS105で、発呼側からのリモコン指示コードを受信したと判別したときには、制御部101は、リモコン指定情報の受信を監視する(ステップS106)。そして、ステップS106でリモコン指定情報を受信していないときには、制御部101は、発呼側で切断操作がなされたか否か判別し(ステップS107)、切断操作がなされていないと判別したときには、ステップS106に戻り、リモコン指定情報の受信を待つ。また、ステップS107で、発呼側で切断操作がなされたと判別したときには、制御部101は、発呼側との間の通信路を切断して(ステップS108)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS106で、リモコン指定情報を受信したと判別したときには、制御部101は、リモコン指定情報は、リモコンモード番号であるか否か判別する(ステップS109)。そして、リモコン指定情報は、リモコンモード番号でなければ、制御部101は、リモコン指定情報として送られてくる内線番号から、被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を把握する(ステップS110)。なお、内線番号がリモコン指定情報に含まれていなくても、被リモコン制御機器番号が存在していれば、リモコン制御記憶部107の内容から、当該被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末は特定することができるものである。
次に、制御部101は、受信したリモコン指定情報により指定された内線電話端末に、リモコン制御実行指示情報を送出する(ステップS111)。このリモコン制御実行指示情報には、前述したように、リモコンコードと、被リモコン制御機器の方向に内線電話端末のリモコン送信部26が向くようにするための機器方向の情報を含む。
次に、制御部101は、受信したリモコン指定情報により指定された内線電話端末との間に通話路を生成する(ステップS112)。そして、制御部101は、生成された通話路を通じて内線電話端末から送られてくる音声情報および画像情報を受信し、これら受信した音声情報および画像情報と、リモコン制御記憶部107に記憶している確認音の情報および確認画像の情報とを比較し、例えば一致と見なせるかどうかにより、指定された被リモコン制御機器についてのリモコン制御動作が正常になされたかどうかを確認判断する(図11のステップS121)。
そして、制御部101は、リモコン制御動作は正常に完了したか否か判別し(ステップS122)、リモコン制御動作が正常に完了してはいないと判別したときには、指定された内線電話端末に、リモコン制御実行指示情報を再送信する(ステップS123)。前述したように、この再送信されるリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末のリモコン送信部26の方向を変更させる方向制御情報を含めるようにすることができる。このステップS123の次には、ステップS121に戻り、リモコン制御動作の確認判断をする。
そして、ステップS122で、リモコン制御動作は正常に完了したと判別したときには、制御部101は、リモコン制御完了をユーザに報知する確認音を発呼側に送る(ステップS124)。
次に、制御部101は、更なるリモコン指定情報を受信したか否か判別し(ステップS125)、更なるリモコン指定情報を受信したと判別したときには、指定された内線電話端末を把握し(ステップS126)、把握した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末であるか否か判別する(ステップS127)。そして、把握した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末と同じであると判別したときには、制御部101は、指定された内線電話端末に、新たなリモコン指定情報に基づくリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS129)。そして、ステップS121に戻る。
また、ステップS127で、把握した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末とは異なった内線電話端末であると判別したときには、制御部101は、現在生成中の通話路を解放し(ステップS128)、その後、ステップS111に戻り、前述したステップS111以降の処理を繰り返す。
また、図10のステップS109で、リモコン指定情報は、リモコンモード番号であると判別したときには、制御部101は、受信したリモコンモード番号を検索子としてリモコンモード記憶部109を参照することで、リモコンモードを認識する(図12のステップS141)。
そして、制御部101は、認識したリモコンモードから、最初にリモコン制御すべき被リモコン制御機器を認識し、当該認識した被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を、リモコン制御記憶部107を参照して認識する(ステップS142)。
次に、制御部101は、認識した内線電話端末に、最初にリモコン制御すべき被リモコン制御機器についての指定されたリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS143)。
次に、制御部101は、認識した内線電話端末との間に通話路を生成する(ステップS144)。そして、制御部101は、生成された通話路を通じて内線電話端末から送られてくる音声情報および画像情報を受信し、これら受信した音声情報および画像情報と、リモコン制御記憶部107に記憶している確認音の情報および確認画像の情報とを比較することで、指定された被リモコン制御機器についてのリモコン制御動作が正常になされたかどうかを確認判断する(ステップS145)。
そして、制御部101は、リモコン制御動作は正常に完了したか否か判別し(ステップS146)、リモコン制御動作が正常に完了してはいないと判別したときには、指定された内線電話端末に、リモコン制御実行指示情報を再送信する(ステップS147)。前述したように、この再送信されるリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末のリモコン送信部26の方向を変更させる方向制御情報を含めるようにすることができる。このステップS147の次には、ステップS145に戻り、リモコン制御動作の確認判断をする。
そして、ステップS146で、リモコン制御動作は正常に完了したと判別したときには、制御部101は、指定されたリモコンモードにおいて、未だ、実行されていないリモコン制御があるか否か判別する(図13のステップS151)。
このステップS151で、未だ、実行されていないリモコン制御があると判別したときには、制御部101は、その未実行のリモコン制御をすべき被リモコン制御機器を認識し、その被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を認識する(ステップS152)。そして、認識した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末であるか否か判別する(ステップS153)。
そして、ステップS153で、認識した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末と同じであると判別したときには、制御部101は、指定された内線電話端末に、新たなリモコン指定情報に基づくリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS154)。そして、次に、ステップS145に戻り、前述したステップS145以降の処理を繰り返す。
また、ステップS153で、認識した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末と異なると判別したときには、制御部101は、現在生成中の通話路を解放し(ステップS155)、その後、ステップS143に戻り、前述したステップS143以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS151で、指定されたリモコンモードにおいて、未だ、実行されていないリモコン制御がないと判別したときには、制御部101は、リモコン制御完了通知を発呼側に送信する(ステップS156)。そして、制御部101は、発呼側の切断操作を待ち(ステップS157)、切断操作があったときには、発呼側との通話路および内線電話端末との通話路を切断して(ステップS158)、この処理ルーチンを終了する。
〔内線電話端末2の処理動作〕
図14および図15は、上述のリモコン制御のシーケンスが実行されるときにおける内線電話端末2の処理動作例を示すフローチャートである。この図14および図15の各ステップの処理は、内線電話端末2の制御部201が実行するものである。
内線電話端末2の制御部201は、主装置1からの制御信号を監視し(ステップS161)、主装置1からの制御信号を受信していないときには、その他の処理を実行し(ステップS162)、その後、ステップS161に戻る。
ステップS161で、主装置1からの制御信号を受信したと判別したときには、制御部201は、受信した制御信号は、リモコン制御実行指示情報であるか否か判別し(ステップS163)、リモコン制御実行指示情報ではないと判別したときには、受信した制御信号に応じたその他の処理ルーチンに移行する(ステップS164)。
そして、ステップS163で、受信した制御信号は、リモコン制御実行指示情報であると判別したときには、制御部201は、ステップS165に進み、リモコン送信部26の赤外線リモコン信号の放射方向を、指示された方向となるように制御する。また、ステップS165では、制御部201は、マイクロホン25およびカメラ27に電源を供給すると共に、マイクロホンインターフェース209およびカメラインターフェース210から、マイクロホン25からの収音音声情報およびカメラ27の撮影画像情報を取り込む。さらに、ステップS165では、制御部201は、主装置1との間に通話路を生成する。
次に、制御部201は、リモコン制御実行指示情報に含まれて受信したリモコンコードに応じた赤外線リモコン信号を、リモコン送信部26から送出するようにする(ステップS166)。
次に、制御部201は、マイクロホン25で収音した音声情報と、カメラ27で撮影した画像情報とを、生成した通話路を通じて主装置1に送信する(ステップS167)。
次に、制御部201は、主装置1からリトライ指示を受信したか否か判別し(図15のステップS171)、リトライ指示を受信したと判別したときには、再度、同じ赤外線リモコン信号をリモコン送信部26から送出する(ステップS172)。このとき、リトライ指示にリモコン送信部26の方向制御信号が含まれている場合には、当該方向制御を行った後に、再度の赤外線リモコン信号送出を実行するものである。
ステップS171で、リトライ指示を受信していないと判別したとき、また、ステップS172の次には、制御部201は、主装置1から通話路の解放要求を受信したか否か判別し(ステップS173)、通話路の解放要求を受信してはいないと判別したときには、主装置1から別のリモコン制御実行指示情報を受信したか否か判別する(ステップS174)。
そして、ステップS174で、別のリモコン制御実行指示情報を受信したと判別したときには、制御部201は、ステップS165に戻り、このステップS165以降の処理を繰り返す。ただし、このときには、主装置1との通話路は解放されていないので、ステップS165での主装置1との間の通話路の生成は行われない。
ステップS174で、別のリモコン制御実行指示を受信していないと判別したときには、制御部201は、主装置1から通信終了指示を受信したか否か判別し(ステップS175)、終了指示を受信していなければ、ステップS171に戻って、このステップS171以降の処理を繰り返し、終了指示を受信したと判別したときには、終了処理を行って(ステップS179)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS173で、通話路の解放要求を受信したと判別したときには、制御部201は、通話路の解放処理を行う(ステップS176)。その後、制御部201は、主装置1から別のリモコン制御実行指示情報を受信したか否か判別する(ステップS177)。
そして、ステップS177で、別のリモコン制御実行指示情報を受信したと判別したときには、制御部201は、ステップS165に戻り、このステップS165以降の処理を繰り返す。このときには、主装置1との通話路は解放されているので、ステップS165での主装置1との間の通話路の生成処理を実行する。
ステップS177で、別のリモコン制御実行指示を受信していないと判別したときには、制御部201は、主装置1から通信終了指示を受信したか否か判別し(ステップS178)、終了指示を受信していなければ、ステップS177に戻って、このステップS177以降の処理を繰り返し、終了指示を受信したと判別したときには、終了処理を行って(ステップS179)、この処理ルーチンを終了する。
〔第1の実施形態の効果〕
上述した第1の実施形態によれば、外出先から自宅のボタン電話システムを用いて、テレビ受信機やエアコンのリモコン制御ができる。しかも、この第1の実施形態においては、主装置1では、リモコン制御を実行した内線電話端末の周囲音や周囲画像を用いて、リモコン制御が正常に完了したか否かを判断し、その判断結果を、リモコン指示をした発呼側に通知するようにしている。このため、外出先からリモコン制御指示をしたユーザは、リモコン制御が、確実に実行されたか否かを知ることができるという顕著な効果を奏する。
また、この第1の実施形態では、主装置1は、内線電話端末に指示したリモコン制御が正常に完了しなかったときには、内線電話端末にリトライ指示をするようにしたので、リモコン制御が確実に実行される確率が高くなるという効果を奏する。
また、この第1の実施形態では、主装置1から内線電話端末に送られるリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末が備えるリモコン送信部からの赤外線リモコン信号の放射方向を制御する情報が含まれており、これにより、リモコン送信部からの赤外線リモコン信号の放射方向は、被リモコン制御機器に応じた方向となるように制御されるので、リモコン制御が、より確実に実行されるという効果を奏する。
また、上述した第1の実施形態においては、複数の被リモコン制御機器の制御からなるリモコンモードを設定することができて、そのリモコンモード番号を指定するだけで、当該複数の被リモコン制御機器のリモコン制御をすることができる。したがって、ユーザは、個々の被リモコン制御機器を1台ずつ、リモコン制御指示する必要はないので、非常に便利である。
〔第1の実施形態の変形例〕
なお、上述の第1の実施形態の説明では、主装置1は、リモコン制御が正常に完了したことのみを、その確認音として発呼側に通知するようにしたが、リモコン制御が正常に完了しなかったことも、発呼側に通知するようにしても勿論よい。また、主装置1から、リトライ中を発呼側に通知するようにしても良い。
また、これらの通知は、その確認音のみを用いてもよいが、発呼側が携帯電話端末などでは、表示画面に表示可能なメッセージを、確認音に代えて、あるいは確認音に加えて、通知情報としてもよい。
なお、主装置1とリモコン制御実行指示対象の内線電話端末2との間の通話路は、上述の実施形態では、主装置1は、リモコン制御実行指示情報を内線電話端末2に送出した後に生成するようにしたが、この通話路の生成は、リモコン制御実行指示情報を内線電話端末2に送出する前であってもよい。
なお、上述の実施形態では、リモコンモード番号をリモコン指定情報とする場合において、主装置のリモコン動作確認判断部108の確認判断結果を用いて、被リモコン制御機器毎のリモコン制御時にリトライを実行するようにした。しかし、確認判断結果を、リモコンモードで指定される複数の被リモコン制御機器の全てについて記憶しておき、リモコンモードにおける複数の被リモコン制御機器の全てについてのリモコン制御が完了した後に、記憶した確認判断結果を参照し、正常にリモコン制御動作が完了してはいない被リモコン制御機器について、再度の個別のリモコン制御を行うように構成しても良い。
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態では、主装置1が、通話路を通じて取得した内線電話端末からの音声情報および画像情報を用いて、リモコン制御が正常に完了したか否かを判断し、その判断結果を、リモコン制御指示を出した発呼側に通知するようにした。
これに対して、第2の実施形態は、主装置1では、リモコン制御が正常に完了したか否かを判断しない。その代わりに、リモコン制御を実行した内線電話端末からのリモコン制御が正常に完了したか否かを確認するための情報である音声情報および画像情報を、発呼側端末に送信するようにする。発呼側端末、例えば携帯電話端末では、受信した音声情報をスピーカにより放音すると共に、画像情報は表示画面に表示するようにする。
したがって、発呼側端末の使用者は、受信した音声情報を聴取したり、表示画面に表示された画像を観視することにより、ボタン電話システムの内線電話端末においてリモコン制御が正常に完了したかどうかを確認することができる。
そして、この第2の実施形態では、発呼側端末のユーザは、聴取した音声や観視した画像から、リモコン制御が正常に完了してはいないと判断したときには、特定の操作情報、例えば、「*999」を入力することにより、リトライ指示をボタン電話システムの主装置1に送信することができるように構成されている。主装置1は、このリトライ指示を受けると、リトライを内線電話端末に指示するようにする。
そして、この第2の実施形態では、発呼側端末のユーザは、聴取した音声や観視した画像から、リモコン制御が正常に完了したと判断したときには、特定の操作、例えば「*000」を入力して、それを主装置1に送ることにより、正常終了確認を通知するようにする。
この第2の実施形態においても、音声情報のみにより、あるいは、画像情報のみにより、ユーザが、リモコン動作確認判断をするようにしても良い。しかし、音声情報と画像情報との両方を用いてリモコン動作確認判断をする方が、確認判断の確度が高くなる。
この第2の実施形態の内線電話端末のハードウエア構成は、図2〜図4を用いて説明した第1の実施形態と全く同様である。また、この第2の実施形態のボタン電話システムの主装置1の電気的ハードウエア構成は、図5において、リモコン動作確認判断部108が存在しないことを除けば、第1の実施形態と同様である。
<第2の実施形態のボタン電話システムにおけるリモコン制御動作例>
〔被リモコン制御機器の1台毎のリモコン制御〕
図16は、ユーザが、外出先から、発呼側端末として例えば携帯電話端末を用いて、留守番モードに設定されている自宅のボタン電話システム(上述した第2の実施形態のボタン電話システム)に対して電話をかけて、特定の被リモコン制御機器についてのリモコン制御指示をする場合のシーケンス図である。
この図16のシーケンス図において、外出先のユーザが携帯電話端末を発呼側端末として用いて、留守番モードに設定されている自宅のボタン電話システムに対して電話をかけてから、主装置1が自動応答し、リモコン指定情報を受け付け、リモコン制御対象の被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末に、リモコン制御実行指示情報を送信するまでの動作は、第1の実施形態と全く同様である。
そして、この第2の実施形態においても、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、受信したリモコン制御実行指示情報に含まれている方向制御情報により方向制御機構28を駆動制御して、リモコン送信部26の赤外線リモコン信号の放射方向を、指定された被リモコン制御機器の方を向くように制御する。
次いで、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、マイクロホンインターフェース209からのマイクロホン25の収音音声の取り込みを開始すると共に、カメラ27での撮影を開始させて、カメラインターフェース210からの撮影画像の取り込みを開始するようにする。
その後、第2の実施形態では、主装置1は、図16に示すように、内線電話端末2Aと、発呼側端末である携帯電話端末との間に通話路を生成する。そして、内線電話端末2Aは、第1の実施形態の場合と同様に、マイクロホン25で収音した音声情報を、生成した通話路を通じて送出するが、その送信先は、この第2の実施形態では、発呼側端末である携帯電話端末とされる。
したがって、発呼側端末である携帯電話端末では、内線電話端末2Aのマイクロホン25で収音された音声を受話音声として取得すると共に、画像情報を取得して表示画面に表示する。
この状態において、内線電話端末2Aは、被リモコン制御機器に対して、リモコン制御実行指示情報に含まれるリモコンコードを、リモコン送信部26から赤外線リモコン信号として送出するようにする。
発呼側端末の携帯電話端末の使用者(ユーザ)は、このときに受信した音声および画像により、リモコン制御が正常に完了したかを耳および目で確認することができる。
その結果、ユーザは、リモコン制御が正常に完了したことを確認できたときには、携帯電話端末で、リモコン制御が正常に終了したことを示す正常終了確認入力をする。そして、さらに続いて他の被リモコン制御機器のリモコン制御を実行したい場合には、次のリモコン制御指示をすることができる。
また、リモコン制御が正常に完了したことを確認できなかったときには、ユーザは、上述したリトライ指示を携帯電話端末を通じて入力して、主装置1に送るようにすることができる。
このリトライ指示を受け取った主装置1は、再度、リモコン制御実行指示情報を、通話路を生成中の内線電話端末2Aに送って、リモコン制御のリトライを指示する。
したがって、内線電話端末2Aは、被リモコン制御機器に対して、リモコン制御実行指示情報に含まれるリモコンコードを、リモコン送信部26から赤外線リモコン信号として送出して、リモコン制御をリトライし、そのときの、周囲音声および画像を、発呼側端末に通話路を通じて送信する。
発呼側端末の携帯電話端末は、音声および画像で、リトライのリモコン制御により、所期のリモコン制御が正常に完了したかを確認することができる。
なお、ユーザは、表示画面に表示されている画像情報から、被リモコン制御機器の方向を確認することができるので、リトライ指示を発呼側端末から送る際に、リモコン送信部26からの赤外線リモコン信号の放射方向を変更指示するようにするようにしても良い。
この場合に、ユーザは、例えば「**10」により、現在よりも左方向に10°、「##10」により、現在よりも右方向に10°というように、リモコン送信部26からの赤外線リモコン信号の放射方向を変更指示することができる。
この方向制御情報は、主装置1から内線電話端末に送られるリトライ時のリモコン制御実行指示情報に含められる。
そして、リモコン制御を終了する場合には、携帯電話端末の使用者は、切断操作を行う。この切断操作があると、主装置1は、携帯電話端末とボタン電話システムとの通信路を切断し、上述のリモコン制御のシーケンスが終了する。
〔リモコンモードを用いた複数の被リモコン制御機器のリモコン制御指定〕
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様にして、ユーザは、外出先などから、携帯電話端末などを用いて、自宅のボタン電話システムに対して発呼をし、リモコン指定情報として、リモコンモード番号を、ボタン電話システムの主装置1に対して送ることにより、複数の被リモコン制御機器のリモコン制御指定を簡単な操作で行うことができる。
そして、この第2の実施形態では、上述の個々の被リモコン制御機器のリモコン制御の場合と同様に、ユーザは、発呼側端末で、内線電話端末からの音声情報や画像情報を視聴することで、リモコン制御が正常に完了したか否かを耳や目視で判断するようにする。
したがって、第1の実施形態の場合におけるリモコンモードを用いたリモコン制御指定の場合とは、図16の個々の被リモコン制御機器のリモコン制御のシーケンスにおける場合と同様に、リモコン制御を実行する内線電話端末と発呼側端末とが通話路で接続され、この通話路を通じて前記内線電話端末からの音声情報や画像情報が発呼側端末に送られて、発呼側ユーザが、リモコン制御が正常に完了したか否かを耳や目視で判断するようにする点のみが異なる。よって、ここでは、リモコンモード番号をリモコン指定情報とする場合のシーケンス図は、省略する。
〔第2の実施形態の主装置1の処理動作〕
次に、この第2の実施形態におけるリモコン制御のシーケンスを実行するための主装置1の処理動作を、図17〜図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。この図17〜図20の各ステップの処理も、主装置1の制御部101が実行するものである。
図17は、第1の実施形態における図10に対応するもので、ステップS201からステップS211までの処理は、図10のステップS101からステップS111までの処理と全く同じである。
そして、この第2の実施形態では、主装置1の制御部101は、ステップS211で、リモコン制御実行指示情報を、指定された内線電話端末に送出した後、当該指定された内線電話端末と発呼側端末との間に通話路を生成する(ステップS212)。
リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末は、前述したように、マイクロホン25およびカメラ27を動作状態として、マイクロホン25で収音した音声を取り込み、また、カメラで撮影した画像を取り込む。そして、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末は、リモコン送信部26からの赤外線リモコン信号の送出を実行すると共に、そのリモコン送信部26からの赤外線リモコン信号の送出の前後の収音音声情報および撮影画像情報を、主装置1を介して、生成された通話路を通じて発呼側端末に送信するようにする。
主装置1の制御部101は、内線電話端末から受け取った音声情報および画像情報を、通話路通じて発呼側端末に送信する(ステップS221)。発呼側端末のユーザは、受信した収音音声情報や撮影画像情報を視聴することにより、このときの内線電話端末におけるリモコン制御動作を確認することができる。そして、前述したように、その確認結果として、リトライ指示あるいは正常終了確認通知の操作をする。
そこで、主装置1は、発呼側からリトライ指示を受信したか否か判別し(ステップS222)、リトライ指示を受信したと判別したときには、指定された内線電話端末に、リモコン制御実行指示情報を再送信する(ステップS223)。そして、ステップS221に戻る。なお、前述したように、この再送信されるリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末のリモコン送信部26の方向を変更させる方向制御情報を含めるようにすることができる。
ステップS222で、リトライ指示を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、発呼側から正常終了確認通知を受信したか否か判別する(ステップS224)。
このステップS224で、正常終了確認通知を受信したと判別したときには、制御部101は、発呼側から更なるリモコン指示情報を受信したか否か判別し(ステップS225)、更なるリモコン指定情報を受信したと判別したときには、指定された内線電話端末を把握し(ステップS226)、把握した内線電話端末は、現在、通話路で発呼側と接続されている内線電話端末であるか否か判別する(ステップS227)。そして、把握した内線電話端末は、現在、通話路で発呼側と接続されている内線電話端末と同じであると判別したときには、制御部101は、指定された内線電話端末に、新たなリモコン指定情報に基づくリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS229)。そして、ステップS221に戻る。
また、ステップS227で、把握した内線電話端末は、現在、通話路で発呼側と接続されている内線電話端末とは異なった内線電話端末であると判別したときには、制御部101は、現在生成中の通話路を解放し(ステップS228)、その後、図17のステップS211に戻り、前述したステップS211以降の処理を繰り返す。
また、ステップS224で、正常終了確認通知を受信してはいないと判別したときと、ステップS225で、更なるリモコン指定情報を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、相手(発呼側)で切断操作がなされたか否か判別する(ステップS230)。そして、このステップS230で、切断操作がなされてはないないと判別したときには、制御部101は、ステップS221に戻り、このステップS221以降の処理を繰り返す。また、ステップS230で、切断操作がなされたと判別したときには、制御部101は、発呼側との通信路(通話路)を切断処理し(ステップS231)、この処理ルーチンを終了する。
また、図17のステップS209で、リモコン指定情報は、リモコンモード番号であると判別したときには、制御部101は、受信したリモコンモード番号を検索子としてリモコンモード記憶部109を参照することで、リモコンモードを認識する(図19のステップS241)。
そして、制御部101は、認識したリモコンモードから、最初にリモコン制御すべき被リモコン制御機器を認識し、当該認識した被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を、リモコン制御記憶部107を参照して認識する(ステップS242)。
次に、制御部101は、認識した内線電話端末に、最初にリモコン制御すべき被リモコン制御機器についての指定されたリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS243)。
次に、この第2の実施形態では、制御部101は、認識した内線電話端末と発呼側端末との間に通話路を生成する(ステップS244)。そして、制御部101は、生成された通話路を通じて内線電話端末から送られてくる音声情報および画像情報を、発呼側端末に送信するようにする(ステップS245)。
次に、制御部101は、予め定められた所定時間が経過するのを待つ(ステップS246)。ここで、この所定時間は、内線電話端末が主装置1からリモコン制御実行指示情報を受信した後、実際にリモコン送信部26から赤外線リモコン信号を送出するまでの時間と、発呼側端末で、通話路を通じて送られてくる音声情報および画像情報を参照することで、リモコン制御が正常になされたか否かを確認することができる時間との和を考慮したものとされる。
ステップS246で、所定時間が経過したと判別したときには、制御部101は、指定されたリモコンモードにおいて、未だ、実行されていないリモコン制御があるか否か判別する(図20のステップS251)。
このステップS251で、未だ、実行されていないリモコン制御があると判別したときには、制御部101は、その未実行のリモコン制御をすべき被リモコン制御機器を認識し、その被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を認識する(ステップS252)。そして、認識した内線電話端末は、現在、発呼側と通話路で接続されている内線電話端末であるか否か判別する(ステップS253)。
そして、ステップS253で、認識した内線電話端末は、現在、発呼側と通話路で接続されている内線電話端末と同じであると判別したときには、制御部101は、認識した内線電話端末に、新たなリモコン指定情報に基づくリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS254)。そして、次に、ステップS245に戻り、前述したステップS245以降の処理を繰り返す。
また、ステップS253で、認識した内線電話端末は、現在、発呼側と通話路で接続されている内線電話端末と異なると判別したときには、制御部101は、現在生成中の通話路を解放し(ステップS255)、その後、ステップS243に戻り、前述したステップS243以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS251で、指定されたリモコンモードにおいて、未だ、実行されていないリモコン制御がないと判別したときには、制御部101は、リモコン制御完了通知を発呼側に送信する(ステップS256)。
次に、制御部101は、発呼側からのリトライ指示を受信したか否か判別し(ステップS257)、リトライ指示を受信したと判別したときには、図19のステップS242に戻り、このステップS242以降の処理を繰り返して、リモコンモードによるリモコン制御をリトライするようにする。
ステップS257で、リトライ指示を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、発呼側の切断操作を待ち(ステップS258)、切断操作があったときには、発呼側と内線電話端末との通話路を切断して(ステップS259)、この処理ルーチンを終了する。
〔第2の実施形態の内線電話端末の処理動作〕
第2の実施形態においては、内線電話端末2におけるリモコン制御時の処理動作は、図14に示した第1の実施形態と同様である。よって、ここでは、その説明は、省略する。
〔第2の実施形態の効果〕
上述した第2の実施形態においては、外出先から自宅のボタン電話システムに電話をかけることにより、テレビ受信機やエアコンの個別リモコン制御ができるとともに、リモコンモードによる複数個の被リモコン制御機器のリモコン制御ができるなど、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。その上、第2の実施形態によれば、リモコン制御が正常に完了したか否かを、リモコン制御を実行した内線電話端末の周囲音や周囲画像を視聴することにより確認することができる。ユーザは、リモコン制御の完了、未了を自分で確認できるというメリットがあると共に、リモコン制御のリトライ指示などを適切に送ることができるという効果もある。
また、第2の実施形態においては、第1の実施形態のように、主装置1には、内線電話端末の周囲音や周囲画像を用いて、リモコン制御が正常に完了したか否かを判断する判断手段を設ける必要がないので、ボタン電話システムを安価に構成することができる。
〔第2の実施形態の変形例〕
なお、リモコンモード番号指定によるリモコン制御においても、ステップS246で所定時間経過するのを待つ代わりに、個々の被リモコン制御機器の場合の確認処理と同様に、ユーザから正常終了通知およびリトライ指示を受けるようにして、個々の被リモコン制御機器の場合と同様にしてリトライ処理や被リモコン制御機器の1台ごとのリモコン制御動作の正常終了確認を行えるようにしてもよい。
また、この第2の実施形態においては、発呼側端末とリモコン制御実行指示対象の内線電話端末2との間の通話路は、主装置1が、リモコン制御実行指示情報を内線電話端末2に送出した後に生成するようにしたが、この通話路の生成は、主装置1が、リモコン制御実行指示情報を内線電話端末2に送出する前であってもよい。
[第3の実施形態]
以上の第1および第2の実施形態では、外出先から電話端末を用いて、電話網を通じて自宅のボタン電話システムに電話をかけ、リモコン指示コードおよびリモコン指定情報などを入力して、リモコン制御動作の指示するようにした。この場合に、リモコン指定情報の入力操作には、電話端末のテンキーを用いるなどの制約があると共に、内線番号、被リモコン制御機器番号、リモコンコード番号などをユーザが覚えておく必要がある。
この第3の実施形態は、この問題を解決して、より簡単な操作で外出先からリモコン制御指示ができるようにしている。すなわち、第3の実施形態では、ウェブサーバを経由して、携帯電話端末などの発呼側端末から、ボタン電話システムにアクセスできるように構成する。そして、ユーザは、リモコン指定情報を直接に発呼側端末において入力するのではなく、ウェブサーバから提供される操作画面を発呼側端末に表示し、その操作画面を通じて入力することができるように構成する。
図21は、この第3の実施形態のボタン電話システムの構成例の概要を示す図である。この図21に示すように、第3の実施形態のボタン電話システムは、図1に示した第1の実施形態のボタン電話システムの構成に、ウェブサーバ8が追加されたものに等しい。
このウェブサーバ8は、インターネットに接続されると共に、主装置1に接続される。このウェブサーバ8は、図21に示すように、主装置1とは別個独立に設けるのではなく、主装置1内に、例えばウェブサーバ機能のボードなどとして、収容されていても良い。
この第3の実施形態では、ウェブサーバ8は、この実施形態のボタン電話システムで実行できるリモコン制御用の操作画面(リモコン操作画面)を提供する機能と、主装置1と接続されて、内線電話端末から発呼側端末までの通話路を生成する機能を備える。
そして、ウェブサーバ8には、主装置1から、リモコン制御記憶部107やリモコンモード記憶部109に記憶される被リモコン制御機器と内線電話端末との対応関係情報や、設定されたリモコンモードの情報などが予め送られる。そして、ウェブサーバ8は、リモコン操作画面などのグラフィカル・ユーザ・インターフェースの表示情報を生成しておき、アクセスしてきた携帯電話端末などに送るようにしている。
この第3の実施形態は、上述の第1の実施形態の態様と、第2の実施形態の態様のいずれの態様にも適用可能である。第2の実施形態の態様に適用した場合の、この第3の実施形態のボタン電話システムのリモコン制御動作例を、以下に説明する。
<第3の実施形態のボタン電話システムにおけるリモコン制御動作例>
〔被リモコン制御機器の1台毎のリモコン制御〕
図22およびその続きである図23は、ユーザが、外出先から、発信側端末として例えば携帯電話端末を用いて、自宅のボタン電話システム(上述した第3の実施形態のボタン電話システム)に対して電話をかけて、特定の被リモコン制御機器についてのリモコン制御指示をする場合のシーケンス図である。なお、この図22および図23の例は、リモコンモードの設定がされておらず、被リモコン制御機器の1台毎のリモコン制御指示のみができる場合のシーケンス例である。
この第3の実施形態においては、ユーザは、ボタン電話システムを留守番モードに設定しておく必要はない。そして、ユーザは、例えば外出先からウェブサーバ8にアクセスする。ウェブサーバ8には、URL(Uniform Resource Locator)が割り当てられており、ユーザは、例えば携帯電話端末のブックマークに、このウェブサーバ8を登録しておき、このブックマークのメニューから、ウェブサーバ8を選択してアクセスすることができる。
ウェブサーバ8は、インターネットを通じたアクセスを受けると、アクセスしてきた端末、この例では携帯電話端末との間に通信路を生成して接続し、リモコン操作画面の初期画面を、図22で点線の矢印で示すように、アクセスしてきた携帯電話端末に送る。このときに、携帯電話端末の表示画面に表示される初期リモコン操作画面は、図22では図示を省略したが、「モード選択」と、「個別制御」との2項目の選択画面とされる。なお、この初期リモコン操作画面は、後述する図24の表示画面D4として示した。
この初期リモコン操作画面において、「個別制御」が選択されると、ウェブサーバ8は、次のリモコン操作画面を携帯電話端末に送る。このリモコン操作画面は、例えば図22において、表示画面D1として示すように、この例のボタン電話システムで、リモコン制御可能な被リモコン制御機器の一覧メニューとされる。つまり、この例では、1階のテレビ受信機、1階のエアコン、2階のテレビ受信機、2階のエアコンが、リモコン制御可能な被リモコン制御機器としてメニュー表示される。
図22の例では、ユーザは、この表示画面D1のメニューから、1階のテレビ受信機を選択する操作をする。すると、その選択操作情報が携帯電話端末からウェブサーバ8に送られ、ウェブサーバ8に一次記憶される。
ウェブサーバ8は、この例では、被リモコン制御機器の選択操作情報を受信すると、点線矢印で示すように、選択された被リモコン制御機器についてのリモコン制御内容の選択メニュー画面を、次のリモコン操作画面として、アクセスしてきた携帯電話端末に送る。このとき、携帯電話端末のディスプレイには、例えば表示画面D2に示すように、テレビ受信機についてリモコン制御内容の一覧メニューが表示される。図22の例では、電源オン、電源オフ、チャンネル切替、音量調整が、指定可能なリモコン制御内容項目としてメニュー表示される。
ユーザは、図22の例では、この表示画面D2のリモコン操作画面のメニューから、電源オンを選択する操作をする。これで、この例ではリモコン指定情報の入力が完了となるので、ウェブサーバ8は、主装置1と接続する処理をし、「1階のテレビ受信機の電源オン」を指定内容とするリモコン指定情報を主装置1に送る。
このリモコン指定情報を受信すると主装置1は、前述の実施形態と同様にして、リモコン制御記憶部107の記憶内容を参照して、指定された被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を把握する。図22の例は、主装置1は、リモコン指示すべき内線電話端末は、内線電話端末2Aと認識する。
そして、主装置1は、リモコン制御記憶部107から、指定された被リモコン制御機器についての指定されたリモコンコードを読み出し、認識した内線電話端末2Aに対して、当該指定されたリモコン制御のリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送る。なお、この実施形態では、このリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末2Aが備えるリモコン送信部26が、指定された被リモコン制御機器の方向を向くように制御する方向制御情報も含まれている。
このリモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、前述した実施形態と同様にして、受信したリモコン制御実行指示情報に含まれている方向制御情報により方向制御機構28を駆動制御して、リモコン送信部26の赤外線リモコン信号の放射方向を、指定された被リモコン制御機器の方を向くように制御する。
次いで、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aは、マイクロホンインターフェース209からのマイクロホン25の収音音声の取り込みを開始すると共に、カメラ27での撮影を開始させて、カメラインターフェース210からの撮影画像の取り込みを開始するようにする。
そして、主装置1は、リモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Aとの間に、通話路を接続する。そして、主装置1は、ウェブサーバ8との間にも通話路を接続する。そして、ウェブサーバ8が携帯電話端末とインターネットを通じて接続されていることにより、内線電話端末2Aと、携帯電話端末との間に、通信路(図22の通話パス)が形成されることになる。
したがって、内線電話端末2Aでマイクロホン25により収音された音声情報と、カメラ27で撮影された画像情報とは、この通信路を通じて(主装置1およびウェブサーバ8を経由して)外出先の携帯電話端末に送信される。
携帯電話端末では、内線電話端末2Aのマイクロホン25で収音された音声をスピーカで再生すると共に、内線電話端末2Aのカメラ27で撮影された画像情報を取得して表示画面に表示する。この際に、図示は省略するが、主装置1は、ウェブサーバ8に被リモコン制御機器が、何であるかを通知する。ウェブサーバ8は、この通知により、被リモコン制御機器が何であるかを、ユーザが把握できる表示を伴ったものとして、内線電話端末2Aのカメラ27で撮影された画像情報を携帯電話端末に送り、例えば図22の表示画面D3に示すような表示画面を携帯電話端末に表示させるようにする。
次いで、内線電話端末2Aは、指定された被リモコン制御機器、この例では、1階のテレビ受信機4Aに対して、リモコン制御実行指示情報に含まれるリモコンコードを、リモコン送信部26から赤外線リモコン信号として送出するようにする。
このとき、内線電話端末2Aは、マイクロホン25で収音した音声情報と、カメラ27で撮影した撮影画像情報とを、前述した通信路を通じて携帯電話端末に送信しているので、携帯電話端末の使用者は、このときに受信した音声および画像により、リモコン制御が正常に完了したかを耳および目で確認することができる。
その結果、リモコン制御が正常に完了したことを確認できなかったときには、ユーザは、リトライ指示を携帯電話端末を通じて入力して、ウェブサーバ8を経由して主装置1に送るようにする。
この例では、図示は省略するが、例えば、携帯電話端末の表示画面に表示されるリトライアイコンボタンを選択操作することにより、ユーザがリトライ要求をウェブサーバ8に送ると、ウェブサーバ8は、リモコン送信部26の方向指示用画面を携帯電話端末に送る。ユーザは、この方向指示用画面を通じて、先にカメラ27の撮影画像で確認した被リモコン制御機器の方向を考慮しながら、リモコン送信部26の方向の変更およびその変更の大きさを指示するようにする。このリモコン送信部26の方向制御情報は、ウェブサーバ8を通じて主装置1に送られる。
主装置1は、この方向制御情報を、通話路を生成中の内線電話端末2Aに送る。内線電話端末2Aは、受け取った方向制御情報により、そのリモコン送信部26の方向を制御するようにする。
その後、携帯電話端末のユーザが、携帯電話端末のリモコン操作画面を通じてリトライ実行指示を入力すると、当該リトライ実行指示が、ウェブサーバ8を通じて主装置1に送られる。主装置1は、内線電話端末2Aの赤外線リモコン送信を指示する。これを受けて、内線電話端末2Aは、そのリモコン送信部26からの赤外線リモコン信号の再送出を実行する。
携帯電話端末のユーザは、リモコン制御が正常に完了したことを確認できたときには、携帯電話端末で、リモコン制御が正常に終了したことを示す正常終了確認入力をする。これに基づき、携帯電話端末からは、ウェブサーブ8に正常終了確認通知が送られる。これを受けたウェブサーバ8は、携帯電話端末には、リモコン操作画面の初期画面を送るとともに、主装置1に正常終了確認通知を転送する。
そして、ユーザは、さらに続いて他の被リモコン制御機器のリモコン制御を実行したい場合には、ウェブサーバ8から送られてくるリモコン操作画面を通じて、上述と同様にして、携帯電話端末で、次のリモコン制御のためのリモコン指示情報の入力をすることができる。
ウェブサーバ8は、当該次のリモコン指定情報を受け取ると、そのリモコン指定情報を主装置1に送る。新たなリモコン指定情報を受け取った主装置1は、当該新たなリモコン指定情報により指定される被リモコン制御機器は、現在、通話路を生成中の内線電話端末でリモコン制御することができるものであるかどうかを判断する。
そして、主装置1は、新たなリモコン指定情報により指定される被リモコン制御機器は、現在、通話路を生成中の内線電話端末ではない他の内線電話端末2Bでリモコン制御されるものであると判断すると、図23に示すように、それまでの内線電話端末2Aとの通話路を解放した後、上述と同様にして、内線電話端末2Bに対してリモコン制御実行指定情報の送信処理を行う。内線電話端末2Bは、図8では、図示を省略するが、このリモコン制御実行指示情報を受けると、マイクロホン25およびカメラ27を動作状態にする。そして、主装置1は、内線電話端末2Bとの間に通話路を生成する。これにより、上述と同様にして、この内線電話端末2Bのリモコン送信部を用いた別の被リモコン制御機器に対する別のリモコン制御を実行する。
そして、リモコン制御を終了する場合には、携帯電話端末の使用者は、切断操作を行う。この切断操作があると、ウェブサーバ8は、携帯電話端末との間の通信路を切断すると共に、主装置1に通信切断を通知する。これを受けた主装置1は、ウェブサーバ8とボタン電話システムとの通信路を切断し、上述のリモコン制御のシーケンスが終了する。
〔リモコンモードを用いた複数の被リモコン制御機器のリモコン制御指定〕
図24およびその続きである図25は、ユーザが、外出先から、発信側端末として例えば携帯電話端末を用いて、自宅のボタン電話システム(上述した第1の実施形態のボタン電話システム)のウェブサーバ8に対してアクセスし、リモコンモード番号による複数の被リモコン制御機器についてのリモコン制御指示をする場合のシーケンス図である。この図24および図25の例は、図7に示したようなリモコンモードの設定がされていて、リモコンモード番号による複数の被リモコン制御機器に対するリモコン制御指示がなされる場合のシーケンス例である。
この例においては、ウェブサーバ8は、インターネットを通じたアクセスを受け、アクセスしてきた、例えば携帯電話端末との間に通信路を生成した後、図24の表示画面D4に示すようなリモコン操作画面の初期画面を、図24で点線の矢印で示すように、アクセスしてきた携帯電話端末に送る。すなわち、この例の場合における初期リモコン操作画面は、表示画面D4として示すように、「モード選択」と、「個別制御」との2項目の選択画面とされる。
図24の例においては、ユーザは、このリモコン操作画面の初期画面において、「モード選択」を選択する操作をする。すると、その選択操作情報が携帯電話端末からウェブサーバ8に送られ、ウェブサーバ8は、点線矢印で示すように、選択された「モード選択」について、選択可能なリモコンモードの一覧メニューを次のリモコン操作画面として携帯電話端末に送る。
このとき、携帯電話端末のディスプレイには、例えば図24の表示画面D5に示すように、「夜間居留守モード」、「帰宅モード1」、「帰宅モード2」などの、選択可能なリモコンモードの一覧メニューが表示される。
ユーザは、図24の例では、この表示画面D5のリモコン操作画面のメニューから、「居留守モード」を選択する操作をする。この操作で、この例ではリモコン指定情報の入力が完了となるので、ウェブサーバ8は、主装置1と接続する処理をし、リモコンモードの「夜間居留守モード」を指定内容とするリモコン指定情報を主装置1に送る。このウェブサーバ8から主装置1に送られるリモコン指定情報は、例えば、リモコンモード番号からなる。その場合、ウェブサーバ8は、リモコンモードと、リモコンモード番号との対応情報を主装置1から取得し、かつ、リモコン操作画面のメニュー項目と、リモコンモード番号との対応関係を把握できるようにしておく。
主装置1は、このリモコンモードを指定する情報からなるリモコン指定情報を受け取ると、前述の実施形態と同様にして、指定されたリモコンモードにおける複数の被リモコン制御機器のすべてについて、順次にリモコン制御指示を行うようにする。
図24および図25の例においては、「夜間居留守モード」が選択されたので、1階のテレビ受信機4Aと、2階のテレビ受信機4Bとの電源オンが、リモコン指示されることになる。
したがって、主装置1は、図24に示すように、先ず、内線電話端末2Aに対して、1階のテレビ受信機4Aの電源オンのリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送る。また、主装置1は、内線電話端末2Aから、携帯電話端末までの通話路を生成するようにする。
内線電話端末2Aは、そのリモコン送信部26から赤外線リモコン信号をテレビ受信機4Aに向けて送信する。そして、内線電話端末2Aは、マイクロホン25で収音した音声情報と、カメラ27で撮影した画像情報とを、主装置1、ウェブサーバ8を経由して、通信路を通じて、携帯電話端末に送る。携帯電話端末のユーザは、図24の表示画面D3のような画面を見ながら、音と画像とで、被リモコン制御機器であるテレビ受信機4Aのリモコン動作を確認するようにする。
次いで、主装置1は、指定されたリモコンモードにおける次にリモコン制御する被リモコン制御機器は2階のテレビ受信機4Bであって、それをリモコン制御するのは、現在通話路を生成中の内線電話端末2Aとは異なる内線電話端末2Bであることを認識することから、内線電話端末2Aとの通話路を解放する。
そして、主装置1は、内線電話端末2Bに対して、2階のテレビ受信機4Bの電源オンのリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送る。また、主装置1は、内線電話端末2Bから、ウェブサーバ8までの通話路を生成する。これにより、内線電話端末2Bから携帯電話端末までの通信路が形成される。
主装置1からのリモコン制御実行指示情報を受け取った内線電話端末2Bは、マイクロホン25およびカメラ27を動作状態にした後、そのリモコン送信部26から赤外線リモコン信号をテレビ受信機4Bに向けて送信する。そして、内線電話端末2Bは、マイクロホン25で収音した音声情報と、カメラ27で撮影した画像情報とを、主装置1、ウェブサーバ8を経由して、通信路を通じて、携帯電話端末に送る。ユーザは、図25の表示画面D6のような画面を見ながら、音と画像とで、被リモコン制御機器であるテレビ受信機4Bのリモコン動作を確認するようにする。
リモコンモードで指定された全ての被リモコン制御機器についてのリモコン制御が終了したと判別すると、主装置1は、リモコン制御完了通知をサーバ8に送る。サーバ8は、このリモコン制御完了通知を発信側の携帯電話端末に送るが、このとき、リモコン操作画面をも送る。
携帯電話端末は、リモコン制御完了通知を受け取ることで、指定したリモコンモードにより指定されたリモコン制御の全てが実行されたことを知り、それを表示したり、音声で報知したりして、ユーザに通知する。しかし、携帯電話端末のユーザは、音声および画像での確認において、リモコン制御が正しく完了していない被リモコン制御機器については、リモコン操作画面の個々制御の項目を選択して、その正しくリモコン制御が完了していない被リモコン制御機器については、個々制御によりリモコン制御することができる。
なお、携帯電話端末のユーザは、個々制御ではなく、再度、同じように、リモコンモードを指定して、リトライさせるようにすることもできることは言うまでもない。
なお、リモコン制御実行中には内線電話端末からのカメラの撮影画像が携帯電話端末に送られているので、ウェブサーバ8は、リモコン制御完了通知により、カメラの撮影画像情報の携帯電話端末への送信を停止して、リモコン操作画面を携帯電話端末に送ることにより、携帯電話端末のユーザにリモコン制御完了を報知するようにしても良い。つまり、リモコン制御完了通知は、別個に、その通知のみを行わなくても良い。
そして、携帯電話端末にリモコン操作画面が表示されているときに、ユーザが、ウェブサーバ8との間の通信路を切断する操作を行った場合には、ウェブサーバ8および主装置1による通信路切断処理により、携帯電話端末とボタン電話システムとの通信路が切断され、上述のリモコン制御のシーケンスが終了する。
〔ウェブサーバ8の処理動作〕
以上説明した第3の実施形態において、リモコン制御のシーケンスを実行するためのウェブサーバ(以下、単にサーバという)8における処理動作を、図26に示すフローチャートを参照しながら説明する。
サーバ8は、インターネットを通じたアクセスを待ち(ステップS301)、アクセスがあったと判別したときには、アクセスしてきた端末(アクセス端末)との間に通信路を接続する(ステップS302)。なお、このときの通信路を接続するためには、例えば暗証番号などのパスワードを用いた、アクセス端末とサーバ8との間で所定の認証処理を行うようにしても良いことは、言うまでもない。
通信路を接続した後、サーバ8は、前述したリモコン操作画面をアクセス端末に送信する(ステップS303)。このリモコン操作画面に対しては、前述したようにアクセス端末の使用者は、リモコン指定情報を入力するようにするので、サーバ8は、アクセス端末からのリモコン指定情報の受信を完了したか否か判別する(ステップS304)。
リモコン指定情報の受信を完了してはいないと判別したときには、サーバ8は、アクセス端末からアクセス終了指示を受信したか否か判別し(ステップS305)、アクセス終了指示を受信してはいないと判別したときには、ステップS304に戻る。また、ステップS305で、アクセス終了指示を受信したと判別したときには、サーバ8は、アクセス端末との間の通信路を切断して(ステップS306)、この処理ルーチンを終了する。
ステップS304で、リモコン指定情報の受信を完了したと判別したときには、サーバ8は、主装置1に接続要求を送って、通信路を生成して接続する(ステップS307)。そして、サーバ8は、アクセス端末から受信したリモコン指定情報を主装置1に送信する(ステップS308)。
このリモコン指定情報に対しては、主装置1は、前述したようなリモコン制御動作を実行する。サーバ8は、このリモコン制御動作時において、主装置1から送られてくる情報をアクセス端末に送ると共に、アクセス端末から送られてくる情報を主装置1に送る処理を行う(ステップS309)。
すなわち、リモコン制御を実行する内線電話端末からの音声情報および画像情報が、主装置1を通じて送られてくるので、サーバ8は、それらの音声情報および画像情報を、アクセス端末に送信するようにする。また、アクセス端末からは、リモコン制御の正常終了確認通知(個別制御モード)やリトライ指示などが送られてくるので、それらの情報を、主装置に送る。また、リモコンモード時には、主装置1からリモコン制御完了通知なども送られてくるので、サーバ8は、それを受信する処理も行う。
次に、サーバ8は、アクセス端末から正常終了確認通知を受信したか否か判別し(ステップS310)、正常終了確認通知をアクセス端末から受信したと判別したときには、ステップS303に戻り、最初のリモコン操作画面をアクセス端末に送出するようにする。
ステップS310で、正常終了確認通知はアクセス端末から受信していないと判別したときには、サーバ8は、リモコン制御完了通知を主装置1から受信したか否か判別し(ステップS311)、リモコン制御完了通知を受信したと判別したときには、ステップS303に戻り、最初のリモコン操作画面をアクセス端末に送出するようにする。
また、ステップS311で、リモコン制御完了通知を受信してはいないと判別したときには、サーバ8は、アクセス終了指示をアクセス端末から受信したか否か判別し(ステップS312)、アクセス終了指示を受信してはいないと判別したときには、ステップS310に戻る。また、ステップS312で、アクセス終了指示を受信したと判別したときには、サーバ8は、アクセス端末との間の通信路を切断し(ステップS313)、その後、この処理ルーチンを終了する。
〔主装置1の処理動作〕
以上説明した第3の実施形態の場合のリモコン制御のシーケンスを実行するための主装置1における処理動作を、図27〜図30に示すフローチャートを参照しながら説明する。この図27〜図30の各ステップの処理は、主装置1の制御部101が実行するものである。
制御部101は、サーバ8からの接続要求を受信したか否か判別し(ステップS321)、サーバ8からの接続要求を受信してはいないと判別したときには、その他の処理をし(ステップS322)、その終了後、ステップS321に戻る。
ステップS321で、サーバ8からの接続要求を受信したと判別したときには、制御部101は、サーバ8との間に通信路を生成する(ステップS323)。そして、主装置1は、サーバ8からのリモコン指定情報を受信する(ステップS324)。
次に、制御部101は、受信したリモコン指定情報は、個別制御の指定か、リモコンモードの指定かを判別する(ステップS325)。
このステップS325で、個別制御の指定であると判別したときには、制御部101は、リモコン指定情報によりリモコン制御記憶部107を参照することにより、被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を把握する(ステップS326)。
次に、制御部101は、把握した内線電話端末に、リモコン制御実行指示情報を送出する(ステップS327)。このリモコン制御実行指示情報には、前述したように、リモコンコードと、被リモコン制御機器の方向に内線電話端末のリモコン送信部26が向くようにするための機器方向の情報を含む。
次に、制御部101は、把握した内線電話端末との間に通話路を生成する(ステップS328)。そして、制御部101は、生成された通話路を通じて内線電話端末から送られてくる音声情報および画像情報を受信し、これら受信した音声情報および画像情報を、サーバ8を経由させて、発信側に送信するようにする(図28のステップS331)。
発信側端末のユーザは、受信した収音音声情報や撮影画像情報を視聴することにより、このときの内線電話端末におけるリモコン制御動作を確認することができる。そして、前述したように、その確認結果として、リトライ指示あるいは正常終了確認通知の操作をする。
そこで、主装置1は、サーバ8を経由して、発信側からリトライ指示を受信したか否か判別し(ステップS332)、リトライ指示を受信したと判別したときには、指定された内線電話端末に、リモコン制御実行指示情報を再送信する(ステップS333)。そして、ステップS331に戻る。なお、前述のシーケンス例において説明したように、リトライ指示には、発信側で入力されたリモコン送信部26の方向を変更させる方向制御情報が含まれている。よって、ステップS333で再送信されるリモコン制御実行指示情報には、内線電話端末のリモコン送信部26の方向を変更させる方向制御情報が含まれている。
ステップS332で、リトライ指示を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、サーバ8を経由して、発信側から正常終了確認通知を受信したか否か判別する(ステップS334)。
このステップS334で、正常終了確認通知を受信したと判別したときには、制御部101は、サーバ8を経由して、発信側から更なるリモコン指示情報を受信したか否か判別する(ステップS335)。
このステップS335で、更なるリモコン指定情報を受信したと判別したときには、制御部101は、リモコン指定情報に含まれる被リモコン制御機器の指定情報(被リモコン制御機器番号など)を用いて、リモコン制御記憶部107の記憶内容を参照することで、内線電話端末を把握し(ステップS336)、把握した内線電話端末は、現在、通話路で発信側と接続されている内線電話端末であるか否か判別する(ステップS337)。
そして、把握した内線電話端末は、現在、通話路で発信側と接続されている内線電話端末と同じであると判別したときには、制御部101は、指定された内線電話端末に、新たなリモコン指定情報に基づくリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS339)。そして、ステップS331に戻る。
また、ステップS337で、把握した内線電話端末は、現在、通話路で発信側と接続されている内線電話端末とは異なった内線電話端末であると判別したときには、制御部101は、現在生成中の通話路を解放し(ステップS338)、その後、図27のステップS327に戻り、前述したステップS327以降の処理を繰り返す。
また、ステップS334で、正常終了確認通知を受信してはいないと判別したときと、ステップS335で、更なるリモコン指定情報を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、相手(発信側)で切断操作がなされたか否か判別する(ステップS340)。そして、このステップS340で、切断操作がなされてはいないと判別したときには、制御部101は、ステップS331に戻り、このステップS331以降の処理を繰り返す。また、ステップS430で、切断操作がなされたと判別したときには、制御部101は、サーバ8との通信路を切断処理し(ステップS341)、この処理ルーチンを終了する。
また、図27のステップS325で、リモコン指定情報は、リモコンモード指定(リモコンモード番号)であると判別したときには、制御部101は、受信したリモコンモード番号を検索子としてリモコンモード記憶部109を参照することで、リモコンモードを認識する(図29のステップS351)。
そして、制御部101は、認識したリモコンモードから、最初にリモコン制御すべき被リモコン制御機器を認識し、当該認識した被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を、リモコン制御記憶部107を参照して認識する(ステップS352)。
次に、制御部101は、認識した内線電話端末に、最初にリモコン制御すべき被リモコン制御機器についての指定されたリモコンコードを含むリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS353)。
次に、この第3の実施形態では、制御部101は、認識した内線電話端末とサーバ8との間に通話路を生成し、これにより、内線電話端末と発信側との間に通信路が生成されるようにする(ステップS354)。そして、制御部101は、生成された通信路を通じて内線電話端末から送られてくる音声情報および画像情報を、サーバ8経由で発信側端末に送信するようにする(ステップS355)。
次に、制御部101は、予め定められた所定時間が経過するのを待つ(ステップS356)。ここで、この所定時間は、内線電話端末が主装置1からリモコン制御実行指示情報を受信した後、実際にリモコン送信部26から赤外線リモコン信号を送出するまでの時間と、発信側端末で、通信路を通じて送られてくる音声情報および画像情報を参照することで、リモコン制御が正常になされたか否かを確認することができる時間との和を考慮したものとされる。
ステップS356で、所定時間が経過したと判別したときには、制御部101は、指定されたリモコンモードにおいて、未だ、実行されていないリモコン制御があるか否か判別する(図30のステップS361)。
このステップS361で、未だ、実行されていないリモコン制御があると判別したときには、制御部101は、その未実行のリモコン制御をすべき被リモコン制御機器を認識し、その被リモコン制御機器をリモコン制御する内線電話端末を認識する(ステップS362)。そして、認識した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末であるか否か判別する(ステップS363)。
そして、ステップS363で、認識した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末と同じであると判別したときには、制御部101は、認識した内線電話端末に、新たなリモコン指定情報に基づくリモコン制御実行指示情報を送信する(ステップS364)。そして、次に、ステップS355に戻り、前述したステップS355以降の処理を繰り返す。
また、ステップS363で、認識した内線電話端末は、現在、通話路で接続されている内線電話端末と異なると判別したときには、制御部101は、現在生成中の通話路を解放し(ステップS365)、その後、ステップS353に戻り、前述したステップS353以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS361で、指定されたリモコンモードにおいて、未だ、実行されていないリモコン制御がないと判別したときには、制御部101は、リモコン制御完了通知をサーバ8を経由させて発信側に送信する(ステップS366)。
このリモコン制御完了通知を主装置1から受けたサーバ8は、発信側端末にリモコン操作画面を送って、前述したように、ユーザからの個々の被リモコン制御機器についてのリモコン制御や、再度のリモコンモード指定によるリモコン制御を受け付けるようにする。
そこで、制御部101は、サーバ8を経由して、発信側からこれらの新規のリモコン指定情報を受信したか否か判別し(ステップS367)、新たなリモコン指定情報を受信したと判別したときには、図27のステップS325に戻り、このステップS325以降の処理を繰り返すようにする。
ステップS367で、新たなリモコン指定情報を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、サーバ8を経由した発信側の切断操作通知を待ち(ステップS368)、切断操作通知があったときには、内線電話端末およびサーバ8との通話路を切断して(ステップS369)、この処理ルーチンを終了する。
〔第3の実施形態の内線電話端末の処理動作〕
第3の実施形態においても、内線電話端末2におけるリモコン制御時の処理動作は、図14に示した第1の実施形態と同様である。よって、ここでは、その説明は、省略する。
〔第3の実施形態の効果〕
この第3の実施形態においては、上述の第1の実施形態および第2の実施形態の効果に加えて、ウェブサーバ8には、何時でもどこからでもアクセスすることが可能である。したがって、1階に居るユーザが、2階のテレビ受信機の電源をリモコン制御でオフするなどというリモコン制御態様が可能である。
また、ウェブサーバ8から、リモコン指示をユーザが入力する携帯電話端末などの端末に対して、リモコン操作画面を提供することができるので、ユーザは、リモコン制御に関して、内線番号、被リモコン制御機器の番号や、リモコンモード番号などを記憶しておく必要がなく、便利である。
〔第3の実施形態の変形例〕
上述した第3の実施形態の説明は、第2の実施形態を図21のシステムに応用した場合であるが、前述もしたように、第3の実施形態は、第1の実施形態を、図21のシステムに応用することも勿論できる。
この第1の実施形態を第3の実施形態に応用する場合において、内線電話端末からの音声情報および画像情報を用いてリモコン制御が正常に完了したか否かの確認判断処理するのは、第1の実施形態と同様に、主装置1であっても良いし、ウェブサーバ8であっても良い。
また、第3の実施形態を第1の実施形態の場合に応用したときには、主装置1やウェブサーバ8で被リモコン制御機器でのリモコン制御が正常に完了したかどうかを確認判断して、その判断結果をアクセス端末に送るようにするだけでよい。すなわち、上述の第2の実施形態に適用した場合の第3の実施形態のように、主装置1は、ボタン電話システムの内線電話端末とアクセス端末との間に通話路を形成する必要はない。そのため、第3の実施形態を第1の実施形態の場合に応用したときには、アクセス端末は、電話機能を備えている必要はない。
また、第3の実施形態では、サーバ8とアクセス端末との間は、電話通信とする必要はないので、第2の実施形態を第3の実施形態に応用した場合であっても、アクセス端末は電話機能を備えている必要はない。
また、この第3の実施形態においては、主装置1とリモコン制御実行指示対象の内線電話端末2との間の通話路は、主装置1が、リモコン制御実行指示情報を内線電話端末2に送出した後に生成するようにしたが、この通話路の生成は、主装置1が、リモコン制御実行指示情報を内線電話端末2に送出する前であってもよい。
[第4の実施形態]
上述の実施形態は、ボタン電話システムに対して、この発明を適用した場合であるが、リモコン送信部を備える単独の電話端末に、例えば外出先から電話をかけてリモコン制御する場合にも、同様に適用することができる。第4の実施形態は、この単独電話端末に、この発明を適用した場合である。
この第4の実施形態の場合には、単独電話端末は、上述した第1および第2の実施形態のボタン電話システムの主装置1の制御部101の上述したリモコン制御時の処理機能を備える。
すなわち、第1の実施形態の場合の主装置1でリモコン制御の確認判断を行う代わりに、単独電話端末で、リモコン制御の確認判断を行う例の場合には、この第4の実施形態の単独電話端末は、図3に示したハードウエア構成に、さらに、リモコン制御記憶部と、リモコンモード記憶部と、リモコン動作確認判断部を備えると共に、制御部201が、上述した第1の実施形態の場合におけるリモコン制御時の主装置1の処理機能を備える。
また、第2の実施形態の場合のように、発呼側端末のユーザが、音声情報や画像情報を視聴することによりリモコン制御の確認判断を行う例の場合には、この第4の実施形態の単独電話端末は、図3に示したハードウエア構成に、さらに、リモコン制御記憶部と、リモコンモード記憶部とを備えると共に、制御部201が、上述した第2の実施形態の場合におけるリモコン制御時の主装置1の処理機能を備える。
さらに、第3の実施形態のように、ウェブサーバを介在させるようにすることもできる。すなわち、その場合には、単独電話端末は、第3の実施形態におけるウェブサーバの機能を内蔵する構成を備えるようにするものである。
[その他の実施形態および変形例]
上述の第1〜第3の実施形態においては、内線電話端末は、主装置と電話用ケーブルで接続される構成としたが、内線電話端末はコードレス電話端末の構成とし、主装置と内線電話端末との間は無線接続であっても勿論よい。
また、第1および第2の実施形態の例では、外線用インターフェースを通じて留守番モードに設定されている状態になっているボタン電話システムへの着信をトリガとして、リモコン制御指示を外出先からユーザが行うことができるようにしたが、この例に限られるものではない。
例えば、第1および第2の実施形態において、内線電話端末が各室などに設置されているときに、無人であって、内線着信に対して応答がないときには、主装置が自動応答するようにし、その後に、リモコン指示コードが送られてきたときには、上述と同様のリモコン制御ができるように構成することもできる。
なお、上述の第1〜第3の実施形態は、家庭に設置される小規模のボタン電話システムの場合を例に説明したが、企業施設や商業施設などに設置される大規模のボタン電話システムの場合にも、同様に、この発明を適用することができることは言うまでもない。
また、上述の実施形態は、IP電話システムおよびIP電話端末の場合について説明したが、この発明は、IP電話システムおよびIP電話端末の場合に限られるものではないことは言うまでもない。
また、リモコン指示の発呼側端末は、携帯電話端末に限られるものではなく、電話通信機能を有するパーソナルコンピュータや、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報通信端末などであってもよい。
また、リモコン信号は、赤外線リモコン信号の場合を例に説明したが、リモコン信号は、赤外線を用いたものに限られるものではなく、電波や光を用いたものでよいし、また、無線式ではなく、有線式であってもよいことは言うまでもない。
また、上述の実施形態の説明では、リモコン制御が正常に完了したか否かを確認するための情報は、音声情報と画像情報との両方を用いるようにしたが、そのどちらか一方であっても勿論よい。