JP2011070085A - 表面加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型の基板を変形させないで短時間に均一に加熱したい製造工程がある。基板の大きさが特に1m近くまたはそれ以上になると、基板全体を加熱することが困難になる。支持台に密着させた、または置いた基板に高温のガスのビームをライン状に吹き付け、支持台を相対的に移動させる加熱方法では基板表裏の温度差により、基板が反るまたは割れる課題があった。
【解決手段】基板を固定した支持台とガス吹き付け機構からのガスビームの間を通過させる。ビームを通過する領域で、裏面の温度を表面より低い温度に制御する。限られた当該領域で基板表裏の温度差を小さく抑えることにより、大型基板表面の短時間均一アニール処理が可能になった。
【選択図】 図3
【解決手段】基板を固定した支持台とガス吹き付け機構からのガスビームの間を通過させる。ビームを通過する領域で、裏面の温度を表面より低い温度に制御する。限られた当該領域で基板表裏の温度差を小さく抑えることにより、大型基板表面の短時間均一アニール処理が可能になった。
【選択図】 図3
Description
一般に、基板に膜を形成して作製するデバイスの中には、その基板が1m級の大型のものがある。例えば、ガラスや樹脂、金属シートの基板を用いるデバイスがある。ガラス基板上に成長させた薄膜を具備したデバイスとしては、液晶表示デバイス(LCD)や有機EL(エレクトロミネセンス)表示デバイス、太陽電池等のいわゆる大面積電子デバイスがある。
薄膜はいずれのデバイスにおいてもアモルファス膜や結晶膜、絶縁膜、導電膜、保護膜として用いられる。
薄膜はいずれのデバイスにおいてもアモルファス膜や結晶膜、絶縁膜、導電膜、保護膜として用いられる。
これら基板はシリコンウエハのような高温熱処理ができないので、真空チャンバーの中で低温に基板を保持して成膜可能なプラズマ化学気相成長(CVD)の膜が用いられる。この膜はプラズマ分解で生成されるガス種を吸着しながら成長するので水素や酸素などの希望しない不純物を含み、吸湿もしやすく緻密性で劣る。 これを改良するために、プラズマのビーム(先行特許文献1参照)やレーザー光でアニールして不純物を除去するする技術がある。また,絶縁膜であるなら減圧を用いる化学気相成長(CVD)が確立された方法であるが減圧を用いるので装置が高価になる。このために、別の方法で基板上に形成した膜を加熱する方法が取られる。例えば、目的の膜材料を溶かした溶液状のものを回転塗布(スピンオンとも言う)やスリット塗布、スプレー塗布などの方式で基板に成膜して、それを200〜500℃で加熱して成膜できる材料がある。絶縁膜としては、例えば有機ポリマーや無機のポリマー、またはこれらの混合したポリマー塗布膜がある。導電膜としては、例えばAlの入ったZnO膜の塗布膜がある。銅(Cu)や銀(Ag)の微粒子を分散材で囲い、それを溶剤に溶かして塗布する金属塗布膜がある。結晶膜としては、例えば化合物半導体であるCIGS(Cu,In、Ga,Seの化合物)の塗布膜がある。 これらの塗布膜は40cmから2mくらいの大型基板の上に塗布して用いる。安価に製造するために基板の材料がガラスであったり耐熱樹脂であったりする。これらの膜は基板の温度を上げることによりその上に塗布された膜をアニールして用いる。しかし基板が40cmないし2m、またはそれ以上に大きい場合、一様に均一に基板温度を上げることが困難である。いたるところ一様に熱を与えるためには、例えば炉の中でアニールするとき、数時間の時間をかけることにより基板のいたるところで温度の違いが起きないようにする。この対応では、単位時間当たりの生産枚数が低下するという課題が生じる。基板は耐熱性に劣るガラスや樹脂である場合には特にアニールは困難である。プラズマジェットやレーザーを用いて基板を低温に維持したままアニールすることが提案されたり行われているが、大面積の基板では生産性に劣るという課題がある(特許文献1,2参照)。
本発明は例えば大面積電子デバイスの作製に好適な膜形成の改良に係り、例えばガラス基板の上に塗布した材料のアニールに関する。特に大型のガラス基板に塗布したシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、導電膜、または多元の化合物膜等を含む塗布膜をアニールして膜を改質する装置に関する。ガラス基板だけでなく、樹脂基板や金属基板を用いる大面積デバイスにも同じ課題がある。
大型基板の加熱装置の代表は炉アニール装置とランプアニール装置である。大型基板に対してはそれぞれ課題がある。炉では一枚いれても多数枚いれても基板の周辺と中心部では温度の上がり方が違う。一様にしようとすると時間をかけてゆっくり温度を上げなくてはならない。これには生産性の低下のほかに、他の工程のタイミングと合わないという課題がある。大型基板を覆うようにランプをたくさん並べるランプアニールでは基板の周辺と中心の差は調整で抑えられるが、ランプとランプの隙間で温度差が生じる。また基板が透明であると光が吸収されにくいのと、吸収が表面材料の種類や厚みに依存して吸熱分布が生じるという課題がある。これら課題を解決する方法に加熱されたガスを基板に垂直にビーム状に吹き付けて熱を表面から注入する加熱方法がある。ビーム状に吹き付ける一定温度のガスは基板表面に熱を熱伝導で連続的に注入するので基板表面の塗布膜は高速アニールされる。基板が10cm程度の小型のとき、裏面とガスの吹き付ける表面の温度差で生じる基板の反りは相対的に小さい。しかし、基板が50cmや2mの大きさになると基板表裏の温度差による基板の反り量は相対的に大きくなる。ガスの吹き出し口と基板の距離が基板表面温度に影響するので、この反りは一定以下に抑えないとならない。基板が相対的に厚いとき基板の表面と裏面の温度差は大きくなり、厚いほど反りは顕著になる。基板に傷があると反りのストレス応力で基板が割れる。これが課題の一つである。
この課題を図1に示す。支持台6の上に基板の裏面1bを接して置かれた基板1がガス吹き付け器2の下を移動する。基板1の表面1aには塗布膜5が形成されている。ガス吹き付け器2のガス加熱機構4で加熱されたガスビーム3が基板表面をほぼ垂直に吹き付けて基板表面に熱を注入して加熱する。基板表面に塗布された塗布膜5はガスビーム3によりアニールされ,溶剤などのガスを放出する。基板の温度は支持台6との基板裏面1bとの密着度合いにより違い、基板の裏面1bにある空気などの熱の不良導体に影響される。基板の表面1aが吹き付けガス2で加熱されて基板の加熱された部分1cが上に膨らむ。出来上がる支持台6との隙間7は熱伝導度を悪くさせて裏面の温度が上昇し膨らみは減り一定の膨らみになる。この膨らみが高温に加熱された基板に永久変形の歪を残すと、基板は平坦性を失う。基板が相対的に薄いとき、異なる2つ目の課題がある。基板が薄いと表面から注入された熱は裏面に速やかに伝わり、裏面の温度が上昇する。ガスビーム3が当たる基板の表裏が同じ温度に近くなり反りの課題は無いが基板の内部までが加熱されて基板は熱ダメージを受ける。基板の反りと熱ダメージが課題である。この課題を解決するガスビーム吹き付け装置の基板支持構造が必要である。
図2に課題を解決する本発明の装置の基本構造を示す。基板1は離れた左右の支持台25,26の上をガス吹き付け装置2からのガスビーム(第一のガスビーム)による熱注入を受けながら通過する。支持台25,26の間には基板裏面を基板表面より低い温度に制御して冷却するための支持台27が基板に接触または近接させて備えられている。支持台27の温度は中に備えられた電熱ヒーター28と循環させる冷媒29で調整され、基板表面に吹き付けて熱注入する熱ビームの温度より低く設定される。この調整によりガスビームの当たる基板の加熱された部分1cの膨らみは制御されて抑制される。また裏面温度は表面より低いので基板の熱ダメージは抑制される。本発明は基板表面と裏面の温度を平衡状態にしない非平衡加熱である。非平衡加熱は基板全体を加熱する炉アニールでは実現不可能である。本発明は基板の表面に垂直にガスをビーム状に吹き付ける装置において、ビームの当たる部分の基板裏面の温度を表面より低く制御することを特徴とする。同効果を得るためには温度を制御したガスを裏面に当てる機構でも良い。そのために基板を介して上下2つのガス吹き付け装置を備え、ビームの当たる部分の基板裏面には表面より低い温度のガスビーム(第二のガスビーム)を吹き付けながら基板を上下2つのガスビームの間を通過させる。基板はこの吹き付けビーム領域を通過するとき瞬間的に表面は加熱され裏面領域は相対的に制御された温度に冷却される。しかも、当該領域はビームの当たる狭い領域に限られるので温度差のある領域は限定される。基板の二つの支持台25,26は平らな表面を持つ台の例であるが、回転するローラーでも良い。支持台がローラーであるとき、ローラー自身が駆動力となって基板を移動させても良い。またローラー支持台は冷媒としても作用するので、ローラーの位置と加熱ガスビームの位置が一致させても良い。このときローラーは一定の温度に制御されるように、放熱と加熱冷却の調整で温度が制御されことが望ましい。また当該ガスビームの幅が基板の幅より狭いと加熱による基板の膨張部分が周囲の低温部分で制限されて大きなストレスを生じる。このストレスを閉じ込めないようにするにはガスビームの幅は基板の幅より大きくなくてはならない。以上では支持台とガス吹き付け装置を固定して基板を移動させるように記述したが、ガス吹きつけ装置と基板は相対的に移動させればよく、基板を加熱するガス吹き付け装置と基板を冷却する装置が移動する構造でも良い。冷却のためのガスは冷却効果を高めるために水を含んでいても良い。また、冷却のためのガスに代えて、温度制御された水でも良い。
そして、請求項1に係る発明は、断面が矩形または線状である加熱したガスのビーム(第一のガスビーム)を吹き付けて被加熱基材表面から熱を注入するガス吹き付け機構を備えた表面加熱装置であって、当該基材が固定された支持台の上を移動する機構と、当該加熱ガスビームの当たる部分の基材の裏面を当該ガスビームの温度より低温の冷却媒体に接触して裏面冷却する裏面冷却機構とを備え、前記基材が前記加熱ガスビームと前記裏面冷却機構の間に挟まれて通過することを特徴とする表面加熱装置である。
請求項2に係る発明は,前記ガスのビームの幅が前記の通過する基板の幅より大きいことを特徴とする請求項1記載の装置である。
請求項3に係る発明は、前記裏面冷却機構が電熱ヒーターと循環する冷媒の一方または両方を備え、当該ガスビームの当たる部分の基板裏面に熱接触させてあり、当該ビームの温度より基板裏面の温度を低い温度に制御することを特徴とする請求項1、2記載の装置である。
請求項4に係る発明は、前記裏面冷却機構が加熱ガスビームの温度より低い温度のガスのビームを吹き付ける機構であることを特徴とする請求項1、2記載の装置である。
請求項5に係る発明は、前記の固定された支持台が回転するローラーであり、ローラーとローラーの間の空隙のガスが当該冷却媒体であることを特徴とする請求項1、2、4記載の装置である。
請求項6に係る発明は、前記ローラーの一つが前記加熱ガスビームの当たる部分の基板裏面に配置されてあることを特徴とする請求項5記載の装置である。
請求項7に係る発明は前記ローラーの回転駆動力で当該基板を移動させることを特徴とする請求項5,6記載の装置である。
請求項8に係る発明は前記ガスが窒素、酸素、水素、アルゴン、水、空気を含むガスであることを特徴とする請求項1ないし7記載の装置である。
請求項9に係る発明は前記基板がガラスまたは樹脂、金属を材料とすることを特徴とする請求項1ないし8記載の装置である。
請求項1、2に係る発明によれば、加熱ガスビームの当たる部分の基板の表面より低い温度に裏面の温度を制御できる。これにより基板の反りを抑制し、基板の熱ダメージを抑制できる。また基板の幅を超える幅の加熱ガスビームで線状に加熱しながら基板を移動させるので、基板全体にわたり均一の熱処理が可能になった。炉のアニールの場合は、基板全体を同じ温度に加熱するが、本発明では加熱ガスビームの当たる部分の基板の表裏の温度を独立に制御できるのが特徴である。ランプアニールではランプとランプの境目で温度が不均一になり1m級の大型基板を均一にアニールするのは困難であった。また基板の上の材料の赤外線吸収が材料の光学的性質の差で異なるという課題がある。しかし、本発明はガスビームの熱伝導による加熱であるので材料依存が無い。
請求項3に係る発明によれば拡張可能な電熱ヒーターと循環冷媒の温度制御機構で大きな基板の反り抑制または防止ができるので安価に装置の拡張設計が可能である。
請求項4に係る発明によれば、基板の表裏を独立した違う温度のガスビームで加熱冷却するので、基板が早い速度で移動するときにおいても、表面裏面を独立に温度制御しながら加熱することが可能である。
請求項5に係る発明によれば、ローラーを回転させながら基板を移動できる。基板が1mを超える大型であっても、容易に基板が移動できる。表面を加熱するガスビームの位置にローラーを置かない場合、裏面の空隙部分のガスが基板裏面を冷却する冷却媒体として作用する。
請求項6に係る発明によれば、加熱ガスビームの当たる部分の基板裏面に配置されたローラーが基板裏面を冷却する冷却媒体として作用する。制御の正確さの要求に応じて、このローラーは自然放熱でも良いし、温度を制御しても良い。
請求項7に係る発明によれば、自由に回転するローラーでなく駆動力をもつローラーで基板を移動させる。この回転数をデジタルモーターで制御することにより、基板の移動速度を自在に調整できる。この移動速度で基板表面に注入される熱量を制御できる。
請求項8に係る発明によれば、表面に吹き付けるガスに水を含ませることができる。水で基板の上の有機物を除去できる。酸素をガスに含ませると、有機物を酸化させて気体にしたり金属を燃焼させて拡散させづらくできる。水素をガスに含ませると水素化物として不純物を除去できる。上下のガス吹き付け装置のガス種は同じでも異なっていても目的に応じて選ぶことが自由である。裏面に吹き付けるガスに水を含ませることにより、冷却効果を増し、また洗浄の効果もある。
請求項9に係る発明によれば、大型のガラス基板を割らないように、また変形を抑制しながら熱処理を可能できる。金属や樹脂であっても変形するのを抑制できる。特に平らさを維持させたい基板を用いるときに本発明は有効である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これら添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
実施例1を図2で説明する。ガス吹き付け装置2が基板1の上に配置されてある。ガス加熱機構4はアルミニュームで出来ている。ガスはこの加熱機構4を通過することで加熱される。加熱機構4は室温のガスを所望の温度に加熱してオリフィスから加熱ガスを吹き出す。オリフィスは1mm×45cmの矩形のガス吹き出し孔を持つ。このオリフイスからでる加熱されたガスビームの断面は同じ断面形状である。ビームはオリフィスから離れるに従い広がるとともに、その温度は低下する。加熱されたガスビーム3は移動する基板1の表面1aに当たる。基板表面の塗布材料の膜5がガスビームで加熱される。基板1は固定支持台25と26の上を移動する。支持台25と26の間に基板裏面から熱を奪うための温度制御機構27が備えられている。当該温度制御機構27の内部に電熱ヒーター28と循環する冷媒29が備えられ、温度が制御される。温度は加熱ガスビーム3の温度より低く制御される。加熱機構4と支持台25、26、温度制御機構27はこの例では固定されている。これら固定部分と基板とは相対的に移動すれば良い。温度制御機構機構27は支持台25,26から熱的に絶縁され離れてある。温度制御機構27の温度を210℃に設定し、ガスビームの温度を350℃に設定して、ガスビーム幅45cmより狭い40cmの幅で0.7mmの厚みのガラス基板を右から左に300mm/分の速度で図示しない機構で押して移動させた。ガラス基板は支持台25,26と温度制御機構27に熱的に接触している。ここでは物理的に接触しているが、支持台と基板裏面間にガスを挿入してその熱伝導で熱接触させてもよい。ガスビームのガスは窒素であり、流量は50SLMとした。横から基板の反りを観測したところ、認められなかった。基板の上に塗布したSiOC膜材料(韓国APM社製Miraspin
TRX)は焼成されて鉛筆硬度8Hの硬さの特性を示した。これにより基板に永久変形を与えないで基板の上の塗布材料の膜5をアニールできたことが確認された。
TRX)は焼成されて鉛筆硬度8Hの硬さの特性を示した。これにより基板に永久変形を与えないで基板の上の塗布材料の膜5をアニールできたことが確認された。
実施例2を図3に示す。ガス吹き付け装置31、32を基板1をはさみ、その上下に対称に配置した。上のガス吹きつけ装置31と下の吹きつけ装置32は同じものを用いた。基板1は厚さ0.7mmのガラス基板であり、支持台37と38の上を右から左に移動する。上のガスビーム33は基板表面1aに、下のガスビーム34は基板の裏面1bに当たる。ガスビーム33と34は基板の同じ位置に当たる。それぞれのビーム幅45cmは基板の幅40cmより広く、基板を横断している。基板1は上下のガスビーム33、34に挟まれて移動する。上のガスビーム33の温度を450℃に設定し、下のガスビームの温度を300℃に設定して、ガラス基板1を右から左に300mm/分の速度で移動させた。ガスビームのガスは窒素であり、流量は50SLMとした。横から基板の反りを観測したところ、認められなかった。ガラス基板1を取り出して変形の有無を確認したが永久変形は認められなかった。これにより基板に永久変形を与えないでガラス基板表面をアニールできたことが確認された。塗布材料の膜5として、ここでは300℃でCuが焼成される材料を選んだ。この材料はアニールされて10μΩcm以下の抵抗値を示した。ここではガスとしてCuが酸化されない窒素を用いた。不活性ガスとしてはアルゴンやヘリュームを選んでも良い。塗布材料や目的によっては反応性のガスを混ぜることも可能である。酸素を不活性ガスに含ませたり空気を用いると、温度により有機物を酸化させて気体にできる。また金属を酸化させて拡散させづらくできる。金属の塗布膜材料として金属微粒子を分散材で覆い、それを溶剤に溶かした金属塗布材料がある。その分散材を除去するのに酸素ビームは有効に作用する。温度により水素をガスに含ませると水素化物として不純物を除去できる。ガスに水を含ませることもできる。沸点以上の高い温度の水は基板の上の有機物を除去するのに有効である。上下のガス吹き付け装置のガス種は同じでも異なっていても目的に応じて選ぶことが自由である。基板としてガラスを選んだ例を示したが、ポリカーボネイトやPEN(ポリエチレンナフタレート),PET(ポリエチレンテレフタレート),アクリルなどを含む樹脂や金属シートの基板を選ぶことも可能である。またこれらの樹脂基板をガラス基板に貼り付けた基板も選ぶことが可能である。また接着材で接着したシリコン基板を基板として用いることも可能である。
実施例3を図4に示す。基板は回転するローラー47,48で支持される。ローラーは基板の搬送に十分な数だけ備えるが、ここではガスビーム33の近傍の2つのローラーを示した。加熱ガスビーム33が当たる部分の基板裏面には支持台に相当するものが無い空隙49があり、この部分のガスが自然放熱の冷却媒体として作用して基板裏面を表面より低温にする。自然放熱による低温化が不十分であるときは、空隙49に裏面冷却のためのガス吹き付け装置32を備えて、能動的に冷却媒体としてのガスを吹き付けても良い。上のガスビーム33の温度を350℃に設定し、ガラス基板1を右から左に300mm/分の速度で移動させた。ガスビームのガスは窒素であり、流量は50SLMとした。横から基板の反りを観測したところ、認められなかった。ガラス基板1を取り出して変形の有無を確認したが永久変形は認められなかった。これにより基板に永久変形を与えないでガラス基板表面をアニールできたことが確認された。
実施例4を図5に示す。基板は複数の回転するローラーで支持されて移動する。加熱ガスビーム33があたる部分の基板裏面には当該ローラーの一つが配置されてあり、ローラーが基板と接触して基板裏面を冷却する。この場合は裏面接触するローラーの温度は自然放熱で決まっても、加熱冷却機構を備えて制御しても良い。基板を移動させるとき、ローラーの回転駆動を用いた。ローラー51、52,53を図示しないモータで回転駆動させて、回転数を制御して基板を制御された速度300mm/分で移動させた。ローラー51の温度がドリフトするのを防止するために温度の制御された媒体、ここでは水54に接触させて一定温度30℃に制御した。上のガスビーム33の温度を450℃に設定し、下のガスビームの温度を300℃に設定して、ガラス基板1を右から左に300mm/分の速度で移動させた。ガスビームのガスは窒素であり、流量は50SLMとした。横から基板の反りを観測したところ、認められなかった。ガラス基板1を取り出して変形の有無を確認したが永久変形は認められなかった。これにより基板に永久変形を与えないでガラス基板表面をアニールできたことが確認された。塗布材料の膜5として、ここでは300℃でCuが焼成される材料を選んだ。この材料はアニールされて10μΩcm以下の抵抗値を示した。
本発明は1mを超える大型基板表面を基板変形なしで均一に加熱する製造装置構造を提供する。大型の基板を用いる太陽電池やフラットパネル表示装置の製造を容易にさせる。
1 基板
1a 基板表面
1b 基板裏面
1c 基板の加熱された部分
2 ガス吹き付け装置
3 ガスビーム
4 ガス加熱機構
5 塗布材料の膜
6 基板と接した支持台
7 隙間
25支持台
26支持台
27裏面の温度制御機構
28電熱ヒーター
29冷媒
31上のガス吹きつけ装置
32下のガス吹きつけ装置
33上のガスビーム
34下のガスビーム
35上のガス加熱機構
36下のガス加熱機構
37,38 支持台
47、48 回転ローラー
49 空隙
51,52,53 ローラー
54 水
1a 基板表面
1b 基板裏面
1c 基板の加熱された部分
2 ガス吹き付け装置
3 ガスビーム
4 ガス加熱機構
5 塗布材料の膜
6 基板と接した支持台
7 隙間
25支持台
26支持台
27裏面の温度制御機構
28電熱ヒーター
29冷媒
31上のガス吹きつけ装置
32下のガス吹きつけ装置
33上のガスビーム
34下のガスビーム
35上のガス加熱機構
36下のガス加熱機構
37,38 支持台
47、48 回転ローラー
49 空隙
51,52,53 ローラー
54 水
Claims (9)
- 断面が矩形または線状である加熱したガスのビーム(第一のガスビーム)を吹き付けて被加熱基材表面から熱を注入するガス吹き付け機構を備えた表面加熱装置であって、当該基材が固定された支持台の上を移動する機構と、当該加熱ガスビームの当たる部分の基材の裏面を当該ガスビームの温度より低温の冷却媒体に接触して裏面冷却する裏面冷却機構とを備え、前記基材が前記加熱ガスビームと前記裏面冷却機構の間に挟まれて通過することを特徴とする表面加熱装置。
- 前記ガスのビームの長さが前記基材の幅より大きいことを特徴とする請求項1記載の表面加熱装置。
- 前記裏面冷却機構が電熱ヒーターと循環する冷媒の一方または両方を備え、前記加熱ガスビームの当たる部分の基材裏面に熱接触させてあり、当該ビームの温度より基材裏面の温度を低い温度に制御することを特徴とする請求項1または2記載の表面加熱装置。
- 前記裏面冷却機構が前記加熱ガスビームの温度より低い温度の第二のガスビームを吹き付ける機構であることを特徴とする請求項1または2記載の表面加熱装置。
- 前記固定された支持台が回転するローラーであり、ローラーとローラーの間の空隙のガスが前記冷却媒体であることを特徴とする請求項1、2または4記載の表面加熱装置。
- 前記ローラーの一つが前記加熱ガスビームの当たる部分の基材裏面に配置されてあることを特徴とする請求項5記載の表面加熱装置。
- 前記ローラーの回転駆動力で前記基材を移動させることを特徴とする請求項5または6記載の表面加熱装置。
- 前記第一のガスビームおよび第二のガスビームを生成するガスが窒素、酸素、水素、アルゴン、水、空気を含むガスであることを特徴とする請求項1ないし7記載の表面加熱装置。
- 前記基材がガラスまたは樹脂、金属を材料とする基板またはシートであることを特徴とする請求項1ないし8記載の表面加熱装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013032250A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-14 | Philtech Inc | 基板を加熱する機構を備えた製造装置 |
CN105026331A (zh) * | 2013-03-01 | 2015-11-04 | 法国圣戈班玻璃厂 | 用于热处理涂层的方法 |
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2009
- 2009-09-28 JP JP2009222584A patent/JP2011070085A/ja active Pending
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CN105026331A (zh) * | 2013-03-01 | 2015-11-04 | 法国圣戈班玻璃厂 | 用于热处理涂层的方法 |
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