JP2011069497A - 緩衝装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減衰特性の調整容易化。
【解決手段】作動室R1,R2を連通する第1通路3および第2通路4a、4bと、第2通路4a、4bの途中に設けた圧力室R3と、圧力室R3内に挿入されるフリーピストン5と、フリーピストン5の変位量に比例した附勢力を発生しフリーピストン5の変位を抑制するバネ要素6とを備え、一方の作動室R1から他方の作動室R2および圧力室R3へ移動する流量Qに対する作動室R1,R2間の差圧の周波数伝達関数のゲイン特性における折れ点周波数は、少なくとも作動室R1,R2間の差圧と第1通路3の流量Q1との関係と、圧力室R3と各作動室R1,R2とのそれぞれの差圧と第2通路4の流量Q2との各関係と、バネ要素6のバネ定数とフリーピストン5の受圧面積に基づいて設定し、圧力室R3をピストンロッドに螺合されてピストンロッドに嵌合される隔壁部材2をピストンロッドに固定するハウジングで形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、緩衝装置の改良に関する。
従来、この種緩衝装置にあっては、シリンダと、シリンダとシリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を2つの作動室を区画するピストンと、ピストンに設けられた2つの作動室を連通する主通路と、ピストンロッドの先端から側部に開通する副通路と、ピストンロッドの先端に取り付けられ副通路に連通される圧力室を備えたハウジングと、圧力室内に摺動自在に挿入され圧力室を2つの部屋に区画するフリーピストンと、フリーピストンを弾性支持し変位に対して非線形な附勢力を発生するバネ要素とを備え、圧力室内の一方の部屋は副通路を介して一方の作動室内に連通されるとともに、圧力室内の他方の部屋はハウジングの端部が開口されるなどして他方の作動室に連通されるようにしている。
この緩衝装置は、小振幅の振動に対しては圧力室内のフリーピストンの上下移動によって圧力室内と一方あるいは他方の作動室内の作動油を交流させることによって比較的小さな減衰力を発生し、大振幅の振動に対してはフリーピストンの上下移動量の減少によって副通路を通過する作動油量が減少してほとんどの作動油が主通路を通過して大きい減衰力を発生する(たとえば、特許文献1参照)。
また、同様の構成を備えた他の緩衝器にあっては、フリーピストンが弾性支持されているので慣性力によってピストンロッドとは逆位相に上下動するとして、バネ要素にフリーピストンが中立位置近傍にある場合に小さい附勢力を発生させフリーピストンが中立位置から大きく移動する場合に大きい附勢力を発生させるようにして、小振幅の振動時には該振幅に対する圧力室内へ流入する作動油量を多くして小さい減衰力を発生し、大振幅の振動時には該振幅に対する圧力室内へ流入する作動油量を小さくして大きい減衰力を発生するようにしている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2000−356237号公報(図3) 実開平7−19642号公報(段落番号0026,図1)
ところで、一般に車両に搭載される緩衝装置にあっては、旋回走行中のような緩衝装置に入力される振動周波数が比較的低い状況下には大きな減衰力を発生して車体のローリング等を抑制して車両における乗り心地を確保することが望まれる反面、車輪が路面の凹凸を乗り越えるような緩衝装置に入力される振動周波数が比較的高い状況下には、極力減衰力を小さくして車両のバネ上部材たる車体に振動が伝達されることを抑制することが望まれている。
ここで、従来緩衝装置のように入力される振幅の大きさによって減衰力を変化させる思想でも、振幅量に対する減衰力の変化特性を適当なものとすることによって、上記したような各状況に対応することも不可能ではないが、小さい振幅の振動時にも大きな減衰力を発生させなくてはならない場合もあり、このような思想に基づく減衰力の変化特性の調整は非常に難しいので、やはり振動の周波数に減衰力の変化を依存させる方が好ましく、また、その調整もできることなら容易にしたい。
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝装置における入力振動周波数に対する減衰力の変化(以下、単に「減衰特性」という)の調整を容易とすることである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を2つの作動室に区画する隔壁部材と、隔壁部材が固定されるピストンロッドと、2つの作動室を連通する第1通路および第2通路と、上記第2通路の途中に設けた圧力室と、上記圧力室内に摺動自在に挿入され上記作動室同士の連通を断つフリーピストンと、上記フリーピストンの上記圧力室に対する変位量に対し比例して該フリーピストンの変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素とを備えた緩衝装置において、上記圧力室が上記ピストンロッドに螺合されて上記ピストンロッドに嵌合される隔壁部材を該ピストンロッドに固定するハウジングにより形成され、当該ハウジングは、上記ピストンロッドに螺合される鍔付の内筒と、上記鍔の外周から延設される外筒と、上記外筒の開口部を閉塞するキャップとからなり、上記フリーピストンは有底筒状に形成されて上記ハウジング内に収納されて上記圧力室をピストンロッド側の一方室とキャップ側の他方室とに区画し、上記一方室は上記ピストンロッド内に形成され上記第2通路の一部をなす流路で一方の作動室に連通されるとともに、上記他方室は上記キャップに形成した上記第2通路の一部をなす流路で他方の作動室に連通されてなり、一方の作動室から他方の作動室および上記圧力室へ移動する流量に対する上記作動室間の差圧の周波数伝達関数のゲイン特性における折れ点周波数は、少なくとも上記差圧と上記第1通路の流量との関係と、上記一方室と一方の作動室との差圧と上記第2通路の流量との関係と、上記他方室と他方の作動室との差圧と上記第2通路の流量との関係と、上記バネ要素のバネ定数と上記フリーピストンの受圧面積に基づいて設定される。
本発明の緩衝装置によれば、折れ点周波数は、差圧と第1通路を通過する液体の流量との関係と、一方室内の圧力と流路を通過する液体の流量との関係と、他方室内の圧力と流路を通過する液体の流量との関係と、フリーピストンの受圧面積と、バネ要素のバネ定数によって設定されるので、入力振動周波数に対する減衰係数の変化量の調整、および、折れ点周波数の調整も容易となる。
すなわち、この緩衝装置の減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができ、また、その調整も非常に容易となるのであり、この緩衝装置にあっては、従来緩衝装置のように振幅の大小にて減衰特性を調整するのではなく、入力振動周波数に依存した減衰特性を出力するので、車両が路面の凹凸を乗り越えるような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させることができ、また、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を確実に発生できる。
また、その減衰特性の調整が容易であることから、規格の異なる種々車両へ緩衝装置Dを適用する際、手探りでその車両にマッチした減衰特性を実現するような煩雑な調整作業の必要が無く、その設計、チューニングも容易となる。
緩衝装置を概念的に示した図である。 緩衝装置の動作時のモデル図である。 流量に対する圧力の周波数伝達関数のゲイン特性を示したボード線図である。 減衰係数、位相と周波数との関係を示した図である。 一実施の形態における具体的な緩衝装置の縦断面図である。 一実施の形態における具体的な緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。 一実施の形態の変形例における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。 一実施の形態の他の変形例における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。 他の実施の形態における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。
以下、本発明の緩衝装置を各図に基づいて説明する。図1は、緩衝装置を概念的に示した図である。図2は、緩衝装置の動作時のモデル図である。図3は、流量に対する圧力の周波数伝達関数のゲイン特性を示したボード線図である。図4は、減衰係数、位相と周波数との関係を示した図である。図5は、一実施の形態における具体的な緩衝装置の縦断面図である。図6は、一実施の形態における具体的な緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。図7は、一実施の形態の変形例における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。図8は、一実施の形態の他の変形例における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。図9は、他の実施の形態における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。
本発明の緩衝装置Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を2つの作動室である上室R1および下室R2に区画する隔壁部材たるピストン2と、上室R1および下室R2を連通する第1通路3および第2通路4と、第2通路4の途中に設けた圧力室R3と、上記圧力室R3内に摺動自在に挿入され上室R1、下室R2同士の連通を断つフリーピストン5と、フリーピストン5の圧力室R3に対する変位量に対し比例して該フリーピストン5の変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素6とを備え、上室R1および下室R2さらには圧力室R3内には作動油等の液体が充満され、また、シリンダ1内の図中下方には、シリンダ1の内周に摺接して下室R2と気体室Gとを区画する摺動隔壁7が設けられている。
さらに、ピストン2は、シリンダ1内に移動自在に挿通されたピストンロッド8の一端に連結され、ピストンロッド8は、シリンダ1の図中上端部から外方に突出されている。なお、ピストンロッド8とシリンダ1との間は図示しないシールでシリンダ1内を液密状態とされている。
したがって、ピストンロッド8もしくはシリンダ1もしくはその両方に外方から軸方向の力が作用すると、ピストンロッド8とシリンダ1が相対移動を呈し、これにともなってピストン2もシリンダ1に対し図中上下方向に移動することになる。
またさらに、第1通路3の途中には、オリフィスやリーフバルブ等の減衰力発生要素10が設けられており、第1通路3を通過する液体の流れに抵抗を与えることができるようになっている。
そして、第2通路4は、作動室の一方側となる上室R1と圧力室R3とを連通する流路4aと、作動室の他方側となる下室R2と圧力室R3とを連通する流路4bとからなり、各流路4a,4bの途中には、それぞれ、これら流路4a,4bを通過する液体の流れに抵抗を与える減衰力発生要素11,12が設けられている。
また、フリーピストン5は、圧力室R3内に摺動自在に挿入され、圧力室R3に対し変位することができるようになっており、さらに、このフリーピストン5は圧力室R3の端部に一端が連結されるバネ要素6における他端に連結され、これにより、フリーピストン5は圧力室R3の所定位置に位置決めされるとともに圧力室R3対しこの位置決めされた位置(以下、単に「中立位置」という)から変位するとバネ要素6からその変位量に比例した附勢力が作用することになる。
そして、この緩衝装置Dが伸長する際、すなわち、シリンダ1からピストンロッド8が退出する際には、ピストン2によって上室R1が圧縮され、下室R2が膨張されるので、上室R1内の圧力が高まると同時に下室R2内の圧力が低下して差圧が生じて、上室R1内の液体は第1通路3を介して下室R2内に移動する。
このとき、上室R1内の圧力は下室R2内の圧力より高くなるので、上室R1内の液体は流路4aを介して圧力室R3内の上室R1に連通される一方室13に流入し、圧力室R3内のフリーピストン5をバネ要素6の附勢力に抗して図中下方に押し下げ、一方室13を膨張させる。逆に、他方の圧力室R3内の下室R2に連通される他方室14は圧縮されるので、液体は流路4bを介して上記他方室14から下室R2内に流出するようになる。
転じて、この緩衝装置Dが収縮する際、すなわち、シリンダ1内にピストンロッド8が侵入する際には、ピストン2によって上室R1が膨張され、下室R2が圧縮されるので、下室R2内の圧力が高まると同時に上室R1内の圧力が低下して差圧が生じて、下室R2内の液体は第1通路3を介して上室R1内に移動する。
このとき、下室R2内の圧力は上室R1内の圧力より高くなるので、下室R2内の液体は流路4bを介して圧力室R3内の他方室14に流入し、圧力室R3内のフリーピストン5をバネ要素6の附勢力に抗して図中上方に押し上げ、他方室14を膨張させる。逆に、他方の圧力室R3内の一方室13は圧縮されるので、液体は流路4aを介して上記一方室13から上室R1内に流出するようになる。
なお、上記緩衝装置Dの伸縮の際に、シリンダ1内で不足するシリンダ1から退出するピストンロッド8の体積分の液体、あるいは、シリンダ1内で過剰となるシリンダ1内に侵入するピストンロッド8の体積分の液体は、摺動隔壁7がシリンダ1に対して上下動して気体室Gが膨張あるいは収縮することによって補償されることになる。
緩衝装置Dは、上述のように動作するが、この動作時に発生する減衰特性について、図2に示すモデル図を使用して説明する。
緩衝装置Dの伸縮時における上室R1と下室R2との差圧をPとし、上室R1から流出する液体の流量をQとし、上記差圧Pと第1通路3を通過する液体の流量Q1との関係である係数をC1とし、一方室13内の圧力をP1とし、この圧力P1と第2通路4の一部をなす流路4aを通過し上室R1から圧力室R3内の一方室13に流入する液体の流量Q2との関係である係数をC2とし、他方室14内の圧力をP2とし、この圧力P2と第2通路4の一部をなす流路4bを通過し圧力室R3内の他方室14から下室R2内に流出する液体の流量Q2との関係である係数をC3とし、フリーピストン5の受圧面積である断面積をAとし、フリーピストン5の圧力室R3に対する変位をXとし、バネ要素6のバネ定数をKとすると、以下の(1)から(6)の式が得られる。
Figure 2011069497
Figure 2011069497
Figure 2011069497
Figure 2011069497
Figure 2011069497
Figure 2011069497
そして、上記(1)から(6)の各式を整理してラプラス変換して、流量Qに対する差圧Pの伝達関数を求めると、式(7)が得られる。なお、式(7)中、sはラプラス演算子を示している。
Figure 2011069497
さらに、上記(7)式で示された伝達関数中のラプラス演算子sにjωを代入して、周波数伝達関数G(jω)の絶対値を求めると、以下の式(8)が得られる。
Figure 2011069497
また、その位相Φは、式(9)で計算される。
Figure 2011069497
上記式(8)で、角周波数ωを2πで割ると周波数Fとなり、周波数伝達関数G(jω)の周波数Fに対するゲイン特性は、図3のボード線図に示したように、Fa=K/{2・π・A・(C1+C2+C3)}とFb=K/{2・π・A・(C2+C3)}の2つの折れ点周波数を持ち、また、F<Faの領域においては、伝達ゲインは略C1となり、Fa≦F≦Fbの領域においてはC1からC1・(C2+C3)/(C1+C2+C3)まで漸減するように変化し、F>Fbの領域においてはC1・(C2+C3)/(C1+C2+C3)となる。
そして、上記から得られた周波数伝達関数G(jω)のゲイン特性を減衰係数ζに換算するために、|G(jω)|にピストン2の受圧面積Bを2乗したものを乗じると、減衰特性、位相Φと周波数Fとの関係は、図4に示すがごとくとなる。
この図4から明らかなように、この緩衝装置Dは、周波数Fが折れ点周波数Faより低いときには、高い減衰力を発生し、周波数Fが折れ点周波数Fbより高いときには、低い減衰力を発生し、周波数Fが折れ点周波数Fa以上折れ点周波数Fb以下のときには、徐々に減衰力が漸減するような減衰特性を持つことが理解できよう。
したがって、折れ点周波数Fa,Fbは、上記したところから、上記差圧Pと第1通路3を通過する液体の流量Q1との関係の係数C1と、一方室13内の圧力P1と流路4aを通過する液体の流量Q2との関係C2と、他方室14内の圧力P2と流路4bを通過する液体の流量Q2との関係C3と、フリーピストン5の受圧面積である断面積をAと、バネ要素6のバネ定数Kによって設定でき、また、減衰係数ζは、上記係数C1,C2,C3とピストン2の受圧面積Bによって設定することができるのであり、この緩衝装置Dにあっては、上記各関係の係数C1,C2,C3、フリーピストン5の受圧面積Aおよびバネ要素6のバネ定数Kによって減衰特性が設定されることになる。
そして、この係数C1は、第1通路3の減衰力発生要素10が液体の流れに与える抵抗によって決まる値であり、他の係数C2,C3にあっても、それぞれ第2通路4の一部をなす流路4a,4bにそれぞれ設けられた減衰力発生要素11,12の液体の流れに与える抵抗によって決まる値であることから、周波数Fに対する減衰係数ζの変化量の調整、および、折れ点周波数Fa,Fbの調整も容易となる。
すなわち、この緩衝装置Dの減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができ、また、その調整も非常に容易となるのであり、この緩衝装置Dにあっては、従来緩衝装置のように振幅の大小にて減衰特性を調整するのではなく、入力振動周波数に依存した減衰特性を出力するので、車両が路面の凹凸を乗り越えるような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させることができ、また、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を確実に発生できる。
また、その減衰特性の調整が容易であることから、規格の異なる種々車両へ緩衝装置Dを適用する際、手探りでその車両にマッチした減衰特性を実現するような煩雑な調整作業の必要が無く、その設計、チューニングも容易となる。
さらに、複数の折れ点周波数Fa,Fbのうち最小値を採る折れ点周波数Fa以外の折れ点周波数Fb値を車両のバネ下共振周波数の値以下に設定する場合には、緩衝装置Dは、バネ下共振周波数の振動が入力されると、必ず、低い減衰力を発生することになるので、車両における乗り心地を損なうことが無い。
そして、入力振動周波数Fが折れ点周波数Fbを超える領域では、減衰係数ζの位相遅れが無くなる傾向となり、振動入力に対して減衰力の発生が遅れることなく追随するので、この点でも車両における乗り心地を損なうことがない。
また、最小値の折れ点周波数Faの値を車両のバネ上共振周波数の値以上であってバネ下共振周波数の値以下に設定されるようにすることで、緩衝装置Dは、バネ上共振周波数の振動の入力に対して、確実に高い減衰力を発生することができ、車両の姿勢を安定させて、車両旋回時に、搭乗者に不安を感じさせることを防止でき、また、折れ点周波数Faより低い周波数領域では減衰係数ζの位相遅れが無くなる傾向となり、振動入力に対して減衰力の発生が遅れることなく追随するので、この点でも、搭乗者に違和感や不安を与えることがない。
なお、上記各関係の係数C2,C3の設定によって、減衰力発生要素11,12のいずれか一つを廃してもよく、また、流路4a,4bの通路面積も上記設定により大小させることができる。
以上では緩衝装置Dを概念的に説明したが、以下、緩衝装置Dの具体的な構成を示して説明する。
一実施の形態における具体的な緩衝装置D1は、図5および図6に示すように、シリンダ20と、シリンダ20内に摺動自在に挿入されシリンダ20内を2つの作動室である上室R4および下室R5に区画する隔壁部材たるピストン21と、ピストン21に形成された上室R4および下室R5を連通する第1通路22,23と、ピストンロッド24に螺合されてピストンロッド24に嵌合されるピストン21を該ピストンロッド24に固定するとともに内部に圧力室R6を形成するハウジング30と、圧力室R6内に収納されるフリーピストン50と、フリーピストン50の圧力室R6に対する変位量に対し比例してフリーピストン50の変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素55と、ピストンロッド24内に形成され上室R4を圧力室R6の一方室26に連通する第2通路の一部をなす流路41と、ハウジング30に設けられ下室R5を圧力室R6の他方室27に連通する第2通路の一部をなす流路42とを備えて構成され、上室R4および下室R5さらには圧力室R6内には作動油等の液体が充満され、この具体的な緩衝装置D1にあってもまた、シリンダ20内の図中下方には、シリンダ20の内周に摺接して下室R5と気体室G1とを区画する摺動隔壁58が設けられている。
以下、詳細に説明すると、ピストンロッド24は、その図中下端側に小径部24aが形成されるとともに、小径部24aの先端側には螺子部24bが形成されている。
そして、ピストンロッド24内には、小径部24aの先端から開口しピストンロッド24の側部に抜ける第2通路の一部をなす流路41が形成され、この流路41の途中には、流路41を通過する液体の流れに抵抗を与える為、該流路41の内径より小さい内径を備えた絞り41aが設けられている。なお、絞り41aは、図中にあるような位置ではなく、ピストンロッド24の側部から開口する部分の開口面積あるいは小径部24aの先端から開口する部分の開口面積のいずれかを小径として液体の流れに抵抗を与えるようにしても良い。
ピストン21は、環状に形成されるとともに、その内周側にピストンロッド24の小径部24aが挿入されている。また、このピストン21には、上室R4と下室R5とを連通する第1通路22,23が設けられ、第1通路22の図中上端は減衰力発生要素である積層リーフバルブV1にて閉塞され、他方の第1通路23の図中下端も減衰力発生要素である積層リーフバルブV2によって閉塞されている。
この積層リーフバルブV1,V2は、共に環状に形成され、内周側にはピストンロッド24の小径部24aが挿入され、積層リーフバルブV1,V2の撓み量をそれぞれ規制する環状のバルブストッパ28,29とともにピストン21に積層されている。
そして、積層リーフバルブV1は、緩衝装置D1の収縮時に下室R5と上室R4の差圧によって撓んで開弁し第1通路22を開放して下室R5から上室R4への液体の流れに抵抗を与え、緩衝装置Dの伸長時には第1通路22を閉塞するようになっており、他方の積層リーフバルブV2は、積層リーフバルブV1とは反対に緩衝装置D1の伸長時に第1通路23を開放し、収縮時には第1通路23を閉塞する。すなわち、積層リーフバルブV1は、緩衝装置D1の収縮時における圧側減衰力を発生する要素であり、他方の積層リーフバルブV2は、緩衝装置D1の伸長時における伸側減衰力を発生する要素である。このように、緩衝装置D1の伸縮時に上室R4と下室R5との連通が全く途絶えてしまうことが無ければ、第1通路を複数設けてそれぞれを緩衝装置D1の伸長時あるいは収縮時のみ液体が通過するように構成してもよい。
そして、ピストンロッド24の螺子部24bには、上記バルブストッパ29の下方からハウジング30が螺着され、このハウジング30によって、上記したピストン21、積層リーフバルブV1,V2およびバルブストッパ28,29がピストンロッド24に固定されている。
ハウジング30は、上記のように、ピストン21をピストンロッド24に固定する役割を果たすと共に、内部には、圧力室R6が形成されている。
このハウジング30について説明すると、ハウジング30は、ピストンロッド24の螺子部24bに螺合される鍔32付の内筒31と、上記鍔32の外周から延設される外筒33と、外筒33の開口部を閉塞するキャップ34とからなり、この内筒31、外筒33およびキャップ34で圧力室R6を形成している。
内筒31は、上述のように鍔32を備え、その内周には螺子部31aが形成され、この螺子部31aをピストンロッド24の螺子部24bに螺着することによって、ハウジング30がピストンロッド24の小径部24aに固定することが可能なようになっている。
そして、外筒33は、内筒31の鍔32の外周側から一体的に形成され、その外周の断面形状は、その外周形状に符合する工具にて外筒33を介して内筒31を回動させること可能なように、図示するところでは、外筒33の外周の一部を切欠いた形状とされているが、たとえば、六角形といった真円以外の形状とされればよい。
これによって、ハウジング30をピストンロッド24へ螺着する際の組み付け加工が非常に簡単となる。
キャップ34は、鍔付有底筒状に形成され、鍔部分が外筒33の図中下端をかしめることによって外筒33の下端に固定され、また、その底部には、第2通路の一部をなす流路42が設けられている。
そして、上記した内筒31、外筒33およびキャップ34で形成される圧力室R6内には、フリーピストン50が摺動自在に挿入され、このフリーピストン50によって圧力室R6内は、流路41によって上室R4に連通される一方室26と、流路42によって下室R5に連通される他方室27とに区画されている。
このフリーピストン50は、有底筒状に形成されてその筒部51を外筒33の内周に摺接させており、また、底部52にはキャップ34の方向に突出する凸部53を備えている。
さらに、このフリーピストン50に、フリーピストン50の圧力室R6に対する変位量に比例してその変位を抑制する附勢力を作用させるバネ要素55として、内筒31の鍔32とフリーピストン50の底部52内側との間、および、キャップ34とフリーピストン50の底部52外側との間に、それぞれ、コイルバネ56,57を介装してあり、これらコイルバネ56,57によってフリーピストン50は圧力室R6内の所定の中立位置に弾性支持されている。
コイルバネ56の図中下端は、フリーピストン50の筒部51の最深部内周に嵌合されて半径方向に位置決められ、また、コイルバネ57の内周にフリーピストン50の凸部53が挿通されることによって、著しい位置ずれが防止されており、これによって安定的にフリーピストン50に附勢力を作用させることが可能となり、また、フリーピストン50が外筒33に対し軸ぶれ等を起こして摺動抵抗が大きくなってしまうことが無いようになっている。
なお、フリーピストン50の筒部51の内周は、その最深部に比較して拡径されており、これにより、コイルバネ56が圧縮されて巻線径が拡大した際にコイルバネ56の線材が筒部51の内周に擦れることが無く、コンタミネーションの発生を防止している。
また、フリーピストン50は、筒部51を外筒33の内周への摺接部としていることから、摺動部の軸方向長さの確保が容易で、これによっても、フリーピストン50の軸ぶれが抑制される。
摺動隔壁58は、下室R5側に凹部を備えており、緩衝装置D1が最収縮した際には、上記ハウジング30のキャップ34の先端が上記凹部に侵入することを許容しており、単筒型に構成される緩衝装置D1にピストンロッド24の先端にハウジング30を設けることによるストローク長さのロスが、上記キャップ34の形状および摺動隔壁58の凹部によって緩和されることになる。
さて、具体的な緩衝装置D1は以上のように構成されるが、その減衰特性は、概念的な緩衝装置Dを用いて説明したように、各係数C1,C2,C3、フリーピストン50の受圧面積Aおよびバネ要素55のバネ定数K(この場合、コイルバネ56,57によって合成されるバネ定数)によって設定される。
そして、この具体的な緩衝装置D1にあっては、係数C1は第1通路22,23の積層リーフバルブV1,V2が液体の流れに与える抵抗で決定され、係数C2は、第2通路の一部をなす流路41の絞り41aが液体の流れに与える抵抗で決定され、さらに、係数C3は、第2通路の一部をなす流路42自体が該流路42を通過する液体の流れに与える抵抗によって決定される。
なお、流路42のように、流路自体が絞り弁として機能するように第2通路の一部を形成してもよく、この場合、係数C3の設定によっては、流路42の開口面積をフリーピストン50およびコイルバネ56がハウジング30内から脱落してしまうことを防止する限りにおいて大きくして液体の流れに与える抵抗を限りなく小さくするようにすることも可能であり、また、流路41にあっても絞り41aを設けずして係数C2の設定を満足する場合には絞り41aを省略しても良い。
さらに、減衰特性を車両のユーザーが自ら、あるいは、制御装置によって変更する場合には、たとえば、流路41のピストンロッド24の小径部24aの先端から開口する部分の何処かに弁座を設け、ピストンロッド24内を貫通するコントロールロッドを介して緩衝装置D1の外方から該弁座に向けて進退させることが可能なポペット型弁体を設けておけばよい。このようにすることでポペット弁の開口面積を調整でき流路41の液体の流れに与える抵抗を変化させることができるので、係数C2を可変にすることができ、緩衝装置D1の減衰特性を任意に調整することが可能となる。なお、上記ポペット弁の他、スプール弁、ロータリバルブ等の使用も採用されうる。
そして、この緩衝装置D1にあっても、周波数Fに対する減衰係数ζの変化量の調整、および、折れ点周波数Fa,Fbの調整も容易であり、この緩衝装置D1の減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができ、また、その調整も非常に容易となるのであり、この具体的な緩衝装置D1にあっても、緩衝装置Dと同様の作用効果を奏することができる。
つづいて、この一実施の形態の変形例における緩衝装置D2について説明する。この変形例の緩衝装置D2にあっては、図7に示すように、緩衝装置D1とハウジングの構成が異なるのみで他の部位については異なることが無いので、この異なる部位について説明することとし、同じ部位については同じ符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略する。
緩衝装置D2のハウジング70は、緩衝装置D1の内筒31と略同形状の内筒71の鍔72に、緩衝装置D1におけるキャップ34と外筒33が一体成型された形状のケース部材74の開口端部をかしめて固定することによって、形成される。
この場合には、あらかじめ内筒71をピストンロッド24の螺子部24bに螺着しておいてから、ケース部材74、コイルバネ55,56およびフリーピストン50をアッセンブリ化したものを内筒71に固定することができ、そうすることで、内筒71の螺子部24bへの螺着時にケース部材74にトルクを与えることが無いので、ケース部材74の変形が阻止されることになり、また、組み付け加工も容易となる。
したがって、ケース部材74の変形が阻止されるので、ケース部材74内においてフリーピストン50の円滑な移動が保証され、これにより、緩衝装置D2に狙った減衰特性を確実に発生させることが可能となる。
また、図8に示した一実施の形態の他の変形例における具体的な緩衝装置D3について説明すると、この緩衝装置D3も、緩衝装置D2と同様に、緩衝装置D1とハウジングの構成が異なるのみで他の部位については異なることが無いので、この異なる部位について説明することとし、同じ部位については同じ符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略する。
緩衝装置D3のハウジング80は、鍔82を備えた内筒81と、鍔82の外周縁に一端が熔接される外筒83と、外筒83の他端にかしめ固定されるキャップ34と、外筒83の内周側挿入される筒状のスリーブ84とを備えて構成されている。
内筒81の鍔82の下端外周縁には、段部82aが設けられており、この段部82aに外筒83の一端が嵌合されるとともに、外筒83と鍔82とが熔接されることによって、内筒81と外筒83とが結合される。
そして、この外筒83内にはスリーブ84が嵌合され、外筒83の他端をかしめて、外筒83の他端にキャップ34が固定される。このとき、スリーブ84は、内筒81の鍔82とキャップ34とで挟まれて軸方向への移動が規制されるとともに、外筒83によって半径方向の移動も規制される。
このスリーブ84内には、緩衝装置D1と同様のフリーピストン50が摺動自在に挿入され、圧力室R6が一方室26と他方室27とに区画されることになる。
このように構成された緩衝装置D3にあっては、ピストンロッド24の螺子部24bに外筒83と結合された内筒81を螺着するときに、外筒83にトルクが負荷されることになるが、外筒83が多少変形しても、フリーピストン50が摺接するスリーブ84に影響が無く、フリーピストン50の円滑な移動が保証され、これにより、緩衝装置D2に狙った減衰特性を確実に発生させることが可能となる。
また、外筒83と内筒81との熔接によって外筒83や内筒81の鍔82に熔接歪が生じても、フリーピストン50が摺接するのはスリーブ84であるので、熔接加工によってフリーピストン50の円滑な移動を阻害してしまうことが防止されている。
なお、上記緩衝装置D2および緩衝装置D3は、ハウジングの構成が緩衝装置D1と異なるのみであって、上記異なることによる利点以外の作用効果は緩衝装置Dおよび緩衝装置D1と異なることない。
最後に、他の実施の形態における具体的な緩衝装置D4について説明する。この緩衝装置D4は、図9に示すように、圧力室R9を形成するハウジング90は、ピストンロッド24の上室R7側に設けてある点で、上記した各実施の形態における緩衝装置D1,D2,D3と異なる。
以下、上記の実施の形態と同様に異なる部分について説明すると、ハウジング90は、ピストンロッド24の小径部24aにピストン21、積層リーフバルブV1,V2およびバルブストッパ28,29より先んじて挿入され、ピストンロッド24の螺子部24bにピストンナットNを螺着することによってピストンロッド24の上室R7側に固定されている。
なお、ピストンロッド24の先端から開口する第2流路の一部をなす流路41は、ピストンロッド24の側部にて上記ハウジング90内に形成される圧力室R9内に連通され、この緩衝装置D4の場合、流路41は、圧力室R9と下室R8とを連通している。
ハウジング90について詳述すると、環状板91と、開口端が環状板91の外周に固定される有底筒状の筒部材92とで形成され、この環状板91と筒部材92によって圧力室R9が区画されている。
環状板91の内径は、小径部24aの外周に嵌合する径とされ、環状板91は、小径部24aの終端の段部で軸方向の移動が規制されるようになっている。
また、筒部材92の底部の軸心部には、ピストンロッド24が挿入可能なように孔93が設けられており、また、底部に設けられた軸心部の孔93を避ける位置に第2流路の一部をなす流路94,94が設けられている。このように、上記係数C2,C3の設定いかんにより第2通路を複数設けてもよい。
そして、この筒部材92の開口端を環状板91の外周に嵌合し、該開口端をかしめることによって筒部材92と環状板91との一体化が計られている。
さらに、この環状板91および筒部材92とで形成される圧力室R9内には、フリーピストン95が摺動自在に挿入されており、このフリーピストン95で圧力室R9を一方室110と他方室111とに区画している。
そして、一方室110は、上記流路94,94にて緩衝装置D4の上室R7に連通され、他方室111は、上記流路41によって下室R8に連通されている。
このフリーピストン95は、筒部材92の内径より小径でピストンロッド24の外周径より大径となる筒状の本体96と、本体96の一端外周から延設され筒部材92の内周に摺接する第1鍔部97と、第1鍔部97の端部から本体96と平行に立ち上がり該第1鍔部97の外周面と面一となる第1環状部98と、本体96の他端内周から延設されピストンロッド24の外周に摺接する第2鍔部99と、第2鍔部99の端部から本体96と平行に立ち上がり該第2鍔部99の内周面と面一となる第2環状部100とを備えて構成されている。
そして、この第1鍔部97と筒部材92の底部との間にはバネ要素であるコイルバネ101が介装され、さらに、第2鍔部99と環状板91との間にもバネ要素であるコイルバネ102が介装されている。
このように、各コイルバネ101,102を介装することによって、コイルバネ101は、上記本体96と第1環状部98との間の隙間に挿入され、コイルバネ102は、本体96と第2環状部100との間の隙間に挿入されることになり、ともに、フリーピストン95に対し半径方向の位置ずれが防止されている。
したがって、コイルバネ101,102は、バランスよく安定的にフリーピストン95に附勢力を作用させることが可能となり、また、フリーピストン95がピストンロッド24や筒部材92に対し軸ぶれ等を起こして摺動抵抗が大きくなってしまうことが無いようになっている。
なお、上述したところでは、一方室110を筒部材92に設けた流路94,94で上室R7に連通し、他方室111をピストンロッド24に設けた流路41にて下室R8に連通しているが、この実施の形態の場合、流路94,94を環状板91に設けて他方室111を上室R7に連通する場合にあっては、流路41のピストンロッド24の側部の出口端を一方室110に連通して一方室110を下室R8に連通するようにしても良い。
また、筒部材92の孔93の内径を小径部24aの外周に嵌合する径に設定し、環状板91の内径をピストンロッド24の小径部24a以外の部位に挿入可能な径としておけば、ハウジング90をピストンロッド24に図中天地逆向きに取り付けるようにしてもよい。
上述したように緩衝装置D4は構成されるが、その減衰特性は、概念的な緩衝装置Dを用いて説明したように、各係数C1,C2,C3、フリーピストン95の受圧面積Aおよびバネ要素のバネ定数K(この場合、コイルバネ101,102によって合成されるバネ定数)によって設定される。
そして、この具体的な緩衝装置D4にあっては、係数C1は第1通路22,23の積層リーフバルブV1,V2が液体の流れに与える抵抗で決定され、係数C2は、第2通路の一部をなす流路94,94自体が液体の流れに与える抵抗で決定され、さらに、係数C3は、第2通路の一部をなす流路41の絞り41aが該流路41を通過する液体の流れに与える抵抗によって決定される。
したがって、この緩衝装置D4にあっても、周波数Fに対する減衰係数ζの変化量の調整、および、折れ点周波数Fa,Fbの調整も容易であり、この緩衝装置D4の減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができ、また、その調整も非常に容易となるのであり、この具体的な緩衝装置D4にあっても、緩衝装置Dと同様の作用効果を奏することができる。
また、上述のように構成された緩衝装置D4にあっては、ピストンロッド24にハウジング90を取り付けるには、ピストンロッド24に嵌合するだけであり、ハウジング90にトルクを作用させる必要がない。
したがって、ハウジング90の取付加工時に、ハウジング90の変形の心配が全く無く、フリーピストン95の円滑な移動が保証され、これにより、緩衝装置D4に狙った減衰特性を確実に発生させることが可能となる。
なお、各実施の形態における緩衝装置は、いわゆる単筒型の緩衝器として構成されているが、これをシリンダの外方にシリンダを覆うように形成される環状のリザーバを備えた複筒型の緩衝器として構成されてもよいし、また、シリンダの外方に全く別体のリザーバタンクを備えた緩衝器として構成とされてもよい。
また、各実施の形態では、圧力室がシリンダ内に形成されているが、シリンダ外に設けることも可能である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1,20 シリンダ
2,21 ピストン
3,22,23 第1通路
4 第2通路
4a,4b,41,42,94 流路
5,50,95 フリーピストン
6,55 バネ要素
7,58 摺動隔壁
8,24 ピストンロッド
10,11,12 減衰力発生要素
13,26,110 一方室
14,27,111 他方室
30,70,80,90 ハウジング
31,71,81 内筒
32,72,82 鍔
33,83 外筒
34 キャップ
56,57,101,102 コイルバネ
74 ケース部材
84 スリーブ
91 環状板
92 筒部材
93 孔
96 本体
97 第1鍔部
98 第1環状部
99 第2鍔部
100 第2環状部
D,D1,D2,D3,D4 緩衝装置
G,G1 気体室
R1,R4,R7 上室
R2,R5,R8 下室
R3,R6,R9 圧力室

Claims (7)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を2つの作動室に区画する隔壁部材と、隔壁部材が固定されるピストンロッドと、2つの作動室を連通する第1通路および第2通路と、上記第2通路の途中に設けた圧力室と、上記圧力室内に摺動自在に挿入され上記作動室同士の連通を断つフリーピストンと、上記フリーピストンの上記圧力室に対する変位量に対し比例して該フリーピストンの変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素とを備えた緩衝装置において、上記圧力室が上記ピストンロッドに螺合されて上記ピストンロッドに嵌合される隔壁部材を該ピストンロッドに固定するハウジングにより形成され、当該ハウジングは、上記ピストンロッドに螺合される鍔付の内筒と、上記鍔の外周から延設される外筒と、上記外筒の開口部を閉塞するキャップとからなり、上記フリーピストンは有底筒状に形成されて上記ハウジング内に収納されて上記圧力室をピストンロッド側の一方室とキャップ側の他方室とに区画し、上記一方室は上記ピストンロッド内に形成され上記第2通路の一部をなす流路で一方の作動室に連通されるとともに、上記他方室は上記キャップに形成した上記第2通路の一部をなす流路で他方の作動室に連通されてなり、一方の作動室から他方の作動室および上記圧力室へ移動する流量に対する上記作動室間の差圧の周波数伝達関数のゲイン特性における折れ点周波数は、少なくとも上記差圧と上記第1通路の流量との関係と、上記一方室と一方の作動室との差圧と上記第2通路の流量との関係と、上記他方室と他方の作動室との差圧と上記第2通路の流量との関係と、上記バネ要素のバネ定数と上記フリーピストンの受圧面積に基づいて設定されることを特徴とする緩衝装置。
  2. 複数の折れ点周波数のうち少なくとも最小値を採る折れ点周波数以外の折れ点周波数のいずれか一つの値を車両のバネ下共振周波数の値以下に設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 最小値の折れ点周波数の値は、車両のバネ上共振周波数の値以上であってバネ下共振周波数の値以下に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝装置。
  4. 上記フリーピストンは、上記内筒の鍔と上記フリーピストンの底部内側との間に介装されるバネ要素と、キャップとフリーピストンの底部外側との間に介装されるバネ要素とで弾性支持されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝装置。
  5. 上記外筒の端部が上記内筒の鍔の外周に熔接によって接合されるとともに、上記外筒内周側に筒状のスリーブを挿入し、上記フリーピストンの外周を上記スリーブの内周に摺接させたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝装置。
  6. 上記外筒と上記キャップが一体成型されるとともに、上記外筒の端部を上記内筒の鍔に向けてかしめて上記外筒を上記内筒に固定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝装置。
  7. 上記外筒の外周の断面形状は、真円以外の形状とされることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の緩衝装置。
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