JP2011068673A - 有機化合物の製造方法 - Google Patents
有機化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011068673A JP2011068673A JP2010274629A JP2010274629A JP2011068673A JP 2011068673 A JP2011068673 A JP 2011068673A JP 2010274629 A JP2010274629 A JP 2010274629A JP 2010274629 A JP2010274629 A JP 2010274629A JP 2011068673 A JP2011068673 A JP 2011068673A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluid
- processing
- reaction
- pressure
- processing surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】少なくとも2種類の流体を用いるものであり、そのうちで少なくとも1種類の流体については、有機化合物を少なくとも1種類含む流体であり、上記以外の流体のうちで少なくとも1種類の流体については、液体形態もしくは溶液中の反応剤を少なくとも1種類含む流体について、近接・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面間にできる薄膜流体中で上記の各流体を合流させるものであり、当該薄膜流体中において有機反応させる。
【選択図】図1
Description
この製造方法は、
第1処理用部と、この第1処理用部に対して相対的に接近・離反可能な第2処理用部との、少なくとも2つの処理用部と、
上記の第1処理用部と第2処理用部とを相対的に回転させる回転駆動機構とを備え、
前記の処理用面は、上記の第1処理用部と第2処理用部とにおいて互いに対向する位置に設けられた、第1処理用面及び第2処理用面とを含み、
上記の各処理用面は、上記被処理流動体が流される流路の一部を構成するものであり、
接近離反可能、且つ相対的に回転する上記の第1処理用面と第2処理用面との間に上記被処理流動体が通されるものであり、
上記被処理流動体の供給圧によって上記少なくとも2つの処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、上記少なくとも2つの処理用面を接近させる方向に移動させる力とのバランスによって、上記第1処理用面と第2処理用面との間の距離を微小間隔に維持し、この微小間隔に維持された両処理用面間に上記被処理流動体が通されることにより、上記被処理流動体が上記薄膜流体を形成するものとして実施することができる。
また、上記薄膜流体が層流の流れを含むものであることが望ましい。
さらに、上記第1処理用面と上記第2処理用面との少なくもと何れか一方には径方向について伸びる溝状の凹部が形成され、上記溝状の凹部を備えた処理用面が回転することでマイクロポンプ効果により上記少なくとも1種類の流体が上記第1処理用面と上記第2処理用面との間に導入されるものであり、この少なくとも1種類の流体の流路とは異なる独立した導入路を備え、この別途の導入路に通じる少なくとも一つの開口部が上記第1処理用面と第2処理用面の少なくとも何れか一方に設けられ、この導入路から少なくとも1種類の他の流体を上記両処理用面間に導入し、上記1種類の流体と上記他の1種類の流体とを上記薄膜流体中で混合することにより、上記薄膜流体中において上記の1種類の流体に含まれる成分と、上記の他の1種類の流体に含まれる成分とを、有機反応させるものとして実施することができる。
その際、前記開口部は、上記第1処理用面に設けられた上記凹部からマイクロポンプ効果によって導入される際の流れ方向が処理用面間で形成されるスパイラル状の流れ方向に変換される点よりも外径側に設置されるものとして実施することができる。具体的には、第1処理用面に設けられた上記凹部の最も処理用面径方向外側から径方向外側へ0.5Mm以上離れた位置に設置することが好ましい。
第1の組み合わせは、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体と、
反応剤を少なくとも1種類含む流体との組合せであり
上記反応が上記有機化合物と上記反応剤との有機反応である組合せ。
第2の組合せは、
アシル化剤、強酸、有機化合物の三者から選択された一者あるいは二者を含んでいる流体と、
この三者から選択されなかったもののうち少なくとも一者を含んでいる流体との組合せであり、
上記被処理流動体としては上記の三者を全て含むものとされ、
上記反応がフリーデル−クラフツアシル化反応である組合せ。
第3の組合せは、
ニトロ化試薬を少なくとも1種類含む流体と、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体との組合せであり、
上記反応がニトロ化反応である組合せ。
第4の組合せは、
臭素化試薬を少なくとも1種類含む流体と、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が臭素化反応である組合せ。
第5の組合せは、
酸化剤を少なくとも1種類含む流体と、
有機カルボニル化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応がバイヤー−ヴィリガー酸化反応である組合せ。
第6の組合せは、
メタセシス触媒を少なくとも1種類含む流体と、
不飽和有機化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応がメタセシス反応である組合せ。
第7の組合せは、
水素化物および/またはその誘導体を少なくとも1種類含む流体と、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が還元反応である組合せ。
第8の組合せは、
脱水剤を少なくとも1種類含む流体と、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が脱水反応である組合せ。
第9の組合せは、
転移試薬を少なくとも1種類含む流体と、
有機オキシムを少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が上記有機オキシムをベックマン転位させるものである組合せ。
第10の組合せは、
オキシム化試薬を少なくとも1種類含む流体と、
有機カルボニル化合物および/またはCH−酸性化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が上記有機カルボニル化合物および/またはCH−酸性化合物をオキシム化させるものである組合せ。
第11の組合せは、
双極子親和体を少なくとも1種類含む流体と、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が上記有機化合物を1,3−双極子付加環化させるものである組合せ。
第12の組合せは、
酸化剤を少なくとも1種類含む流体と、
第三アミンおよび/または少なくとも1種の窒素含有芳香族複素環式化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が第三アミンおよび/または窒素含有芳香族複素環式化合物を酸化アミンに酸化させるものである組合せ。
第13の組合せは、
酸化剤を少なくとも1種類含む流体と、
オレフィンを少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が上記オレフィンをエポキシ化させるものである組合せ。
第14の組合せは、
ホルミル化剤を少なくとも1種類含む流体と、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応が上記有機化合物をホルミル化させるものである組合せ。
第15の組合せは、
触媒を少なくとも1種類含む流体と、
アリールヒドラゾンを少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応がインドール化合物を得るものである組合せ。
第16の組合せは、
アリキリデン基移動試薬を少なくとも1種類含む流体と、
有機化合物を少なくとも1種類含む流体の組合せであり、
上記反応がアルキリデン基を上記有機化合物に移動させるものである組合せ。
第17の組合せは、
触媒、ビニル性またはアセチレン性水素原子を少なくとも一つ含む有機化合物、少なくとも一つの脱離基を含む有機化合物の三者から選択された一者あるいは二者を含む流体と、
この三者から選択されなかったもののうち少なくとも一者を含む流体の組合せであり、
上記被処理流動体としては上記の三者を全て含むものとされ、
上記反応がカップリング反応である組合せ。
第18の組合せは、
アルコール、チオール、アミンの内少なくとも一つの有機化合物、触媒、ジケテンの三者から選択された一者あるいは二者を含む流体と、
この三者から選択されなかったもののうち少なくとも一者を含む流体の組合せであり、
上記被処理流動体としては上記の三者を全て含むものとされ、
上記反応がアセトアセチル化反応である組合せ。
第19の組合せは、
強塩基、以下二つの一般式
R1−CN
R2−CN
で表されたいずれかのニトリル(R1、R2はそれぞれ未置換もしくは置換された同素環または複素環芳香族基)、これらニトリルの混合物、コハク酸ジエステルの三者から選択された一者あるいは二者を含む流体と、
この三者から選択されなかったもののうち少なくとも一者を含む流体の組合せであり、
上記被処理流動体としては上記の三者を全て含むものとされ、
上記反応が上記ニトリルと上記コハク酸ジエステルを反応させ、または前記反応と共に前記反応により生成された塩を加水分解させるものである組合せ。
第20の組合せは、
アルカリ金属を少なくとも1種類含む流体と、
アルコールを少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応が上記アルカリ金属と上記アルコールを反応させるものである組合せ。
第21の組合せは、
アルデヒド類および/またはケトン類を少なくとも1種類含む流体と、
液状または溶液状の触媒を少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応がアルドール反応を行うものである組合せ。
第22の組合せは、
リチウム芳香族および/またはリチウム化脂肪族化合物もしくはマグネシウム芳香族および/またはマグネシウム脂肪族化合物を少なくとも1種類含む流体と、
ホウ素化合物を少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応がホウ素化反応である組合せ。
第23の組合せは、
不飽和結合を有する有機化合物を少なくとも1種類含む流体と、
オゾンを少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応が酸化反応である組合せ。
第24の組合せは、
酸を少なくとも1種類含む流体と、
ビニル化合物又はビニリデン化合物を少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応が二量化反応である組合せ。
第25の組合せは、
カチオン重合単量体を少なくとも1種類含む流体と、
カチオンを少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応がカチオン重合反応である組合せ。
第26の組合せは、
メタル化試薬(リチウム、マグネシウム)を少なくとも1種類含む流体と、
ハロゲン化合物を少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応がハロゲン−金属交換反応である組合せ。
第27の組合せは、
アルキルエステル類を少なくとも1種類含む流体と、
金属水素化物系還元剤を少なくとも一つ含む流体の組合せであり、
上記反応が還元反応である組合せ。
Oxidation)、Keckアリル化反応、永田試薬を用いるシアニド付加、根岸カップリング、Ireland-Claisen転位、Baeyer-Villiger酸化、p-メトキシベンジル(PMB or MPM)、ジメトキシベンジル(DMB)保護、脱保護、Wacker酸化、Myers不斉アルキル化、山口マクロラクトン化、向山-Coreyマクロラクトン化 、Bodeペプチド合成、Lindlar還元、均一系水素化、オルトメタル化、Wagnar-Meerwein転位、Wurtz反応、1,3-ジチアンを利用するケトン合成、Michael付加、Storkエナミンによるケトン合成、Pauson-Khandシクロペンテン合成、Tebbe反応などの、有機化合物を出発原料とする各種反応剤との有機反応を行うことを特徴とする。
図1(A)へ示す通り、この装置は、対向する第1及び第2の、2つの処理用部10、20を備え、少なくとも一方の処理用部が回転する。両処理用部10、20の対向する面が、夫々処理用面1、2として、両処理用面間にて、被処理流動体の処理を行う。第1処理用部10は第1処理用面1を備え、第2処理用部20は第2処理用面2を備える。
両処理用面1、2は、被処理流動体の流路に接続され、被処理流動体の流路の一部を構成する。
より詳しくは、この装置は、少なくとも2つの被処理流動体の流路を構成すると共に、各流路を、合流させる。
即ち、この装置は、第1の被処理流動体の流路に接続され、当該第1被処理流動体の流路の一部を形成すると共に、第1被処理流動体とは別の、第2被処理流動体の流路の一部を形成する。そして、この装置は、両流路を合流させて、処理用面1、2間において、両流動体を混合し、反応を伴う場合においては反応させる。図1(A)へ示す実施の形態において、上記の各流路は、密閉されたものであり、液密(被処理流動体が液体の場合)・気密(被処理流動体が気体の場合)とされている。
尚、回転駆動部は図示を省略する。
第1処理用部10と第2処理用部20とは、少なくとも何れか一方が、少なくとも何れか他方に、接近・離反可能となっており、両処理用面1、2は、接近・離反できる。
この実施の形態では、第1処理用部10に対して、第2処理用部20が接近・離反する。但し、これとは逆に、第1処理用部10が、第2処理用部20に対して接近・離反するものであってもよく、両処理用部10、20が互いに接近・離反するものであってもよい。
図1(A)へ示す通り、この実施の形態において、第1処理用部10及び第2処理用部20は、夫々環状体、即ちリングである。以下、必要に応じて第1処理用部10を第1リング10と呼び、第2処理用部20を第2リング20と呼ぶ。
この実施の形態において、両リング10、20は、金属製の一端が鏡面研磨された部材であり、当該鏡面を第1処理用面1及び第2処理用面2とする。即ち、第1リング10の上端面が第1処理用面1として、鏡面研磨されており、第2リング20の下端面が第2処理用面2として、鏡面研磨されている。
この実施の形態において、第1ホルダ11は、回転軸50にて、回転駆動部から駆動力を受けて、第2ホルダ21に対して回転するものであり、これにて、第1ホルダ11と一体となっている第1リング10が第2リング20に対して回転する。第1リング10の内側において、回転軸50は、平面視、円形の第1リング10の中心と同心となるように、第1ホルダ11に設けられている。
第1リング10の回転は、第1リング10の軸心を中心とする。図示はしないが、軸心は、第1リング10の中心線を指し、仮想線である。
具体的には、第1及び第2ホルダ11、21は、夫々は、凹状のリング収容部を備える。この実施の形態において、第1ホルダ11のリング収容部に、第1リング10が嵌合し、第1ホルダ11のリング収容部から出没しないように、第1リング10はリング収容部に固定されている。
第1リング10の材質は、金属の他、セラミックや焼結金属、耐磨耗鋼、その他金属に硬化処理を施したものや、硬質材をライニングやコーティング、メッキなどを施工したものを採用する。特に、回転するため、軽量な素材にて第1処理用部10を形成するのが望ましい。第2リング20の材質についても、第1リング10と同様のものを採用して実施すればよい。
この第2ホルダ21が備えるリング収容部41は、第2リング20の、主として処理用面2側と反対側の部位を収容する凹部であり、平面視において、円を呈する、即ち環状に形成された、溝である。
リング収容部41は、第2リング20の寸法より大きく形成され、第2リング20との間に十分なクリアランスを持って、第2リング20を収容する。
このクリアランスにより、当該第2リング20は、このリング収容部41内にて、環状のリング収容部41の軸方向について、更に、当該軸方向と交差する方向について、変位することができる。言い換えれば、このクリアランスにより、当該第2リング20は、リング収容部41に対して、第2リング20の中心線を、上記リング収容部41の軸方向と平行の関係を崩すようにも変位できる。
以下、第2ホルダ21の、第2リング20に囲まれた部位を、中央部分22と呼ぶ。
上記について、換言すると、当該第2リング20は、このリング収容部41内にて、リング収容部41のスラスト方向即ち上記出没する方向について、更に、リング収容部41の中心に対して偏心する方向について、変位することが可能に収容されている。また、リング収容部41に対して、第2リング20の周方向の各位置にて、リング収容部41からの出没の幅が夫々異なるようにも変位可能に即ち芯振れ可能に、当該第2リング20は収容されている。
接面圧付与機構4は、第2リング20の周方向の各位置即ち第2処理用面2の各位置を均等に、第1リング10へ向けて付勢する。接面圧付与機構4の具体的な構成については、後に詳述する。
図1(A)へ示す通り、上記のケース3は、両リング10、20外周面の外側に配置されたものであり、処理用面1、2間にて生成され、両リング10、20の外側に排出される生成物を収容する。ケース3は、図1(A)へ示すように、第1ホルダ11と第2ホルダ21を、収容する液密な容器である。但し、第2ホルダ21は、当該ケース3の一部としてケース3と一体に形成されたものとして実施することができる。
上記の通り、ケース3の一部とされる場合は勿論、ケース3と別体に形成される場合も、第2ホルダ21は、両リング10、20間の間隔、即ち、両処理用面1、2間の間隔に影響を与えるようには可動となっていない。言い換えると、第2ホルダ21は、両処理用面1、2間の間隔に影響を与えない。
ケース3には、ケース3の外側に生成物を排出するための排出口32が設けられている。
上記の流体圧付与機構p1は、直接或いは間接的に、この第1導入部d1に接続されて、第1被処理流動体に、流体圧を付与する。流体圧付与機構p1には、コンプレッサやその他のポンプを採用することができる。
この実施の形態において、第1導入部d1は、第2ホルダ21の上記中央部分22の内部に設けられた流体の通路であり、その一端が、第2ホルダ21の、第2リング20が平面視において呈する円の中心位置にて、開口する。また、第1導入部d1の他の一端は、第2ホルダ21の外部即ちケース3の外部において、上記流体圧付与機構p1と接続されている。
第2流体供給部p2には、コンプレッサ、その他のポンプを採用することができる。
このとき、第1被処理流動体の送圧を受けた、第2リング20は、接面圧付与機構4の付勢に抗して、第1リング10から遠ざかり、両処理用面間に微小な間隔を開ける。両処理用面1、2の接近・離反による、両面1、2間の間隔について、後に詳述する。
両処理用面1、2間において、第2導入部d2から第2の被処理流動体が供給され、第1の被処理流動体と合流し、処理用面の回転により、混合(反応)が促進される。そして、両流動体の混合(反応)による生成物が両処理用面1、2から、両リング10、20の外側に排出される。両リング10、20の外側に排出された生成物は、最終的に、ケース3の排出口32からケース3の外部に排出される(自己排出)。
上記の被処理流動体の混合及び反応(反応を伴う場合)は、第2処理用部20に対する第1処理用部10の回転駆動部による回転にて、第1処理用面1と第2処理用面2とによって行われる。
第1及び第2の処理用面1、2間において、第2導入部d2の開口部m2の下流側が、上記の第1の被処理流動体と第2の被処理流動体とを混合させる処理室となる。具体的には、両処理用面1、2間において、第2リング20の底面を示す図11(C)にて、斜線で示す、第2リング20の径の内外方向r1について、第2導入部の開口部m2即ち第2開口部m2の外側の領域Hが、上記の処理室として機能する。従って、この処理室は、両処理用面1、2間において、第1導入部d1と第2導入部d2の両開口部m1、m2の下流側に位置する。
第1開口部m1からリングの内側の空間を経て両処理用面1、2間へ導入された第1の被処理流動体に対して、第2開口部m2から、両処理用面1、2間に導入された第2の被処理流動体が、上記処理室となる領域Hにて、混合され、反応を伴う場合においては両被処理流動体は反応する。流体圧付与機構p1により送圧を受けて、流動体は、両処理用面1、2間の微小な隙間にて、リングの外側に移動しようとするが、第1リング10は回転しているので、上記領域Hにおいて、混合された流動体は、リングの径の内外方向について内側から外側へ直線的に移動するのではなく、処理用面を平面視した状態において、リングの回転軸を中心として、渦巻き状にリングの内側から外側へ移動する。このように、混合(反応)を行う領域Hにて、渦巻状に内側から外側へ移動することによって、両処理用面1、2間の微小間隔にて、十分な混合(反応)に要する区間を確保することができ、均一な混合を促進することができる。
また、混合(反応)にて生ずる生成物は、上記の微小な第1及び第2の処理用面1、2間にて、均質な生成物となり、特に晶析や析出の場合微粒子となる。
少なくとも、上記の流体圧付与機構p1が負荷する送圧と、上記の接面圧付与機構4の付勢力と、リングの回転による遠心力のバランスの上に、両処理用面1、2間の間隔を好ましい微小な間隔にバランスさせることができ、更に、流体圧付与機構p1が負荷する送圧とリングの回転による遠心力を受けた被処理流動体が、上記の処理用面1、2間の微小な隙間を、渦巻き状に移動して、混合(反応)が促進される。
上記の混合(反応)は、流体圧付与機構p1が負荷する送圧やリングの回転により、強制的に行われる。即ち、混合(反応)は、接近・離反可能に互いに対向して配設され且つ少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1、2間で、強制的に、均一に起こる。
従って、特に、反応による生成物の晶出又は析出は、流体圧付与機構p1が負荷する送圧の調整や、リングの回転速度即ちリングの回転数の調整という、比較的コントロールし易い方法により、制御できる。
このように、この流体処理装置は、送圧や遠心力の調整にて、生成物の大きさに影響を与える処理用面1、2間の間隔の制御を行え、更に、生成物の均一な生成に影響を与える上記領域Hにて移動する距離の制御が行える点で優れたものである。
また、上記の処理は、生成物が析出するものに限らず、液体の場合も含む。また、生成物が微粒子などの微細な固まりである場合、生成物が処理後の流体中に沈殿するものであっても良く、また、連続相中に分散相が存在する分散液の状態にあるものであっても良い。
尚、回転軸50は、鉛直に配置されたものに限定されるものではなく、水平方向に配位されたものであってもよく、傾斜して配位されたものであってよい。処理中、両処理用面1、2間の微細な間隔にて混合(反応)がなされるものであり、実質的に重力の影響を排除できるからである。
図1(A)にあっては、第1導入部d1は、第2ホルダ21において、第2リング20の軸心と一致し、上下に鉛直に伸びたものを示している。但し、第1導入部d1は、第2リング20の軸心と一致しているものに限定されるものではなく、両リング10、20に囲まれた空間に、第1被処理流動体を供給できるものであれば、第2ホルダ21の中央部分22の他の位置に設けられていてもよく、更に、鉛直でなく、斜めに伸びるものであってもよい。
前述の通り、第2ホルダ21の底部即ち下部には、リング収容部41が形成され、そのリング収容部41内に、第2処理用部20が受容されている。また、図示はしないが、回り止めにて、第2処理用部20は、第2ホルダ21に対して回転しないよう、受容されている。上記の第2処理用面2は、第2ホルダ21から露出する。
この実施の形態において、処理用面1、2間の、第1処理用部10及び第2処理用部20の内側が、被処理物の流入部であり、第1処理用部10及び第2処理用部20の外側が、被処理物の流出部である。
具体的には、この実施の形態において、接面圧力付与機構4は、上記のリング収容部41と、リング収容部41の奥に即ちリング収容部41の最深部に設けられた発条受容部42と、スプリング43と、エア導入部44とにて構成されている。
但し、接面圧力付与機構4は、上記リング収容部41と、上記発条受容部42と、スプリング43と、エア導入部44の少なくとも、何れか1つを備えるものであればよい。
上記のスプリング43の一端は、発条受容部42の奥に当接し、スプリング43の他端は、リング収容部41内の第2処理用部20の前部即ち上部と当接する。図1において、スプリング43は、1つしか現れていないが、複数のスプリング43にて、第2処理用部20の各部を押圧するものとするのが好ましい。即ち、スプリング43の数を増やすことによって、より均等な押圧力を第2処理用部20に与えることができるからである。従って、第2ホルダ21については、スプリング43が数本から数十本取付けられたマルチ型とするのが好ましい。
接面圧力付与機構4は、上記の押圧力即ち接面圧力の一部を供給し調節する他、変位調整機構と、緩衝機構とを兼ねる。
詳しくは、接面圧力付与機構4は、変位調整機構として、始動時や運転中の軸方向への伸びや磨耗による軸方向変位にも、空気圧の調整によって追従し、当初の押圧力を維持できる。また、接面圧力付与機構4は、上記の通り、第2処理用部20を変位可能に保持するフローティング機構を採用することによって、微振動や回転アライメントの緩衝機構としても機能するのである。
まず、第1の被処理流動体が、流体圧付与機構p1からの送圧を受けて、密閉されたケースの内部空間へ、第1導入部d1より導入される。他方、回転駆動部による回転軸50の回転によって、第1処理用部10が回転する。これにより、第1処理用面1と第2処理用面2とは微小間隔を保った状態で相対的に回転する。
第1の被処理流動体は、微小間隔を保った両処理用面1、2間で、薄膜流体となり、第2導入部d2から導入された第2被処理流動体は、両処理用面1、2間において、当該薄膜流体と合流して、同様に薄膜流体の一部を構成する。この合流により、第1及び第2の被処理流動体が混合されて生成物が形成される。そして反応を伴う場合にあっては、両流動体が反応して、均一な反応が促進されて、その反応生成物が形成される。これにより、析出を伴う場合にあっては比較的均一で微細な粒子の生成が可能となり、析出を伴わない場合にあっても、均一な混合状態(反応を伴う場合にあっては均一な反応)が実現される。なお、析出した生成物は、第1処理用面1の回転により第2処理用面2との間で剪断を受けることにて、さらに微細化される場合もあると考えられる。ここで、第1処理用面1と第2処理用面2とは、1μmから1mm、特に1μmから10μmの微小間隔に調整されることにより、均一な混合状態(反応を伴う場合にあっては均一な反応)を実現すると共に、数nm単位の超微粒子の生成をも可能とする。
生成物は、両処理用面1、2間から出て、ケース3の排出口32からケース外部へ排出される。排出された生成物は、周知の減圧装置にて、真空或いは減圧された雰囲気内にて霧状にされ、雰囲気内の他に当たることによって流動体として流れ落ちたものが脱気後の液状物として回収することができる。
尚、この実施の形態において、処理装置は、ケースを備えるものとしたが、このようなケースを設けずに実施することもできる。例えば、脱気するための減圧タンク即ち真空タンクを設け、そのタンク内部に、処理装置を配置して、実施することが可能である。その場合、当然上記の排出口は、処理装置には備えられない。
第1処理用面1と第2処理用面2とは、相対的に接近離反可能であり、且つ相対的に回転する。この例では、第1処理用面1が回転し、第2処理用面2が軸方向に移動可能な構造(フローティング構造)を持って第1処理用面1に対して接近離反する。
よって、この例では、第2処理用面2の軸方向位置が、力即ち、前述の接面圧力と離反力のバランスによって、μm単位の精度で設定されることにより、両処理用面1、2間の微小間隔の設定がなされる。
尚、図12〜15、17に示す実施の形態において、図面の煩雑を避けるため、第2導入部d2は、省略して描いてある。この点について、第2導入部d2が設けられていない位置の断面と考えればよい。また、図中、Uは上方を、Sは下方を、夫々示している。
他方、離反力としては、離反側の受圧面、即ち第2処理用面2及び離反用調整面23に作用する流体圧と、第1処理用部10の回転による遠心力と、エア導入部44に負圧を掛けた場合の当該負圧とを挙げることができる。
尚、装置を洗浄するに際して、上記のエア導入部44に掛ける負圧を大きくすることにより、両処理用面1、2を大きく離反させることができ、洗浄を容易に行うことができる。
そして、これらの力の均衡によって、第2処理用面2が第1処理用面1に対して所定の微小間隔を隔てた位置にて安定することにより、μm単位の精度での設定が実現する。
まず、流体圧に関しては、密閉された流路中にある第2処理用部20は、流体圧付与機構p1から被処理流動体の送り込み圧力即ち流体圧を受ける。その際、流路中の第1処理用面に対向する面、即ち第2処理用面2と離反用調整面23が離反側の受圧面となり、この受圧面に流体圧が作用して、流体圧による離反力が発生する。
次に、遠心力に関しては、第1処理用部10が高速に回転すると、流体に遠心力が作用し、この遠心力の一部は両処理用面1、2を互いに遠ざける方向に作用する離反力となる。
更に、上記のエア導入部44から負圧を第2処理用部20へ与えた場合には、当該負圧が離反力として作用する。
以上、本願の説明においては、第1第2の処理用面1、2を互いに離反させる力を離反力として説明するものであり、上記に示した力を離反力から排除するものではない。
接面圧力を増加させる場合、接面圧力付与機構4において、エア導入部44から空気圧即ち正圧を付与し、又は、スプリング43を押圧力の大きなものに変更或いはその個数を増加させればよい。
離反力を増加させる場合、流体圧付与機構p1の送り込み圧力を増加させ、或いは第2処理用面2や離反用調整面23の面積を増加させ、またこれに加えて、第1処理用部10の回転を調整して遠心力を増加させ或いはエア導入部44からの圧力を低減すればよい。もしくは負圧を付与すればよい。スプリング43は、伸びる方向に押圧力を発する押し発条としたが、縮む方向に力を発する引き発条として、接面圧力付与機構4の構成の一部又は全部とすることが可能である。
離反力を減少させる場合、流体圧付与機構p1の送り込み圧力を減少させ、或いは第2処理用面2や離反用調整面23の面積を減少させ、またこれに加えて、第1処理用部10の回転を調整して遠心力を減少させ或いはエア導入部44からの圧力を増加させれば良い。もしくは負圧を低減すればよい。
メカニカルシールにあっては、第2処理用部20がコンプレッションリングに相当するが、この第2処理用部20に対して流体圧が加えられた場合に、第2処理用部20を第1処理用部10から離反する力が作用する場合、この力がオープニングフォースとされる。
より詳しくは、上記の第1の実施の形態のように、第2処理用部20に離反側の受圧面即ち、第2処理用面2及び離反用調整面23のみが設けられている場合には、送り込み圧力の全てがオープニングフォースを構成する。なお、第2処理用部20の背面側にも受圧面が設けられている場合、具体的には、後述する図12(B)及び図17の場合には、送り込み圧力のうち、離反力として働くものと接面圧力として働くものとの差が、オープニングフォースとなる。
図12(B)に示す通り、この第2処理用部20のリング収容部41より露出する部位であり且つ内周面側に、第2処理用面2と反対側即ち上方側を臨む接近用調整面24が設けられている。
即ち、この実施の形態において、接面圧力付与機構4は、リング収容部41と、エア導入部44と、上記接近用調整面24とにて構成されている。但し、接面圧力付与機構4は、上記リング収容部41と、上記発条受容部42と、スプリング43と、エア導入部44と、上記接近用調整面24の少なくとも、何れか1つを備えるものであればよい。
接近用調整面24と、第2処理用面2及び離反用調整面23とは、共に前述の被処理流動体の送圧を受ける受圧面であり、その向きにより、上記接面圧力の発生と、離反力の発生という異なる作用を奏する。
接近用調整面24の先端と離反用調整面23の先端とは、共に環状の第2処理用部20の内周面25即ち先端線L1に規定されている。このため、接近用調整面24の基端線L2をどこに置くかの決定で、バランス比Kの調整が行われる。
即ち、この実施の形態において、被処理用流動体の送り出しの圧力をオープニングフォースとして利用する場合、第2処理用面2及び離反用調整面23との合計投影面積を、接近用調整面24の投影面積より大きいものとすることによって、その面積比率に応じたオープニングフォースを発生させることができる。
摺動面実面圧P、即ち、接面圧力のうち流体圧によるものは次式で計算される。
P=P1×(K−k)+Ps
ここでP1は、被処理流動体の圧力即ち流体圧を示し、Kは上記のバランス比を示し、kはオープニングフォース係数を示し、Psはスプリング及び背圧力を示す。
このバランスラインの調整により摺動面実面圧Pを調整することで処理用面1、2間を所望の微小隙間量にし被処理流動体による薄膜流体を形成させ、生成物を微細とし、また、均一な混合(反応)処理を行うのである。
この関係を纏めると、上記の生成物を粗くする場合、バランス比を小さくし、面圧Pを小さくし、上記隙間を大きくして、上記厚みを大きくすればよい。逆に、上記の生成物をより細かくする場合、バランス比Kを大きくし、面圧Pを大きくし、上記隙間を小さくし、上記厚みを小さくする。
このように、接面圧力付与機構4の一部として、接近用調整面24を形成して、そのバランスラインの位置にて、接面圧力の調整、即ち処理用面間の隙間を調整するものとしても実施できる。
上述の通り、この装置は、第2処理用部20と、第2処理用部20に対して回転する第1処理用部10とについて、被処理流動体の送り込み圧力と当該回転遠心力、また接面圧力で圧力バランスを取り両処理用面に所定の薄膜流体を形成させる構成にしている。またリングの少なくとも一方をフローティング構造とし芯振れなどのアライメントを吸収し接触による磨耗などの危険性を排除している。
また、図12(B)に示す実施の形態において、図17に示すように、上記の離反用調整面23を設けずに実施することも可能である。
図12(B)や図17に示す実施の形態のように、接近用調整面24を設ける場合、接近用調整面24の面積A1を上記の面積A2よりも大きいものとすることにより、オープニングフォースを発生させずに、逆に、被処理流動体に掛けられた所定の圧力は、全て接面圧力として働くことになる。このような設定も可能であり、この場合、他の離反力を大きくすることにより、両処理用面1、2を均衡させることができる。
上記の面積比にて、流体から受ける力の合力として、第2処理用面2を第1処理用面1から離反させる方向へ作用させる力が定まる。
第2処理用部20と第2ホルダ21との間は、気密となるようにシールし、当該シールには、周知の手段を採用することができる。
第2ホルダ21の温度調整用ジャケット46は、第2ホルダ21内において、リング収容部41の側面に形成された水回り用の空間であり、第2ホルダ21の外部に通じる通路47、48と連絡している。通路47、48は、何れか一方が温度調整用ジャケット46に、冷却用或いは加熱用の媒体を導入し、何れか他方が当該媒体を排出する。
また、ケース3の温度調整用ジャケット35は、ケース3の外周を被覆する被覆部34にて、ケース3の外周面と当該被覆部34との間に設けられた、加熱用水或いは冷却水を通す通路である。
この実施の形態では、第2ホルダ21とケース3とが、上記の温度調整用のジャケットを備えるものとしたが、第1ホルダ11にも、このようなジャケットを設けて実施することが可能である。
このシリンダ機構7は、第2ホルダ21内に設けられたシリンダ空間部70と、シリンダ空間部70をリング収容部41と連絡する連絡部71と、シリンダ空間部70内に収容され且つ連絡部71を通じて第2処理用部20と連結されたピストン体72と、シリンダ空間部70上部に連絡する第1ノズル73と、シリンダ空間部70下部に連絡する第2ノズル74と、シリンダ空間部70上部とピストン体72との間に介された発条などの押圧体75とを備えたものである。
図示はしないが、具体的には、コンプレッサなどの圧力源と第1ノズル73とを接続し、第1ノズル73からシリンダ空間部70内のピストン体72上方に空気圧即ち正圧を掛けることにて、ピストン体72を下方に摺動させ、第1及び第2処理用面1、2間の隙間を狭めることができる。また図示はしないが、コンプレッサなどの圧力源と第2ノズル74とを接続し、第2ノズル74からシリンダ空間部70内のピストン体72の下方に空気圧即ち正圧を掛けることにて、ピストン体72を上方に摺動させ、第2処理用部20を移動させて第1及び第2処理用面1、2間の隙間を広げる、即ち開く方向に移動させることができる。このように、ノズル73、74にて得た空気圧で、接面圧力を調整できるのである。
このように上記隙間の最大及び最小の開き量を規制しつつ、ピストン体72とシリンダ空間部70の最上部70aとの間隔z1、換言するとピストン体72とシリンダ空間部70の最下部70bとの間隔z2を上記ノズル73、74の空気圧にて調整する。
また圧力源は、正圧を供給するものでも負圧を供給するものでも何れでも実施可能である。真空などの負圧源と、ノズル73、74とを接続する場合、上記の動作は反対になる。
前述の他の接面圧力付与機構4に代え或いは前述の接面圧力付与機構4の一部として、このようなシリンダ機構7を設けて、被処理流動体の粘度や性状によりノズル73、74に接続する圧力源の圧力や間隔z1、z2の設定を行い薄膜流体の厚みを所望値にしせん断力をかけて均一な混合状態(反応を伴う場合にあっては均一な反応)を実現し、微細な粒子を生成させることができる。特に、このようなシリンダ機構7にて、洗浄時や蒸気滅菌時など摺動部の強制開閉を行い洗浄や滅菌の確実性を上昇させることも可能とした。
この様な凹部13を形成することにより被処理流動体の吐出量の増加または発熱量の減少への対応や、キャビテーションコントロールや流体軸受け効果などの効果がある。
上記の図16に示す各実施の形態において、凹部13は、第1処理用面1に形成するものとしたが、第2処理用面2に形成するものとしても実施可能であり、更には、第1及び第2の処理用面1、2の双方に形成するものとしても実施可能である。
図12乃至図17に示す実施の形態においても、特に明示した以外の構成については図1(A)又は図11(C)に示す実施の形態と同様である。
流体圧付与機構p1には、加圧装置として、既述のとおり、コンプレッサを用いて実施するのが好ましいが、常に被処理流動体に所定の圧力を掛けることが可能であれば、他の手段を用いて実施することもできる。例えば、被処理流動体の自重を利用して、常に一定の圧力を被処理流動体に付与するものとしても実施可能である。
このような画期的な方法により、両処理用面1、2間の間隔を1μmから1mmとする調整、特に、1〜10μmとする調整を可能とした。
この他、このような流体圧付与機構p1を用いて加圧するものではなく、被処理流動体の流路は開放されたものであっても実施可能である。
図18乃至図20へ、そのような処理装置の一実施の形態を示す。尚、この実施の形態において、処理装置として、生成されたものから、液体を除去し、目的とする固体(結晶)のみを最終的に確保する機能を備えた装置を例示する。
図18(A)は処理装置の略縦断面図であり、図18(B)はその一部切欠拡大断面図である。図19は、図18に示す処理装置が備える第1処理用部101の平面図である。図20は、上記処理装置の第1及び第2処理用部101、102の一部切欠要部略縦断面図である。
尚、図18(B)及び図20において、図面の煩雑を避けるため、第2導入部d2は、省略して描いてある(第2導入部d2が設けられていない位置の断面と考えればよい)。
図18(A)に示す通り、この流体処理装置は、混合装置Gと、減圧ポンプQとを備えたものである。この混合装置Gは、回転する部材である第1処理用部101と、当該処理用部101を保持する第1ホルダ111と、ケースに対して固定された部材である第2処理用部102と、当該第2処理用部102が固定された第2ホルダ121と、付勢機構103と、動圧発生機構104(図19(A))と、第1ホルダ111と共に第1処理用部101を回転させる駆動部と、ハウジング106と、第1被処理流動体を供給(投入する)する第1導入部d1と、流体を減圧ポンプQへ排出する排出部108とを備える。駆動部については図示を省略する。
上記の処理用面110、120は、鏡面研磨された平坦部を有する。この実施の形態において、第2処理用部102の処理用面120は、面全体に鏡面研磨が施された平坦面である。また、第1処理用部101の処理用面110は、面全体を第2処理用部102と同様の平坦面とするが、図19(A)へ示す通り、平坦面中に、複数の溝112...112を有する。この溝112... 112は、第1処理用部101が呈する円柱の中心を中心側として円柱の外周方向へ、放射状に伸びる。
上記の第1及び第2の処理用部101、102の処理用面110、120についての、鏡面研磨は、面粗度Raを0.01〜1.0μmとするのが好ましい。この鏡面研磨については、Raを0.03〜0.3μmとするのがより好ましい。
処理用部101、102の材質については、硬質且つ鏡面研磨が可能なものを採用する。処理用部101、102のこの硬さについて、少なくともビッカース硬さ1500以上が好ましい。また、線膨張係数が小さい素材を、若しくは、熱伝導の高い素材を、採用するのが好ましい。処理にて熱を発する部分と他の部分との間で、膨張率の差が大きいと歪みが発生して、適正なクリアランスの確保に影響するからである。
このような処理用部101、102の素材として、特に、SIC即ちシリコンカーバイトでビッカース硬さ2000〜2500のもの、表面にDLC即ちダイヤモンドライクカーボンでビッカース硬さ3000〜4000のもの、コーティングが施されたSIC、WC即ちタングステンカーバイトでビッカース硬さ1800のもの、表面にDLCコーティングが施されたWC、ZrB2やBTC、B4Cに代表されるボロン系セラミックでビッカース硬さ4000〜5000のものなどを採用するのが好ましい。
図示はしないが、上記の駆動部は、電動機などの動力源と、当該動力源から動力の供給を受けて回転するシャフト50とを備える。
図18(A)に示すように、シャフト50は、ハウジング106の内部に配され上下に伸びる。そして、シャフト50の上端部に上記の第1ホルダ111が、設けられている。第1ホルダ111は、第1処理用部101を保持するものであり、上記の通りシャフト50に設けられることにより、第1処理用部101の処理用面110を第2処理用部102の処理用面120に対応させる。
一方、第2ホルダ121の上面中央には、第2処理用部102を受容する受容凹部124が形成されている。
上記の受容凹部124は、環状の横断面を有する。第2処理用部102は、受容凹部124と、同心となるように円柱状の受容凹部124内に収容される。
この受容凹部124の構成は、図1(A)に示す実施の形態と同様である(第1処理用部101は第1リング10と、第1ホルダ111は第1ホルダ11と、第2処理用部102は第2リング20と、第2ホルダ121は第2ホルダ21と対応する)。
同様に、第2処理用部102の内周面102aと受容凹部124の中心部分22の外周面との間には、図18(B)に示すように、隙間t2が設定される。
上記隙間t1、t2の夫々は、振動や偏芯挙動を吸収するためのものであり、動作寸法以上確保され且つシールが可能となる大きさに設定する。例えば、第1処理用部101の直径が100mmから400mmの場合、当該隙間t1、t2の夫々は、0.05〜0.3mmとするのが好ましい。
第1ホルダ111は、シャフト50へ一体に固定され、シャフト50と共に回転する。また、図示しないが、回り止めによって、第2ホルダ121に対して、第2処理用部102は回らない。しかし、両処理用面110、120間に、処理に必要な0.1〜10μmのクリアランス、即ち図20(B)に示す微小な間隔tを確保するため、図18(B)に示すように、受容凹部124の底面、即ち天部と、第2処理用部102の天部124a、即ち上面との間に隙間t3が設けられる。この隙間t3については、上記のクリアランスと共に、シャフト50の振れや伸びを考慮して設定する。
即ち、この実施の形態において、付勢機構103と、上記隙間t1〜t3とが、フローティング機構を構成し、このフローティング機構によって、少なくとも第2処理用部102の中心や傾きを、数μmから数mmの程度の僅かな量、可変としている。これにて、回転軸の芯振れ、軸膨張、第1処理用部101の面振れ、振動を吸収する。
溝112の左右両側面112a、112bの間隔w1は、第1処理用部101の中心x側から、第1処理用部101の外側y即ち外周面側に向かうにつれて小さくなる。また、溝112の深さw2は、図19(B)へ示すように、第1処理用部101の中心x側から、第1処理用部101の外側y即ち外周面側に向かうにつれて、小さくなる。即ち、溝112の底112cは、第1処理用部101の中心x側から、第1処理用部101の外側y即ち外周面側に向かうにつれて、浅くなる。
このように、溝112は、その幅及び深さの双方を、外側y即ち外周面側に向かうにつれて、漸次減少するものとして、その横断面積を外側yに向けて漸次減少させている。そして、溝112の先端即ちy側は、行き止まりとなっている。即ち、溝112の先端即ちy側は、第1処理用部101の外周面101bに達するものではなく、溝112の先端と外周面101bとの間には、外側平坦面113が介在する。この外側平坦面113は、処理用面110の一部である。
但し、溝112の幅及び深さの何れか一方についてのみ、上記の構成を採るものとして、断面積を減少させるものとしてよい。
上記の動圧発生機構104は、第1処理用部101の回転時、両処理用部101、102間を通り抜けようとする流体によって、両処理用部101、102の間に所望の微小間隔を確保することを可能とする、両処理用部101、102を離反させる方向に働く力を発生させる。このような動圧の発生により、両処理用面110、120間に、0.1〜10μmの微小間隔を発生させることができる。このような微小間隔は、処理の対象によって、調整し選択すればよいのであるが、1〜6μmとするのが好ましく、より好ましくは、1〜2μmである。この装置においては、上記のような微小間隔による従来にない均一な混合状態(反応を伴う場合にあっては均一な反応)の実現と微細な粒子の生成が可能である。
このように溝112...112が湾曲して伸びることにより、動圧発生機構104による離反力の発生をより効果的に行うことができる。
図18(A)に示すように、ホッパ170から投入され、第1導入部d1を通ってくる第1被処理流動体Rは、環状の第2処理用部102の中空部を通り、第1処理用部101の回転による遠心力を受け、両処理用部101、102間に入り、回転する第1処理用部101の処理用面110と、第2処理用部102の処理用面120との間にて、均一な混合(反応)と、場合により微細な粒子の生成が行われ、その後、両処理用部101、102の外側に出て、排出部108から減圧ポンプQ側へ排出される(以下必要に応じて第1被処理流動体Rを単に流体Rと呼ぶ)。
上記において、環状の第2処理用部102の中空部に入った流体Rは、図20(A)へ示すように、先ず、回転する第1処理用部101の溝112に入る。一方、鏡面研磨された、平坦部である両処理用面110、120は、空気や窒素などの気体を通しても気密性が保たれている。従って、回転による遠心力を受けても、そのままでは、付勢機構103によって押し合わされた両処理用面110、120の間に、溝112から流体Rは入り込むことはできない。しかし、流路制限部として形成された溝112の上記両側面112a、112bや底112cに、流体Rは徐々に突き当たり、両処理用面110、120を離反させる方向に働く動圧を発生させる。図20(B)へ示すように、これによって、流体Rが溝112から平坦面に滲み出し、両処理用面110、120の間に微小間隔t即ちクリアランスを確保することができる。そして、このような鏡面研磨された平坦面の間で、均一な混合(反応)と、場合により微細な粒子の生成が行われる。また上述の溝112の湾曲が、より確実に流体へ遠心力を作用させ、上記動圧の発生をより効果的にしている。
このように、この流体処理装置は、動圧と付勢機構103による付勢力との均衡にて、両鏡面即ち処理用面110、120間に、微細で均一な間隔即ちクリアランスを確保することを可能とした。そして、上記の構成により、当該微小間隔は、1μm以下の超微細なものとすることができる。
また、上記フローティング機構の採用により、処理用面110、120間のアライメントの自動調整が可能となり、回転や発生した熱による各部の物理的な変形に対して、処理用面110、120間の各位置における、クリアランスのばらつきを抑制し、当該各位置における上記の微小間隔の維持を可能とした。
図21(A)(B)に示すように、溝112は、流路制限部の一部として、先端に平らな壁面112dを備えるものとして実施することができる。また、この図21に示す実施の形態では、底112cにおいて、第1壁面112dと、内周面101aとの間に段差112eが設けられており、この段差112eも流路制限部の一部を構成する。
図22(A)(B)に示すように、溝112は、複数に分岐する枝部112f...112fを備えるものとし、各枝部112fがその幅を狭めることにより流路制限部を備えるものとしても実施可能である。
図21及び図22の実施の形態においても、特に示した以外の構成については、図1(A)、図11(C)、図18乃至図20に示す実施の形態と同様である。
また、この図23(A)(B)に示す場合、溝112の幅及び深さの少なくとも何れか一方の寸法を漸次小さくすることも併せて実施することができる。
尚、溝112の構成について、上記の図19、図21乃至図23に示すものに限定されるものではなく、他の形状の流路制限部を備えたものとして実施することが可能である。
例えば、図19、図21乃至図23に示すものでは、溝112は、第1処理用部101の外側に突き抜けるものではなかった。即ち、第1処理用部101の外周面と、溝112との間には、外側平坦面113が存在した。しかし、このような実施の形態に限定されるものではなく、上述の動圧を発生されることが可能であれば、溝112は、第1処理用部101の外周面側に達するものであっても実施可能である。
例えば、図23(B)に示す第1処理用部101の場合、点線で示すように、溝112の他の部位よりも断面積が小さな部分を、外側平坦面113に形成して実施することができる。
また、溝112を、上記の通り内側から外側へ向けて漸次断面積を小さくするように形成し、溝112の第1処理用部101の外周に達した部分(終端)を、最も断面積が小さいものとすればよい(図示せず)。但し、動圧を効果的に発生させる上で、図19、図21乃至図23に示すように、溝112は、第1処理用部101の外周面側に突き抜けないほうが好ましい。
この流体処理装置は、平坦処理用面を有する回転部材と同じく平坦処理用面を有する固定部材とをそれらの平坦処理用面で同心的に相対向させ、回転部材の回転下に固定部材の開口部より被処理原料を供給しながら両部材の対向平面処理用面間にて処理する流体処理装置において機械的にクリアランスを調整するのではなく、回転部材に増圧機構を設けて、その圧力発生によりクリアランスを保持し、かつ、機械的クリアランス調整では不可能であった1〜6μmの微小クリアランスを可能とし、混合(反応)の均一化及び、場合により生成粒子の微細化の能力が著しく向上出来たものである。
即ち、この流体処理装置は、回転部材と固定部材がその外周部に平坦処理用面を有しその平坦処理用面において、面上の密封機能を有することで、流体静力学的な即ちハイドロスタティックな力、流体動力学的な即ちハイドロダイナミックな力、或いは、エアロスタティック−エアロダイナミックな力を発生させる高速回転式の流体処理装置を提供しようとするものである。上記の力は、上記密封面間に僅かな間隙を発生させ、また非接触で機械的に安全で高度な混合(反応)の均一化の機能を有した流体処理装置を提供することができる。この僅かな隙間が形成されうる要因は、一つは、回転部材の回転速度によるものであり、もう一つは、被処理物(流体)の投入側と排出側の圧力差によるものである。投入側に圧力付与機構が付設されていない場合即ち大気圧下で被処理物(流体)を投入される場合、圧力差が無いわけであるから回転部材の回転速度だけで密封面間の分離を生じさせる必要がある。これは、ハイドロダイナミックもしくはエアロダイナミック力として知られている。
この場合、タンクT内を真空或いは真空に近い状態に減圧することにて、混合装置Gにて生成された被処理物をタンクT内に霧状に噴射せしめ、タンクTの内壁にぶつかって流れ落ちる被処理物を回収すること、或いはこのような流れ落ちる被処理物に対して気体(蒸気)として分離されタンクT内上部に充満するものを回収することにて、処理後の目的物を得ることができる。
また、減圧ポンプQを用いる場合も、図24(B)へ示すように、混合装置Gに、減圧ポンプQを介して、気密なタンクTを接続することにより、当該タンクT内にて、処理後の被処理物を霧状にして、目的物の分離・抽出を行うことができる。
更に、図24(C)へ示すように、減圧ポンプQを直接タンクTに接続し、当該タンクTに、減圧ポンプQと、減圧ポンプQとは別の流体Rの排出部とを接続して、目的物の分離を行うことができる。この場合、気化部については、減圧ポンプQに吸いよせられ、液体R(液状部)は排出部より、気化部とは別に排出される。
次に、装置への被処理流動体の導入に関する他の実施の形態について、順に説明する。
第3導入部d3は、第1の被処理流動体と混合させる第3の被処理流動体を処理用面1、2間へ供給する。この実施の形態において、第3導入部d3は、第2リング20の内部に設けられた流体の通路であり、その一端が第2処理用面2にて開口し、他の一端に第3流体供給部p3が接続されている。
第3流体供給部p3には、コンプレッサ、その他のポンプを採用することができる。
第3導入部d3の第2処理用面2における開口部は、第2導入部d2の開口部よりも、第1処理用面1の回転の中心の外側に位置する。即ち、第2処理用面2において、第3導入部d3の開口部は、第2導入部d2の開口部よりも、下流側に位置する。第3導入部d3の開口部と第2導入部d2の開口部との間には、第2リング20の径の内外方向について、間隔が開けられている。
この図1(B)へ示す装置も、第3導入部d3以外の構成については、図1(A)へ示す実施の形態と同様である。尚、この図1(B)、更に、以下に説明する、図1(C)、図1(D)、図2〜図11において、図面の煩雑を避けるため、ケース3を省略する。尚、図9(B)(C)、図10、図11(A)(B)においては、ケース3の一部を描いてある。
第4導入部d4は、第1の被処理流動体と混合させる第4の被処理流動体を処理用面1、2間へ供給する。この実施の形態において、第4導入部d4は、第2リング20の内部に設けられた流体の通路であり、その一端が第2処理用面2にて開口し、他の一端に第4流体供給部p4が接続されている。
第4流体供給部p4には、コンプレッサ、その他のポンプを採用することができる。
第4導入部d4の第2処理用面2における開口部は、第3導入部d3の開口部よりも、第1処理用面1の回転の中心の外側に位置する。即ち、第2処理用面2において、第4導入部d4の開口部は、第3導入部d3の開口部よりも、下流側に位置する。
この図1(C)へ示す装置について、第4導入部d4以外の構成については、図1(B)へ示す実施の形態と同様である。
また、図示はしないが、更に、第5導入部や、第6導入部など、5つ以上の導入部を設けて、夫々5種以上の被処理流動体を、混合(反応)させるものとしても実施できる。
上記の図1(D)へ示す装置では、第2導入部d2の開口部と、第3導入部d3の開口部は、共に第2リング20の第2処理用面2に配置されるものであった。しかし、導入部の開口部は、このような処理用面に対する配置に限定されるものではない。特に、図2(A)へ示す通り、第2導入部d2の開口部を、第2リング20の内周面の、第2処理用面2に隣接する位置に設けて実施することもできる。この図2(A)へ示す装置において、第3導入部d3の開口部は、図1(B)へ示す装置と同様、第2処理用面2に配置されているが、第2導入部d2の開口部を、このように第2処理用面2の内側であって、第2処理用面2へ隣接する位置に配置することによって、第2の被処理流動体を処理用面に直ちに導入できる。
また、上記の図1(D)へ示す装置についても、第1導入部d1の開口部と第2導入部d2の開口部との間には、第2リング20の径の内外方向について、間隔が開けられていたが、そのような間隔を設けずに、両処理用面1、2間に第1及び第2の被処理流動体を導入すると直ちに両流動体が合流するものとしても実施できる(図示しない)。処理の対象によって、このような開口部の配置を選択すればよい。
上記の図1(B)及び図1(C)に示す実施の形態では、第2処理用面2において、第3導入部d3の開口部を、第2導入部d2の開口部の下流側、言い換えると、第2リング20の径の内外方向について第2導入部d2の開口部の外側に配置するものとした。この他、図2(C)及び図3(A)へ示す通り、第2処理用面2において、第3導入部d3の開口部を、第2導入部d2の開口部と、第2リング20の周方向r0について異なる位置に配置するものとしても実施できる。図3において、m1は第1導入部d1の開口部即ち第1開口部を、m2は第2導入部d2の開口部即ち第2開口部を、m3は第3導入部d3の開口部(第3開口部)を、r1はリングの径の内外方向を、夫々示している。
また、第1導入部d1を第2リング20に設ける場合も、図2(D)へ示す通り、第2処理用面2において、第1導入部d1の開口部を、第2導入部d2の開口部と、第2リング20の周方向について異なる位置に配置するものとしても実施できる。
上記に示す装置において、第2導入部乃至第5導入部は、夫々異なる被処理流動体即ち、第2、第3、第4、第5の被処理流動体を、導入することができる。一方、第2〜第5の開口部m2〜m5から、全て同種の即ち、第2被処理流動体を処理用面間に導入するものとしても実施できる。図示はしないが、この場合、第2導入部乃至第5導入部は、リング内部にて連絡しており、一つの流体供給部、即ち第2流体供給部p2に接続されているものとして実施できる。
また、リングの周方向r0の異なる位置に導入部の開口部を複数設けたものと、リングの径方向即ち径の内外方向r1の異なる位置に導入部の開口部を複数設けたものを、複合して実施することもできる。
例えば、図3(D)へ示す通り、第2処理用面2に8つの導入部の開口部m2〜m9が設けられており、そのうち4つであるm2〜m5は、リングの周方向r0の異なる位置であり且つ径方向r1について同じ位置に設けられたものであり、他の4つであるm6〜m9はリングの周方向r0の異なる位置であり且つ径方向r1について同じ位置に設けられている。そして、当該他の開口部m6〜m9は、径方向r1について、上記4つの開口部m2〜m5の径方向の外側に配置されている。また、この外側の開口部は、夫々、内側の開口部と、リングの周方向r0について同じ位置に設けてもよいが、リングの回転を考慮して、図3(D)へ示すように、リングの周方向r0の異なる位置に設けて実施することもできる。また、その場合も、開口部について、図3(D)に示す配置や数に限定されるものではない。
例えば、図3(E)へ示す通り、径方向外側の開口部が多角形の頂点位置、即ちこの場合四角形の頂点位置に配置され、当該多角形の辺上に、径方向内側の開口部が位置するように配置することもできる。勿論この他の配置を採ることもできる。
また、第1開口部m1以外の開口部は、何れも第2被処理流動体を処理用面間に導入するものとした場合、各第2被処理流動体を導入する当該開口部を、処理用面の周方向r0について、点在させるのではなく、図3(F)へ示す通り、周方向r0について、連続する開口部として実施することもできる。
また、処理の対象によっては、図5(A)へ示す通り、図4(D)へ示す装置において、第2リング20に第4導入部d4を設けて第4の被処理流動体を両処理用面1、2間へ導入するものとしても実施できる。
図5(C)へ示す通り、図5(B)へ示す装置において、第1リング10に第3導入部d3を設けて、第1処理用面1において、第3導入部d3の開口部を、第2導入部d2の開口部と、第1リング10の周方向について異なる位置に配置するものとしても実施できる。
図5(D)へ示す通り、図5(B)へ示す装置において、第2ホルダ21へ第1導入部d1を設ける代わりに、第2リング20へ第1導入部d1を設け、第2処理用面2に、第1導入部d1の開口部を配置するものとしても実施できる。この場合、第1及び第2の導入部d1、d2の両開口部は、リングの径の内外方向について、同じ位置に配置されている。
図5(C)へ示す装置において、第2及び第3の導入部d2、d3の両開口部を、第1リング10の径の内外方向について同じ位置に設けると共に、第1リング10の周方向即ち回転方向について異なる位置に設けたが、当該装置において、図6(B)へ示す通り、第2及び第3導入部d2、d3の両開口部を、第1リング10の周方向について同じ位置に設けると共に、第1リング10の径の内外方向について異なる位置に設けて実施することができる。この場合図6(B)へ示す通り、第2及び第3導入部d2、d3の両開口部の間には、第1リング10の径の内外方向に間隔を開けておくものとしても実施でき、または図示はしないが、当該間隔を開けずに直ちに、第2被処理流動体と第3被処理流動体とが合流するものとしても実施できる。
また、図6(C)へ示す通り、第2ホルダ21へ第1導入部d1を設ける代わりに、第2導入部d2と共に、第1リング10へ第1導入部d1を設けて実施することもできる。この場合、第1処理用面1において、第1導入部d1の開口部を、第2導入部d2の開口部の、上流側(第1リング10の径の内外方向について内側)に設ける。第1導入部d1の開口部と第2導入部d2の開口部との間には、第1リング10の径の内外方向について、間隔を開けておく。但し図示はしないが、このような間隔を開けずに実施することもできる。
また、図6(D)へ示す通り、図6(C)へ示す装置の第1処理用面1にあって、第1リング10の周方向の異なる位置に、第1導入部d1と第2導入部d2夫々の開口部を配置するものとして実施することができる。
また、図示はしないが、図6(C)(D)へ示す実施の形態において、第1リング10へ3つ以上の導入部を設けて、第2処理用面2において、周方向の異なる位置に、或いは、リングの径の内外方向の異なる位置に、各開口部を配置するものとして実施することもできる。例えば、第2処理用面2において採った、図3(B)〜図3(F)に示す開口部の配置を第1処理用面1においても採用することができる。
図7(B)へ示す通り、図7(A)へ示す実施の形態において、第3導入部d3を、第2リング20へ設けて、第3導入部d3の開口部を第2処理用面2へ配置することができる。
また、図7(C)へ示す通り、第1導入部d1を第2ホルダ21へ設ける代わりに、第1ホルダ11へ設けて実施することができる。この場合、第1ホルダ11上面の第1リング10に囲まれた部位において、第1リング10の回転の中心軸に第1導入部d1の開口部を配置するのが好ましい。また、この場合、図示の通り、第2導入部d2を第1リング10へ設けて、第1処理用面1へ、その開口部を配置することができる。また、図示はしないが、この場合、第2導入部d2を第2リング20へ設けて、第2処理用面2へ、その開口部を配置することができる。
更に、図7(D)へ示す通り、図7(C)へ示す第2導入部d2を、第1導入部d1と共に、第1ホルダ11へ設けて実施することもできる。この場合、第1ホルダ11上面の第1リング10に囲まれた部位において、第2導入部d2の開口部を配置する。また、この場合、図7(C)において、第2リング20へ設けた第2導入部d2を、第3導入部d3とすればよい。
また、図8(B)へ示す通り、図8(A)に示す装置において、第2リング20に第2導入部d2を設ける代わりに、図7(B)の装置と同様に第1ホルダ11に第2導入部d2を設けて実施することができる。
また、図示はしないが、図8(B)へ示す装置において、第2導入部d2を、第1ホルダ11に代え第2ホルダ21へ設けて実施することもできる。この場合、第2導入部d2は、図4(A)の装置と同様である。図8(C)へ示す通り、図8(B)へ示す装置において、第2リング20に第3導入部d3を設けて、当該導入部d3の開口部を、第2処理用面2に配置して実施することもできる。
更に、図8(D)へ示す通り、第1ホルダ11を回転させずに、第2ホルダ21のみを回転させるものとしても実施できる。図示はしないが、図1(B)〜図7に示す装置においても、第1ホルダ11と共に第2ホルダ21を回転させるものや、或いは第2ホルダ21のみ単独で回転させるものとしても実施できる。
この他、図10(B)へ示す通り、第1リング10及び第2リング20の外側から、内側に向けて、第1の被処理流動体を供給するものとしても実施できる。この場合、図示の通り、第1ホルダ11及び第2ホルダ21の外側をケース3にて密閉し、第1導入部d1を当該ケース3に直接設けて、ケースの内側であって、両リング10、20の突合せ位置と対応する部位に、当該導入部の開口部を配置する。そして、図1(A)の装置において第1導入部d1が設けられていた位置、即ち第1ホルダ11におけるリング1の中心となる位置に、排出部36を設ける。また、ホルダの回転の中心軸を挟んで、ケースの当該開口部の反対側に、第2導入部d2の開口部を配置する。但し、第2導入部d2の開口部は、第1導入部d1の開口部と同様、ケースの内側であって、両リング10、20の突合せ位置と対応する部位に配置するものであればよく、上記のように、第1導入部d1の開口部の反対側に形成するのに限定されるものではない。
この場合、両リング10、20の径の外側が、上流となり、両リング10、20の内側が下流側となる。
また、図11(B)へ示す通り、図11(A)に示す装置の第2導入部d2を第3導入部d3とし、別途第2導入部d2を設けるものとしても実施できる。この場合、第2処理用面2において第2導入部d2の開口部を第3導入部d3の開口部よりも下流側に配置する。
前述の図4に示す各装置、図5(A)、図7(A)(B)(D)、図8(B)(C)に示す装置は、処理用面1、2間に達する前に、第1の被処理流動体に対して、他の被処理流動体が合流するものであり、晶出や析出の反応の速いものには適さない。しかし、反応速度の遅いものについては、このような装置を採用することもできる。
前述の通り、この流体処理装置は、被処理流動体に所定の圧力を付与する流体圧付与機構と、この所定圧力の被処理流動体が流される密封された流体流路に設けられた第1処理用部10と第1処理用部10に対して相対的に接近離反可能な第2処理用部20の少なくとも2つの処理用部と、これらの処理用部10、20において互いに対向する位置に設けられた第1処理用面1及び第2処理用面2の少なくとも2つの処理用面と、第1処理用部10と第2処理用部20とを相対的に回転させる回転駆動機構とを備え、両処理用面1、2間にて、少なくとも2種の被処理流動体の混合の処理を行う(反応を伴う場合にあっては反応の処理も行う)ものである。第1処理用部10と第2処理用部20のうち少なくとも第2処理用部20は、受圧面を備えるものであり、且つ、この受圧面の少なくとも一部が第2処理用面2により構成され、受圧面は、流体圧付与機構が被処理流動体の少なくとも一方に付与する圧力を受けて第1処理用面1から第2処理用面2を離反させる方向に移動させる力を発生させる。そして、この装置にあって、接近離反可能且つ相対的に回転する第1処理用面1と第2処理用面2との間に上記の圧力を受けた被処理流動体が通されることにより、各被処理流動体が所定厚みの薄膜流体を形成しながら両処理用面1、2間を通過することで、当該被処理流動体間において、所望の混合状態(反応)が生じる。
尚、上記の加圧装置は、送り込み圧の増減の調整を行えるものを採用する。この加圧装置は、設定した圧力を一定に保つことができる必要があるが、処理用面間の間隔を調整するパラメータとして、調整を行える必要があるからである。
間にて、少なくとも2種の被処理流動体の混合(反応)処理を行うものであって、接面圧力が付与されつつ相対的に回転する第1処理用面1と第2処理用面2との間に、流体圧付与機構から圧力を付与された少なくとも一種の被処理流動体が通され、更に、他の一種の被処理流動体が通されることにより、流体圧付与機構から圧力を付与された上記一種の被処理流動体が所定厚みの薄膜流体を形成しながら両処理用面1、2間を通過する際に、当該他の一種の被処理流動体が混合され、被処理流動体間にて、所望の混合状態(反応)を生じさせるものを採用することができる。
この接面圧付与機構が、前述の装置における、微振動やアライメントを調整する緩衝機構や、変位調整機構を構成するものとして実施することができる。
上記のように、一方の被処理流動体の装置内への供給口となる第1導入部の開口部を第2ホルダに設けるものに限定されるものではなく、第1導入部の当該開口部を第1ホルダに設けるものとしてもよい。また、第1導入部の当該開口部を、両処理用面の少なくとも一方に形成して実施することもできる。但し、反応によって、先に処理用面1、2間に導入しておく必要のある被処理流動体を、第1導入部から供給する必要がある場合において、他方の被処理流動体の装置内への供給口となる第2導入部の開口部は、何れかの処理用面において、上記第1導入部の開口部よりも、下流側に配置する必要がある。
この流体処理装置は、混合(反応)させる2種以上の被処理流動体を別々に導入する複数の導入部と、当該2種以上の被処理流動体の少なくとも一つに圧力を付与する流体圧付与機構pと、この被処理流動体が流される密封された流体流路に設けられた第1処理用部10と第1処理用部10に対して相対的に接近離反可能な第2処理用部20の少なくとも2つの処理用部と、これらの処理用部10、20において互いに対向する位置に設けられた第1処理用面1及び第2処理用面2の少なくとも2つの処理用面1、2と、第1処理用部10と第2処理用部20とを相対的に回転させる回転駆動機構とを備え、両処理用面1、2間にて、被処理流動体間の混合(反応)処理を行うものであって、第1処理用部10と第2処理用部20のうち少なくとも第2処理用部20は、受圧面を備えるものであり、且つ、この受圧面の少なくとも一部が第2処理用面2により構成され、受圧面は、流体圧付与機構が被処理流動体に付与する圧力を受けて第1処理用面1から第2処理用面2を離反させる方向に移動させる力を発生させ、更に、第2処理用部20は、第2処理用面2と反対側を向く接近用調整面24を備えるものであり、接近用調整面24は、被処理流動体に掛けた所定の圧力を受けて第1処理用面1に第2処理用面2を接近させる方向に移動させる力を発生させ、上記接近用調整面24の接近離反方向の投影面積と、上記受圧面の接近離反方向の投影面積との面積比により、被処理流動体から受ける全圧力の合力として、第1処理用面1に対する第2処理用面2の離反方向へ移動する力が決まるものであり、接近離反可能且つ相対的に回転する第1処理用面1と第2処理用面2との間に圧力が付与された被処理流動体が通され、当該被処理流動体に混合(反応)させる他の被処理流動体が両処理用面間において混合され、混合された被処理流動体が所定厚みの薄膜流体を形成しながら両処理用面1、2間を通過することで、処理用面間の通過中に所望の生成物を得るものである。
図25においてUは上方を、Sは下方をそれぞれ示している。図26(A)、図27(B)においてRは回転方向を示している。図27(B)においてCは遠心力方向(半径方向)を示している。
第1ホルダ11には第1処理用部10と回転軸50が設けられている。第1処理用部10はメインティングリングと呼ばれる環状体であり鏡面加工された第1処理用面1を備える。回転軸50は第1ホルダ11の中心にボルトなどの固定具81にて固定されたものであり、その後端が電動機などの回転駆動装置82(回転駆動機構)と接続され、回転駆動装置82の駆動力を第1ホルダ11に伝えて当該第1ホルダ11を回転させる。第1処理用部10は上記第1ホルダ11と一体となって回転する。
上記の第1処理用面1は、第1ホルダ11から露出して、第2ホルダ21を臨む。第1処理用面の材質は、セラミックや焼結金属、対磨耗鋼、その他金属に硬化処理を施したものや、硬質材をライニングやコーティング、鍍金などを施工したものを採用する。
この第2ホルダ21が備えるリング収容部41は、第2リング20の、主として処理用面2側と反対側の部位を収容する凹部であり、平面視において、環状に形成された溝である。
リング収容部41は、第2リング20の寸法より大きく形成され、第2リング20との間に十分なクリアランスを持って、第2リング20を収容する。
少なくとも第2ホルダ21のリング収容部41には、処理用部付勢部としてスプリング43が設けられている。スプリング43は第2処理用部20を第1処理用部10に向けて付勢する。さらに他の付勢方法として、空気導入部44などの空気圧またはその他の流体圧を供給する加圧手段を用いて第2ホルダ21が保持する第2処理用部20を第1処理用部10へ近づける方向に付勢する方法でもよい。
スプリング43及び空気導入部44などの接面圧付与機構は第2処理用部20の周方向の各位置(処理用面の各位置)を均等に、第1処理用部10へ向けて付勢する。
この第2ホルダ21の中央に上記の第1導入部d1が設けられ、第1導入部d1から処理用部外周側へ圧送されてくる流体は、まず当該第2ホルダ21が保持する第2処理用部20と第1処理用部10と当該第1処理用部10を保持する第1ホルダ11とに囲まれた空間内に導かれる。そして第1処理用部10から第2処理用部20を付勢部の付勢に抗して離反させる方向に、第2処理用部20に設けられた受圧面23に流体圧付与機構Pによる上記流体の送圧(供給圧)を受ける。
なお、他の箇所においては説明を簡略にするため、受圧面23についてのみ説明をしているが、正確に言えば、図29(A)(B)に示すように、上記の受圧面23と共に、後述する溝状の凹部13の第2処理用部20に対する軸方向投影面のうちで、上記受圧面23が設けられていない部分23Xも受圧面として、流体圧付与機構Pによる上記流体の送圧(供給圧)を受ける。
処理用面に設けられた凹部13については、被処理物及び生成物を含む流体の物性に対応してその深さ、処理用面に対して水平方向への総面積、本数、及び形状を実施できる。
なお、上記受圧面23と上記凹部13とを一装置内に共に設けても実施できる。
尚、凹部13とは異なる溝については、形状、面積、本数、深さに関しては特に限定されない。目的に応じて当該溝を施す事ができる。
具体的には、第2導入部d2は、図27(A)に示すように、上記の第2処理用面2の開口部d20からの導入方向が、第2処理用面2に対して所定の仰角(θ1)で傾斜している。この仰角(θ1)は、0度を超えて90度未満に設定されており、さらに反応速度が速い反応の場合には1度以上45度以下で設置されるのが好ましい。
また、図27(B)に示すように、上記の第2処理用面2の開口部d20からの導入方向が、上記の第2処理用面2に沿う平面において、方向性を有するものである。この第2流体の導入方向は、処理用面の半径方向の成分にあっては中心から遠ざかる外方向であって、且つ、回転する処理用面間における流体の回転方向に対しての成分にあっては順方向である。言い換えると、開口部d20を通る半径方向であって外方向の線分を基準線gとして、この基準線gから回転方向Rへの所定の角度(θ2)を有するものである。
この角度(θ2)についても、0度を超えて90度未満に設定されており、図27(B)の網かけ部分に向けて開口部d20から吐出される。さらに反応速度が速い反応の場合には、当該角度(θ2)は小さいものであってもよく、反応速度が遅い場合には、当該角度(θ2)も大きく設定することが好ましい。また、この角度は、流体の種類、反応速度、粘度、処理用面の回転速度などの種々の条件に応じて、変更して実施することができる。
また上記処理用部を流体中に浸し、上記処理用面間にて混合(反応)させて得られた流体を直接処理用部の外部にある液体、もしくは空気以外の気体に投入して実施できる。
さらに処理用面間もしくは処理用面から吐出された直後の被処理物に超音波エネルギーを付加する事もできる。
この温調機構は特に限定されないが、冷却が目的の場合には処理用部10、20に冷却部を設ける。具体的には、温調用媒体としての氷水や各種の冷媒を通す配管、あるいはペルチェ素子などの、電気的もしくは化学的に冷却作用をなすことのできる冷却素子を処理用部10、20に取り付ける。
加熱が目的の場合には処理用部10、20に加熱部を設ける。具体的には、温調用媒体としてのスチームや各種の温媒を通す配管、あるいは電気ヒーターなどの、電気的もしくは化学的に発熱作用をなすことのできる発熱素子を処理用部10、20に取り付ける。
また、リング収容部に処理用部と直接接する事の出来る新たな温調用媒体用の収容部を設けても良い。それらにより、処理用部の熱伝導を用いて処理用面を温調する事ができる。また、処理用部10、20の中に冷却素子や発熱素子を埋め込んで通電させたり、冷温媒通過用通路を埋め込んでその通路に温調用媒体(冷温媒)を通す事で、内側より処理用面を温調する事もできる。なお、図25に示した温調機構J1、J2は、その一例であって、各処理用部10、20の内部に設けられた温調用媒体を通す配管(ジャケット)である。
Ra=L3・g・β・ΔT/(α・ν)
で定義される無次元数であるレイリー数Raによって支配される。ベナール対流が生じ始める臨界レイリー数は処理用面と被処理物流体との境界面の性質によって異なるが約1700とされている。それより大きな値ではベナール対流が発生する。さらに、そのレイリー数Raが1010付近より大きな値の条件となると流体は乱流状態となる。つまり、その処理用面間の温度差ΔTもしくは処理用面の距離Lを、レイリー数Raが1700以上になるようにして本装置を調節する事で、処理用面間に処理用面に対して垂直方向の流れを発生する事ができ、上記混合(反応)操作を実施できる。
Ma=σ・ΔT・L/(ρ・ν・α)
で定義される無次元数であるマランゴニ数によって支配される。マランゴニ対流が発生し始める臨界マランゴニ数は80付近であり、その値よりも大きな値となる条件ではマランゴニ対流が発生する。つまり、その処理用面間の温度差ΔTもしくは処理用面の距離Lを、マランゴニ数Ma が80以上になるようにして本装置を調節する事で、10μm以下の微小流路であっても処理用面間に処理用面に対して垂直方向の流れを発生させる事ができ、上記混合(反応)操作を実施できる。
ν:動粘性率[m2/s]、 α:温度伝導率[(m2/s)]、 ΔT:処理用面間の温度差[K]
ρ:密度[kg/m3]、 Cp:定圧比熱[J/kg・K]、 k:熱伝導率[W/m・K]
T1:処理用面における高温側の温度[K]、 T0:処理用面における低温側の温度[K]
ΔT:処理用面間の温度差[K]、 ρ:密度[kg/m3]、 Cp:定圧比熱[J/kg・K]
k:熱伝導率[W/m・K]、 σt:表面張力温度係数[N/m・K]
T1:処理用面における高温側の温度[K]、 T0:処理用面における低温側の温度[K]
まず、フリーデル-クラフツアシル化反応は一般的に以下の化学反応式で示される。
、GaCl3 、SbCl3 、BiCl3 、TiCl4、ZrCl4、VCl4
、SbCl5 、アルキル金属化合物、金属アルコキシド、錯体化合物(例えば、Me2TiCl2、Pd(PPh3)4、RuCl2(PPh3)2)、ルイス酸からなる群から選択される酸が好ましい。
次に、フリーデル-クラフツアルキル化反応は一般的に以下の化学反応式で示される。
、ZnCl2 、GaCl3 、BiCl3 、TiCl4、ZrCl4
、VCl4 、アルキル金属化合物、金属アルコキシド、TiCl2 (CH3)2、Pd(PPh3)4、RuCl2(PPh3)2またはこれら触媒の混合物である。
次に、ニトロ化反応は一般的に以下の化学反応式で示される。
次に、臭素化反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として臭素化試薬および必要に応じて触媒をそれぞれ少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、バイヤー−ヴィリガー酸化反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、酸化剤を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、メタセシス反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、メタセシス触媒を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
N=Mo{OC(CF3 )2 Me}2 =CHCMe2 Ph、「シュロック(Schrock)」触媒)、「シュロック」触媒の改変体または誘導体、あるいは前述の錯体の混合物から選択された少なくとも1種の錯体である。
次に、有機化合物の水素化物および/またはその誘導体を用いた有機化合物の還元反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、水素化物および/またはその誘導体を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
hydride)、水素化アルミニウム、水素化スズおよび水素化ケイ素、これらの誘導体およびこれらの混合物から選択された少なくとも1種である。好ましくは、各々の場合において、1種のみの水素化物またはこの誘導体を、本発明の方法における還元剤として用いる。水素化物の誘導体は、水素化物と構造的に類似する化合物であり、ここで、少なくとも1種の水素原子は、水素原子以外の基により置換されているが、少なくとも1個の水素原子は、依然として存在する。用いられる水素化ホウ素またはその誘導体は、好ましくは、ホウ化水素リチウム、ホウ化水素ナトリウム、ホウ化水素カリウム、ホウ化水素ルビジウム、ホウ化水素セシウム、ホウ化水素亜鉛、ホウ化水素カルシウム、ホウ化水素銅、ホウ化水素テトラアルキルアンモニウム、ホウ化水素トリアルキルホスホニウムまたはホウ化水素トリアリールホスホニウム、もしくはホウ化水素のアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、シアノまたはヘテロアリール誘導体、または前記化合物の混合物である。用いられるホウ化水素(borohydride)またはその誘導体は、同様に、好ましくは、ボラン、特にジボラン、もしくはボランのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシまたはヘテロアリール誘導体、ボランあるいは前記誘導体のリガンドとしてのアミン、ホスフィン、エーテルまたはスルフィドとの錯体であって、(各々の場合において、同一であるかまたは異なっていることができる)、前記リガンド、または前記化合物の混合物である。用いられる水素化アルミニウムまたはこの誘導体は、好ましくは、アラン(alane)(AlH3)、錯体水素化アルミニウム、特に水素化リチウムアルミニウム、水素化ナトリウムアルミニウム、水素化カリウムアルミニウム、もしくはアランまたは水素化アルミニウムのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシまたはアシルオキシ誘導体、例えば水素化Naビス(2
−メトキシエトキシ)アルミニウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムである。同様に、好ましいのは、アラン、水素化アルミニウムまたは前記誘導体の、リガンドとしてのアミン、ホスフィン、エーテルもしくはスルフィドとの錯体であって、(各々の場合において、同一であるかまたは異なっていることができる)、前記錯体、または前記化合物の混合物である。好ましい水素化ケイ素またはこの誘導体は、シラン、特にモノシラン、およびシランのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、シアノもしくはヘテロアリール誘導体、または前記化合物の混合物を含む。好ましい水素化スズまたはこの誘導体の例は、スタンナン、特にモノスタンナン、およびスタンナンのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、シアノまたはヘテロアリール誘導体、あるいは前記化合物の混合物を含む。アルケンおよびアルキンは、ボランのB−H結合中に挿入することができる。これらのヒドロホウ素化反応における有機ボランの加水分解またはペルオキソ加水分解の結果、炭化水素またはアルコールが得られる。従って、適切な場合においては、これらのヒドロホウ素化が、同様に、ボランおよび/またはボランの誘導体を、還元剤として用いる場合には、本発明に従って還元されるべき不飽和化合物の場合において発生することができることを、考慮しなければならない。水素化誘導体の好適な置換基は、当業者に知られており、脂肪族、芳香族または複素環式化合物の還元において用いることができる、すべてのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシまたはヘテロアリール置換基である。
次に、有機化合物の脱水反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、脱水剤を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、ベックマン転位は一般的に以下の化学反応式で示される。
、亜鉛化合物、好ましくはZnCl2 、ホウ素化合物、好ましくはBCl3または前述の化合物の少なくとも2種の混合物を含む。
次に、有機カルボニル化合物および/またはCH−酸性化合物のオキシム化の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、オキシム化試薬を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、有機化合物の1,3−双極付加環化の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、双極子親和体を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、第三アミンおよび/または窒素含有芳香族複素環式化合物の酸化アミンへの酸化の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、酸化剤を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、オレフィンのエポキシ化の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、酸化剤を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
,5−ditert−ブチルベンジリデン)アミノ]シクロヘキサンマンガン二塩化物または(S、S)−トランス−1,2−ビス[(2−ヒドロキシ−3,5−ditert−ブチルベンジリデン)アミノ]シクロヘキサンマンガン二塩化物(Jacobsenの触媒)およびジメチルジオキシランおよび/または次亜塩素酸ナトリウムとオレフィンを酸化させることもまた好ましい。
次に、有機化合物のホルミル化の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、ホルミル化剤を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
,N −ジアルキルホルムアミド(特に好ましくはN ,N −ジメチルホルムアミド)、N ,N −ジアルキルホルムアミドビニルまたはこれらの化合物の少なくとも2種の混合物の使用が好ましい。N−アルキルホルムアニリドとしては、N−メチルホルムアニリドの使用が好ましい。N,N−ジ置換アミドとしては、N,N
−ジアルキルアセトアミド(特に好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド)、N ,N−ジアルキルプロピオンアミド(特に好ましくはN,N−ジメチルプロピオンアミド)、N,N
−ジアルキルベンズアミド(特に好ましくはN,N−ジメチルベンズアミド)、またはこれらの化合物の少なくとも2種の混合物の使用が好ましい。無機酸塩化物としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル、ホスゲン、ホスゲン置換体、特にジホスゲンまたはトリホスゲン、塩化ピロホスホリル、塩化オキサリル、塩化スルフリル、臭化ベンゾイルまたはこれらの化合物の少なくとも2種の混合物の使用が好ましい。酸無水物としては、無水トリフルオロメタンスルホン酸の使用が好ましい。無機エステルとしては、ジアルキル硫酸、特に好ましくはジメチル硫酸の使用が好ましい。N,N−ジ置換ホルムアミドおよび/またはN−アルキルホルムアニリドおよび/またはN,N
−ジ置換アミドの無機酸塩化物および/または無機エステルおよび/または酸無水物に対するモル比は、好ましくは等モルである。さらに、酸塩化物および/または無機エステルおよび/または酸無水物は、N,N−ジ置換ホルムアミドおよび/またはN
−アルキルホルムアニリドおよび/またはN,N−ジ置換アミドを基準にして、好ましくは2倍〜10倍モル過剰で存在し、特に好ましくは3倍〜5倍モル過剰で存在する。本発明の方法の、さらなる好ましい態様においては、用いられるホルミル化剤はシアン化亜鉛(II)であって、プロトン性の酸(proticacid)、好ましくは塩酸の存在下のものである。
−ジオン、またはこれらの化合物の少なくとも2種の混合物が好ましい。エナミドとしては、ホルミル化の基質として適切であるものであれば、全てのエナミドを用いることができる。エナミドには、ビニルホルムアミドの使用が好ましい、特に好ましくは3−ジメチルアミノプロペナールの使用が好ましい。
次に、インドール化合物を得る場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、触媒を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
、AlCl3 、FeCl3 、TiCl4 またはMgCl2 、極めて特に好ましくはZnCl2 、またはこれらのルイス酸の少なくとも2種以上の混合物であることができる。本発明の方法のさらなる好ましい態様において、用いられる1種または2種以上のアリールヒドラゾンの量に対して、0.1および110モル%の範囲、特に好ましくは1および100モル%の範囲、極めて特に好ましくは10および50モル%の範囲の1種または2種以上の触媒が用いられる。
次に、アルキリデン基を有機化合物に移動させる場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、アルキリデン基移動試薬を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
ntadienyltitanadialkyl )化合物、遷移金属のアルキル化合物、遷移金属のアルキリデン化合物またはこれらの化合物の少なくとも2種の混合物である。用いられるビスシクロペンタジエニルチタナジアルキル化合物は、好ましくは、ジメチルチタノセン(dimethyltitanocene)であることができる。随意にまたインサイチュで生成することができる、遷移金属のアルキリデン化合物は、好ましくは、一般式(I)CR2=MLn(I)式中、n=1〜9、好ましくは1〜6、特に好ましくは1または2の整数であり、1または2以上のリガンドLおよび遷移金属Mに依存し、基R
は、同一であるかまたは異なっており、有機基、好ましくは随意に置換されたアルキルまたはアリール基であり、Mは、遷移金属、好ましくはチタン、ジルコニウムまたはハフニウム、特に好ましくはチタンであり、および基Lは、同一であるかまたは異なっており、有機または無機リガンド、好ましくはシクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基である、で表される少なくとも1種の化合物であることができる。アルキリデン基移動試薬をインサイチュで生成する場合には、好ましくは、一般式R1−CH2−Xで表される化合物であって、R1が有機基またはハロゲン基であり、Xがハロゲン基である前記化合物と、亜鉛および四塩化チタンとの混合物により、特に好ましくは、臭化メチレン、亜鉛および四塩化チタンの混合物により生成することができる。
次に、カップリング反応は一般的に以下の化学反応式で示される。
ホモカップリング: R-X
+ R-X → R-R
クロスカップリング:
R-X + R'-Y → R-R'
例えばアセトアセチル化反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体としてアルコール、アミン、チオールの内少なくとも一つの有機化合物及び必要に応じて触媒を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、コハク酸ジエステルとニトリルの反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、強塩基存在下に溶解した形態のR1−CNと表されるニトリル、またはR2−CNと表されるニトリル、あるいはこれらニトリルの混合物を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
、CN 、−OCOR16,OR17、COOR16、CONR17R18およびR16−O−CONHR16からなる群から選択される1以上の、例えば1、2、3
、4 または5 個の置換基によって置換されていても良く;R16はアルキル、例えばナフチル、ベンジル、ハロベンジル、フェニル、ハロフェニル、アルコキシフェニルまたはアルキルフェニルなどのアリール、または複素環基であり;R17およびR18は同一でも異なっていても良く、水素もしくはアルキルを表し、そのアルキルはシアノ、水酸基もしくはC5〜C6−シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールで、特にはフェニルまたはハロゲン−,アルキル−もしくはアルコキシ−置換されたフェニルで置換されていても良く;あるいはR17とR18が窒素原子と一体となって、例えばモルホリン、ピペリジンまたはフタルイミドなどの5員もしくは6員の複素環を形成している。前記アルキル基上のさらに別の可能な置換基は、モノまたはジアルキル化アミノ基、ナフチル、フェニル、ハロフェニル、アルキルフェニルもしくはアルコキシフェニルなどのアリール基、ならびに2−チエニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンズイミダゾリル、6−ベンズイミダゾロニル、2−,3−もしくは4−ピリジル、2−,4−もしくは6−キノリルなどのヘテロ芳香族基である。アルキルは(2)の冒頭で言及した意味を有する。未置換および置換アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、シアノメチル、メトキシカルボニルメチル、アセトキシメチルおよびベンジルなどがある。(3)アルコキシ基−OR19。R19は、水素、上記で定義のアルキルまたはアリール、C5〜C6−シクロアルキル、アラルキルまたは複素環基である。好ましいR19基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、トリフルオロエチル、フェニル、o−,m−もしくはp−クロロフェニル、o−,m−もしくはp−メチルフェニル、α−もしくはβ−ナフチル、シクロヘキシル、ベンジル、チエニルまたはピラニルメチルである。(4)−SR19基。R19
は(3)で定義した通りである。R19 の具体例には、メチル、エチル、n −プロピル、イソプロピル、フェニル、o−,m−もしくはp−クロロフェニル、o−,m−もしくはp−メチルフェニル、α−もしくはβ−ナフチル、シクロヘキシル、ベンジル、チエニルまたはピラニルメチルがある。(5)シアノ基。(6)式−NR17R18の基。R17およびR18はそれぞれ(2)で定義した通りである。例としては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルアミノ、β−ヒドロキシエチルアミノ、β−ヒドロキシプロピルアミノ、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ、N ,N −ビス(β−シアノエチル)アミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノ、N−メチルフェニルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ピペリジルまたはモルホリルがある。(7)式−COOR16の基。R16
は(2)で定義した通りである。例としては、メチル、エチル、tert −ブチル、フェニル、o −,m −もしくはp−クロロフェニル、o−,m−もしくはp−メチルフェニルまたはα−もしくはβ−ナフチルがある。(8)式−COR19の基。R19
は(3)で定義した通りである。例としては、メチル、エチル、tert −ブチル、フェニル、o−,m−もしくはp−クロロフェニル、o−,m−もしくはp−メチルフェニルまたはα−もしくはβ−ナフチルがある。(9)式−NR20COR16
の基。R16 は(2)で定義した通りであり、R20 は水素、アルキル、アリール(例えば、ナフチルあるいは特には未置換またはハロゲン−,アルキル−もしくは−O−アルキル−置換フェニル)、C5〜C6−シクロアルキル、アラルキルまたは−COR16であり、2個のCOR16が窒素原子と一体となって複素環を形成していても良い。アルキルR20
は例えば、(2)で好ましいものと記載された数の炭素原子を有することができる。例としては、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、ベンゾイルアミノ、p−クロロベンゾイルアミノ、p−メチルベンゾイルアミノ、N−メチルアセチルアミノ、N−メチルベンゾイルアミノ、N−コハク酸イミドまたはN−フタルイミドがある。(10)式−NR19
COOR16の基。R19およびR16 はそれぞれ(2)または(3)で定義された通りである。例としては、−NHCOOCH3
、NHCOOC2H5 またはNHCOOC6H5 の基がある。(11)式−NR19CONR17R18の基。R19、R17およびR18はそれぞれ(3)または(2)で定義された通りである。例としては、ウレイド、N−メチルウレイド、N−フェニルウレイドまたはN,N’−2’,4’−ジメチルフェニルウレイドがある。(12)式−NHSO2R16の基。R16は(2)で定義した通りである。例としては、メタンスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トリルスルホニルアミノまたはβ−ナフチルスルホニルアミノがある。(13)式−SO2R16または−SOR16の基。R16は(2)で定義した通りである。例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、2−ナフチルスルホニル、フェニルスルホキシジルがある。(14)式−SO2OR16の基。R16は(2)で定義した通りである。R16の例としては、メチル、エチル、フェニル、o−,m−もしくはp−クロロフェニル、o−,m−もしくはp−メチルフェニル、α−もしくはβ−ナフチルがある。(15)式−CONR17R18の基。R17およびR18
はそれぞれ(2)で定義した通りである。例としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N −フェニルカルバモイル、N ,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、N−α−ナフチルカルバモイルまたはN−ピペリジルカルバモイルがある。(16)式−SO2NR17R18の基。R17およびR18はそれぞれ(2)で定義した通りである。例としては、スルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N
−フェニルスルファモイル、N −メチル−N −フェニルスルファモイルまたはN −モルホリルスルファモイルがある。(17)式−N=N−R21の基。R21は、カップリング要素の基あるいは未置換またはハロゲン−,アルキル−もしくは−O−アルキル−置換フェニル基である。アルキルのR21は例えば、(2)で好ましいものとして記載されている炭素原子数を有することができる。R21の例としては、アセトアセトアリーリド、ピラゾリル、ピリドニル、o−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−ヒドロキシナフチル、p−アミノフェニルまたはp−N,N−ジメチルアミノフェニル基がある。(18)式−OCOR16
の基。R16 は(2)で定義した通りである。R16の例としては、メチル、エチル、フェニル、o−,m−もしくはp−クロロフェニルがある。(19)式−OCONHR16の基。R16は(2)で定義した通りである。R16の例としては、メチル、エチル、フェニル、o−,m−もしくはp−クロロフェニルがある。上記コハク酸ジエステルとニトリルの反応の場合において好ましい実施態様では、R1およびR2は独立に、フェニル;1個もしくは2個の塩素原子、1個もしくは2
個のメチル基、メトキシ、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシカルボニル、tert −ブチル、ジメチルアミノまたはシアノフェニルで置換されたフェニル;ナフチル;ビフェニル;ピリジル;アミルオキシで置換されたピリジル;フリルまたはチエニルである。特に好ましくはR1およびR2はそれぞれ、フェニル、3または4
−クロロフェニル、3 ,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、4−メチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−(p−シアノフェニル)フェニル、1−もしくは2
−ナフチル、4 −ビフェニリル、2 −ピリジル、6−アミルオキシ−3 −ピリジル、2 −フリルまたは2−チエニルである。
〜C12−アルコキシ、C1〜C12−アルキルメルカプト、C2〜C13−アルコキシカルボニル、C2
〜C13−アルカノイルアミノ、C1〜C12−モノアルキルアミノ、C2〜C24−ジアルキルアミノ、未置換またはハロゲン−,C1〜C12−アルキル−もしくはC1〜C12−アルコキシ−置換フェニル、フェニルメルカプト、フェノキシカルボニル、フェニルカルバモイルまたはベンゾイルアミノであり、前記のアルキルおよびフェニル基は未置換であるかハロゲン、C1〜C12−アルキルまたはC1〜C12−アルコキシによって置換されており、R22、R23およびR24のうちの1以上が水素である。
−アルコキシ−置換フェニル、カルバモイル、C2〜C5−アルキルカルバモイル、未置換または塩素−,メチル−もしくはC1〜C4−アルコキシ−置換フェニルカルバモイルであり、他方は水素である。
−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、リチウム2−メチル−2−ペントキシド、ナトリウム2−メチル−2−ペントキシド、カリウム2−メチル−2−ペントキシド、リチウム3−メチル−3−ペントキシド、ナトリウム3−メチル−3−ペントキシド、カリウム3−メチル−3−ペントキシド、リチウム3−エチル−3−ペントキシド、ナトリウム3−エチル−3−ペントキシドもしくはカリウム3−エチル−3−ペントキシドなどの、特に炭素原子数1〜10の1級、2級または3級脂肪族アルコールから誘導されるアルカリ土類またはアルカリ金属アルコキシドがある。上記塩基の混合物も用いることができる。上記コハク酸ジエステルとニトリルの反応の場合に用いられる強塩基は好ましくはアルカリ金属アルコキシであり、その場合のアルカリ金属は詳細にはナトリウムまたはカリウムであり、前記アルコキシドは、2級もしくは3級アルコールから誘導される。従って、特に好ましい強塩基は例えば、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウムsec−ブトキシド、カリウムsec−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウム、tert−アミルオキシドおよびカリウムtert−アミルオキシドである。
−ブタノール、sec −ブタノール、tert −ブタノール、n −ペンタノール、2−メチル−2 −ブタノール、2 −メチル−2−ペンタノール、3 −メチル−3
−ペンタノール、2 −メチル−2−ヘキサノール、3 −エチル−3 −ペンタノール、2 ,4 ,4 −トリメチル−2 −ペンタノールなどの炭素原子数1〜10の1級、2級または3級アルコール類;あるいはエチレングリコールまたはジエチレングリコールなどのグリコール類;あるいはテトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類;あるいはエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼン、N−メチルピロリドンなどの極性非プロトン性溶媒;あるいはベンゼンまたはトルエン、キシレン、アニソールもしくはクロロベンゼンのようなアルキル−,アルコキシ−もしくはハロゲン−置換ベンゼンなどの脂肪族もしくは芳香族炭化水素;あるいはピリジン、ピコリンまたはキノリンなどの芳香族複素環がある。さらに、式(VI)もしくは(VII)の反応物ニトリルあるいは反応物コハク酸ジエステルを、それらが反応を行う温度範囲で液体である場合に溶媒としても用いることが可能である。上記の溶媒は混合物として用いることもできる。上記コハク酸ジエステルとニトリルの反応は好ましくは、溶媒としてのアルコール、特には2級もしくは3級アルコール中で行う。好ましい3級アルコールには、tert−ブタノールおよびtert−アミルアルコールがある。この関係で興味深いものとしては、これら好ましい溶媒と、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素あるいはクロロベンゼンなどのハロゲン置換ベンゼンとの混合物もある。
1 〜C 6 アルキル、C 1 〜C6アルコキシ、ベンゾイルアミノ、同素環もしくは複素環芳香族基であり、特には水素またはメチルであり;Q はキナクリドン基またはジケトピロロピロール基、好ましくはF、Cl、Br
、C 1 〜C 4 −アルキル、C 1 〜C 4 −アルコキシ、C 1 〜C 6 −アルキル基によって置換されていても良いカルボキサミドおよびフェノキシから選択される1、2、3もしくは4個の置換基によって置換されていても良いキナクリドン基あるいは上記のように置換されていても良いジケトピロロピロール基であり、mは0.1〜4である。
もしくは2 または4 〜8 の遷移族からの金属カチオンMf+の相当するMf+/f(fは1、2または3である);アンモニウムイオンN+R9R10R11R12であり;R9、R10、R11およびR12はそれぞれ独立に、水素原子、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C5〜C30−シクロアルキル、フェニル、(C1〜C8)−アルキル−フェニル、(C1〜C4)−アルキレン−フェニル(例:ベンジル)または式−[CH(R80)−CH(R80)−O]k−H(kは1〜30であり、2個のR80は独立に、水素、C1〜C4−アルキルまたはk>1の場合にはそれらの組合せである)の(ポリ)アルキレンオキシ基であり;アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニルまたはアルキルフェニルであるR9、R10、R11および/またはR12はアミノ、水酸基および/またはカルボキシルによって置換されていても良く;あるいはR9とR10が4級窒素原子と一体となって、例えばピロリドン、イミダゾリジン、ヘキサメチレンイミン、ピペリジン、ピペラジンまたはモルホリン型のように、所望に応じてO、SおよびNからなる群から選択されるさらに別のヘテロ原子を有する5〜7員の飽和環系を形成していても良く;あるいはR9、R10およびR11が4
級窒素原子と一体となって、例えばピロール、イミダゾール、ピリジン、ピコリン、ピラジン、キノリンまたはイソキノリン型のように、所望に応じてO、SおよびN からなる群から選択されるさらに別のヘテロ原子を有し、しかも所望に応じて別の環に縮合していても良い5〜7員の芳香環系を形成していても良く;あるいはE+は下記式のアンモニウムイオンを規定するものである。
の場合にはそれらの組合せであり;q は1〜10 、好ましくは1 、2 、3 、4または5であり;pは1〜5 であり、ただしp≦q+1であり;Tは分岐または未分岐のC2〜C6 −アルキレン基であり;あるいはq>1の場合には、Tは分岐または未分岐のC2〜C6−アルキレン基の組合せであることもでき;2個のZ基は同一であるか異なっており、ZはZ1またはZ4の定義を有し;Z1は -[X-Y]qR91 と表される基である。
の場合には、X は上記の意味の組合せであっても良い。
、モノ−,ジ−もしくはトリ−C1〜C4 −アルコキシ置換C6H5、カルバモイル、C2〜C4 −アシルおよびC1〜C4−アルコキシ(例:メトキシまたはエトキシ)からなる群からの1以上、例えば1、2、3もしくは4個の置換基によって置換されていても良く;前記フェニル環および(C1〜C4)−アルキレン−フェニル基はNR90R91(R90およびR91は上記で定義の通りである)によって置換されていても良く;あるいは前記アルキル基はパーフルオロ化またはフッ素化されている。
〜C6−アルキルチオ、フェニルチオまたはフェノキシであり;好ましくはR15は4位でフェニル基に結合しており;Qは上記で定義した通りであり;式(IX)の化合物は0〜6個のSO3−E+基を有しており;Eは上記で定義した通りである。
次に、アルカリ金属をアルコールと反応させる場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、アルコールを少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、アルドール反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として触媒を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
(R3,R4 =C1-C12-アルキル、C5-C12-シクロアルキル、アリール、C(14アラルキル))である。記載したすべてのアルデヒドおよびケトンは、各々、独立して、未置換または同一もしくは異なる置換基により置換されることができる。
次に、ホウ素化反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、ホウ素化合物を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、酸化反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、不飽和結合を有する有機化合物を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、二量化反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、酸を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
次に、カチオン重合反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、カチオンを少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
mL および化合物(4)(90.0 mg,0.414 mmol)、陰極室に0.3M Bu4NBF4の塩化メチレン溶液8.0
mLおよびトリフルオロメタンスルホン酸(144.6mg ,0.964 mmol)を加えた後、マグネティックスターラーで撹拌しながら、−78℃で定電流電解(5.0
mA) を行った。2.5F/molの電気量を流すことで、陽極室にカチオンプール(6)が生成した。
次に、ハロゲン−金属交換反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、メタル化試薬を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
エチニルリチウム、ブチニルリチウム、ペンチニルリチウム、ヘキシニルリチウム等のアルキニルリチウム;ベンジルリチウム、フェニルエチルリチウム等のアラルキルリチウム等が挙げられる。この中で好ましくはアルキルリチウム、アルケニルリチウム、アルキニルリチウムであり、その中でもメチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、iso−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、n−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、ビニルリチウム、アリルリチウム、メトキシメチルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、2−チエニルリチウム、トリ(n−ブチル)マグネシウムリチウムが好ましく、更にはn−ブチルリチウムが好ましい。
シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、インダン等の単環式または多環式の3〜10員の部分飽和環;チオフェン、フラン、ピラン、ピリジン、ピロール、ピラジン、アゼピン、アゾシン、アゾニン、アゼシン、オキサゾール、チアゾール、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾール、ピラゾール、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、キノキサリン、フタラジン、キノリジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、クロメン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の5〜10員の単環式または多環式の窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個の原子を含有するヘテロ環を表す。好ましくはフェニル基、ヘテロ環であり、より好ましくはヘテロ環であり、更に好ましくは5または6員環のヘテロ環であり、特に好ましくはピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フラン、オキサゾール、チオフェン、チアゾールである。
アセチルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ等の炭素数2〜20のアシルオキシ、およびベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等の置換カルボニルオキシ基;メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等の置換スルホニル基;N−メチルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル等のアルキル、アルケニルおよびアリールから選択される1または2個の基によって置換されたカルバモイル基;N−フェニルスルファモイル、N,N−ジエチルカルバモイル等のアルキル、アルケニルおよびアリールから選択される1または2個の基によって置換されたスルファモイル基;アセチルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、n−ヘキシルカルボニルアミノ等の炭素数2〜20のアシルアミノ、およびベンゾイルアミノ、ナフトイルアミノ等の置換カルボニルアミノ基;N−メチルウレイド、N,N−ジエチルウレイド等のアルキル、アルケニルおよびアリールから選択される1または2個の基によって置換されたウレイド基;メチルスルホニルアミノ、tert−ブチルスルホニルアミノ、n−オクチルスルホニルアミノ等の炭素数1〜20のスルホニルアミノ、およびフェニルスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ等の置換スルホニルアミノ基;メチルアミノ、フェニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、ピバロイルアミノ、ベンジルアミノ、フタロイルアミノ、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等のモノ置換またはジ置換アミノ基;ニトロ基;シアノ基;トリメチルシリル、トリエチルシリル等の置換シリル基;フッ素、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲン原子;チオフェン、フラン、ピラン、ピリジン、ピロール、ピラジン、アゼピン、アゾシン、アゾニン、アゼシン、オキサゾール、チアゾール、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾール、ピラゾール、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、キノキサリン、フタラジン、キノリジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、クロメン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の5〜10員の単環式または多環式の窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個の原子を含有するヘテロ環残基等が挙げられる。好ましくは、炭素数2〜16のアルキル基、炭素数2〜16のアルケニル基、炭素数2〜16のアルキニル基、アリール基、炭素数2〜16のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜16のアルキルチオ基、アリールチオ基、炭素数2〜17の置換カルボニル基、炭素数2〜17の置換オキシカルボニル基、炭素数2〜17の置換カルボニルオキシ基、炭素数1〜16の置換スルホニル基、炭素数2〜17のモノ置換またはジ置換カルバモイル基、炭素数1〜16のモノ置換またはジ置換スルファモイル基、炭素数2〜17の置換カルボニルアミノ基;炭素数2〜17のモノ置換またはジ置換ウレイド基;炭素数1〜16の置換スルホニルアミノ基;炭素数1〜16のモノ置換またはジ置換アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜16の置換シリル基、ハロゲン原子、ヘテロ環残基が挙げられる。より好ましくは、炭素数2〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、アリール基、炭素数2〜8のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜8のアルキルチオ基、アリールチオ基、炭素数2〜9の置換カルボニル基、炭素数2〜9の置換オキシカルボニル基、炭素数2〜9の置換カルボニルオキシ基、炭素数1〜8の置換スルホニル基;炭素数2〜9のモノ置換またはジ置換カルバモイル基、炭素数1〜8のモノ置換またはジ置換スルファモイル基、炭素数2〜9の置換カルボニルアミノ基、炭素数2〜9のモノ置換またはジ置換ウレイド基、炭素数1〜8の置換スルホニルアミノ基、炭素数1〜8のモノ置換またはジ置換アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜8の置換シリル基、ハロゲン原子、ヘテロ環残基等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数2〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、アリール基、炭素数2〜8のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜8のアルキルチオ基、アリールチオ基、炭素数5〜9の置換カルボニル基、炭素数5〜9の置換オキシカルボニル基、炭素数5〜9の置換カルボニルオキシ基、炭素数4〜8の置換スルホニル基、炭素数5〜9のモノ置換またはジ置換カルバモイル基、炭素数4〜8のモノ置換またはジ置換スルファモイル基、炭素数5〜9の置換カルボニルアミノ基;
炭素数5〜9のモノ置換またはジ置換ウレイド基、炭素数4〜8の置換スルホニルアミノ基、炭素数4〜8のモノ置換またはジ置換アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜8の置換シリル基、ハロゲン原子、ヘテロ環残基である。
二酸化炭素; アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類; ベンゾフェノンイミン、アセトフェノンイミン等のイミン類;クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン等のハロゲン化シリコン類;
ニ塩化ジブチルスズ、ニ臭化ジフェニルスズ等のスズ化合物類; パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ニコチンアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、2
−ブタノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、DMF、tert−ブチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート等のケトン類; クロロ蟻酸エチル、クロロ蟻酸フェニル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸オクチル、酢酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル等のエステル類;無水酢酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等の酸無水物類;
アセチルクロライド、ベンゾイルクロライド、2−ピリジンカルボニルクロライド等のハロゲン化アシル類;オキシラン、2−メチル−オキシラン等のオキシラン類; 6−アザビシクロ[3,1,0]ヘキサン、7−アザビシクロ[4,1,0]ヘプタン等のアジリジン類;
3−オキソ−1,3−ジフェニル−1−プロペン、2−メチル−3−オキソ−3−ジフェニル−1−プロペン等のα、β−不飽和ケトン類;ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ヘキシル、臭化オクチル、1,2−ジヨードエタン、1,2−ジブロモエタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,8−ジブロモオクタン、1,2−ジブロモシクロペンテン等のハロゲン化アルキル類;N−ブロモコハク酸イミド、N−ヨードコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモフタル酸イミド等の酸イミド類;
ジメチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド等のジスルフィド類;クロロジフェニルホスフィン、クロロジメチルホスフィン等のホスフィン類; クロロジフェニルホスフィンオキシド、クロロジメチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類が挙げられる。これらの中で好ましくは、クロロトリメチルシラン、ベンズアルデヒド、DMFである。
, N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性溶媒; 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、デカン、パラフィン等のアルカン類、及びパーフルオロアルカン類;
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、石油エーテル、テトラヒドロフラン(THFと略記する)、ジオキサン、トリオキサン、ジグリム等のエーテル類;N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のウレア類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N,N‘ ,N ’−テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン類;
塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類等、極性、非極性溶媒を問わずいずれも利用し得る。好ましくは、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、トルエン、キシレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであり、より好ましくはTHF、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、トルエンである。これらの溶媒は単独または2種以上の溶媒を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。
次に、アルキルエステル類と金属水素化物系還元剤との還元反応の場合には、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として、金属水素化物系還元剤を少なくとも1種類含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体膜を作る。
中央から第1流体として酪酸及び無水トリフルオロ酢酸を1:1.44で混合した混合物を、供給圧力/背圧力=0.02MPa/0.01MPa、回転数500rpm、送液温度45℃で送液し、純粋ベンゾ[b]フラノンを第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より20mL/minで吐出された。HPLC分析より2−ブチリルベンゾフラノンが76%の収率で得られた事を確認した。尚、本実施例には、マグネットカップリングを用いたシールレスの処理装置を使用した。
窒素置換された200mLの容器に、酪酸及び無水トリフルオロ酢酸を1:1.44で混合した混合物を入れた。これに、純粋ベンゾ[b]フラノンを、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析より2−ブチリルベンゾフラノンが32%の収率で得られた事を確認した。
中央から第1流体として96%濃硫酸を、供給圧力/背圧力=0.08MPa/0.05MPa、回転数1000rpm、送液温度25℃で送液し、ベンゼンとシクロヘキセンを体積比でベンゼン/シクロヘキセン=4/5で混合した液を第2流体として17mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より32mL/minで吐出された。抽出、溶媒除去後のGC/MS混合分析よりシクロヘキシルベンゼンがクロマトグラムの面積百分率で64%であった。
窒素置換された200mLの容器に、96%濃硫酸を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながらベンゼンとシクロヘキセンを体積比でベンゼン/シクロヘキセン=4/5で混合した液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。抽出、溶媒除去後のGC/MS混合分析よりシクロヘキシルベンゼンがクロマトグラムの面積百分率で18%であった。
中央から第1流体として100 %硝酸を、供給圧力/背圧力=0.05MPa/0.03MPa、回転数1000rpm、送液温度10℃で送液し、トルエンと無水酢酸の1:1混合溶液を第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より20mL/minで吐出された。抽出、溶媒除去後のGC/MS混合分析よりO-ニトロトルエンが82%であった。尚、本実施例には、マグネットカップリングを用いたシールレスの処理装置を使用した。
窒素置換された200mLの容器に、100 %硝酸を入れた。これに、容器内液温を10℃に保ちながらトルエンと無水酢酸の1:1混合溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。抽出、溶媒除去後のGC/MS混合分析よりO-ニトロトルエンが38%であった。
中央から第1流体として5.5mol/L臭素/テトラクロロメタン溶液を、供給圧力/背圧力=0.10MPa/0.03MPa、回転数500rpm、送液温度15℃で送液し、5.0mol/L
メシチレン/テトラクロロメタン溶液を第2流体として15mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より33mL/minで吐出された。GC/MS分析より1ブロム化したメシチレンがクロマトグラムの93面積%であった。
窒素置換された200mLの容器に、5.5mol/L臭素/テトラクロロメタン溶液を入れた。これに、容器内液温を15℃に保ちながら5.0mol/L
メシチレン/テトラクロロメタン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。GC/MS分析より1ブロム化したメシチレンがクロマトグラムの44面積%であった。
中央から第1流体として0.625mol/L m−クロロ過安息香酸/0.25mol/L トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶液を、供給圧力/背圧力=0.13MPa/0.04MPa、回転数2000rpm、送液温度30℃で送液し、0.25Mol/Lシクロヘキサノン/ジクロロメタン溶液を第2流体として23mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より43mL/minで吐出された。GC/MS分析よりカプロラクトンの収量が100%であった。
窒素置換された200mLの容器に、0.625mol/L m−クロロ過安息香酸/0.25mol/L トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶液を入れた。これに、容器内液温を30℃に保ちながら0.25Mol/Lシクロヘキサノン/ジクロロメタン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。GC/MS分析よりカプロラクトンの収量が54%であった。
中央から第1流体として0.01mol/L ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド(「グラブス」触媒)/ジクロロメタン溶液を、供給圧力/背圧力=0.05MPa/0.01MPa、回転数500rpm、送液温度25℃で送液し、0.2mol/L 1 ,7 −オクタジエン/ジクロロメタン溶液を第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より21mL/minで吐出された。GC/MS分析より用いて分析したところ、1 ,7−オクタジエンの完全な転化が確立され、シクロヘキセンの生成率は90%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、0.01mol/L ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド(「グラブス」触媒)/ジクロロメタン溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら0.2mol/L 1 ,7 −オクタジエン/ジクロロメタン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。GC/MS分析より用いて分析したところ、シクロヘキセンの生成率は34%以下であった。
中央から第1流体として20 %水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H )/ヘキサン溶液を、供給圧力/背圧力=0.11MPa/0.06MPa、回転数1000rpm、送液温度25℃で送液し、5.0mol/L メチル3−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)アクリレート/トルエン溶液を第2流体として8mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より23mL/minで吐出された。抽出、溶媒除去後、GC/MS分析を用いて分析したところ、3−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)プロプ−2−エン−1−オールの生成率は90%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、20%水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)/ヘキサン溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら5.0mol/L メチル3−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)アクリレート/トルエン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。抽出、溶媒除去後、GC/MS分析を用いて分析したところ、3−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)プロプ−2−エン−1−オールの生成率は22%以下であった。
中央から第1流体として1.5 mol/L 塩化メタンスルホニル/N −メチルピロリドン溶液を、供給圧力/背圧力=0.10MPa/0.03MPa、回転数1000rpm、送液温度25℃で送液し、1.0mol/L ベンズアルドキシム/のN−メチルピロリドン溶液を第2流体として20mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より44mL/minで吐出された。HPLC分析により、ベンズアルドキシムのベンゾニトリルへのほぼ完全な転化が観察された。
窒素置換された200mLの容器に、21.5 mol/L 塩化メタンスルホニル/N −メチルピロリドン溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら1.0mol/L ベンズアルドキシム/のN−メチルピロリドン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、ベンズアルドキシムのベンゾニトリルへの転化が不十分であることが観察された。
中央から第1流体として0.15 mol/L 塩化メタンスルホニル/ピリジン溶液を、供給圧力/背圧力=0.15MPa/0.07MPa、回転数500rpm、送液温度25℃で送液し、0.1mol/L アセトフェノンオキシム/ピリジン溶液を第2流体として30mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より58mL/minで吐出された。HPLC分析により、アセトアニリドへのほぼ完全な変化が観察された。
窒素置換された200mLの容器に、0.15 mol/L 塩化メタンスルホニル/ピリジン溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら0.1mol/L アセトフェノンオキシム/ピリジン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、アセトアニリドへの変化が不十分である事が観察された。
中央から第1流体として0.16
mol/Lヒドロキシルアミン塩酸塩/1N 水酸化ナトリウム溶液を、供給圧力/背圧力=0.15MPa/0.07MPa、回転数500rpm、送液温度15℃で送液し、0.12
mol/L 5−ブロモ−2 −アリルオキシベンズアルデヒドを/ジオキサンを第2流体として15mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より30mL/minで吐出された。HPLC分析により、5−ブロモ−2−アリルオキシベンズアルドキシムへのほぼ完全な変化が観察された。
窒素置換された200mLの容器に、0.16 mol/Lヒドロキシルアミン塩酸塩/1N 水酸化ナトリウム溶液を入れた。これに、容器内液温を15℃に保ちながら0.12 mol/L5−ブロモ−2 −アリルオキシベンズアルデヒドを/ジオキサンを、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、5−ブロモ−2−アリルオキシベンズアルドキシムへの変化が、不十分である事が観察された。
中央から第1流体として約10 %の水性次亜塩素酸ナトリウム溶液を、供給圧力/背圧力=0.10MPa/0.07MPa、回転数500rpm、送液温度15℃で送液し、0.2mol/L
5−ブロモ−2−アリルオキシベンズアルドキシム/ジクロロメタン溶液を第2流体として15mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より30mL/minで吐出された。反応流路、反応経路の全てを洗浄後、0.1mol/Lシクロペンタジエン/ジクロロメタン溶液を再び中央から新規に第1流体として給圧力/背圧力=0.10MPa/0.07MPa、回転数500rpm、送液温度15℃で送液し、先の吐出液(第1、第2混合流体)を新規に第2流体として13mL/minで処理用面間に導入した。HPLC分析により、8
−ブロモ−3α,4−ジヒドロ−3H−[1]−ベンゾピラノ[4,3−c]−2−イソオキサゾールへのほぼ完全な変化が観察された。
窒素置換された200mLの容器に、約10%の水性次亜塩素酸ナトリウム溶液を入れた。これに、容器内液温を15℃に保ちながら0.2
mol/L 5−ブロモ−2−アリルオキシベンズアルドキシム/ジクロロメタン溶液および0.1mol/L
シクロペンタジエン/ジクロロメタン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、8 −ブロモ−3α,4−ジヒドロ−3H−[1]−ベンゾピラノ[4,3−c]−2−イソオキサゾールへの変化が不十分である事が観察された。
中央から第1流体として0.0058
mol/L 、m−クロロ過安息香酸/飽和水性炭酸水素ナトリウム混合溶液を、供給圧力/背圧力=0.05MPa/0.02MPa、回転数1000rpm、送液温度5℃で送液し、0.008
mol/L 1−[3−(4−アミジノフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]ピペラジン−4−酢酸/飽和炭酸水素ナトリウム溶液を第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より19mL/minで吐出された。HPLC分析により、1−[3−4−アミジノフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]−4−オキソピペラジン−4−酢酸の生成率は60%であった。
窒素置換された200mLの容器に、0.0058 mol/L 、m−クロロ過安息香酸/飽和水性炭酸水素ナトリウム混合溶液を入れた。これに、容器内液温を5℃に保ちながら0.008 mol/L
1−[3−(4−アミジノフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]ピペラジン−4−酢酸/飽和炭酸水素ナトリウム溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、1−[3−4−アミジノフェニル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]−4−オキソピペラジン−4−酢酸の生成率は12%であった。
中央から第1流体として0.25
mol/L 、m−クロロ過安息香酸/ジクロロメタン溶液を、供給圧力/背圧力=0.10MPa/0.03MPa、回転数500rpm、送液温度25℃で送液し、0.2
mol/L 1−フェニルシクロヘキセン/ジクロロメタン溶液を第2流体として30mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より72mL/minで吐出された。HPLC分析により、エポキシ化生成物である1,2−エポキシ−1−フェニルシクロヘキサン生成率は70%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、0.25 mol/L 、m−クロロ過安息香酸/ジクロロメタン溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら0.2 mol/L
1−フェニルシクロヘキセン/ジクロロメタン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、エポキシ化生成物である1,2−エポキシ−1−フェニルシクロヘキサン生成率は24%以下であった。
中央から第1流体として0.25
mol/L 、インドール/N ,N−ジメチルホルムアミド溶液を、供給圧力/背圧力=0.07MPa/0.02MPa、回転数500rpm、送液温度25℃で送液し、0.425
mol/L オキシ塩化リン溶液/N ,N−ジメチルホルムアミドを第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より24ml/minで吐出された。HPLC分析により、インドール−3−カルボキサルデヒド生成率は70%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、0.25 mol/L 、インドール/N ,N−ジメチルホルムアミド溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら0.425 mol/L
オキシ塩化リン溶液/N ,N−ジメチルホルムアミドを、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、HPLC分析により、インドール−3−カルボキサルデヒド生成率は19%以下であった。
中央から第1流体として1 ,3−シクロヘキサンジオン0.25mol/L /50%硫酸溶液を、供給圧力/背圧力=0.07MPa/0.02MPa、回転数500rpm、送液温度25℃で送液し、0.25mol/Lフェニルヒドラジン/50%硫酸溶液を第2流体として18mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より29ml/minで吐出された。HPLC分析により、1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール−4−オン生成率は80%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、1,3−シクロヘキサンジオン0.25mol/L
/50%硫酸溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら0.25mol/Lフェニルヒドラジン/50%硫酸溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、。HPLC分析により、1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール−4−オン生成率は24%以下であった。
中央から第1流体として5mol/Lベンゾフェノンテトラヒドロフラン溶液を、供給圧力/背圧力=0.07MPa/0.02MPa、回転数500rpm、送液温度0℃で送液し、0.5M[(シクロペンタジエニル)2Ti(CH2)(Cl)Al(CH3)2](「テッベ試薬」)/トルエン溶液を第2流体として18mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より29ml/minで吐出された。HPLC分析により、ベンゾフェノンの1 , 1 − ジフェニルエチレンへの完全な転化を確認した。
窒素置換された200mLの容器に、0.5mol/Lベンゾフェノンテトラヒドロフラン溶液を入れた。これに、容器内液温を0℃に保ちながら0.5M[(シクロペンタジエニル)2Ti(CH2)(Cl)Al(CH3)2](「テッベ試薬」)/トルエン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、ベンゾフェノンの1 , 1 − ジフェニルエチレンへの転化が不十分であることを確認した。
中央から第1流体として0.13 mol/L ヨウ化フェニル、0.01 mol/L トリフェニルホスフィン0.0025 mol/L
酢酸パラジウム(II)/N−メチルピロリドン溶液を、供給圧力/背圧力=0.15MPa/0.10MPa、回転数1000rpm、送液温度75℃で送液し、0.16mol/L
スチレン/0.16 mol/L トリ−n −ブチルアミン/N−メチルピロリドン溶液を第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より24ml/minで吐出された。HPLC分析により、トランススチルベン生成率は90%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、0.13 mol/L ヨウ化フェニル、0.01 mol/L トリフェニルホスフィン0.0025
mol/L 酢酸パラジウム(II)/N −メチルピロリドン溶液を入れた。これに、容器内液温を75℃に保ちながら0.16 mol/L
スチレン/0.16 mol/L トリ−n −ブチルアミン/N −メチルピロリドン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析により、。HPLC分析により、トランススチルベン生成率は54%以下であった。
中央から第1流体としてジケテンを、供給圧力/背圧力=0.15MPa/0.10MPa、回転数1000rpm、送液温度45℃で送液し、1mmol/L1 ,4 −ジアザビシクロ[2 ,2 ,2]オクタンと/イソプロパノール溶液を第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より24ml/minで吐出された。GC/MS分析より、イソプロピル3 −オキソブタノエート生成率は98%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、ジケテンを入れた。これに、容器内液温を45℃に保ちながら1,4−ジアザビシクロ[2 ,2 ,2
]オクタンと/イソプロパノール溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。GC/MS分析より、イソプロピル3
−オキソブタノエート生成率は56%以下であった。
a)アミルオキサイド溶液(原料A)
100 ℃で無水tert−アミルアルコール1365gにナトリウム124gを導入した。ナトリウムが全て反応するまで混合物を高撹拌下に還流させ、次に冷却して100 ℃とした。アミルオキサイド溶液を得た。
b)原料B
p−クロロベンゾニトリル300gおよびコハク酸ジイソプロピル328
.6g を脱水tert−アミルアルコール800g に導入し、そこで90 ℃にて溶解させた。
c)顔料の合成
中央から第1流体として原料Bを、供給圧力/背圧力=0.05MPa/0.01MPa、回転数1000rpm、送液温度90℃で送液し、原料Aを第2流体として30mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より54ml/minで吐出された。吐出液を80 ℃の水に投入して、顔料塩の加水分解を行い、顔料懸濁液を吸引によって濾過し、メタノールで洗浄し、次に水で中性洗浄した。含水C.I.ピグメントレッド(C.I.Pigment Red )が得られた。
窒素置換された200mLの容器に、上記の原料Bを入れた。これに、容器内液温を90℃に保ちながら上記の原料Aを、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。吐出液を80 ℃の水に投入して、顔料塩の加水分解を行い、顔料懸濁液を吸引によって濾過し、メタノールで洗浄し、次に水で中性洗浄した。含水C.I.ピグメントレッド(C.I.Pigment Red )を完全に得ることはできなかった。
中央から第1流体としてt−アミルアルコールを、供給圧力/背圧力=0.40MPa/0.25MPa、回転数1000rpm、送液温度120℃で送液し、103℃のナトリウムを第2流体として10mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より19ml/minで吐出された。ナトリウムt −アミルオキシドとt−アミルアルコールの溶液が得られた。
中央から第1流体として0 .5 mol トリメチルボレートのTHF溶液を、供給圧力/背圧力=0.15MPa/0.04MPa、回転数500rpm、送液温度0℃で送液し、0.5 mol フェニルマグネシウムクロライドの/THF溶液を第2流体として34mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より71ml/minで吐出された。HPLC分析の結果、フェニルボロン酸の生成率は96%以上であった。
窒素置換された200mLの容器に、0.5 mol トリメチルボレートのTHF溶液を入れた。これに、容器内液温を0℃に保ちながら0.5 mol フェニルマグネシウムクロライドの/THF溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析の結果、フェニルボロン酸の生成率は44%以下であった。
中央から第1流体として10% トランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1 −プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチルのメタノール溶液を、供給圧力/背圧力=0.52MPa/0.31MPa、回転数1000rpm、送液温度0℃で送液し、オゾンガス(オゾン濃度:65g/m3、酸素濃度:90 重量%以上)を第2流体として130mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より吐出された。GC分析の結果、トランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチルの転化率:98.7%であり、含酸素化合物のトータル収率:97.4%であった。(3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチル:2.3%、3,3−ジメチル−2−(ジメトキシメチル)シクロプロパンカルボン酸メチル:95.1%)
中央から第1流体としてBF3−Et2Oのハロゲン化溶液(ハイドロフロロカーボン(HFC)を、供給圧力/背圧力=0.07MPa/0.01MPa、回転数1000rpm、送液温度18℃で送液し、メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンを第2流体として30mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より54ml/minで吐出された。GC−FID分析の結果、目的の二量体の生成率は87%以上であり、未反応原料は1%以下であった。
窒素置換された200mLの容器に、BF3−Et2Oのハロゲン化溶液(ハイドロフロロカーボン(HFC)を入れた。これに、容器内液温を18℃に保ちながらメチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンを、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。GC−FID分析の結果、目的の二量体の生成率は42%以下であり、未反応原料は17%であった。
中央から第1流体として化合物(XX)の0 .05mol/L ジクロロメタン溶液から発生させたカチオンプール(XXII)を、供給圧力/背圧力=0.07MPa/0.01MPa、回転数1000rpm、送液温度−78℃で送液し、−78℃において、1.25mol/L のn−ブチルビニルエーテルのジクロロメタン溶液を第2流体として50mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より108ml/minで吐出された。吐出液は25 質量%アンモニア水溶液をメタノールで20倍に希釈した溶液に直接採取し、反応を終結させた。溶媒除去、抽出、乾燥、カチオンプール由来のBu4NBF4を除去し、得られた溶液を乾固して重合体を得た。この重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ−(GPC)測定により決定した。Mn=5400、Mw/Mn=1.15
であった。
窒素置換された200mLの容器に、化合物(XX)の0 .05mol/L ジクロロメタン溶液から発生させたカチオンプール(XXII)を入れた。これに、容器内液温を−78℃に保ちながら1.25mol/Lのn−ブチルビニルエーテルのジクロロメタン溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。25質量%アンモニア水溶液をメタノールで20倍に希釈した溶液を用いて、反応を終結させた。溶媒除去、抽出、乾燥、カチオンプール由来のBu4NBF4を除去し、得られた溶液を乾固して重合体を得た。この重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ−(GPC)測定により決定した。Mn=3820、Mw/Mn=3.56であった。
中央から第1流体として1.58 mol/l n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液を、供給圧力/背圧力=0.15MPa/0.04MPa、回転数2000rpm、送液温度25℃で送液し、0.316 mol/l 2,6−ジブロモピリジン/THF溶液を第2流体として20mL/minで処理用面間に導入した。さらに3.16mol/l DMF/THF溶液を第3流体として20mL/minで処理用面間に導入した。第1流体、第2流体、及び第3流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より153ml/minで吐出された。HPLC分析の結果、目的反応率は93%であった。
窒素置換された200mLの容器に、1.58mol/l n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液を入れた。これに、容器内液温を25℃に保ちながら0.316 mol/l 2,6−ジブロモピリジン/THF溶液および3.16mol/lDMF/THF溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。HPLC分析の結果、目的反応率は33%であった。
中央から第1流体として1mol/l
水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液を、供給圧力/背圧力=0.10MPa/0.08MPa、回転数2000rpm、送液温度−30℃で送液し、0 .92mol/l N −ベンジルイソニペコチン酸エチル/トルエン溶液を第2流体として15mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体は薄膜内で混合され、処理後溶液が処理用面より30ml/minで吐出された。吐出液はメタノール中に採取した。得られたスラリー液を減圧濾過し、濾液をガスクロマトグラフィー分析した。その結果、反応率は89%であり、反応生成物のうち目的物であるN−ベンジルイソニペコチニルアルデヒド(2)が97%を占め、副生成物のN−ベンジル−4−ピペリジルメタノール(3)は3%に過ぎなかった。
窒素置換された200mLの容器に、1.0mol/l 水素化ジイソブチルアルミニウム/トルエン溶液を入れ、−30℃まで冷却した。これに、温度を−30 ℃に保った状態で、0 .92mol/l N−ベンジルイソニペコチン酸エチルのトルエン溶液20mLを、クレアミックス(エム・テクニック社製)で20000rpmで撹拌しつつ滴下した。滴下終了後、−30 ℃にて1時間撹拌を行い、メタノールを添加した。得られたスラリー状の不溶物を減圧濾過で取り除き、濾液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、反応率は、84%であったが、反応生成物のうち目的物であるN
−ベンジルイソニペコチニルアルデヒドは42%しかなく、副生成物のN−ベンジル−4−ピペリジルメタノールが58%を占めていた。
2 第2処理用面
10 第1処理用部
11 第1ホルダ
20 第2処理用部
21 第2ホルダ
Claims (8)
- 有機反応を行うに際して、反応に用いる流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる薄膜流体とするものであり、
上記薄膜流体中で上記の流体を有機反応させることを特徴とする有機化合物の製造方法。 - 第1処理用部と、この第1処理用部に対して相対的に接近・離反可能な第2処理用部との、少なくとも2つの処理用部と、
上記の第1処理用部と第2処理用部とを相対的に回転させる回転駆動機構とを備え、
前記の処理用面は、上記の第1処理用部と第2処理用部とにおいて互いに対向する位置に設けられた、第1処理用面及び第2処理用面とを含み、
上記の各処理用面は、被処理流動体が流される流路の一部を構成するものであり、
接近離反可能、且つ相対的に回転する上記の第1処理用面と第2処理用面との間に上記被処理流動体が通されるものであり、
上記被処理流動体の供給圧によって上記少なくとも2つの処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、上記少なくとも2つの処理用面を接近させる方向に移動させる力とのバランスによって、上記第1処理用面と第2処理用面との間の距離を微小間隔に維持し、この微小間隔に維持された両処理用面間に上記被処理流動体が通されることにより、上記被処理流動体が上記薄膜流体を形成するものであることを特徴とする請求項1記載の有機化合物の製造方法。 - 上記薄膜流体が層流の流れを含むものであることを特徴とする請求項1又は2記載の有機化合物の製造方法。
- 上記第1処理用面と上記第2処理用面との少なくもと何れか一方には径方向について伸びる溝状の凹部が形成され、上記溝状の凹部を備えた処理用面が回転することでマイクロポンプ効果により上記少なくとも1種類の流体が上記第1処理用面と上記第2処理用面との間に導入されるものであり、この少なくとも1種類の流体の流路とは異なる独立した導入路を備え、この別途の導入路に通じる少なくとも一つの開口部が上記第1処理用面と第2処理用面の少なくとも何れか一方に設けられ、この導入路から少なくとも1種類の他の流体を上記両処理用面間に導入し、上記1種類の流体と上記他の1種類の流体とを上記薄膜流体中で混合することにより、上記薄膜流体中において上記の1種類の流体に含まれる成分と、上記の他の1種類の流体に含まれる成分とを、有機反応させるものであることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
- 前記開口部は、上記第1処理用面に設けられた上記凹部からマイクロポンプ効果によって導入される際の流れ方向が処理用面間で形成されるスパイラル状の流れ方向に変換される点よりも外径側に設置されたことを特徴とする請求項4に記載の有機化合物の製造方法。
- 上記両処理用面の少なくともいずれかを加熱(加温)すること、上記両処理用面の間に紫外線(UV)を照射すること、上記両処理用面の間に超音波エネルギーを与えることの、少なくともいずれか1つがなされることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
- 上記反応を減圧または真空状態を確保できる容器内で行い、少なくとも処理後流体が上記第1処理用面と第2処理用面との間から吐出される2次側を減圧または真空状態とする事で、上記反応中に発生するガス並びに上記被処理流動体中に含まれるガスの脱気、もしくは上記流体の脱溶剤を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の有機化合物の製造方法。
- 上記反応に用いる流体と上記有機反応との組合せが、下記の第1〜第27の組合せからなる群から選択された少なくとも1種類の組合せであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
有機反応を行うに際して、反応に用いる流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる薄膜流体とするものであり、
上記薄膜流体中で上記の流体を有機反応させることを特徴とする有機化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010274629A JP5561732B2 (ja) | 2007-11-09 | 2010-12-09 | 有機化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007291849 | 2007-11-09 | ||
JP2007291849 | 2007-11-09 | ||
JP2010274629A JP5561732B2 (ja) | 2007-11-09 | 2010-12-09 | 有機化合物の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008232925A Division JP4654450B2 (ja) | 2007-11-09 | 2008-09-11 | 有機化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011068673A true JP2011068673A (ja) | 2011-04-07 |
JP5561732B2 JP5561732B2 (ja) | 2014-07-30 |
Family
ID=40864932
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008232925A Active JP4654450B2 (ja) | 2007-11-09 | 2008-09-11 | 有機化合物の製造方法 |
JP2010274629A Active JP5561732B2 (ja) | 2007-11-09 | 2010-12-09 | 有機化合物の製造方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008232925A Active JP4654450B2 (ja) | 2007-11-09 | 2008-09-11 | 有機化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP4654450B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012164652A1 (ja) * | 2011-05-27 | 2012-12-06 | エム・テクニック株式会社 | 微小気泡発生装置、微小気泡発生方法及びそれを用いた気液反応方法 |
JP5213001B1 (ja) * | 2011-06-10 | 2013-06-19 | エム・テクニック株式会社 | 抽出を含む流体処理方法 |
CN108530319A (zh) * | 2018-05-17 | 2018-09-14 | 辽宁凯莱英医药化学有限公司 | 肟类化合物及腈类化合物连续合成的方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4654450B2 (ja) * | 2007-11-09 | 2011-03-23 | エム・テクニック株式会社 | 有機化合物の製造方法 |
HUE025381T2 (en) | 2008-09-11 | 2016-02-29 | Pecsi Tudomanyegyetem | Compounds for the inhibition of SSAO / VAP-1 and their use for the treatment and prevention of diseases |
US8759570B2 (en) | 2010-03-05 | 2014-06-24 | H R D Corporation | High shear system and process for the production of halogenated and/or sulfonated paraffins |
KR102626092B1 (ko) | 2015-06-30 | 2024-01-17 | 엠. 테크닉 가부시키가이샤 | 유기 화합물의 제조 방법 |
DE102015221529A1 (de) * | 2015-11-03 | 2017-05-04 | Cht R. Beitlich Gmbh | Kontinuierliches Verfahren für Reaktionen mit feinteiligen Alkalimetall-Dispersionen |
EP3904321A4 (en) | 2018-12-26 | 2022-08-31 | M. Technique Co., Ltd. | PROCESS FOR THE PRODUCTION OF AN ORGANIC COMPOUND |
WO2020136781A1 (ja) | 2018-12-26 | 2020-07-02 | エム・テクニック株式会社 | 流体処理装置 |
JP7292744B2 (ja) | 2018-12-26 | 2023-06-19 | エム・テクニック株式会社 | 連続撹拌装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004044957A (ja) * | 2002-07-15 | 2004-02-12 | Miura Co Ltd | 蓄熱装置 |
JP2007054817A (ja) * | 2005-05-12 | 2007-03-08 | Ebara Corp | 混合器及び反応装置 |
JP2009132675A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-06-18 | M Technique Co Ltd | 有機化合物の製造方法及びそれにより得られた有機化合物 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7125527B2 (en) * | 2003-09-05 | 2006-10-24 | Kinetichem, Inc. | Methods of operating surface reactors and reactors employing such methods |
-
2008
- 2008-09-11 JP JP2008232925A patent/JP4654450B2/ja active Active
-
2010
- 2010-12-09 JP JP2010274629A patent/JP5561732B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004044957A (ja) * | 2002-07-15 | 2004-02-12 | Miura Co Ltd | 蓄熱装置 |
JP2007054817A (ja) * | 2005-05-12 | 2007-03-08 | Ebara Corp | 混合器及び反応装置 |
JP2009132675A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-06-18 | M Technique Co Ltd | 有機化合物の製造方法及びそれにより得られた有機化合物 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012164652A1 (ja) * | 2011-05-27 | 2012-12-06 | エム・テクニック株式会社 | 微小気泡発生装置、微小気泡発生方法及びそれを用いた気液反応方法 |
CN103534014A (zh) * | 2011-05-27 | 2014-01-22 | M技术株式会社 | 微小气泡发生装置、微小气泡发生方法及使用了其的气液反应方法 |
JPWO2012164652A1 (ja) * | 2011-05-27 | 2014-07-31 | エム・テクニック株式会社 | 微小気泡発生装置、微小気泡発生方法及びそれを用いた気液反応方法 |
JP5213001B1 (ja) * | 2011-06-10 | 2013-06-19 | エム・テクニック株式会社 | 抽出を含む流体処理方法 |
US9764250B2 (en) | 2011-06-10 | 2017-09-19 | M. Technique Co., Ltd. | Fluid processing method including extraction |
CN108530319A (zh) * | 2018-05-17 | 2018-09-14 | 辽宁凯莱英医药化学有限公司 | 肟类化合物及腈类化合物连续合成的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009132675A (ja) | 2009-06-18 |
JP4654450B2 (ja) | 2011-03-23 |
JP5561732B2 (ja) | 2014-07-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4654450B2 (ja) | 有機化合物の製造方法 | |
EP2216312B1 (en) | Process for producing organic compound | |
Sun et al. | Synthesis of indolo [2, 1-a] isoquinolines via a triazene-directed C–H annulation cascade | |
Joshi-Pangu et al. | Acridinium-based photocatalysts: a sustainable option in photoredox catalysis | |
JP6383975B2 (ja) | シクロプロパン誘導体の生成方法 | |
AU2014300955B2 (en) | Preparation of Grignard reagents using a fluidized bed | |
Yu et al. | Fluorinated Alcohol-Promoted Reaction of Chlorohydrocarbons with Diverse Nucleophiles for the Synthesis of Triarylmethanes and Tetraarylmethanes | |
Yadav et al. | Direct construction of 2-alkylbenzo-1, 3-azoles via C–H activation of alkanes for C–C and C–X (X= O, S) bond formation | |
KR20160091362A (ko) | 반전도성 중합체의 향상된 유동 반응기 합성 | |
JP2005060281A (ja) | ビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化方法 | |
Xu et al. | Manipulation of water for diversified functionalization of tetrahydro-β-carbolines (THβCs) with indoles | |
Liu et al. | Visible-light-enabled Ph3P/LiI-promoted tandem radical trifluoromethylation/cyclization/Iodination of 1, 6-enynes with togni’s reagent | |
CN103224479A (zh) | 一种2-芳基苯并呋喃类化合物的合成方法 | |
Ketels et al. | Selective Zincation of 1, 2-Dicyanobenzene and related Benzonitriles in continuous flow using in situ trapping metalations | |
Li et al. | Synthesis of Diiodinated All-Carbon 3, 3′-Diphenyl-1, 1′-spirobiindene Derivatives via Cascade Enyne Cyclization and Electrophilic Aromatic Substitution | |
JP5629080B2 (ja) | 多環式化合物の製造方法 | |
Ueno et al. | Electrophilic substitution of asymmetrically distorted benzenes within triptycene derivatives | |
Phumjan et al. | Substituted 9-Anthraldehydes from Dibenzocycloheptanol Epoxides via Acid-Catalyzed Epoxide Opening/Semipinacol Rearrangement | |
Usutani et al. | Process Intensification of a Napabucasin Manufacturing Method Utilizing Microflow Chemistry | |
Orita et al. | Double elimination protocol for access to unsymmetrical di (phenylethynyl) benzenes | |
Li et al. | Palladium-Catalyzed Cycloaromatization/Alkylation of o-(Alkynyl) styrenes | |
Asahara et al. | An effect of microwave irradiation on Pd/SiC catalyst for prolonging the catalytic life | |
Maheshwari et al. | Chemical Synthesis of Substituted Naphthalene Derivatives: A Review | |
Hood | Synthetic Methodologies Using Nucleophile-Electrophile Chemistry | |
Prukała et al. | A convenient one-pot synthesis of bis [(E)-4-halostyryl] arene derivatives |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110901 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130627 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130702 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130902 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140513 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140604 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5561732 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |