JP2005060281A - ビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化方法 - Google Patents

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【課題】 ビニル化合物又はビニリデン化合物を、連続的かつ高い選択率で二量化する方法を提供する。
【解決手段】 マイクロリアクター中で、超音波振動を与えながら、ルイス酸の存在下、ビニル化合物又はビニリデン化合物を二量化する、ビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化方法。マイクロリアクターのチップ2において、供給口4から供給され、マイクロ流路6を通過したビニル化合物又はビニリデン化合物と、供給口8から供給され、マイクロ流路10を通過した触媒溶液とがマイクロ流路12で合流し、ビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化反応が行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビニル化合物又はビニリデン化合物類の二量化方法に関する。
ビニル化合物又はビニリデン化合物の二量体は、合成潤滑油や化粧品用基材、溶媒等の中間体や重合用単量体として有用である。
ビニル化合物又はビニデリン化合物の二量化反応は、一般に酸の存在下で、高温条件にて行われるが、転位反応を伴うため、好ましくない生成物を生じる場合がある。
一方、ルイス酸存在下でのビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化反応は、低温条件で反応が進行するため転位が起きにくい。
しかし、攪拌槽を用いて上記二量化反応を行うと、発熱量が多いため制御が困難となり、転位反応や多量体化等の好ましくない反応を併発する。
そこで、このような副反応を抑えるため、攪拌槽の多段化等が行われるが、その場合、装置が複雑になる。
フラスコ実験においても、反応開始時には、冷媒の温度を目標とする反応温度より下げ、かつ触媒を滴下しながら行われる。それでも副生物(主に三量体)の生成を抑制しきれない。
一方、ルイス酸を用いた反応では、反応相が触媒相と有機相の二層になることが多く、その混合状態が重要となる。攪拌槽を用いて二量化反応を行うと、攪拌に大きな動力が必要となり、さらに反応時間も長時間必要となる。
また、攪拌槽であるため、回転軸近傍でホットスポットが生成している可能性もある。
従って、低温で高い転化率を得るためには、長時間、反応物質を攪拌し続けなければならない。
このように、ルイス酸を用いたビニル化合物又はビニリデン化合物類の二量化反応において、反応器として攪拌槽を用いた場合、除熱と反応物質の拡散が律速となり、好ましくない副生物を抑制することが困難となる。
また、充填塔を用いる場合には、除熱のために固定層を多段化、あるいは多層式にする必要があり、装置は複雑で高コストとなる。
そこで、これら反応器に替えて、マイクロリアクターを用いる試みが行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。マイクロリアクターは、微小流路を有しており、精密反応制御が可能である。
しかし、マイクロリアクターは流路が小さく、層流であるため、ルイス酸が反応物質や不純物等とスケールを形成し、流路に不溶物が堆積し、簡単に流路を閉塞する。
即ち、マイクロリアクターにおいては、流路内の内径が通常、500μm以下と小さいため、僅かな不溶物の堆積であっても流体にとっては大きな圧損となり、流路が詰まってしまう。その結果、流路内の流動状態が悪化し、機能を発揮しないばかりではなく、連続的な運転さえも不可能となる。
このように、反応器としてマイクロリアクターを用いた場合、攪拌槽型反応器では問題にならなかった不溶物による影響が浮上し、致命傷となるのが現状である。
特開平9−3102号公報 特開2002−30010号公報 特開2002−326963号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ビニル化合物又はビニリデン化合物を、連続的かつ高い選択率で二量化する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、大きな発熱を伴い、かつ、不溶物を生成するビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化反応において、マイクロリアクターを用い、それに超音波振動を与えることで、流路内への不溶物の堆積が軽減又は回避でき、精密反応制御の下、効率的な連続運転が可能になることを見出し、本発明を完成させた。
超音波照射の効果には物理的作用と化学的作用があるが、本発明は、物理的作用に着想したものである。超音波振動により固液界面近傍にキャビテーション気泡が発生し、それが崩壊するときに100m/秒を超えるマイクロジェット流や衝撃波が起きる(化学工学第67巻、第2号)。これにより、有機相内においては反応物質の移動、一方、触媒相においては溶媒中の触媒の移動が促進される。さらに、相溶性がない二相が作る界面においては、相間移動反応を誘起する効果が生じる。つまり、層流内での物質移動は分子拡散のみに頼らざるを得ないが、これに超音波による強制混合の効果が加わる。
一般にルイス酸を用いるビニル化合物、ビニリデン化合物の二量化では、それらに含まれる不純物により、不溶物を生じることが多い。ビニル化合物、ビニリデン化合物類に含まれる含酸素、含窒素、含硫黄化合物等がルイス酸と錯体を形成し、それらのビニル化合物、ビニリデン化合物類への溶解度が低いため、マイクロリアクターの流路に析出する。また、微量に含まれる水分によりルイス酸が加水分解され、同様に不溶物を生じることがある。さらにはビニル化合物、ビニリデン化合物類の多量化により、不溶物を生じることもある。
本発明は、マイクロリアクターにとっては致命的な不溶物の堆積による流路の閉塞への対策として、超音波の物理的作用の一つでもある衝撃破壊作用を活用するものである。即ち、流路壁面近傍に集合あるいは堆積した不溶物をマイクロジェット流や衝撃波で分散させ、排除することに利用する。超音波には直進性がある。よって、照射の方向を流路から外さないように注意する必要がある。
一方、化学的作用は、キャビティの圧壊によって生じる高圧(数千気圧)と高温(5,000〜数万度)という反応場を提供することにあり、その最適な周波数は300kHzであると言われている(化学工学第67巻、第2号)。しかし、水中での音速は1,500m/秒であり、超音波の周波数を300kHzとすると波長は0.5cmであることから、反応種を分子レベルで直接に励起するものではない。よって、本発明はこの化学的作用を活用するものではないと考えられる。
マイクロリアクターにおける超音波振動の利用は、複数の流体を迅速かつ確実に混合するための方法の一つと考えられている(マイクロ化学システム高等研究院公開講演会、平成15年2月)。具体的には、超音波振動を利用すると、流れ方向で径を絞り、拡散距離を小さくしたり、流体の分割・混合を繰り返したり、超音波、電気エネルギー、熱エネルギーを利用して混合したりすることができる。実際、超音波ロッドを用いて分散を促進する例がある(米国特許第5,188,837号明細書)。しかし、反応の進行に伴って生成する不溶物の堆積への対策として言及しているものはない。
本発明の第一の態様によれば、マイクロリアクター中で、超音波振動を与えながら、ルイス酸の存在下、ビニル化合物又はビニリデン化合物を二量化する、ビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化方法が提供される。
本発明によれば、ビニル化合物又はビニリデン化合物を、連続的かつ高い選択率で二量化する方法を提供することができる。
本発明の方法では、マイクロリアクター中で、超音波振動を与えながら、触媒の存在下、ビニル化合物又はビニリデン化合物を二量化する。
本発明で用いられるマイクロリアクターは、流路の内径が、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。
流路の長さは、12cm以上が好ましく、30cm以上がより好ましい。
流路の本数は、1本以上であればよい。好ましくは5本以上である。
マイクロリアクターのチップの材質は、ガラス(パイレックス(登録商標))、アクリル樹脂(PMMA)等が好適である。
マイクロリアクターをガラス板から構成する場合、ガラス板は、ガラス転移を利用して融着する。具体的には、流路を刻したガラス基板に、流路を刻していないガラス基板を重ね合わせて、加圧しながらガラス転移温度以上に加熱して融着を行う。
マイクロリアクターは、流路出口手前の生成油に水を混合するポートを有することが好ましい。流路出口で水を注入し、反応生成油と混合することにより、ルイス酸を失活させ、反応を停止することができる。
本発明の方法では、超音波振動器によりマイクロリアクターに超音波振動を与えることができる。尚、超音波振動の周波数は、好ましくは20kHz以上、より好ましくは40kHz以上である。また、振動端子は、好ましくは2個以上である。超音波は直進性があるため、マイクロリアクターチップは、振動端子の真上に置き、不溶物が堆積し易い、異相流が合流するポイント及びその下流に照射するのが効果的である。
本発明では、反応温度を一定条件下に保つため、低温恒温槽中で反応を行うことが好ましい。このとき、超音波振動器は、低温恒温槽に備えることができる。
温度制御は、−10℃〜+30℃の範囲で行えればよい。
低温恒温槽の媒体としては、不凍液やエチレングリコール(濃度:最大35wt%)が好適である。
本発明の二量化反応の原料となるビニル化合物(原料油)は特に制限されないが、例えば、ビニルシクロヘキセン、スチレン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等のシクロヘキサン環を持つもの、ベンゼン環を持つもの、α−オレフィン等が挙げられる。ここで、α−オレフィンとして鎖状のものを挙げたが、決してそれに限定されるものではなく、側鎖に置換基を持っていてもよい。
また、本発明の二量化反応の原料となるビニリデン化合物(原料油)は特に制限されないが、α−メチルスチレン等のベンゼン環を有するもののほか、下記一般式(1)で表される化合物が好適である。
Figure 2005060281
[式中、R1、R2は、相互に独立な、鎖状又は環状の有機基であり、これらはヘテロ基を有してもよく、互いに結合して環を形成してもしなくてもよい。]
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、置換基を持ってもよいメチレン環状化合物が挙げられる。メチレン環状化合物の例としては、メチレンシクロプロパン、メチレンシクロブタン、メチレンシクロペンタン、メチレンシクロヘキサン、メチレンシクロヘプタン、メチレンシクロオクタン、メチレンシクロノナン、メチレンシクロデカン、メチレンビシクロ[3.1.0]ヘキサン、メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン、メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン、メチレンビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。これらのメチレン環状化合物は置換基を持ってもよい。
置換基の側としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の鎖状アルキル基(C1〜C6程度)、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基(C1〜C6程度)、これらの置換基を持ってもよいフェニル基、これらの置換基を持ってもよいヘテロ環等が挙げられる。ヘテロ環の例としては、オキシラン環、オキセタン環、ピラン環、フラン環、チイラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、オキサゾリン環等が挙げられる。
メチレン環状化合物として好ましいものは、メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。
本発明の方法では、二量化反応の触媒として、TiCl4、SnCl4、BF3の各種錯体(エーテル、アルコール、フェノール、水錯体等)等のルイス酸を用いる。このうち、好ましくはBF3−Et2O、SnCl4である。触媒の濃度は、原料油に対して、好ましくは0.1〜100wt%とする。
本発明では、これらルイス酸が、ビニル化合物又はビニリデン化合物と錯体を形成し、そこに接近したビニル化合物又はビニリデン化合物と重合して下記(1)に示す主反応の二量化が進む。
尚、二量化反応では、上記主反応以外に、副反応として、下記(2)に示す異性化や、下記(3)に示す三量化が進む場合があるが、本発明では、これらの副反応を従来の方法よりも抑制することができる。
ルイス酸
主反応 : ビニル化合物又はビニリデン化合物 → 二量体 (1)
ルイス酸
副反応 : 二量体 → 異性体 (2)
ルイス酸
二量体 + ビニル化合物又はビニリデン化合物 → 三量体 (3)
ルイス酸は、原料油又はその二量体と錯体を形成する。この錯体は着色し、黄色を経て濃茶褐色となる。また、その一部は、不溶物となって流路に堆積する。
しかし、本発明では、超音波振動を与えながら二量化を行うので、流路に不溶物が長時間堆積することがなく、連続的に二量化を行うことができる。
本発明では、必要に応じて、ビニル化合物又はビニリデン化合物や触媒を溶解するための溶媒を用いることができる。本発明で用いられる溶媒は、反応時のビニル化合物又はビニリデン化合物や触媒の取り扱い上、あるいは反応の進行を調節する上で用いることができるものであれば特に制限されない。具体的には、各種ペンタン、各種ヘキサン、各種オクタン、各種ノナン、各種デカン等の飽和炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、塩化メチレン、ジクロルエタン、ハイドロフロロカーボン等のハロゲン含有化合物、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物が挙げられる。このうち、好ましくはハロゲン含有化合物、ニトロメタンである。
尚、本発明では、触媒を溶媒に溶解してマイクロリアクターの流路(マイクロ流路)に供給する場合、その溶媒は、以下の要件(1)〜(3)を満たすことが好ましい。
(1)マイクロ流路内の層流でも溶媒中の触媒が不溶物として堆積しない、つまり触媒をよく溶かす
(2)原料油と溶媒の二流体がマイクロ流路内で安定な流動状態を形成するために、溶媒の粘度と表面張力が原料油に近い
(3)反応終了後の反応生成物、反応停止剤(水)との分離、及び回収が容易である
本発明では、具体的に、流量制御下で、原料油、触媒(又は触媒溶液)をマイクロ流路内に注入し、精密温度制御、かつ超音波照射の下で、二量化反応を行い、反応を停止させた後、反応生成油(二量体)を得る。
本発明の方法ではマイクロリアクターを用いているため、旧来のバッチ方式(フラスコ等のガラス機器を使用)に比べて、(1)研究開発期間の短縮、(2)急激な発熱を伴い暴走するような、旧来法では難しい反応、(3)製品性能向上による収益向上等が期待できる。
さらに、本発明の方法では、マイクロリアクターに超音波振動を与えているため、反応の進行に伴って生成する不溶物が及ぼす影響を回避することができる。その結果、効率的な連続運転が可能になる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1(マイクロリアクター実験)
図1に示すマイクロリアクター実験装置(マイクロ化学技研株式会社製、商品名 スタンダード集積化ガラスチップ ICC−SY15)を用いて、ビニリデン化合物の二量化反応を行った。
尚、この図において、2はマイクロリアクターのチップ、4はビニリデン化合物(原料油)の供給口、6は供給口4から供給されたビニリデン化合物が通過するマイクロ流路、8は触媒溶液の供給口、10は供給口8から供給された触媒溶液が通過するマイクロ流路、12はマイクロ流路6を通過したビニリデン化合物と、マイクロ流路10を通過した触媒溶液とが合流して、ビニリデン化合物の二量化反応が行われるマイクロ流路、14はビニリデン化合物二量体を含む反応生成油が取り出される流路出口部、16は超音波振動器(図示せず)を備えた低温恒温槽である。本実施例では、低温恒温槽16により反応温度を一定に保ちながら、超音波振動器が発生させる特定周波数の下で、二量化反応を行った。
具体的な原料、製造条件は、以下の通りである。
[ビニリデン化合物(原料油)]
メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン(密度(15℃):0.87g/cm3、粘度(40℃):1.7mm2/秒)を用いた。
[触媒溶液]
BF3−Et2Oをハロゲン化溶媒(ハイドロフロロカーボン(HFC) 三井・デュポンフロロケミカル(株)製、商品名 バートレルXF)に溶解し、原料油に対する濃度が20wt%になるように調製した。
[マイクロリアクター]
ガラスチップ:縦7cm、横3cm、流路=幅100μm×深さ40μm×長さ12cm
流量:原料油及び触媒溶液を、シリンジポンプを用いて5μl/分の流量でそれぞれ180分供給した。この時、反応物質の滞留時間(=流路体積/流量)は4秒であった。
[低温恒温槽]
冷媒:エチレングリコール12wt%の水溶液
反応温度=10℃(冷媒温度)
[超音波振動]
周波数:40kHz、出力200W
[反応生成油の組成分析]
GC−FIDで行った。
尚、本実施例では、反応流体への超音波照射による予期せぬ、あるいは好ましくない反応は起きていないことが確認された。反応成績を表1に示す。
比較例1(攪拌槽リアクター実験)
実施例1の二量化反応を、攪拌槽リアクター(フラスコ)中で行った。
具体的な原料、製造条件は、以下の通りである。
・ビニリデン化合物:実施例1と同じ化合物を用いた。
・触媒溶液:BF3−Et2Oを原料油に対する濃度が2wt%になるように3分間で滴下した。
・反応温度:10℃(冷媒:エチレングリコール12wt%の水溶液、温度:5℃)
・反応時間:2時間
・攪拌槽リアクター:フラスコ
・流動状態:強制攪拌(攪拌速度=400rpm)
・反応生成油の組成分析:GC−FID
反応成績を表1に示す。
比較例2(マイクロリアクター実験)
実施例1において、触媒溶液としてBF3−Et2Oをヘキサンに溶解し、原料油に対する濃度が2wt%になるように調製したものを用い、また、超音波振動をかけなかった以外は、実施例1と同様にして二量化反応を行った。反応成績を表1に示す。
尚、本比較例では、反応開始後約1時間で、マイクロ流路が部分的ながら閉塞し、流動状態が悪化した。
Figure 2005060281
尚、表1において、三量体の選択率(%)は、[三量体/(二量体+三量体)]×100として求めた。
上記実施例及び比較例の結果から、マイクロリアクターを用いると、反応時間が僅か4秒で目的物である二量体が得られるが、超音波照射を行った実施例1の方が、より高い収率で二量体が得られること、及び、副生物である三量体の収率あるいは選択率に着目すると、マイクロリアクターでは、従来技術の攪拌槽リアクターに比較して、これらの割合が半減していることが分かった。
尚、本二量体反応では、30%以上の転化率を得ている場合、三量体の選択率は変化しないことが分かっている。従って、マイクロリアクターにおいて反応物の滞留時間を増やし、転化率を上げても、三量体の選択率を低い状態で維持することができる。
本発明の方法は、合成潤滑油、化粧品基材等の製造における二量化合成に利用できる。尚、マイクロリアクターの流路は微細であるため、反応生成物は、一般的に極めて少量である。従って、上記分野において、フラスコ実験規模の製造量を短時間で得る場合、あるいは工業的規模で生産する場合には、マイクロリアクターのチップを積層化する技術(ナンバーリングアップ)を適宜応用すればよい。また、各チップにおいては、反応熱と超音波振動で発生する熱を効率的に除去し、均一な温度分布を得るための技術、及び超音波を均一に照射する技術を適宜応用すればよい。
また、マイクロリアクターは、機能性材料探索、反応条件の最適化をする上で、極めて有効な手段である。従って、本発明の方法を利用すれば、不溶物を生成する系にもマイクロリアクターを適用できる。
さらに、本発明の方法は、医薬、あるいは年間数千トン規模までのファインケミカルにおいて、マイクロリアクターを適用したいが、沈殿物や結晶が閉塞するため断念せざるを得なかった顔料の製造、グリニャール反応を伴う有機合成等に利用できる。
マイクロリアクター実験装置の模式図である。
符号の説明
2 マイクロリアクターのチップ
4 供給口
6 マイクロ流路
8 供給口
10 マイクロ流路
12 マイクロ流路
14 流路出口部
16 低温恒温槽

Claims (3)

  1. マイクロリアクター中で、超音波振動を与えながら、ルイス酸の存在下、ビニル化合物又はビニリデン化合物を二量化する、ビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化方法。
  2. 前記マイクロリアクターの流路の内径を500μm以下とする請求項1に記載のビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化方法。
  3. 前記超音波振動の周波数を20kHz以上とする請求項1又は2に記載のビニル化合物又はビニリデン化合物の二量化方法。
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