JP2011068420A - 後処理装置及び画像形成システム - Google Patents

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幹彦 山川
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Abstract

【課題】用紙の穿孔動作時にパンチとダイにかじりが生じることなく、安定した穿孔動作を行うことのできるパンチユニットを有する後処理装置を提供する。
【解決手段】前記後処理装置は、用紙に穴を穿孔するポンチとダイ及びポンチ駆動部を備え、前記穴の穿孔時に生じる前記ダイの位置ずれが、用紙搬送方向よりも用紙搬送方向に直交する用紙幅方向が小さくなるように構成されるとともに、前記ポンチは先端部に、V字形の溝を設けた刃先を有し、且つ前記V字形の溝の方向が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向と平行に配置されたことを特徴とするパンチユニットを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、用紙の所定の穿孔位置に穿孔するパンチユニットを備えた後処理装置及び該後処理装置を有する画像形成システムに関する。
最近の電子写真方式等の画像形成装置は、高速性能、多機能、ネットワーク機能等を有し、大容量給紙装置、大容量スタッカを接続することにより、印刷装置としての用途が拡大している。画像形成装置を印刷装置として用いる場合には、印刷物(画像形成された用紙)を仕分けしたり、綴じたり、ファイリングのための穿孔を行ったり、製本したりする後処理装置を接続することにより、印刷から後処理までを1台の装置で行うことが可能となる。
前記後処理装置として、例えば、用紙にファイリングのための穴を穿孔するパンチユニット、用紙束収容部と糊(接着剤)塗布部等を備えた糊付け製本装置等を有するものが従来から種々提供されている。
前記パンチユニットでの用紙の穿孔は、画像形成されパンチユニットへ搬送された用紙を所定の位置で停止し、用紙がポンチとダイの間に置かれた状態で、ポンチを用紙穿孔方向に移動し刃先をダイに押し込むことにより行われる。
このようなパンチユニットについて、ポンチとダイを備え、画像が形成された搬送される用紙にポンチを往復動させ、ポンチとダイにより孔を開ける穿孔装置が記述されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−260602号公報
ポンチとダイを備えたパンチユニットでの穿孔動作において、ポンチが用紙方向(用紙穿孔方向)に駆動されポンチの刃先が用紙に接触しダイ穴に到達すると用紙が剪断され穿孔が開始される。このように、穿孔が開始されるとダイ穴近辺にポンチ駆動方向の力(穿孔負荷)が加わる。例えば、用紙搬送方向が水平方向で、用紙を挟みポンチが上に、ダイが下に配置されている場合は、穿孔動作でパンチが下方向に駆動されるため、穿孔が開始されるとダイ穴近辺には下方向の力が加わることになる。
この下方向の力は、ダイを所定の位置から位置ずれ(以下、変位ともいう)させる要因となる。この変位は、用紙搬送方向、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向、及び上下方向に三次元的となる。この変位により、ポンチ下端部とダイの打ち抜き穴とに接触干渉を生じることがある。これにより、ポンチとダイにかじりが生じ、動作不良を生じることがある。特許文献1は、このかじり発生の抑制はしておらず、かじりが生じ穿孔動作の不良を生じる恐れがあった。
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、用紙の穿孔動作時にパンチとダイにかじりが生じることなく安定した穿孔動作を行うことのできるパンチユニットを有する後処理装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の構成により達成される。
1.用紙搬送路に設けられ、用紙に穴を穿孔するポンチとダイ及びポンチ駆動部を備えたパンチユニットを有する後処理装置であって、
前記パンチユニットは、前記穴の穿孔時に生じる前記ダイの位置ずれが、用紙搬送方向よりも用紙搬送方向に直交する用紙幅方向が小さくなるように構成されるとともに、
前記ポンチは先端部に、V字形の溝を設けた刃先を有し、且つ前記V字形の溝の方向が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向と平行に配置されたことを特徴とする後処理装置。
2.前記ポンチは、前記ポンチを支持する支持部材に設けられたガイド穴に穿孔動作方向に移動可能に嵌合されるとともに、軸心が用紙搬送方向と平行で且つ前記ポンチの軸心に鉛直に設けられたピン部材を備え、前記ピン部材を介し前記ポンチ駆動部のポンチ駆動部材と接続され、前記ポンチ駆動部材は前記ピン部材を介して前記ポンチを穿孔動作方向に往復動することを特徴とする前記1に記載の後処理装置。
3.前記ピン部材と前記ポンチ駆動部材は、前記ピン部材の一方向で、片持ちで接続されることを特徴とする前記2に記載の後処理装置。
4.用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置により画像が形成された用紙を受け取り、用紙に後処理を施す前記1から3の何れか1項に記載の後処理装置とを有することを特徴とする画像形成システム。
上記により、用紙の穿孔動作時にパンチとダイにかじりが生じることなく安定した穿孔動作を行うことのできるパンチユニットを有する後処理装置を提供することができる。
本発明に係る画像形成システムの例を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る後処理装置の一例を示す断面図である。 パンチユニットの一例を示す正面断面図である。 パンチユニットの一例を示す側面図である。 穿孔負荷によるダイの用紙搬送方向の変位を示す模式図である。 穿孔負荷によるダイの幅方向の変位を示す模式図である。
以下に本発明に係る定着装置の実施の形態について図を参照して説明する。なお、本発明は、以下に限定されるものではない。
以下の説明において、幅方向とは用紙の搬送方向に対し直交方向を指す。
また、上流とは用紙が搬送されてくる方向を指し、下流とは用紙が搬送されて行く方向を指す。
図1は、後処理装置と画像形成装置とを有する画像形成システムの例を示す図である。
画像形成システムAは画像形成装置Cと後処理装置Bとを有し、画像形成装置Cで用紙Pに画像形成が行われ、後処理装置Bで用紙Pに穴を明ける穿孔等、設定された後処理が行われる。
電子写真方式の画像形成装置Cは原稿画像を読み取る原稿画像読取部1と、原稿Sを搬送する自動原稿搬送装置2と、原稿画像読取部1により読み取った原稿画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部3と、用紙Pを画像形成部3に供給する給紙部4と、トナー画像を定着する定着部5と、表示手段と操作スイッチ類を有する操作パネル9と、これらを制御する制御部C2とを有している。
後処理装置Bは、用紙Pに穴を明けるパンチユニット20を有するものであれば特に限定されるものではない。
画像形成装置Cと後処理装置Bとは、画像形成装置Cから搬出された用紙Pが後処理装置Bの受入部90で受け入れられるように、画像形成装置Cの排紙ローラ76と後処理装置Bの受入部90が合致するよう位置と高さが調節され設置される。
また、画像形成装置Cと後処理装置Bとは、それぞれ画像形成装置Cの通信手段T2と後処理装置Bの通信手段T1とを有し、制御部C2と制御部C1との制御の下に各種情報の授受を行っている。
例えば画像形成装置Cの操作パネル9で設定された後処理に係る情報が通信手段T2を介して後処理装置Bの通信手段T1に送信され、後処理装置Bは送信された前記後処理に係る情報に基づいて後処理を行う。
図2は、画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
自動原稿搬送装置2は給紙トレイ2a上に積載された原稿Sを1枚ずつ分離して原稿読み取り領域Rに搬送した後、排紙トレイ2hに排紙する。
具体的には、給紙トレイ2a上に積載された原稿Sは送り出しローラ対2bにより1枚ずつ分離給送され、送り出しローラ対2bの下流側に配置されたレジストローラ対2cに送られる。
原稿画像読取部1は、光源1b及び第1ミラー1cを有する第1の走査ユニット1dと、第2、第3ミラー1e、1fを有する第2の走査ユニット1gと、原稿画像をラインイメージセンサCCDに結像する光学系1hとで構成されており、静止光学系型読取動作の場合は、第1の走査ユニット1dと第2の走査ユニット1gとを固定して、自動原稿搬送装置2により搬送される原稿Sの画像を原稿読み取り領域Rで読み取る。
又、移動光学系型読取動作の場合は、第1の走査ユニット1dと第2の走査ユニット1gとが副走査方向(図示右方向)に破線で示すように移動して、移動中にプラテンガラス1a上に裁置された原稿Sの画像を読み取る。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換された原稿画像のアナログ信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われ、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)各色毎のデジタル画像データとなる。
Y、M、C、Kの各色に対応する第1の像担持体としてのドラム状の感光体(以下感光体とも記す)1Y、1M、1C、1Kは、各色に対応する帯電装置2Y、2M、2C、2Kにより一様に帯電される。
各色に対応する露光装置3Y、3M、3C、3Kは、各色のデジタル画像データに基づいて対応する感光体1Y、1M、1C、1Kに潜像を形成する。
新規トナーを補給する各色のトナー補給装置4Y、4M、4C、4Kから各色のトナーが現像装置5Y、5M、5C、5Kに供給され、現像装置5Y、5M、5C、5Kにより感光体1Y、1M、1C、1K上に形成された各色に対応する潜像は顕像化される。
現像装置5Y、5M、5C、5Kと感光体1Y、1M、1C、1Kとは、垂直方向に縦列配置されており、感光体1Y、1M、1C、1Kの側方にはローラ71、72、73、74を巻回して回動可能に張架された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体である中間転写体70が配置されている。
そして、中間転写体70はローラ71によりローラ71に接続された図示しない駆動装置により矢印方向に駆動されている。
1次転写手段としての各色に対応する1次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kは、制御部C2により画像の種類に応じて選択的に作動され、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1C、1Kに中間転写体70を押圧する。
このようにして、感光体1Y、1M、1C、1K上に形成された各色のトナー画像は、回動する中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
1次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kにより中間転写体70にトナー画像を転写した後、感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング手段7Y、7M、7C、7Kにより残留トナーが除去される。
用紙供給手段である給紙部4は、例えば用紙収納部材である第1の給紙カセット41a、第2の給紙カセット41b、及び第3の給紙カセット41cを有し、各給紙カセットの内部には用紙Pが収容されている。
収納された用紙Pは分離供給手段である給紙ユニット42により1枚ずつ分離され、複数の中間ローラ43、44、45、46等及びレジストローラ47を経て、2次転写領域75aまで搬送される。
そして、2次転写ローラ75により中間転写体上の合成されたトナー画像が用紙P上に一括転写される。
2次転写ローラ75はここを用紙Pが通過して2次転写が行われる時にのみローラ72に向けて付勢され、中間転写体70に用紙Pを圧接させる。
2次転写ローラ75により用紙にカラー画像を転写した後、用紙を曲率分離した中間転写体70は、クリーニング手段77により残留トナーが除去される。
カラーのトナー画像が転写された用紙は、加熱源Hを内蔵する加熱ローラ51と圧着ローラ52とを有する定着部5により定着処理される。
そして、定着された用紙は排紙ローラ76に挟持されて、排出口から下流工程の後処理装置に供給される。
図3は、後処理装置の一例を示す断面図である。
用紙の後処理としては、例えばシフト処理、ステープル処理、折り処理、穿孔処理(パンチ処理)、製本処理等が挙げられる。図3に示す後処理装置Bでは、パンチユニット20、用紙Pを幅方向にシフトするシフト部30、用紙の束にステープル処理を行うステープル部50、用紙の束を折り曲げる折り部70、用紙を一時的に集積するスタッカ80、用紙を排紙トレイ61に集積する排紙部60、これらを制御する制御部C1、を有している。
後処理装置Bには、上段に第1給紙トレイ11と第2給紙トレイ12と固定排紙トレイ13とを有する給紙装置10が配置されている。
中段には、用紙Pに穴を明けるパンチユニット20と、用紙Pを幅方向にシフトするシフト部30と、排紙手段である排紙部40と、が略同一平面状に配置されている。
下段には、用紙Pの束をステープル針で結束するステープル部50と、用紙P又は用紙束を折り曲げる折り部70と、用紙を一時的にスタックするスタッカ80と、が傾斜面をなす同一平面状に配置されている。
また、左側面には、排出される用紙Pやステープル処理済みの用紙束を排紙・積載する排紙部60と、三つ折り又は二つ折りに折り畳み処理された処理済み用紙束を積載する固定排紙台115と、が配置されている。
画像形成装置C内で定着処理された用紙Pは、受入部90に送り込まれる。
そして、穿孔処理が設定されている場合はパンチユニット20でパンチ穴が明けられ、設定されていない場合はパンチユニット20を通過する。
パンチユニット20の近傍には、用紙Pを搬送する搬送ローラ23と、搬送される用紙Pの幅方向端部位置及び下流側先端部(後端)を検知する用紙センサ24と、を有し、下方にパンチ屑を収容するパンチ屑受け25を有している。
単に集積処理のみが設定されている場合は、切替ゲートG2により用紙Pは搬送路aに送り込まれて固定排紙トレイ13に集積される。
シフト処理が設定されている場合は、切替ゲートG2により用紙Pは搬送路bに送り込まれ、シフト部30により幅方向にシフトされ、排紙部40を経て排紙部60の排紙トレイ61に集積される。
なお排紙トレイ61は、排紙トレイ61に集積された用紙最上面が排出ローラ41の用紙排出位置に適合した位置に来るように、移動手段63により調整されている。
また、排紙トレイ61では整合部62により、集積される用紙の幅方向に対する整合が行われる。
ステープル処理が設定されている場合は、切替ゲートG2により用紙Pは搬送路cに送り込まれ、スタッカ80で所定枚数がスタックされた後、ステープル部50でステープル針を打ち込み結束後、スタッカ80を介して排紙トレイ61に集積される。
また、折り処理が設定されている場合は、同様にしてスタッカ80で所定枚数がスタックされた後、折り部70で用紙束を折り曲げた後、スタッカ80を介して排紙トレイ61に集積される。
なお、スタッカ80では、搬送ローラ191、192、193により送り出された用紙Pがスタッカ80の上方空間に排出され、排出された後に、用紙Pはその自重により下降に転じ、傾斜シュート181の傾斜面に沿って斜め下方に滑走し、可動ストッパ151の用紙突き当て面151aに後端部(図示下方)が当接して停止する。
そして、ステープル処理や折り処理後に可動ストッパ151を上昇させることにより、処理済み用紙を排紙トレイ61に集積させる。
また、ステープル部50は打針機構150Aと受針機構150Bとを有し、スタッカ80に所定枚数の用紙Pが集積、整合されると、打針機構150Aと受針機構150Bとは図示しない駆動手段により付勢され、この付勢によりステープル処理が行われる。
また、折り部70は、用紙束を押圧して折り込む1対の折りローラ171と、用紙束の背部を1対の折りローラ171間に押し込む押し込み部材172とを有している。
押し込み部材172がステープル用紙束の中央部を1対の折りローラ171間に押し込むことによりステープル用紙束の中央部は押圧を受けて中央部が折られ、冊子状態となる。
後処理装置Bの制御部C1は、前述した後処理装置B全体の制御を行うとともに、通信手段T1を介して画像形成装置Cの通信手段T2から送信される前述したジョブ情報等を受信する。
図4は、パンチユニット20の一例を示す正面断面図である。図5はパンチユニット20の一例を示す側面図である。ここで、正面図とは、用紙Pの幅方向に見た図、即ち図3において図面手前側から奥方向に見た図であり、側面図とは、用紙Pの搬送方向(図3、矢印PD方向)に見た図である。
パンチユニット20は、フレームA210、複数のポンチ211、用紙ガイド板214、複数のポンチ211に対向するように用紙Pの搬送路Lを挟んで配置されたダイ215、ポンチ211をダイ215に向けて付勢するポンチ駆動部材のカム板213と、フレームB216、動力伝達機構を介してカム板213を用紙Pの幅方向に移動するモータM1等を備えている。
図5に示す例は、ポンチ211を5つ(211a、211b、211c、211d、211e)備え、2穴と3穴用の穿孔に対応した例である。即ち、ポンチ211a、211b、211cは3穴用として機能し、ポンチ211d、211eは2穴用として機能する。
ポンチ211は、ポンチ211を支持する支持部材であるフレームA210のガイド穴210a、210bに嵌合され、穿孔方向(図4、矢印Z1方向)に移動可能に支持される。また、ポンチ211には、ピン部材であるピン212が設けられ、ピン212は後述のカム溝2131と嵌合する。ピン212は、軸心が用紙搬送方向と平行で且つ前記ポンチの軸心に鉛直になるように設けられている。
ポンチ駆動部材として機能するカム板213はフレームA210に取り付けられたガイド(不図示)を介し、フレームA210に用紙Pの幅方向(図5矢印X1方向)に移動可能に支持される。
また、カム板213はパンチ211のピン212が嵌合する複数のカム溝2131を有し、カム溝2131はパンチ211を上昇させる山部2131aと、パンチ211を下降させる谷部2131bとを備えている。
カム板213は、モータM1により動力伝達機構を介して矢印X1方向に移動される。図5に示す例では、動力伝達機構として、ピニヨンM1pとカム板213に取り付けられたラック213rからなるラック・ピニヨン機構を用いているが、カム板213を矢印X1方向に直線運動するものであれば、これに限定されるものではない。
このように、モータM1、動力伝達機構、カム板213は、ポンチ駆動部を構成する。
モータM1の回転により、カム板213が矢印X1方向に移動され、ピン212に谷部2131bがくると、ピン212は押し下げられてポンチ211をダイ215のダイ穴215aに嵌合するように移動し、ピン212に山部2131aがくると、ピン212は押し上げられてパンチ211を待機位置に向けて移動する。このように、カム板213はピン212を介してポンチ211を穿孔動作方向に往復動する。
カム板213の移動位置により、2穴用と3穴用が選択される。
カム板213に移動位置は、モータM1の回転軸に設けられた円板とセンサを用いたエンコーダM1e等で検出される。また、カム板213の位置を直接、エンコーダ等で検出してもよい。
ダイ215は、ダイ穴215aを有し、ポンチ211の刃と嵌合することにより用紙Pに穿孔する。本実施の形態では、ダイ215は、用紙ガイド板214に対向する用紙ガイド板の機能を兼ねている。
フレームB216は、パンチユニット20全体を支持するとともに、ダイ215を補強している。
フレームA210とフレームB216は、スペーサー221、222を挟み、用紙ガイド板214とダイ215の間に用紙Pの搬送路Lを形成した状態で、ネジ等で固定される。これにより、パンチユニット20は一体化される。
フレームB216の両端側(図5、左右端側)が後処理装置Bの筐体(不図示)にネジ等で固定されることにより、パンチユニット20は後処理装置10に取り付けられる。
パンチユニット20に搬送された用紙Pは、用紙センサ24が用紙Pの下流側先端部(後端)を検出すると停止される。次に、モータM1の回転により、カム板213が矢印X1方向に移動され、ピン212が山部2131aから谷部2131bに移動される。これにより、ピン212は押し下げられてポンチ211がダイ215のダイ穴215aに嵌合し、用紙Pが穿孔される。
ここで、前述のように、ポンチ211が用紙穿孔方向に駆動され刃先が用紙に接触しダイ215に到達すると穿孔が開始され、ダイ穴215a近辺にポンチ211駆動方向の力(穿孔負荷)が加わる。これにより、ダイ穴215a(ダイ215)が所定の位置から変位する。この変位は、用紙搬送方向、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向、及び上下方向に三次元的となる。
この変位により、ポンチ211の下端部とダイ穴215aとに接触干渉を生じることがあり、ポンチ211とダイ穴215aにかじりが生じ、動作不良を生じることがあった。
図6は、穿孔負荷によるダイ215の用紙搬送方向の変位を示す模式図である。変位は、誇張して図示している。図6に示す例は、ポンチ211から上流側の剛性が下流側の剛性よりも高い場合であり、下流側に変位が大きくなっている。
用紙搬送方向の変位は、ポンチ211の位置にかかわらず、略同一形態(方向)の変位となるため、接触干渉による動作不良を防止するための対応策は、同一として考慮することができる。
図7は、穿孔負荷によるダイ215の幅方向の変位を示す模式図である。変位は、誇張して図示している。
図7に示すように、概ね用紙センターを境に変位の方向が異なり、また変位の程度も異なる。このため、ポンチ211の下端部とダイ穴215aとの接触干渉の部位及び程度がポンチ211毎にことなり、接触干渉による動作不良を防止する対応策は、ポンチ211毎に考慮する必要がある。
また、接触干渉の防止策は、主に変位の大きい方向について考慮する必要がある。この防止策は、ポンチ211の位置にかかわらず同一策が取れる方が対策上有利である。
このため、本発明においては、パンチユニット20は、穴の穿孔時に生じるダイ215の変位が、用紙搬送方向よりも用紙幅方向が小さくなるように構成される。この構成は、パンチユニット20を構成する部材の形状、強度の選択等により行うことができる。
更に、本発明においては、穴の穿孔時に生じるダイ215の用紙搬送方向の変位に対する対応策として、ポンチ211の先端部にV字形の溝を設けた刃先を設け、且つ前記V字形の溝の方向が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に平行になるように配置される。
次に、本発明のパンチユニット20での穿孔動作について説明する。
1.用紙Pがパンチユニットに搬送される。
2.所定位置で用紙Pが停止される。
3.ポンチ駆動部により、ポンチ211の片持ちのピン212が穿孔方向に押され、ポンチ211が、ダイ穴215aに向けて下降を開始する。
4.用紙Pにポンチ211の刃先が到達し、剪断による穿孔動作が開始される。
5.刃先がダイ215に到達、刃先がダイ穴215aに進入する。刃底部分(V溝底部)はダイ穴215aに未到達。用紙Pを剪断するので、穿孔開始からダイ穴215a付近を下向きに押し下げる力(穿孔負荷)が増加し、ダイ215(ダイ穴215a)の変位が増加する。
6.刃先は、ダイ穴215aに入り込んでいるので、ポンチ211はダイ穴215aにガイドされた状態で、下死点に到達し穿孔完了となる。
7.ポンチ駆動部により、ポンチ211の片持ちのピン212が上方に押され、上死点に向けポンチ211が移動し、待機位置に復帰する。
8.用紙Pの搬送が開始され、下流工程に用紙Pが搬送される。
上記のように、パンチユニット20を、穴の穿孔時に生じるダイ215の変位が用紙搬送方向よりも用紙幅方向が小さくなるように構成し、且つポンチ211の先端部にV字形の溝を設けた刃先を設け、前記V字形の溝の方向が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に平行になるように配置する。これにより、穿孔開始時の軽負荷のうちにポンチ211の刃先がダイ穴215aに入り込むため、穿孔が進み負荷によりダイ穴215aが変位してもポンチ211が接触干渉によるかじりを生じることなくガイドされ、安定した穿孔を行うことができる。
また、片持ちのピン212による駆動の際の、ポンチ211に働くモーメントの回転方向と、ポンチ211のV溝方向が直交する構成になることにより、穿孔が進み負荷によりポンチ211が回転変位しても、接触干渉によるかじりを生じることなくガイドされ、安定した穿孔を行うことができる。
9 操作パネル
20 パンチユニット
210 フレームA
210a、210b ガイド穴
211 ポンチ
212 ピン
213 カム板
213r ラック
214 用紙ガイド板
215 ダイ
215a ダイ穴
216 フレームB
2131 カム溝
221、222 スペーサー
A 画像形成システム
B 後処理装置
C 画像形成装置
M1 モータ
M1p ピニヨン
P 用紙

Claims (4)

  1. 用紙搬送路に設けられ、用紙に穴を穿孔するポンチとダイ及びポンチ駆動部を備えたパンチユニットを有する後処理装置であって、
    前記パンチユニットは、前記穴の穿孔時に生じる前記ダイの位置ずれが、用紙搬送方向よりも用紙搬送方向に直交する用紙幅方向が小さくなるように構成されるとともに、
    前記ポンチは先端部に、V字形の溝を設けた刃先を有し、且つ前記V字形の溝の方向が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向と平行に配置されたことを特徴とする後処理装置。
  2. 前記ポンチは、前記ポンチを支持する支持部材に設けられたガイド穴に穿孔動作方向に移動可能に嵌合されるとともに、軸心が用紙搬送方向と平行で且つ前記ポンチの軸心に鉛直に設けられたピン部材を備え、前記ピン部材を介し前記ポンチ駆動部のポンチ駆動部材と接続され、前記ポンチ駆動部材は前記ピン部材を介して前記ポンチを穿孔動作方向に往復動することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
  3. 前記ピン部材と前記ポンチ駆動部材は、前記ピン部材の一方向で、片持ちで接続されることを特徴とする請求項2に記載の後処理装置。
  4. 用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置により画像が形成された用紙を受け取り、用紙に後処理を施す請求項1から3の何れか1項に記載の後処理装置とを有することを特徴とする画像形成システム。
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