JP2011067020A - 省電力促進システム - Google Patents

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Abstract

【課題】省電力に対する住人の意識を高めて住宅における消費電力の低減を促進させる。
【解決手段】電気機器(エアコン3やテレビ受像機4)の消費電力を低減するために住人が行うべき複数種類の行動内容の中から、センサ装置5の検知結果に基づいて適切な行動内容が制御装置1の制御部10によって選出される。選出された行動内容が表示操作装置2によって文字及び音声で住人に提示される。例えば、内気温が外気温より5℃以上も高いとき、住人に対して窓を開けて換気するように促すメッセージを提示する。したがって、電気機器を制御しなくても、省電力に対する住人の意識を高めて住宅Hにおける消費電力の低減を促進させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅における消費電力の低減を促進させる省電力促進システムに関するものである。
地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を削減するためには、工場やオフィスだけでなく住宅においても省電力化を促進する必要がある。住宅の省電力化を促進する方法としては、空調機器(エアコンディショナ)やテレビ受像機、床暖房装置などの電気機器を制御する制御装置を設置し、かかる制御装置が各電気機器を制御して無駄な電力消費を減らす方法や、省電力化を図るために実行すべきアドバイス(助言)を利用者(住人)に提示する方法などが考えられる。
前者の方法を実施するためのシステムは、それぞれの電気機器が制御装置で制御可能な種類のものでなければならないが、住宅内の全ての電気機器を制御可能な種類の電気機器とすることは導入コストが非常に高くなるために普及し難いと考えられる。
一方、後者の方法を実施するためのシステムは、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている従来システムでは、遠隔地に設置されているサーバ(センタ装置)と住宅に設置されている端末(表示操作装置)とをネットワーク(インターネット)を介して接続し、住人が表示操作装置のスイッチ等を操作してアドバイスを要求したときに、表示操作装置からインターネット経由でセンタ装置にアクセスし、センタ装置が保有する種々のアドバイスをインターネット経由で表示操作装置にダウンロードするとともにダウンロードしたアドバイス(文字並びに音声)を表示操作装置の表示デバイスに表示すると同時にスピーカから鳴動するようになっている。そして、センタ装置から提示されるアドバイスに従い、例えば、住人がエアコンの冷房時の設定温度を高めに変更することで消費電力の低減が図れるものであった。
特開2009−130987号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている従来システムは、利用者(住人)が表示操作装置を操作したときにアドバイスが提示されるに過ぎず、省電力に対する住人の意識が低い場合、消費電力の低減を促進させることは非常に困難であった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、省電力に対する住人の意識を高めて住宅における消費電力の低減を促進させることができる省電力促進システムを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、住宅に設置されている複数の電気機器の動作状態、若しくは当該電気機器の動作に起因した環境変化を検知する検知手段と、電気機器の消費電力を低減するために住人が行うべき複数種類の行動内容を記憶した記憶手段と、行動内容を文字又は音声の少なくとも何れか一方のメッセージとして住人に提示する提示手段と、検知手段の検知結果に基づいて記憶手段に記憶されている複数種類の行動内容の中から1乃至複数の行動内容を選出するとともに選出した行動内容を提示手段に提示させる行動内容選出手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、電気機器の消費電力を低減するために住人が行うべき複数種類の行動内容の中から検知手段の検知結果に基づいて選出される適切な行動内容が提示手段によって住人に提示されるため、電気機器を制御しなくても、省電力に対する住人の意識を高めて住宅における消費電力の低減を促進させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、電気機器は冷房又は暖房の少なくとも何れか一方の動作を行うものであって、検知手段は、電気機器が設置されている部屋の内気温と住宅の外の外気温との差を検知してなり、行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づいて前記部屋を換気するという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、例えば、夏場において検知手段の検知結果から内気温よりも外気温の方が低いと判ったときに部屋を換気するという行動内容のメッセージを提示手段に提示させ、当該メッセージの通りに住人が窓を開けて換気すれば電気機器を冷房動作させることを避けて消費電力を低減することができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、行動内容選出手段は、検知手段で前記電気機器が動作していることが検知された場合、当該電気機器を停止するという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の作用に加えて、冷房動作している電気機器を停止するという行動内容のメッセージを提示手段に提示させ、当該メッセージの通りに住人が電気機器を停止すれば、無駄な消費電力を削減することができる。
請求項4の発明は、請求項2の発明において、電気機器の動作を遠隔から制御する制御手段を備え、制御手段は、検知手段で前記電気機器が動作していることが検知された場合に当該電気機器を停止させることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、請求項2の発明の作用に加えて、冷房動作している電気機器を強制的に停止することで無駄な消費電力を削減することができる。
請求項5の発明は、請求項2〜4の何れか1項の発明において、検知手段で検知される内気温と外気温との差が所定のしきい値以上となったとき、行動内容選出手段が前記行動内容を選出して提示手段に提示させ、制御手段が電気機器を停止させることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、検知手段は、制御手段が電気機器を停止した時点から、内気温と外気温の差がなくなるまでに要する時間を計時するとともに当該時間に応じて前記しきい値を変更することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、換気によって内気温と外気温の差を縮める効果は住宅の風通しや季節などの諸条件によって変動するので、内気温と外気温の差がなくなるまでに要する時間に応じてしきい値を変更することにより、前記諸条件に対応して換気により内気温と外気温の差を縮める効果を高めることができる。
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明は、検知手段は、住宅の各部屋における人の存在を検知してなり、行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づき、2以上の所定数の部屋で人の存在が検知されたときは予め決められている特定の部屋に集まるという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、それぞれ別の部屋で過ごす住人を特定の部屋に集めることで同時に動作する電気機器の数を減らして消費電力を低減することができる。
請求項8の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、検知手段は、住宅の各部屋に設置されている電気機器の種類と当該電気機器の動作状態を検知してなり、行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づき、2以上の所定数の部屋で同一種類の電気機器が動作しているときは予め決められている特定の部屋に集まるという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、例えば、2以上の部屋でそれぞれ電気機器が冷房動作している状況において、特定の部屋に集まるという行動内容のメッセージを提示手段に提示させ、当該メッセージに従って別々の部屋に居た複数の住人が特定の部屋に集まれば、同種類の電気機器を同時に動作させる場合と比較して消費電力を低減することができる。
請求項9の発明は、請求項7又は8の発明において、行動内容選出手段は、2以上の所定数の部屋に人が分散しているときに各部屋に設置されている電気機器の消費電力の総和と、前記特定の部屋に集合したときに当該部屋に設置されている電気機器の消費電力の総和との差分を推定して提示手段に提示させることを特徴とする。
請求項9の発明によれば、提示手段で提示される行動内容のメッセージに従って特定の部屋に集まる動機付けを住人に与えることができる。
請求項10の発明は、請求項8の発明において、電気機器はテレビ受像機であって、検知手段は、テレビ受像機で選択されているチャンネルを検知してなり、行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づき、2以上の所定数の部屋にそれぞれ設置されているテレビ受像機で同一のチャンネルが選択されているときに前記特定の部屋に集まるという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする。
請求項10の発明によれば、複数の住人が各々異なる部屋で同じテレビ番組を視聴している場合において、特定の部屋に集まるという行動内容のメッセージを提示手段に提示させ、当該メッセージに従って別々の部屋で同じテレビ番組を視聴していた複数の住人が特定の部屋に集まり、特定の部屋に設置されているテレビ受像機で当該テレビ番組を視聴すれば、同時に動作するテレビ受像機の数を減らして消費電力を低減することができる。
請求項11の発明は、請求項1〜10の何れか1項の発明において、行動内容選出手段は、提示手段から提示させる行動内容に従って住人が行動した場合に低減される消費電力を推定し、当該推定値を提示手段に提示させることを特徴とする。
請求項11の発明によれば、提示手段で提示される行動内容を実行する動機付けを住人に与えることができる。
請求項12の発明は、請求項1〜11の何れか1項の発明において、電気機器の動作を遠隔から制御する制御手段を備え、制御手段は、住宅全体における電気機器の消費電力低減レベルに応じた複数種類の制御モードを有し、これら複数種類の制御モードの内容並びに各制御モードにおける消費電力低減レベルに関するメッセージを提示手段に提示させるとともに、複数種類の制御モードの中から住人が選択する何れかの制御モードで電気機器を制御することを特徴とする。
請求項12の発明によれば、省電力に対する住人の意識を高めて住人が消費電力低減レベルの高い制御モードを選択するように促すことができる。
本発明によれば、省電力に対する住人の意識を高めて住宅における消費電力の低減を促進させることができる。
本発明の実施形態1を示すシステム構成図である。 同上における制御盤及び制御装置のブロック図である。 (a)は同上における表示操作装置のブロック図、(b),(c)は表示操作装置で表示する表示内容の説明図である。 同上の動作説明用のフローチャートである。 同上の動作説明用のフローチャートである。 本発明の実施形態2を示すシステム構成図である。 同上における表示操作装置で提示する提示内容の説明図である。 同上の動作説明用のフローチャートである。
(実施形態1)
本実施形態の省電力促進システムは、図1に示すように住宅Hに設置された制御装置1、表示操作装置2、センサ装置5で構成されている。
制御装置1は制御盤Aに設置されており、この制御盤Aには商用電力系統ACから交流電力を給電するための給電路Lp1が電力計6を介して引き込まれるとともに、住宅Hに設置されている発電装置7から交流電力を給電するための給電路Lp2が引き込まれている。
発電装置7は、例えば、太陽電池並びに太陽光発電用のパワーコンディショナや、燃料電池及び燃料電池用のパワーコンディショナなどで構成され、太陽電池や燃料電池で発電される直流電力がパワーコンディショナにより交流電力に変換され、給電路Lp2を介して住宅H内に給電される。
制御盤Aは、図2に示すように住宅H内に設置されたボックスに主幹ブレーカMB及び複数の分岐ブレーカSBとともに制御装置1を収納して構成される。主幹ブレーカMBの1次側に商用電力系統ACからの給電路Lp1と発電装置7からの給電路Lp2とが並列に接続され、主幹ブレーカMBの2次側には複数(図示例では4つ)の分岐ブレーカSBの1次側が並列接続され、さらに、各分岐ブレーカSBの2次側が住宅H内に配線されている配電路(電源線)Lxと接続されている。そして、これら複数系統の配電路Lxに接続されている1乃至複数の電気機器に当該配電路Lxを介して給電されている。
本実施形態における住宅Hには、リビング、客間、寝室、子供部屋などの部屋があり、それぞれの部屋に電気機器が設置されている。例えば、リビングにはエアコン31及びテレビ受像機41が設置され、子供部屋にはエアコン32及びテレビ受像機42が設置され、寝室にはエアコン33及びテレビ受像機43が設置され、客間にはエアコン34及びテレビ受像機44が設置されている。なお、これら複数の電気機器のうちでリビングに設置されているエアコン31と子供部屋に設置されているエアコン32は、日本電機工業会規格(JEM)で規格化されているHA端子が搭載され、HA端子に接続される信号線Ls1を介して制御信号の受信とモニタ信号の送信を行うことができる。但し、かかるHA端子(正式には、「JEMA標準HA端子−A」と呼ばれる。)並びにHA端子に関するJEM規格については従来周知であるから詳細な説明を省略する。
センサ装置5は、リビング、子供部屋、寝室、客間の各部屋(屋内)並びに住宅Hの外(屋外)に設置されている。このうち、屋内に設置される4つのセンサ装置5(51〜54)は、サーミスタや熱電対等を用いて各部屋の雰囲気温度(内気温)を測定する温度センサや各部屋を監視領域とする人感センサを具備しており、温度センサで測定した内気温の測定値や人感センサの検知結果(監視領域における人の存否)を伝送路Ls2を介してデータ伝送する機能を有している。人感センサは焦電素子を用いて人体から放射される熱線を検知する焦電式の人感センサ、あるいは超音波マイクロホンを用いて移動体(人)に反射する超音波を受波する超音波ドップラ式の人感センサ、若しくは電波を放射し移動体(人)に反射する電波を受信する電波ドップラ式の人感センサからなる。また、屋外に設置されるセンサ装置55はサーミスタや熱電対等を用いて住宅Hの外(屋外)の雰囲気温度(外気温)を測定する温度センサを具備し、温度センサで測定した外気温の測定値を伝送路Ls2を介してデータ伝送する機能を有している。尚、センサ装置5が行うデータ伝送は有線の伝送路Ls2を介したものに限定されず、例えば、小電力無線等の電波を伝送媒体としたものであっても構わない。
制御装置1は制御盤Aのボックス内に設置されており、図2に示すように制御部10、記憶部11、宅内通信部12、ネットワーク通信部13を備えている。制御部10は、CPUが所定のプログラムを実行することによって後述する種々の機能を実現している。記憶部11は、半導体メモリや磁気ディスクなどの記憶媒体からなり、前記プログラムデータの他、後述するようにセンサ装置5から取得した測定値データ及び検知結果データなどを記憶している。宅内通信部12は、制御部10とセンサ装置5との間で伝送路Ls2を介して行うデータ伝送をインタフェースする機能の他に、HA端子を搭載したエアコン31,32と制御部10との間で信号線Ls1を介して行うデータ伝送をインタフェースする機能を有している。ネットワーク通信部13は、ツイストペアケーブル(LANケーブル)を通信媒体(通信路Ls3)とする有線LAN(100BASE-TXなど)を利用した通信デバイス(LANコントローラ)の他、電話回線や光ファイバ回線若しくはCATV回線を介してインターネットNWに接続しインターネットNWを通してセンタ装置Sとデータ通信を行うためのモデム(ADSLモデムやONU、ケーブルモデムなど)を具備している。但し、有線LANの通信デバイスに代えて無線LANの通信デバイスを具備しても構わない。
制御部10は宅内通信部12を通して各センサ装置5に定期的にアクセスし、各センサ装置5が温度センサで計測した内気温又は外気温の測定値と人感センサの検知結果とを取得して記憶部11に記憶している。ここで、センサ装置5にはそれぞれデータ伝送用に固有のセンサ番号が割り当てられており、制御部10は、当該センサ番号を用いて各センサ装置5に個別にアクセスしている。
また記憶部11には、電気機器(エアコン3やテレビ受像機4)の消費電力を低減するために住人が行うべき複数種類の行動内容が記憶されている。具体的には、それぞれの行動内容を示す文章(メッセージ)のテキストデータと当該文章を読み上げた音声データ等を含む複数のウェブコンテンツが記憶部11に記憶されている。そして、後述するように制御部10に搭載されているウェブサーバにより、記憶部11に記憶されている複数のウェブコンテンツの中から選出されるウェブコンテンツがネットワーク通信部13を通して表示装置装置2に配信される。但し、記憶部11に記憶されるウェブコンテンツは、ネットワーク通信部13を通してインターネットNW経由でサーバ装置Sから制御装置1にダウンロードすることによって追加できる。
表示操作装置2は、図3(a)に示すように制御部20、表示部21、記憶部22、ネットワーク通信部23、操作入力受付部24、スピーカ25を備えている。制御部20は、CPUが所定のプログラムを実行することによって後述する種々の機能を実現しており、制御装置1の制御部10に搭載されているウェブサーバからウェブコンテンツを取得して再生するウェブブラウザが搭載されている。記憶部22は、半導体メモリや磁気ディスクなどの記憶媒体からなり、前記プログラムデータやウェブブラウザの他、制御装置1から配信されるウェブコンテンツなどを記憶している。
表示部21は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示デバイスと当該表示デバイスを駆動して文字や図形、記号などの視覚情報を提示(表示)するものである。操作入力受付部24は、表示デバイスと組み合わされるタッチパネルからなり、住人がタッチパネルに触れることで種々の操作入力を受け付けて制御部20に渡すものである。ネットワーク通信部23は、制御装置1のネットワーク通信部13と共通の通信デバイス(LANコントローラ)からなり、通信路Ls3(LANケーブル)を介して制御装置1との間でパケット通信を行うものである。尚、当該パケット通信を行うために、制御装置1並びに表示操作装置2には、それぞれ固有のIPアドレス(プライベートIPアドレス)が割り当てられている。
而して、制御部20では、制御装置1から配信されるウェブコンテンツをネットワーク通信部23より受け取ると、ウェブブラウザで当該ウェブコンテンツを再生して表示部21の画面(表示デバイスの画面)にメッセージ(文字)を表示するとともに当該メッセージを読み上げた音声(音声メッセージ)をスピーカ25から鳴動するのである。
次に、図4のフローチャートを参照し、エアコン3を冷房運転させている場合の本実施形態の動作の一例について説明する。
まず制御装置1の制御部10は、センサ装置5(例えば、リビングに設置されているセンサ装置51)から内気温の測定値を取得するとともに屋外に設置されているセンサ装置55から外気温の測定値を取得する(ステップS1)。制御部10は、取得した内気温の測定値と外気温の測定値(以下、単に「内気温」及び「外気温」という。)の差(=内気温−外気温)を演算するとともに当該差が所定のしきい値(例えば、5℃)以上であるか否かを判定する(ステップS2)。内気温と外気温の差が5℃未満である場合、制御部10は外気温が予め設定されている目標設定温度(例えば、28℃)以下であるか否かを判定し(ステップS3)、外気温が目標設定温度を超えていればステップS1に戻り、外気温が目標設定温度以下であればステップS4に戻る。
内気温と外気温の差が5℃以上、つまり、屋外の外気温がリビングの内気温よりも5℃以上低いときには、リビングの窓を閉め切ってエアコン31を冷房運転するよりもエアコン31を冷房運転せずに窓を開けて換気した方が消費電力を低減しながらリビングの内気温を快適な温度にすることができる。そこで、内気温と外気温の差が5℃以上である場合、制御部10は記憶部11に記憶されている複数種類のウェブコンテンツの中から最適なウェブコンテンツ、この場合、窓を開けるという行動内容に対応したウェブコンテンツを選出して読み出し、当該ウェブコンテンツをネットワーク通信部13より配信する。制御装置1から配信されたウェブコンテンツは表示操作装置2の制御部20で再生される。具体的には、表示操作装置2の表示部21の画面に図3(b)に示すようなメッセージが表示されるとともに同じ内容の音声メッセージがスピーカ25から鳴動されて住人に提示される(ステップS4)。ここで、最近のテレビ受像機にはネットワーク通信機能を有する機種があり、住宅Hに設置されているテレビ受像機4がこのような機種であれば、表示操作装置2だけでなくテレビ受像機4においても制御装置1から配信される前記ウェブコンテンツを再生し、窓を開けて換気するように促すメッセージを住人に提示することができる。
さらに制御装置1の制御部10は、住人がメッセージに従って窓を開けたか否かを確認するためのウェブコンテンツを記憶部11から読み出してネットワーク通信部13より配信する。このウェブコンテンツが表示操作装置2の制御部20で再生されると、表示部21には、図3(c)に示すように「窓を開けましたか?」という質問のメッセージと、当該質問に対する住人の回答(「はい」又は「いいえ」)を受け付けるためのボタンとが表示され(ステップS5)、住人が表示部21の表示面(表示デバイスの画面)において何れかのボタンが表示されている位置に触れるとタッチパネルを介して住人の回答に対応した操作入力が表示操作装置2の操作入力受付部24に受け付けられる。そして、受け付けられた住人の回答に対応する操作入力の情報が表示操作装置2から制御装置1に返送される。
制御装置1の制御部10では、表示操作装置2から返送されてくる住人の回答が肯定(窓を開けた)を示すものであるか否かを判定し(ステップS6)、肯定を示さない(窓を開けていない)と判定したら処理を終了する。一方、肯定を示す(窓を開けた)と判定した場合、制御部10は、エアコン31が冷房運転しているか否かをHA端子のモニタ信号によって判別し、冷房運転しているときは宅内通信部12より信号線Ls1を介して停止を指示する制御信号を送信してエアコン31を停止させる(ステップS7)。すなわち、窓を開けて換気しているにも関わらず、エアコン31を冷房運転することは電力を無駄に消費することになるので、上述のように住人が窓を開けたときは制御装置1がエアコン31を停止することで無駄な電力消費を防ぐことができる。
ところで、図4に示したフローチャートでは内気温と外気温の差が5℃以上のときに窓を開けて換気するように促すメッセージを住人に提示しているが、必ずしも5℃というしきい値が適切な値とは限らない。例えば、住宅Hが風通しの良い場所に建っていれば窓を開けて部屋の温度(内気温)が下がるまでに要する時間は相対的に短いと考えられるが、住宅Hが風通しの良くない場所に建っていたり、あるいは日射による外壁からの熱が伝わりやすい構造であると、内気温が下がるまでに要する時間が相対的に長くなると考えられる。したがって、内気温と外気温の差と比較するしきい値をそれぞれの住宅H毎の状況に応じて変更することが望ましく、しきい値を適宜変更するようにした場合の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
制御装置1の制御部10は、図4のフローチャートで説明した動作と同様に、センサ装置5から取得した内気温と外気温の差をしきい値X(初期値はX=5℃)と比較し、しきい値以上であれば表示操作装置2より窓を開けて換気するように促すメッセージを住人に提示するとともに、表示操作装置2から返送されてくる住人の回答が肯定(窓を開けた)を示す場合には制御信号を送信して冷房運転中のエアコン31を停止させる(ステップS1〜S7)。そして、内気温が外気温以上の場合、制御装置1の制御部10はエアコン31が停止した時点から内蔵のタイマを起動し、センサ装置5から取得する内気温と外気温の差がゼロとなる、つまり、内気温と外気温が等しくなるまでの経過時間を計時するとともに、当該経過時間をそのときの月日及び時間帯(例えば、朝、昼、夜など)の情報と対応付けて当該情報とともに記憶部11に記憶する(ステップS8)。
さらに制御装置1の制御部10は、前記経過時間を所定の基準時間と比較し、経過時間が基準時間未満のときはしきい値Xを現在の値よりも減少させ、経過時間が基準時間以上のときはしきい値Xを現在の値よりも増大させる(ステップS9)。尚、変更(減少又は増大)したしきい値Xは、現在の値と書き換えられるようにして記憶部11に記憶される。
上述のような処理でしきい値Xを変更すると、窓を開けて換気したときに相対的に短い時間で部屋の温度(内気温)が下がる場合、しきい値Xを相対的に小さい値に設定することでエアコン3を無駄に運転する時間を減らすことができる。一方、窓を開けて換気したときに部屋の温度(内気温)が下がるまでに相対的に長い時間が必要な場合、窓を開けて換気することによる内気温の低下が余り期待できないと考えられるので、この場合にはしきい値Xを相対的に大きい値に設定することにより、窓を開けて換気を促すメッセージが不用意に提示されるのを防ぐことができる。
ところで、複数の部屋で同時にエアコン3やテレビ受像機4を使用するよりも、家族(住人)全員が一つの部屋に集まり、当該部屋のエアコン3及びテレビ受像機4のみを使用する方が消費電力をより多く低減することができる。
そこで、センサ装置5に具備した電力計で各部屋毎の消費電力を計測し、制御装置1の制御部10において、所定期間(例えば、1時間)内の消費電力量が規定値を超えている部屋の数をカウントし、そのカウント数が所定数(たとえば、3つ)以上である場合、特定の部屋(例えば、リビング)に集まるという行動内容に対応したメッセージを含むウェブコンテンツを表示操作装置2に配信する。そして、表示操作装置2で特定の部屋に集まるように促すメッセージが提示され、そのメッセージに従って子供部屋や客間に散らばって居た家族(住人)が一つの部屋(リビング)に集まれば、子供部屋や客間に設置されているエアコン3及びテレビ受像機4が停止することで住宅H全体の消費電力を低減することができる。ここで、制御部10では部屋毎の消費電力の計測値をセンサ装置5から取得しているので、住人が別々の部屋でエアコン3やテレビ受像機4を使用しているときの消費電力の合計値と、住人が一つの部屋に集まった場合の消費電力の予測値とを表示操作装置2に配信するウェブコンテンツに含めれば、特定の部屋に集まることによる省電力の効果(消費電力の低減量)を住人に提示して特定の部屋に集まるという行動の動機付けを住人に与えることができる。
また、エアコン3がHA端子を備えている場合、HA端子から出力されるモニタ信号によって当該エアコン3の動作状態(運転/停止)を制御部10でモニタすることができる。したがって、制御部10が、複数の部屋でエアコン3が同時に運転されていると判断したときに特定の部屋(例えば、リビング)に集まるという行動内容に対応したメッセージを含むウェブコンテンツを表示操作装置2に配信し、当該メッセージに従って住人が特定の部屋に集まれば、特定の部屋のエアコン3のみを運転して他の部屋のエアコン3を停止することで住宅H全体の消費電力を低減することができる。
さらに、複数の部屋で同時にテレビ受像機4が動作している場合においても、例えば、各部屋の住人が特定の部屋(リビング)に集まって1台のテレビ受像機4のみを動作させれば、同様に住宅H全体の消費電力を低減することができる。但し、各部屋においてテレビ受像機4で視聴されているテレビ番組が異なっている場合、住人を特定の部屋に集めることは困難であるから、各部屋で視聴されているテレビ番組が同一である場合にのみ、特定の部屋に集まるように促すメッセージを住人に提示することが望ましい。ここで、テレビ受像機4で視聴されているテレビ番組を制御装置1の制御部10で判定する方法は幾つか考えられる。一つは、チャンネルの選択状況を外部へ伝達する機能がテレビ受像機4に搭載されている場合に当該機能を利用する方法である。あるいは、センサ装置5にマイクロホンとFFTアナライザを具備し、テレビ受像機4のスピーカから鳴動される音をマイクロホンで集音するとともに当該音をFFTアナライザを用いて周波数分析して制御装置1の制御部10に周波数分析の結果を伝達し、制御部10において各部屋の周波数分析結果が略一致していれば同じテレビ番組が視聴されていると判断する方法がある。または、テレビ受像機4に付属するワイヤレスリモコンのリモコン信号(赤外線又は電波を媒体とする信号)をセンサ装置5で受信することにより、当該リモコン信号からチャンネルの選択状況を判断する方法もある。
(実施形態2)
本実施形態のシステム構成図を図6に示す。但し、本実施形態のシステム構成は実施形態1とほぼ共通であるから、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態が実施形態1と異なる点は、HA端子を利用したエアコン3の運転/停止の制御だけでなく、エアコン3の設定温度の調整も制御可能とした点にある。具体的には、エアコン3に付属しているリモコン装置が送信するワイヤレス信号(赤外線信号)と共通のワイヤレス信号を送信できるように構成された送信機8を各部屋に設置し、制御装置1の制御部10から信号線Ls4を介して送信される制御コマンドに従って各送信機8がワイヤレス信号を送信することによってエアコン3の設定温度を調整することができる。
ここで、制御装置1の制御部10は、住宅H全体における電気機器の消費電力低減レベルに応じた複数種類の制御モード(省エネモード)を有し、これら複数種類の制御モード(省エネモード)の内容並びに各制御モード(省エネモード)における消費電力低減レベルに関するメッセージを含むウェブコンテンツを表示操作装置2やネットワーク通信機能を有したテレビ受像機4に配信して住人に提示するとともに、これら複数種類の制御モード(省エネモード)の中から住人が選択する何れかの制御モード(省エネモード)で電気機器を制御する。
本実施形態においては、「積極省エネモード」、「快適省エネモード」、「外出モード」、「みんなでがんばるモード」の4種類の省エネモードが用意されている。「積極省エネモード」では、エアコン3の設定温度を夏季28℃、冬季20℃にそれぞれ強制的に調整するとともにセンサ装置5の人感センサで人の存在が検知されなくなってから5分経過したらエアコン3を強制的に停止するという制御内容を制御部10が実行する。「快適省エネモード」では、人の温冷感を基にした制御内容、例えば、帰宅直後には冷房時の設定温度を相対的に低く(暖房時は相対的に高く)してエアコン3を運転させて徐々に設定温度を高く(暖房時は低く)するような制御内容を制御部10が実行する。「外出モード」では、センサ装置5の人感センサで人の存在が検知されなくなってから1分経過したらエアコン3を強制的に停止するという制御内容を制御部10が実行する。但し、「みんなでがんばるモード」では、制御部10がエアコン3の制御を一切行わない。尚、これらの制御内容に対応した複数のプログラムが記憶部11に記憶されている。
図7は前記ウェブコンテンツを表示している表示操作装置2(あるいはテレビ受像機4)の画面の様子を示しており、「積極省エネモード」、「快適省エネモード」、「外出モード」、「みんなでがんばるモード」の4種類の省エネモードの内容並びに各省エネモードにおける消費電力低減レベルに関するメッセージが表示されている。ここで、図7に示す画面で左端に表示されている「積極省エネモード」、「快適省エネモード」、「外出モード」、「みんなでがんばるモード」の各文字部分は、それぞれの省エネモードを選択するための操作入力を受け付けるボタンとなっており、住人が何れかのボタンの位置でタッチパネルに触れることで表示操作装置2の操作入力受付部24が当該ボタンに対応した省エネモードを選択するための操作入力を受け付けるようになっている。
図8のフローチャートに示すように、住人によって何れかの省エネモードが選択されると、制御装置1の制御部10は、「積極省エネモード」、「快適省エネモード」、「外出モード」の各省エネモードの制御内容に対応するプログラムの内から住人に選択された省エネモードの制御内容に対応するプログラムを記憶部11から読み出して実行し、「みんなでがんばるモード」が選択されたときは何れのプログラムも実行しない。
ここで、実施形態1と同様に、制御部10では部屋毎の消費電力の計測値をセンサ装置5から取得することができるので、日単位あるいは月単位での各部屋毎の積算電力量を記憶部11に記憶しておき、各モード実行時の省エネ(省電力)の達成度合(消費電力の削減レベル)、例えば、「積極省エネモード」が実行された日の全部屋を合わせた積算電力量と、「快適省エネモード」が実行された日の全部屋を合わせた積算電力量との差分、を表示操作装置2より住人に提示することができる。このように何れかの省エネモードの実行によって期待される消費電力の削減レベルを住人に提示することにより、省電力に対する住人の意識を高めて住人が消費電力低減レベルの高い制御モード(省エネモード)を選択するように促すことができる。
1 制御装置
2 表示操作装置(提示手段)
5 センサ装置(検知手段)
10 制御部(行動内容選出手段)
11 記憶部(記憶手段)

Claims (12)

  1. 住宅に設置されている複数の電気機器の動作状態、若しくは当該電気機器の動作に起因した環境変化を検知する検知手段と、電気機器の消費電力を低減するために住人が行うべき複数種類の行動内容を記憶した記憶手段と、行動内容を文字又は音声の少なくとも何れか一方のメッセージとして住人に提示する提示手段と、検知手段の検知結果に基づいて記憶手段に記憶されている複数種類の行動内容の中から1乃至複数の行動内容を選出するとともに選出した行動内容を提示手段に提示させる行動内容選出手段とを備えたことを特徴とする省電力促進システム。
  2. 電気機器は冷房又は暖房の少なくとも何れか一方の動作を行うものであって、検知手段は、電気機器が設置されている部屋の内気温と住宅の外の外気温との差を検知してなり、行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づいて前記部屋を換気するという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする請求項1記載の省電力促進システム。
  3. 行動内容選出手段は、検知手段で前記電気機器が動作していることが検知された場合、当該電気機器を停止するという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする請求項2記載の省電力促進システム。
  4. 電気機器の動作を遠隔から制御する制御手段を備え、制御手段は、検知手段で前記電気機器が動作していることが検知された場合に当該電気機器を停止させることを特徴とする請求項2記載の省電力促進システム。
  5. 検知手段で検知される内気温と外気温との差が所定のしきい値以上となったとき、行動内容選出手段が前記行動内容を選出して提示手段に提示させ、制御手段が電気機器を停止させることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の省電力促進システム。
  6. 検知手段は、制御手段が電気機器を停止した時点から、内気温と外気温の差がなくなるまでに要する時間を計時するとともに当該時間に応じて前記しきい値を変更することを特徴とする請求項4又は5記載の省電力促進システム。
  7. 検知手段は、住宅の各部屋における人の存在を検知してなり、
    行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づき、2以上の所定数の部屋で人の存在が検知されたときは予め決められている特定の部屋に集まるという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の省電力促進システム。
  8. 検知手段は、住宅の各部屋に設置されている電気機器の種類と当該電気機器の動作状態を検知してなり、
    行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づき、2以上の所定数の部屋で同一種類の電気機器が動作しているときは予め決められている特定の部屋に集まるという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の省電力促進システム。
  9. 行動内容選出手段は、2以上の所定数の部屋に人が分散しているときに各部屋に設置されている電気機器の消費電力の総和と、前記特定の部屋に集合したときに当該部屋に設置されている電気機器の消費電力の総和との差分を推定して提示手段に提示させることを特徴とする請求項7又は8記載の省電力促進システム。
  10. 電気機器はテレビ受像機であって、検知手段は、テレビ受像機で選択されているチャンネルを検知してなり、行動内容選出手段は、検知手段の検知結果に基づき、2以上の所定数の部屋にそれぞれ設置されているテレビ受像機で同一のチャンネルが選択されているときに前記特定の部屋に集まるという行動内容を選出して提示手段に提示させることを特徴とする請求項8記載の省電力促進システム。
  11. 行動内容選出手段は、提示手段から提示させる行動内容に従って住人が行動した場合に低減される消費電力を推定し、当該推定値を提示手段に提示させることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の省電力促進システム。
  12. 電気機器の動作を遠隔から制御する制御手段を備え、制御手段は、住宅全体における電気機器の消費電力低減レベルに応じた複数種類の制御モードを有し、これら複数種類の制御モードの内容並びに各制御モードにおける消費電力低減レベルに関するメッセージを提示手段に提示させるとともに、複数種類の制御モードの中から住人が選択する何れかの制御モードで電気機器を制御することを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の省電力促進システム。
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